JP2019089043A - 金属イオン吸着材及びこれを用いた複合吸着材 - Google Patents

金属イオン吸着材及びこれを用いた複合吸着材 Download PDF

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Abstract

【課題】既存のイオン交換樹脂、ヒドロキシアパタイト、ゼオライトとは異なる吸着材としてチタン酸アルカリ金属塩をバインダーにより凝集した金属イオン吸着剤であって、特定のバインダーを使用することによって吸着性能や強度を向上させた新たな金属イオン吸着材とともに、これを用いた複合吸着材及び濾過部材をを提供する。【解決手段】硝酸ナトリウムをフラックス剤とするフラックス法を用いて結晶育成したチタン酸ナトリウム塩の結晶性微粒子と、結晶性微粒子の6〜20重量%に相当する重量のポリエチレン系樹脂バインダーとの混合によりなる結晶性微粒子混合物である金属イオン吸着材を得る。当該金属イオン吸着材と活性炭を混合して複合吸着材を得る。複合吸着材を備えて濾過部材とする。【選択図】図1

Description

本発明は金属イオン吸着材及びこれを用いた複合吸着材に関し、特に、チタン酸アルカリ金属塩を用いて金属イオンの吸着性能を高めた金属イオン吸着材であり、さらにこれを用いた複合吸着材に関する。
活性炭は発達した多孔質により様々な分子を吸着可能である。また、原料自体も安価であることから、産業用もしくは家庭用と問わず広汎に使用されている。活性炭の吸着対象は主に活性炭表面の細孔径や容積、細孔の分布等に依存する。そのため、目的に合わせて原料となる炭素源、焼成や賦活の条件が適切に選択される。
しかしながら、一般的に活性炭は金属イオンの吸着に適してはいないため、活性炭と他の吸着剤を組み合わせて使用することは一般的である。具体的には、活性炭とイオン交換樹脂等の有機系吸着剤、ヒドロキシアパタイト、又はゼオライト等の無機吸着剤との組み合わせが提案されている。無機吸着剤はイオン交換作用を有するため、水中からの重金属イオンを除去する際に有効である。特に人口増加に伴う水の需要増大と環境悪化から、重金属の除去は安全な飲料用水の確保において喫緊の課題である。
金属イオンの吸着にイオン交換樹脂を使用する場合、イオン交換樹脂が高価であるとともに嵩高である。このため、製品原価を引き下げることができず、小型化も難しい。ヒドロキシアパタイトの場合、イオン交換能力が十分ではない。そこで、金属イオン吸着率に優れたゼオライトの利用が検討されてきた。
例えば、交換可能な全陽イオン量の60モル%以上がカルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンで置換されたゼオライトを活性炭の表面にバインダーを用いて付着させた重金属イオン吸着剤が提案されている(特許文献1参照)。また、非結晶チタノシリケート系化合物又はA型もしくはX型ゼオライトからなる微粒子化合物にプラスチック粉末を3〜20重量%になるように付着させた複合粉末と、粉末状、粒状物及び繊維状物から選ばれた少なくとも1種のプラスチック粉末が未付着の吸着性物質とからなる複合吸着材が提案されている(特許文献2参照)。
前記のゼオライトを使用した吸着材は、良好な金属イオンの吸着性能を有する。しかし、吸着材に含まれるゼオライトからのアルミニウムの溶出のおそれも指摘されている。そのため、さらに別の吸着材を必要とする。また、ゼオライト等の吸着材が樹脂バインダーを用いて凝集されるため、吸着性能が十分に発揮されない。
一連の経緯から、前述のイオン交換樹脂、ヒドロキシアパタイト、ゼオライトの吸着材によると、吸着装置の小型化を実現することは難しい。例えば、家庭用の浄水器のように、少ない設置場所で効率良く各種の対象物を吸着することを勘案すると更なる性能向上が求められる。そこで、既存のイオン交換樹脂、ヒドロキシアパタイト、ゼオライトのいずれとも異なる新たな金属イオン、特には重金属イオンの吸着に効果を発揮する吸着材が求められていた。
このような経緯を踏まえ、発明者らは新たな吸着材を模索したところ、チタン酸アルカリ金属塩が金属イオンの吸着に良好であることを見出し、チタン酸アルカリ金属塩の金属イオン吸着能力を低下させることなくバインダーにより凝集可能とした新たな吸着材を完成するに至った(特許文献3参照)。
国際公開WO2005/009610 特許第4361489号公報 特開2015−229122号公報
本発明は、上記状況に鑑み提案されたものであり、既存のイオン交換樹脂、ヒドロキシアパタイト、ゼオライトとは異なる吸着材としてチタン酸アルカリ金属塩をバインダーにより凝集した金属イオン吸着剤であって、特定のバインダーを使用することによって吸着性能や強度を向上させた新たな金属イオン吸着材とともに、これを用いた複合吸着材及び濾過部材を提供する。
すなわち、第1の発明は、フラックス法を用いて結晶育成したチタン酸アルカリ金属塩の結晶性微粒子と、前記結晶性微粒子の6〜20重量%に相当する重量のポリエチレン系樹脂バインダーとの混合によりなる結晶性微粒子混合物であることを特徴とする金属イオン吸着材に係る。
第2の発明は、前記チタン酸アルカリ金属塩がチタン酸ナトリウム塩である第1の発明に記載の金属イオン吸着材に係る。
第3の発明は、前記チタン酸ナトリウム塩の結晶育成に際し、フラックス剤が硝酸ナトリウムである第2の発明に記載の金属イオン吸着材に係る。
第4の発明は、前記結晶性微粒子の平均粒子径が1〜100μmである第1ないし3の発明のいずれかに記載の金属イオン吸着材に係る。
第5の発明は、前記ポリエチレン系樹脂バインダーがエマルジョンの形態である第1ないし4の発明のいずれかに記載の金属イオン吸着材に係る。
第6の発明は、前記ポリエチレン系樹脂バインダーが、ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、又はエチレン酢酸ビニル共重合体である第1ないし5の発明のいずれかに記載の金属イオン吸着材に係る。
第7の発明は、第1ないし6の発明のいずれかに記載の結晶性微粒子混合物と、活性炭とを含有することを特徴とする複合吸着材に係る。
第8の発明は、第7の発明に記載の複合吸着材を有してなることを特徴とする濾過部材に係る。
第1の発明に係る金属イオン吸着材によると、フラックス法を用いて結晶育成したチタン酸アルカリ金属塩の結晶性微粒子と、前記結晶性微粒子の6〜20重量%に相当する重量のポリエチレン系樹脂バインダーとの混合によりなる結晶性微粒子混合物であるため、金属イオンの吸着性能や強度を向上させることができる。
第2の発明に係る金属イオン吸着材によると、第1の発明において、前記チタン酸アルカリ金属塩がチタン酸ナトリウム塩であるため、安価に製造することができる。
第3の発明に係る金属イオン吸着材によると、第2の発明において、前記チタン酸ナトリウム塩の結晶育成に際し、フラックス剤が硝酸ナトリウムであるため、金属成分が不純物とならず、水洗により洗浄除去が可能である。また、硝酸分は加熱により揮発可能であり不純物となりにくい。
第4の発明に係る金属イオン吸着材によると、第1ないし3の発明のいずれかにおいて、前記結晶性微粒子の平均粒子径が1〜100μmであるため、結晶育成に要する時間は短い。
第5の発明に係る金属イオン吸着材によると、第1ないし4の発明のいずれかにおいて、前記ポリエチレン系樹脂バインダーがエマルジョンの形態であるため、造粒が容易となりつつ、微粉の流出を抑えることができる。
第6の発明に係る金属イオン吸着材によると、第1ないし5の発明のいずれかにおいて、前記ポリエチレン系樹脂バインダーが、ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、又はエチレン酢酸ビニル共重合体であるため、吸着性能に優れつつ、機械的強度を高めることができる。
第7の発明に係る複合吸着剤によると、第1ないし6の発明のいずれかに記載の結晶性微粒子混合物と、活性炭とを含有するため、より多様な吸着対象に対応することができる。
第8の発明に係る濾過部材は、第7の発明に記載の複合吸着材を有してなるため、浄水器への適用が簡便となる。
本発明の金属イオン吸着材の製造を説明する概略工程図である。 本発明の複合吸着材の使用例を示す概略図である。 本発明の濾過部材の使用例を示す概略図である。
本発明の金属イオン吸着材は、チタン酸アルカリ金属塩の結晶性微粒子とポリエチレン系樹脂バインダーが混合され凝集して、造粒により適度な粒状物として形成される。チタン酸アルカリ金属塩の結晶格子内には金属イオンが捕捉される。この金属イオンは、主に鉛、鉄、マンガン、亜鉛、銅、カドミウム等の重金属イオンである。そして、当該チタン酸アルカリ金属塩の結晶性微粒子の造粒物に別種の吸着材が組み合わされることにより、さらに吸着対象を広げた複合吸着材に仕上げられる。
チタン酸アルカリ金属塩は、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属塩と酸化チタンの混合加熱により生じる。この場合、特に、フラックス法により結晶育成が行われる。フラックス法の利点は、後述のフラックス剤を一緒に添加することで原料化合物の溶融時の融点を低下させることができる。このため、生産に必要なエネルギー効率が良くなる。また、原料化合物から最終生成物に至る過程、時間を短縮することができる。金属イオン吸着材は、いわば濾過材となるため、大量に求められる。このことからも、生産効率良く量産化可能なフラックス法は極めて有効である。
チタン酸アルカリ金属塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等のいずれとすることができる。この場合、後述の金属イオン吸着の試作例の結果と原料費等を勘案して安価に製造できるチタン酸ナトリウム塩が好ましい。当該チタン酸アルカリ金属塩は三チタン酸塩であり、主に三チタン酸ナトリウム塩である。他に二チタン酸塩、四チタン酸塩等の結晶形態も含まれる。フラックス法の場合、低融点下で短時間の反応であるため、複数の結晶種類が生じやすいと考えられる。
チタン酸アルカリ金属塩の結晶育成に際し、原料となるアルカリ金属塩には炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、炭酸カリウム、塩化カリウム等が使用される。そして、酸化チタンが添加される。酸化チタンはアナターゼ型が好ましい。酸化チタンは作業性の点から粉末状が好ましく用いられる。
そして、アルカリ金属塩及び酸化チタンに、フラックス剤として、硝酸ナトリウムが用いられる。硝酸ナトリウムは、前出のアルカリ金属塩の炭酸ナトリウムと同一の金属成分であり不純物とならず、水洗により洗浄除去が可能である。また、硝酸ナトリウムの硝酸分は加熱により揮発可能であり不純物となりにくい。なお、いずれの化合物をフラックス剤に採用するのかは、原料化合物の種類、溶融温度の制御等の条件を勘案して選択される。
フラックス法を用いて結晶育成されたチタン酸アルカリ金属塩の結晶性微粒子は、通常の結晶育成により生じた粒子よりも細かな粒子となる。この場合、結晶性微粒子の平均粒子径は1ないし100μmである。これは、フラックス法において多く生じる現象である。フラックス法は低融点、短時間の利点を備えるものの、その分、結晶育成に要する時間は短くなり、大きな結晶を育成することは容易ではない。
このように、結晶性微粒子のままでは、沈殿に時間を要したり濾過部材に組み込んだ場合に流水中に流出したりするおそれがある。そこで、チタン酸アルカリ金属塩の金属イオンの吸着能力の低下を抑えつつ、結晶性微粒子を凝集させてより大きな粒状物に加工できれば都合よいといえる。そのため、結晶性微粒子同士を結着させて造粒するために、チタン酸アルカリ金属塩の結晶性微粒子の6〜20重量%に相当する重量のポリエチレン系樹脂バインダーが配合される。
ポリエチレン系樹脂バインダーは、安価であり、大量に使用される点から好都合である。ポリエチレン系樹脂(熱可塑性樹脂)は、熱硬化性樹脂よりも靱性に優れ、熱加工が容易である。ポリエチレン系樹脂をバインダーとして用いることによって、材料強度、特に弾性や延性が高くなり、水圧による材料の崩壊や脱離が生じにくくなり、微粒子の流出を防ぐことができる。特に、ポリエチレン系樹脂バインダーとして好適に用いられるのは、ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、又はエチレン酢酸ビニル共重合体である。
続いて図1の概略工程図を用いながら金属イオン吸着材の製造工程について説明する。はじめに原材料となるアルカリ金属塩(Na2CO3等)と酸化チタン(TiO2等)が所定量ずつ計量され用意される。ここにフラックス剤(NaNO3等)も所定の計量後に添加される。これら3種類の化合物は約500℃ないし600℃に加熱されて結晶育成が進む。こうして、まず、チタン酸アルカリ金属塩の結晶性微粒子を得ることができる。フラックス剤を添加することなくチタン酸アルカリ金属塩の結晶育成をする場合、通常1000℃以上の加熱が必要となる。
チタン酸アルカリ金属塩の結晶性微粒子は適宜水洗され、ポリエチレン系樹脂バインダーが添加される。ポリエチレン系樹脂バインダーを、エマルジョンの形態とすると、結晶性微粒子となじみやすくなってムラが生じにくくなるため、容易に造粒が可能となり好ましい。ここで加熱乾燥を通じて結晶性微粒子は凝集して造粒物となる。その後、サイクロンや所望の目開きの篩による篩別を経て、粒径別に分級される。こうして、チタン酸アルカリ金属塩の結晶性微粒子の造粒物である金属イオン吸着材が出来上がる。ポリエチレン系樹脂バインダーを、ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、又はエチレン酢酸ビニル共重合体とすると、適度の柔軟性を有し、衝撃等によっても破損しにくく微粉が流出しにくくなるため好ましい。
これまでに詳述の金属イオン吸着材は、後記の試作例に開示するように、鉛、鉄、マンガン、亜鉛、銅、カドミウム等の重金属イオンの吸着に効果を発揮する。そこで、さらに金属イオン吸着材と、各種有機化合物の吸着に効果的な活性炭とが混合されて複合吸着材が形成される。活性炭はその細孔の制御により多様な吸着対象に対応することができる。例えば、トリハロメタン類の吸着用途としては、特開2013−220413号公報等に開示の活性炭が好適である。
図2の概略図からも把握されるように、金属イオン吸着材Amと活性炭Cが適量ずつ混合され複合吸着材Mを得ることができる。例えば、複合吸着材Mは、図2(a)の濾過部材10内に収容される。濾過部材10の容器本体11の表面部15には細かな透過孔16が形成されている。容器本体11の内部に導水部14が備えられる。図2(b)のとおり、容器本体11に蓋部12が被せられ完全に複合吸着材Mが収容された状態となる。
こうして、複合吸着材Mを有してなる濾過部材10が出来上がる。被処理水(処理前の水)は濾過部材10の表面部15の透過孔16からその内部に侵入する。そして、被処理水は複合吸着材Mと接触することにより吸着、濾過が進む。そして、濾過後の被処理水(処理後の水)は導水部14から濾過部材10の外部に流出する。
当該濾過部材の主な用途として浄水器が挙げられる。図3の概略図に示すとおり、浄水器20は上水道の蛇口25の先端に装着される。水の切換部21の側部に濾過チャンバー23が備えられる。濾過部材10はこの濾過チャンバー23内に収容される。図中、符号22は切換レバー、24は固定蓋である。浄水器20には、中空糸フィルター、流量計等の各種部材も必要により取り付けられる。むろん、図示は濾過部材の一例であるため、これ以外の形態とすることも自在である。さらに、据え置き型や工場等での使用を想定して大規模処理装置とすることも可能である。特に、上水(水道水)等の飲料用水の水処理に有効である。
[使用原料]
チタン酸アルカリ金属塩としてチタン酸ナトリウム塩を使用した。チタン酸ナトリウム塩は、炭酸ナトリウム(大東化学株式会社製)及び酸化チタン(テイカ株式会社製)、フラックス剤となる硝酸ナトリウム(宇部興産株式会社製)を混合後、匣鉢に充填して蓋をして密封し、600℃で加熱し結晶育成した。その後、適宜の水洗を経てチタン酸ナトリウム塩の結晶性微粒子を調製した(当該調製物がフラックス法により結晶育成したチタン酸ナトリウム塩である。)。結晶性微粒子については、レーザー回折・散乱式 粒子径・粒度分布測定装置(株式会社島津製作所製:SALD−3000S)により測定した。平均粒径は、同測定装置を用いてレーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径とした。
ポリエチレン系樹脂バインダーは下記の種類を使用した。
三井化学株式会社製:ケミパール(登録商標)M200(濃度40%)(低密度ポリエチレン)
{以降、E1と表記する。}
三井化学株式会社製:ケミパールA100(エチレン−αオレフィン共重合体)
{以降、E2と表記する。}
三井化学株式会社製:ケミパールV200(エチレン酢酸ビニル共重合体)
{以降、E3と表記する。}
三井化学株式会社製:ミベロン(登録商標)(高分子量ポリエチレン)
{以降、E4と表記する。}
住友精化株式会社製:フローセン(登録商標)UF−1.5(微粉末ポリエチレン)
{以降、E5と表記する。}
続いて、他のバインダーとして下記の種類を使用した。
和光純薬工業株式会社製:水ガラス(溶質濃度52%)
{以降、C1と表記する。}
日産化学工業株式会社製:スノーテックO(粒子径10〜20nm,pH2〜4)(コロイダルシリカ)
{以降、C2と表記する。}
旭硝子株式会社製:FLUON(登録商標)(ポリテトラフルオロエチレン)
{以降、C3と表記する。}
多木化学株式会社製:第一リン酸アルミニウム
{以降、C4と表記する。}
日本合成化学工業株式会社製:ゴーセノール(登録商標)N−300(ポリビニルアルコール)
{以降、C5と表記する。}
複合吸着材の調製に際し、各試作例の金属イオン吸着材と活性炭を組み合わせた。この活性炭は、フタムラ化学株式会社製:粒状活性炭,CN5100S(粒径0.15〜0.30μm)を使用した。
[金属イオン吸着材の調製]
表1〜4に開示の各試作例のとおり、チタン酸ナトリウム塩結晶と各種のバインダーとの混合により、金属イオン吸着材を調製した。そして、各試作例の吸着剤の強度指数及び金属イオンごとの吸着率を測定した。
[複合吸着剤の作成]
また、表5〜8に示す通り、各試作例の吸着剤10部と活性炭90部とを混合して複合吸着剤とし、各試作例の初期微粉量及び溶解性鉛の除去性能を測定した。
〔試作例1〕
フラックス法結晶育成のチタン酸ナトリウム3.0kgに、低密度ポリエチレン(E1)のエマルジョン0.5kgを加え、均一に混合した。当該混合物を120℃で4時間かけて加熱乾燥した。その後、80/300メッシュ(上網目開き0.180mm、下網目開き0.045mm)の篩に通し、篩に残った混合物を金属イオン吸着材(試作例1)とした。試作例1では、チタン酸ナトリウム塩重量の6.7重量%がバインダー重量に相当する。
〔試作例2〕
フラックス法結晶育成のチタン酸ナトリウム3.0kgに、エチレン−αオレフィン共重合体(E2)のエマルジョン0.5kgを加え、均一に混合した。当該混合物を120℃で4時間かけて加熱乾燥した。その後、80/300メッシュ(上網目開き0.180mm、下網目開き0.045mm)の篩に通し、篩に残った混合物を金属イオン吸着材(試作例2)とした。試作例2では、チタン酸ナトリウム塩重量の6.7重量%がバインダー重量に相当する。
〔試作例3〕
フラックス法結晶育成のチタン酸ナトリウム3.0kgに、エチレン酢酸ビニル共重合体(E3)のエマルジョン0.5kgを加え、均一に混合した。当該混合物を120℃で4時間かけて加熱乾燥した。その後、80/300メッシュ(上網目開き0.180mm、下網目開き0.045mm)の篩に通し、篩に残った混合物を金属イオン吸着材(試作例3)とした。試作例3では、チタン酸ナトリウム塩重量の6.7重量%がバインダー重量に相当する。
〔試作例4〕
フラックス法結晶育成のチタン酸ナトリウム3.0kgに、エチレン酢酸ビニル共重合体(E3)のエマルジョン0.6kgを加え、均一に混合した。当該混合物を120℃で4時間かけて加熱乾燥した。その後、80/300メッシュ(上網目開き0.180mm、下網目開き0.045mm)の篩に通し、篩に残った混合物を金属イオン吸着材(試作例4)とした。試作例4では、チタン酸ナトリウム塩重量の8.0重量%がバインダー重量に相当する。
〔試作例5〕
フラックス法結晶育成のチタン酸ナトリウム3.0kgに、エチレン酢酸ビニル共重合体(E3)のエマルジョン0.8kgを加え、均一に混合した。当該混合物を120℃で4時間かけて加熱乾燥した。その後、80/300メッシュ(上網目開き0.180mm、下網目開き0.045mm)の篩に通し、篩に残った混合物を金属イオン吸着材(試作例5)とした。試作例5では、チタン酸ナトリウム塩重量の10.6重量%がバインダー重量に相当する。
〔試作例6〕
フラックス法結晶育成のチタン酸ナトリウム3.0kgに、高分子量ポリエチレン(E4)の粉末0.5kgを加え、均一に混合した。当該混合物を120℃で4時間かけて加熱乾燥した。その後、80/300メッシュ(上網目開き0.180mm、下網目開き0.045mm)の篩に通し、篩に残った混合物を金属イオン吸着材(試作例6)とした。試作例6では、チタン酸ナトリウム塩重量の16.7重量%がバインダー重量に相当する。
〔試作例7〕
フラックス法結晶育成のチタン酸ナトリウム3.0kgに、微粉末ポリエチレン(E5)の粉末0.5kgを加え、均一に混合した。当該混合物を120℃で4時間かけて加熱乾燥した。その後、80/300メッシュ(上網目開き0.180mm、下網目開き0.045mm)の篩に通し、篩に残った混合物を金属イオン吸着材(試作例7)とした。試作例7では、チタン酸ナトリウム塩重量の16.7重量%がバインダー重量に相当する。
〔試作例8〕
水ガラス(C1)20gをイオン交換水100mLに溶解して水ガラス液とした。フラックス法結晶育成のチタン酸ナトリウム塩60gに、この水ガラス液100mLを噴霧して均一に混合した。当該混合物を150℃で2時間かけて加熱乾燥した。その後、80/300メッシュ(上網目開き0.180mm、下網目開き0.045mm)の篩に通し、篩に残った混合物を金属イオン吸着材(試作例8)とした。試作例8では、チタン酸ナトリウム塩重量の18.5重量%がバインダー重量に相当する。
〔試作例9〕
フラックス法結晶育成のチタン酸ナトリウム塩60gに、コロイダルシリカ(C2)(溶質20%に希釈)のエマルジョン100mLを噴霧して均一に混合した。当該混合物を150℃で2時間かけて加熱乾燥した。その後、80/300メッシュ(上網目開き0.180mm、下網目開き0.045mm)の篩に通し、篩に残った混合物を金属イオン吸着材(試作例9)とした。試作例9では、チタン酸ナトリウム塩重量の20.0重量%がバインダー重量に相当する。
〔試作例10〕
フラックス法結晶育成のチタン酸ナトリウム塩60gに、ポリテトラフルオロエチレン(C3)(溶質濃度60%)のエマルジョン12.5mLを噴霧して均一に混合した。当該混合物を150℃で2時間かけて加熱乾燥した。その後、80/300メッシュ(上網目開き0.180mm、下網目開き0.045mm)の篩に通し、篩に残った混合物を金属イオン吸着材(試作例10)とした。試作例10では、チタン酸ナトリウム塩重量の12.5重量%がバインダー重量に相当する。
〔試作例11〕
フラックス法結晶育成のチタン酸ナトリウム塩60gに、第一リン酸アルミニウム(C4)(溶質濃度41.5%)の溶液50mLを噴霧して均一に混合した。当該混合物を150℃で2時間かけて加熱乾燥した。その後、80/300メッシュ(上網目開き0.180mm、下網目開き0.045mm)の篩に通し、篩に残った混合物を金属イオン吸着材(試作例11)とした。試作例11では、チタン酸ナトリウム塩重量の25.0重量%がバインダー重量に相当する。
〔試作例12〕
フラックス法結晶育成のチタン酸ナトリウム3.0kgに、ポリビニルアルコール(C5)の粉末0.4kgを加え、均一に混合した。当該混合物を120℃で4時間かけて加熱乾燥した。その後、80/300メッシュ(上網目開き0.180mm、下網目開き0.045mm)の篩に通し、篩に残った混合物を金属イオン吸着材(試作例12)とした。試作例12では、チタン酸ナトリウム塩重量の13.0重量%がバインダー重量に相当する。
〔試作例13〕
フラックス法結晶育成のチタン酸ナトリウム3.0kgに、エチレン酢酸ビニル共重合体(E3)のエマルジョン0.3kgを加え、均一に混合した。当該混合物を120℃で4時間かけて加熱乾燥した。その後、80/300メッシュ(上網目開き0.180mm、下網目開き0.045mm)の篩に通し、篩に残った混合物を金属イオン吸着材(試作例13)とした。試作例13では、チタン酸ナトリウム塩重量の4.0重量%がバインダー重量に相当する。
〔試作例14〕
フラックス法結晶育成のチタン酸ナトリウム3.0kgに、エチレン酢酸ビニル共重合体(E3)のエマルジョン0.4kgを加え、均一に混合した。当該混合物を120℃で4時間かけて加熱乾燥した。その後、80/300メッシュ(上網目開き0.180mm、下網目開き0.045mm)の篩に通し、篩に残った混合物を金属イオン吸着材(試作例14)とした。試作例14では、チタン酸ナトリウム塩重量の5.0重量%がバインダー重量に相当する。
〔試作例15〕
フラックス法結晶育成のチタン酸ナトリウム3.0kgに、エチレン酢酸ビニル共重合体(E3)のエマルジョン1.6kgを加え、均一に混合した。当該混合物を120℃で4時間かけて加熱乾燥した。その後、80/300メッシュ(上網目開き0.180mm、下網目開き0.045mm)の篩に通し、篩に残った混合物を金属イオン吸着材(試作例15)とした。試作例15では、チタン酸ナトリウム塩重量の21.6重量%がバインダー重量に相当する。
〔試作例16〕
フラックス法結晶育成のチタン酸ナトリウム3.0kgに、微粉末ポリエチレン(E5)の粉末0.15kgを加え、均一に混合した。当該混合物を120℃で4時間かけて加熱乾燥した。その後、80/300メッシュ(上網目開き0.180mm、下網目開き0.045mm)の篩に通し、篩に残った混合物を金属イオン吸着材(試作例16)とした。試作例16では、チタン酸ナトリウム塩重量の5.0重量%がバインダー重量に相当する。
〔試作例17〕
フラックス法結晶育成のチタン酸ナトリウム3.0kgに、微粉末ポリエチレン(E5)の粉末0.66kgを加え、均一に混合した。当該混合物を120℃で4時間かけて加熱乾燥した。その後、80/300メッシュ(上網目開き0.180mm、下網目開き0.045mm)の篩に通し、篩に残った混合物を金属イオン吸着材(試作例17)とした。試作例17では、チタン酸ナトリウム塩重量の22.0重量%がバインダー重量に相当する。
[強度指数の測定]
100ccのステンレス製ポットに直径5mmの鉄球5つと各試作例を5.0gを充填し、微粉粉砕機で4分間振動させた。粉砕したサンプルを取り出し、330メッシュ(目開き0.045mm)の網で篩い、試料全量当たりの篩上の残量の割合から、強度指数を算出した。
強度指数(%)=篩上残量(g)/篩った試料全量(g)×100
[金属イオン吸着試験]
測定対象として、Pb、Fe、Mn、Zn、Cu、及びCdの6種類の金属塩を用意した。各金属イオン濃度を100μg/Lとしてイオン交換水中に溶解して、6種の金属イオンを含有する試験原液を調製した。水中の金属イオン量の測定に際し、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社,原子吸光光度計(iCE3000シリーズ)を使用した。
300mLの三角フラスコに試験原液100mLを分取して、試作例の金属イオン吸着材を0.1gずつ添加した。三角フラスコごと24時間振とうして吸着した。振とう停止後、1時間静置して上清(上澄み)を分取し、東洋濾紙株式会社製,ディスポーザブルフィルターユニットDISMIC(孔径0.2μm)により濾過した。当該濾液を前記の原子吸光光度計により測定した。
金属イオンの吸着率(Ads)(%)は下記のとおりとして、ひとつの試作例及び比較例について6種の金属イオン毎に算出した。
吸着率Ads(%)=〔1−{(試験原液濃度Ds−吸着後濃度Da)/試験原液濃度Ds}〕×100
各試作例について、バインダーの種類と形態、チタン酸ナトリウム塩重量に対するバインダー重量の割合(重量%)と、強度指数、金属イオン吸着材の各金属イオンの吸着率(%)を表1〜4に示した。
Figure 2019089043
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[濾過部材の作成]
発明者は、前述のとおり試作例に開示の金属イオン吸着材が各種金属イオンの良好な吸着能力を示すことを明らかにした。この結果を踏まえ、金属イオン吸着に有効なチタン酸ナトリウム塩と、既存の吸着材として多用されている活性炭とを組み合わせて複合吸着材を作成した。当該複合吸着材について実際の浄水器における使用を想定し、通水に伴う微粉末の発生、水道水(上水)の評価項目であるPb(鉛イオン)の吸着性能により、複合吸着材の良否を検討した。各試作例の調製により得た金属イオン吸着材10gと、前出の粒状活性炭(CN5100S)90gを均一に混合して複合吸着材を作成した。直径40mmのステンレス製のカラムに該複合吸着材を54cc充填して濾過部材を作成した。
[微粉量発生の評価]
各試作例を含む各濾過部材に、RO水を2.0L/min(SV:2222hr-1)の流速で通水した。通水初期(通水開始から)の濾過部材を通過した水を100mL採取し、採取した水の吸光度を分光光度計(株式会社島津製作所製:UVmini−1240、波長660nm、100mmセル使用)により吸光度を求めた。当該吸光度が低いほど透明であり、高くなると濁りが増す。
[溶解性鉛の除去性能の測定]
各試作例を含む各濾過部材に、50ppbの溶解性鉛を含む原水を調製し、2.0L/min(SV:2222hr-1)の流速で通水した。濾過部材による溶解性鉛(鉛イオン)の除去率を測定し、除去率が80%となった時点の通水量を複合吸着材の充填量(54cc)で割った値を性能値(L/cc)として測定した。
溶解性鉛の除去性能(L/cc)=除去率が80%となった時点の通水量(L)/複合吸着材の充填量(54cc)
各試作例と活性炭を用いた複合吸着剤よりなる濾過部材の初期微粉値(ABS)と溶解性鉛の除去性能(L/cc)を表5〜8に示した。
Figure 2019089043
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Figure 2019089043
Figure 2019089043
上記表1〜8をもとに、それぞれの試験結果についての評価及び総合評価を表9〜12にまとめた。
強度指数(%)が、86.0以上を「A」とし、80.0〜85.9を「B」とし、79.9以下を「C」とした。
金属イオン吸着率(%)が、全て90%以上のものを「A」とし、1〜3種類が90%未満のものを「B」とし、4種全て90%未満のものを「C」とした。
初期微粉値(ABS)が、0.230以下のものを「A」とし、0.231〜0.300のものを「B」とし、0.301以上のものを「C」とした。
溶解性鉛の除去性能(L/cc)が、34.0以上のものを「A」とし、22.0〜33,9のものを「B」とし、21.9以下のものを「C」とした。
総合評価は、上記の4項目すべてが「A」のものを最良品として「◎」とし、「◎」以外のもののうち「C」がないものをを良品として「○」とし、「C」が1でもあれば「△」とし、4項目すべてが「C」のものを「×」とした。
Figure 2019089043
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Figure 2019089043
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[金属イオン吸着材の強度指数の結果と考察]
バインダーとしてポリエチレン系樹脂バインダーを使用していない試作例8〜12のいずれも強度指数が「C」であり満足できる水準に達していない。このことから、チタン酸ナトリウム塩同士と結着して壊れにくい造粒物となる部材は、試作例1〜7に開示のとおり、ポリエチレン系樹脂バインダーである。
また、バインダー量を多くした試作例15,17では結着力の向上により強度指数は向上する。逆に、バインダー量を少なくした試作例13,16では、強度指数が低下した。特に、ポリエチレン系樹脂バインダーであるエチレン酢酸ビニル重合体の配合量がチタン酸ナトリウム塩100重量部に対して4.0重量%である試作例13の結果及び、ポリエチレン系樹脂バインダーである微粉末ポリエチレンの配合量が5.0重量%である試作例16の結果から、その下限は6.0重量%以上であることが望ましいことが明らかとなった。
[金属イオン吸着材の吸着結果と考察]
試作例10〜12のいずれも金属イオンの吸着性能を示しつつも、満足できる水準に達しない。また、バインダー量を多くした試作例15及び17の結果も同様であることから、試作例3〜5及び14の吸着性能を鑑み、一定の吸着性能を確保する観点から、ポリエチレン系樹脂バインダーの配合量の上限が20.0重量%であると考えられる。
[濾過部材の初期微粉量の結果と考察]
試作例8〜14及び16のいずれも初期微粉量が満足できる水準に達しない。試作例1〜7,15及び17の結果から、ポリエチレン系樹脂バインダーは微粉末の発生を抑制して良好であることを示した。濾過部材(複合吸着材)を構成する金属イオン吸着材に使用されるバインダーの種類はポリエチレン系樹脂バインダーが望ましく、その配合量の下限が6.0重量%以上であることが望ましいことが確認された。このことから、従来から浄水器に多く使用されている活性炭に、金属イオン吸着性能を備えた金属イオン吸着材(チタン酸アルカリ金属塩の粒状物)が組み合わされることによって吸着(濾集、捕集)対象を容易に広げることができる。
[濾過部材の溶解性鉛の除去性能の結果と考察]
試作例10〜12及び15〜17のいずれも溶解性鉛(鉛イオン)の吸着(除去)性能を示しつつも、満足できる水準に達しない。また、試作例1〜4のいずれも良好な結果を示していることから、濾過部材(複合吸着材)を構成する金属イオン吸着材に使用されるポリエチレン系樹脂バインダーの中でも、特にポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、又はエチレン酢酸ビニル共重合体とすると良好な結果が得られることが明らかとなった。バインダー量を多くした試作例15,17では結着力の向上により微粉末の発生は抑制される。しかし、その分、吸着性能は低下する。逆に、バインダー量を少なくした試作例13,14では、微粉末の発生が増加した。
[総合評価の結果と考察]
各試作例の比較から、金属イオン吸着材に使用されるバインダーの種類において、ポリエチレン系樹脂バインダーの有効性が示され、特には、ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、又はエチレン酢酸ビニル共重合体が使用されると、より良い結果となる。また、試作例1〜5と試作例6及び7とを比較すると、バインダーがエマルジョンの形態であると、強度指数、金属イオンの吸着性能、微粉量及び溶解性鉛の除去性能のいずれにおいても良好な結果を示した。これは、バインダーがエマルジョンの形態であることによって、金属イオン吸着材の結晶性微粒子とバインダーがなじみやすく、ムラなく混合されるためであると考えられる。
本発明はフラックス法を用いて結晶育成したチタン酸アルカリ金属塩とポリエチレン系樹脂バインダーと混合して造粒化したため、取り回しが容易で良好な金属イオン吸着材となる。そして、金属イオン吸着材に活性炭を組み合わせることにより双方の吸着能力を生かした複合吸着材を得ることができる。さらに、複合吸着材を用いて作成することにより効率的な濾過部材を得ることができる。
C 活性炭
Am 金属イオン吸着材
M 複合吸着材
10 濾過部材
11 容器本体
12 蓋部
14 導水部
16 透過孔
20 浄水器
21 切換部
23 濾過チャンバー
25 蛇口

Claims (8)

  1. フラックス法を用いて結晶育成したチタン酸アルカリ金属塩の結晶性微粒子と、
    前記結晶性微粒子の6〜20重量%に相当する重量のポリエチレン系樹脂バインダーとの混合によりなる結晶性微粒子混合物である
    ことを特徴とする金属イオン吸着材。
  2. 前記チタン酸アルカリ金属塩がチタン酸ナトリウム塩である請求項1に記載の金属イオン吸着材。
  3. 前記チタン酸ナトリウム塩の結晶育成に際し、フラックス剤が硝酸ナトリウムである請求項2に記載の金属イオン吸着材。
  4. 前記結晶性微粒子の平均粒子径が1〜100μmである請求項1ないし3のいずれか1項の金属イオン吸着材。
  5. 前記ポリエチレン系樹脂バインダーがエマルジョンの形態である請求項1ないし4のいずれか1項の金属イオン吸着材。
  6. 前記ポリエチレン系樹脂バインダーが、ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、又はエチレン酢酸ビニル共重合体である請求項1ないし5のいずれか1項の金属イオン吸着材。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の結晶性微粒子混合物と、活性炭とを含有することを特徴とする複合吸着材。
  8. 請求項7に記載の複合吸着材を有してなることを特徴とする濾過部材。
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