JP2019089976A - 徐放性材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】徐放性物質の吸着性および徐放性のバランスに優れる徐放性材料を提供する。【解決手段】本発明の徐放性材料は、相互に連結したメソ孔を有する金属酸化物多孔質粒子と、徐放性物質と、を含む徐放性材料であって、窒素吸脱着等温線の吸着側の等温線からBJH法を用いて算出される、上記メソ孔の平均細孔径X1が5nm以上30nm以下の範囲内であり、窒素吸脱着等温線の脱着側の等温線からBJH法を用いて算出される、上記メソ孔同士を連結する連結孔の平均細孔径X2が1nm以上10nm以下の範囲内であり、X1>X2であり、上記メソ孔の細孔構造が3次元キュービック相構造であり、上記徐放性物質が、温度感受性TRPチャネル刺激物質、香料、殺虫成分、昆虫成長制御成分、入浴剤成分および生薬から選択される少なくとも一種を含む。【選択図】図1
Description
本発明は、徐放性材料に関する。
徐放性材料とは、例えば薬剤や美顔成分、栄養剤、香料、農薬、肥料等の作用物質(以下、徐放性物質とも呼ぶ。)を徐々に放出することができる材料のことを言う。徐放性材料は、作用物質を徐々に放出することで作用物質の効果を長時間維持することができ、少ない作用物質の投与でも効果的に所望の作用を得ることが可能となる。
このような徐放性材料に関する技術としては、例えば、特許文献1(特開2006−248832号公報)に記載のものが挙げられる。
特許文献1には、多孔質シリカに、メントール、揮発性物質、温熱性物質、植物ポリフェノールおよび有機色素からなる群より選択される物質が担持された、物質担持多孔質シリカが記載されている。
本発明者らの検討によれば、特許文献1に記載されているような多孔質シリカは、徐放性物質の吸着性について十分に満足できるものではないことが明らかになった。
すなわち、特許文献1に記載の多孔質シリカには、徐放性物質の吸着性および徐放性のバランスの点に関して改善の余地があることが明らかになった。
すなわち、特許文献1に記載の多孔質シリカには、徐放性物質の吸着性および徐放性のバランスの点に関して改善の余地があることが明らかになった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、徐放性物質の吸着性および徐放性のバランスに優れる徐放性材料を提供するものである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、メソ孔の細孔径およびメソ孔同士を連結する連結孔の細孔径が特定の範囲にあり、かつ、メソ孔の細孔構造が3次元キュービック相構造である金属酸化物多孔質粒子に対して、徐放性物質を担持させることによって、徐放性物質の吸着性および徐放性のバランスに優れる徐放性材料が得られるという知見を得て、本発明を完成させた。
本発明はこのような知見に基づいて発案されたものである。
すなわち、本発明によれば、以下に示す徐放性材料が提供される。
すなわち、本発明によれば、以下に示す徐放性材料が提供される。
[1]
相互に連結したメソ孔を有する金属酸化物多孔質粒子と、徐放性物質と、を含む徐放性材料であって、
窒素吸脱着等温線の吸着側の等温線からBJH法を用いて算出される、上記メソ孔の平均細孔径X1が5nm以上30nm以下の範囲内であり、
窒素吸脱着等温線の脱着側の等温線からBJH法を用いて算出される、上記メソ孔同士を連結する連結孔の平均細孔径X2が1nm以上10nm以下の範囲内であり、
X1>X2であり、
上記メソ孔の細孔構造が3次元キュービック相構造であり、
上記徐放性物質が、温度感受性TRPチャネル刺激物質、香料、殺虫成分、昆虫成長制御成分、入浴剤成分および生薬から選択される少なくとも一種を含む徐放性材料。
[2]
上記[1]に記載の徐放性材料において、
上記金属酸化物多孔質粒子の体積50%平均粒子径が0.05μm以上50μm以下である徐放性材料。
[3]
上記[1]または[2]に記載の徐放性材料において、
上記金属酸化物多孔質粒子の体積90%平均粒子径と体積50%平均粒子径との比(D90/D50)が1.5以下である徐放性材料。
[4]
上記[1]乃至[3]のいずれか一つに記載の徐放性材料において、
上記金属酸化物多孔質粒子の比表面積が80m2/g以上である徐放性材料。
[5]
上記[1]乃至[4]のいずれか一つに記載の徐放性材料において、
上記金属酸化物多孔質粒子の空孔率が50体積%以上90体積%以下である徐放性材料。
[6]
上記[1]乃至[5]のいずれか一つに記載の徐放性材料において、
上記金属酸化物多孔質粒子がメソポーラスシリカ粒子を含む徐放性材料。
[7]
上記[1]乃至[6]のいずれか一つに記載の徐放性材料において、
上記徐放性物質が温度感受性TRPチャネル刺激物質を含み、
上記温度感受性TRPチャネル刺激物質のTRPチャネルがTRPV1、TRPV3、TRPM8またはTRPA1である徐放性材料。
[8]
上記[1]乃至[7]のいずれか一つに記載の徐放性材料において、
上記徐放性物質が温度感受性TRPMチャネル刺激物質を含み、
上記温度感受性TRPチャネル刺激物質が、カプサイシン、サイモール、カルバクロール、メントール、アリルイソチオシアネート、アリシンおよびシンナムアルデヒドからなる群から選択される一種または二種以上を含む徐放性材料。
[9]
上記[1]乃至[8]のいずれか一つに記載の徐放性材料において、
上記金属酸化物多孔質粒子と上記徐放性物質の合計100質量部に対する上記徐放性物質の割合が0.1質量部以上80質量部以下である徐放性材料。
[10]
上記[1]乃至[9]のいずれか一つに記載の徐放性材料において、
医薬品、化粧品、バス・トイレタリー用品、化学薬品、農産物保存用剤、食品、農薬、嗜好品または飼料として用いられる徐放性材料。
[11]
上記[1]乃至[10]のいずれか一つに記載の徐放性材料において、
上記金属酸化物多孔質粒子の表面にコーティング膜をさらに有する徐放性材料。
[12]
上記[1]乃至[11]のいずれか一つに記載の徐放性材料において、
上記コーティング膜は水溶性である徐放性材料。
[13]
上記[1]乃至[12]のいずれか一つに記載の徐放性材料において、
上記徐放性材料の形態は粉末状、顆粒状、シート状、ブロック状および膜状から選択される徐放性材料。
相互に連結したメソ孔を有する金属酸化物多孔質粒子と、徐放性物質と、を含む徐放性材料であって、
窒素吸脱着等温線の吸着側の等温線からBJH法を用いて算出される、上記メソ孔の平均細孔径X1が5nm以上30nm以下の範囲内であり、
窒素吸脱着等温線の脱着側の等温線からBJH法を用いて算出される、上記メソ孔同士を連結する連結孔の平均細孔径X2が1nm以上10nm以下の範囲内であり、
X1>X2であり、
上記メソ孔の細孔構造が3次元キュービック相構造であり、
上記徐放性物質が、温度感受性TRPチャネル刺激物質、香料、殺虫成分、昆虫成長制御成分、入浴剤成分および生薬から選択される少なくとも一種を含む徐放性材料。
[2]
上記[1]に記載の徐放性材料において、
上記金属酸化物多孔質粒子の体積50%平均粒子径が0.05μm以上50μm以下である徐放性材料。
[3]
上記[1]または[2]に記載の徐放性材料において、
上記金属酸化物多孔質粒子の体積90%平均粒子径と体積50%平均粒子径との比(D90/D50)が1.5以下である徐放性材料。
[4]
上記[1]乃至[3]のいずれか一つに記載の徐放性材料において、
上記金属酸化物多孔質粒子の比表面積が80m2/g以上である徐放性材料。
[5]
上記[1]乃至[4]のいずれか一つに記載の徐放性材料において、
上記金属酸化物多孔質粒子の空孔率が50体積%以上90体積%以下である徐放性材料。
[6]
上記[1]乃至[5]のいずれか一つに記載の徐放性材料において、
上記金属酸化物多孔質粒子がメソポーラスシリカ粒子を含む徐放性材料。
[7]
上記[1]乃至[6]のいずれか一つに記載の徐放性材料において、
上記徐放性物質が温度感受性TRPチャネル刺激物質を含み、
上記温度感受性TRPチャネル刺激物質のTRPチャネルがTRPV1、TRPV3、TRPM8またはTRPA1である徐放性材料。
[8]
上記[1]乃至[7]のいずれか一つに記載の徐放性材料において、
上記徐放性物質が温度感受性TRPMチャネル刺激物質を含み、
上記温度感受性TRPチャネル刺激物質が、カプサイシン、サイモール、カルバクロール、メントール、アリルイソチオシアネート、アリシンおよびシンナムアルデヒドからなる群から選択される一種または二種以上を含む徐放性材料。
[9]
上記[1]乃至[8]のいずれか一つに記載の徐放性材料において、
上記金属酸化物多孔質粒子と上記徐放性物質の合計100質量部に対する上記徐放性物質の割合が0.1質量部以上80質量部以下である徐放性材料。
[10]
上記[1]乃至[9]のいずれか一つに記載の徐放性材料において、
医薬品、化粧品、バス・トイレタリー用品、化学薬品、農産物保存用剤、食品、農薬、嗜好品または飼料として用いられる徐放性材料。
[11]
上記[1]乃至[10]のいずれか一つに記載の徐放性材料において、
上記金属酸化物多孔質粒子の表面にコーティング膜をさらに有する徐放性材料。
[12]
上記[1]乃至[11]のいずれか一つに記載の徐放性材料において、
上記コーティング膜は水溶性である徐放性材料。
[13]
上記[1]乃至[12]のいずれか一つに記載の徐放性材料において、
上記徐放性材料の形態は粉末状、顆粒状、シート状、ブロック状および膜状から選択される徐放性材料。
本発明によれば、徐放性物質の吸着性および徐放性のバランスに優れる徐放性材料を提供することができる。
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、数値範囲を示す「A〜B」は特に断りがなければ、A以上B以下を表す。
本実施形態に係る徐放性材料は、相互に連結したメソ孔を有する金属酸化物多孔質粒子と、徐放性物質と、を含む徐放性材料であって、窒素吸脱着等温線の吸着側の等温線からBarrett−Joyner−Halenda法(BJH法)を用いて算出される、上記メソ孔の平均細孔径X1が5nm以上30nm以下の範囲内であり、窒素吸脱着等温線の脱着側の等温線からBJH法を用いて算出される、上記メソ孔同士を連結する連結孔の最高径X2が1nm以上10nm以下の範囲内であり、X1>X2であり、上記メソ孔の細孔構造が3次元キュービック相構造であり、上記徐放性物質が、温度感受性TRPチャネル刺激物質、香料、殺虫成分、昆虫成長制御成分、入浴剤成分および生薬から選択される少なくとも一種を含む。
以下、本実施形態に係る徐放性材料を構成する各成分について説明する。
<金属酸化物多孔質粒子>
本実施形態に係る徐放性材料を構成する金属酸化物多孔質粒子は、相互に連結したメソ孔を有する。窒素吸脱着等温線の吸着側の等温線からBJH法を用いて算出されるメソ孔の平均細孔径X1は5nm以上30nm以下であり、好ましくは6nm以上25nm以下、より好ましくは6nm以上20nm以下、さらに好ましくは6nm以上15nm以下である。窒素吸脱着等温線の脱着側の等温線からBJH法を用いて算出される、上記メソ孔同士を連結する連結孔の平均細孔径X2は1nm以上10nm以下の範囲内であり、好ましくは1nm以上8nm以下、より好ましくは1nm以上5nm以下である。
また、メソ孔の平均細孔径X1と上記メソ孔同士を連結する連結孔の平均細孔径X2とは、X1>X2の関係を満たす。
本実施形態に係る金属酸化物多孔質粒子は、平均細孔径X1が上記範囲内であるメソ孔を有するため、粒子内部に大きな空孔を備える。そのため徐放性物質の吸着性に優れている。また、本実施形態に係る金属酸化物多孔質粒子は、メソ孔の平均細孔径X1よりも小さい平均細孔径X2を有する連結孔を有するため、吸着した徐放性物質を一気に放出することなく、長時間に亘って安定的に徐放する特性に優れている。
そのため、このような金属酸化物多孔質粒子を含む本実施形態に係る徐放性材料は、徐放性物質の吸着性および徐放性のバランスに優れていると考えられる。
また、本実施形態に係る徐放性材料は徐放性物質の吸着性に優れていることから、流動性やハンドリング性、塗布性等にも優れている。
本実施形態に係る徐放性材料を構成する金属酸化物多孔質粒子は、相互に連結したメソ孔を有する。窒素吸脱着等温線の吸着側の等温線からBJH法を用いて算出されるメソ孔の平均細孔径X1は5nm以上30nm以下であり、好ましくは6nm以上25nm以下、より好ましくは6nm以上20nm以下、さらに好ましくは6nm以上15nm以下である。窒素吸脱着等温線の脱着側の等温線からBJH法を用いて算出される、上記メソ孔同士を連結する連結孔の平均細孔径X2は1nm以上10nm以下の範囲内であり、好ましくは1nm以上8nm以下、より好ましくは1nm以上5nm以下である。
また、メソ孔の平均細孔径X1と上記メソ孔同士を連結する連結孔の平均細孔径X2とは、X1>X2の関係を満たす。
本実施形態に係る金属酸化物多孔質粒子は、平均細孔径X1が上記範囲内であるメソ孔を有するため、粒子内部に大きな空孔を備える。そのため徐放性物質の吸着性に優れている。また、本実施形態に係る金属酸化物多孔質粒子は、メソ孔の平均細孔径X1よりも小さい平均細孔径X2を有する連結孔を有するため、吸着した徐放性物質を一気に放出することなく、長時間に亘って安定的に徐放する特性に優れている。
そのため、このような金属酸化物多孔質粒子を含む本実施形態に係る徐放性材料は、徐放性物質の吸着性および徐放性のバランスに優れていると考えられる。
また、本実施形態に係る徐放性材料は徐放性物質の吸着性に優れていることから、流動性やハンドリング性、塗布性等にも優れている。
また、図1に示すように、本実施形態に係る金属酸化物多孔質粒子のメソ孔は相互に連結した3次元キュービック相構造を構成する。
平均細孔径X1が5nm以上30nm以下のメソ孔を有し、その細孔構造が定形な3次元キュービック相構造であると、粒子内部により大きな空孔を備えることになる。そのため、本実施形態に係る金属酸化物多孔質粒子のメソ孔が相互に連結した3次元キュービック相構造を構成することによって、徐放性物質の吸着性を向上させることができる。また、粒子内部により大きな空気層を備えるため、軽量、断熱性、低屈折率、低誘電率等の特性を向上させることができる。
平均細孔径X1が5nm以上30nm以下のメソ孔を有し、その細孔構造が定形な3次元キュービック相構造であると、粒子内部により大きな空孔を備えることになる。そのため、本実施形態に係る金属酸化物多孔質粒子のメソ孔が相互に連結した3次元キュービック相構造を構成することによって、徐放性物質の吸着性を向上させることができる。また、粒子内部により大きな空気層を備えるため、軽量、断熱性、低屈折率、低誘電率等の特性を向上させることができる。
メソ孔の細孔径はTEMの画像写真から観察でき、窒素ガス吸着の吸着側の等温線からBJH法により算出することができる。また、窒素ガス吸着法の脱着側の等温線からBJH法によりメソ孔同士を連結する連結孔の細孔径を算出することができる。一般的に吸着側と脱着側のピークが異なる場合3次元キュービック相構造を取っており、ピークがほぼ同じ位置にある場合は2次元シリンダー構造を取っていると判断できる。
また、本実施形態に係る金属酸化物多孔質粒子は、大きさが略均一で、かつ分散性が高い、いわゆる単分散粒子であることが好ましい。
本実施形態に係る金属酸化物多孔質粒子が単分散粒子であると、金属酸化物多孔質粒子の吸着性や、徐放性材料の流動性を向上させることができる。
本実施形態に係る金属酸化物多孔質粒子が単分散粒子であると、金属酸化物多孔質粒子の吸着性や、徐放性材料の流動性を向上させることができる。
本実施形態に係る金属酸化物多孔質粒子の体積50%平均粒子径は、好ましくは0.05μm以上50μm以下であり、好ましくは0.1μm以上30μm以下であり、さらに好ましくは、0.2μm以上15μm以下であり、特に好ましくは0.5μm以上10μm以下である。この範囲であると粒子製造が容易であり、かつ、様々な用途に用いることができ、所望の特性を効果的に発現することができる。また、金属酸化物多孔質粒子の吸着性や、得られる徐放性材料の流動性を向上させることができる。
金属酸化物多孔質粒子の体積50%平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)または走査型電子顕微鏡(SEM)の画像写真から任意に50個の粒子を抽出して金属酸化物多孔質粒子の粒子径分布を測定し、その粒子径分布から算出することができる。あるいは水中に分散させた粒子を動的光散乱法にて粒子径の体積分布を測定し、その粒子径の体積分布から算出することができる。
金属酸化物多孔質粒子の体積50%平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)または走査型電子顕微鏡(SEM)の画像写真から任意に50個の粒子を抽出して金属酸化物多孔質粒子の粒子径分布を測定し、その粒子径分布から算出することができる。あるいは水中に分散させた粒子を動的光散乱法にて粒子径の体積分布を測定し、その粒子径の体積分布から算出することができる。
また、本実施形態に係る金属酸化物多孔質粒子の体積90%平均粒子径と体積50%平均粒子径との比(D90/D50)は好ましくは1.5以下であり、より好ましくは1.0以上1.4以下である。この範囲であると、粒子径分布が狭く、粗大粒子が少ないため、取扱性に優れ、所望の特性を効果的に発現することができる。また、金属酸化物多孔質粒子の吸着性や、得られる徐放性材料の流動性を向上させることができる。
本実施形態に係る金属酸化物多孔質粒子は、窒素ガス吸着法による全細孔容積の値を用いて求められる空孔率が好ましくは50体積%以上90体積%以下、より好ましくは50体積%以上80体積%以下、さらに好ましくは50体積%以上75体積%以下である。
平均細孔径X1が5nm以上30nm以下のメソ孔を有し、空孔率が50体積%以上90体積%以下であると、粒子内部により大きな空孔を備えることになる。そのため、本実施形態に係る金属酸化物多孔質粒子の空孔率を上記範囲内に調整することによって、徐放性物質の吸着性をより一層向上させることができる。また、粒子内部により大きな空気層を備えるため、軽量、断熱性、低屈折率、低誘電率等の特性をより一層向上させることができる。
ここで、本実施形態に係る金属酸化物多孔質粒子の空孔率は、次式により算出することができる。
式:a/(a+1/b)×100
(細孔容積:a(ml/g)、空気の比重:1.0、金属酸化物の比重:b)
平均細孔径X1が5nm以上30nm以下のメソ孔を有し、空孔率が50体積%以上90体積%以下であると、粒子内部により大きな空孔を備えることになる。そのため、本実施形態に係る金属酸化物多孔質粒子の空孔率を上記範囲内に調整することによって、徐放性物質の吸着性をより一層向上させることができる。また、粒子内部により大きな空気層を備えるため、軽量、断熱性、低屈折率、低誘電率等の特性をより一層向上させることができる。
ここで、本実施形態に係る金属酸化物多孔質粒子の空孔率は、次式により算出することができる。
式:a/(a+1/b)×100
(細孔容積:a(ml/g)、空気の比重:1.0、金属酸化物の比重:b)
本実施形態に係る金属酸化物粒子の細孔容積は、好ましくは0.1ml/g以上2.0ml/g以下であり、好ましくは0.3ml/g以上、1.5ml/g以下である。細孔容積を上記下限値以上とすることで、金属酸化物粒子の誘電率を低くすることができる。細孔容積を上記上限値以下とすることでメソ孔からなるキュービック相構造が保持され、物理的強度(機械強度)の低下を抑制することができる。
また、本実施形態に係る金属酸化物粒子の比表面積は、好ましくは80m2/g以上であり、より好ましくは80m2/g以上2000m2/g以下であり、さらに好ましくは100m2/g以上1500m2/g以下、特に好ましくは150m2/g以上1000m2/g以下である。本実施形態に係る金属酸化物粒子の比表面積を上記下限値以上とすることで、金属酸化物粒子の吸着性をより一層向上させることができる。本実施形態に係る金属酸化物粒子の比表面積を上記上限値以下とすることでメソ孔からなる相構造が保持され、物理的強度(機械強度)の低下を抑制することができる。
本実施形態に係る金属酸化物粒子の細孔容積、比表面積および細孔径は、窒素吸脱測定法により求めることができる。具体的には、金属酸化物粒子表面および金属酸化物粒子表面と連通した内部に形成された細孔に窒素ガスを導入し、窒素ガスの吸着量を求める。次いで、導入する窒素ガスの圧力を徐々に増加させ、各平衡圧に対する窒素ガスの吸着量をプロットし、吸着等温曲線を得る。このとき、吸着等温曲線を用い、たとえば、BET法等により、比表面積を求めることができる。また、この吸着等温曲線を用い、たとえば、BJH法等により細孔径分布曲線を求めることができる。そして、細孔径分布曲線の最大ピークから細孔径を算出することができる。
ここで、細孔径分布曲線は、細孔径(D)に対して、細孔容積(V)を細孔径(D)で微分した値(dV/dD)をプロットした曲線である。広い範囲の細孔分布を表現するため、差分細孔容積dVを、細孔径の対数扱いの差分値d(logD)で割った値を求め、これを各区間の平均細孔径に対してプロットしたものがLog微分細孔容積分布、dV/d(logD)である。
本実施形態において、金属とは、典型的な金属だけでなく、Si等の半金属をも意味する。
本実施形態に係る金属酸化物粒子を構成する金属酸化物としては、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、インジウム(In)、スズ(Sn)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ハフニウム(Hf)、コバルト(Co)、リチウム(Li)、バリウム(Ba)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)から選ばれる金属の酸化物が好ましく、物質自身の屈折率、熱伝導率が金属酸化物の中で比較的低いという観点から、ケイ素酸化物(シリカ)が特に好ましい。すなわち、本実施形態に係る金属酸化物粒子はメソポーラスシリカ粒子であることが好ましい。
また金属酸化物は複数の金属を含む複合酸化物であってもよい。
本実施形態に係る金属酸化物粒子を構成する金属酸化物としては、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、インジウム(In)、スズ(Sn)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ハフニウム(Hf)、コバルト(Co)、リチウム(Li)、バリウム(Ba)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)から選ばれる金属の酸化物が好ましく、物質自身の屈折率、熱伝導率が金属酸化物の中で比較的低いという観点から、ケイ素酸化物(シリカ)が特に好ましい。すなわち、本実施形態に係る金属酸化物粒子はメソポーラスシリカ粒子であることが好ましい。
また金属酸化物は複数の金属を含む複合酸化物であってもよい。
<金属酸化物多孔質粒子の製造方法>
本実施形態に係る金属酸化物多孔質粒子は、例えば、水系媒体に分散可能な非水溶性ポリマー粒子の存在下で、金属酸化物前駆体のゾル−ゲル反応を行い、有機無機複合体粒子を得る工程(1)と、有機無機複合体粒子から上記非水溶性ポリマー粒子を除去して、金属酸化物多孔質粒子を得る工程(2)と、を含む製造方法によって作製することができる。
本実施形態に係る金属酸化物多孔質粒子は、例えば、水系媒体に分散可能な非水溶性ポリマー粒子の存在下で、金属酸化物前駆体のゾル−ゲル反応を行い、有機無機複合体粒子を得る工程(1)と、有機無機複合体粒子から上記非水溶性ポリマー粒子を除去して、金属酸化物多孔質粒子を得る工程(2)と、を含む製造方法によって作製することができる。
工程(1)で得られる有機無機複合体粒子は、金属酸化物体からなる粒子中に非水溶性ポリマー粒子を内包しており、工程(2)でテンプレートである非水溶性ポリマー粒子を除去することにより本実施形態に係る金属酸化物多孔質粒子が製造される。
本実施形態に係る金属酸化物多孔質粒子は、より具体的には、国際公開第2010/103856号に記載の金属酸化物多孔質体の製造方法にしたがって製造することができる。ここでは詳細は省略する。
<徐放性物質>
本実施形態に係る徐放性材料は徐放性物質を含む。
上記徐放性物質は、温度感受性TRPチャネル刺激物質、香料、殺虫成分、昆虫成長制御成分、入浴剤成分および生薬から選択される。これらの中でも温度感受性TRPチャネル刺激物質が好ましい。
本実施形態に係る徐放性材料は徐放性物質を含む。
上記徐放性物質は、温度感受性TRPチャネル刺激物質、香料、殺虫成分、昆虫成長制御成分、入浴剤成分および生薬から選択される。これらの中でも温度感受性TRPチャネル刺激物質が好ましい。
上記温度感受性TRPチャネル刺激物質のTRPチャネルとしては、例えば、TRPV1、TRPV3、TRPM8、TRPA1等が挙げられる。
ここで、体性感覚は皮膚感覚と深部感覚に分けられる。皮膚感覚には、触覚・温覚・冷覚・痛覚があり、深部感覚には運動感・深部痛覚がある。人間の神経系は、体性神経系と自律神経系に大別され、前者は体性感覚、後者は内臓感覚と臭覚/味覚等の特殊感覚、内分泌(ホルモン)系に作用する。
温度感受性Transient Receptor Potential(TRP)チャネルは生体の温感センサーであることが発見された。熱湯のように熱いものや氷のように冷たいものに触れたり、極端に暑いまたは寒い環境におかれたりすると、生体に備わっている温感センサーの温度感受性TRPチャネルが活性化して、脳に危険性を伝える。このとき、温度感受性TRPチャネルは、温度だけでなく多くの化学的・物理的刺激を感受するセンサーとして多様な生体機能に関わっている。
体性感覚系の化学物質感受性は、有害化合物への暴露に対する生体防御システムとしての役割を担い、もたらされる刺激は、その侵害に対する警告信号となっている。一方、食品にさまざまな風味を付与する香辛料やハーブ類は、口蓋や鼻腔における体性感覚神経を活性化することで独特の感覚を惹起し、それらの使用による適度な刺激(辛み、温感、冷感)は好ましいものとして積極的に摂取されてきた。温度感受性TRPチャネル刺激物質によりもたらされる体性感覚の伝達は抹消から中枢へ至る求心性の一般知覚性神経によって担われる。
温度感受性Transient Receptor Potential(TRP)チャネルは生体の温感センサーであることが発見された。熱湯のように熱いものや氷のように冷たいものに触れたり、極端に暑いまたは寒い環境におかれたりすると、生体に備わっている温感センサーの温度感受性TRPチャネルが活性化して、脳に危険性を伝える。このとき、温度感受性TRPチャネルは、温度だけでなく多くの化学的・物理的刺激を感受するセンサーとして多様な生体機能に関わっている。
体性感覚系の化学物質感受性は、有害化合物への暴露に対する生体防御システムとしての役割を担い、もたらされる刺激は、その侵害に対する警告信号となっている。一方、食品にさまざまな風味を付与する香辛料やハーブ類は、口蓋や鼻腔における体性感覚神経を活性化することで独特の感覚を惹起し、それらの使用による適度な刺激(辛み、温感、冷感)は好ましいものとして積極的に摂取されてきた。温度感受性TRPチャネル刺激物質によりもたらされる体性感覚の伝達は抹消から中枢へ至る求心性の一般知覚性神経によって担われる。
温度感受性TRPチェンネルとして、TRPV1はトウガラシの主成分であるカプサイシンに対する受容体として単離され、43℃以上の熱や酸によっても活性化される。カンフル(樟脳)、ショウガ中成分のジンゲロン、ジンゲロール、コショウ中成分のピペリン、ニンニク中のアリシン等もTRPV1活性を示す。カプサイシンに代表されるいわゆる“hot”もしくは“Burning”と表現される感覚(口蓋内では辛みとしても表現される)である。
TRPV3は32〜39℃の“warm”領域温度において活性化する温度重要体として知られるが、オレガノ、タイムの成分であるカルバクロール、チモールはTRPV3を活性化する。
TRPA1はTRPV1と共発現する。アリルチオイソシアネート(マスタード中成分)、シンナムアルデヒド(シナモン中成分)等がTRPA1を活性化する。
温熱剤は、肩凝り、関節痛、腰痛、筋肉痛や疲労等に際して患部に添付して用いられる不織布等の支持体と含水ポリマーゲルからなる保水層を有す温熱ゲルシートや、血行促進剤(ジェル、クリーム、軟膏)等が市販されている。このような温熱剤としてカプサイシン、ジンゲロン等が使用される。TRPM8は25〜28℃の“cool”領域温度において応答性を示す温度受容体である。この受容体を活性化する科学物質群にはミント中成分のメントールが“冷涼”感を惹起することが知られている。そのため、ガム等の飲食品、シップ薬、化粧量、嗜好品、バス・トイレタリー製品等に広く使用されている。冷却ゲルシートは不織布等で形成された支持体と含水ポリマーゲル層からなり、ポリマーゲル中の水分が蒸発することによりメントールのTRPM8への刺激による冷感効果を高めている。
このように、温度感受性TRPチャネル刺激物質の機能が解明され各種製品に使用されているが、これら物質は揮発性、昇華性等の性質を有するため、保存中や使用中に消失し製品としての機能を持続できない場合がある。
TRPV3は32〜39℃の“warm”領域温度において活性化する温度重要体として知られるが、オレガノ、タイムの成分であるカルバクロール、チモールはTRPV3を活性化する。
TRPA1はTRPV1と共発現する。アリルチオイソシアネート(マスタード中成分)、シンナムアルデヒド(シナモン中成分)等がTRPA1を活性化する。
温熱剤は、肩凝り、関節痛、腰痛、筋肉痛や疲労等に際して患部に添付して用いられる不織布等の支持体と含水ポリマーゲルからなる保水層を有す温熱ゲルシートや、血行促進剤(ジェル、クリーム、軟膏)等が市販されている。このような温熱剤としてカプサイシン、ジンゲロン等が使用される。TRPM8は25〜28℃の“cool”領域温度において応答性を示す温度受容体である。この受容体を活性化する科学物質群にはミント中成分のメントールが“冷涼”感を惹起することが知られている。そのため、ガム等の飲食品、シップ薬、化粧量、嗜好品、バス・トイレタリー製品等に広く使用されている。冷却ゲルシートは不織布等で形成された支持体と含水ポリマーゲル層からなり、ポリマーゲル中の水分が蒸発することによりメントールのTRPM8への刺激による冷感効果を高めている。
このように、温度感受性TRPチャネル刺激物質の機能が解明され各種製品に使用されているが、これら物質は揮発性、昇華性等の性質を有するため、保存中や使用中に消失し製品としての機能を持続できない場合がある。
温度感受性TRPチャネル刺激物質としては公知の温度感受性TRPチャネル刺激物質を用いることができるため特に限定されないが、例えば、カプサイシン、サイモール、カルバクロール、メントール、アリルイソチオシアネート、アリシン、シンナムアルデヒド等が挙げられる。
香料としては公知の香料を用いることができるため特に限定されないが、例えば、オレンジ、ライム、レモン、グレープフルーツ等の柑橘類精油や花精類;ペパーミント油、スペアミント油、スパイス油等の植物精油;コーラナッツ、コーヒー、ワニラ、ココア、紅茶、緑茶、香辛料等の粉砕物や抽出物;各種動植物由来のフレーバー;豆類、きのこ類、ネギ類等の粉砕物や抽出物;ジャコウジカから得られるムスク(じゃこう);ジャコウネコから得られるシベット(れいびょうこう);ビーバーから得られるカストリウム(かいりこう);マッコウクジラから得られるアンバーグリス(りゅうぜんこう)等が挙げられる。
殺虫成分としては公知の殺虫成分を用いることができるため特に限定されないが、例えば、メトキサジアゾン、ペルメトリン、フェノトリン、ジクロルボス、フェニトロチオン等が挙げられる。
昆虫成長制御成分としては公知の昆虫成長制御成分を用いることができるため特に限定されないが、例えば、ピリプロキシフェン、メトプレン、ジフルベンズロン等が挙げられる。
入浴剤成分としては公知の入浴剤成分を用いることができるため特に限定されないが、例えば、ウイキョウ、オウゴン、オウバク、カミツレ、コウボク、米発酵エキス、ジュウヤク、ショウブ、センキュウ、チンピ、トウキ、トウヒ、トウガラシ、ニンジン、ユズ、ヨモギ、ボウフウ、ハッカ葉、ショウキョウ、甘草、ケイヒ、パパイン、パンクレアチン、蛋白質分解酵素、液状ラノリン、ホホバ油、グリセリン、カゼイン、ステアリルアルコール、オリーブ油、大豆油、流動パラフィン、白色ワセリン、プロピレングリコール、脱脂粉乳、スクワラン、ハチミツ、ポリエチレングリコール、コメ胚芽油等が挙げられる。
生薬としては公知の生薬を用いることができるため特に限定されないが、例えば、タンニン類やフラボノイド類、緑茶、槐花、黄ごん等が挙げられる。
殺虫成分としては公知の殺虫成分を用いることができるため特に限定されないが、例えば、メトキサジアゾン、ペルメトリン、フェノトリン、ジクロルボス、フェニトロチオン等が挙げられる。
昆虫成長制御成分としては公知の昆虫成長制御成分を用いることができるため特に限定されないが、例えば、ピリプロキシフェン、メトプレン、ジフルベンズロン等が挙げられる。
入浴剤成分としては公知の入浴剤成分を用いることができるため特に限定されないが、例えば、ウイキョウ、オウゴン、オウバク、カミツレ、コウボク、米発酵エキス、ジュウヤク、ショウブ、センキュウ、チンピ、トウキ、トウヒ、トウガラシ、ニンジン、ユズ、ヨモギ、ボウフウ、ハッカ葉、ショウキョウ、甘草、ケイヒ、パパイン、パンクレアチン、蛋白質分解酵素、液状ラノリン、ホホバ油、グリセリン、カゼイン、ステアリルアルコール、オリーブ油、大豆油、流動パラフィン、白色ワセリン、プロピレングリコール、脱脂粉乳、スクワラン、ハチミツ、ポリエチレングリコール、コメ胚芽油等が挙げられる。
生薬としては公知の生薬を用いることができるため特に限定されないが、例えば、タンニン類やフラボノイド類、緑茶、槐花、黄ごん等が挙げられる。
本実施形態に係る徐放性材料中の徐放性物質の含有量は特に限定されないが、例えば、金属酸化物多孔質粒子と徐放性物質の合計100質量部に対する徐放性物質の割合が好ましくは0.1質量部以上80質量部以下であり、より好ましくは1質量部以上80質量部以下、さらに好ましくは10質量部以上80質量部以下、特に好ましくは30質量部以上80質量部以下である。
金属酸化物多孔質粒子に徐放性物質を吸着させる方法は特に限定されないが、例えば、金属酸化物多孔質粒子と適当な溶媒に溶解または分散させた徐放性物質とを混合し、さらに必要に応じて溶媒を除去し乾燥させる方法;金属酸化物多孔質粒子と徐放性物質を密閉した減圧容器に入れ、徐放性物質を昇華させると同時に金属酸化物多孔質粒子に吸着させる方法等が挙げられる。
<コーティング膜>
本実施形態に係る徐放性材料は、徐放性物質の脱着性を制御する観点から、徐放性物質を担持した金属酸化物多孔質粒子の表面にコーティング膜をさらに有してもよい。徐放性物質の脱着性をより容易に制御する観点から、コーティング膜は水溶性であることが好ましい。
コーティング膜としては特に限定されないが、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール等の水溶性ポリマー;塩化ナトリウム等のアルカリ金属塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート等の界面活性剤;酢酸、アジピン酸、クエン酸、フマル酸、グルタル酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸等の有機酸;デキストロース、フルクトース、グルコース、乳糖、ショ糖、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、キサンタンガム、デキストリン、マルトデキストリン等の糖類;等により構成された膜が挙げられる。
本実施形態に係る徐放性材料がコーティング膜をさらに有する場合、コーティング膜の含有量は、徐放性材料の全体を100質量%としたとき、例えば0.01〜80質量%、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは10〜20質量%である。
本実施形態に係る徐放性材料は、徐放性物質の脱着性を制御する観点から、徐放性物質を担持した金属酸化物多孔質粒子の表面にコーティング膜をさらに有してもよい。徐放性物質の脱着性をより容易に制御する観点から、コーティング膜は水溶性であることが好ましい。
コーティング膜としては特に限定されないが、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール等の水溶性ポリマー;塩化ナトリウム等のアルカリ金属塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート等の界面活性剤;酢酸、アジピン酸、クエン酸、フマル酸、グルタル酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸等の有機酸;デキストロース、フルクトース、グルコース、乳糖、ショ糖、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、キサンタンガム、デキストリン、マルトデキストリン等の糖類;等により構成された膜が挙げられる。
本実施形態に係る徐放性材料がコーティング膜をさらに有する場合、コーティング膜の含有量は、徐放性材料の全体を100質量%としたとき、例えば0.01〜80質量%、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは10〜20質量%である。
<用途>
本実施形態に係る徐放性材料は、例えば、医薬品、化粧品、バス・トイレタリー用品、化学薬品、農産物保存用剤、食品、農薬、嗜好品または飼料等として用いることができる。
本実施形態に係る徐放性材料は、例えば、医薬品、化粧品、バス・トイレタリー用品、化学薬品、農産物保存用剤、食品、農薬、嗜好品または飼料等として用いることができる。
医薬品としては、例えば、貼付剤、パップ剤、プラスター剤、軟膏剤、硬膏剤、坐剤、クリーム剤、リニメント剤、ローション剤、エアゾール剤、酒精剤、ドリンク剤、トローチ剤、チュアブル錠、練歯磨、口中洗浄剤、経口ゼリー剤、外用散剤等の医薬品および医薬部外品が挙げられる。
化粧品としては、例えば、化粧パウダー、リップクリーム、ハンドクリーム、日焼け止めクリーム、コロン、制汗剤、整髪料、ボディ−ジェル等が挙げられる。
バス・トイレタリー用品としては、例えば、殺虫剤、防虫剤、入浴剤、消臭剤、芳香剤、洗顔剤、洗剤、石鹸、ボディソープ、ハンドソープ、シェービングフォーム、シャンプー、コンディショナー、ヘアスプレー、育毛剤、ヘアカラー、フェイスケア用品、ボディケア用品、防カビ剤等が挙げられる。
化学薬品としては、例えば、触媒、中和剤、抗酸化剤等が挙げられる。
農産物保存用剤としては、例えば、青果物生成エチレン分解剤、青果物生成エチレン吸着剤等が挙げられる。
食品としては、例えば、ガム、キャンディ、打錠菓子、グミ、チョコレート、ビスケット、スナック等の菓子、アイスクリーム、シャーベット、氷菓等の冷菓、粉末飲料、清涼飲料、炭酸飲料、嗜好飲料等が挙げられる。
農薬としては、例えば、徐放化農薬等が挙げられる。
飼料としては、例えば、家畜用飼料、昆虫用飼料等が挙げられる。
嗜好品としては、例えば、たばこ、葉巻、喫煙パイプ等の喫煙具、たばこ代替品、茶、コーヒー、漬物等が挙げられる。
化粧品としては、例えば、化粧パウダー、リップクリーム、ハンドクリーム、日焼け止めクリーム、コロン、制汗剤、整髪料、ボディ−ジェル等が挙げられる。
バス・トイレタリー用品としては、例えば、殺虫剤、防虫剤、入浴剤、消臭剤、芳香剤、洗顔剤、洗剤、石鹸、ボディソープ、ハンドソープ、シェービングフォーム、シャンプー、コンディショナー、ヘアスプレー、育毛剤、ヘアカラー、フェイスケア用品、ボディケア用品、防カビ剤等が挙げられる。
化学薬品としては、例えば、触媒、中和剤、抗酸化剤等が挙げられる。
農産物保存用剤としては、例えば、青果物生成エチレン分解剤、青果物生成エチレン吸着剤等が挙げられる。
食品としては、例えば、ガム、キャンディ、打錠菓子、グミ、チョコレート、ビスケット、スナック等の菓子、アイスクリーム、シャーベット、氷菓等の冷菓、粉末飲料、清涼飲料、炭酸飲料、嗜好飲料等が挙げられる。
農薬としては、例えば、徐放化農薬等が挙げられる。
飼料としては、例えば、家畜用飼料、昆虫用飼料等が挙げられる。
嗜好品としては、例えば、たばこ、葉巻、喫煙パイプ等の喫煙具、たばこ代替品、茶、コーヒー、漬物等が挙げられる。
本実施形態に係る徐放性材料の形態は用途に応じて適宜設定されるため特に限定されないが、例えば、粉末状、顆粒状、シート状、ブロック状、膜状等が挙げられる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)末端分岐型共重合体粒子の調製
国際公開第2010/103856号に記載の方法に準じて、上記国際公開公報の一般式(1b)において、R4〜R11が全て水素原子である構造を末端に有する末端分岐型共重合体(T1)の粒子の水性分散体を調製した。
ここで、末端分岐型共重合体T1は、上記国際公開公報の一般式(1b)において、R4〜R11が全て水素原子であり、かつ、n=39、l=m=o=4およびMn=1800である。
国際公開第2010/103856号に記載の方法に準じて、上記国際公開公報の一般式(1b)において、R4〜R11が全て水素原子である構造を末端に有する末端分岐型共重合体(T1)の粒子の水性分散体を調製した。
ここで、末端分岐型共重合体T1は、上記国際公開公報の一般式(1b)において、R4〜R11が全て水素原子であり、かつ、n=39、l=m=o=4およびMn=1800である。
(2)メソポーラスシリカ粒子の製造例1
室温下で1mol%の塩酸水溶液20mlを調製した。この水溶液のpHは1を下回った。この水溶液にノニオン系のポリアクリルアミド(Mw=5,000,000〜6,000,000、ホモポリマー)を0.3g加えて攪拌し、ポリアクリルアミドを塩酸水溶液に溶解させた。得られた溶液に17wt%のT1の水性分散体1.68mlを加え、さらに攪拌した。得られた反応溶液にテトラメトキシシラン(TMOS)0.66mlを10分かけて滴下した。全量滴下した後で攪拌をやめ、室温で1日放置(エージング)した。
得られたスラリーに対して、ろ過および水洗を繰り返した後、乾燥機を用いて80℃で一晩乾燥した。得られた有機無機複合体の粉末を、空気を流通させた焼成炉を用いて560℃で5時間焼成し、メソポーラスシリカ粒子を得た。
得られたメソポーラスシリカ粒子の比表面積は870m2/g、細孔容積1.1ml/g、メソ孔の平均細孔径X1は9.2nm、メソ孔同士を連結する連結孔の平均細孔径X2は3.7nm、空孔率は70.5体積%であった。さらにSEM観察の結果、メソポーラスシリカ粒子の体積50%平均粒子径は2μm、D90/D50が1.2、球状かつ非凝集な粒子の割合は99%であった。また、TEM観察の結果、メソポーラスシリカ粒子のメソ孔の細孔構造が3次元キュービック相構造であることが確認できた。
ここで、比表面積、細孔容積、細孔径および空孔率を測定する装置としては、マイクロトラック・ベル社製のBELSORP−mini装置を用いた。
室温下で1mol%の塩酸水溶液20mlを調製した。この水溶液のpHは1を下回った。この水溶液にノニオン系のポリアクリルアミド(Mw=5,000,000〜6,000,000、ホモポリマー)を0.3g加えて攪拌し、ポリアクリルアミドを塩酸水溶液に溶解させた。得られた溶液に17wt%のT1の水性分散体1.68mlを加え、さらに攪拌した。得られた反応溶液にテトラメトキシシラン(TMOS)0.66mlを10分かけて滴下した。全量滴下した後で攪拌をやめ、室温で1日放置(エージング)した。
得られたスラリーに対して、ろ過および水洗を繰り返した後、乾燥機を用いて80℃で一晩乾燥した。得られた有機無機複合体の粉末を、空気を流通させた焼成炉を用いて560℃で5時間焼成し、メソポーラスシリカ粒子を得た。
得られたメソポーラスシリカ粒子の比表面積は870m2/g、細孔容積1.1ml/g、メソ孔の平均細孔径X1は9.2nm、メソ孔同士を連結する連結孔の平均細孔径X2は3.7nm、空孔率は70.5体積%であった。さらにSEM観察の結果、メソポーラスシリカ粒子の体積50%平均粒子径は2μm、D90/D50が1.2、球状かつ非凝集な粒子の割合は99%であった。また、TEM観察の結果、メソポーラスシリカ粒子のメソ孔の細孔構造が3次元キュービック相構造であることが確認できた。
ここで、比表面積、細孔容積、細孔径および空孔率を測定する装置としては、マイクロトラック・ベル社製のBELSORP−mini装置を用いた。
<実施例1>
エタノール4gにl−メントール2gを加え撹拌し溶解させた。得られた溶液に、製造例1で得られたメソポーラスシリカ粒子2gを加え6時間撹拌した。遠心分離により、l−メントールを吸着したメソポーラスシリカ粒子を取り出し、室温で4時間乾燥させ、l−メントール担持シリカ粒子を得た。
エタノール4gにl−メントール2gを加え撹拌し溶解させた。得られた溶液に、製造例1で得られたメソポーラスシリカ粒子2gを加え6時間撹拌した。遠心分離により、l−メントールを吸着したメソポーラスシリカ粒子を取り出し、室温で4時間乾燥させ、l−メントール担持シリカ粒子を得た。
<比較例1>
メソポーラスシリカ粒子を、AGCエスアイテック社製シリカ(サンスフェアH51、平均粒径:5μm、比表面積800m2/g、細孔容積1.0ml/g、平均細孔径5nm以下、メソ孔の細孔構造:不定形構造)に変更した以外は実施例1と同様な方法によりl−メントール担持シリカ粒子を作製した。
メソポーラスシリカ粒子を、AGCエスアイテック社製シリカ(サンスフェアH51、平均粒径:5μm、比表面積800m2/g、細孔容積1.0ml/g、平均細孔径5nm以下、メソ孔の細孔構造:不定形構造)に変更した以外は実施例1と同様な方法によりl−メントール担持シリカ粒子を作製した。
<比較例2>
メソポーラスシリカ粒子を、アドマテックス社製の真球状シリカSO−E6(平均粒径:2μm、比表面積1.6m2/g)に変更した以外は実施例1と同様な方法によりl−メントール担持シリカ粒子を作製した。
メソポーラスシリカ粒子を、アドマテックス社製の真球状シリカSO−E6(平均粒径:2μm、比表面積1.6m2/g)に変更した以外は実施例1と同様な方法によりl−メントール担持シリカ粒子を作製した。
[試験例1]
実施例1、比較例1および比較例2においてそれぞれで作製したl−メントール担持シリカ粒子及びlメントールの熱重量変化および示差熱変化をDTG60(島津製作所)により測定した。得られた結果を図2および図3にそれぞれ示す。
温度は室温から5℃/minで500℃まで昇温した。
実施例1、比較例1および比較例2においてそれぞれで作製したl−メントール担持シリカ粒子及びlメントールの熱重量変化および示差熱変化をDTG60(島津製作所)により測定した。得られた結果を図2および図3にそれぞれ示す。
温度は室温から5℃/minで500℃まで昇温した。
熱重量減少および示差熱変化の測定からメントールそのものは50℃で融解し、120℃付近でほぼ揮発した。実施例1のl−メントール担持シリカ粒子は揮発が136℃で起こっており、細孔が細孔内に充填されたメントールの急激な揮発を抑制していることがわかった。
比較例1のl−メントール担持シリカ粒子の場合、実施例1のl−メントール担持シリカ粒子と比べ担持量が少なく、揮発の遅延が明確ではなくメントールが細孔中に充分に充填されていないことがわかった。比較例2の非多孔性の真球状シリカの場合、担持量が少なく、熱重量変化、示差熱変化はメントールの場合と同じであった。
なお、実施例1および比較例1の担持量(質量%、充填%)は以下の式(1)および(2)で計算した。得られた結果を表1に示す。
比較例1のl−メントール担持シリカ粒子の場合、実施例1のl−メントール担持シリカ粒子と比べ担持量が少なく、揮発の遅延が明確ではなくメントールが細孔中に充分に充填されていないことがわかった。比較例2の非多孔性の真球状シリカの場合、担持量が少なく、熱重量変化、示差熱変化はメントールの場合と同じであった。
なお、実施例1および比較例1の担持量(質量%、充填%)は以下の式(1)および(2)で計算した。得られた結果を表1に示す。
[試験例2]
<体性感覚評価>
実施例1および比較例1〜2で作製したl−メントール担持シリカ粒子0.1gをそれぞれ左手の甲に載せ、l−メントール0.1gを右手の甲に載せ、それぞれ水滴を1滴落とし粉及びメントールを塗り広げ、冷涼感の強さと持続性の官能評価を行った。被験者3名により次の指標で判定した。
(冷涼感)
3:メントールより強い、2:メントールと同じ、1:メントールより弱い
(冷涼感の持続性)
冷涼感の強さを30分毎に判定した。l−メントールの冷涼感は1.5時間後にはほとんど感じられなくなったが実施例1のl−メントール担持シリカ粒子は2時間後もわずかに冷涼感を感じた。比較例1、2のl−メントール担持シリカ粒子はl−メントールに比べ冷涼感が明らかに不足した。
官能評価の平均点を表2に示す。
<体性感覚評価>
実施例1および比較例1〜2で作製したl−メントール担持シリカ粒子0.1gをそれぞれ左手の甲に載せ、l−メントール0.1gを右手の甲に載せ、それぞれ水滴を1滴落とし粉及びメントールを塗り広げ、冷涼感の強さと持続性の官能評価を行った。被験者3名により次の指標で判定した。
(冷涼感)
3:メントールより強い、2:メントールと同じ、1:メントールより弱い
(冷涼感の持続性)
冷涼感の強さを30分毎に判定した。l−メントールの冷涼感は1.5時間後にはほとんど感じられなくなったが実施例1のl−メントール担持シリカ粒子は2時間後もわずかに冷涼感を感じた。比較例1、2のl−メントール担持シリカ粒子はl−メントールに比べ冷涼感が明らかに不足した。
官能評価の平均点を表2に示す。
<実施例2>
ジステアリルジモニウムクロリド/イソプロノール/水(=1/5/10:質量比)と実施例1で作製したl−メントール担持シリカ粒子を1:0.1(質量比)で配合し冷感剤を調合した。
ジステアリルジモニウムクロリド/イソプロノール/水(=1/5/10:質量比)と実施例1で作製したl−メントール担持シリカ粒子を1:0.1(質量比)で配合し冷感剤を調合した。
<比較例3>
ジステアリルジモニウムクロリド/イソプロノール/水(=1/5/10:質量比):l−メントールを1:0.05(質量比)で配合し冷感剤を調合した。
ジステアリルジモニウムクロリド/イソプロノール/水(=1/5/10:質量比):l−メントールを1:0.05(質量比)で配合し冷感剤を調合した。
[試験例3]
実施例2および比較例3で調製した冷感剤を用い、以下の評価を行った。
被験者3名にて、得られた冷感剤1gを手に取り、シャワー後の濡れた前腕に塗布した。次いで、40℃の温水ですすぎ、すすぎ後10分経過した時点で、肌で感じられる冷涼感を下記基準にしたがって評価し、3名の平均値をもって評価値とした。次いで、肌で感じられるさらさら感についても、下記基準にしたがって同様に評価した。
(冷涼感)
4:非常に心地よい冷涼感を感じる
3:心地よい冷涼感を感じる
2:あまり冷涼感を感じない
1:冷涼感を感じない、又は冷涼感が強すぎて心地よくない
(さらさら感)
4:非常に心地よいさらさら感を感じる
3:心地よいさらさら感を感じる
2:ややさらさら感を感じる
1:ほとんどさらさら感を感じない
官能評価の平均点を表3に示す。
実施例2および比較例3で調製した冷感剤を用い、以下の評価を行った。
被験者3名にて、得られた冷感剤1gを手に取り、シャワー後の濡れた前腕に塗布した。次いで、40℃の温水ですすぎ、すすぎ後10分経過した時点で、肌で感じられる冷涼感を下記基準にしたがって評価し、3名の平均値をもって評価値とした。次いで、肌で感じられるさらさら感についても、下記基準にしたがって同様に評価した。
(冷涼感)
4:非常に心地よい冷涼感を感じる
3:心地よい冷涼感を感じる
2:あまり冷涼感を感じない
1:冷涼感を感じない、又は冷涼感が強すぎて心地よくない
(さらさら感)
4:非常に心地よいさらさら感を感じる
3:心地よいさらさら感を感じる
2:ややさらさら感を感じる
1:ほとんどさらさら感を感じない
官能評価の平均点を表3に示す。
<実施例3>
エタノール1gにカプサイシン0.5gを加え撹拌し溶解させた。得られた溶液に、製造例1で得られたメソポーラスシリカ粒子0.5gを加え6時間撹拌した。遠心分離によりメソポーラスシリカ粒子を取り出し、室温で4時間乾燥させカプサイシン担持シリカ粒子を得た。
エタノール1gにカプサイシン0.5gを加え撹拌し溶解させた。得られた溶液に、製造例1で得られたメソポーラスシリカ粒子0.5gを加え6時間撹拌した。遠心分離によりメソポーラスシリカ粒子を取り出し、室温で4時間乾燥させカプサイシン担持シリカ粒子を得た。
[試験例4]
実施例3で調製したカプサイシン担持シリカ粒子とカプサイシンそのものをそれぞれ0.01g手の甲に5分間載せ、その後直ちに水で手洗いを行った後の温熱感あるいはヒリヒリ感の持続性を被験者3名により官能評価を行った。カプサイシンそのものは30分後に温熱感、ヒリヒリ感を感じなくなくなったが、カプサイシン担持シリカは1時間でも温熱感、ヒリヒリ感をわずかに感じた。
実施例3で調製したカプサイシン担持シリカ粒子とカプサイシンそのものをそれぞれ0.01g手の甲に5分間載せ、その後直ちに水で手洗いを行った後の温熱感あるいはヒリヒリ感の持続性を被験者3名により官能評価を行った。カプサイシンそのものは30分後に温熱感、ヒリヒリ感を感じなくなくなったが、カプサイシン担持シリカは1時間でも温熱感、ヒリヒリ感をわずかに感じた。
<実施例4>
製造例1で得られたメソポーラスシリカ粒子とエリスリトールを質量比1:2で、二軸混練機(商品名:KRCジュニア、栗本鐵工)を用いて、エリスリトールの融点付近である温度120℃にて混合を行った。これにより、錠剤用複合粒子を得た。錠剤用複合粒子を打錠することにより錠剤を製造した。この錠剤にレモングラス精油及びグレープフルーツ精油を1滴落とし芳香性錠剤を作成した。
製造例1で得られたメソポーラスシリカ粒子とエリスリトールを質量比1:2で、二軸混練機(商品名:KRCジュニア、栗本鐵工)を用いて、エリスリトールの融点付近である温度120℃にて混合を行った。これにより、錠剤用複合粒子を得た。錠剤用複合粒子を打錠することにより錠剤を製造した。この錠剤にレモングラス精油及びグレープフルーツ精油を1滴落とし芳香性錠剤を作成した。
[試験例5]
実施例4で得られたレモングラス及びグレープフルーツの芳香を有する錠剤と、レモングラス精油と、グレープフルーツ精油とをそれぞれ1滴皿の上に置き、その香りを被験者3名によりモニタリングした。レモングラス精油、グレープフルーツ精油そのものは1日経過後に香りを感じなくなったが、実施例4で作製した錠剤は3日後も香りを呈していることが確認できた。
実施例4で得られたレモングラス及びグレープフルーツの芳香を有する錠剤と、レモングラス精油と、グレープフルーツ精油とをそれぞれ1滴皿の上に置き、その香りを被験者3名によりモニタリングした。レモングラス精油、グレープフルーツ精油そのものは1日経過後に香りを感じなくなったが、実施例4で作製した錠剤は3日後も香りを呈していることが確認できた。
Claims (13)
- 相互に連結したメソ孔を有する金属酸化物多孔質粒子と、徐放性物質と、を含む徐放性材料であって、
窒素吸脱着等温線の吸着側の等温線からBJH法を用いて算出される、前記メソ孔の平均細孔径X1が5nm以上30nm以下の範囲内であり、
窒素吸脱着等温線の脱着側の等温線からBJH法を用いて算出される、前記メソ孔同士を連結する連結孔の平均細孔径X2が1nm以上10nm以下の範囲内であり、
X1>X2であり、
前記メソ孔の細孔構造が3次元キュービック相構造であり、
前記徐放性物質が、温度感受性TRPチャネル刺激物質、香料、殺虫成分、昆虫成長制御成分、入浴剤成分および生薬から選択される少なくとも一種を含む徐放性材料。 - 請求項1に記載の徐放性材料において、
前記金属酸化物多孔質粒子の体積50%平均粒子径が0.05μm以上50μm以下である徐放性材料。 - 請求項1または2に記載の徐放性材料において、
前記金属酸化物多孔質粒子の体積90%平均粒子径と体積50%平均粒子径との比(D90/D50)が1.5以下である徐放性材料。 - 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の徐放性材料において、
前記金属酸化物多孔質粒子の比表面積が80m2/g以上である徐放性材料。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の徐放性材料において、
前記金属酸化物多孔質粒子の空孔率が50体積%以上90体積%以下である徐放性材料。 - 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の徐放性材料において、
前記金属酸化物多孔質粒子がメソポーラスシリカ粒子を含む徐放性材料。 - 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の徐放性材料において、
前記徐放性物質が温度感受性TRPチャネル刺激物質を含み、
前記温度感受性TRPチャネル刺激物質のTRPチャネルがTRPV1、TRPV3、TRPM8またはTRPA1である徐放性材料。 - 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の徐放性材料において、
前記徐放性物質が温度感受性TRPMチャネル刺激物質を含み、
前記温度感受性TRPチャネル刺激物質が、カプサイシン、サイモール、カルバクロール、メントール、アリルイソチオシアネート、アリシンおよびシンナムアルデヒドからなる群から選択される一種または二種以上を含む徐放性材料。 - 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の徐放性材料において、
前記金属酸化物多孔質粒子と前記徐放性物質の合計100質量部に対する前記徐放性物質の割合が0.1質量部以上80質量部以下である徐放性材料。 - 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の徐放性材料において、
医薬品、化粧品、バス・トイレタリー用品、化学薬品、農産物保存用剤、食品、農薬、嗜好品または飼料として用いられる徐放性材料。 - 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の徐放性材料において、
前記金属酸化物多孔質粒子の表面にコーティング膜をさらに有する徐放性材料。 - 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の徐放性材料において、
前記コーティング膜は水溶性である徐放性材料。 - 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の徐放性材料において、
前記徐放性材料の形態は粉末状、顆粒状、シート状、ブロック状および膜状から選択される徐放性材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017220942A JP2019089976A (ja) | 2017-11-16 | 2017-11-16 | 徐放性材料 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2017220942A JP2019089976A (ja) | 2017-11-16 | 2017-11-16 | 徐放性材料 |
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JP2019089976A true JP2019089976A (ja) | 2019-06-13 |
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ID=66835850
Family Applications (1)
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JP2017220942A Pending JP2019089976A (ja) | 2017-11-16 | 2017-11-16 | 徐放性材料 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2019089976A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022250001A1 (ja) * | 2021-05-28 | 2022-12-01 | Dic株式会社 | 化粧料 |
-
2017
- 2017-11-16 JP JP2017220942A patent/JP2019089976A/ja active Pending
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WO2022250001A1 (ja) * | 2021-05-28 | 2022-12-01 | Dic株式会社 | 化粧料 |
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