JP2019090273A - 津波、洪水、高潮対策用の避難部屋付き建築建造物 - Google Patents
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Abstract
Description
は最大で33万人、犠牲者も100万人に近いとされる。地域により5分後に高さ10mの津波が襲うと予測される。その5分のうち、建物の揺れが収まるのが2、3分後とされるので、実質の避難に残された時間はわずか2、3分しかない。一刻も早く身の安全を図らなければならないが外に逃げる時間的余裕はない。日本海大地震では、さらに厳しく2分で10mの高さの津波が襲うとされている。当然、遠くの公共避難所までたどり着けないことは明白である。そこで、地域的な津波対策として、津波避難ビルや津波避難タワーが考えられている。しかし、それらはただでさえ危険な海沿い、沿岸部に設置されており、いち早く来襲する津波にそこにたどり着く避難途中で命を落とす可能性が大である。大きな津波にどこまでの高さなら絶対安全という保証もない。その高さを超える津波に人は全滅することは明白である。それでも我が身は自身で守る意識、危機管理が大切である。東日本大震災では、3階、4階建ての高さ10mの建物屋上で、それ以上の高さに逃れられない恐怖の元、多くの方が亡くなったことは想像を絶するものがある。中途半端に高い建物の屋上は袋小路といえる。明日かもしれない巨大地震の発生確率が高まっている。このため、ともかく逃げる、しかも遠くへと提唱されている。しかし、津波警報のたびに避難するのは、車の運転はどうするのか、沿岸地域の住民は酒も飲めない、入浴中では着の身着のままである。本当に真に迫った避難の覚悟ができているのか。空振りでもいいから警報を出すという情報発信の方針では、オオカミ少年のたとえのとおり、警報の回数の多さに、いざ、大きな津波来襲までに精神的、肉体的に日本中の国民が疲弊する。自分だけは大丈夫という言い逃れになっていずれ麻痺するのではないか。どうせ無理とあきらめが先行する。夜中、大雨、大雪時や災害時要救護者は行動を伴わない。付き添い人の美談のもと一蓮托生となる精神負担も相当である。幸いにして、津波は地震の後にしか来ない。到達時間も予測され、その制約範囲で余裕もある。ただ時間的余裕がない大きな津波では、すぐに避難、退避ができるところが身近にあることが最も重要となる。究極の身近は、明らかに居る場所、家、学校、職場の建物の室内といえる。ところが、先の東日本大震災の津波では木造家屋の多くは破壊され流されたことを目の当たりにした。それでも、命をあきらめてはいけない、命を守らなければならない。安全に、簡易に安く、迅速に逃げられる家族用、学校教室用、職場用対策が望まれるところである。昼間は離れ離れとなるケースが多く身内、扶養家族とも双方が心配である。小学校の子供も不安で仕方ない。そこで、身近な設置場所から、浮力を利用して水上に浮上する密閉式の球体が提案されている。しかし、そのときに人は保管場所にいるのか、すぐ乗り込めるか不安だ。救済人数も絶対的に少ない。津波避難ビルや津波避難タワーも、想定外の津波高さに逃れようがなく不安だし、当然に水没した水中で人は生きられない。地震時にはエレベータが使用停止であるし高齢者は上れない。建設費もかなり高価である。
特許庁特許情報プラットホームで、津波対策のキーワードで検索した結果、50件あり、特許文献1の津波対策住宅では、中高層住宅の1階を吹き抜けの構造とするものであるが、建物への波圧を軽減でき転倒を免れるものの、2階以上の高さの津波には途中の階が水没するので住民の生存には役立たない。特許文献2の津波対策建造物では、1階部を吹き抜けとし、柱を流線形とするもので、住居としては3階以上となるが、特許文献1と同じくあくまで予側津波高さが低い地域に有効といえる。特許文献3のシェルター付建物では、既設の建物の中の一室をシェルターとするもので、溶接や補強で気密性を確保した部屋とするものであるが、大きな津波の波圧や漂流物の衝突で補強した窓が突破されたり、津波の前の大きな地震力で溶接部が割れたり、ひび割れが入ったりする可能性があるので気密性が保持できず、水没した水中では空気が抜け溺死する恐れがある。例えば、10mの津波に水没すると2気圧がかかり、密閉構造体、気密部屋とするとボイルの法則で体積が1/2になるほどに圧縮、縮小する。20mの津波だと3気圧がかかり体積が1/3となり、気密とすれば巨大な外圧に耐えるのは容易でなく、潜水艦並みの耐圧鉄板壁厚、出入口耐圧ハッチが必要になり実現性に欠けているといえる。特許文献4の津波対策建築物及び構造物は、建物を菱形にして波圧を軽減したり、1階に水の流入、流出用の出入口を複数設けて波圧を軽減したりする工夫であり、建物の転倒には有効であるが、大きな津波に水没したときの住民の生存には役に立たない。建物には、窓が破れないとしても、換気扇口、クーラー取付口、台所の排水口、浴室の排水口、換気扇口、床や天井部の電気配線孔があり、かつ玄関ドアの下や横には隙間があるので、外水位で建物が水没すると室内はたちまちに水で満たされ溺死する。
次に、水中でも生存できる方法があるとしてもそこに避難する必要がある。南海トラフ巨大地震では、5分で10メートルの津波の来襲となれば避難所まで到底、逃げる猶予などない。沿岸の津波急襲地域では、避難に一刻の猶予もない。大きな揺れに津波情報を待って避難できるほどの時間余裕はない。揺れを感じた時点の感性、自己判断で、瞬時に、迅速に避難しなければならない。若ければ走ることもできるが人はいつまでも若くない。しかも避難所があらゆる民家の真直にあるとは限らない。赤子、乳児、高齢者、妊婦、病床、骨折時など、その生きた時代、年代、生活状況でも避難不可能となる。家の中、部屋で何とかならないか。家族単位、教室単位、職場単位で助かる方法を考える必要がある。いつ襲うか分からない津波、将来の津波来襲時に人はどこにいるか不詳であるが、住居内、建物内にいる可能性は1日の半分程度ある。建物内に設置する避難部屋であれば5分以内に避難できる。助かるという現実味がある。堅固な建物自体に避難部屋を設けること、そういう建物を建設することで避難時間の短縮を図ることができ避難困難の課題を解決できる。あわせて、建物の堅固さを利用できるので、漂流物の衝突からも身が守れ、弱い人体の漂流物からの衝突回避という課題を解決できる。
南海トラフ巨大地震での予測最高津波高さは34.4mである。多くの建物は、水没するし、波圧を受けて破壊される。建物が水没すると、巨大タンカーのように浮く力が働く。実際は、杭があるので簡単には浮かないが相当の浮力が働き、浮き上がりや転倒の要因となる。しかし、先の東日本大震災の時には鉄筋コンクリート造の建物は残った。これは、弱いガラス窓が漂流物や波力で先に破壊され、直接の波力を受ける建物の受圧面積が減り、その波力が反対側の窓をも突き抜けたことで、建物の転倒を免れたといえる。さらに、ガラスが破れ、建物内の空気が抜け、水と入れ替わり、水重量が床にかかり、建物全体の浮力が相当に軽減された。この場合でも、避難部屋は破壊されない壁で上に凸の形状に構成するので生存必要空気は逃げずに保持される。窓ガラスの多い堅固な建物とすることで建物の浮く、建物の転倒の課題が解決できる。とはいっても、壁面には波圧がかかるので転倒に対する抵抗モーメントの計算は必要である。窓ガラスが破壊しないとする計算の場合は柱断面がより大きくなる。さらには、建物の一部となる避難部屋が漂流物の衝突で破壊され、流されては元も子もない。壁設計には衝突、激流の流れに対する配慮が必要である。建築構造物の設計では、建物の柱、梁や壁、スラブの構造骨組みの解析、構造設計が実施される。そこで、避難部屋の壁を構造骨組みの柱、梁や壁、スラブと一体化することで、建物本来の持つ頑強さ、流され難さ、転倒のし難さを利用でき、そこへの定着力、アンカー、変形抵抗が有効に取れるので合理的である。避難部屋は、主に壁構造形式となるが、建物の構造骨組みとなる柱、梁や壁、スラブを利用し一体化すること、その避難部屋の残りの壁も堅固な壁とすることで、避難部屋自体が浮き上がり、転倒し、流され、あるいは破壊されるという課題が解決できる。あわせて、建物の中の避難部屋の配置の向きは、ガラス窓が破れたときの室内突破の激流、その流線を阻害しないよう平行方向に配置する。避難部屋の配置は、建物に対してバランスよく配置する必要がある。頑強さのため、避難部屋は、建物または構造骨組みの柱、梁や壁、スラブに対して左右対称構造、上下2階以上の貫通形構造、平面一致形が望ましい。結果、巨大地震に建物の耐震性向上という課題を解決できる。堅固な建物でも何階以上は津波が来ないとは断言できない。3階、4階、5階さらには想定外もあり得るため、階の高さに絶対安全はない。屋上に逃げるといってもエレベータは地震時に使用禁止、停止状態である。屋上には垂直梯子のため容易には上れない。その開口部には通常、管理用の鍵がかかっていざという時に入れない。現状10階建てマンションの場合、1階の高さが3mとして20mの津波想定地域では、1階から7階まで、想定外に安全を見て10階までの住民は下に下りて地区の避難所に向かわなければならない。そうはいっても高い階から下に下りることに抵抗、躊躇がある。現実離れしている。結果、10mの小さい津波の場合もあるからである。この場合、避難のため、下に、そして建物外に、逃げ出した多くの人が途中で犠牲になる悲惨な結果が待っていることは容易に想像できる。4階から10階の人は逃げなくてよかったのに。せっかく訓練通りに避難したのに、あくまで結果でしか分からない危うさ、運、不運がある。各階の一室に避難部屋を備えていれば、避難のため外に逃げ出した多くの人が途中で犠牲になる課題を解決できる。
一方、ボイルの法則で圧縮された空気圧については、潜函病の課題が残る。人体実験ではないが、2013年11月23日のナイジェリア沖の海底30mに沈没した貨物船の船底から、60時間後に救出された映像ニュースは記憶に新しい。また人の素潜りの世界記録は122mである。そこで、ナイジェリア沖の例から30mを限界としてもよいといえる。南海トラフ地震による津波の予測最大高さは高知県黒潮町の34.4mである。この地域では海抜4.4m以上の地盤高のところに避難部屋を有する建物を建てれば、一階の人の負荷が一応クリアできるといえる。とはいえ圧力負担は少ない方が望ましい。一般に10m程度までは特に潜函病とかの心配はないとされ、このことは階高さが3mとすると4階建までの建物が望ましいといえる。公民館などがその代表といえる。とはいっても、建物の民間住宅需要や、それでも見た目に高い方が安心という考え方もある。コスト的には大きな建物の方が割安という面もある。高い建物では、上層階の避難部屋ほど、津波で水をかぶる水没深は浅いので、水圧は低く、水没の継続時間も少ないので人体への負担の影響も少ない。大きな津波の予想地域では、避難部屋を建物のできるだけ上階、上方に設けることで圧力軽減の課題を解決できる。下階の避難部屋も有効であるが、建物の外側の屋外階段部、非常階段部や建物の内側の屋内階段部の外壁沿いの各階に避難部屋を設けることで、出入り自由で、下階の人が押し寄せる津波の高さの増加具合、到達様子を見ながら階段伝いに順次、階を上がり、上階に垂直移動することも可能で、下層階の人の圧力負担軽減の課題を解決できる。建物のうちでも最上階は、圧力負担が最も少なく、水没時間による必要空気量も少ないので設計空間に余裕があり、かつ広い空間を取りやすいので非常用品備蓄庫ともなる。近隣の人も利用可能で避難所として提供できる。
一方、酸素必要量は、中川工業所安全資料から、空気中の酸素は21%あり、酸欠は16%に減った時とされ、一人、1m3の空気で半分を呼吸する50分が限界とされることから、1時間では1.2m3の空気空間が必要となる。南海トラフ地震での津波の継続時間は1波で10分程度であるため、水中となる避難部屋の必要空間量は、0.2m3となるが、設計上は1m3/一人を目安とし避難人数分を確保する。一酸化炭素については問題となるレベルには至らない。地域により第6波までが予測されているが、1波毎に引き潮となるので、1波毎に自動的に新鮮な空気に入れ替わる。すなわち、設計の生存必要空気量は単純に、最大波、その継続時間に対して確保すればよいといえる。そこで、個別要件として、大きな津波でたとえ水没しても、破壊されず引き潮までの生存必要空気量を確保すること、地域により、第6波までで最大波高となるところもあるので、その波の引き潮までの数分間の最大空気容量を確保することで津波災害のもと、継続生存する課題を解決できる。
地震時にはエレベータが使えないこと、上に向かうのが困難な場合では避難時間の短縮からも水平移動が有効である。共用の渡り廊下、ベランダ伝いの横移動やホテルなどの内廊下からの水平移動が速く、建物の非常階段部に避難部屋を設けることで、避難時間の短縮の課題が解決できる。また、予測といえども津波の最高高さ34.4mの地域では、想定外含みの40m程度までは建物の避難部屋が適応と考えられ、それ以上の高層階では状況を見ながら階段で垂直移動することになる。さらに、個々人の人生、日常生活の中では室外に出ないで、避難のしやすさ、避難時間を最短とすることも優先される。もちろん津波急襲地域では室外に出て避難する時間もない。むやみに室外に出ると津波に流される危険性が高い。この場合は、居住の多少の床面積の減少はやむを得ないところである。ベランダの避難部屋、屋内の避難部屋とすることで個々人の迅速な避難、最短避難、安全避難の課題を解決できる。
建物の構造上から、堅固な建物の天井部に上に凸の空間を囲う容器となる壁を構成すると、水没中の空気は上昇してそこに留まる。それは天井の水平スラブと、建物の外壁、隣戸との戸境壁、構成する避難部屋の残りの面の壁などでなる4面の鉛直壁、垂壁、側面壁に囲まれた上に凸の空間である。大きな津波の水中でも、この空間を囲い下に開口のある壁から空気が逃げ出さず、空気は圧縮され保持される。ただし、壁と考えていても天井化粧板、間仕切り板壁程度では強度が弱いので要注意である。構造骨組みの柱、梁と共に利用する壁、スラブは、建物の外壁、天井スラブ、床スラブ、戸境壁で、避難部屋を構成する残りの壁と一体化する。建物に避難部屋を設置する場合の具体的な位置は、規模、階層の違いなどから様々考えられる。すなわち、建物の最上階の全部または一部を避難部屋とする場合、建物のうちの一戸から数戸の部屋全体を避難部屋とする場合、建物の屋外階段部、非常階段部の外壁を利用する場合、建物の屋内階段部の外壁を利用する場合、各戸間の戸境壁を利用する場合、各戸の天井スラブ、床スラブを利用する場合、各戸のベランダを利用する場合があり、これらのうちから選択することで、建物に設ける避難部屋を避難に最適となるよう設置するという課題を解決できる。建物には当然耐震性が求められる。外壁や戸境壁を2重壁とすれば耐震性も高まり、そこの空間を避難部屋とすれば一石二鳥といえる。また、上層階ほど必要空気量は少なくなるので、床面積の実質的減少は少ない。
ボイルの法則から、避難部屋の空気体積は外水圧に応じて内部水位の上昇が始まり縮小すること、壁に穴があれば空気は容易に水中へと抜けること、開口からの浸水で体が濡れることは承知していなければならない。共通の注意事項として、空気が漏れるということに関しては、致命的なので2重、3重の安全策を講じる。津波の前の巨大地震で建物にひび割れが入る可能性もある。避難部屋の内部に、壁の内側沿いに、壁とは構造的に分離して上に凸の袋状の形状体、構造体を設けるとよい。地震時の変形力が伝わらないように壁と離隔すればプラスチック板、薄鋼板程度で良い。スーパーのレジ袋のようなもので1m角の寸法イメージの上に凸の袋を折りたたんで備えておき、各自が頭からかぶることとしても十分効果的である。出入口高さを1mとすればそこまではすぐ浸水するので、踏み台、高い脚立を用意しておく。そうすることで、漂流物が入ってきても当たらないし、浮力で足元をすくわれることもなく、背が届かない天井部の空気を吸える。一般に、建物の壁には窓、クーラーの取付口、台所の換気扇口さらには電気配線の取付部、コンセント口など空気が逃げる孔があるので、避難部屋に保持できる空気体積はそれより高い位置もしくは平面的に避けた区画で確保しなければならない。避難部屋内部の壁間の寸法、離れ幅も最小1m幅あれば我慢できる。戸部屋の面積は避難部屋の面積より当然広いので、人数分を想定して、壁の有効縦高さ、横幅、長さの掛け算で空気体積を計算する。水中での避難部屋の空気保持の有効縦高さは、ボイルの法則で圧縮が始まる出入口の頂点高さ点から天井までの高さである。出入口の高さが低いほど、水中となる避難部屋に確保できる空気量が大となる。高さ1mから1.2mとすれば低く、身をかがめなければならないが急場なので不自由ではない。出入口高さを高く取れば出入りが楽だが、体積計算なので、その分、居住面積を縮小しなくてはならない。そこで、戸内のいずれかの部屋との利用の兼用を考える。特にウォークインクローゼットや納戸、物入を兼ねる場合には、2mほどの高い出入口が必要だが、占有面積を広げずに空気体積を確保する必要がある。そこで、出入口を住居用扉で漂流物突入防止とし、内部には上に凸の、出入口高さから上を蛇腹状の折りたたみとした袋状形体で遮水性、気密性材の幕を天井から吊るし、津波時には幕を床近辺まで垂らすことで大きな空気体積が確保できる。袋の天井部に穴を設けないために、洋服掛けは袋の天井より下で、洋服移動はキャスター付などの工夫をする。出入口の横幅は、漂流物の突入の心配がなければ、狭いながらも比較的自由に取れる。避難部屋の出入口部は、開け放していてもよいが、住宅用の仕切りドア扉、玄関ドア扉用の縮小版で閉めておけば特に不自由でなく、それは空気が通じる非密閉であり、漂流物の避難部屋内への直接突入も回避できる。押入と兼ねる場合は、その上部に避難部屋を設け、床を兼ねた押入の天井部から出入りすることになる。全般的に、設計空気量に比較的余裕をとれるので、地震到来までの数年、数十年の間に家族が増えても定員オーバー、避難人数増は問題にならない。避難部屋の必要空気量体積は、居住空間に対して比較的少ない体積であり、ウォークインクローゼットや納戸、物入、押入などと兼ねるとすれば、狭い住宅事情の部屋でも、室内占有、配置の課題を解決できる。出入口高さを2m程度確保したい場合は、扉の裏側と、受け側の壁との間にパッキン防水を施す方法もある。1戸部屋を避難部屋とする玄関扉やウォークインクローゼットの出入口扉に、さらには避難部屋の出入口を高い扉とする場合に、2m高さ程度のパッキン防水扉を施すと出入口の窮屈さに対する課題を解消できる。この場合も、避難部屋は大水圧を受けないようあくまで非密閉構造体であるべきで、扉高さのおよそ半分、1mから下はパッキン防水なしで隙間ありの半防水扉とするべきである。また、水圧で、パッキンなしの扉の下部が押し込まれると、扉の上部に開く力がかかりパッキンの気密性能が失われるので、扉の下部には硬質ゴムで変位を抑制する。
堅固な建物とは、RC造、S造、SRC造、CFT造をいう。
上に凸とは、お椀を伏せた様子で、上部が密実材で囲まれ、水中では空気貯まりとなり、下部が解放された状態をいう。直方体の避難部屋形状では天井とその側面で囲まれた空気貯まりとなり、下部に出入口が解放された形態をいう。
非密閉構造体とは、密閉構造体に対比する表現で、構造体に穴を有し、空気を遮断せず、水中では、浸水を許す構造体をいう。
一部屋、一室、一戸とは、前2者は住居用でない場合の教室、事務所、会議用途等の柱間を壁で区切られた区画部屋で、後者は住居用の家族単位、世帯単位で、戸境壁で区切られた部屋をいう。
構造的には、避難部屋の構造体を下部に開口とする非密閉構造とすることで、想定外の大津波で水没しても避難部屋の内外水圧差がなく、構造壁には水圧差による曲げモーメントの負荷がかからず、高価な密閉扉は必要なく、それほどの壁厚も必要でなく、特別な耐圧設計、設計の難度、特殊材料費などの問題も少ない。
堅固な建物でも何階以上は津波が来ないとは断言できない。低層でもいいから避難部屋を有する堅固な建築構造物を身近に増やすことで多くの人命を救うことができる。マンションの1階の高さが3mとして、20mの津波予報で、1階から7階まで、想定外に安全を見て10階建までの住民は下に下りて避難する必要がある。杓子定規の避難マニュアルの考え方では、かえって途中で遭難する可能性が大で、無駄骨というにも悲しい結末が当然のごとく予想される。だが、身近に安全な自分の避難部屋があると、日々の不安がなく腰を据えた平穏、安泰な日常生活を送ることができる。避難困難地域に指定された人々の日々不安な状況を解消できる。最大33万人とされる死者数のうちの、絶望的、避難をあきらめた多くの人の命を救うことができる。小学校では幼い命が集団で絶たれるという悲劇的ニュースが全世界を駆け巡ることもない。集団で助かる意義がここにある。学校には子供たちを安全に守る義務があるがゆえに、教員は誘導責任で裁判にかけられるという精神的負担から解放される。親も安心して日常を送ることができる。工場建物、事業所などの職場では、経営者は家族を支えている従業員の命を守る責務がある。全従業員が助かり、サプライチェーンの社会的役割を果たすことができる。家族は将来不安もなく安心して日常を暮すことができる。経営者も備えあれば憂いなしである。通勤自動車で工場敷地からいっせいに逃げると地域に大渋滞、混乱、迷惑がかかるが、敷地内で避難を完了してくれるので地域社会が助かる。昼間バラバラで生活している家族もこれなら安心して任せられる。
漁港では、防潮堤の嵩上げが難しく、避難部屋があれば魚市場、魚セリ場の関係者がすぐ逃げ込むことができる。病院でも対応ができる。日常的に立ち寄り、利用度の高いスーパーに避難部屋ができれば、買い物に出かけることの不安がない。ホテルでも避難が身近でできるので安心、津波避難部屋付きホテルはプライオリティが高くなるといえる。観光客の減少の心配はない。不特定多数の利用する図書館、公民館、役場の公共施設でも有効で、まさしく地域住民の安全基地となる。防潮堤の嵩上げ、高い津波避難ビルや津波避難タワーをつくる費用で、避難部屋を有する低層建物を身近に多く配置することができ、より多くの人の命を救うことができる。低層建物は廉価で、数多く設置できる。数が増えるということは、身近にある確率が上がるということである。通勤通学途上の生徒、サラリーマンもすぐ飛び込むことができる。さらに外出中の多くの人命が助かる。人口の少ない沿岸部、漁港部では随所に設置でき効率的、効果的といえる。あらゆる場所、場面で助かる希望が見えてくると避難訓練、防災意識も高まるといえる。自分の身は自分で守る自助意識が高まるといえる。堅固な建物の生活空間、活動空間に密着した避難部屋が多く設置されると、24時間の多くの時間帯で最直近にあり、5分で避難でき、1日中で避難安全時間数が多くを占めることができる。
居室の中の避難部屋には、平時はその中に雑物を収納できるので意外と役に立つ。有事には当然、命が大事、考えずに放り出す。収納ができ日常の占有スペースも少なく、日本の狭い住宅事情には大切なポイントとなる。水没、水中でも安心ということが理解できればパニックにならず、落ち着いて行動でき平穏な心の支えになる。マンションでは津波避難部屋付きということで資産価値が上がるといえる。
地震のたびの避難警報、日頃の訓練や夜間の避難訓練の精神的、肉体的負担が少ないのは妊婦、高齢者、小学生には助かる。いざ地震で避難するとき、大雪や大雨など天気が荒れていれば津波が来ないことを祈り、外に出ることを躊躇する。逆に外に出たために多くの人が命を落としかねない。我が家に避難部屋があるということはなんと安心なことか。車を運転する必要もないのでゆっくり晩酌を楽しめる。入浴を楽しめる。じっくり睡眠できる。津波到達時間が数分という予測地域では、地域防災計画は高台移転案でしか立案できないが、本発明の対策を取り入れることで選択肢が広がるといえる。防災の固定概念を変えることをためらってはならない。家族単位、教室単位、職場単位でその場で集合体が避難できるので、バラバラで逃げて行方不明、その捜索に莫大な費用がかかることも少なくなる。
高い建物の所有者から屋上避難の協力を得るとしても、従来の防潮堤の嵩上げや高台移転、津波避難ビル、津波避難タワーでは、巨額の予算のみならず、日本の長い海岸線での設置に長い歳月を要し、想定外の津波高さに対して安全の保証がない。すなわち、日々を安心して暮らせないということである。自然に生かされている人間、美しい海が見えなくなる悲しい弊害もない。災害は、時と場所を選ばない。明日かも知れず待ってくれない。本考案で、来る南海トラフ巨大地震の津波、さらに津波以外にも、高潮や大雨時の洪水、堤防決壊による河川氾濫時、海抜以下や天井川沿い地域の防災対策の一助としても有効である。いずれにしても、予測津波高さを超える想定外の大津波で水没しても生存必要空気量を保つことができる身近の対策を、計画配置する公共避難所と組み合わせ、補完すれば、早急な地域防災総合計画の立案に役立つ。順次、個別に対応することができるので、防災予算計画の追いつかない地域などでは特に有効といえる。避難警報、指示その空振りに関わらず、自主的に判断して避難できるので警報に振り回されて疲労困憊することはない。明日かもしれない津波には当然に、我が身は自分で守ることをためらってはならない。自分の命である、全て行政頼みをしている場合ではない。身近、安価、迅速に適用できるので、とても避難できないと諦めていた人にも光明といえる。日々の晩酌など当たり前の平穏な日々を安心して楽しく暮らせる。天井部設置とすれば建築、登記の床面積を減少することもない。危険とされた低層のマンションも安全施設として資産価値が認められ、建設が進む。そうなれば助かる人が増え、人が集まる相乗効果が期待できる。やはり、命の危険を感じて日々暮らす生活から解放されること、身近にある安心感は何事にも代えがたい。
大きな津波に、弱い建物は木端微塵となる。堅固な建物の、その堅固さを利用するのが最も賢明といえる。すなわち、構造骨組みの柱、梁や壁、スラブを利用し、一体化することで堅固さを活かすことができる。数分で10m高さの津波が急襲する地域では、避難の猶予がない。津波に浮き上がらない、流されない、転倒しない、壊れない、加えて津波で水没しても生存できる空気空間が確保できることが肝要である。堅固な建物自体は浮力、流出、転倒、破壊の抵抗性を満足しているので、その構造骨組みとなる柱、梁や壁、スラブを利用して一体化した避難部屋は、しがみつくような様相でもあり、流出等の津波への抵抗力は大きい。
沿岸部では高層建物の需要は少ないと見込まれ、まずは、低層建物が水没することを前提とした避難部屋、水没時間*避難人数分の必要空気量を保持できる避難部屋を有する建物とすれば安心である。水中で空気が逃げない、空気を保持できるということは、避難部屋の形状は、天井スラブと周囲を囲む4面の鉛直壁で上に凸の形状を形成するということである。床スラブと一体化すれば剛性が増す。3面とか多面とかは可能であるが、単純化のため主には4面の側面壁といえる。避難部屋の側面壁の下方には出入口を設ける必要がある。できればその出入口高さは、1m〜1.2m程度でできるだけ低い方がよい。出入口の頂点高さから天井までの高さが空気保持の有効高さであるので、体積計算では、出入りが身をかがめ窮屈であるものの床面積の減少を少なくできる。天井までの空気保有量を多く確保できるとともに大きな漂流物の侵入を抑制できる。
避難部屋の中の水圧は、津波高さの外水圧であり、開口としているので中の空気圧は外水圧と等しい。すなわち、建物の外が10mの津波であれば2気圧であり、10mの深さに素潜りした状態といえ、建物の中の避難部屋の空気体積は1/2=0.5と半分になる。内部空気は圧縮され浸水水位はその分まで上昇するが、空気は圧縮されながらも必ず保存されているため安心である。仮に、避難部屋が密閉構造体であれば、半分の0.5≒0.8*0.8*0.8、すなわち、単純には密閉構造体の寸法が0.8に縮小する外からの大圧力がかかる計算だが、開口しているので水の侵入を許すため内外の圧力差がなく、避難部屋自体は縮小せず、ボイルの法則で空気体積の圧縮相当で水位がその分上昇するのみである。さらなる想定外の圧力に対しても内外の圧力がバランスしているので密閉構造体のような特殊な構造設計は要さない。津波高さが想定外でも空気は水中で水面と共に上昇し避難部屋内に保持できる。ところが空気容量は計算できるとしても、漂流物の衝突、その鋭さには不測の事態が心配される。したがって、なるべく衝突を避けること、すなわち設置位置の選定、もし破れても2重3重の安全を図ることが懸命といえる。
密閉構造体では衝撃を直接受け、破損した場合一挙に空気が抜ける。構造体にも水圧に耐える強度、厚い壁厚、さらに出入口には耐圧ハッチなど特殊な装置が必要となり費用は相当に大きい。一方、非密閉構造体の開口式でも上に凸の空間に空気を溜める必要があり、水中で、空気が抜けると致命傷であることは明らかで、ひび割れに十分予見しなくてはならない。上に凸状の袋体を内部に設けるなど2重、3重の安全を講じるべきである。空気が抜ける危険性は、換気口、換気扇の他に最近の建築では、化粧ボード、天井配線、防音材空間、照明器具、煙感知器、配線管、コンセント口など支障物件が多いので配置換えなどの設計が必要である。当然に肝心な上に凸の部分に、取り付けのための穴を安易に設けてはならない。パテで補強したとしても水圧下では致命的欠陥となる。以下の実施例では、マンションを例として挙げる。
避難部屋の配置は、建物の構造骨組みとなる柱、梁や壁、スラブの剛性を活かすこととし、建物の構造上のバランスから、建物に対して左右対称配置、上下2戸以上の貫通、壁平面一致性、または隣接2戸以上の対称配置とすることを基本とする。バランス配置、一体化により、構造骨組みが強化され、地震時の変形にも抵抗が増すといえる。壁を主体とする避難部屋の構造的不安定さも解消される。ただし、拘束すぎると地震時の変位からひび割れが入る恐れもある。天井スラブと避難部屋の側壁、垂壁の隅角部のひび割れは致命的になる可能性もあるため、その直上の上階の床スラブと避難部屋の側壁、垂壁を剛結しないで変形吸収の隙間を設けるのも、階下の天井部の応力集中を緩和する一つの対策、工夫となる可能性がある。避難部屋には、踏台、脚立、非常食、非常用水、衣類などの入った防災リュック、浮輪、懐中電灯、ラジオ、ロープ、スコップ、個人用として上に凸状の1m3程度の折りたたんだビニール袋など必要に応じて中に用意していれば何かと備えとなる。
建築構造物の避難部屋の配置は、各戸の個別のために設ける場合、全戸のための共用として設ける場合、地域のためにも設ける場合などの以下の各種実施例を、地域、近隣の事情や家族の状況、職場の状況、通勤通学、買物等の日常社会生活の移動経路にも配慮し、複合的に組み合わせると活用、貢献の幅がさらに広がる。
また、津波避難ビルは、津波想定高さ以上の高さに対応する建物であるが、地震時はエレベータが使用禁止なので、上階に到着するまでに時間が足らない場合、力尽きる場合も想定される。そこで、地域の住民のためにも階段の途中階に本件の避難部屋を設けると上階への避難途中で逃げ込むことができるので、安心ができ、心強い。すなわち、津波避難ビルと本発明の避難部屋付の建築構造物との併合体とすることもさらなる効果的利用形態といえる。
6階建てのマンションで、階の高さを3mとして、高さ20mの津波が襲ったときはマンション全体が水没するが、最上階の避難部屋は水没しても水面までの水深が浅いので水圧負担は少ない。また、引き潮ですぐ水が無くなるので必要空気量も少なくて済む。広い空間余裕が取れる。結果10mの小さな津波であれば濡れなくて済む。すなわち、人にやさしく効果的に最上階の避難部屋を設けることができる。
6人家族分で2m*3mの天井部空中床広さで、6m3程度の空体積が確保できる。直接に床面積が減らないので、比較的許容できそうである。出入口は、上空、空中の床部分となり、押入の上段や建物の鉛直壁沿いに用意した脚立を利用する。居室部屋の片隅に寄せて設けると、天井が低いことによる圧迫感、閉塞感が緩和される。災害時要救護者は上に持ち上げてもらう補助者が必要だ。場合によって開口部にリフト、滑車を設けて吊り上げてもらうことも備えとして必要といえる。天井部は日常生活の邪魔にならず面積が広く貯蔵空気量としても十分である。物入とする場合は、広い空間ならそのままで良いが、狭ければ中の荷を考えずに放り出す。更なる安心のためには、底部に開閉式の面材を設けると漂流物がすべり抜ける。体重60kgの人の比重が1.0とすれば、人がその中に避難すると空気量は1−0.06=0.94m3に減るが、この程度は、天井避難部屋の底部までの浸水直前までの嵩上げ時間で、部屋の床上での津波到達による実際嵩上げ時間より遅れがあり、引き潮で新鮮な空気を確保できるので問題とならない。
2 避難部屋の出入口
3 柱
4 梁
5 壁
6 外壁
7 戸境壁
8 天井スラブ
9 床スラブ
10 2重壁
11 窓
12 ベランダ
13 共用廊下
14 屋外階段部、非常階段部
15 屋内階段部
16 エレベータ
17 仕切り壁
18 ウォークインクローゼット
19 柱の袖壁、外壁
20 予測津波高さ、水没高さ、水位
21 避難部屋、階下からの出入口部屋の側壁、鉛直壁、垂壁
22 ベランダ天井床スラブ
30 2m高さの半防水扉
31 受け側の、段違いコンクリート壁
32 防水パッキン、ゴムチューブの例
33 変位抑制材、硬質ゴムの例
34 ドアノブ
35 蝶つがい
36 隙間風防止リブ
Claims (8)
- 津波、洪水、高潮時に建物が水没しても生存できる避難部屋を堅固な建物に有し、避難部屋の天井スラブおよび側面壁上部を、空気が抜ける窓や空気穴のない壁面とし、避難部屋の床スラブや側面壁下部あるいは外壁下部、柱部袖壁下部に、開放した出入口を設けることで、上に凸の空間を囲う非密閉構造体とし、水没中の生存必要空気量を保持する容積を有し、建物の構造骨組みとなる柱、梁や壁、スラブを利用し、避難部屋の壁を建物と一体構造とすることを特徴とする津波、洪水、高潮対策用の避難部屋付き建築構造物
- 前記避難部屋を建物の最上階の全部または一部、あるいは建物のうちの一戸、一部屋、一室または数戸、数部屋、数室を避難部屋とすることを特徴とする請求項1に記載の避難部屋付き建築構造物
- 前記避難部屋を建物の柱、梁や外壁を利用し屋外階段部、非常階段部に、または建物の屋内階段部の外壁を利用し屋内階段部あるいは室内側に設ける上下2階以上を避難部屋とすることを特徴とする請求項1に記載の避難部屋付き建築構造物
- 前記避難部屋を建物の内部に設けることとし、建物の柱間をつなぐ戸境壁を2重壁構造とし、その中間に仕切り壁を設け、隣間を区切った避難部屋とすることを特徴とする請求項1に記載の避難部屋付き建築構造物
- 前記避難部屋を建物の各戸、各部屋、各室の内部に設けることとし、避難部屋の壁は、建物の柱、梁または外壁、戸境壁さらに天井スラブ、床スラブを共用することとし、残りの側面壁は天井スラブ、さらには外壁、戸境壁、変形に問題のない場合は床スラブの一部に定着し、上下2階以上または隣接2戸、2部屋、2室以上で概ね対にすることを特徴とする請求項1に記載の避難部屋付き建築構造物
- 前記避難部屋を建物の各戸、各部屋、各室の内部の天井部に設けることとし、避難部屋の底床スラブは、建物の窓枠より上の壁から天井までの位置、もしくは換気口を避けた空間位置とし、側面壁は天井スラブ、さらには戸境壁、窓枠上の外壁を利用して定着し、上下2階以上または隣接2戸、2部屋、2室以上で概ね対にすることを特徴とする請求項1に記載の避難部屋付き建築構造物
- 前記避難部屋を建物の各戸、各部屋、各室の外側のベランダ部に設けることとし、柱、柱部袖壁、外壁を共用することとし、残りの側面壁はベランダ天井スラブ、ベランダ床スラブ、外壁の一部を定着に利用し、上下2階以上または隣接2戸、2部屋、2室以上で概ね対にすることを特徴とする請求項1に記載の避難部屋付き建築構造物
- 前記避難部屋の出入口を2m程度と高くする場合に、扉と受け側のおよそ上半分にパッキン防水を施し、下半分はパッキン防水なしとしたことを特徴とする避難部屋の高い出入口用の半防水扉
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