以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、XYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。所定面内のX軸と平行な方向をX軸方向、X軸と直交する所定面内のY軸と平行な方向をY軸方向、X軸及びY軸と直交するZ軸と平行な方向をZ軸方向とする。本実施形態において、所定面は水平面と平行であり、Z軸方向は鉛直方向であることとする。なお、所定面は、水平面に対して傾斜してもよい。また、以下の説明においては、所定面を適宜、XY平面、と称する。
[部品実装システムの概要]
図1は、本実施形態に係る部品実装システム1の一例を模式的に示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る部品実装システム1の一例を示す構成図である。部品実装システム1は、工場施設に設けられる。図1及び図2に示すように、部品実装システム1は、部品を管理する部品管理システム2と、部品を使って電子機器を製造する生産ライン3とを備える。
部品管理システム2は、部品倉庫システム4と、部品搬送装置5と、管理制御装置6と、倉庫制御装置7と、搬送制御装置8と、端末装置9とを備える。
生産ライン3は、部品を基板に実装する部品実装装置を含む。部品実装装置は、例えば特開2013−162102号公報等に開示されているように、部品を供給するフィーダと、フィーダから供給された部品を保持可能なノズルを有する実装ヘッドと、基板を搬送する基板搬送装置とを有する。部品実装装置は、実装ヘッドで部品を基板に実装する。
部品倉庫システム4は、入庫された部品を保管する。また、部品倉庫システム4は、保管している部品を出庫する。部品倉庫システム4は、部品を収容する自動倉庫4Aと、部品を入出庫するエレベータ装置4Bとを有する。エレベータ装置4Bは、部品を昇降させる。エレベータ装置4Bは、自動倉庫4Aから出庫された部品を搬送する出庫用エレベータ41と、自動倉庫4Aに入庫される部品を搬送する入庫用エレベータ42とを含む。工場施設において、部品倉庫システム4は、複数設けられる。本実施形態において、部品倉庫システム4は、X軸方向に7つ設けられる。なお、部品倉庫システム4は7つでなくてもよく、任意の複数でもよい。
倉庫制御装置7は、部品倉庫システム4を制御する指令信号を出力する。倉庫制御装置7から出力された指令信号は、通信ケーブルを介して部品倉庫システム4に送信される。
部品搬送装置5は、部品を搬送する。工場施設において、複数の部品搬送装置5が稼働する。
搬送制御装置8は、部品搬送装置5を制御する指令信号を出力する。搬送制御装置8は、部品搬送装置5と無線通信する。搬送制御装置8から出力された指令信号は、無線通信システムを介して部品搬送装置5に送信される。無線通信システムは、Wi−Fiのような無線ローカルエリアネットワークシステムを含む。
端末装置9は、作業者WMに操作される。端末装置9は、作業者WMにデータを提供する。工場施設において、端末装置9は、複数設けられる。
生産ライン3及び部品倉庫システム4は、工場施設の床面に設置される。床面は、XY平面と平行である。部品搬送装置5は、床面を走行する。床面は、部品搬送装置5が走行する走行面である。部品搬送装置5は、床面に規定される走行路10を走行する。
工場施設において、出庫エリア11と、入庫エリア12と、ラインエリア13と、受入エリア14と、段取りエリア15と、充電エリア16とが規定される。部品搬送装置5は、出庫エリア11、入庫エリア12、ラインエリア13、受入エリア14、段取りエリア15、及び充電エリア16のそれぞれに移動可能である。
出庫エリア11は、部品倉庫システム4から出庫された部品を部品搬送装置5に渡す出庫処理が実施されるエリアである。出庫エリア11は、出庫用エレベータ41に規定される。部品搬送装置5は、出庫エリア11に移動して、部品倉庫システム4から部品を受ける。部品倉庫システム4は、出庫エリア11に配置された部品搬送装置5に部品を渡す。
入庫エリア12は、自動倉庫4Aに入庫する部品を部品搬送装置5から受ける入庫処理が実施されるエリアである。入庫エリア12は、入庫用エレベータ42に規定される。部品搬送装置5は、入庫エリア12に移動して、部品倉庫システム4に部品を渡す。部品倉庫システム4は、入庫エリア12に配置された部品搬送装置5から部品を受ける。
ラインエリア13は、部品実装装置のフィーダに部品を設置する部品供給処理が実施されるエリアである。ラインエリア13は、生産ライン3の近傍に規定される。ラインエリア13に存在する作業者WMは、生産ライン3の部品実装装置のフィーダに部品を設置する。
受入エリア14は、部品供給者から納入される部品を受け入れる受入処理が実施されるエリアである。受入エリア14に作業台17が設置される。部品は、運搬車両により部品供給者から工場施設に納入される。受入エリア14に存在する作業者WMは、納入された部品を受け入れる。
段取りエリア15は、複数の部品を一括交換台車18に搭載する段取り処理が実施されるエリアである。段取りエリア15に一括交換台車18が配置される。段取りエリア15に存在する作業者WMは、複数の部品を一括交換台車18に搭載する。
充電エリア16は、部品搬送装置5のバッテリを充電する充電処理が実施されるエリアである。充電エリア16に充電装置19が設置される。バッテリの充電量が低減したとき、部品搬送装置5は、充電エリア16に移動して充電装置19でバッテリを充電する。
端末装置9は、ラインエリア13、受入エリア14、及び段取りエリア15のそれぞれに設置される。なお、端末装置9は、管理制御装置6の近傍に設置され、管理制御装置6に接続されてもよい。
[部品]
図3及び図4は、本実施形態に係る部品の一例を示す斜視図である。図3及び図4に示すように、部品は、キャリアテープ20に保持される。キャリアテープ20は、複数の部品を保持する。キャリアテープ20は、テープリール21に巻かれる。
部品を保持するキャリアテープ20は、テープリール21に巻かれた状態で部品供給者から納入される。部品を保持するキャリアテープ20は、テープリール21に巻かれた状態で取り扱われる。
部品を識別するための識別データが部品に付与される。識別データは、テープリール21の表面22に設けられている識別マーク23を含む。識別マーク23により、テープリール21に保持されている部品が識別される。識別マーク23は、例えば一次元バーコード又は二次元バーコードである。なお、識別マーク23は、数字、文字、及び図形の少なくとも一つでもよい。
部品管理システム2において、部品はトレイ30に支持された状態で取り扱われる。部品は、テープリール21に巻かれた状態でトレイ30に支持される。作業台17の近傍に空のトレイ30が複数配置される。受入エリア14に存在する作業者WMは、作業台17において、納入されたテープリール21をトレイ30に設置する。
トレイ30は、上面31A及び下面31Bを有するプレート部31と、プレート部31の上面31Aの周縁領域の少なくとも一部に設けられるスペーサ部32とを有する。テープリール21は、プレート部31の上面31Aに設置される。スペーサ部32の上面32Aは、平坦面である。プレート部31の上面31Aにテープリール21が配置された状態において、スペーサ部32の上面32Aは、テープリール21の表面22と実質的に同一面内又はテープリール21の表面22よりも高い位置に配置される。これにより、トレイ30にテープリール21が支持された状態で、複数のトレイ30を積層することができる。
また、プレート部31の側面31Cの一部にノッチ34が設けられる。ノッチ34は、複数設けられる。
図3及び図4に示すように、部品管理システム2は、大きさが異なる2種類のテープリール21を取り扱う。テープリール21は、図3に示す大型のテープリール21Aと、図4に示す小型のテープリール21Bとを含む。トレイ30は、テープリール21Aを支持するトレイ30Aと、テープリール21Bを支持するトレイ30Bとを含む。
図3に示すように、トレイ30Aは、1つのテープリール21Aを支持する。図4に示すように、トレイ30Bは、2つのテープリール21Bを支持する。トレイ30Aの大きさとトレイ30Bの大きさとは異なる。トレイ30Aの幅Waは、トレイ30Bの幅Wbよりも大きい。トレイ30Aの高さHaとトレイ30Bの高さHbとは異なる。なお、トレイ30Aの高さHaとトレイ30Bの高さHbとは等しくてもよい。トレイ30Aの長さLaとトレイ30Bの長さLbとは等しい。
[部品搬送装置の移動経路の概要]
図5は、本実施形態に係る部品搬送装置5の移動経路の概要を説明するための図である。部品搬送装置5は、トレイ30を搬送する。部品搬送装置5は、トレイ30を搬送することによって、テープリール21に巻かれた状態でトレイ30に支持されている部品を搬送する。
図5において、移動経路Raは、受入エリア14から入庫エリア12にトレイ30を搬送するときの部品搬送装置5の移動経路である。移動経路Rbは、出庫エリア11から受入エリア14にトレイ30を搬送するときの部品搬送装置5の移動経路である。
受入エリア14に存在する作業者WMは、部品供給者から納入されたテープリール21をトレイ30に設置する。作業者WMは、テープリール21を支持したトレイ30を受入エリア14に移動した部品搬送装置5に搭載する。トレイ30が搭載された部品搬送装置5は、移動経路Raを通って部品倉庫システム4の入庫エリア12に移動する。部品倉庫システム4は、入庫エリア12に配置された部品搬送装置5からトレイ30を受ける入庫処理を実施する。
部品供給者に返却する必要があるテープリール21を支持するトレイ30が部品倉庫システム4に収容されているとき、部品搬送装置5が出庫エリア11に移動する。部品倉庫システム4は、出庫エリア11に配置された部品搬送装置5にトレイ30を渡す出庫処理を実施する。トレイ30が搭載された部品搬送装置5は、移動経路Rbを通って受入エリア14に移動する。受入エリア14に存在する作業者WMは、部品搬送装置5からテープリール21を受け取って部品供給者に返却する。部品供給者は、テープリール21を回収する。
図5において、移動経路Rcは、出庫エリア11からラインエリア13にトレイ30を搬送するときの部品搬送装置5の移動経路である。移動経路Rdは、ラインエリア13から入庫エリア12にトレイ30を搬送するときの部品搬送装置5の移動経路である。
部品倉庫システム4に収容されているトレイ30を生産ライン3に搬送するとき、部品搬送装置5が出庫エリア11に移動する。部品倉庫システム4は、出庫エリア11に配置された部品搬送装置5にトレイ30を渡す出庫処理を実施する。トレイ30が搭載された部品搬送装置5は、移動経路Rcを通ってラインエリア13に移動する。ラインエリア13に存在する作業者WMは、部品搬送装置5からテープリール21を受け取って、部品実装装置のフィーダに装着する。
部品倉庫システム4に戻す必要があるテープリール21がラインエリア13に存在するとき、ラインエリア13に存在する作業者WMは、テープリール21をトレイ30に設置する。作業者WMは、テープリール21を支持したトレイ30をラインエリア13に移動した部品搬送装置5に搭載する。トレイ30が搭載された部品搬送装置5は、移動経路Rdを通って部品倉庫システム4の入庫エリア12に移動する。部品倉庫システム4は、入庫エリア12に配置された部品搬送装置5からトレイ30を受ける入庫処理を実施する。
図5において、移動経路Reは、ラインエリア13から受入エリア14にトレイ30を搬送するときの部品搬送装置5の移動経路である。移動経路Rfは、受入エリア14からラインエリア13にトレイ30を搬送するときの部品搬送装置5の移動経路である。
空のトレイ30がラインエリア13に存在し、受入エリア14の作業者WMが空のトレイ30を要求しているとき、ラインエリア13に存在する作業者WMは、空のトレイ30をラインエリア13に移動した部品搬送装置5に搭載する。トレイ30が搭載された部品搬送装置5は、移動経路Reを通って受入エリア14に移動する。受入エリア14に存在する作業者WMは、部品搬送装置5から空のトレイ30を受け取る。
空のトレイ30が受入エリア14に存在し、ラインエリア13の作業者WMが空のトレイ30を要求しているとき、受入エリア14に存在する作業者WMは、空のトレイ30を受入エリア14に移動した部品搬送装置5に搭載する。トレイ30が搭載された部品搬送装置5は、移動経路Rfを通ってラインエリア13に移動する。ラインエリア13に存在する作業者WMは、部品搬送装置5から空のトレイ30を受け取る。
図5において、移動経路Rgは、出庫エリア11から段取りエリア15にトレイ30を搬送するときの部品搬送装置5の移動経路である。移動経路Rhは、段取りエリア15から入庫エリア12にトレイ30を搬送するときの部品搬送装置5の移動経路である。
部品倉庫システム4に収容されているトレイ30を段取りエリア15に搬送するとき、部品搬送装置5が出庫エリア11に移動する。部品倉庫システム4は、出庫エリア11に配置された部品搬送装置5にトレイ30を渡す出庫処理を実施する。トレイ30が搭載された部品搬送装置5は、移動経路Rgを通って段取りエリア15に移動する。段取りエリア15に存在する作業者WMは、部品搬送装置5からテープリール21を受け取って、一括交換台車18に装着する。
部品倉庫システム4に戻す必要があるテープリール21が段取りエリア15に存在するとき、段取りエリア15に存在する作業者WMは、テープリール21をトレイ30に設置する。作業者WMは、テープリール21を支持したトレイ30を段取りエリア15に移動した部品搬送装置5に搭載する。トレイ30が搭載された部品搬送装置5は、移動経路Rhを通って部品倉庫システム4の入庫エリア12に移動する。部品倉庫システム4は、入庫エリア12に配置された部品搬送装置5からトレイ30を受ける入庫処理を実施する。
図5において、移動経路Riは、段取りエリア15から受入エリア14にトレイ30を搬送するときの部品搬送装置5の移動経路である。移動経路Rjは、受入エリア14から段取りエリア15にトレイ30を搬送するときの部品搬送装置5の移動経路である。
空のトレイ30が段取りエリア15に存在し、受入エリア14の作業者WMが空のトレイ30を要求しているとき、段取りエリア15に存在する作業者WMは、空のトレイ30を段取りエリア15に移動した部品搬送装置5に搭載する。トレイ30が搭載された部品搬送装置5は、移動経路Riを通って受入エリア14に移動する。受入エリア14に存在する作業者WMは、部品搬送装置5から空のトレイ30を受け取る。
空のトレイ30が受入エリア14に存在し、段取りエリア15の作業者WMが空のトレイ30を要求しているとき、受入エリア14に存在する作業者WMは、空のトレイ30を受入エリア14に移動した部品搬送装置5に搭載する。トレイ30が搭載された部品搬送装置5は、移動経路Rjを通って段取りエリア15に移動する。段取りエリア15に存在する作業者WMは、部品搬送装置5から空のトレイ30を受け取る。
図5において、移動経路Rkは、充電エリア16に移動するときの部品搬送装置5の移動経路である。部品搬送装置5のバッテリを充電するとき、部品搬送装置5は、移動経路Rkを通って充電エリア16に移動する。充電が完了した部品搬送装置5は、移動経路Rkを通ってトレイ30の搬送を再開する。
なお、ラインエリア13と段取りエリア15との間においては、テープリール21は、一括交換台車18に搭載され、作業者WMによって搬送される。
[部品倉庫システム]
図6は、本実施形態に係る部品倉庫システム4の一例を示す斜視図である。図7は、本実施形態に係る部品倉庫システム4の一例を示す正面図である。
部品倉庫システム4は、テープリール21を支持するトレイ30を収容する自動倉庫4Aと、自動倉庫4Aと部品搬送装置5との間でトレイ30を搬送するエレベータ装置4Bとを備える。
エレベータ装置4Bは、自動倉庫4Aから出庫されたトレイ30を下降させる出庫用エレベータ41と、自動倉庫4Aに入庫されるトレイ30を上昇させる入庫用エレベータ42とを含む。出庫用エレベータ41と入庫用エレベータ42とは、X軸方向に配置される。また、出庫用エレベータ41及び入庫用エレベータ42は、自動倉庫4Aの−Y側に配置される。
出庫用エレベータ41及び入庫用エレベータ42のそれぞれは、部品搬送装置5が進入可能な通路空間43を有する。出庫用エレベータ41の通路空間43は、出庫用エレベータ41の下部に設けられる。入庫用エレベータ42の通路空間43は、入庫用エレベータ42の下部に設けられる。通路空間43は、トンネル状の空間である。通路空間43は、−Y側に開口を有する。部品搬送装置5は、走行面を走行して、−Y側の開口から通路空間43に進入することができる。
出庫用エレベータ41の通路空間43に出庫エリア11が規定される。出庫用エレベータ41の通路空間43に進入した部品搬送装置5は、出庫エリア11に配置される。部品搬送装置5は、出庫エリア11において、出庫用エレベータ41からトレイ30を受ける。出庫エリア11においてトレイ30を受けた部品搬送装置5は、−Y側の開口を介して出庫用エレベータ41の通路空間43から退去することができる。
入庫用エレベータ42の通路空間43に入庫エリア12が規定される。入庫用エレベータ42の通路空間43に進入した部品搬送装置5は、入庫エリア12に配置される。部品搬送装置5は、入庫エリア12において、入庫用エレベータ42にトレイ30を渡す。入庫エリア12においてトレイ30を渡した部品搬送装置5は、−Y側の開口を介して入庫用エレベータ42の通路空間43から退去することができる。
図8は、本実施形態に係る自動倉庫4A及びエレベータ装置4Bを模式的に示す図である。トレイ30を支持する棚44が自動倉庫4Aの内部に配置される。棚44は、自動倉庫4Aの内部に複数設けられる。複数の棚44のそれぞれにトレイ30が支持される。トレイ30は、棚44に支持された状態で自動倉庫4Aに保管される。
自動倉庫4Aは、入出庫されるトレイ30が通過するゲートエリア45と、ゲートエリア45と棚44との間でトレイ30を搬送する搬送装置46とを有する。ゲートエリア45は、自動倉庫4Aの上部に設けられる。ゲートエリア45は、トレイ30が通過するプレート47の上面を含む。プレート47は、自動倉庫4Aの上部に設置される。自動倉庫4Aから出庫されるトレイ30又は自動倉庫4Aに入庫されるトレイ30は、プレート47の上面を移動する。
エレベータ装置4Bは、トレイ30を支持可能な昇降部材48と、昇降部材48とゲートエリア45との間でトレイ30を移動する移動部材49とを有する。昇降部材48は、トレイ30を支持して昇降可能である。部品搬送装置5が進入可能な通路空間43は、昇降部材48の下方に配置される。Z軸方向において、昇降部材48は、ゲートエリア45と通路空間43との間を移動可能である。すなわち、Z軸方向における昇降部材48の可動範囲は、ゲートエリア45と通路空間43との間に規定される。
自動倉庫4Aから特定のトレイ30を出庫するとき、搬送装置46が特定の棚44に移動し、棚44に支持されているトレイ30を棚44から搬出する。搬送装置46は、棚44から搬出したトレイ30をプレート47の上面に搬送する。トレイ30は、プレート47の上面に設置される。昇降部材48は、昇降部材48の可動範囲の上部に移動する。移動部材49は、プレート47の上面に設置されたトレイ30の少なくとも一部を支持して、トレイ30を昇降部材48に移動する。トレイ30は、プレート47の上面を滑りながら昇降部材48に移動する。これにより、特定のトレイ30は、ゲートエリア45を介して自動倉庫4Aから出庫され、昇降部材48に支持される。昇降部材48は、移動部材49により自動倉庫4Aから出庫されたトレイ30を支持して下降する。昇降部材48は、通路空間43に配置された部品搬送装置5にトレイ30を渡す。トレイ30が搭載された部品搬送装置5は、通路空間43から退去する。
自動倉庫4Aにトレイ30を入庫するとき、トレイ30を搭載した部品搬送装置5が通路空間43に進入する。昇降部材48は、昇降部材48の可動範囲の下部に移動する。昇降部材48は、通路空間43に配置された部品搬送装置5からトレイ30を受ける。昇降部材48は、トレイ30を支持して上昇する。移動部材49は、昇降部材48に支持されているトレイ30の少なくとも一部を支持して、プレート47の上面に移動する。これにより、トレイ30は、ゲートエリア45を介して自動倉庫4Aに入庫され、プレート47の上面に設置される。搬送装置46は、プレート47の上面に設置されているトレイ30をプレート47から搬出し、特定の棚44まで搬送する。トレイ30は、棚44に支持された状態で保管される。
ゲートエリア45は、自動倉庫4Aと出庫用エレベータ41との間、及び自動倉庫4Aと入庫用エレベータ42との間のそれぞれに設けられる。以下の説明においては、自動倉庫4Aと出庫用エレベータ41との間のゲートエリア45を規定するプレート47を適宜、出庫プレート471、と称し、自動倉庫4Aと入庫用エレベータ42との間のゲートエリア45を規定するプレート47を適宜、入庫プレート472、と称する。自動倉庫4Aから出庫されるトレイ30は、出庫プレート471の上面を通過する。自動倉庫4Aに入庫されるトレイ30は、入庫プレート472の上面を通過する。
また、以下の説明においては、自動倉庫4Aと出庫用エレベータ41との間においてトレイ30を移動させる移動部材49を適宜、出庫用移動部材491、と称し、自動倉庫4Aと入庫用エレベータ42との間においてトレイ30を移動させる移動部材49を適宜、入庫用移動部材492、と称する。出庫用移動部材491は、出庫プレート471の上面に設置されたトレイ30を出庫プレート471から昇降部材48に移動する。入庫用移動部材492は、昇降部材48に支持されているトレイ30を昇降部材48から入庫プレート472の上面に移動する。
[出庫用エレベータ]
図9及び図10は、本実施形態に係る出庫用エレベータ41の内部構造を示す斜視図である。図6、図7、図8、図9、及び図10に示すように、出庫用エレベータ41は、複数の支柱401と、隣り合う支柱401の上部を連結する梁402と、隣り合う支柱401の中間部を連結する複数のフレーム403とを有する。
出庫用エレベータ41は、トレイ30を支持可能な昇降部材48を有する。昇降部材48は、トレイ30を支持してZ軸方向に移動可能(昇降可能)である。
昇降部材48は、トレイ30の下面31Bの一部を支持する第1昇降部材481と、トレイ30の下面31Bの一部を支持する第2昇降部材482とを含む。第1昇降部材481と第2昇降部材482とはX軸方向に配置される。第1昇降部材481及び第2昇降部材482のそれぞれは、Z軸方向及びX軸方向に移動可能である。
第1昇降部材481は、トレイ30の−X側の側面と対向可能な表面を有する平板部483と、平板部483の−Z側の端部に接続され、トレイ30の下面31Bの少なくとも一部と対向可能な上面を有する下板部484と、平板部483の−Y側の端部に接続される前板部483Aと、平板部483の+Y側の端部に接続される後板部483Bとを有する。
第2昇降部材482は、トレイ30の+X側の側面と対向可能な表面を有する平板部485と、平板部485の−Z側の端部に接続され、トレイ30の下面31Bの少なくとも一部と対向可能な上面を有する下板部486と、平板部485の−Y側の端部に接続される前板部485Aと、平板部485の+Y側の端部に接続される後板部485Bとを有する。
第1昇降部材481の平板部483の表面及び第2昇降部材482の平板部485の表面のそれぞれは、平坦面であり、X軸と直交する。第1昇降部材481の平板部483の表面と第2昇降部材482の平板部485の表面とは対向する。
第1昇降部材481の下板部484は、トレイ30の下面31Bの−X側の縁部を支持する。第2昇降部材482の下板部486は、トレイ30の下面31Bの+X側の縁部を支持する。
平板部483と平板部485との間にトレイ30が配置された状態で、平板部483の表面と平板部485の表面とが接近するように第1昇降部材481及び第2昇降部材482の少なくとも一方がX軸方向に移動することにより、トレイ30の下面31Bが下板部484及び下板部486に支持される。これにより、トレイ30は、昇降部材48に支持される。トレイ30の下面31Bが下板部484及び下板部486に支持された状態で、トレイ30は、平板部483と平板部485との間に配置される。
本実施形態において、昇降部材48がトレイ30を支持するとは、第1昇降部材481の下板部484がトレイ30の下面31Bの−X側の縁部を支持すること及び第2昇降部材482の下板部486がトレイ30の下面31Bの+X側の縁部を支持することをいう。下板部484及び下板部486がトレイ30の下面31Bを支持している状態で、第1昇降部材481の平板部483及び第2昇降部材482の平板部485の少なくとも一方がトレイ30の側面31Cに接触しなくてもよい。この場合、平板部483及び平板部485は、Z軸方向に移動するトレイ30をガイド部材として機能することができる。なお、下板部484及び下板部486がトレイ30の下面31Bを支持している状態で、第1昇降部材481の平板部483及び第2昇降部材482の平板部485の両方がトレイ30の側面31Cに接触してもよい。
また、平板部483の表面と平板部485の表面とが離れるように第1昇降部材481及び第2昇降部材482の少なくとも一方がX軸方向に移動することにより、昇降部材48によるトレイ30の支持が解除される。
出庫用エレベータ41は、第1昇降部材481と第2昇降部材482とを同期して昇降させる第1駆動装置410と、第1昇降部材481及び第2昇降部材482の少なくとも一方をX軸方向に移動してX軸方向における第1昇降部材481と第2昇降部材482との距離を調整する第2駆動装置420とを有する。
第1駆動装置410は、昇降部材48を支持する支持部材411と、支持部材411をZ軸方向にガイドするガイド部材412と、支持部材411をZ軸方向に移動させるための動力を発生するモータ413と、モータ413で発生した動力を支持部材411に伝達する動力伝達機構414とを有する。
ガイド部材412は、Z軸方向に延在するシャフト部材である。支持部材411は、ガイド部材412にガイドされるスライド部を有する。支持部材411及びガイド部材412は、第1昇降部材481及び第2昇降部材482のそれぞれに設けられる。モータ413は、サーボモータを含む。動力伝達機構414は、プーリ及びタイミングベルトを含む。モータ413が作動することにより、支持部材411は、ガイド部材412にガイドされながらZ軸方向に移動する。支持部材411がZ軸方向に移動することにより、支持部材411に支持されている昇降部材48は、支持部材411と一緒にZ軸方向に移動する。動力伝達機構414は、第1昇降部材481と第2昇降部材482とが同期してZ軸方向に移動するように、モータ413で発生した動力を支持部材411に伝達する。
第2駆動装置420は、支持部材411に設けられ昇降部材48をX軸方向にガイドするガイド部材421と、昇降部材48をX軸方向に移動させるための動力を発生するモータ422と、モータ422で発生した動力を昇降部材48に伝達する動力伝達機構423とを有する。ガイド部材421は、X軸方向に延在するリニアガイドである。昇降部材48は、ガイド部材421にガイドされるスライド部を有する。ガイド部材421、モータ422、及び動力伝達機構423は、第1昇降部材481及び第2昇降部材482のそれぞれに設けられる。モータ422は、サーボモータを含む。動力伝達機構423は、プーリ及びタイミングベルトを含む。モータ422が作動することにより、昇降部材48は、ガイド部材421にガイドされながらX軸方向に移動する。第1昇降部材481の平板部483と第2昇降部材482の平板部485とが接近するように第1昇降部材481及び第2昇降部材482の少なくとも一方がX軸方向に移動することにより、トレイ30は第1昇降部材481と第2昇降部材482とに支持される。第1昇降部材481の平板部483と第2昇降部材482の平板部485とが離れるように第1昇降部材481及び第2昇降部材482の少なくとも一方がX軸方向に移動することにより、第1昇降部材481及び第2昇降部材482によるトレイ30の支持が解除される。
第2駆動装置420は、トレイ30の大きさに基づいて、X軸方向における第1昇降部材481と第2昇降部材482との距離を調整する。部品管理システム2は、大きさが異なる2種類のトレイ30A及びトレイ30Bを取り扱う。X軸方向におけるトレイ30Aの寸法である幅WaとX軸方向におけるトレイ30Bの寸法である幅Wbとは異なる。第2駆動装置420は、幅Wa及び幅Wbに基づいて、X軸方向における第1昇降部材481と第2昇降部材482との距離を調整する。
下板部484及び下板部486に支持されたトレイ30の−Y側にはガイド部材404が配置され、+Y側にはガイド部材405が配置される。ガイド部材404及びガイド部材405のそれぞれは、X軸方向に延在し、例えば梁402又はフレーム403に固定される。昇降部材48に支持されるトレイ30は、平板部483、平板部485、ガイド部材404、及びガイド部材405によって、XY平面内において位置決めされる。
図11は、本実施形態に係るトレイ30Aが昇降部材48に支持されている状態を示す斜視図である。図12は、本実施形態に係るトレイ30Bが昇降部材48に支持されている状態を示す斜視図である。図11に示すように、昇降部材48でトレイ30Aを支持するとき、第2駆動装置420は、第1昇降部材481の平板部483の表面と第2昇降部材482の平板部485の表面とが第1距離だけ離れるように、X軸方向における第1昇降部材481と第2昇降部材482との距離を調整する。図12に示すように、昇降部材48でトレイ30Bを支持するとき、第2駆動装置420は、第1昇降部材481の平板部483の表面と第2昇降部材482の平板部485の表面とが第1距離よりも短い第2距離だけ離れるように、X軸方向における第1昇降部材481と第2昇降部材482との距離を調整する。
Z軸方向における平板部483の寸法及び平板部485の寸法は、トレイ30Aの高さHa及びトレイ30Bの高さHbよりも大きい。昇降部材48は、積層された複数のトレイ30を支持して昇降可能である。
図13は、本実施形態に係る出庫用移動部材491の一例を示す斜視図である。出庫用移動部材491は、自動倉庫4Aの出庫プレート471に支持されているトレイ30を昇降部材48に移動する。図9、図10、及び図13に示すように、出庫用エレベータ41は、出庫用移動部材491をY軸方向に移動させる駆動装置430を有する。
駆動装置430は、出庫用移動部材491の−Y側の端部に接続される支持プレート431と、支持プレート431の+Z側の端部に接続されY軸方向に延在する支持ロッド432と、支持ロッド432の上面に設けられたスライダ433と、スライダ433をガイドするリニアガイド434と、支持ロッド432を移動可能に支持する第1ブラケット435と、リニアガイド434を支持する第2ブラケット436と、出庫用移動部材491をY軸方向に移動させる動力を発生するモータ437と、モータ437で発生した動力を支持ロッド432に伝達する動力伝達機構438と、を有する。
第1ブラケット435及び第2ブラケット436は、例えば出庫用エレベータ41のフレーム403又は自動倉庫4Aの少なくとも一部に固定される。リニアガイド434は、スライダ433をY軸方向にガイドする。モータ437は、サーボモータを含む。動力伝達機構438は、プーリ及びタイミングベルトを含む。モータ437で発生した動力は、動力伝達機構438を介して支持ロッド432に伝達される。支持ロッド432は、第1ブラケット435及び第2ブラケット436に対してY軸方向に移動する。スライダ433を有する支持ロッド432は、リニアガイド434にガイドされながらY軸方向に移動する。出庫用移動部材491は、支持プレート431を介して支持ロッド432に固定されている。支持ロッド432がY軸方向に移動することにより、出庫用移動部材491がY軸方向に移動する。
出庫用移動部材491は、トレイ30に形成されたノッチ34に挿入される爪部439を有する。爪部439は、X軸方向に2つ設けられる。ノッチ34もトレイ30に2つ設けられる。出庫用移動部材491は、爪部439にトレイ30を引っ掛けて移動する。
出庫用エレベータ41は、爪部439をX軸方向に移動させる駆動装置440を有する。駆動装置440は、出庫用移動部材491に設けられ爪部439をX軸方向にガイドするガイド部材441と、爪部439をX軸方向に移動させる動力を発生するモータ442と、モータ442で発生した動力を爪部439に伝達する動力伝達機構443とを有する。モータ442は、サーボモータを含む。動力伝達機構443は、プーリ及びタイミングベルトを含む。モータ442で発生した動力は、動力伝達機構443を介して爪部439に伝達される。爪部439は、ガイド部材441にガイドされながらX軸方向に移動する。
ノッチ34は、トレイ30の−Y側の側面に設けられる。爪部439とノッチ34とが対向した状態で、出庫用移動部材491が+Y方向に移動することにより、爪部439がノッチ34に挿入される。爪部439がノッチ34に挿入された後、駆動装置440が爪部439をX軸方向に移動することにより、爪部439は、トレイ30の内面と接触し、トレイ30を引っ掛けることができる。爪部439がトレイ30に引っ掛けられた後、駆動装置430が出庫用移動部材491を−Y方向に移動することにより、出庫プレート471の上面に支持されていたトレイ30は、昇降部材48に移動する。トレイ30は、爪部439に引っ掛けられた状態で、−Y方向に移動する。
図14は、本実施形態に係る出庫用エレベータ41の内部構造を示す斜視図である。図15は、本実施形態に係る出庫用エレベータ41の内部構造を示す側面図である。図14及び図15に示すように、出庫用エレベータ41は、昇降部材48に支持されているトレイ30の上面32Aの位置を検出する出庫トレイ位置センサ450を備える。出庫トレイ位置センサ450は、自動倉庫4Aから出庫されたトレイ30を昇降部材48に支持されているトレイ30の上面32Aに積層するとき、昇降部材48に支持されているトレイ30の上面32AのZ軸方向における位置を検出する。
出庫トレイ位置センサ450は、検出光を射出する射出部450Aと、射出部450Aから射出された検出光を受光可能な位置に配置される受光部450Bとを有する。射出部450A及び受光部450Bのそれぞれは、支柱401又はフレーム403に固定される。射出部450Aは、X軸方向に検出光を射出する。射出部450Aから射出された検出光は、X軸方向に進行する。Z軸方向において、射出部450Aから射出される検出光の光路は、出庫プレート471の上面と同一又は僅かに下方に設定される。
射出部450Aから検出光が射出される状態で、トレイ30を支持した昇降部材48がZ軸方向に移動する。検出光の光路にトレイ30が配置された状態と配置されていない状態とで、受光部450Bにおける検出光の受光状態が異なる。出庫トレイ位置センサ450は、受光部450Bの受光状態に基づいて、Z軸方向におけるトレイ30の上面32Aの位置を検出する。
なお、出庫トレイ位置センサ450は、昇降部材48に支持されているトレイ30の上面32Aの位置を検出可能であればよい。出庫トレイ位置センサ450は、例えば反射型センサでもよい。
出庫トレイ位置センサ450の検出データは、倉庫制御装置7に出力される。倉庫制御装置7は、出庫トレイ位置センサ450の検出データに基づいて、昇降部材48に支持されているトレイ30の上面32Aが出庫プレート471の上面よりも下方に配置されるように昇降部材48の位置を調整する指令信号を出力する。第1駆動装置410は、指令信号に基づいて、トレイ30の上面32Aが出庫プレート471の上面よりも下方に配置されるように、Z軸方向における昇降部材48の位置を調整する。
図16は、本実施形態に係る出庫用移動部材491の動作の一例を模式的に示す図である。昇降部材48は、積層された複数のトレイ30を支持可能である。出庫用移動部材491は、出庫プレート471から昇降部材48にトレイ30を1つずつ移動する。図16に示すように、出庫用移動部材491は、昇降部材48に支持されているトレイ30の上に、トレイ30を移動することができる。自動倉庫4Aから出庫されたトレイ30を昇降部材48に支持されているトレイ30の上に移動するとき、出庫用移動部材491は、昇降部材48に支持されているトレイ30の上面32Aが出庫プレート471の上面よりも下方に配置された状態で、出庫プレート471から昇降部材48にトレイ30を移動する。昇降部材48は、昇降部材48に支持されているトレイ30の上面32Aが出庫プレート471の上面よりも規定量だけ下方に配置されるように、Z軸方向におけるトレイ30の位置を調整する。なお、規定量は、例えば5[mm]以下である。なお、出庫用移動部材491は、昇降部材48に支持されているトレイ30の上面32Aと出庫プレート471の上面とが同一平面内に配置された状態で、出庫プレート471から昇降部材48にトレイ30を移動してもよい。
昇降部材48に支持されているトレイ30の上面32Aが出庫プレート471の上面よりも上方に配置されてしまうと、出庫プレート471から昇降部材48に移動するトレイ30が昇降部材48に支持されているトレイ30に引っ掛かる可能性がある。その結果、出庫用移動部材491は、トレイ30を円滑に移動できない可能性がある。
図16に示すように、昇降部材48に支持されているトレイ30の上面32Aが出庫プレート471の上面よりも下方に配置されることにより、出庫用移動部材491は、出庫プレート471から昇降部材48にトレイ30を円滑に移動することができる。
図17は、本実施形態に係る出庫用エレベータ41の一部を下方から見た斜視図である。上述のように、部品搬送装置5が進入する通路空間43は、昇降部材48の下方に設けられる。昇降部材48は、通路空間43に配置された部品搬送装置5との間でトレイ30を搬送可能である。出庫用エレベータ41において、昇降部材48は、自動倉庫4Aから出庫されたトレイ30を支持した状態で下降して、通路空間43に配置された部品搬送装置5に渡すことができる。
出庫用エレベータ41は、部品搬送装置5に搭載されているトレイ30の上面32Aの位置を検出する搬送トレイ位置センサ460を有する。搬送トレイ位置センサ460は、昇降部材48を支持する出庫用エレベータ41の支持部材411の下面に設けられる。搬送トレイ位置センサ460は、支持部材411及び昇降部材48と一緒にZ軸方向に移動する。
搬送トレイ位置センサ460は、検出光を射出する射出部460Aと、射出部460Aから射出された検出光を受光可能な位置に配置される受光部460Bとを有する。射出部460Aと受光部460Bとは対向する。射出部460Aは、検出光をX軸方向に射出する。射出部460Aから射出された検出光は、X軸方向に進行する。
昇降部材48に支持されているトレイ30を通路空間43に配置されている部品搬送装置5に渡すとき、射出部460Aが検出光を射出しながら、昇降部材48を支持する支持部材411が下降する。部品搬送装置5に既にトレイ30が搭載されているとき、支持部材411の下降により、部品搬送装置5に搭載されているトレイ30が搬送トレイ位置センサ460の検出光の光路に配置される。検出光の光路にトレイ30が配置されている状態と配置されていない状態とで、受光部460Bにおける検出光の受光状態が異なる。搬送トレイ位置センサ460は、受光部460Bの受光状態に基づいて、部品搬送装置5に搭載されているZ軸方向におけるトレイ30の上面32Aの位置を検出する。
なお、搬送トレイ位置センサ460は、部品搬送装置5に搭載されているトレイ30の上面32Aの位置を検出可能であればよい。搬送トレイ位置センサ460は、例えば反射型センサでもよい。
本実施形態においては、搬送トレイ位置センサ460は、出庫用エレベータ41に設けられる。搬送トレイ位置センサ460は、部品搬送装置5に設けられてもよい。
図18は、本実施形態に係る昇降部材48の動作の一例を模式的に示す図である。図18に示すように、部品搬送装置5に既にトレイ30が搭載され、昇降部材48は、部品搬送装置5のトレイ30の上に、自動倉庫4Aから出庫されたトレイ30を載置する。自動倉庫4Aから出庫されたトレイ30を支持した昇降部材48は、部品搬送装置5に接近するように下降する。支持部材411の下降により、部品搬送装置5に搭載されているトレイ30が搬送トレイ位置センサ460の検出光の光路に配置される。搬送トレイ位置センサ460は、昇降部材48に支持されているトレイ30を部品搬送装置5に搭載するときに、昇降部材48に支持されているトレイ30の上面32Aの位置を検出することができる。
搬送トレイ位置センサ460の検出データは、倉庫制御装置7に出力される。倉庫制御装置7は、搬送トレイ位置センサ460の検出データに基づいて、昇降部材48に支持されているトレイ30を部品搬送装置5に搭載するときに昇降部材48の位置を調整する指令信号を出力する。第1駆動装置410は、指令信号に基づいて、昇降部材48に支持されているトレイ30が部品搬送装置5に保持されているトレイ30の上に搭載されるように、Z軸方向における昇降部材48の位置を調整する。
第1駆動装置410は、部品搬送装置5に搭載されているトレイ30のZ軸方向の位置を認識した状態で、昇降部材48を下降して、昇降部材48に支持されているトレイ30を、部品搬送装置5に搭載されているトレイ30の上に搭載する。これにより、トレイ30に過度な力又は衝撃が作用することが抑制される。
[入庫用エレベータ]
図19及び図20は、本実施形態に係る入庫用エレベータ42の内部構造を示す斜視図である。
入庫用エレベータ42は、トレイ30を支持可能な昇降部材48を有する。昇降部材48は、トレイ30の下面31Bの一部を支持する第1昇降部材481と、トレイ30の下面31Bの一部を支持する第2昇降部材482とを含む。また、入庫用エレベータ42は、第1昇降部材481と第2昇降部材482とを同期して昇降させる第1駆動装置410と、トレイ30の大きさに基づいて第1昇降部材481及び第2昇降部材482の少なくとも一方を移動して第1昇降部材481と第2昇降部材482との距離を調整する第2駆動装置420とを有する。入庫用エレベータ42の昇降部材48、第1駆動装置410、及び第2駆動装置420は、出庫用エレベータ41の昇降部材48、第1駆動装置410、及び第2駆動装置420と同様の構造であるため、説明を省略する。
入庫用エレベータ42は、昇降部材48と自動倉庫4Aの入庫プレート472との間でトレイ30を移動する入庫用移動部材492を有する。
図21は、本実施形態に係る入庫用移動部材492の一例を示す斜視図である。入庫用移動部材492は、昇降部材48に支持されているトレイ30を自動倉庫4Aの入庫プレート472に移動する。図21に示すように、入庫用エレベータ42は、入庫用移動部材492をY軸方向に移動させる駆動装置430を有する。入庫用エレベータ42の駆動装置430は、出庫用エレベータ41の駆動装置430と同様の構造であるため、説明を省略する。
昇降部材48に支持されているトレイ30を自動倉庫4Aの入庫プレート472に移動させるとき、トレイ30の−Y側の側面に対向するように入庫用移動部材492が配置される。トレイ30の−Y側の側面と入庫用移動部材492とが対向した状態で、入庫用移動部材492が+Y方向に移動する。トレイ30は、入庫用移動部材492に押されて+Y方向に移動する。これにより、トレイ30は、昇降部材48から入庫プレート472に移動する。
入庫用移動部材492には、爪部439及び爪部439を移動させる駆動装置440が設けられない。出庫用移動部材491は、トレイ30のノッチ34に爪部439を引っ掛けて−Y方向に引っ張って、トレイ30を出庫プレート471から昇降部材48に移動させる。そのため、出庫用移動部材491において、爪部439は有効である。一方、入庫用移動部材492は、トレイ30を+Y方向に押して、トレイ30を昇降部材48から入庫プレート472に移動させる。そのため、入庫用移動部材492において、爪部439は省略可能である。入庫用移動部材492において、爪部439及び駆動装置440が省略されることにより、装置コストが軽減される。
図22は、本実施形態に係る入庫用エレベータ42の内部構造を示す斜視図である。図23は、本実施形態に係る入庫用エレベータ42の内部構造を示す側面図である。
図22及び図23に示すように、入庫用エレベータ42は、自動倉庫4Aに入庫されるトレイ30に支持されている部品の識別データを検出する識別装置480を備える。本実施形態において、識別データは、テープリール21の表面22に設けられている識別マーク23である。識別装置480は、識別マーク23を撮像する撮像装置を含む。本実施形態においては、識別マーク23はバーコードであり、識別装置480はバーコードリーダである。
入庫用エレベータ42は、Z軸方向におけるテープリール21の表面22の位置を検出するテープリール位置センサ490を備える。テープリール位置センサ490は、テープリール21がトレイ30に支持されている状態で、テープリール21の表面22の位置を検出する。また、テープリール位置センサ490は、テープリール21を支持するトレイ30が昇降部材48に支持されている状態で、テープリール21の表面22の位置を検出する。
テープリール位置センサ490は、検出光を射出する射出部490Aと、射出部490Aから射出された検出光を受光可能な位置に配置される受光部490Bとを有する。射出部490A及び受光部490Bのそれぞれは、入庫用エレベータ42の支柱401又はフレーム403に固定される。テープリール位置センサ490は、上述の出庫トレイ位置センサ450と同様の構造であるため、詳細な説明を省略する。
テープリール位置センサ490の検出データは、倉庫制御装置7に出力される。倉庫制御装置7は、テープリール位置センサ490の検出データに基づいて、識別装置480の光学系の焦点位置と識別マーク23の位置とが一致するように昇降部材48の位置を調整する指令信号を出力する。第1駆動装置410は、指令信号に基づいて、トレイ30に支持されているテープリール21の表面22に設けられている識別マーク23が識別装置480の光学系の焦点位置に配置されるように、Z軸方向における昇降部材48の位置を調整する。識別装置480の光学系の焦点位置に識別マーク23が配置されることにより、識別装置480は、識別マーク23を精度良く検出することができる。
また、図22及び図23に示すように、入庫用エレベータ42は、昇降部材48に支持されているトレイ30の下面31Bの位置を検出する入庫トレイ位置センサ470を備える。入庫トレイ位置センサ470は、自動倉庫4Aに入庫するために昇降部材48に支持されているトレイ30を入庫プレート472に移動するとき、昇降部材48に支持されているトレイ30の下面31BのZ軸方向の位置を検出する。
入庫トレイ位置センサ470は、入庫プレート472よりも上方に配置される。入庫トレイ位置センサ470は、例えば入庫用エレベータ42の梁402に支持される。入庫トレイ位置センサ470は、トレイ30のプレート部31の上面31Aに検出光を射出する射出部と、上面31Aで反射した検出光を受光する受光部とを有する。入庫トレイ位置センサ470は、受光部で受光した検出光の受光結果に基づいて、Z軸方向におけるプレート部31の上面31Aの位置を検出する。プレート部31の厚みは既知データである。そのため、Z軸方向における上面31Aの位置が検出されることにより、Z軸方向における下面31Bの位置が導出される。すなわち、入庫トレイ位置センサ470は、上面31Aに検出光を照射することにより検出された上面31Aの位置データと、既知であるプレート部31の厚み(上面31Aと下面31Bとの距離)とに基づいて、Z軸方向におけるプレート部31の下面31Bの位置を検出する。
なお、入庫トレイ位置センサ470は、昇降部材48に支持されているトレイ30の下面31Bの位置を検出可能であればよく、トレイ30の下面31Bに直接的に検出光を照射してもよい。また、入庫トレイ位置センサ470は、透過型センサでもよい。
入庫トレイ位置センサ470の検出データは、倉庫制御装置7に出力される。倉庫制御装置7は、入庫トレイ位置センサ470の検出データに基づいて、昇降部材48に支持されているトレイ30の下面31Bが入庫プレート472の上面よりも上方に配置されるように昇降部材48の位置を調整する指令信号を出力する。第1駆動装置410は、指令信号に基づいて、トレイ30の下面31Bが入庫プレート472の上面よりも上方に配置されるように、Z軸方向における昇降部材48の位置を調整する。
図24は、本実施形態に係る入庫用移動部材492の動作の一例を模式的に示す図である。昇降部材48は、積層された複数のトレイ30を支持可能である。入庫用移動部材492は、昇降部材48から入庫プレート472にトレイ30を1つずつ移動する。図24に示すように、入庫用移動部材492は、昇降部材48に積層されている複数のトレイ30のうち最も上のトレイ30を入庫プレート472に移動することができる。昇降部材48に支持されているトレイ30を入庫プレート472に移動するとき、入庫用移動部材492は、昇降部材48に積層されている複数のトレイ30のうち最も上のトレイ30の下面31Bが入庫プレート472の上面よりも上方に配置された状態で、昇降部材48から入庫プレート472にトレイ30を移動する。昇降部材48は、昇降部材48に積層されている複数のトレイ30のうち最も上のトレイ30の下面31Bが入庫プレート472の上面よりも規定量だけ上方に配置されるように、Z軸方向におけるトレイ30の位置を調整する。なお、規定量は、例えば5[mm]以下である。なお、入庫用移動部材492は、昇降部材48に支持されているトレイ30の下面31Bと入庫プレート472の上面とが同一平面内に配置された状態で、昇降部材48から入庫プレート472にトレイ30を移動してもよい。
昇降部材48に支持されているトレイ30の下面31Bが入庫プレート472の上面よりも下方に配置されてしまうと、昇降部材48から入庫プレート472に移動するトレイ30が入庫プレート472に引っ掛かる可能性がある。その結果、入庫用移動部材492は、トレイ30を円滑に移動できない可能性がある。
図24に示すように、昇降部材48に支持されている複数のトレイ30のうち最も上のトレイ30の下面31Bが入庫プレート472の上面よりも上方に配置されることにより、入庫用移動部材492は、昇降部材48から入庫プレート472にトレイ30を円滑に移動することができる。
なお、昇降部材48がトレイ30を1つだけ支持している場合においても、昇降部材48に支持されているトレイ30の下面31Bが入庫プレート472の上面よりも上方に配置されることにより、入庫用移動部材492は、昇降部材48から入庫プレート472にトレイ30を円滑に移動することができる。
[部品搬送装置]
図25は、本実施形態に係る部品搬送装置5の一例を示す斜視図である。図26は、本実施形態に係る部品搬送装置5の一例を示す側面図である。図27は、本実施形態に係る部品搬送装置5の一例を示す斜視図である。図25及び図26は、部品搬送装置5にトレイ30が搭載されている状態を示す。図27は、部品搬送装置5にトレイ30が搭載されていない状態を示す。
図25、図26、及び図27に示すように、部品搬送装置5は、トレイ30が搭載されるカート51と、連結機構54を介してカート51と相対移動可能に連結される無人搬送車52とを備える。
連結機構54は、カート51と無人搬送車52とを相対移動可能に連結する。本実施形態において、連結機構54は、カート51と無人搬送車52とを、走行面と平行なXY平面内において相対移動可能に連結する。
無人搬送車52(AGV:Automated Guided Vehicle)は、工場施設の走行面(床面)を自動走行する。無人搬送車52は、駆動輪521と従動輪522とを有する。無人搬送車52は、駆動輪521を駆動するアクチュエータを有し、自走可能である。無人搬送車52は、所定の誘導方式で走行面を走行する。無人搬送車52を誘導する誘導方式は、走行面に設置された電流が流れる金属線を用いて誘導する電磁誘導方式でもよいし、走行面に描かれた誘導線を用いて誘導する光学誘導方式でもよいし、走行面に設置された磁性体を用いて誘導する磁気誘導方式でもよいし、走行面又は天井面に設けられた画像を用いて誘導する画像認識方式でもよい。
カート51は、複数の支柱511と、支柱511の上部に接続される上部フレーム512と、支柱511の下部に接続される下部フレーム513と、走行面に接触可能な車輪514とを有する。
支柱511は、無人搬送車52の周囲に複数配置される。上部フレーム512は、無人搬送車52の上方に配置される。下部フレーム513は、車輪514を支持する。
カート51は、自走不可能である。車輪514は、無人搬送車52の移動に伴って回転する従動輪である。車輪514は、無人搬送車52の周囲に4つ設けられる。
カート51は、車輪514を旋回可能に支持するキャスターフォーク515を有する。キャスターフォーク515は、下部フレーム513に支持される。走行面を走行するとき、車輪514は、回転軸を中心に回転する。キャスターフォーク515は、車輪514の回転軸と交差する旋回軸を中心に旋回可能に車輪514を支持する。
カート51は、トレイ30が搭載される搭載装置53を有する。搭載装置53は、上部フレーム512に支持されるボディ531Bと、ボディ531Bに設けられ、トレイ30が搭載される搭載部531と、ボディ531Bに支持され、トレイ30を保持する保持部材533とを有する。
ボディ531Bの外形は、直方体状である。ボディ531Bの+X側の側面及び−X側の側面は、アングル部材516を介して上部フレーム512に固定される。搭載部531は、ボディ531Bの上面に設けられる。
搭載装置53は、搭載部531にトレイ30が搭載されているか否かを検出するトレイ有無センサ532を有する。トレイ有無センサ532は、ボディ531Bの上面に配置される。トレイ有無センサ532は、+Z方向に検出光を射出する射出部と、検出光を受光可能な受光部とを有する。搭載部531にトレイ30が搭載されている場合、トレイ有無センサ532の射出部から射出された検出光は、トレイ30の下面31Bで反射して、受光部に受光される。一方、搭載部531にトレイ30が搭載されていない場合、トレイ有無センサ532の射出部から射出された検出光は、受光部に受光されない。このように、搭載部531にトレイ30が搭載されている状態と搭載されていない状態とで、トレイ有無センサ532の受光部の受光状態が異なる。したがって、トレイ有無センサ532は、搭載部531にトレイ30が搭載されているか否かを検出することができる。
保持部材533は、搭載部531の周囲に複数配置される。保持部材533は、搭載部531に搭載されたトレイ30の側面31Cを保持する。本実施形態において、保持部材533は、トレイ30の4つの角部のそれぞれを保持するために、4つ設けられる。保持部材533は、トレイ30の第1の角部を保持する第1保持部材533Aと、トレイ30の第2の角部を保持する第2保持部材533Bと、トレイ30の第3の角部を保持する第3保持部材533Cと、トレイ30の第4の角部を保持する第4保持部材533Dとを含む。
Z軸方向における保持部材533の寸法は、1つのトレイ30の高さHa,Hbよりも大きい。搭載部531は、積層された複数のトレイ30を搭載可能である。
搭載装置53は、複数の保持部材533の少なくとも一つを移動して、複数の保持部材533の距離を調整する駆動装置(第3駆動装置)534を有する。駆動装置534は、第1保持部材533A及び第2保持部材533BをX軸方向にガイドする第1のガイド部材535と、第3保持部材533C及び第4保持部材533DをX軸方向にガイドする第2のガイド部材535と、保持部材533のそれぞれの下部に設けられ、ガイド部材535にガイドされるスライド部材536と、保持部材533をX軸方向に移動するための動力を発生するアクチュエータとを有する。
駆動装置534は、搭載部531に搭載されるトレイ30の大きさに基づいて、保持部材533を移動して、複数の保持部材533の距離を調整する。
図28は、本実施形態に係る部品搬送装置5の一例を示す斜視図である。図27及び図28に示すように、駆動装置534は、複数の保持部材533の距離を調整可能である。本実施形態において、駆動装置534は、X軸方向における第1保持部材533Aと第2保持部材533Bとの距離を調整可能であり、X軸方向における第3保持部材533Cと第4保持部材533Dとの距離を調整可能である。
図27に示すように、複数の保持部材533が離れることにより、複数の保持部材533は、トレイ30Aの4つの角部のそれぞれを保持することができる。トレイ30Aは、複数の保持部材533の間に配置される。図28に示すように、複数の保持部材533が近付くことにより、複数の保持部材533は、トレイ30Bの4つの角部のそれぞれを保持することができる。トレイ30Bは、複数の保持部材533の間に配置される。
本実施形態においては、トレイ有無センサ532の検出データに基づいて、搭載部531にトレイ30が搭載されていると判定されたとき、駆動装置534の駆動が制限される。すなわち、搭載部531にトレイ30が搭載されているときには、駆動装置534は作動せず、保持部材533は移動しない。これにより、例えば搭載部531にトレイ30が搭載されているにもかかわらず、複数の保持部材533が接近するように移動してしまうことが防止される。
カート51及び無人搬送車52を含む部品搬送装置5は、エレベータ装置4Bに設けられた通路空間43に進入して、昇降部材48との間でトレイ30を搬送する。エレベータ装置4Bは、通路空間43に進入するカート51をガイドするガイド機構43Gを有する(図7参照)。カート51は、通路空間43に設けられたガイド機構43Gにガイドされながら通路空間43に進入する。ガイド機構43Gは、通路空間43において、カート51をY軸方向にガイドする。
カート51は、ガイド機構43Gにガイドされるスライド機構517を有する。スライド機構517は、カート51の搭載装置53のボディ531Bの+X側の側面及び−X側の側面のそれぞれに設けられる。本実施形態において、スライド機構517は、アングル部材516に回転可能に支持されたローラを含む。
また、エレベータ装置4Bは、通路空間43における部品搬送装置5の進入方向であるY軸方向においてカート51を位置決めするストッパ部材55(図10及び図20参照)を有する。ストッパ部材55は、+Y側のフレーム403に固定される。部品搬送装置5は、通路空間43の−Y側の開口から+Y方向に移動して、通路空間43に進入する。部品搬送装置5が通路空間43を+Y方向に移動することにより、カート51の少なくとも一部とストッパ部材55とが接触する。カート51がストッパ部材55と接触することにより、カート51の+Y方向の移動が制限され、Y軸方向においてカート51は位置決めされる。また、ボディ531Bの+X側の側面及び−X側の側面のそれぞれに設けられているスライド機構517とエレベータ装置4Bのガイド機構43Gとが接触するので、X軸方向においてもカート51は位置決めされる。
カート51と無人搬送車52とは、連結機構54によりXY平面内において相対移動可能である。部品搬送装置5が通路空間43に進入したとき、ガイド機構43G及びストッパ部材55により、XY平面内におけるカート51の位置が固定される。昇降部材48と通路空間43に配置されたカート51との間でトレイ30を搬送するとき、XY平面内におけるカート51の位置が固定されているため、トレイ30の搬送は円滑に実施される。
昇降部材48から部品搬送装置5にトレイ30を渡すとき、第1昇降部材481は、第1保持部材533Aと第3保持部材533Cとの間に移動し、第2昇降部材482は、第2保持部材533Bと第4保持部材533Dとの間に移動する。昇降部材48は、搭載部531又は搭載部531に既に搭載されているトレイ30の上にトレイ30を搭載する。昇降部材48に支持されているトレイ30が搭載部531又は搭載部531に既に搭載されているトレイ30の上に搭載された後、昇降部材48によるトレイ30の支持が解除される。第1昇降部材481及び第2昇降部材482は、部品搬送装置5から退去する。
昇降部材48が部品搬送装置5からトレイ30を受けるとき、第1昇降部材481は、第1保持部材533Aと第3保持部材533Cとの間に移動し、第2昇降部材482は、第2保持部材533Bと第4保持部材533Dとの間に移動する。第1昇降部材481と第2昇降部材482とは、搭載部531に搭載されているトレイ30の下面31Bを支持する。第1昇降部材481は、第1保持部材533Aと第3保持部材533Cとの間から、搭載部531に積層されている複数のトレイ30のうち最も下のトレイ30の下面31Bと搭載部531との間に下板部484を挿入してトレイ30の下面31Bの−X側の縁部を支持し、第1保持部材533Aと第3保持部材533Cとの間のトレイ30の側面31Cと平板部483とを対向させる。第2昇降部材482は、第2保持部材533Bと第4保持部材533Dとの間から、搭載部531に積層されている複数のトレイ30のうち最も下のトレイ30の下面31Bと搭載部531との間に下板部486を挿入してトレイ30の下面31Bの+X側の縁部を支持し、第2保持部材533Bと第4保持部材533Dとの間のトレイ30の側面31Cと平板部485とを対向させる。これにより、搭載部531に搭載されているトレイ30が昇降部材48に支持される。トレイ30を支持した昇降部材48は、上昇する。
[連結機構]
次に、連結機構54について説明する。図29及び図30は、本実施形態に係る部品搬送装置5の一例を示す斜視図である。図31は、本実施形態に係る連結機構54の一例を示す斜視図である。図32は、本実施形態に係る連結機構54の一例を示す平面図である。
連結機構54は、カート51に支持された第1部材541と、無人搬送車52に支持され第1部材541により移動範囲を規制される第2部材542とを有する。図29に示すように、部品搬送装置5が稼働状態においては、第1部材541の少なくとも一部がカバー部材543で覆われる。
第1部材541は、プレート状の部材である。第1部材541は、上部フレーム512の+Y側の端部に固定される。第1部材541は、上部フレーム512の+Y側の端部から+Y方向に突出する。第1部材541は、開口547を有する。開口547は、X軸方向に2つ設けられる。
第2部材542は、プレート状の部材である。第2部材542は、無人搬送車52の上面に配置される。第2部材542は、第1部材541の下方において、第1部材541と対向するように配置される。第2部材542は、ベース部材546に支持される。ベース部材546は、無人搬送車52の上面に固定される。第2部材542は、開口547に配置されるシャフト548を有する。シャフト548は、X軸方向に2つ設けられる。2つの開口547のそれぞれに、シャフト548が1つずつ配置される。
シャフト548の直径は、開口547の直径よりも小さい。シャフト548と開口547の内縁部とは相対移動可能である。すなわち、シャフト548は、開口547の内側でXY平面内において移動可能である。
カート51と無人搬送車52とは、開口547及びシャフト548において連結される。そのため、カート51と無人搬送車52とは、XY平面内において相対移動可能である。カート51と無人搬送車52とが相対移動可能な移動範囲は、シャフト548の直径と開口547の直径との差に基づいて規定される。
無人搬送車52は、Y軸方向に第2部材542をスライド可能に支持するリニアガイド544と、無人搬送車52に対して第2部材542を+Y方向に移動させる弾性力を発生する弾性部材545とを有する。
第2部材542に外力が作用せず、弾性部材545の弾性力のみが作用しているとき、第2部材542は、弾性部材545により、+Y方向に引っ張られる。第2部材542よりも+Y側にベース部材546の壁部546Wが配置されているため、第2部材542は位置決めされる。
部品搬送装置5が通路空間43に進入し、+Y方向に移動すると、カート51はストッパ部材55に接触し、+Y方向への移動を規制される。カート51とストッパ部材55とが接触した後、無人搬送車52が直ちに停止せずに、+Y方向に移動すると、シャフト548と開口547の+Y側の内縁部とが接触した状態で、シャフト548を+Y方向に移動させる力が発生する。その結果、シャフト548及び開口547の内縁部に過度な力が作用する可能性がある。
本実施形態において、第2部材542は、Y軸方向に移動可能にリニアガイド544に支持される。したがって、通路空間43に進入したカート51の移動がストッパ部材55により規制された状態で無人搬送車52が+Y方向に移動して、シャフト548を+Y方向に移動させる力が発生したとき、シャフト548に作用する力を相殺するように、第2部材542は、無人搬送車52に対して−Y方向に移動する。これにより、シャフト548及び開口547の内縁部に過度な力が作用することが抑制される。なお、無人搬送車52が−Y方向に移動して、シャフト548と開口547の内縁部との接触が解除されることにより、第2部材542は、弾性部材545の弾性力の作用によって、元の位置に戻ることができる。
[制御装置]
図33は、本実施形態に係る管理制御装置6の一例を示す機能ブロック図である。図33に示すように、管理制御装置6は、受信部61と、要求信号取得部62と、生産計画取得部63と、生産実数取得部64と、搬送計画生成部65と、倉庫指令信号出力部66と、搬送指令信号出力部67と、送信部68とを有する。
受信部61は、倉庫制御装置7、搬送制御装置8、及び端末装置9の少なくとも一つから送信された信号又はデータを受信する。
要求信号取得部62は、要求エリアから送信された部品を要求する要求信号を取得する。要求エリアは、ラインエリア13及び段取りエリア15の少なくとも一方を含む。本実施形態において、要求エリアは、ラインエリア13、受入エリア14、及び段取りエリア15を含む。要求エリアに端末装置9が設けられる。端末装置9が操作されることにより要求信号が生成される。端末装置9が操作されることにより生成された要求信号は、受信部61に受信される。要求信号取得部62は、受信部61を介して要求信号を取得する。
生産計画取得部63は、生産計画データを取得する。生産計画データは、要求エリアにおいて使用される部品の予定数を含む。生産計画データは、例えば生産ライン3において電子機器の製造に使用される部品の予定数及び部品の種類を含む。
生産実数取得部64は、生産実数データを取得する。生産実数データは、要求エリアにおいて単位時間当たりに使用された部品の実数を含む。生産計画データは、例えば生産ライン3において電子機器の製造に実際に使用された部品の実数を含む。
搬送計画生成部65は、部品倉庫システム4及び部品搬送装置5を用いる部品の搬送計画を生成する。搬送計画生成部65は、要求信号取得部62で取得された要求信号及び生産計画取得部63で取得された生産計画データの少なくとも一方に基づいて、部品の搬送計画を生成する。例えば要求信号に基づいて部品の搬送計画を生成する場合、搬送計画生成部65は、要求信号に基づいて、要求された部品及びその部品を支持するトレイ30を特定する。搬送計画生成部65は、要求信号により特定された部品が要求エリアに搬送されるように搬送計画を生成する。また、搬送計画生成部65は、生産計画取得部63で取得された生産計画データと生産実数取得部64で取得された生産実数データとに基づいて要求エリアにおける部品の残数を算出し、残数に基づいて搬送計画を生成することができる。
倉庫指令信号出力部66は、搬送計画生成部65で生成された搬送計画に基づいて、部品を出庫エリア11に出庫させる指令信号を出力する。倉庫指令信号出力部66は、倉庫制御装置7を介して、指令信号を部品倉庫システム4に出力する。また、要求信号に基づいて、要求された部品を支持するトレイ30が特定された場合、倉庫指令信号出力部66は、要求信号により特定されたトレイ30の大きさに基づいて、第2駆動装置420を制御する指令信号を出力する。例えば、要求された部品がトレイ30Aに支持されている場合、倉庫指令信号出力部66は、第1昇降部材481の下板部484及び第2昇降部材482の下板部486でトレイ30Aを支持することができるように、第2駆動装置420を制御する指令信号を出力する。また、要求された部品がトレイ30Bに支持されている場合、倉庫指令信号出力部66は、第1昇降部材481の下板部484及び第2昇降部材482の下板部486でトレイ30Bを支持することができるように、第2駆動装置420を制御する指令信号を出力する。
搬送指令信号出力部67は、搬送計画生成部65で生成された搬送計画に基づいて、要求エリアに部品を搬送させる指令信号を出力する。搬送指令信号出力部67は、搬送制御装置8を介して、指令信号を部品搬送装置5に出力する。また、要求信号に基づいて、要求された部品を支持するトレイ30が特定された場合、搬送指令信号出力部67は、要求信号により特定されたトレイ30の大きさに基づいて、駆動装置534を制御する指令信号を出力する。例えば、要求された部品がトレイ30Aに支持されている場合、搬送指令信号出力部67は、複数の保持部材533でトレイ30Aを保持することができるように、駆動装置534を制御する指令信号を出力する。また、要求された部品がトレイ30Bに支持されている場合、搬送指令信号出力部67は、複数の保持部材533でトレイ30Bを保持することができるように、駆動装置534を制御する指令信号を出力する。
送信部68は、倉庫制御装置7、搬送制御装置8、及び端末装置9の少なくとも一つに信号又はデータを送信する。送信部68は、倉庫指令信号出力部66から出力された指令信号を部品倉庫システム4に送信する。送信部68は、搬送指令信号出力部67から出力された指令信号を搬送制御装置8に送信する。
図34は、本実施形態に係る倉庫制御装置7の一例を示す機能ブロック図である。倉庫制御装置7は、受信部71と、移動部材制御部72と、昇降部材制御部73と、出庫トレイ位置調整部74と、入庫トレイ位置調整部75と、テープリール位置調整部76と、搬送トレイ位置調整部77と、管理記憶部78と、送信部79とを有する。
受信部71は、管理制御装置6、搬送制御装置8、及び端末装置9の少なくとも一つから送信された信号又はデータを受信する。
移動部材制御部72は、移動部材49を制御する指令信号を出力する。移動部材49を制御する指令信号は、駆動装置430を制御する指令信号及び駆動装置440を制御する指令信号を含む。
昇降部材制御部73は、昇降部材48を制御する指令信号を出力する。本実施形態において、昇降部材48を制御する指令信号は、第1駆動装置410を制御する指令信号及び第2駆動装置420を制御する指令信号を含む。
出庫トレイ位置調整部74は、出庫トレイ位置センサ450の検出データに基づいて、昇降部材48に支持されているトレイ30の上面32Aが出庫プレート471の上面よりも下方に配置されるように昇降部材48の位置を調整する指令信号を第1駆動装置410に出力する。
入庫トレイ位置調整部75は、入庫トレイ位置センサ470の検出データに基づいて、昇降部材48に支持されているトレイ30の下面31Bが入庫プレート472の上面よりも上方に配置されるように昇降部材48の位置を調整する指令信号を第1駆動装置410に出力する。
テープリール位置調整部76は、テープリール位置センサ490の検出データに基づいて、識別装置480の光学系の焦点位置と識別マーク23の位置とが一致するように昇降部材48の位置を調整する指令信号を第1駆動装置410に出力する。
搬送トレイ位置調整部77は、搬送トレイ位置センサ460の検出データに基づいて、昇降部材48に支持されているトレイ30を部品搬送装置5に搭載するときに昇降部材48の位置を調整する指令信号を第1駆動装置410に出力する。
管理記憶部78は、識別装置480の検出データに基づいて、トレイ30に搭載されている部品の管理データを記憶する。部品の管理データは、自動倉庫4Aに収容される部品の種類、自動倉庫4Aに収容される部品の数、及び部品を保持するテープリール21を支持するトレイ30が収容されている棚44の位置の少なくとも一つを含む。
送信部79は、管理制御装置6、搬送制御装置8、及び端末装置9の少なくとも一つに信号又はデータを送信する。
図35は、本実施形態に係る搬送制御装置8の一例を示す機能ブロック図である。搬送制御装置8は、受信部81と、走行制御部82と、保持部材制御部83と、制限信号出力部84と、送信部85とを有する。
受信部81は、管理制御装置6、倉庫制御装置7、及び端末装置9の少なくとも一つから送信された信号又はデータを受信する。
走行制御部82は、無人搬送車52を制御する指令信号を出力する。無人搬送車52を制御する指令信号は、無人搬送車52を駆動、制動、及び旋回させる指令信号を含む。
保持部材制御部83は、保持部材533を制御する指令信号を出力する。保持部材533を制御する指令信号は、駆動装置534を制御する指令信号を含む。
制限信号出力部84は、トレイ有無センサ532の検出データに基づいて、搭載部531にトレイ30が搭載されていると判定されたときに、駆動装置534の作動を制限する指令信号を出力する。搭載部531にトレイ30が搭載されているときに駆動装置534の作動が制限されることにより、搭載部531にトレイ30が搭載されているにもかかわらず、複数の保持部材533が接近するように移動してしまうことが防止される。
送信部85は、管理制御装置6、倉庫制御装置7、及び端末装置9の少なくとも一つに信号又はデータを送信する。
図36は、本実施形態に係る端末装置9の一例を示す機能ブロック図である。端末装置9は、受信部91と、入力部92と、要求信号生成部93と、表示制御部94と、表示部95と、送信部96とを有する。
受信部91は、管理制御装置6、倉庫制御装置7、搬送制御装置8の少なくとも一つから送信された信号又はデータを受信する。
入力部92は、作業者WMに操作される。入力部92は、作業者WMに操作されることにより、入力データを生成する。入力部92は、キーボード又はタッチパネルのような入力デバイスを含む。
要求信号生成部93は、入力部92が操作されることにより生成された入力データに基づいて、部品を要求する要求信号を生成する。
表示制御部94は、表示部95に表示させる表示データを生成する。
表示部95は、表示データを表示する。表示部95は、フラットパネルディスプレイのような表示デバイスを含み、作業者WMに表示データを提供する。
送信部96は、管理制御装置6、倉庫制御装置7、及び搬送制御装置8の少なくとも一つに信号又はデータを送信する。本実施形態において、送信部96は、少なくとも、要求信号生成部93で生成された要求信号を管理制御装置6に送信する。
[部品管理方法]
次に、本実施形態に係る部品管理方法について説明する。図37は、本実施形態に係る出庫処理の一例を示すフローチャートである。
管理制御装置6において、要求信号取得部62は、ラインエリア13の端末装置9から送信された部品を要求する要求信号を取得する。生産計画取得部63は、生産計画データを取得する。搬送計画生成部65は、要求信号及び生産計画データに基づいて、搬送計画を生成する。また、倉庫指令信号出力部66は、要求信号により特定されたトレイ30の大きさに基づいて、第2駆動装置420を制御する指令信号を出力する。また、搬送指令信号出力部67は、要求信号により特定されたトレイ30の大きさに基づいて、駆動装置534を制御する指令信号を出力する。送信部68は、搬送計画に基づく指令信号、第2駆動装置420を制御する指令信号、及び駆動装置534を制御する指令信号を倉庫制御装置7に送信する。
倉庫制御装置7において、受信部71は、管理制御装置6から送信された搬送計画に基づく指令信号及び第2駆動装置420を制御する指令信号を受信する(ステップS10)。
倉庫制御装置7において、送信部79は、搬送計画に基づいて、特定の部品を支持するトレイ30を棚44から搬出するように、搬送装置46に指令信号を送信する。搬送装置46は、指令信号に基づいて、特定のトレイ30を棚44から搬出し、出庫プレート471に搬送する(ステップS11)。
出庫プレート471から昇降部材48にトレイ30を移動する処理が開始される。昇降部材制御部73は、倉庫指令信号出力部66からの指令信号に基づいて、第1昇降部材481及び第2昇降部材482でトレイ30を支持することができるように、第1昇降部材481と第2昇降部材482との相対位置を制御する指令信号を第2駆動装置420に出力する。第2駆動装置420は、出庫プレート471から供給されるトレイ30の大きさに合わせて、第1昇降部材481と第2昇降部材482との距離を調整する。
本実施形態において、複数のトレイ30が出庫プレート471から昇降部材48に順次供給される。最初のトレイ30は、保持部材48の下板部484及び下板部486に直接搭載される。出庫トレイ位置調整部74は、昇降部材48の下板部484の上面及び下板部486の上面の位置を検出した出庫トレイ位置センサ450の検出データに基づいて、昇降部材48の下板部484の上面及び下板部486の上面が出庫プレート471の上面よりも下方に配置されるように昇降部材48の位置を調整する指令信号を出力する。出庫用移動部材491は、昇降部材48の下板部484の上面及び下板部486の上面が出庫プレート471の上面よりも下方に配置された状態で、出庫プレート471から昇降部材48にトレイ30を移動する。
最初のトレイ30が昇降部材48に供給された後、次のトレイ30を出庫プレート471から昇降部材48に供給する処理が開始される。出庫トレイ位置センサ450は、昇降部材48に支持されているトレイ30の上面32Aの位置を検出する。受信部71は、出庫トレイ位置センサ450の検出データを受信する(ステップS12)。
出庫トレイ位置調整部74は、出庫トレイ位置センサ450の検出データに基づいて、昇降部材48に支持されているトレイ30の上面32Aが出庫プレート471の上面よりも下方に配置されるように昇降部材48の位置を調整する指令信号を送信する(ステップS13)。
移動部材制御部72は、出庫用移動部材491を移動させる指令信号を送信する(ステップS14)。出庫用移動部材491は、昇降部材48に支持されているトレイ30の上面32Aが出庫プレート471の上面よりも下方に配置された状態で、出庫プレート471から昇降部材48にトレイ30を移動する。
規定数のトレイ30が昇降部材48に供給されるまで、ステップS11からステップS14の処理が実施される。昇降部材48に供給されたトレイ30は、平板部483及び平板部485にガイドされながら、平板部483と平板部485との間をZ軸方向に移動して、昇降部材48に支持される。下板部484及び下板部486に支持されるトレイ30の−X側には平板部483が配置され、+Y側には平板部485が配置される。また、下板部484及び下板部486に支持されたトレイ30の−Y側にはガイド部材404が配置され、+Y側にはガイド部材405が配置される。昇降部材48に支持されるトレイ30は、平板部483、平板部485、ガイド部材404、及びガイド部材405によって、XY平面内において位置決めされる。規定数のトレイ30が昇降部材48に支持された後、昇降部材制御部73は、トレイ30を支持した昇降部材48を下降させる指令信号を送信する(ステップS15)。
昇降部材48が下降することにより、昇降部材48に支持されているトレイ30は、ガイド部材404及びガイド部材405にガイドされながら下降する。
昇降部材48から部品搬送装置5にトレイ30を供給する処理が開始される。通路空間43に部品搬送装置5が配置されている。本実施形態において、部品搬送装置5は、複数の部品倉庫システム4のそれぞれから所定数ずつトレイ30を受ける。本実施形態において、通路空間43に配置されている部品搬送装置5には、既にトレイ30が搭載されている。搬送トレイ位置センサ460は、部品搬送装置5に搭載されているトレイ30の上面32Aの位置を検出する。受信部71は、搬送トレイ位置センサ460の検出データを受信する(ステップS16)。
搬送トレイ位置調整部77は、搬送トレイ位置センサ460の検出データに基づいて、昇降部材48に支持されているトレイ30を部品搬送装置5に搭載するときに昇降部材48の位置を調整する指令信号を出力する(ステップS17)。
第1駆動装置410は、搬送トレイ位置センサ460の検出データに基づいて、Z軸方向の位置を調整しながら、昇降部材48に支持されているトレイ30を部品搬送装置5に搭載されているトレイ30の上に載置する。昇降部材48は、部品搬送装置5に複数のトレイ30を同時に渡す。搬送トレイ位置センサ460の検出データに基づいて昇降部材48の位置が調整されながらトレイ30が昇降部材48から部品搬送装置5に渡されるので、トレイ30に過度な力又は衝撃が作用することが抑制される。トレイ30を受けた部品搬送装置5は、通路空間43から退去する。
なお、部品搬送装置5にトレイ30が搭載されていない状態で、昇降部材48から部品搬送装置5にトレイ30を渡すとき、搬送トレイ位置センサ460は、搭載部531の上面の位置を検出する。搬送トレイ位置調整部77は、搭載部531の上面の位置を検出した搬送トレイ位置センサ460の検出データに基づいて、昇降部材48に支持されているトレイ30を部品搬送装置5に搭載するときに昇降部材48の位置を調整する指令信号を出力する。また、保持部材制御部83は、搬送指令信号出力部67からの指令信号に基づいて、複数の保持部材533でトレイ30を保持することができるように、複数の保持部材533の相対位置を制御する指令信号を駆動装置534に出力する。駆動装置534は、昇降部材48から供給されるトレイ30の大きさに合わせて、複数の保持部材533の距離を調整する。
図38は、本実施形態に係る入庫処理の一例を示すフローチャートである。
複数のトレイ30を搭載した部品搬送装置5が通路空間43に進入する。部品搬送装置5から昇降部材48にトレイ30を渡す処理が開始される。昇降部材制御部73は、トレイ30を部品搬送装置5から受けるための指令信号を送信する(ステップS20)。昇降部材48は、部品搬送装置5に接近して、部品搬送装置5に搭載されている複数のトレイ30を同時に支持する。
昇降部材制御部73は、トレイ30を支持した昇降部材48を上昇させる指令信号を送信する(ステップS21)。
昇降部材48が上昇することにより、昇降部材48に支持されているトレイ30は、ガイド部材404及びガイド部材405にガイドされながら上昇する。
テープリール位置センサ490は、昇降部材48に支持されている複数のトレイ30のうち最も上のトレイ30に支持されているテープリール21の表面22の位置を検出する。受信部71は、テープリール位置センサ490の検出データを受信する(ステップS22)。
テープリール位置調整部76は、テープリール位置センサ490の検出データに基づいて、識別装置480の光学系の焦点位置と識別マーク23の位置とが一致するように昇降部材48の位置を調整する指令信号を出力する(ステップS23)。第1駆動装置410は、識別装置480の光学系の焦点位置と識別マーク23の位置とが一致するように、トレイ30を支持した昇降部材48の位置を調整する。
識別装置480は、識別マーク23を検出する。識別装置480は、識別装置480の光学系の焦点位置と識別マーク23の位置とが一致した状態で、識別マーク23を高精度に検出することができる。受信部71は、識別装置480の検出データを受信する(ステップS24)。
管理記憶部78は、識別装置480の検出データに基づいて、トレイ30に搭載されている部品の管理データを記憶する(ステップS25)。
入庫トレイ位置センサ470は、昇降部材48に支持されている複数のトレイ30のうち最も上のトレイ30の下面31Bの位置を検出する。受信部71は、入庫トレイ位置センサ470の検出データを受信する(ステップS26)。
入庫トレイ位置調整部75は、入庫トレイ位置センサ470の検出データに基づいて、昇降部材48に支持されているトレイ30の下面31Bが入庫プレート472の上面よりも上方に配置されるように昇降部材48の位置を調整する指令信号を出力する(ステップS27)。
移動部材制御部72は、入庫用移動部材492を移動させる指令信号を送信する(ステップS28)。入庫用移動部材492は、昇降部材48に支持されているトレイ30の下面31Bが入庫プレート472の上面よりも上方に配置された状態で、昇降部材48から入庫プレート472にトレイ30を移動する。
搬送装置46は、管理記憶部78に記憶された部品の管理データに基づいて、トレイ30を入庫プレート472から特定の棚44に搬送する(ステップS29)。
本実施形態において、複数のトレイ30が昇降部材58から入庫プレート472に順次供給される。最初のトレイ30が入庫プレート472に供給され、棚44に搬送された後、次のトレイ30を昇降部材48から入庫プレート472に供給する処理が開始される。複数のトレイ30が入庫プレート472に移動され、棚44に搬送されるまで、ステップS21からステップS29の処理が実施される。
図39は、本実施形態に係る部品管理方法の一例を示すシーケンス図である。
要求エリアに存在する作業者WMは、端末装置9を操作して、部品を要求する要求信号を生成する。端末装置9で生成された要求信号は、管理制御装置6に送信される(ステップS101)。
管理制御装置6において、要求信号取得部62は、受信部61を介して要求信号を取得する。搬送計画生成部65は、要求エリアから送信された要求信号に基づいて、部品の搬送計画を生成する(ステップS201)。
本実施形態において、部品倉庫システム4は複数設けられ、出庫エリア11が複数(7つ)設けられる。例えば、複数種類の部品が要求され、それら部品のそれぞれが異なる自動倉庫4Aに収容されている場合、搬送計画生成部65は、要求信号に基づいて、複数の出庫エリア11のそれぞれに部品搬送装置5を移動させる搬送計画を生成する。例えば、1台の部品搬送装置5が、第1の部品倉庫システム4の出庫エリア11に移動して、第1の部品倉庫システム4から第1種類の部品を支持したトレイ30を受けた後、第2の部品倉庫システム4の出庫エリア11に移動して、第2の部品倉庫システム4から第2種類の部品を支持したトレイ30を受けることを実行させる搬送計画を生成することができる。
また、搬送計画生成部65は、要求信号に基づいて、要求エリアに部品を搬送するために使用する部品搬送装置5の台数を決定する。1台の部品搬送装置5が搬送可能なトレイ30の数には制限がある。多数のトレイ30を要求する要求信号が送信された場合、搬送計画生成部65は、要求された数のトレイ30を要求エリアに搬送できるように、使用する部品搬送装置5の台数を決定し、決定した部品搬送装置5のそれぞれについて搬送計画を生成する。
倉庫指令信号出力部66は、搬送計画生成部65で生成された搬送計画に基づいて、部品を出庫エリア11に出庫させる指令信号を、送信部68を介して倉庫制御装置7に送信する(ステップS202)。また、倉庫指令信号出力部66は、要求信号により特定されたトレイ30の大きさに基づいて、第2駆動装置420を制御する指令信号を、送信部68を介して倉庫制御装置7に送信する。これにより、トレイ30の大きさに基づいて第1昇降部材481と第2昇降部材482との距離が調整され、昇降部材48はトレイ30を支持することができる。
また、搬送指令信号出力部67は、搬送計画生成部65で生成された搬送計画に基づいて、出庫された部品を要求エリアに搬送させる指令信号を、送信部68を介して搬送制御装置8に送信する(ステップS203)。また、搬送指令信号出力部67は、要求信号により特定されたトレイ30の大きさに基づいて、駆動装置534を制御する指令信号を、送信部68を介して搬送制御装置8に送信する。これにより、トレイ30の大きさに基づいて複数の保持部材533の距離が調整され、保持部材533はトレイ30を保持することができる。
倉庫制御装置7は、管理制御装置6からの指令信号に基づいて、特定の部品を支持するトレイ30を出庫エリア11に出庫させる指令信号を部品倉庫システム4に出力する(ステップS301)。部品倉庫システム4は、トレイ30を出庫する。
搬送制御装置8は、管理制御装置6からの指令信号に基づいて、出庫エリア11に出庫された特定の部品を要求エリアに搬送させる指令信号を部品搬送装置5に出力する(ステップS401)。部品搬送装置5は、走行路10を走行して、要求エリアにトレイ30を搬送する。
図40は、本実施形態に係る部品管理方法の一例を示すシーケンス図である。
第1の要求エリアに存在する作業者WMは、第1の端末装置9を操作して、部品を要求する要求信号を生成する。第1の端末装置9で生成された要求信号は、管理制御装置6に送信される(ステップS111)。
管理制御装置6において、搬送計画生成部65は、第1の要求エリアから送信された要求信号に基づいて、部品の搬送計画を生成する(ステップS211)。
第2の要求エリアに存在する作業者WMが、第2の端末装置9を操作して、緊急に部品を要求する緊急要求信号を生成する。第2の端末装置9で生成された要求信号は、管理制御装置6に送信される(ステップS112)。
管理制御装置6において、搬送計画生成部65は、第2の要求エリアから送信された緊急要求信号に基づいて、部品の搬送計画を再生成する(ステップS212)。搬送計画生成部65は、緊急要求信号に基づいて、複数の要求エリアの優先度を決定し、優先度が高い要求エリアに優先的に部品を搬送させる搬送計画を生成する。図40に示す例では、搬送計画生成部65は、第2の要求エリアに優先的に部品を搬送させる搬送計画を生成する。
倉庫指令信号出力部66は、搬送計画生成部65で生成された搬送計画に基づいて、部品を出庫エリア11に出庫させる指令信号を、送信部68を介して倉庫制御装置7に送信する(ステップS213)。
また、搬送指令信号出力部67は、搬送計画生成部65で生成された搬送計画に基づいて、出庫された部品を要求エリアに搬送させる指令信号を、送信部68を介して搬送制御装置8に送信する(ステップS214)。
倉庫制御装置7は、管理制御装置6からの指令信号に基づいて、特定の部品を支持するトレイ30を出庫エリア11に出庫させる指令信号を部品倉庫システム4に出力する(ステップS311)。
搬送制御装置8は、管理制御装置6からの指令信号に基づいて、出庫エリア11に出庫された特定の部品を要求エリアに搬送させる指令信号を部品搬送装置5に出力する(ステップS411)。
図41は、本実施形態に係る部品管理方法の一例を示すシーケンス図である。
管理制御装置6において、生産計画取得部63は、生産計画データを取得する。本実施形態において、生産計画データは、生産ライン3において使用される部品の予定数を示すデータである。
また、生産実数取得部64は、生産実数データを取得する。本実施液体において、生産実数データは、生産ライン3において単位時間当たりに使用された部品の実数を示すデータである。生産実数データは、生産ライン3から管理制御装置6に送信される。
搬送計画生成部65は、生産計画データと生産実数データとに基づいて、ラインエリア13における部品の残数を算出する(ステップS221)。
搬送計画生成部65は、算出した残数に基づいて搬送計画を生成する(ステップS222)。
倉庫指令信号出力部66は、搬送計画生成部65で生成された搬送計画に基づいて、部品を出庫エリア11に出庫させる指令信号を、送信部68を介して倉庫制御装置7に送信する。本実施形態において、倉庫指令信号出力部66は、搬送計画生成部65で生成された搬送計画に基づいて、ラインエリア13における部品の残数が予め定められている許容値以下になったと判定したとき、ラインエリア13の端末装置9から要求信号が送信されなくても、ライエリア13に搬送する部品を出庫させる指令信号を、送信部68を介して倉庫制御装置7に送信する(ステップS223)。
搬送指令信号出力部67は、搬送計画生成部65で生成された搬送計画に基づいて、出庫された部品をラインエリア13に搬送させる指令信号を、送信部68を介して搬送制御装置8に送信する(ステップS224)。
倉庫制御装置7は、管理制御装置6からの指令信号に基づいて、特定の部品を支持するトレイ30を出庫エリア11に出庫させる指令信号を部品倉庫システム4に出力する(ステップS321)。
搬送制御装置8は、管理制御装置6からの指令信号に基づいて、出庫エリア11に出庫された特定の部品をラインエリア12に搬送させる指令信号を部品搬送装置5に出力する(ステップS421)。
なお、図5を参照して説明したように、部品搬送装置5は、搬送計画に基づいて、ラインエリア13のみならず、受入エリア14及び段取りエリア15の少なくとも一方にトレイ30を搬送することができる。
[表示部]
図42は、本実施形態に係る端末装置9の表示部95の一例を示す図である。端末装置9は、表示部95を介して、種々のデータを作業者WMに提供することができる。
図42に示すように、端末装置9の表示部95は、工場施設で稼働する複数の部品搬送装置5のそれぞれの稼働データを表示する。表示部95は、稼働データを示す複数の項目を表示する。図42に示す例では、稼働データを示す項目として、部品搬送装置5が実施している稼働内容を示す「搬送種類」、部品搬送装置5による部品の搬送を要求した要求エリアを示す「要求元」、部品搬送装置5の搬送先を示す「目的地」、部品搬送装置5の固有データを示す「AGV」、及び部品搬送装置5の現在の状態を示す「状態」が表示される。
例えば、部品搬送装置5の「1号車」は、「出庫」処理を実施中であり、搬送先は「段取りエリア」であり、現在「搬送中」であることが表示部95に表示される。
また、図42は、受入エリア14に設置されている端末装置9の表示部95の表示例を示す。端末装置9の表示部95は、その端末装置9が設けられているエリア(図42に示す例では受入エリア14)に移動した部品搬送装置5の稼働データを強調表示する。
部品搬送装置5の「3号車」の搬送先は、「受入エリア」である。「3号車」が受入エリア14に到着したとき、受入エリア14に設置されている端末装置9の表示部95は、「3号車」が受入エリア14に到着したとき、「3号車」が到着したことを作業者WMに認識させるために、その「3号車」の部品搬送装置5の稼働データを強調表示する。図42に示す例では、「3号車」の部品搬送装置5の稼働データを示す欄が着色されて表示される。
[コンピュータシステム]
図43は、コンピュータシステム1000の一例を示すブロック図である。上述の管理制御装置6、倉庫制御装置7、搬送制御装置8、及び端末装置9のそれぞれは、コンピュータシステム1000を含む。コンピュータシステム1000は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ1001と、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリ1002と、ストレージ1003と、入出力回路を含むインターフェース1004とを有する。管理制御装置6の機能、倉庫制御装置7の機能、搬送制御装置8の機能、及び端末装置9の機能は、プログラムとしてストレージ1003に記憶されている。プロセッサ1001は、プログラムをストレージ1003から読み出してメインメモリ1002に展開し、プログラムに従って上述の処理を実行する。なお、プログラムは、ネットワークを介してコンピュータシステム1000に配信されてもよい。
[効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、自動倉庫4Aとの間でトレイ30を搬送するエレベータ装置4Bが設けられる。そのため、作業者WMを介することなく、エレベータ装置4Bを用いて、自動倉庫4Aに部品を入庫したり、自動倉庫4Aから部品を出庫したりすることができる。したがって、ヒューマンエラーの発生が抑制され、電子機器の製造不良の発生が抑制される。
昇降部材48は、トレイ30の下面31Bの一部を支持する第1昇降部材481と、トレイ30の下面31Bの別の一部を支持する第2昇降部材482とを含む。第1昇降部材481と第2昇降部材482とはトレイ30を挟むように配置される。これにより、様々な大きさのトレイ30を第1昇降部材481と第2昇降部材482とで支持することができる。
エレベータ装置4Bは、第1昇降部材481と第2昇降部材482とを同期して昇降させる第1駆動装置410と、トレイ30の大きさに基づいて第1昇降部材481及び第2昇降部材482の少なくとも一方を移動して第1昇降部材481と第2昇降部材482との距離を調整する第2駆動装置420とを有する。これにより、様々な大きさのトレイ30を入出庫することができる。
昇降部材48は、積層された複数のトレイ30を支持して昇降可能である。そのため、エレベータ装置4Bの搬送効率が向上する。
エレベータ装置4Bは、自動倉庫4Aから出庫されたトレイ30を下降させる出庫用エレベータ41と、自動倉庫4Bに入庫されるトレイ30を上昇させる入庫用エレベータ42とを含む。これにより、エレベータ装置4Bは、トレイ30の出庫処理と入庫処理とを同時に実施することができる。
出庫用移動部材491は、昇降部材48に支持されているトレイ30の上面32Aが出庫プレート471の上面よりも下方に配置された状態で、出庫プレート471から昇降部材48にトレイ30を移動する。これにより、出庫プレート471のトレイ30は、昇降部材48に支持されているトレイ30に引っ掛かることなく、昇降部材48に移動することができる。
昇降部材48に支持されているトレイ30の上面32Aの位置を検出する出庫トレイ位置センサ450が設けられることにより、出庫トレイ位置センサ450の検出データに基づいて、昇降部材48に支持されているトレイ30の上面32Aと出庫プレート271の上面との相対位置を良好に調整することができる。
入庫用移動部材492は、昇降部材48に支持されているトレイ30の下面31Bが入庫プレート472の上面よりも上方に配置された状態で、昇降部材48から入庫プレート472にトレイ30を移動する。これにより、昇降部材48に支持されているトレイ30は、入庫プレート472に引っ掛かることなく、入庫プレート472に移動することができる。
昇降部材48に支持されているトレイ30の下面31Bの位置を検出する入庫トレイ位置センサ470が設けられることにより、入庫トレイ位置センサ470の検出データに基づいて、昇降部材48に支持されているトレイ30の下面31Bと入庫プレート472の上面との相対位置を良好に調整することができる。
自動倉庫4Aに入庫されるトレイ30に支持されている部品の識別データを検出する識別装置480が設けられることにより、識別装置480の検出データに基づいて、部品を適切に管理することができる。
識別データがテープリール21の表面22に設けられている識別マーク23を含むことにより、識別マーク23の画像データに基づいて、部品を良好に管理することができる。
テープリール21の表面22の位置を検出するテープリール位置センサ490が設けられることにより、テープリール位置センサ490の検出データに基づいて、識別装置480の光学系の焦点位置と識別マーク23の位置を良好に一致させることができる。そのため、識別装置48は、識別マーク23の画像データを高精度に取得することができる。
識別装置480の検出データに基づいて、トレイ30に搭載されている部品の管理データが管理記憶部78に記憶される。そのため、管理データに基づいて、例えば、部品が保管されている自動倉庫4Aの棚44、棚44に保管されている部品の種類、及び自動倉庫4Aに保管されている部品の数などを効率良く特定することができる。
エレベータ装置4Bは、部品搬送装置5が進入可能な通路空間43をする。ゲートエリア45は、昇降部材48の可動範囲の上部に設けられ、通路空間43は、昇降部材48の可動範囲の下部に設けられる。これにより、昇降部材48は、通路空間43に配置された部品搬送装置5との間でトレイ30を円滑に搬送することができる。
部品搬送装置5は、トレイ30が搭載される搭載部531及び走行面に接触可能な車輪514を有するカート51と、連結機構54を介してカート51と相対移動可能に連結され走行面を走行する無人搬送車52とを含む。エレベータ装置4Bは、通路空間43に進入するカート51をガイドするガイド機構43Gを有する。カート51は、無人搬送車52に対して相対移動可能であるため、例えば無人搬送車52が僅かに蛇行しながら通路空間43に進入しても、ガイド機構43Gにガイドされながら、通路空間43において適切に位置決めされる。
エレベータ装置4Bは、部品搬送装置5の進入方向においてカート51を位置決めするストッパ部材55を有する。これにより、カート51は、通路空間43において、X軸方向及びY軸方向の両方について適切に位置決めされる。したがって、昇降部材48と部品搬送装置5との間のトレイ30の搬送が円滑に実施される。
部品搬送装置5に搭載されているトレイ30の上面32Aの位置を検出する搬送トレイ位置センサ460が設けられることにより、昇降部材48から部品搬送装置5にトレイ30を渡すとき、搬送トレイ位置センサ460の検出データに基づいて、トレイ30に過度な力又は衝撃が作用しないように、昇降部材48の位置を調整しつつ、昇降部材48から部品搬送装置5にトレイ30を渡すことができる。
搬送トレイ位置センサ460は、エレベータ装置4Bに設けられる。これにより、複数の部品搬送装置5のそれぞれに搬送トレイ位置センサ460を設ける場合に比べて、装置コストが軽減される。
出庫用移動部材491は、トレイ30に形成されたノッチ34に挿入される爪439を有する。これにより、出庫用移動部材491は、爪部439にトレイ30を引っ掛けて円滑に移動させることができる。
エレベータ装置4Bは、自動倉庫4Aに隣接して設けられている。これにより、円滑にトレイ30の入出庫を行うことができる。
[その他の実施形態]
なお、上述の実施形態において、部品管理システム2は、大きさが異なる2種類のトレイ30(30A,30B)を取り扱うことした。部品管理システム2は、大きさが異なる3種類以上のトレイ30を取り扱ってもよいし、1種類のトレイ30を取り扱ってもよい。
上述の実施形態においては、第1部材541に開口547が設けられ、第2部材542にシャフト548が設けられることとした。第1部材541にシャフト548が設けられ、第2部材542に開口547が設けられてもよい。開口547及びシャフト548のそれぞれは、3つ設けられてもよい。
上述の実施形態においては、生産ライン3が部品実装装置を含むこととした。生産ライン3は部品実装装置を含まなくてもよい。
上述の実施形態においては、エレベータ装置4Bが出庫用エレベータ41と入庫用エレベータ42とを含むことした。1台のエレベータが出庫処理及び入庫処理の両方を実施してもよい。
上述の実施形態においては、要求エリアからの要求信号に基づいて搬送計画が生成されることとした。要求信号を用いることなく、例えば生産計画データのみに基づいて、搬送計画が生成されてもよい。