JP2019089771A - トリオキサンの製造方法 - Google Patents

トリオキサンの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019089771A
JP2019089771A JP2018244640A JP2018244640A JP2019089771A JP 2019089771 A JP2019089771 A JP 2019089771A JP 2018244640 A JP2018244640 A JP 2018244640A JP 2018244640 A JP2018244640 A JP 2018244640A JP 2019089771 A JP2019089771 A JP 2019089771A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
trioxane
formaldehyde
weight
catalyst
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018244640A
Other languages
English (en)
Inventor
ベルナール・モンギヨン
Bernard Monguillon
ジャン−アレックス・ラフィット
Laffitte Jean-Alex
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Arkema France SA
Original Assignee
Arkema France SA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Arkema France SA filed Critical Arkema France SA
Publication of JP2019089771A publication Critical patent/JP2019089771A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D323/00Heterocyclic compounds containing more than two oxygen atoms as the only ring hetero atoms
    • C07D323/04Six-membered rings
    • C07D323/06Trioxane
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D323/00Heterocyclic compounds containing more than two oxygen atoms as the only ring hetero atoms
    • C07D323/04Six-membered rings

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

【課題】ホルムアルデヒドからトリオキサンを製造する方法において、高収率及び高選択率とともに、省エネルギー及び製造コスト削減をも可能にする、新規製造方法の提供。【解決手段】ホルムアルデヒドからトリオキサンを製造する方法であって、少なくとも以下の工程:1)ホルムアルデヒドを、少なくともメタンスルホン酸を含む触媒と接触させる工程;2)前記ホルムアルデヒドをトリオキサンに三量化させる反応を行う工程;及び3)トリオキサンを反応媒体から分離する工程を含む、前記方法。前記触媒は、メタンスルホン酸が好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、特定の酸触媒の存在下でホルムアルデヒドから1,3,5−トリオキサン(以下、「トリオキサン」と称する)を製造する方法であって、トリオキサンの改善された収率および高い選択率を可能にし、同時にかなりの省エネルギーとトリオキサン製造コストの削減を保証する方法に関する。
トリオキサンは、例えば、ポリオキシメチレン(POM)の製造における出発生成物として、多くの産業分野で広く使用されている。POMは、高い引張強度および耐衝撃性、優れた寸法安定性、良好な電気絶縁特性、ならびに広い作業温度範囲をはじめとする、非常に良好な物理的特性を有している。現在、POMは、自動車産業、スポーツ産業およびエレクトロニクス産業等の多くの産業で使用されている。
従って、POM市場は完全に拡大しているので、高収率および選択率で、大量に、できるだけ経済的かつ環境に害を与えることなく、POM前駆体であるトリオキサンを製造する必要がある。
トリオキサンは、通常、周知の技術に従ってホルムアルデヒドの三量化により製造される。一般に、トリオキサンは、高温で酸触媒の存在下で多かれ少なかれ濃縮されたホルムアルデヒド水溶液から形成される。次にトリオキサンは蒸留により反応媒体から分離される。トリオキサンに加えて、ホルムアルデヒド、水および反応副生成物を依然として含む合成蒸気は、濃縮塔で精留することができる。次いで、得られたトリオキサンに富む画分を、抽出および/または当業者に既知の任意の分離方法に付す。
例えば、水と混和しない抽出剤を用いて、その蒸留後にトリオキサンを直接抽出することが可能である。抽出剤中のトリオキサンを回収することを可能にする抽出後は、一般に有機相の蒸留が行われ、それにより純粋な、または少なくとも非常に高純度のトリオキサンを得ることができる。
しかし、当業者に既知の方法は依然として多くの欠点を有しており、提案された改善は実際にトリオキサン調製法をさらに改善または最適化することを可能にしなかった。
文献GB949145号は、強い無機酸、例えば、硫酸、過塩素酸およびリン酸、または芳香族スルホン酸、特にベンゼンスルホン酸およびその同族体、例えば、パラ−トルエンスルホン酸のような強有機酸の存在下での水溶液中のホルムアルデヒドからのトリオキサンの製造を記載する。前記文献には硫酸のみが例示されている。
文献US2006/0058537号は、触媒の存在下でのトリオキサンの製造方法を記載する。触媒は強酸、例えば、硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸もしくはトルエンスルホン酸、または非常に酸性のイオン交換体である。酸性ゼオライトまたはヘテロポリ酸を使用することも可能である。前記文献においても硫酸のみが例示されている。
文献FR1549133号には、酸触媒の存在下でのトリオキサンの製造方法が記載されている。これらの酸のうち、硫酸が好ましく用いられ、例えば、リン酸が使用できる。触媒の他の例は、硫酸水素カリウムもしくは塩化亜鉛等の酸性塩、p−トルエンスルホン酸もしくは1,5−ナフタレンジスルホン酸等の脂肪族および芳香族スルホン酸、または酸性イオン交換体、例えば、SOH基を有する市販の陽イオン交換樹脂である。硫酸だけが例示されている。
文献WO2013/076286号には、種々の酸触媒の存在下および非プロトン性溶媒中でのトリオキサンの製造方法が記載されている。しかし、非プロトン性溶媒中でホルムアルデヒドを調製する工程により方法の継続時間が長くなる。さらに、この追加の工程は、既存の産業機器を改造することを必要とする。好ましくは、使用される触媒は、ブレンステッド酸およびルイス酸である。触媒は、好ましくは、トリフルオロメタンスルホン酸、過塩素酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸および硫酸またはそれらの誘導体、例えば、無水物もしくはエステル、または対応する酸を生成する他の誘導体からなる群から選択される。三フッ化ホウ素または五フッ化ヒ素のようなルイス酸を使用することもできる。上記の触媒の混合物を使用することも可能である。実施例では、硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、過塩素酸およびスルホランイオン交換樹脂が使用される。
文献GB1064013号は、1つ以上のスルホン酸官能基を有する1つ以上のアルキルスルホン酸またはアリールアルキルスルホン酸またはアルキルアリールスルホン酸またはアリールスルホン酸を含む酸性乳化剤の存在下でのトリオキサンの製造方法を記載する。好ましくは、アルキルスルホン酸のアルキル基は、14から16個の炭素原子を含む。前記C14からC16アルキルスルホン酸のみが例示される。
種々の触媒、無機酸および有機酸、例えばパラ−トルエンスルホン酸が言及されている。しかし、それは周囲温度で固体形態であるという欠点を有し、従って溶媒中で希釈する工程を必要とする。また、硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、過塩素酸、スルホランイオン交換樹脂のみが例示される。
従来技術文献、特に上記の従来技術文献にはいくつかの酸触媒が記載されているが、硫酸は現時点ではトリオキサンの製造に最も広く使用されている酸触媒である。それにもかかわらず、硫酸は、腐食性であり、トリオキサンの製造収率の著しい低下をもたらす副生成物を生成するという欠点を有する。実際、関連する主な副反応は次のとおりである。
− 以下のスキームに従って、ギ酸(HCOOH)およびメタノール(CHOH)を生じる、水(HO)の存在下でのホルムアルデヒド(CHO)の不均化(カニッツァロ反応)
Figure 2019089771
− 事前に形成されたギ酸およびメタノールからギ酸メチル(HCOOCH)の形成をもたらす、以下の平衡化反応
Figure 2019089771
メタノールおよび二酸化炭素(CO)を生成する以下の副反応
Figure 2019089771
およびまた、酸性媒体中で、グリコール酸(HOCHCOOH)の形成を観察することもできる。
Figure 2019089771
英国特許出願公開第949145号明細書 米国特許出願公開第2006/0058537号明細書 仏国特許出願公開第1549133号明細書 国際公開第2013/076286号 英国特許出願公開第1064013号明細書
従って、大きな工業的変更を必要としない、ホルムアルデヒドの製造のための簡単で信頼性が高く、経済的で環境に優しい供給源を入手する必要が依然としてある。従って、当業者に既知の方法と比較して、トリオキサンの収率および選択率を改善することを可能にする方法、副生成物の著しい減少または排除も可能にする方法が利用可能である必要がある。最後に、一般に使用されている酸触媒と比較して、環境に対してより有害ではない酸触媒を用いてホルムアルデヒドを製造する方法が利用可能である必要がある。
本発明は多くの利点を有し、特に上述した欠点を完全にまたは少なくとも部分的に克服することを可能にする。他のさらなる利点は、以下の本発明の説明に照らして明らかになるであろう。
従って、本発明は、三量化ホルムアルデヒドの形態でホルムアルデヒドの供給源を利用することを可能にする、簡単で効率的で経済的な方法に関する。第1の態様によれば、本発明はホルムアルデヒドの三量化方法、より具体的にはホルムアルデヒドからトリオキサンを製造する方法に関し、前記方法は少なくとも以下の工程:
1) ホルムアルデヒドを、少なくともメタンスルホン酸を含む触媒と接触させる工程;
2) 前記ホルムアルデヒドをトリオキサンに三量化させる反応を行う工程;および
3) トリオキサンを反応媒体から分離する工程
を含む。
第2の態様によれば、本発明の主題は、ホルムアルデヒドを三量化するための、特にトリオキサンを製造するための、メタンスルホン酸を含む触媒の使用である。
本発明の主題は、ホルムアルデヒドの三量化収率を増加させるための、より具体的には
トリオキサンの製造のためのメタンスルホン酸を含む触媒の使用でもある。
最後に、本発明の主題は、ホルムアルデヒド三量化の間のトリオキサン選択率を増加させるためのメタンスルホン酸を含む触媒の使用である。
驚くべきことに、水性媒体中でメタンスルホン酸を酸触媒として含む触媒を使用すると、特にホルムアルデヒド三量化反応収率、トリオキサン収率およびトリオキサン選択率を改善することが可能であることが実際に見出された。また、メタンスルホン酸を含む触媒は、ホルムアルデヒドの三量化に一般的に使用される酸触媒よりも環境に対して有害ではない。
他に言及しない限り、言及される材料のパーセンテージは、重量パーセンテージである。
「反応混合物」という用語は、全ての出発試薬を含む混合物を意味することを意図される。「反応媒体」という用語は、ホルムアルデヒド三量化反応の間に形成される全ての生成物、および反応の開始時に存在する全ての試薬および未反応の試薬を含む混合物を意味することが意図される。
従って、本発明の主題は、ホルムアルデヒドの三量化、より詳細には、上で定義したトリオキサンの製造方法である。
好都合なことに、ホルムアルデヒド三量化方法は、先に示した少なくとも工程1)から3)を含む。
トリオキサン形成工程2)は、メタンスルホン酸を含む少なくとも1つの触媒の存在下でのホルムアルデヒド三量化反応によって実施される。トリオキサンへのホルムアルデヒドの三量化反応は、以下のスキームにより表すことができる。
Figure 2019089771
このトリオキサン形成工程は、好ましくは水性媒体中で行われる。しかし、有機溶媒媒体、好ましくはプロトン性有機溶媒媒体、より好ましくは極性プロトン性有機溶媒媒体、または水性−有機溶媒媒体、即ち、水/有機溶媒混合物中でさえもそれを実施することが可能であり、前記有機溶媒は好ましくは上記で定義した通りである。しかし、収率、選択率および環境保護に関して最良の結果は、本発明の方法を水性媒体中で、有利には有機溶媒の不存在下で実施することによって得られた。
ホルムアルデヒド(原料)は、当業者に既知の任意の形態で、例えば、通常、水溶液または固体形態のいずれかで使用することができ、これは次にパラホルムアルデヒドとして知られる形態に対応する。固体ホルムアルデヒドの2つの主要な供給源は、パラホルムアルデヒド(ホルムアルデヒドオリゴマー)およびポリオキシメチレン(ホルムアルデヒドポリマー)である。
本発明の方法の必要性のために、ホルムアルデヒドは水溶液中で使用される。有利には、前記水溶液は、ホルムアルデヒド、水および場合により添加剤を含む。有利には、ホルムアルデヒド含有量は、水溶液の総重量に対して30重量%から90重量%(限界値含む)の範囲である。好ましくは、ホルムアルデヒド含有量は、水溶液の総重量に対して、30%から70%、より好ましくは30重量%から50重量%(限界値含む)の範囲である。さらに優先的には、ホルムアルデヒド含有量は、水溶液の総重量に対して約40重量%である。
反応器では、ホルムアルデヒド含有量が反応混合物の総重量に対して30重量%から90重量%の範囲になるようにホルムアルデヒドが導入される。好ましくは、ホルムアルデヒド含有量は、反応混合物の総重量に対して30重量%から70重量%の範囲である。より好ましくは、ホルムアルデヒド含有量は、反応混合物の総重量に対して30重量%から60重量%の範囲である。前述の範囲は、含まれる限界を含むと理解される。
反応混合物が水を含有する場合、後者は有利には、ホルムアルデヒドを含む水溶液から得られるが、場合により以下に定義されるような水性形態の触媒からも得られ、場合により以下に定義する水溶液中の添加剤からも得ることができる。もちろん、水および/または他の溶媒、例えば、有機溶媒を反応混合物に添加することも可能である。
有利には、反応器中の水含有量は、反応混合物の総重量に対して、70重量%から10重量%(限界値含む)、好ましくは反応混合物の総重量に対して70重量%から30重量%、より好ましくは反応混合物の総重量に対して70重量%から50重量%(限界値含む)の範囲であり、例えば、反応混合物の総重量に対して約60重量%に等しい。
反応混合物は、場合により、消泡剤、防食剤、界面活性剤、安定剤等の添加剤を含む。先に示したように、上記の添加剤は場合により水溶液の形態であってもよい。
反応媒体中の添加剤含有量は、一般に、反応混合物の総重量に対して、0から15重量%(限界値含む)の範囲である。好ましくは、反応混合物中の添加剤含有量は、反応混合物の総重量に対して、1重量%から10重量%(限界値含む)、より好ましくは、反応混合物の総重量に対して、1重量%から5重量%(限界値含む)の範囲である。
全く驚くべきことに、メタンスルホン酸を含む少なくとも1つの触媒の使用により、ホルムアルデヒドからトリオキサンを調製するために最も一般的かつ広く使用されている触媒である硫酸の使用と比較して、ホルムアルデヒド三量化収率またはトリオキサン形成収率を有意に増加させることを可能にすることが見出された。また、メタンスルホン酸を含む触媒は、その非酸化性および生分解性の特性により、この方法を、硫酸を使用する既知の方法よりも環境に対して有害でないものにする。
本発明の必要性のために、メタンスルホン酸を含む単一の触媒を使用することが好ましい。好ましい一実施形態によれば、メタンスルホン酸を含む触媒は、メタンスルホン酸の水溶液である。しかし、AMSAとして知られている無水メタンスルホン酸を使用することが可能であり、この可能性は水溶液中のホルムアルデヒドを使用するトリオキサン合成方法に完全に適している。
別の好ましい実施形態では、本発明の方法はホルムアルデヒド三量化触媒として水溶液中のメタンスルホン酸を使用し、ホルムアルデヒドを水および/または有機溶媒に溶解する追加の工程を回避するという利点も提供する。
先に示したように、メタンスルホン酸を含む触媒は、無水形態または水溶液中で使用することができる。好ましくは、本発明の触媒は多かれ少なかれ希薄な水溶液であり、前記触媒は,場合により添加剤の存在下で水に希釈される。
従って、触媒が水溶液中にメタンスルホン酸を含む場合、それはメタンスルホン酸水溶液の総重量に対して0.1重量%から99.9重量%(限界値含む)、好ましくは1重量%から99重量%(限界値含む)、好ましくは30重量%から95重量%(限界値含む)の酸の範囲であることができる濃度で使用することができる。好ましくは、メタンスルホン酸含有量は、触媒の総重量に対して50重量%から80重量%の範囲であり、さらにより好ましくは、メタンスルホン酸含有量は、触媒の総重量に対して70重量%である。例えば、水中の70重量%のメタンスルホン酸(AMS)は、アルケマ社により販売されている。
反応混合物では、無水形態または水溶液中のメタンスルホン酸を含む触媒は、無水形態で表されるメタンスルホン酸含有量が、反応混合物の総重量に対して0.1重量から25重量%(限界値含む)の範囲であるように導入される。好ましくは、メタンスルホン酸含有量は、反応混合物の総重量に対して0.1重量%から15重量%、より好ましくは反応混合物の総重量に対して2重量%から10重量%(限界値含む)の範囲である。
一実施形態によれば、メタンスルホン酸を含む触媒は、トリオキサン三量化反応のために通常使用される酸のような1つ以上の他の酸、好ましくは強酸、より好ましくは強無機酸を含むことができ、非限定的な例として、硫酸、リン酸、パラ−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸以外のアルキルスルホン酸、および任意の割合のこれらの2つ以上の混合物が挙げられ、またトリオキサンへのホルムアルデヒドの三量化のための触媒として使用することができる任意の酸触媒も挙げることができる。
好ましくは、触媒がメタンスルホン酸および1つ以上の他の酸触媒を含む場合、メタンスルホン酸の重量含有量は、混合物中に存在する他の酸の量よりも多く、例えば、2倍または3倍である。
三量化工程2)は、有利には、前記の少なくとも1つの触媒、ホルムアルデヒド、溶媒、有利には水、および上記の任意の添加剤を含む反応混合物を加熱することによって実施される。反応温度は、一般に0℃から200℃、好ましくは50℃から150℃、より好ましくは70℃から140℃、さらにより好ましくは90℃から130℃の範囲である。
三量化反応は、大気圧下、加圧下または減圧下で実施することができる。当業者は、特に温度および反応混合物中のホルムアルデヒドの濃度に従って圧力を調節することができるであろう。一般に、圧力は0.1から10バール(即ち、0.1・10Paから10・10Paの間)に設定することができる。好ましくは、圧力は0.1から5バール(即ち、0.1・10Paから5・10Paの間)の範囲である。反応器内の圧力は、それが先に示した限界値の間になるように調節することができる。反応は大気圧下で行うことが非常に好ましい。
メタンスルホン酸を含む少なくとも1つの触媒の存在下でのホルムアルデヒドの三量化によるトリオキサンの形成は、ホルムアルデヒドがトリオキサンに至る最も完全な転化に必要な期間行われる。この期間は数分から数時間の範囲であることができる。
トリオキサン形成工程は、撹拌を伴いまたは伴わずに、好ましくは撹拌しながら実施することができる。撹拌される場合、それは、当業者に既知の任意の方法、例えば、マグネチックスターラー、パドルスターラー、プロペラスターラー、またはこの種の反応に一般に使用されている既知の任意の他の撹拌方法によって提供することができる。
ホルムアルデヒドの三量化反応は平衡反応であるので、トリオキサン形成を促進するためにルシャトリエの原理に従って反応平衡をシフトさせることが可能である。従って、本発明の好ましい一実施形態によれば、トリオキサン形成は、例えば、形成されたトリオキサンを反応媒体から除去することによって、大きく促進することができる。この操作は、当業者に周知の任意の方法に従って、例えば、抜出しによって、有利には反応中の蒸留によって実施することができる。
先に示したように、トリオキサンは、トリオキサン形成中に抜出すことができる。別の実施形態によれば、トリオキサンは工程2)の終わりに、即ち、トリオキサン形成の後に抜出される。本発明の方法は、バッチ式または連続的に実施することができる。特に有利には、方法を連続的に実施する場合、トリオキサンは、反応媒体中にそれが形成されるとすぐに反応の間中ずっと連続的に抜出される。方法をバッチ式で実施する場合、トリオキサンは工程2)の間または終了時に反応媒体から分離される。
先に示したように、トリオキサン分離工程は、当業者に既知の任意の方法によって行うことができる。一実施形態によれば、トリオキサン分離工程は蒸留によって行われる。蒸留は、例えば、単蒸留、精留とも呼ばれる分留、薄膜蒸留、分子蒸留または、第3の溶媒、一般にはメタノールもしくはエタノールのようなアルコールの存在下で行うことができる共沸蒸留である。
蒸留工程の後に、1つ以上の以下の既知の方法、即ち、蒸発、ろ過、抽出、蒸留、再結晶等を用いて、当業者に周知の追加の精製工程が続くことができる。
別の実施形態によれば、トリオキサンを反応媒体から分離する工程は、少なくとも以下の2つのサブ工程を含む。
a) 有利には抽出剤の存在下で実施される抽出工程;
b) およびトリオキサンと抽出剤とを分離するための蒸留工程。
抽出工程a)は、抽出剤の存在下で行うのが有利である。抽出剤は、水混和性が低いか、または水不混和性であり、トリオキサンを同伴する化合物である。抽出剤はトリオキサンをよく溶解しなければならない。有利に使用することができる抽出剤は、ベンゼン、塩化メチレン、塩化エチレン、クロロホルム、シクロヘキサン、クロロベンゼン、ジエチルエーテル、およびそれらの2つ以上の混合物から選択されるような有機溶媒である。好ましくは、それらの沸点は40℃から120℃の間であり、好ましくは60℃から120℃の間である。
抽出工程a)の後に、蒸留工程b)が続く。蒸留は、単蒸留もしくは分留、または上記で既に示した他の蒸留方法であってもよい。
蒸留工程b)の後に、蒸発、ろ過、抽出、蒸留等の追加の分離工程が続くことができる。
第2の態様によれば、本発明の主題は、ホルムアルデヒドの三量化、特にトリオキサン、特にホルムアルデヒド三量化によるトリオキサンの製造のための、メタンスルホン酸を含む触媒の使用である。好ましい一実施形態によれば、本発明による使用のために使用される触媒はメタンスルホン酸であり、水溶液中のメタンスルホン酸であることが非常に好ましい。
本発明の主題は、トリオキサン製造収率、特にホルムアルデヒドの三量化によるトリオキサンの製造からの収率を高めるための、メタンスルホン酸を含む触媒の使用でもある。好ましい一実施形態によれば、本発明による使用のために使用される触媒はメタンスルホン酸であり、水溶液中のメタンスルホン酸であることが非常に好ましい。
最後に、本発明の主題は、トリオキサン選択率、特にホルムアルデヒドの三量化によって得られるトリオキサンに対する選択率を高めるための、メタンスルホン酸を含む触媒の使用である。好ましい一実施形態によれば、本発明による使用のために使用される触媒はメタンスルホン酸であり、水溶液中のメタンスルホン酸であることが非常に好ましい。
以下の実施例は、添付の特許請求の範囲によって与えられるその範囲を限定することなく本発明を説明する。
105℃に加熱した反応器に、水中での60%の溶液中のホルムアルデヒド、およびアルケマ社により販売されているメタンスルホン酸(本発明による実施例)または硫酸(比較例)である酸触媒を導入することによって、1,3,5−トリオキサン合成試験を実施する。
形成された1,3,5−トリオキサンを反応媒体から抽出し、次いで蒸留により精製する。結果を表1に示す。
Figure 2019089771
これらの結果は、MSAは、他の強酸触媒、即ち、硫酸と比較して、より良好なホルムアルデヒド転化の程度およびより良好な1,3,5−トリオキサン選択率を可能にすることを示す。

Claims (10)

  1. ホルムアルデヒドの三量化方法、より具体的にはホルムアルデヒドからトリオキサンを製造する方法であって、少なくとも以下の工程:
    1) ホルムアルデヒドを、少なくともメタンスルホン酸を含む触媒と接触させる工程;
    2) 前記ホルムアルデヒドをトリオキサンに三量化させる反応を行う工程;および
    3) トリオキサンを反応媒体から分離する工程
    を含む、前記方法。
  2. ホルムアルデヒド含有量が、反応混合物の総重量に対して30重量%から90重量%、好ましくは30重量%から70重量%、より好ましくは30重量%から60重量%の範囲であって、限界値を含む範囲である、請求項1に記載の方法。
  3. 反応混合物中の無水形態または水溶液中のメタンスルホン酸含有量が、反応混合物の総重量に対して0.1から25重量%の範囲であって、限界値を含む範囲、0.1重量%から15重量%の範囲であって、限界値を含む範囲、より好ましくは2重量%から10重量%の範囲であって、限界値を含む範囲の、無水形態で表されるメタンスルホン酸である、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 三量化工程2)が、0℃から200℃、好ましくは50℃から150℃、より好ましくは70℃から140℃、さらに好ましくは90℃から130℃の範囲である温度で実施される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. ホルムアルデヒドの三量化反応は、0.1・10Paから10・10Paの間、好ましくは0.1・10Paから5・10Paの間に設定された圧力で実施され、より好ましくは、反応圧力は大気圧である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 形成されたトリオキサンを連続的に抜出しながら、連続的に実施される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. ホルムアルデヒドを三量化するための、特にトリオキサン、より具体的にはホルムアルデヒドの三量化によりトリオキサンを製造するための、メタンスルホン酸を含む触媒の使用。
  8. 触媒がメタンスルホン酸、好ましくは水溶液中のメタンスルホン酸である、請求項7に記載の使用。
  9. ホルムアルデヒドの三量化により得られるトリオキサンの製造からの収率を高めるための、少なくともメタンスルホン酸を含む触媒の使用。
  10. ホルムアルデヒドの三量化によって得られるトリオキサンに対する選択率を高めるための、少なくともメタンスルホン酸を含む触媒の使用。
JP2018244640A 2014-08-07 2018-12-27 トリオキサンの製造方法 Pending JP2019089771A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FR1457676 2014-08-07
FR1457676A FR3024729B1 (fr) 2014-08-07 2014-08-07 Procede de preparation du trioxane

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017506757A Division JP6534732B2 (ja) 2014-08-07 2015-07-17 トリオキサンの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019089771A true JP2019089771A (ja) 2019-06-13

Family

ID=51987260

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017506757A Active JP6534732B2 (ja) 2014-08-07 2015-07-17 トリオキサンの製造方法
JP2018244640A Pending JP2019089771A (ja) 2014-08-07 2018-12-27 トリオキサンの製造方法

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017506757A Active JP6534732B2 (ja) 2014-08-07 2015-07-17 トリオキサンの製造方法

Country Status (9)

Country Link
US (1) US9994544B2 (ja)
EP (1) EP3177602B1 (ja)
JP (2) JP6534732B2 (ja)
KR (1) KR20170024113A (ja)
CN (1) CN106536499B (ja)
ES (1) ES2930666T3 (ja)
FR (1) FR3024729B1 (ja)
PL (1) PL3177602T3 (ja)
WO (1) WO2016020592A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021519781A (ja) * 2018-03-29 2021-08-12 セラニーズ・セールス・ジャーマニー・ゲーエムベーハー 不均一反応系における環状アセタールの製造方法
WO2023234382A1 (ja) * 2022-06-03 2023-12-07 三菱瓦斯化学株式会社 組成物、およびこれを用いたトリオキサンの製造方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE1178082B (de) 1961-07-14 1964-09-17 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von Trioxan
NL300795A (ja) * 1962-11-26
DE1643256B2 (de) 1966-12-29 1976-07-01 Basf Ag, 6700 Ludwigshafen Verfahren zur herstellung von trioxan. zusatz zu p 15 43 390.6
US5767294A (en) * 1993-02-17 1998-06-16 Hoechst Celanese Corporation Process for the production of trioxane from formaldehyde
JP3790560B2 (ja) * 1995-02-21 2006-06-28 小川香料株式会社 トリオキサンの製造方法
DE10258663B4 (de) 2002-12-13 2005-07-28 Ticona Gmbh Verfahren zur Herstellung von Trioxan
JP6144272B2 (ja) * 2011-11-24 2017-06-07 セラニーズ・セールス・ジャーマニー・ゲーエムベーハー 重合プロセスにおけるホルムアルデヒド源のリサイクル方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6534732B2 (ja) 2019-06-26
PL3177602T3 (pl) 2023-01-02
EP3177602A1 (fr) 2017-06-14
FR3024729A1 (fr) 2016-02-12
US20170233366A1 (en) 2017-08-17
ES2930666T3 (es) 2022-12-21
FR3024729B1 (fr) 2018-09-07
CN106536499B (zh) 2019-11-12
US9994544B2 (en) 2018-06-12
KR20170024113A (ko) 2017-03-06
EP3177602B1 (fr) 2022-10-26
CN106536499A (zh) 2017-03-22
JP2017523998A (ja) 2017-08-24
WO2016020592A1 (fr) 2016-02-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI385150B (zh) 支鏈羧酸二酯
AU2006259100B2 (en) Method for producing polyoxymethylene dimethyl ethers from methanol and formaldehyde
US7700809B2 (en) Process for preparing polyoxymethylene dimethyl ethers from methanol and formaldehyde
AU2014241870B2 (en) Process for making 2,5-furandicarboxylic acid
US20110009574A1 (en) Modified naphthalene formaldehyde resin, tricyclodecane skeleton-containing naphthol compound and ester compound
JP2019089771A (ja) トリオキサンの製造方法
CN107501062A (zh) 处理双酚‑a残余物物流
WO2014181360A1 (en) A process for depolymerization of lignin
WO2018210274A1 (zh) 丙烯酰胺和甲酰胺型化合物的联产制备方法
CN111718289A (zh) 用于制备有机过氧化物的方法
US9255218B2 (en) Method for obtaining compositions of biosolvents by esterification and obtained compositions of biosolvents
TW201641479A (zh) 方法
EP2935192A1 (en) Process for the preparation of adipic acid
WO2014180921A1 (en) Process of production of dehydrolinalyl acetate (ii)
JP7476448B2 (ja) 4-ヒドロキシ-2-メチル安息香酸の製造方法
JP2023121456A (ja) ビスフェノール化合物の製造方法
JP2001521918A (ja) アルキレングリコールモノアルキルエーテルのカルボン酸エステルを製造するための連続法
CA1304755C (en) Process for producing dihydroxynaphthalenes
JP2010235505A (ja) アルコール濃縮方法
US4962241A (en) Process for producing dihydroxynaphthalenes
HU231014B1 (hu) Egyszerű ipari eljárás izodehidroecetsav észter előállítására
CN116003224A (zh) 一种制备间苯二酚的方法
JP2017178826A (ja) フェノールの製造方法
JP2016128389A (ja) 6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸2−エチルヘキシルエステルの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191128

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200219

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200728