JP2014069136A - 活性炭複合材料及びその製造方法並びにこれを含むフィルター体 - Google Patents

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Abstract

【課題】バインダーを用いることなく活性炭の吸着性能低下を回避し、しかも活性炭表面に直接結晶性無機材料を担持させて吸着剤としての安定性を高めた複合吸着能を発揮する活性炭複合材料及びその製造方法、並びにこれを含むフィルター体を提供する。
【解決手段】活性炭ACをアルカリ金属塩の水溶液に含浸し含浸活性炭を得る含浸工程(S1)と、含浸活性炭に酸化チタンとフラックス剤を添加し活性炭混合物を得る混合工程(S2)と、活性炭混合物を加熱し活性炭の表面に前記アルカリ金属塩と前記酸化チタンの反応により柱状もしくは針状のチタン酸アルカリ金属塩の結晶体を形成した活性炭複合材料を得る加熱工程(S3)とを有した活性炭の表面にフラックス法によりチタン酸アルカリ金属塩の結晶体を形成する製造方法により製造した活性炭複合材料Mであり、当該活性炭複合材料Mを吸着剤としてフィルター体に組み込む。
【選択図】図1

Description

本発明は活性炭複合材料及びその製造方法並びにこれを含むフィルター体に関し、特に、活性炭表面に吸着機能等を有する無機結晶体を成長させることによって形成した活性炭複合材料と、そのための製造方法と、さらには活性炭複合材料を含んでなるフィルター体に関する。
活性炭は発達した多孔質により様々な分子を吸着可能である。また、原料自体も安価であることから、産業用もしくは家庭用と問わず広汎に使用されている。活性炭の吸着対象は主に活性炭表面の細孔径や容積、細孔の分布等に依存する。そのため、目的に合わせて原料となる炭素源、焼成や賦活の条件が適切に選択される。
しかしながら、一般的に活性炭はイオンの吸着に適してはいないため、活性炭と他の吸着剤を組み合わせて使用することは一般的である。具体的には、活性炭とイオン交換樹脂等の有機系吸着剤、活性炭とゼオライト等の無機吸着剤の組み合わせが提案されている。無機吸着剤はイオン交換作用を有するため、水中からの重金属イオンを除去する際に有効である。特に人口増加に伴う水の需要増大と環境悪化から、重金属の除去は安全な飲料用水の確保において喫緊の課題である。
そこで、繊維状活性炭にチタンケイ酸塩等の無機吸着剤を備えた浄水器が提案されている(引用文献1参照)。チタンケイ酸塩と熱可塑性樹脂粉末を混合、加熱して適当な大きさに砕き、粒状活性炭と合わせた複合吸着剤が提案されている(引用文献2参照)。また、チタンケイ酸塩、活性炭、熱可塑性樹脂を混合して圧縮により一体化した濾過材も提案されている(引用文献3参照)。その後、フラックス法を利用してチタン酸金属塩の結晶性無機材料を生成し、濾過材料への応用が提案されている(特許文献4参照)。
各引用文献によると、チタンケイ酸塩やチタン酸ナトリウム塩等の作用により水中の鉛イオンの除去に効果を発揮する。しかしながら、活性炭と無機材料は別々に存在しているに過ぎず、安定性に乏しい。また、樹脂バインダーを使用して双方を結着させる場合、活性炭の細孔が塞がれることになり、活性炭の吸着性能の低下を引き起こしかねない。
特開2001−232361号公報 特許第4361489号公報 特表2011−521775号公報 特開2011−200779号公報
このような経緯を踏まえ、発明者らは、金属イオンの吸着に効果的なチタン酸アルカリ金属塩に着目し、これを活性炭表面に直接成長させることによってバインダーを省略して吸着性能を向上した両材料の一体化を可能とした活性炭複合材料を得ると同時に当該活性炭複合材料の製造方法を構築するに至った。
本発明は、上記状況に鑑み提案されたものであり、バインダーを用いることなく活性炭の吸着性能低下を回避し、しかも活性炭表面に直接結晶性無機材料を成長させて吸着剤としての安定性を高めた複合吸着能を発揮する活性炭複合材料と、その製造方法を提供するとともに、当該活性炭複合材料を有するフィルター体を提供する。
すなわち、請求項1の発明は、活性炭の表面にチタン酸アルカリ金属塩の柱状もしくは針状を含む結晶体を成長させてなることを特徴とする活性炭複合材料に係る。
請求項2の発明は、前記チタン酸アルカリ金属塩がチタン酸ナトリウム塩である請求項1に記載の活性炭複合材料に係る。
請求項3の発明は、活性炭の表面にフラックス法によりチタン酸アルカリ金属塩の結晶体を形成する活性炭複合材料の製造方法であって、前記活性炭にアルカリ金属塩の水溶液を含浸し含浸活性炭を得る含浸工程と、前記含浸活性炭に酸化チタンとフラックス剤を添加し活性炭混合物を得る混合工程と、前記活性炭混合物を加熱し活性炭の表面に前記アルカリ金属塩と前記酸化チタンの反応により柱状もしくは針状のチタン酸アルカリ金属塩の結晶体を形成した活性炭複合材料を得る加熱工程とを有することを特徴とする活性炭複合材料の製造方法に係る。
請求項4の発明は、前記活性炭の粒径が0.08〜2.0mmである請求項3に記載の活性炭複合材料の製造方法に係る。
請求項5の発明は、前記アルカリ金属塩が炭酸ナトリウムであり、前記フラックス剤が硝酸ナトリウムである請求項3または4に記載の活性炭複合材料の製造方法に係る。
請求項6の発明は、前記加熱工程が回転炉内において行われる請求項3ないし5のいずれか1項に記載の活性炭複合材料の製造方法に係る。
請求項7の発明は、前記回転炉がロータリーキルンである請求項6に記載の活性炭複合材料の製造方法に係る。
請求項8の発明は、前記活性炭複合材料が鉛イオン除去剤である請求項3ないし7のいずれか1項に記載の活性炭複合材料の製造方法に係る。
請求項9の発明は、請求項1または2に記載の活性炭複合材料を有してなることを特徴とするフィルター体に係る。
請求項10の発明は、請求項3ないし8のいずれか1項に記載の活性炭複合材料の製造方法により製造した活性炭複合材料を有してなることを特徴とするフィルター体に係る。
請求項1の発明に係る活性炭複合材料によると、活性炭の表面にチタン酸アルカリ金属塩の柱状もしくは針状を含む結晶体を成長させてなるため、バインダーを用いることなく活性炭の吸着性能低下を回避した安定性の高い吸着剤となる。
請求項2の発明に係る活性炭複合材料によると、請求項1の発明において、前記チタン酸アルカリ金属塩がチタン酸ナトリウム塩であるため、比較的安価に調製することができる。
請求項3の発明に係る活性炭複合材料の製造方法によると、活性炭の表面にフラックス法によりチタン酸アルカリ金属塩の結晶体を形成する活性炭複合材料の製造方法であって、前記活性炭にアルカリ金属塩の水溶液を含浸し含浸活性炭を得る含浸工程と、前記含浸活性炭に酸化チタンとフラックス剤を添加し活性炭混合物を得る混合工程と、前記活性炭混合物を加熱し活性炭の表面に前記アルカリ金属塩と前記酸化チタンの反応により柱状もしくは針状のチタン酸アルカリ金属塩の結晶体を形成した活性炭複合材料を得る加熱工程とを有するため、バインダーを用いることなく活性炭の吸着性能低下を回避し、しかも活性炭表面に直接結晶性無機材料を成長させて吸着剤としての安定性を高めた複合吸着能を発揮する活性炭複合材料を得ることができる。
請求項4の発明に係る活性炭複合材料の製造方法によると、請求項3の発明において、前記活性炭の粒径が0.08〜2.0mmであるため、処理能力の低下を回避しつつ良好な吸着効率を備えることができる。
請求項5の発明に係る活性炭複合材料の製造方法によると、請求項3または4の発明において、前記アルカリ金属塩が炭酸ナトリウムであり、前記フラックス剤が硝酸ナトリウムであるため、不純物は洗浄されて残存が少なくなり結晶生成に都合よい。
請求項6の発明に係る活性炭複合材料の製造方法によると、請求項3ないし5のいずれかの発明において、前記加熱工程が回転炉内において行われるため、常時回転、攪拌を与えながら加熱することができる。
請求項7の発明に係る活性炭複合材料の製造方法によると、請求項6の発明において、前記回転炉がロータリーキルンであるため、連続生産に適しており量産性に優れ、出来上がる活性炭複合材料の製造経費の軽減が可能である。
請求項8の発明に係る活性炭複合材料の製造方法によると、請求項3ないし7のいずれかの発明において、前記活性炭複合材料が鉛イオン除去剤であるため、上水や水道水の重金属汚染対策に有効となる。
請求項9の発明に係るフィルター体によると、請求項1または2に記載の活性炭複合材料を有してなるため、活性炭自体の吸着能力と、活性炭表面に付着しているチタン酸アルカリ金属塩に起因する重金属イオンの吸着能力を兼備できる。
請求項10の発明に係るフィルター体によると、請求項3ないし8のいずれか1項に記載の活性炭複合材料の製造方法により製造した活性炭複合材料を有してなるため、活性炭自体の吸着能力と、活性炭表面に付着しているチタン酸アルカリ金属塩に起因する重金属イオンの吸着能力を兼備できる。
本発明の活性炭複合材料の製造方法を説明する概略工程図である。 本発明のフィルター体の斜視図である。 フィルター体の製造工程を示す概略工程図である。 実施例1の活性炭複合材料表面の第1電子顕微鏡写真である。 実施例1の活性炭複合材料表面の第2電子顕微鏡写真である。 比較例1の活性炭複合材料表面の第1電子顕微鏡写真である。 比較例1の活性炭複合材料表面の第2電子顕微鏡写真である。
本発明の活性炭複合材料は、基材となる活性炭の表面にチタン酸アルカリ金属塩の結晶体を直に成長させて形成し、活性炭と結晶体を一体化した複合材料である。後掲の電子顕微鏡写真からも確認できるように、柱状もしくは針状の結晶として活性炭表面や活性炭の細孔内において直接発達して形成される。従って、活性炭に事後的にチタン酸アルカリ金属塩の結晶を被着や添着させてその表面に現出させた構造と本質的に異なる。写真はチタン酸ナトリウム塩の成長結晶である。実施例に開示のとおり、チタン酸ナトリウム塩の結晶は比較的安価な原料により調製できる。
本発明の活性炭複合材料において、チタン酸アルカリ金属塩の結晶体はフラックス法(融剤法)により生成される。特に、活性炭と結晶体との一体化に際し樹脂のバインダー等は必要とされず活性炭表面に成長する。そこで、活性炭複合材料は活性炭の多孔質に由来するハロゲン、有機分子等の吸着性能と、チタン酸アルカリ金属塩に起因する金属イオンの吸着性能の性質の異なる対象に対して同時に吸着力を発揮する複合吸着剤の特性を備える。
図1の概略工程図に従い活性炭ACから活性炭複合材料Mに至るまでの製造方法について、使用する原料を交えながら順に説明する。
はじめに基材となる活性炭ACが用意される。この活性炭ACは、木材の製材、加工時に生じるオガコ(大鋸屑や鉋屑等)、廃材や間伐材、廃竹、伐採竹、ヤシ殻等のセルロース分に富む木質の植物原料の粉砕物を炭化、焼成、適宜の賦活を経て得た炭化物である。植物原料の他に、古タイヤ、フェノール樹脂等の各種樹脂製品の炭化物等も加えることができる。基材に活性炭を用いる利点は、比較的安価かつ量的に調達可能である。また、従来から吸着、濾過材料として使用されており、安定性が高くしかも活性炭表面に発達した細孔により幅広い物質を吸着対象とすることができる。これらを勘案して非常に利便性に富む材料といえるためである。
活性炭の大きさは出来上がる活性炭複合材料の用途、使用状況等を勘案して調達可能な活性炭の中から選択される。そこで、請求項4の発明に規定するように、比較的良好な大きさを検討すると、活性炭の平均粒径は0.08mmないし2.0mmの範囲、好ましくは0.1mmないし1.7mm、さらに好ましくは0.1mmないし0.5mmの範囲が適切である。粒径の制御は篩別やサイクロン等により分級される。
粒径が2.0mm付近を超える場合、チタン酸アルカリ金属塩の結晶体の付着量が減少する傾向にあり性能を押し下げてしまうため好ましくない。活性炭の粒径については、細かくなるほど接触面積が増加するため吸着効率が高まり好ましい。ただし、例えば濾過装置のカラムに充填して使用する用途を想定すると、極端に粒径が小さい場合、装置を通過する被処理液の圧力損失が大きくなり処理能力の低下を招く。そこで、0.08mmを粒径の下限とした。
次に、活性炭にアルカリ金属塩を均一に付着させる目的でアルカリ金属塩の水溶液が用意される。アルカリ金属塩はチタン酸アルカリ金属塩を生成するための原料となり、請求項5の発明に規定し、後記実施例に示すように、炭酸ナトリウムが用いられる。他に塩化ナトリウム、炭酸カリウム、塩化カリウム等も含められる。アルカリ金属塩水溶液の濃度は塩の種類によるものの、3ないし25重量%の濃度である。最終的に生成される結晶量により調整される。活性炭の重量に対し、およそ40ないし70重量%に相当する量のアルカリ金属塩水溶液が用意され、活性炭に当該量のアルカリ金属塩水溶液は含浸される。アルカリ金属塩水溶液の量は活性炭と負荷なく混合、混練可能とすることから規定した。
活性炭とアルカリ金属塩水溶液の混合、含浸により含浸活性炭を得ることができ、その後、適度に乾燥される。後記の実施例では約70℃で1時間の乾燥とした。ここで、乾燥を含めることによりアルカリ金属塩水溶液の水分を蒸発させて、溶解していたアルカリ金属塩を活性炭側に担持させることができる。
こうして、アルカリ金属塩を含浸した含浸活性炭が得られる。当該工程が「含浸工程」である(S1)。
含浸工程(S1)の後、含浸活性炭に酸化チタンとフラックス剤が添加され、各成分は十分に混合される。量産規模による混合に際しては、公知のブレンダーやニーダー等の一般的な混練機が用いられる。
酸化チタンはチタン酸アルカリ金属塩結晶を形成するための必須成分である。酸化チタンはアナターゼ型が好ましい。酸化チタンは作業性の点から粉末状が好ましく用いられる。
本来、前出のアルカリ金属塩と酸化チタンの反応によりチタン酸アルカリ金属塩結晶を生成させようとする場合、極めて高温、高圧の条件にしなければ結晶生成は難しい。当然ながら、高温下では基材となる活性炭は分解することがある。また、反応系に投入するエネルギーが過剰となり実用上容易ではない。この点を上手く制御するべくフラックス剤が用いられる。フラックス剤が反応系に加わることにより、本来の結晶生成に必要な温度が引き下げられる。結晶生成の分野において温度条件を緩和できる利点からフラックス剤使用の利便性は高い。
活性炭複合材料を構成するチタン酸アルカリ金属塩結晶の形成に用いるフラックス剤として、請求項5の発明に規定するように、硝酸ナトリウムが用いられる。硝酸ナトリウムは、前出のアルカリ金属塩の炭酸ナトリウムと同一の金属成分であり不純物とならず、水洗により洗浄除去が可能である。なお、炭酸カリウムを用いる場合、フラックス剤として硝酸カリウムが適当と勘案される。
含浸活性炭に各原料が混ざり合うことによって活性炭混合物が得られる。当該工程が「混合工程」である(S2)。
混合工程(S2)の後、活性炭混合物は加熱される。加熱により活性炭表面に付着したアルカリ金属塩と酸化チタンが反応してチタン酸アルカリ金属塩の結晶、ナトリウムの場合にはチタン酸ナトリウム塩の結晶が生成される。特に、フラックス剤も含まれているため、結晶生成に必要な温度が下げられる。後記の実施例においては、フラックス剤が溶解し、結晶が生成するときの温度は概ね600℃である。
当該加熱を経ることにより活性炭複合材料Mを得ることができる。当該工程が「加熱工程」である(S3)。
結晶成分であるチタン酸アルカリ金属塩が金属分を吸着する作用は、イオン交換によると考えられる。チタン酸アルカリ金属塩の存在量が同量の場合、効率良い金属分の吸着性能を発揮するためには、その結晶体の表面積を極力大きくすることが望ましい。このため、チタン酸アルカリ金属塩の最適な結晶体構造は柱状もしくは針状であることから、柱状もしくは針状を多く含む構造の生成が求められる。活性炭表面にどのような形状のチタン酸アルカリ金属塩の結晶が生成するのかは、加熱時の溶融温度や加熱条件、加熱装置等により影響されると考えられる。
発明者らの試行によると、チタン酸アルカリ金属塩の柱状もしくは針状を含む結晶体が活性炭表面に発達する状況を確認したところ、静的条件下での加熱よりも動的条件下での加熱とする方が良好な結果を得た。動的条件による加熱例として、請求項6の発明に規定するように、活性炭混合物を回転して攪拌しながら加熱する公知の回転炉が使用される。加熱時の条件と活性炭表面に発達するチタン酸アルカリ金属塩の結晶構造についての関係は現時点では解明されていない。おそらく、回転や攪拌の影響が結晶成長に作用しているためと予想される。
前記の回転炉の中でも、請求項7の発明に規定するように、ロータリーキルンが好例である。活性炭混合物は供給部から投入され、ロータリーキルンの回転炉部分で加熱されながら通過すると排出部から活性炭複合材料として出来上がって排出される。この場合、活性炭の過剰燃焼を防ぐため、窒素や二酸化炭素等の不活性ガスが供給され、還元雰囲気下に維持される。ロータリーキルンは単位時間当たり高い生産効率を発揮し、連続生産に適しており量産性に優れる。従って、出来上がる活性炭複合材料の製造経費を軽減する上でも望ましい。なお、活性炭混合物の焼成に際し、チタン酸アルカリ金属塩の柱状もしくは針状を含む結晶体が活性炭表面に発達できる方法であれば、前記の回転炉やロータリーキルン以外にも特段限定されない。例えば、活性炭混合物に振動や衝撃を加えて焼成することによっても、問題なく当該結晶体を発達させることができると予想される。
加熱を終えた活性炭複合材料は、フラックス剤や未反応成分の除去のため水洗される。そして、水分を蒸発させるため100℃ないし120℃で5ないし24時間、加熱乾燥される。その後、篩やサイクロン等により規定の粒径とするべく分級が行われる。
一連の工程を経て出来上がった活性炭複合材料Mは、不定形状の活性炭粒子表面の所々に成長したチタン酸アルカリ金属塩の結晶が存在している形態である。つまり、必ずしも活性炭表面の全てがチタン酸アルカリ金属塩結晶で被われてはいない。仮に完全に結晶体が活性炭を被覆してしまうと活性炭表面の細孔が閉塞されることになり、本来的に活性炭が具備する吸着性能を阻害してしまう。また、チタン酸アルカリ金属塩の結晶が少なすぎれば、同結晶体に起因する金属分の吸着性能も発揮されない。
そこで、双方の長所を生かすべく、単位重量当たりの活性炭に付着するチタン酸アルカリ金属塩の重量が規定される。後記の実施例からも明らかなように、4重量%ないし10重量%が妥当な量と想定される。4重量%を下回る場合、チタン酸アルカリ金属塩が少なすぎて所望の金属分吸着能力が低くなる。また、10重量%を上回る場合、チタン酸アルカリ金属塩が多すぎとなり活性炭の吸着作用に影響を及ぼす。そこで、双方の均衡から、前記の範囲が適切である。なお、目的に応じて、活性炭側またはチタン酸アルカリ金属塩側の吸着性能のいずれかを重視するのかにより、チタン酸アルカリ金属塩の付着量(結晶生成量)は調整される。
活性炭複合材料Mの主要な用途は水浄化である。上水や工業用水等から、塩素やヨウ素等に加え、鉛、鉄、クロム、銅、亜鉛等の金属イオンを一括して吸着除去する用途に好例である。特に、チタン酸アルカリ金属塩は、鉛等の重金属分の吸着に効果的であることから上水や水道水の重金属汚染対策に有効となる。このことに鑑み、請求項8の発明に規定し、後記実施例に示すように、活性炭複合材料Mは重金属を代表する鉛イオンの除去剤として用いられる。具体的には、中空糸等のメンブレンフィルタ、本発明の活性炭複合材料、さらには他の活性炭を組み合わせた浄水器等の水浄化の装置を提案することができる。本発明の活性炭複合材料は活性炭自体の吸着性能も備えることから、吸着剤自体の容積を軽減でき、装置を小型化することができる。
そこで、本発明の活性炭複合材料、特には本発明の活性炭複合材料の製造方法により製造した活性炭複合材料を吸着剤として配合したフィルター体を作製することができる。そして、当該フィルター体は規模に応じて浄水器や水質処理装置等の内部に装填される。活性炭複合材料を有するフィルター体の最大の特徴は、前述ないし後記実施例に開示のとおり、活性炭自体の吸着能力と、活性炭表面に付着しているチタン酸アルカリ金属塩に起因する主に鉛等の重金属イオンの吸着能力を兼備していることである。
活性炭複合材料配合のフィルター体の一例について図2を用い説明する。図2(a)のフィルター体1のフィルター本体10は、適宜の透過孔を有した中空円筒形芯部材12の表面に濾過能力を有する濾過部11を凝集させた構造体である。また、図2(b)のフィルター体1Aのように、キャップ14等の付属品が取り付けられ、取り扱いの利便性が図られる。同図において、フィルター本体10の濾過部11の表面は、不織布等の透過性の高い布状物13により被覆、保護される。そして、濾過部11の上下を保護するキャップ14が被せられる(キャップの形状、材質は用途により異なる。)。
フィルター体のフィルター本体の濾過部は、例えば、活性炭複合材料と、ポリエチレン繊維、これらの結合性を高めるためにアクリル繊維バインダー、さらには繊維状活性炭等が適量添加されて形成される。活性炭複合材料の他の成分により濾過部の保形性を確保した構造体である。
図3を用い活性炭複合材料配合のフィルター体の製造例も説明する。はじめに、活性炭複合材料Mと、繊維状構成材22は水中に投入され、十分に混合されて混合スラリー状物20が調製される。繊維状構成材22は、例えば、ポリエチレン繊維、アクリル繊維、または繊維状活性炭等から選択される。
中空円筒形芯部材12の内部に、混合スラリー状物を減圧吸引するための多孔の金型棒状部材26が挿入される。中空円筒形芯部材12には透過のための細孔(図示省略)が形成されており、金型棒状部材26は多孔形状のステンレス製である。中空円筒形芯部材12と金型棒状部材26の一体化物が混合スラリー状物20内に降ろされた後、金型棒状部材26を介して減圧吸引することにより、混合スラリー状物20は中空円筒形芯部材12の側面に引き寄せられて被着する。図示の切り欠き部分参照のとおり、中空円筒形芯部材の表面にスラリー被着部27が形成される。所定量のスラリー被着部27が形成された後、混合スラリー状物から引き上げられ、金型棒状部材26が取り外される。こうして中空円筒形芯部材12の表面にスラリー被着部27を備えた吸着被着物25が得られる。その後、吸着被着物25は乾燥機30内で加熱乾燥される。
浄化用フィルター体の吸着機能自体は活性炭複合材料が担う。ここにアクリル繊維や炭素繊維等が配合されることにより活性炭複合材料を互いに保持する構造材料として作用する。活性炭複合材料を互いに保持する結着材料として作用し、フィルター本体の形状を維持するための網状の構造材として作用する。
むろん、フィルター体の構造、作製方法は図示し詳述した例に限られることなく適宜の構造、作製方法を採用可能である。例えば、小孔を複数設けた収容容器に活性炭複合材料自体を充填する等の簡便な構造のフィルター体とすることも可能である。また、開示例のフィルター体に他の既存の濾過用のフィルター体を組み合わせて総合的に水処理能力を高めて使用することもできる。すなわち、フィルター体を適用する濾過装置、浄水規模等を勘案して適切に構築される。
発明者らは、活性炭、アルカリ金属塩、フラックス剤を使用し実施例1ないし4、比較例1,2,5の活性炭複合材料を作成した。バインダーにより結晶体を固定した例として比較例3,4を作成した。併せて、各種の吸着性能も測定した。詳細は表1及び表2である。
〔使用原料〕
フタムラ化学株式会社製の椰子殻活性炭:CW5100A(粒径0.15〜0.3mm)、同社製の椰子殻活性炭:CW480A(粒径0.18〜0.36mm)、同社製の椰子殻活性炭:CW360A(粒径0.25〜0.5mm)、同社製の椰子殻活性炭:CW130A(粒径0.5〜1.7mm)、同社製の椰子殻活性炭:CW8200A(粒径0.08〜0.18mm)を使用した。粒径の制御は、篩の種類を変えて揃えた。
アルカリ金属塩に炭酸ナトリウム(大東化学株式会社製)を使用し、フラックス剤に硝酸ナトリウム(大東化学株式会社製)を使用した。二酸化チタンは(大東化学株式会社製)を使用した。また、対照として、チタン酸ナトリウム塩(フタムラ化学株式会社製)を使用し、バインダーにフッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン)(旭硝子株式会社製)とポリエチレン(三木産業株式会社製,商品名:フローセン)を使用した。
〔活性炭複合材料の作成〕
〈実施例1〉
後出の表1等に示す原料種とその量に従い、はじめに活性炭(粒径0.15〜0.3mm)を200g計量した。イオン交換水を活性炭重量の60%となる120mL計量し、ここにアルカリ金属塩の炭酸ナトリウムを9.6g添加し溶解した。この水溶液に活性炭を含浸して適当に攪拌した後、70℃にて1時間乾燥し含浸活性炭を得た。この含浸活性炭に二酸化チタン43.5gとフラックス剤となる硝酸ナトリウム30.8gを添加し均一に混合し活性炭混合物とした。活性炭混合物をロータリーキルンに投入し、加熱した。加熱時の条件として昇温速度を300℃/hrとし、フラックス剤が溶融しチタン酸ナトリウム塩の結晶が成長する600℃を1時間維持した。そして20℃/hrの降温速度で500℃まで冷却した。加熱中、窒素ガスを通気して還元雰囲気とした。
〈実施例2〉
実施例2は、前記実施例1の活性炭を粒径0.18〜0.36mmの活性炭に変更した。当該活性炭を200g計量した。イオン交換水120mLに炭酸ナトリウムを4.1g添加し溶解した。この水溶液に活性炭を含浸して適当に攪拌した後、70℃にて1時間乾燥し含浸活性炭を得た。この含浸活性炭に二酸化チタン18.6gと硝酸ナトリウム13.2gを添加し均一に混合し活性炭混合物とした。活性炭混合物の加熱条件、装置は実施例1と同様とした。
〈実施例3〉
実施例3は、前記実施例1の活性炭を粒径0.15〜0.3mmの活性炭に変更した。当該活性炭を200g計量した。イオン交換水120mLに炭酸ナトリウムを4.1g添加し溶解した。この水溶液に活性炭を含浸して適当に攪拌した後、70℃にて1時間乾燥し含浸活性炭を得た。この含浸活性炭に二酸化チタン18.6gと硝酸ナトリウム13.2gを添加し均一に混合し活性炭混合物とした。活性炭混合物の加熱条件、装置は実施例1と同様とした。
〈実施例4〉
実施例4は、前記実施例1の活性炭を粒径0.25〜0.5mmの活性炭に変更した。当該活性炭を200g計量した。イオン交換水120mLに炭酸ナトリウムを23.8g添加し溶解した。この水溶液に活性炭を含浸して適当に攪拌した後、70℃にて1時間乾燥し含浸活性炭を得た。この含浸活性炭に二酸化チタン107.1gと硝酸ナトリウム76.1gを添加し均一に混合し活性炭混合物とした。活性炭混合物の加熱条件、装置は実施例1と同様とした。
〈比較例1〉
比較例1は、前記実施例1と同一の活性炭200gを使用した。イオン交換水120mLに炭酸ナトリウムを9.6g添加し溶解した。この水溶液に活性炭を含浸して適当に攪拌した後、70℃にて1時間乾燥し含浸活性炭を得た。この含浸活性炭に二酸化チタン43.5gと硝酸ナトリウム30.8gを添加し均一に混合し活性炭混合物とした。活性炭混合物を坩堝に移し、静置炉にて加熱した。加熱時の条件として昇温速度を300℃/hrとし、フラックス剤が溶融しチタン酸ナトリウム塩の結晶が成長する600℃を1時間維持した。そして20℃/hrの降温速度で500℃まで冷却した。加熱中、窒素ガスを通気して還元雰囲気とした。
〈比較例2〉
比較例2は、前記実施例1と同一の活性炭100gを使用した。イオン交換水120mLに炭酸ナトリウムを23.8g添加し溶解した。この水溶液に活性炭を含浸して適当に攪拌した後、70℃にて1時間乾燥し含浸活性炭を得た。この含浸活性炭に二酸化チタン107.1gと硝酸ナトリウム76.1gを添加し均一に混合し活性炭混合物とした。活性炭混合物の加熱条件、装置は実施例1と同様とした。
〈比較例3〉
比較例3は、活性炭にフッ素樹脂バインダーを介してチタン酸ナトリウム塩を接着(添着)した例である。前記実施例1と同一の活性炭200g、チタン酸ナトリウム塩10g、フッ素樹脂バインダー6gを混合し、120℃で8時間加熱した。
〈比較例4〉
比較例4は、活性炭にポリエチレン樹脂バインダーを介してチタン酸ナトリウム塩を接着(添着)した例である。前記実施例1と同一の活性炭200gとチタン酸ナトリウム塩10gを混合し、ポリエチレン樹脂バインダー4gをイオン交換水120mLに分散し、このバインダー液を活性炭とチタン酸ナトリウム塩の混合物に吹き付けた。その後、120℃で8時間加熱した。
〈比較例5〉
比較例5は、前記実施例1の活性炭を粒径0.5〜1.7mmの活性炭に変更した。当該活性炭を200g計量した。イオン交換水120mLに炭酸ナトリウムを9.6g添加し溶解した。この水溶液に活性炭を含浸して適当に攪拌した後、70℃にて1時間乾燥し含浸活性炭を得た。この含浸活性炭に二酸化チタン43.5gと硝酸ナトリウム30.8gを添加し均一に混合し活性炭混合物とした。活性炭混合物の加熱条件、装置は実施例1と同様とした。
〔物性等の測定〕
〈充填密度〉
実施例並びに比較例の活性炭複合材料の充填密度については、JIS K 1474(2007)の活性炭試験方法の「6.7充填密度」、「6.7.1手動充てん法」に準拠して充填密度(g/mL)測定した。
〈ヨウ素吸着性能〉
JIS K 1474(2007)の活性炭試験方法の「6.1.1.1よう素吸着性能」の試験方法に準拠し、実施例並びに比較例の活性炭複合材料のヨウ素吸着性能(mg/g)を測定した。
〈チタン酸ナトリウム塩の結晶重量〉
活性炭の表面に生成したチタン酸ナトリウム塩の結晶の重量(相対重量割合)については、JIS K 1474(2007)「6.9 強熱残分」において準拠する方法により測定し算出した。実施例、比較例の活性炭複合材料の各試料と、実施例、比較例の活性炭複合材料の調製で使用した活性炭の強熱残分を求めた(単位%)。そして、強熱残分同士の差を求め、当該実施例等の試料の活性炭重量に占めるチタン酸ナトリウム塩結晶の相対重量割合を算出した。
〈結晶の形状観察〉
活性炭複合材料の表面に生成したチタン酸ナトリウム塩の結晶形状については走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影し、具体的に特定した。その結果、針状もしくは針状及び柱状の混成と、柱状のみの結晶成長となった。チタン酸ナトリウム塩の結晶の多くは活性炭の表面に発達した細孔内に生成していた。
図4ないし図7に代表的な電子顕微鏡写真を示す。図4は実施例1の活性炭複合材料表面の20000倍拡大写真であり活性炭の細孔内に結晶が生成した。結晶は柱状と針状の混成である。図5は別の細孔内の20000倍拡大写真でありほぼ針状結晶である(針状は柱状を含む。)。これに対し、図6は比較例1の活性炭複合材料表面の10000倍拡大写真であり活性炭の細孔内に板状結晶が生成した。図7は同じ細孔内の20000倍拡大写真であり板状結晶がほとんどである。
〈溶解性鉛除去性能〉
実施例並びに比較例の各活性炭複合材料については、JIS S 3201(2010)の家庭用浄水器試験方法の「6.4.6溶解性鉛除去性能試験」に準拠し測定した。当該測定に際し、内径40mmのカラムに活性炭複合材料を100cc充填した。50ppbの溶解性鉛を含む原水を調製し、2.0L/min(SV:1200hr-1)の流速で充填済みカラムに通水した。カラム内の活性炭複合材料による溶解性鉛(鉛イオン)の除去率を測定し、除去率が80%となった時点の総通水量を活性炭複合材料の充填量(cc)で割った値を当該活性炭複合材料の性能値(L/cc)とした。
〈遊離残留塩素除去性能〉
実施例並びに比較例の各活性炭複合材料については、JIS S 3201(2010)の家庭用浄水器試験方法の「6.5.1遊離残留塩素ろ過能力試験」に準拠し測定した。当該測定に際し、内径40mmのカラムに活性炭複合材料を100cc充填した。2.0ppmの遊離残留塩素を含む原水を調製し、2.0L/min(SV:1200hr-1)の流速で充填済みカラムに通水した。カラム内の活性炭複合材料による遊離残留塩素の除去率を測定し、除去率が80%となった時点の総通水量を活性炭複合材料の充填量(cc)で割った値を当該活性炭複合材料の性能値(L/cc)とした。
〈結晶担持性評価〉
結晶担持性は試料の活性炭重量に占めるチタン酸ナトリウム塩結晶の相対重量割合から判断した。チタン酸ナトリウム塩の結晶量が4重量%(wt%)以上を「○」と評価し、同結晶量が4重量%(wt%)以下を「×」と評価した。
〈総合評価〉
活性炭複合材料について、各種の吸着性能を総合的に勘案し全体としての良否を評価した。
ヨウ素吸着性能1000mg/g以上、溶解性鉛除去性能7L/cc以上、及び遊離残留塩素除去性能14L/cc以上の全てを満たす例を「優」の評価とした。
ヨウ素吸着性能800mg/g以上、溶解性鉛除去性能5L/cc以上、及び遊離残留塩素除去性能10L/cc以上の全てを満たす例を「良」の評価とした。
ヨウ素吸着性能800mg/g以上、溶解性鉛除去性能5L/cc以上、及び遊離残留塩素除去性能10L/cc以上の中で1つでも欠落した項目がある例を「不可」の評価とした。
表1及び表2は、使用した活性炭の量(g)、粒径範囲(mm)、各原料の量(g)、結晶担持の仕方、加熱装置、加熱条件を示し、物性として充填密度(g/mL)、チタン酸ナトリウム塩の結晶重量(重量%)、結晶形状、ヨウ素吸着性能(mg/g)、溶解性鉛除去性能(L/cc)、遊離残留塩素除去性能(L/cc)、結晶担持性、そして総合評価を順に示す。
Figure 2014069136
Figure 2014069136
〔活性炭複合材料の結果・考察〕
実施例並びに比較例の除去性能に関する総合評価から、いずれの実施例も良以上であり、特に実施例1ないし3は優の高評価である。実施例1,2,3の順に使用した活性炭の粒径は細かくなる。これに合わせて、チタン酸ナトリウム塩に起因する溶解性鉛除去性能や遊離残留塩素除去性能が上昇した。原因として、単位重量当たりの活性炭全体の接触面積が増加したことによると考える。比較例5は実施例よりも粒径の大きな活性炭の使用例である。結晶形成に必要な試薬量を実施例1と同一としても、単位重量当たりの接触面積が少なくなるため、各種の吸着性能は低下したといえる。
実施例4や比較例2は活性炭表面に形成したチタン酸ナトリウム塩の結晶量を他の実施例よりも多くした例となる。実施例4ぐらいのチタン酸ナトリウム塩結晶の重量割合であれば、ヨウ素吸着性能、溶解性鉛除去性能、遊離残留塩素除去性能のバランスが良く、結晶量に伴って溶解性鉛除去性能も向上する。このことを踏まえ、より重視すべき除去対象に着目してチタン酸ナトリウム塩結晶の重量割合を加減することができる。ところが、比較例2の場合、チタン酸ナトリウム塩結晶が19.8重量%と過剰であるため、活性炭本来の細孔が閉塞されて逆に各種の吸着性能を悪化させた。従って、チタン酸ナトリウム塩結晶の適切な重量割合は単位活性炭重量の4重量%ないし10重量%に収斂する。
比較例3及び4はチタン酸ナトリウム塩を活性炭に被着する際に樹脂製バインダーを使用した例となる。そのため、活性炭の細孔の閉塞が不可避となり、活性炭に由来するヨウ素吸着性能や遊離残留塩素除去性能の低下が著しい。従って、公知の樹脂バインダーによる被着の例と比較すると、本発明のように活性炭表面に直接結晶を生成できる利点は極めて大きい。
活性炭とともに、チタン酸ナトリウム塩の結晶の原料及びフラックス剤を混ぜて加熱する際、加熱装置の加熱条件により生成する結晶の形状が相違することも明らかとなった。針状結晶の生成はいずれもロータリーキルンを用い常時動かし続けた加熱である。対照的に、比較例1の静置炉の加熱からは板状結晶のみの生成であった(図2ないし図5の電子顕微鏡写真参照)。撮影結果からも明らかなように、ロータリーキルンを用いた動的条件による加熱の例は、いずれも針状結晶もしくは針状及び柱状の混成結晶であった。しかし、比較例1の静的条件による加熱の場合、針状結晶を発見できず板状結晶のみの成長であった。
実施例1と比較例1の結晶形状の相違、すなわち針状結晶の有無と溶解性鉛除去性能の高低を比較した場合、明確な差となって現れた。このことから、チタン酸ナトリウム塩は針状(柱状)の結晶構造であるほど溶解性鉛除去性能は高まる。しかも、そのためには、ロータリーキルン等により加熱時に動かし続ける製造方法が有利である。針状(柱状)の結晶構造が多くなるほど溶解性鉛除去性能が上昇する理由としては、結晶の表面積が増加しチタン酸ナトリウム塩と溶解性鉛との接触面積が多くなるためと考えられる。
加熱時の条件と生成する結晶の形状が相違する理由は現時点では明らかではない。加熱時に静的な条件であれば、結晶自体板状に広がりやすい。しかし、活性炭はロータリーキルン内を回転しながら転動する動的な加熱条件であり、回転や攪拌の影響から柱状もしくは針状に結晶が成長したと予想する。おそらく、針状結晶の成長は金平糖における角の成長モデルに近似すると考えられる。
〔フィルター体のための活性炭複合材料の作成〕
実施例1ないし4と比較例1ないし5との対比より、本発明の活性炭複合材料及びその製造方法の優位性を確認した発明者らは、続けて活性炭複合材料を組み込んだフィルター体も作成した。そして、ヨウ素吸着性能、溶解性鉛除去性能、及び遊離残留塩素除去性能を測定し、併せてフィルター体としての性能を評価した。フィルター体の作成に先だって、実施例5及び比較例6ないし8の活性炭複合材料を用意した。ここでは、実施例2と3との比較を踏まえて前掲の実施例よりもさらに粒径の小さい活性炭を選択した。
〈実施例5〉
実施例5は、前記実施例1の活性炭を粒径0.08〜0.18mmに変更し、当該活性炭を200g計量した。以降の原料配合量、活性炭混合物の加熱条件、装置は実施例1と同様として実施例5の活性炭複合材料を作成した。
〈比較例6〉
比較例6は粒径0.08〜0.18mmの活性炭を使用した。前記比較例1と同様の原料配合量、活性炭混合物の加熱条件として比較例6の活性炭複合材料を作成した。
〈比較例7〉
比較例7は、前記比較例3にて使用した活性炭を粒径0.08〜0.18mmに変更した。以降、比較例3と同様の原料配合量、活性炭混合物の加熱条件として比較例7の活性炭複合材料(フッ素樹脂バインダー使用例)を作成した。
〈比較例8〉
比較例8は、前記比較例4にて使用した活性炭を粒径0.08〜0.18mmに変更した。以降、比較例4と同様の原料配合量、活性炭混合物の加熱条件として比較例7の活性炭複合材料(ポリエチレン樹脂バインダー使用例)を作成した。
〔活性炭複合材料ごとのフィルター体の作成〕
フィルター体の作成は、前掲の図3に開示の混合スラリー状物から吸引する作成方法に準じた。そこで、実施例5、及び比較例6、7、8の活性炭複合材料のそれぞれを85重量部、繊維状活性炭(フタムラ化学株式会社製,商品名:フェノール系繊維状活性炭)を10重量部、アクリル樹脂繊維(東洋紡績株式会社製,商品名:ビィパル)を5重量部秤量した。これら3種類を水中に投入後、均一に混合して混合スラリー状物を調製した。
次に、外直径24mm、内直径20mm、全長50mmであり直径2mmの細孔を有するポリプロピレン製の中空円筒形芯部材を用意した。中空円筒形芯部材内に、多孔形状のステンレス製の金型棒状部材を挿入して固定するとともに混合スラリー状物を溜めた液中に投入した。減圧吸引により混合スラリー状物内から固形分を引き寄せて中空円筒形芯部材の表面に約13mm被着させてスラリー被着部を形成した。中空円筒形芯部材から金型棒状部材を取り外し、スラリー被着部と中空円筒形芯部材の一体化物となる吸着被着物を得た。
吸着被着物を乾燥機に入れて100℃、12時間かけて加熱、乾燥した。こうして、実施例5、及び比較例6、7、8のそれぞれの活性炭複合材料を組み込んだフィルター体を逐次作成した。いずれのフィルター体の寸法も、外直径50mm、内直径20mm、全高50mmとした。なお、フィルター体の区別においても、由来する活性炭複合材料に応じて実施例5、及び比較例6、7、8の名称を用いる。
〔フィルター体の各種吸着性能測定〕
ヨウ素吸着性能は、JIS K 1474(2007)の活性炭試験方法の「6.1.1.1よう素吸着性能」の試験方法に準拠し、実施例並びに比較例のフィルター体のヨウ素吸着性能(mg/g)を測定した。
溶解性鉛除去性能は、JIS S 3201(2010)の家庭用浄水器試験方法の「6.4.6溶解性鉛除去性能試験」に準拠し測定した。当該測定に際し、50ppbの溶解性鉛を含む原水を調製し、1.5L/min(SV:1200hr-1)の流速で実施例並びに比較例の各フィルター体を装填したハウジングに通水した。フィルター体の活性炭複合材料による溶解性鉛(鉛イオン)の除去率を測定し、除去率が80%となった時点の総通水量を活性炭複合材料の充填量(cc)で割った値を当該活性炭複合材料の性能値(L/cc)とした。
遊離残留塩素除去性能は、JIS S 3201(2010)の家庭用浄水器試験方法の「6.5.1遊離残留塩素ろ過能力試験」に準拠し測定した。当該測定に際し、2.0ppmの遊離残留塩素を含む原水を調製し、1.5L/min(SV:1200hr-1)の流速で実施例並びに比較例の各フィルター体を装填したハウジングに通水した。フィルター体の活性炭複合材料による遊離残留塩素の除去率を測定し、除去率が80%となった時点の総通水量を活性炭複合材料の充填量(cc)で割った値を当該活性炭複合材料の性能値(L/cc)とした。
〔フィルター体の評価〕
フィルター体の結晶担持性は、フィルター体成形時に活性炭複合材料からこぼれたチタン酸ナトリウム塩結晶の量の多少により判断した。こぼれ落ちた結晶が少ない例を「○」と評価し、こぼれ落ちた結晶が多い例を「×」と評価した。
フィルター体としての各種の吸着性能を総合的に勘案し、全体としての総合評価を下した。
ヨウ素吸着性能1000mg/g以上、溶解性鉛除去性能15L/cc以上、及び遊離残留塩素除去性能60L/cc以上の全てを満たす例を「優」の評価とした。
ヨウ素吸着性能800mg/g以上、溶解性鉛除去性能10L/cc以上、及び遊離残留塩素除去性能50L/cc以上の全てを満たす例を「良」の評価とした。
ヨウ素吸着性能800mg/g以上、溶解性鉛除去性能7L/cc以上、及び遊離残留塩素除去性能40L/cc以上の中で1つでも欠落した項目がある例を「不可」の評価とした。
実施例5及び比較例6、7、8の各フィルター体について、表3に原料配合割合(重量部表記)と、ヨウ素吸着性能(mg/g)、溶解性鉛除去性能(L/cc)、及び遊離残留塩素除去性能(L/cc)の物性と、結晶担持性、総合評価を順に示す。
Figure 2014069136
〔フィルター体の結果・考察〕
実施例5の評価結果より、活性炭複合材料をフィルター体に組み込んだ場合であっても、活性炭複合材料の単独の測定時と同様に溶解性鉛をはじめ各種の良好な吸着性能を示した。このことから、活性炭複合材料はフィルターとしての実需用に好適であることを実証できた。実施例5と比較例6の性能差は、活性炭複合材料の製法の違いである。前述の比較例1にて説明のとおりチタン酸ナトリウム塩の結晶形状の相違と考えることができる。
比較例7及び8の樹脂製バインダーを使用して作成した例については、前述の比較例3及び4において言及のとおり、活性炭の細孔の閉塞やチタン酸ナトリウム塩の結晶自体の被覆のために性能低下が明らかである。このため、本発明のように活性炭表面に直接結晶を生成できる活性炭複合材料の効果はフィルター体に加工したときでも大きく、極めて利用価値が高い。
本発明の活性炭複合材料及びその製造方法は、活性炭に直接チタン酸ナトリウム塩の結晶を成長させて形成していることから、活性炭自体の吸着性能を活かしつつ、チタン酸ナトリウム塩のイオン交換の吸着性能も併せ持つ。また、製造自体も簡便である。従って、既存の金属分除去等に用いられる吸着用材料の代替可能である。加えて、活性炭複合材料をフィルター体に加工しても十分な吸着性能を発揮できるため、既存の濾過装置への使用が可能である。
AC 活性炭
M 活性炭複合材料(複合吸着剤)
1 フィルター体
10 フィルター本体
11 濾過部
12 中空円筒形芯部材
20 混合スラリー状物
22 繊維状構成材
25 吸着被着物
26 金型棒状部材
27 スラリー被着部
30 乾燥機

Claims (10)

  1. 活性炭の表面にチタン酸アルカリ金属塩の柱状もしくは針状を含む結晶体を成長させてなることを特徴とする活性炭複合材料。
  2. 前記チタン酸アルカリ金属塩がチタン酸ナトリウム塩である請求項1に記載の活性炭複合材料。
  3. 活性炭の表面にフラックス法によりチタン酸アルカリ金属塩の結晶体を形成する活性炭複合材料の製造方法であって、
    前記活性炭にアルカリ金属塩の水溶液を含浸し含浸活性炭を得る含浸工程と、
    前記含浸活性炭に酸化チタンとフラックス剤を添加し活性炭混合物を得る混合工程と、
    前記活性炭混合物を加熱し活性炭の表面に前記アルカリ金属塩と前記酸化チタンの反応により柱状もしくは針状のチタン酸アルカリ金属塩の結晶体を形成した活性炭複合材料を得る加熱工程とを有する
    ことを特徴とする活性炭複合材料の製造方法。
  4. 前記活性炭の粒径が0.08〜2.0mmである請求項3に記載の活性炭複合材料の製造方法。
  5. 前記アルカリ金属塩が炭酸ナトリウムであり、前記フラックス剤が硝酸ナトリウムである請求項3または4に記載の活性炭複合材料の製造方法。
  6. 前記加熱工程が回転炉内において行われる請求項3ないし5のいずれか1項に記載の活性炭複合材料の製造方法。
  7. 前記回転炉がロータリーキルンである請求項6に記載の活性炭複合材料の製造方法。
  8. 前記活性炭複合材料が鉛イオン除去剤である請求項3ないし7のいずれか1項に記載の活性炭複合材料の製造方法。
  9. 請求項1または2に記載の活性炭複合材料を有してなることを特徴とするフィルター体。
  10. 請求項3ないし8のいずれか1項に記載の活性炭複合材料の製造方法により製造した活性炭複合材料を有してなることを特徴とするフィルター体。
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