JP2019089372A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】走行中や坂路発進時にクラッチの係合を行う際、ドライバーに違和感が生じたり車両のずり下がりや後退が生じたりすることを抑制しつつ、動力伝達経路に加わる負担を低減する車両の制御装置を提供する。【解決手段】クラッチペダル30の操作に対応してエンジン12と手動変速機16との間をクラッチアクチュエータ40によって断接する自動クラッチ14を備える車両10の、電子制御装置50であって、車速Vが所定速度X以下、且つ路面勾配θrdが所定角度Y以下の場合は、エンジン回転速度Neを所定回転速度Z以下に制限して自動クラッチ14の係合を行う第1制御を実行し、車速Vが所定速度Xを超過または路面勾配θrdが所定角度Yを超過の場合は、エンジン回転速度Neが大きいほどクラッチ係合速度を遅くして自動クラッチ14の係合を行う第2制御を実行する。【選択図】図3

Description

本発明は、車両の制御装置に関し、特に、自動クラッチの係合制御の技術に関する。
エンジンと手動変速機との間に配設されたクラッチを備える車両の制御装置であって、車両が停車状態であればエンジン回転速度がその上限値を超えないように制限した後にクラッチを係合することで、車両の発進時に動力伝達経路に加わる負担が過剰にならないようにする技術が知られている。例えば、特許文献1に記載の車両の制御装置がそれである。
特開平11−125128号公報
上記車両の制御装置では、車両の発進時等においてアクセル開度を大きくした際のクラッチの急係合による動力伝達経路に加わる負担を低減するために、クラッチの係合前にエンジン回転速度に制限がかけられている。しかし、走行中にエンジン回転速度に制限をかけてクラッチの係合が行われると、ドライバーに違和感が生じたりするおそれがあり、また、坂路発進時にエンジン回転速度に制限をかけてクラッチの係合が行われると、車両のずり下がりや後退などが生じたりするおそれがある。
本発明は、以上の事情を背景としてなされたものであり、その目的とするところは、走行中や坂路発進時に自動クラッチの係合を行う際、ドライバーに違和感が生じたり車両のずり下がりや後退が生じたりすることを抑制しつつ、動力伝達経路に加わる負担を低減する車両の制御装置を提供することにある。
本発明の要旨とするところは、原動機と変速機との間を断接する自動クラッチを備える車両の、制御装置であって、前記車両の車速が所定速度以下、且つ路面勾配が所定角度以下の場合は、前記原動機の回転速度である原動機回転速度を所定回転速度以下に制限して前記自動クラッチの係合を行う第1制御を実行し、前記車速が前記所定速度を超過および前記路面勾配が前記所定角度を超過の少なくとも一方の場合は、前記原動機回転速度が大きいほどクラッチ係合速度を遅くして前記自動クラッチの係合を行う第2制御を実行することにある。
本発明の車両の制御装置によれば、前記車両の車速が所定速度以下、且つ路面勾配が所定角度以下の場合は、前記原動機の回転速度である原動機回転速度を所定回転速度以下に制限して前記自動クラッチの係合を行う第1制御が実行され、前記車速が前記所定速度を超過および前記路面勾配が前記所定角度を超過の少なくとも一方の場合は、前記原動機回転速度が大きいほどクラッチ係合速度を遅くして前記自動クラッチの係合を行う第2制御が実行される。このように、車両が停車状態かつ平坦路では車両のずり下がりや後退が発生する可能性が低いのでクラッチの係合開始時間が長くても問題がないため、原動機回転速度が制限をかけられてクラッチの係合が行われることにより動力伝達経路に加わる負担が低減される。一方、車両が走行中や坂路発進時にはクラッチの係合開始時間が長いとドライバーに違和感が生じたり車両のずり下がりや後退が生じたりしやすいため、クラッチ係合速度が調整されることにより動力伝達経路に加わる負担が低減される。
本発明の一実施例である電子制御装置を搭載した車両の概略構成を説明する図である。 図1の電子制御装置の制御機能の要部を例示する機能ブロック線図である。 図1の電子制御装置による自動クラッチの係合制御の一例の要部を説明するフローチャートである。 図3のフローチャートにおけるシフトポジションが「1st」のときにステップS140で選択される自動クラッチの係合速度マップの例示である。 図3のフローチャートにおけるシフトポジションが「R」のときにステップS140で選択される自動クラッチの係合速度マップの例示である。
本発明の一実施形態において、前記車両の車速が所定速度以下、且つ前記路面勾配が前記所定角度を超過していてもヒルホールド装置が作動中である場合は、前記第1制御を実行する。ヒルホールド装置が作動中である場合は、車両のずり下がりや後退が発生する可能性が低いので自動クラッチの係合開始時間が長くても問題がないため、原動機回転速度が所定回転速度以下になるように制限がかけられて自動クラッチの係合が行われることにより動力伝達経路に加わる負担が低減される。
本発明の一実施形態において、前記第2制御において、シフトポジションが前進走行ポジションの場合には、前記原動機回転速度が同じであれば前進側の前記車速が大きいほどクラッチ係合速度を速くして前記自動クラッチの係合を行い、シフトポジションが後進走行ポジションの場合には、前記原動機回転速度が同じであれば後進側の前記車速が大きいほどクラッチ係合速度を速くして前記自動クラッチの係合を行う。シフトポジションで選択されたドライバーの要求する進行方向に対して、車両の当該進行方向における車速が大きいときには、動力伝達経路に加わる負担は比較的小さいので自動クラッチのクラッチ係合速度が速くされ自動クラッチの係合が早く完了される。
以下、本発明の実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例である電子制御装置50を搭載した車両10の概略構成を説明する図である。
車両10は、原動機であるエンジン12および手動変速機16を備えている。エンジン12と手動変速機16との間の動力伝達経路に、自動クラッチ14が備えられ、エンジン12により発生させられた駆動力は、断接可能な自動クラッチ14を介して手動変速機16に伝達される。そして、手動変速機16により変速された駆動力は、差動歯車装置18を介して左右の駆動輪20へ伝達される。また、車両10はヒルホールド装置60を備えている。
電子制御装置50は、ECU(Electronic control unit)とも呼ばれ、例えば、所謂マイクロコンピュータ(CPU)を含んで構成されており予め記憶されたプログラムに従って入力信号の処理を行うことにより、エンジン12や自動クラッチ14などの車両10の各種装置を制御する。電子制御装置50は、本発明における車両の制御装置に相当する。
電子制御装置50には、車両10に設けられた各スイッチや各センサにより検出された各種信号が入力されるようになっている。例えば、アクセルペダル26に配設されたアクセルペダル開度センサ200によって検出されたアクセルペダル26の操作量であるアクセル開度θacc(度)を表すアクセル開度信号Acc、ブレーキペダル28に配設されたブレーキペダル開度センサ202によって検出されたブレーキペダル28の操作量であるブレーキ開度θbrk(度)を表すブレーキ開度信号Brk、クラッチペダル30に配設されたクラッチペダル開度センサ204よって検出されたクラッチペダル30の操作量であるクラッチ開度θclt(度)を表すクラッチ開度信号Clt、エンジン12に配設されたエンジン回転速度センサ210によって検出されたエンジン回転速度Ne(rpm)を表すエンジン回転速度信号Eng、車速センサ212によって検出された車速V(km/h)を表す車速信号Sv、勾配センサ214によって検出された車両10が置かれた路面勾配θrd(度)を表す路面勾配信号Rd、シフトポジションセンサ216によって検出されたシフト装置70のシフトレバー72によって選択されたシフトポジションPOSshを表すシフトポジション信号POS等が、電子制御装置50に入力される。
電子制御装置50は、クラッチ開度信号Cltが表すクラッチ開度θcltに基づき、クラッチアクチュエータ40へクラッチ制御信号Scltを出力する。基本的には、クラッチ開度θcltがクラッチペダル30の踏込操作がなされたと判断される場合には、電子制御装置50は、自動クラッチ14を解放状態にさせるクラッチ制御信号Scltをクラッチアクチュエータ40へ出力する。一方、クラッチ開度θcltがクラッチペダル30の戻し操作がなされたと判断される場合には、電子制御装置50は、自動クラッチ14を係合状態にさせるクラッチ制御信号Scltをクラッチアクチュエータ40へ出力する。
クラッチアクチュエータ40は、電子制御装置50から入力されたクラッチ制御信号Scltに基づき、油圧ラインに作動油を供給したり、または作動油の流出を許容することにより、自動クラッチ14を係合させたり解放させたりする。
自動クラッチ14は、例えばエンジン12のクランク軸に一体的に固定されたフライホイールと、それに対向して手動変速機16の入力軸側に配されたクラッチディスクと、を備え、クラッチアクチュエータ40から出力された油圧にしたがってクラッチディスクとフライホイールとが解放、係合される乾式単板式の摩擦クラッチである。
自動クラッチ14の断接操作は、ドライバーによるクラッチペダル30の操作により、フライホイールとクラッチディスクとが係合されたり解放されたりすることによって行われる。
手動変速機16は、例えば同期噛み合い式変速機であり、シフト装置70内のシフトレバー72が手動操作されると、例えばシフトレバー72の動きがシフトケーブル或いはシフトロッド等の動きに変換され、それに連動して手動変速機16内の同期装置のスリーブが複数の変速段のうちそれまでのギヤ段を成立させていたギヤ対の一方のギヤピースから引き抜かれ、次いでドライバーによって選択されたシフトポジションPOSshに対応した所望の変速段を成立させるギヤ対の一方のギヤの側面に設けられたギヤピース側に移動させられることで変速段の変更が行われる。
車両10において、手動変速機16のギヤ段が切り換えられる、すなわち変速が行われる場合には、先ず、クラッチペダル30が踏込操作されて自動クラッチ14が完全解放状態(摩擦クラッチのフライホイールとクラッチディスクとが全くつながっていない状態)とされる。これにより、エンジン12と手動変速機16との間の動力伝達経路が遮断される。
次いで、シフト装置70内のシフトレバー72が操作される。シフトレバー72は、後進走行ポジション(Rポジション)である「R(リバース)」、又は前進走行ポジションである、例えば第1速ポジション「1st」〜第6速ポジション「6th」へ択一的に手動操作されるように設けられている。このシフトレバー72の操作により、手動変速機16の複数のギヤ段のうちの何れかが選択されると、クラッチペダル30が戻し操作されて、自動クラッチ14の摩擦クラッチが半クラッチ状態(摩擦クラッチのフライホイールとクラッチディスクとが互いに滑りながらつながっている状態)を経て完全係合状態(摩擦クラッチのフライホイールとクラッチディスクとが完全に同期して回転している状態)とされる。これにより、エンジン12のエンジン回転速度Neが手動変速機16の入力軸の回転速度と同期されて、エンジン12と手動変速機16とが動力伝達状態とされる。また、シフトレバー72が選択できるポジションには、中立ポジション「N(ニュートラル)」もある。このシフトレバー72の操作により「N」が選択されると、手動変速機16の変速段を成立させるギヤ対の一方のギヤの側面に設けられたギヤピースのいずれにもスリーブが係合されないフリーの状態となり、エンジン12と手動変速機16との動力伝達が遮断された状態とされる。
ヒルホールド装置60は、坂路発進時における車両10のずり下がりや後退を防止するものであり、ブレーキ用油圧回路62およびブレーキ装置64を有する。ヒルホールド装置60の作動は、例えば車両10の停車後にブレーキペダル28を数秒間踏み込み続けた場合に、ブレーキペダル28の踏込操作の有無に拘らず電子制御装置50がブレーキ制御信号Sbrkによってブレーキ用油圧回路62の電磁弁を制御することでブレーキ装置64のブレーキ力を保持して車両10を停車したままとすることで実行される。また、ヒルホールド装置60の作動の解除は、例えばクラッチペダル30の踏込操作がなされ、シフトポジション信号POSが表すシフトポジションPOSshが「N」以外のポジションにされ、自動クラッチ14が係合される際、自動クラッチ14が係合される寸前に、電子制御装置50がブレーキ制御信号Sbrkによってブレーキ用油圧回路62の電磁弁を制御することでブレーキ装置64のブレーキ力の保持を解除することで行われる。
図2は、図1の電子制御装置50の制御機能の要部を例示する機能ブロック線図である。電子制御装置50は、クラッチペダルON判定部50a、車速判定部50b、勾配判定部50c、ヒルホールド判定部50d、クラッチペダルOFF判定部50e、シフト判定部50f、エンジン回転速度判定部50g、エンジン回転速度制御部50h、クラッチ制御部50i、およびヒルホールド制御部50jを備える。
クラッチペダルON判定部50aは、例えばクラッチ開度信号Cltが表すクラッチ開度θcltに基づいて、クラッチペダル30がONであるか否かを判定する。クラッチペダルON判定部50aは、クラッチペダル30がONであると判定した場合、車両10の車速V(km/h)が所定速度X(km/h)以下であるか否かの判定を指示する指令信号を車速判定部50bに送る。なお、本明細書では、アクセルペダル26、ブレーキペダル28、およびクラッチペダル30の踏込操作がされた状態をONと表現し、戻し操作がされた状態をOFFと表現することとする。
車速判定部50bは、クラッチペダルON判定部50aから指令信号が入力されると、例えば車速信号Svが表す車速Vに基づいて、車速Vが所定速度X以下であるか否かを判定する。所定速度Xは、車両10が停車状態であると見なせる速度値に設定される。すなわち、本判定では、車速Vの絶対値が所定速度X(正の値)以下であるか否かが判定される。車速判定部50bは、車速Vが所定速度X以下であると判定した場合、路面勾配θrd(度)が所定角度Y(度)以下であるか否かの判定を指示する指令信号を勾配判定部50cに送る。また、車速判定部50bは、車速Vが所定速度X以下でないと判定した場合、クラッチペダル30がOFFであるか否かの判定を指示する第2指令信号をクラッチペダルOFF判定部50eに送る。
勾配判定部50cは、車速判定部50bから指令信号が入力されると、例えば路面勾配信号Rdが表す路面勾配θrdに基づいて、路面勾配θrdが所定角度Y以下であるか否かを判定する。所定角度Yは、路面勾配θrdが平坦路と見なせる、すなわち後述のエンジン回転速度Ne(rpm)を所定回転速度Z(rpm)以下に制限する制御が行われてもその間に車両10のずり下がりや後退が起こりにくい判定値が設定される。所定回転速度Zは、自動クラッチ14がドライバーによるクラッチペダル30の手動操作である踏込量に基づく手動作動によって自動クラッチ14が係合されても、動力伝達経路に加わる負担が過剰にならないように設定される。すなわち、本判定では、路面勾配θrdの絶対値が所定角度Y(正の値)以下であるか否かが判定される。勾配判定部50cは、路面勾配θrdが所定角度Y以下であると判定した場合、クラッチペダル30がOFFであるか否かの判定を指示する第1指令信号をクラッチペダルOFF判定部50eに送る。また、勾配判定部50cは、路面勾配θrdが所定角度Y以下でないと判定した場合、ヒルホールド装置60が作動中であるか否かの判定を指示する指令信号をヒルホールド判定部50dに送る。
ヒルホールド制御部50jは、例えば車速信号Svが表す車速Vおよびブレーキ開度信号Brkが表すブレーキ開度θbrkに基づいて、ヒルホールド装置60を作動させるか否かを判定し、ヒルホールド装置60を作動させると判定した場合、ヒルホールド装置60を作動させるブレーキ制御信号Sbrkをブレーキ用油圧回路62に送る。ヒルホールド制御部50jは、例えばクラッチ制御部50iから入力されたヒルホールド装置60の作動を解除する指令信号に基づいて、ヒルホールド装置60の作動を解除する判定を行い、ヒルホールド装置60の作動を解除させるブレーキ制御信号Sbrkをブレーキ用油圧回路62に送る。また、ヒルホールド制御部50jは、ヒルホールド装置60が作動中か否かを表す信号をヒルホールド判定部50dに送る。
ヒルホールド判定部50dは、勾配判定部50cから指令信号が入力されると、例えばヒルホールド制御部50jから入力されたヒルホールド装置60が作動中か否かを表す信号に基づいて、ヒルホールド装置60が作動中であるか否かを判定する。ヒルホールド判定部50dは、ヒルホールド装置60が作動中であると判定した場合、クラッチペダル30がOFFであるか否かの判定を指示する第1指令信号をクラッチペダルOFF判定部50eに送る。また、ヒルホールド判定部50dは、ヒルホールド装置60が作動中でないと判定した場合、クラッチペダル30がOFFであるか否かの判定を指示する第2指令信号をクラッチペダルOFF判定部50eに送る。
クラッチペダルOFF判定部50eは、勾配判定部50cまたはヒルホールド判定部50dから第1指令信号が入力されると、例えばクラッチ開度信号Cltが表すクラッチ開度θcltに基づいて、クラッチペダル30がOFFであるか否かを判定する。クラッチペダルOFF判定部50eは、クラッチペダル30がOFFでないと判定した場合、クラッチペダル30がOFFとなるまでその判定を繰り返す。クラッチペダルOFF判定部50eは、クラッチペダル30がOFFであると判定した場合、シフトポジションPOSshが「1st」または「R」であるか否かの判定を指示する第3指令信号をシフト判定部50fに送る。
クラッチペダルOFF判定部50eは、車速判定部50bまたはヒルホールド判定部50dから第2指令信号が入力されると、例えばクラッチ開度信号Cltが表すクラッチ開度θcltに基づいて、クラッチペダル30がOFFであるか否かを判定する。クラッチペダルOFF判定部50eは、クラッチペダル30がOFFでないと判定した場合、クラッチペダル30がOFFとなるまでその判定を繰り返す。クラッチペダルOFF判定部50eは、クラッチペダル30がOFFであると判定した場合、シフトポジションPOSshが「1st」または「R」であるか否かの判定を指示する第4指令信号をシフト判定部50fに送る。
クラッチペダルOFF判定部50eによるクラッチペダル30がOFFであるとの判定は、好適には、クラッチペダル30の戻し操作が開始されたことを検出することにより行われる。すなわち、自動クラッチ14が半クラッチ状態となるクラッチペダル30の操作量となる前にクラッチペダル30がOFFであることを検出し、自動クラッチ14の係合が開始される前に、後述するステップS60(シフトポジションPOSshの判定)、ステップS70(エンジン回転速度Neの判定)、ステップS80(エンジン回転速度Neの制御)、およびステップS90(係合速度マップの選択)やステップS130(シフトポジションPOSshの判定)およびステップS140(係合速度マップの選択)が実行される。
シフト判定部50fは、クラッチペダルOFF判定部50eから第3指令信号が入力されると、例えばシフトポジション信号POSが表すシフトポジションPOSshに基づいて、シフトポジションPOSshが「1st」または「R」であるか否かを判定する。シフト判定部50fは、シフトポジションPOSshが「1st」または「R」であると判定した場合、エンジン回転速度Neの判定を指示する指令信号をエンジン回転速度判定部50gに送る。また、シフト判定部50fは、シフトポジションPOSshが「1st」および「R」のいずれでもないと判定した場合、手動作動によって自動クラッチ14の係合を指示する第5指令信号をクラッチ制御部50iに送る。なお、手動作動とは、自動クラッチ14がドライバーによるクラッチペダル30の手動操作である踏込量に基づいて係合されたり解放されたりする作動をいう。
シフト判定部50fは、クラッチペダルOFF判定部50eから第4指令信号が入力されると、例えばシフトポジション信号POSが表すシフトポジションPOSshに基づいて、シフトポジションPOSshが「1st」または「R」であるか否かを判定する。シフト判定部50fは、シフトポジションPOSshが「1st」または「R」であると判定した場合、自動作動によって自動クラッチ14の係合を実行するように指示する第6指令信号をクラッチ制御部50iに送る。なお、自動作動とは、自動クラッチ14がドライバーによるクラッチペダル30の手動操作である踏込量に基づかずに係合されたり解放されたりする作動をいう。また、シフト判定部50fは、シフトポジションPOSshが「1st」および「R」のいずれでもないと判定した場合、手動作動によって自動クラッチ14の係合を実行するように指示する第5指令信号をクラッチ制御部50iに送る。
前述したクラッチ係合速度とは、自動クラッチ14が係合を開始してから係合が完了するまでの速さ、すなわち半クラッチ状態となっている期間の時間である。半クラッチ状態となっている期間の時間が短いほどクラッチ係合速度は速い。よって、自動クラッチ14のクラッチ係合速度が速いほど自動クラッチ14の係合は早く完了するが、このときには動力伝達経路に加わる負担は比較的大きく、また自動クラッチ14のクラッチ係合速度が遅いほど自動クラッチ14の係合は遅く完了するが、このときには動力伝達経路に加わる負担は比較的小さい。なお、後述する自動クラッチ14の係合開始時間とは、クラッチペダル30の戻し操作時点から自動クラッチ14が係合を開始した状態(半クラッチ状態になり始めた状態)になる時点までの時間である。
エンジン回転速度判定部50gは、シフト判定部50fから指令信号が入力されると、例えばエンジン回転速度信号Engが表すエンジン回転速度Neに基づいて、エンジン回転速度Neが所定回転速度Zを超過しているか否かを判定する。すなわち、本判定では、エンジン回転速度Neが所定回転速度Z(正の値)を超過しているか否かが判定される。エンジン回転速度判定部50gは、エンジン回転速度Neが所定回転速度Zを超過していると判定した場合、エンジン回転速度Neを所定回転速度Z以下に下げるように指示する制限指令信号をエンジン回転速度制御部50hに送り、自動クラッチ14の係合開始の保留を指示する保留指令信号をクラッチ制御部50iに送る。また、エンジン回転速度判定部50gは、エンジン回転速度Neが所定回転速度Zを超過していないと判定した場合、手動作動によって自動クラッチ14の係合を指示する第5指令信号をクラッチ制御部50iに送る。
エンジン回転速度制御部50hは、エンジン回転速度判定部50gから制限指令信号が入力されると、エンジン12にエンジン制御信号Sengを送ってエンジン回転速度Neを所定回転速度Z以下に下げる。そして、エンジン回転速度制御部50hは、自動作動によって自動クラッチ14の係合を指示する第6指令信号をクラッチ制御部50iに送る。また、エンジン回転速度制御部50hは、クラッチ制御部50iから後述の解除指令信号が入力されると、エンジン回転速度Neを所定回転速度Z以下に制限する制御を解除し、基本的にはアクセル開度信号Accが表すアクセル開度θaccに対応したエンジン回転速度Neとする制御を実行する。
クラッチ制御部50iは、エンジン回転速度判定部50gから保留指令信号が入力されると、自動クラッチ14の係合開始を保留して自動クラッチ14の解放を継続させるクラッチ制御信号Scltをクラッチアクチュエータ40に送る。
クラッチ制御部50iは、シフト判定部50fおよびエンジン回転速度判定部50gのいずれかから第5指令信号が入力されると、クラッチペダル30の手動操作である踏込量に基づく手動作動によって自動クラッチ14を係合するようにクラッチ制御信号Scltをクラッチアクチュエータ40に送り、またクラッチ制御部50iは、自動クラッチ14が係合される寸前にヒルホールド装置60の作動を解除するように指令する指令信号をヒルホールド制御部50jに送る。
クラッチ制御部50iは、エンジン回転速度制御部50hおよびシフト判定部50fのいずれかから第6指令信号が入力されると、クラッチペダル30の手動操作である踏込量に基づかない自動作動によって自動クラッチ14を係合させるクラッチ制御信号Scltをクラッチアクチュエータ40に送る。なお、前述の保留指令信号がクラッチ制御部50iに入力されていた場合には、保留指令信号は解除される。この自動作動による自動クラッチ14の係合にあたっては、クラッチ制御部50iは、後述する電子制御装置50が備える不図示のメモリに予め記憶されたエンジン回転速度Neとクラッチ係合速度との関係を規定した複数の係合速度マップから一の係合速度マップを選択してその選択した係合速度マップに基づいて自動クラッチ14を係合するようにクラッチ制御信号Scltをクラッチアクチュエータ40に送り、またクラッチ制御部50iは、自動クラッチ14が係合される寸前にヒルホールド装置60の作動を解除するように指令する指令信号をヒルホールド制御部50jに送る。
クラッチ制御部50iは、自動クラッチ14の係合後、エンジン回転速度Neを所定回転速度Z以下にする制限指令信号がエンジン回転速度制御部50hに送られている場合には、制限指令信号を解除する解除指令信号をエンジン回転速度制御部50hに送る。
図3は、図1の電子制御装置50による自動クラッチ14の係合制御の一例の要部を説明するフローチャートである。
図3のフローチャートは、例えば電子制御装置50において所定の時間(例えば、数ms)毎にスタートを繰り返して実行される。
まず、クラッチペダルON判定部50aに対応するステップS10において、クラッチペダル30がONであるか否かが判定される。ステップS10の判定が肯定される場合はステップS20が実行される。ステップS10の判定が否定される場合は、リターンが実行される。
車速判定部50bに対応するステップS20において、車速Vが所定速度X以下であるか否かが判定される。ステップS20の判定が肯定される場合はステップS30が実行される。ステップS20の判定が否定される場合はステップS120が実行される。
勾配判定部50cに対応するステップS30において、路面勾配θrdが所定角度Y以下であるか否かが判定される。ステップS30の判定が肯定される場合はステップS50が実行される。ステップS30の判定が否定される場合はステップS40が実行される。
ヒルホールド判定部50dに対応するステップS40において、ヒルホールド装置60が作動中であるか否かが判定される。ステップS40の判定が肯定される場合はステップS50が実行される。ステップS40の判定が否定される場合はステップS120が実行される。
クラッチペダルOFF判定部50eに対応するステップS50において、クラッチペダル30がOFFであるか否かが判定される。ステップS50の判定が肯定される場合はステップS60が実行される。ステップS50の判定が否定される場合は再度ステップS50が実行される。
シフト判定部50fに対応するステップS60において、シフトポジションPOSshが「1st」または「R」であるか否かが判定される。ステップS60の判定が肯定される場合はステップS70が実行される。ステップS60の判定が否定される場合はステップS100が実行される。
エンジン回転速度判定部50gに対応するステップS70において、エンジン回転速度Neが所定回転速度Zを超過しているか否かが判定される。ステップS70の判定が肯定される場合はステップS80が実行される。ステップS70の判定が否定される場合はステップS100が実行される。
エンジン回転速度制御部50hに対応するステップS80において、エンジン12のエンジン回転速度Neが所定回転速度Z以下に下げられる。そしてステップS90が実行される。このように、車両10が停車状態(車速V≦所定速度Xの場合)かつ平坦路(路面勾配θrd≦所定角度Yの場合)の場合には、車両10のずり下がりや後退が発生する可能性が低いので自動クラッチ14の係合開始時間が長くても問題がないため、ステップS80においてエンジン回転速度Neがその上限値を超えないように制限がかけられた後に自動クラッチ14の係合が行われることにより動力伝達経路に加わる負担が低減される。
クラッチ制御部50iに対応するステップS90において、複数の係合速度マップの中から一の係合速度マップが選択される。ステップS90では、エンジン回転速度Neが制限されていることによって動力伝達経路へ過剰な負担がかかる可能性は低く、また車両10は停車状態であるため、例えば後述の車両10が停車状態の場合の係合速度マップである基準係合速度マップM0が選択される。そしてステップS100が実行される。
クラッチ制御部50iに対応するステップS100において、自動クラッチ14が係合される。なお、ステップS80が実行される場合には、エンジン回転速度Neを制限する制御のために自動クラッチ14の係合開始が保留され、すなわち自動クラッチ14の係合開始時間が長く設定され、エンジン回転速度Neが所定回転速度Z以下になった後に自動作動によって自動クラッチ14が係合される。一方、ステップS80が実行されない場合には、自動クラッチ14の係合開始が保留される必要がないため、手動作動によって自動クラッチ14が係合される。そしてステップS110が実行される。
エンジン回転速度制御部50hに対応するステップS110において、エンジン回転速度Neが所定回転速度Z以下に制限される制御が解除され、以後、基本的にはアクセル開度信号Accが表すアクセル開度θaccに対応したエンジン回転速度Neとされる制御が実行される。そしてリターンが実行される。
クラッチペダルOFF判定部50eに対応するステップS120において、クラッチペダル30がOFFであるか否かが判定される。ステップS120の判定が肯定される場合はステップS130が実行される。ステップS120の判定が否定される場合は再度ステップS120が実行される。
シフト判定部50fに対応するステップS130において、シフトポジションPOSshが「1st」または「R」であるか否かが判定される。ステップS130の判定が肯定される場合はステップS140が実行される。ステップS130の判定が否定される場合はステップS150が実行される。
クラッチ制御部50iに対応するステップS140において、シフトポジションPOSshおよび車速Vに応じて、複数の係合速度マップの中から一の係合速度マップが選択される。そしてステップS150が実行される。このように、車両10が走行中(車速V>所定速度Xの場合)や坂路発進時(路面勾配θrd>所定角度Yの場合)の場合には、自動クラッチ14の係合開始時間が長いとドライバーに違和感が生じたり車両10のずり下がりや後退が生じたりしやすいため、自動クラッチ14のクラッチ係合速度が調整されることにより動力伝達経路に加わる負担が低減される。
クラッチ制御部50iに対応するステップS150において、自動クラッチ14が係合される。なお、ステップS140が実行される場合には、選択された係合速度マップに基づいて自動作動によって自動クラッチ14が係合される。一方、ステップS140が実行されない場合には、係合速度マップが選択されず手動作動によって自動クラッチ14が係合される。そしてリターンが実行される。
図4は、図3のフローチャートにおけるシフトポジションPOSshが「1st」のときにステップS140で選択される自動クラッチ14の係合速度マップの例示である。
電子制御装置50が備える不図示のメモリは、エンジン回転速度Neとクラッチ係合速度との関係を規定した複数の係合速度マップを予め記憶している。各係合速度マップは、エンジン回転速度Neが大きいほどクラッチ係合速度が遅くなるように規定されているが、クラッチ係合速度には上限値があるため、エンジン回転速度Neが小さくなってもクラッチ係合速度がその上限値以上に速くならないようになっている。
複数の係合速度マップの中には、車両10が停車状態の場合の係合速度マップである基準係合速度マップM0がある。基準係合速度マップM0では、車速Vがゼロの場合において、自動クラッチ14の入力軸側がエンジン回転速度Neとされた場合、自動クラッチ14を係合しても動力伝達経路に加わる負担が過剰にならないようにエンジン回転速度Neと自動クラッチ14のクラッチ係合速度との関係を規定したものである。前述したように、自動クラッチ14のクラッチ係合速度が速いほど動力伝達経路に加わる負担が大きくなるため、エンジン回転速度Neが大きいほどクラッチ係合速度が遅くなるように規定されている。そして、エンジン回転速度Neが同じであれば、基準係合速度マップM0よりもクラッチ係合速度を速くした係合速度マップMff1、係合速度マップMff1よりもさらにクラッチ係合速度を速くした係合速度マップMff2がある。また、エンジン回転速度Neが同じであれば、基準係合速度マップM0よりもクラッチ係合速度を遅くした係合速度マップMfs1、係合速度マップMfs1よりもさらにクラッチ係合速度を遅くした係合速度マップMfs2がある。
車両10が停車状態に近いときは基準係合速度マップM0が選択される。車両10の前進側の車速Vが大きくなると係合速度マップMff1が選択され、さらに車両10の前進側の車速Vが大きくなると係合速度マップMff2が選択される。また、車両10の後進側の車速Vが大きくなると係合速度マップMfs1が選択され、さらに車両10の後進側の車速Vが大きくなると係合速度マップMfs2が選択される。
図5は、図3のフローチャートにおけるシフトポジションPOSshが「R」のときにステップS140で選択される自動クラッチ14の係合速度マップの例示である。
図5に示すように、クラッチ制御部50iは複数の係合速度マップを予め記憶している。車両10が停車状態の場合の係合速度マップは、前述の図4における基準係合速度マップM0と同じである。エンジン回転速度Neが同じであれば、基準係合速度マップM0よりもクラッチ係合速度を速くした係合速度マップMrf1、係合速度マップMrf1よりもさらにクラッチ係合速度を速くした係合速度マップMrf2がある。また、エンジン回転速度Neが同じであれば、基準係合速度マップM0よりもクラッチ係合速度を遅くした係合速度マップMrs1、係合速度マップMrs1よりもさらにクラッチ係合速度を遅くした係合速度マップMrs2がある。
車両10が停車状態に近いときは基準係合速度マップM0が選択される。車両10の後進側の車速Vが大きくなると係合速度マップMrf1が選択され、さらに車両10の後進側の車速Vが大きくなると係合速度マップMrf2が選択される。また、車両10の前進側の車速Vが大きくなると係合速度マップMrs1が選択され、さらに車両10の前進側の車速Vが大きくなると係合速度マップMrs2が選択される。
図4および図5で例示したように、クラッチ係合速度が異なる複数の係合速度マップの中から一の係合速度マップが選択されることにより、エンジン回転速度Neおよび車速Vに応じて自動クラッチ14の係合の際のクラッチ係合速度が調整されることとなる。
本実施例の電子制御装置50によれば、車両10が停車状態(車速V≦所定速度Xの場合)、且つ平坦路(路面勾配θrd≦所定角度Yの場合)では車両10のずり下がりや後退が発生する可能性が低いので自動クラッチ14の係合開始時間が長くても問題がないため、エンジン回転速度Neが所定回転速度Z以下になるように制限がかけられて自動クラッチ14の係合が行われることにより動力伝達経路に加わる負担が低減される。一方、車両10が走行中(車速V>所定速度Xの場合)や坂路発進時(路面勾配θrd>所定角度Yの場合)には自動クラッチ14の係合開始時間が長いとドライバーに違和感が生じたり車両10のずり下がりや後退が生じたりしやすいため、自動クラッチ14のクラッチ係合速度が調整されることにより動力伝達経路に加わる負担が低減される。このように、電子制御装置50はドライバーに違和感が生じたり車両10のずり下がりや後退が生じたりすることを抑制しつつ、動力伝達経路に加わる負担を低減し自動クラッチ14を構成するクラッチディスクやフライホイールの摩耗を低減することができる。
本実施例の車両10の電子制御装置50によれば、車両10が停車状態(車速V≦所定速度Xの場合)、且つ平坦路ではないとき(路面勾配θrd>所定角度Yの場合)であってもヒルホールド装置60が作動中である場合は、車両10のずり下がりや後退が発生する可能性が低いので自動クラッチ14の係合開始時間が長くても問題がないため、エンジン回転速度Neが所定回転速度Z以下になるように制限がかけられて自動クラッチ14の係合が行われることにより動力伝達経路に加わる負担が低減される。
本実施例の車両10の電子制御装置50によれば、車両10が走行中や坂路発進時において、シフトポジションPOSshが前進走行ポジションである「1st」の場合には、エンジン回転速度Neが同じであれば前進側の車速Vが大きいほどクラッチ係合速度を速くして自動クラッチ14の係合が行われ、シフトポジションPOSshが後進走行ポジションである「R」の場合には、エンジン回転速度Neが同じであれば後進側の車速Vが大きいほどクラッチ係合速度を速くして自動クラッチ14の係合が行われる。シフトポジションPOSshで選択されたドライバーの要求する進行方向に対して、車両10の当該進行方向における車速Vが大きいときには、動力伝達経路に加わる負担は比較的小さいので自動クラッチ14のクラッチ係合速度が速くされ自動クラッチ14の係合が早く完了される。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
前述の実施例では、車両10の駆動輪20を駆動する動力は、内燃機関であるエンジン12によるものであったが、これに限らない。例えば、電気自動車のように電気エネルギーで回転力を得る電動機を利用したものでも良く、また、内燃機関であるエンジンと電動機との両方を備えたハイブリッドシステムによるものでも良い。この場合、エンジン回転速度判定部50gは、車両10の駆動輪20を駆動する原動機である電動機やエンジンおよび電動機による自動クラッチ14の入力軸側の回転速度を判定する原動機回転速度判定部として機能し、エンジン回転速度制御部50hは、自動クラッチ14の入力軸側の回転速度を所定回転速度Z以下に制限する制御を行う原動機回転速度制御部として機能する。
前述の実施例では、手動作動においてクラッチペダル30の操作に対応してエンジン12と手動変速機16との間の動力伝達経路が自動クラッチ14で断接されていたが、これに限らない。例えば、ドライバーによるシフトレバー72の操作によって、そのシフトレバー72に配設された操作加重センサからの出力に基づいて、エンジン12と手動変速機16との間の動力伝達経路が自動クラッチ14で断接される型式の車両であっても良い。
前述の実施例では、変速機はドライバーの手動操作に基づいて変速段を選択する手動変速機16であったが、これに限らない。例えば、アクチュエータによってシフトセレクト操作が行われることにより変速段が切り換えられる常時噛合型平行軸式変速機等の自動変速機であっても良い。
前述の実施例では、自動クラッチ14は、乾式単板式の摩擦クラッチであったが、これに限らない。湿式や多板式の摩擦クラッチの他、電磁クラッチや磁粉式電磁クラッチでも良い。
前述の実施例では、路面勾配θrdは車両10に配設された勾配センサ214から検出していたが、これに限らない。例えば、路面勾配θrdに関する情報を含む地図情報をクラウドサービス等から通信手段を介して取得することで路面勾配θrdを検出しても良い。
前述の実施例では、図3のフローチャートは、所定の時間(例えば、数ms)毎にスタートを繰り返して実行されたが、これに限らない。例えば、クラッチペダル30の踏込操作が行われたことをトリガーとして、フローチャートのスタートがされても良い。この場合、図3のフローチャートでは、ステップS10が省略される。
前述の実施例の図3のフローチャートでは、ステップS50(クラッチペダル30のOFF判定)、ステップS60(シフトポジションPOSshの判定)、ステップS70(エンジン回転速度Neの判定)、ステップS80(エンジン回転速度Neの制御)、およびステップS90(係合速度マップの選択)の順序でフローが流れていたが、これに限らない。例えば、ステップS60、ステップS70、ステップS80、およびステップS90の後に、ステップS50が実行されても良い。これにより、クラッチペダル30の戻し操作が開始される前にステップS60乃至ステップS90が実行されるため、自動クラッチ14の係合開始時間が短くできる。
前述の実施例の図3のフローチャートでは、ステップS120(クラッチペダル30のOFF判定)、ステップS130(シフトポジションPOSshの判定)、およびステップS140(係合速度マップの選択)の順序でフローが流れていたが、これに限らない。例えば、ステップS130およびステップS140の後に、ステップS120が実行されても良い。これにより、クラッチペダル30の戻し操作が開始される前にステップS130およびステップS140が実行されるため、自動クラッチ14の係合開始時間が短くできる。
前述の実施例の図3のフローチャートでは、ステップS50およびステップS120でのクラッチペダル30のOFF判定は、好適には自動クラッチ14が半クラッチ状態となるクラッチペダル30の操作量となる前にクラッチペダル30がOFFであることを検出するとしていたが、これに限らない。動力伝達経路に過剰な負担がかからないのであれば、半クラッチ状態となるクラッチペダル30の操作量となる後にクラッチペダル30がOFFであることを検出しても良い。
前述の実施例の図3のフローチャートでは、シフトポジションPOSshが「1st」または「R」の場合に、係合速度マップを変更してクラッチ係合速度を変える制御がなされたが、これに限らない。例えば、シフトポジションPOSshが「2nd」〜「6th」のいずれかである場合にも、シフトポジションPOSsh毎にエンジン回転速度Neとクラッチ係合速度との関係が異なる規定の係合速度マップが選択されても良い。また、路面勾配θrdに応じてエンジン回転速度Neとクラッチ係合速度との関係が異なる規定の係合速度マップが選択されても良い。
なお、上述したのはあくまでも本発明の実施例であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両
12:エンジン(原動機)
14:自動クラッチ
16:手動変速機(変速機)
30:クラッチペダル
40:クラッチアクチュエータ
50:電子制御装置(車両の制御装置)
60:ヒルホールド装置
Ne:エンジン回転速度(原動機回転速度)
POSsh:シフトポジション
V:車速
X:所定速度
Y:所定角度
Z:所定回転速度
θrd:路面勾配

Claims (1)

  1. 原動機と変速機との間を断接する自動クラッチを備える車両の、制御装置であって、
    前記車両の車速が所定速度以下、且つ路面勾配が所定角度以下の場合は、前記原動機の回転速度である原動機回転速度を所定回転速度以下に制限して前記自動クラッチの係合を行う第1制御を実行し、
    前記車速が前記所定速度を超過および前記路面勾配が前記所定角度を超過の少なくとも一方の場合は、前記原動機回転速度が大きいほどクラッチ係合速度を遅くして前記自動クラッチの係合を行う第2制御を実行する
    ことを特徴とする車両の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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