JP2019087926A - 通信装置、通信システム及びプログラム - Google Patents

通信装置、通信システム及びプログラム Download PDF

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Yosuke Nakatsuka
庸介 中塚
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厳 茂住
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Abstract

【課題】データ伝送の開始までの時間短縮を図ることができる通信装置、通信システム及びプログラムを提供する。【解決手段】通信装置2は、第1通信部211と、第2通信部212と、を備える。第1通信部211は、第1通信方式にて相手装置1と無線通信を行う。第2通信部212は、第1通信方式よりも伝送速度が高速である第2通信方式にて相手装置1と無線通信を行う。第2通信部212は、省電力モードを有する。省電力モードは、第2通信部212と相手装置1との間でデータの伝送を行う場合に比べて単位時間当たりの消費電力が小さく、かつ第2通信部212と相手装置1との間にリンク32が確立されるモードである。通信装置2では、第2通信部212が省電力モードで動作中において、第1通信部211が相手装置1から通信要求信号を受信すると、第2通信部212と相手装置1との間でデータを伝送するデータ伝送処理を実行する。【選択図】図1

Description

本開示は、一般に通信装置、通信システム及びプログラムに関し、より詳細には、相手装置と無線通信を行う通信装置、それを備える通信システム及びプログラムに関する。
特許文献1には、複数の無線通信部を備える通信装置が記載されている。この通信装置は、相手装置(他の通信装置)と無線通信を行う第1通信部(第1の無線通信部)と、第1通信部より通信レートが高い第2通信部(第2の無線通信部)と、制御部と、を備えている。
特許文献1に記載の通信装置では、制御部は、第2通信部の起動要求を第1通信部にて相手装置から受信した場合に、第2通信部に電力を供給して第2通信部を起動させ、第2通信部を介して相手装置と無線通信を行う。
特開2010−273226号公報
しかし、特許文献1に記載の通信装置では、第1通信部が起動要求を受信するまでは、第2通信部が起動しておらず、第2通信部と相手装置との間にリンク(通信路)が確立されていない。すなわち、この通信装置では、第1通信部が起動要求を受信した後、第2通信部が起動し、更に第2通信部と相手装置との間にリンクが確立されて初めて、第2通信部と相手装置との間でデータの伝送が可能となるため、データ伝送の開始までの時間短縮が望まれる。
本開示は上記事由に鑑みてなされており、データ伝送の開始までの時間短縮を図ることができる通信装置、通信システム及びプログラムを提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る通信装置は、第1通信部と、第2通信部と、を備える。前記第1通信部は、第1通信方式にて相手装置と無線通信を行う。前記第2通信部は、前記第1通信方式よりも伝送速度が高速である第2通信方式にて前記相手装置と無線通信を行う。前記第2通信部は、省電力モードを有する。前記省電力モードは、前記第2通信部と前記相手装置との間でデータの伝送を行う場合に比べて単位時間当たりの消費電力が小さく、かつ前記第2通信部と前記相手装置との間にリンクが確立されるモードである。前記通信装置では、前記第2通信部が前記省電力モードで動作中において、前記第1通信部が前記相手装置から通信要求信号を受信すると、前記第2通信部と前記相手装置との間でデータを伝送するデータ伝送処理を実行する。
本開示の一態様に係る通信システムは、前記通信装置と、前記相手装置と、を備える。
本開示の一態様に係るプログラムは、通信装置を制御するコンピュータシステムに、第2通信部が省電力モードで動作中において、第1通信部が相手装置から通信要求信号を受信すると、データ伝送処理を実行させるためのプログラムである。前記データ伝送処理は、前記第2通信部と前記相手装置との間でデータを伝送する処理である。前記通信装置は、第1通信方式にて前記相手装置と無線通信を行う前記第1通信部と、前記第1通信方式よりも伝送速度が高速である第2通信方式にて前記相手装置と無線通信を行う前記第2通信部と、を備える。前記第2通信部は、前記第2通信部と前記相手装置との間でデータの伝送を行う場合に比べて単位時間当たりの消費電力が小さく、かつ前記第2通信部と前記相手装置との間にリンクが確立される省電力モードを有する。
本開示は、データ伝送の開始までの時間短縮を図ることができる、という利点がある。
図1は、実施形態1に係る通信システムの構成を示すブロック図である。 図2は、同上の通信システムの概要を示す説明図である。 図3は、同上の通信システムにおける通信装置の動作を示すフローチャートである。 図4は、同上の通信システムの動作を示すタイミングチャートである。 図5は、同上の通信システムの他の動作を示すタイミングチャートである。
(実施形態1)
(1)通信システムの概要
まず、本実施形態に係る通信システム10の概要について、図2を参照して説明する。
本実施形態に係る通信システム10は、複数台(図2の例では4台)の通信装置201,202,…と、1台の相手装置1と、を備えている。
相手装置1は、複数台の通信装置201,202,…の各々と、双方向に通信可能に構成されている。また、相手装置1は、複数台の通信装置201,202,…とは別の、監視装置3との間でも通信可能に構成されている。また、相手装置1は、インターネット、又は通信事業者が提供するキャリア網(携帯電話網)等のネットワーク5を介して、監視装置3に接続されている。これにより、相手装置1は、ネットワーク5を介して監視装置3と通信する。
相手装置1及び複数台の通信装置201,202,…は建物4内に設置されている。監視装置3は建物4から離れた場所、つまり建物4の遠隔地に設置されている。以下では、複数台の通信装置201,202,…を特に区別しない場合、複数台の通信装置201,202,…の各々を「通信装置2」という。本実施形態では、監視装置3は通信システム10の構成要素には含まれないこととするが、監視装置3は通信システム10の構成要素に含まれていてもよい。
この通信システム10においては、通信装置2が「子機」として用いられ、相手装置1が「親機」として用いられる。すなわち、通信システム10は、少なくとも1台の通信装置2(子機)と、通信装置2との通信を行う相手装置1(親機)と、を備えている。相手装置1と通信装置2との通信には電波を伝送媒体とした無線通信方式が適用される。
以下の説明では一例として、通信システム10が導入される建物4として、戸建住宅を例示する。通信システム10が導入される建物4は、戸建住宅に限らず、例えば、集合住宅の各住戸等の戸建住宅以外の住宅、又は事務所、店舗若しくは介護施設等の非住宅であってもよい。
要するに、相手装置1は、同一の建物4内に設けられた通信装置2、及び建物4の外部に設けられた監視装置3の各々との通信機能を有している。さらに、相手装置1は、ユーザ(建物4の住人)の操作を受け付ける機能、及び種々の情報を表示又は音声により出力する機能等を有している。本実施形態では、通信装置2は、例えば、人感センサ、カメラ、火災感知器、温湿度センサ、窓センサ又は通話装置等の機能を有している。そのため、相手装置1は、通信装置2との通信により、例えば、建物4内の状況を監視したり、通信装置2を制御したりすることが可能である。また、相手装置1及び通信装置2が通話機能を有する場合には、相手装置1及び通信装置2間で双方向に音声データを伝送することにより、建物4内の離れた場所に居る2人のユーザ間での通話が可能となる。
さらに、相手装置1は、監視装置3との通信により、例えば、通信装置2の状態を監視装置3に転送したり、監視装置3にて通信装置2を遠隔制御したりすることができる。これにより、建物4の外部の監視装置3においても、建物4内の状況を監視することが可能になる。また、監視装置3及び通信装置2が通話機能を有する場合には、監視装置3及び通信装置2間で双方向に音声データを伝送することにより、建物4内のユーザと建物4の遠隔地のオペレータ等との間で通話が可能となる。
さらに、相手装置1は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ又はウェアラブル端末等の情報端末とも、通信可能に構成されていてもよい。この場合、スマートフォン等の情報端末でも、監視装置3と同様に、相手装置1との通信により、例えば、通信装置2の状態を監視したり、通信装置2を遠隔制御したり、通信装置2との間で双方向に音声データを伝送したりすることができる。
相手装置1は、外部電源からの電力供給を受けて動作する。本開示でいう「外部電源」は、例えば、系統電源(商用電源)、又は太陽光発電設備等の分散電源等である。複数台の通信装置2はいずれも電池駆動式であって、電池25(図1参照)からの電力供給を受けて動作する。
人感センサの機能を有する通信装置2は、建物4内の監視エリア(例えば、リビングルーム等の居室)における人の存否を検知し、人が存在する場合には報知データを相手装置1へ送信する。カメラの機能を有する通信装置2は、建物4内の撮像エリアを撮像し、撮像された映像を映像データとして相手装置1へ送信する。火災感知器の機能を有する通信装置2は、建物4での火災の発生の有無を検知し、火災が発生した場合には報知データを相手装置1へ送信する。温湿度センサの機能を有する通信装置2は、建物4内の温度及び湿度を測定し、測定結果を測定データとして相手装置1へ送信する。窓センサの機能を有する通信装置2は、建物4の窓の開閉を検知し、窓が開いた場合には報知データを相手装置1へ送信する。通話装置の機能を有する通信装置2は、スピーカ及びマイクロホンを有し、相手装置1との間で音声データを送受信することにより、相手装置1を介して、監視装置3との間で通話を可能とする。カメラの機能を有する通信装置2は、マイクロホンを有し、映像データと共に音声データを相手装置1へ送信する構成であってもよい。
図2の例では、通信装置201は「人感センサ」の機能を有し、通信装置202は「カメラ」の機能を有し、通信装置203は「火災感知器」の機能を有し、通信装置204は「温湿度センサ」の機能を有している。ただし、この例に限らず、同じ種類の通信装置2が複数台設けられていてもよいし、空調機器又は照明機器等の機器が通信装置2として用いられてもよい。
これらの通信装置2は、相手装置1に対して一方的に信号を送信するだけでなく、相手装置1からの信号を受信する機能を有している。通信装置2が相手装置1から受信する信号には、例えば、通信装置2のアライブチェック(生存確認)のための信号、通信装置2の状態を問い合わせるための信号、通信装置2の制御のための信号、及び通信装置2の設定変更のための信号等がある。
また、監視装置3は、実際には、複数の建物4からなる監視対象群を監視対象とする。この場合、監視対象群に属する複数の建物4に設けられた相手装置1が、1台の監視装置3と通信することにより、監視装置3と相手装置1とは一対多の関係となる。ただし、以下では説明を簡単にするため、監視装置3の監視対象が1つの建物4である場合、つまり監視装置3と相手装置1とが一対一の関係にある場合を例に説明する。
ところで、本実施形態では、少なくとも子機として用いられる通信装置2は、図1に示すように、第1通信部211と、第2通信部212と、を備えている。
第1通信部211は、第1通信方式にて、相手装置1と無線通信を行う。第2通信部212は、第1通信方式よりも伝送速度が高速である第2通信方式にて、相手装置1と無線通信を行う。
本開示でいう「伝送速度」とは、一定時間内に伝送可能なデータ量を意味する。伝送速度が高速である程、一定時間内に伝送可能なデータ量が大きくなる。そのため、例えば、音声データ又は映像データ等の大容量のデータの伝送には、第1通信部211よりも第2通信部212が適している。
すなわち、本実施形態の通信装置2(子機)は、相手装置1(親機)との通信用に、第1通信部211と第2通信部212との2つの通信部を備えている。第1通信部211と第2通信部212とはいずれも無線通信によって相手装置1と通信する。ただし、第1通信部211と第2通信部212とでは、使用する通信方式が互いに異なっている。第2通信部212が使用する第2通信方式は、第1通信部211が使用する第1通信方式より高速なデータ伝送が可能である。したがって、第2通信部212を用いることにより、通信装置2は、相手装置1との間で伝送されるデータの伝送速度を高速化することができる。
また、第2通信部212は、省電力モードを有する。省電力モードは、第2通信部212と相手装置1との間でデータの伝送を行う場合に比べて単位時間当たりの消費電力が小さく、かつ第2通信部212と相手装置1との間にリンク32が確立される動作モードである。つまり、第2通信部212が省電力モードで動作中においては、第2通信部212と相手装置1との間でデータの伝送を行う場合に比べて消費電力を小さく抑えながらも、第2通信部212と相手装置1との間にリンク32が確立された状態が維持される。
本開示でいう「リンク」とは、通信ネットワークを構成する複数のノード(例えば、相手装置1及び通信装置2)間の通信経路を意味する。ここで、第2通信部212と相手装置1との間のリンク32が確立した状態は、第2通信部212と相手装置1との間で物理的に電波の送信及び受信が行われる状態を意味する。つまり、リンク32が確立した状態は、第2通信部212から相手装置1へデータを送信可能で、かつ相手装置1から第2通信部212へデータを送信可能な状態を意味する。そのため、第2通信部212と相手装置1との間で双方向にデータが伝送可能な状態は、リンク32が確立した状態に相当する。一方、第2通信部212の待ち受け状態、つまり第2通信部212が相手装置1からの信号を一方的に受信可能な状態は、リンク32が確立していない状態(リンク32が切断された状態)に相当する。図1では、第1通信部211と相手装置1との間のリンク31、及び第2通信部212と相手装置1との間のリンク32を図示しているが、これらのリンク31,32は、説明のために表記しているに過ぎず実体を有しない。
ここで、通信装置2では、第2通信部212が省電力モードで動作中において、第1通信部211が相手装置1から通信要求信号を受信すると、データ伝送処理を実行する。データ伝送処理は、第2通信部212と相手装置1との間でデータを伝送する処理である。言い換えれば、通信装置2は、第2通信部212が省電力モードで動作中においては、相手装置1からの通信要求信号を第1通信部211が受信するまでは、第2通信部212でのデータ伝送処理を開始しない。そのため、通信装置2は、基本的には第2通信部212を省電力モードで動作させ、必要なときにだけ第2通信部212にてデータ伝送処理を実行することで、第2通信部212での消費電力を小さく抑えることができる。
さらに、通信装置2は、第2通信部212が省電力モードで動作中においても、第2通信部212と相手装置1との間にリンク32が確立された状態を維持している。そのため、通信装置2は、第2通信部212が省電力モードで動作中において、相手装置1からの通信要求信号を第1通信部211が受信後に、第2通信部212と相手装置1との間にリンク32を確立するための処理が不要である。したがって、通信装置2においては、相手装置1からの通信要求信号を第1通信部211が受信した時点から、第2通信部212でのデータ伝送処理が開始するまでの時間の短縮を図ることが可能である。
その結果、通信装置2によれば、第2通信部212を用いてデータの伝送速度を高速化しながらも、第2通信部212での消費電力を比較的小さく抑え、かつデータ伝送の開始までの時間短縮を図ることができる。
(2)親機の構成
次に、本実施形態に係る通信システム10において、親機として用いられる相手装置1の具体的な構成について、図1を参照して説明する。
相手装置1は、図1に示すように、無線モジュール11と、親機側制御部12と、電源部13と、外部通信部14と、入力部15と、出力部16と、を有している。
無線モジュール11は、通信装置2との無線通信用のモジュールである。無線モジュール11は、第1無線部111と、第2無線部112と、を有している。第1無線部111は、第1通信方式にて、通信装置2(厳密には、第1通信部211)と無線通信を行う。第2無線部112は、第1通信方式よりも伝送速度が高速である第2通信方式にて、通信装置2(厳密には、第2通信部212)と無線通信を行う。すなわち、上述したように、相手装置1と通信装置2との通信方式としては、第1通信方式及び第2通信方式が適用されているため、相手装置1には、第1通信方式及び第2通信方式に対応して、第1無線部111及び第2無線部112が設けられる。
本実施形態では、第1無線部111及び第2無線部112の各々は、通信装置2との間で信号の送信及び受信を行う。これにより、無線モジュール11では、第1通信方式及び第2通信方式の各々において、通信装置2との間で双方向にデータを伝送可能である。
本実施形態では、一例として、第1無線部111が使用する第1通信方式は、免許を必要としない小電力無線である。この種の小電力無線については、用途などに応じて使用する周波数帯域や空中線電力などの仕様が各国で規定されている。例えば、日本国においては、420MHz帯又は920MHz帯の電波を使用する小電力無線が規定されている。以下、これらの小電力無線をSRD(Short Range Devices)という。
一方、第2無線部112が使用する第2通信方式は、一例として、Wi−Fi(登録商標)に準拠した通信方式である。第2通信方式は、上述したように、第1通信方式より高速なデータ伝送が可能な通信方式である。このような第2通信方式は、一般的に、第1通信方式に比べて無線モジュール11での消費電力が大きくなる。そのため、第1無線部111及び通信装置2間の通信と、第2無線部112及び通信装置2間の通信とを比較すると、第2無線部112及び通信装置2間の通信の方が、無線モジュール11での消費電力は大きい。言い換えれば、第1通信方式は第2通信方式に比べて低消費電力の通信方式である。
また、本実施形態では、通信可能な距離(通信距離)について、第1通信方式と第2通信方式とで同程度の距離に設定されている。すなわち、相手装置1において、第1無線部111にて通信装置2と通信する際の通信距離と、第2無線部112にて通信装置2と通信する際の通信距離と、は同程度に設定されている。そのため、相手装置1は、第1無線部111にて通信可能な範囲内にある通信装置2に対しては、第2無線部112でも通信可能である。
親機側制御部12は、無線モジュール11、外部通信部14、入力部15及び出力部16等を制御する。親機側制御部12は、本実施形態ではプロセッサ及びメモリを主構成とするマイクロコンピュータにて構成されている。言い換えれば、親機側制御部12は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムにて実現されており、プロセッサが、メモリに格納されているプログラムを実行することにより、親機側制御部12として機能する。プログラムは、親機側制御部12のメモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
電源部13は、外部電源から電力供給を受けて、無線モジュール11、親機側制御部12及び外部通信部14等に動作用の電力を供給する。
外部通信部14は、監視装置3(図2参照)との通信用の通信モジュールである。本実施形態では、外部通信部14は、監視装置3との間で信号の送信及び受信を行う。これにより、外部通信部14では、監視装置3との間で双方向にデータを伝送可能である。本実施形態においては、外部通信部14と監視装置3との間の通信は、一例として、有線通信である。
入力部15は、例えば、操作ボタン又はタッチパネル等の操作部に接続される。入力部15は、操作部に対するユーザの操作に応じた入力信号を親機側制御部12へ出力する。出力部16は、表示部又は音声出力部等に接続され、親機側制御部12からの出力信号を受けて表示部に種々の情報を表示させたり、音声出力部から音声を出力させたりする。
(3)子機の構成
次に、本実施形態に係る通信システム10において、子機として用いられる通信装置2の具体的な構成について、図1を参照して説明する。図1では、複数台の通信装置2のうち1台の通信装置2のみを図示しているが、他の通信装置2についても同様の構成である。
通信装置2は、図1に示すように、通信モジュール21と、制御部22と、電源部23と、機能モジュール24と、電池25と、を有している。
通信モジュール21は、相手装置1との無線通信用のモジュールである。通信モジュール21は、第1通信部211と、第2通信部212と、を有している。第1通信部211は、第1通信方式(本実施形態ではSRD)にて、相手装置1(厳密には、第1無線部111)と無線通信を行う。第2通信部212は、第1通信方式よりも伝送速度が高速である第2通信方式(本実施形態ではWi−Fi(登録商標))にて、相手装置1(厳密には、第2無線部112)と無線通信を行う。すなわち、上述したように、相手装置1と通信装置2との通信方式としては、第1通信方式及び第2通信方式が適用されているため、通信装置2には、第1通信方式及び第2通信方式に対応して、第1通信部211及び第2通信部212が設けられる。
本実施形態では、第1通信部211及び第2通信部212の各々は、相手装置1との間で信号の送信及び受信を行う。これにより、通信モジュール21では、第1通信方式及び第2通信方式の各々において、相手装置1との間で双方向にデータを伝送可能である。
図1では、第1通信部211と相手装置1の第1無線部111との間に(第1の)リンク31が確立した状態を表している。リンク31が確立した状態では、第1通信部211と第1無線部111との間で双方向にデータが伝送可能である。本実施形態では、通信装置2が起動すると、第1通信部211は自動的に起動し相手装置1の第1無線部111との間にリンク31を確立する。また、図1では、第2通信部212と相手装置1の第2無線部112との間に(第2の)リンク32が確立した状態を表している。リンク32が確立した状態では、第2通信部212と第2無線部112との間で双方向にデータが伝送可能である。本実施形態では、通信装置2が起動すると、第2通信部212は自動的に起動し相手装置1の第2無線部112との間にリンク32を確立する。
ここで、第2通信方式は、一般的に、第1通信方式に比べて無線モジュール11での消費電力が大きくなる。そのため、第1通信部211及び相手装置1間の通信と、第2通信部212及び相手装置1間の通信とを比較すると、第2通信部212及び相手装置1間の通信の方が、通信モジュール21での消費電力は大きい。言い換えれば、第1通信方式は第2通信方式に比べて低消費電力の通信方式である。
ここにおいて、相手装置1と通信装置2との間で音声データ又は映像データ等の大容量のデータの伝送には、第1通信方式及び第2通信方式のうち第2通信方式が用いられる。そのため、第2無線部112と第2通信部212との間のリンク32が切断された状態では、相手装置1と通信装置2との間で音声データ又は映像データ等の伝送機能(通話機能を含む)は有効でない。第2無線部112と第2通信部212との間のリンク32が確立した状態でのみ、相手装置1と通信装置2との間で音声データ又は映像データ等の伝送機能(通話機能を含む)が有効となる。
ところで、本実施形態では、第2通信部212は、動作モードとして、省電力モードと、通常モードと、を有している。通常モードは、省電力モードに比べて単位時間当たりの消費電力が大きい動作モードである。すなわち、第2通信部212の動作モードは、少なくとも通常モードと、通常モードに比べて電力消費を抑制可能な省電力モードと、の2つのモードで切替可能である。
本実施形態では、第2通信部212に適用されている第2通信方式がWi−Fi(登録商標)であるので、第2通信部212の動作モードには、アクティブモード(Active Mode)と、パワーセーブモード(Power Save Mode)と、の2種類がある。すなわち、Wi−Fi(登録商標)に準拠した通信装置(ステーション)は、アクティブモードで動作中には、送受信回路に常に電力が供給され、パワーセーブモードで動作中には、間欠的に仮眠状態となって送受信回路での電力消費が抑制される。アクティブモードが「通常モード」に相当し、パワーセーブモードが「省電力モード」に相当する。
以下に、一般的なWi−Fi(登録商標)の通信を例に、相手装置(アクセスポイント)と通信する通信装置(ステーション)のアクティブモード及びパワーセーブモードについて説明する。
基本的には、通信装置と相手装置との間でデータ伝送が一定時間行われない場合に、通信装置の動作モードは、アクティブモードからパワーセーブモードに切り替わる。通信装置はパワーセーブモードにおいては常にデータを受信できる状態ではないため、相手装置は、通信装置に対してある時間間隔でビーコンを送信する。このとき、通信装置においては、間欠的に設定されるアウェイク(awake)区間にて、相手装置からの信号(ビーコン)を受信することになる。つまり、パワーセーブモードにある通信装置は、周期的にアウェイク(awake)状態と仮眠状態とを繰り返す。
また、相手装置から、パワーセーブモードで動作中の通信装置宛てのデータがある場合には、その旨が、ビーコンに含まれるTIM(Traffic Indication Map)にて通信装置に通知される。TIMにて通知を受けた通信装置は、ポーリング(PS-Poll:Power Save Polling)を実行し、相手装置からのデータを受信する。
さらに、通信装置は、アクティブモードからパワーセーブモードに移行する際、PMビットを「1」にした信号を相手装置に送信する。通信装置は、パワーセーブモードからアクティブモードに移行する際、PMビットを「0」にした信号を相手装置(アクセスポイント)に送信する。これにより、相手装置にて、通信装置の動作モード(アクティブモード又はパワーセーブモード)を共有できる。
上述した一般的なWi−Fi(登録商標)の通信についての説明を、本実施形態に係る通信装置2に当て嵌めると、第2通信部212は、省電力モードで動作中には、第2時間間隔で周期的に設定される第2受信区間にて、相手装置からの信号を受信することになる。ここで、上述したアウェイク(awake)区間が「第2受信区間」に相当し、アウェイク(awake)区間の間隔が「第2時間間隔」に相当する。
制御部22は、通信モジュール21及び機能モジュール24等を制御する。制御部22は、本実施形態ではプロセッサ及びメモリを主構成とするマイクロコンピュータにて構成されている。言い換えれば、制御部22は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムにて実現されており、プロセッサが、メモリに格納されているプログラムを実行することにより、制御部22として機能する。プログラムは、制御部22のメモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
また、制御部22のメモリには、リンク31,32の確立に用いられる認証情報等が保存される。本開示でいう「認証情報」は、第1通信部211及び第2通信部212の通信に関する情報であって、第1通信部211及び第2通信部212と相手装置1との間にリンク31,32を確立するのに必要な情報である。具体的には、認証情報はID及び鍵情報を含む情報である。
本実施形態では、制御部22は、少なくとも図3に示すような動作が実現されるように通信モジュール21を制御する。すなわち、制御部22は、第2通信部212が省電力モードで動作中において(S1)、第1通信部211が相手装置1から通信要求信号を受信するか否かを判定する(S2)。このとき、第1通信部211が通信要求信号を受信しなければ(S2:No)、制御部22は、処理S1に戻る。一方、第1通信部211が通信要求信号を受信すると(S2:Yes)、制御部22は、第2通信部212の動作モードを省電力モードから通常モードに切り替えて(S3)、データ伝送処理を実行させる(S4)。データ伝送処理は、第2通信部212と相手装置1との間でデータを伝送する処理である。これにより、第2通信部212が省電力モードで動作中に、第1通信部211が相手装置1から通信要求信号を受信すると、第2通信部212の動作モードが通常モードに切り替わる。そして、第2通信部212が通常モードで動作する期間に、第2通信部212と相手装置1との間でデータ伝送が実行される。
また、制御部22には、第2通信部212を制御して、第2通信部212の動作モードを通常モードから省電力モードに切り替える機能も含まれている。制御部22は、第1通信部211が相手装置1から通信要求信号を受信後、第2通信部212と相手装置1との間でデータ伝送が完了するか、又は一定時間が経過すると、第2通信部212の動作モードを省電力モードに切り替える。
電源部23は、電池25から電力供給を受けて、通信モジュール21、制御部22及び機能モジュール24等に動作用の電力を供給する。電池25は、通信装置2の筐体内に収納される一次電池又は二次電池である。電池25は、通信装置2の構成要素に含まれていてもよいし、通信装置2の構成要素に含まれていなくてもよい。
機能モジュール24は、通信装置2における相手装置1との通信以外の機能を実現するモジュールである。例えば、通話装置としての機能を有する通信装置2であれば、機能モジュール24は通話装置としての機能を有する。人感センサ等のセンサとしての機能を有する通信装置2であれば、機能モジュール24はセンサの機能を有する。つまり、通信装置2は、機能モジュール24の機能に、相手装置1との通信機能が付加された構成である。
(4)動作
以下、本実施形態に係る通信装置2(子機)、及びそれを備える通信システム10の動作について、図4及び図5を参照して説明する。ここでは、相手装置1で「映像配信」というイベントが発生した場合に、通信装置2から相手装置1に映像データが送信される際の通信システム10の動作を例示する。本開示でいう「映像配信」は、相手装置1が通信装置2から映像の配信を受けるためのイベントを意味し、例えば、入力部15に所定の入力信号が入力されたことをトリガにして発生する。
図4及び図5では、横軸を時間軸として、各ノード(相手装置1及び通信装置2)の動作を時系列的に表している。図4では、上から順に、相手装置1の第2無線部112の動作、通信装置2の第1通信部211の動作、第2通信部212の動作、第2通信部212の消費電力を示している。図5では、上から順に、相手装置1の第1無線部111の動作、第2無線部112の動作、通信装置2の第1通信部211の動作、第2通信部212の動作、第2通信部212の消費電力、第2通信部212の動作モードを示している。ここで、第1無線部111及び第1通信部211の動作に関し、送信動作を「Tx1」、受信動作を「Rx1」で示している(斜線部が動作中を表す)。同様に、第2無線部112及び第2通信部212の動作に関し、送信動作を「Tx2」、受信動作を「Rx2」で示している(斜線部が動作中を表す)。
図4は、イベントが発生していない定常時における通信システム10の動作を示している。図4の例では、通信装置2の第2通信部212が省電力モードで動作している。そのため、相手装置1の第2無線部112は、第2通信部212に対して定期的に信号(ビーコン)を送信する(S11〜S15)。これにより、通信装置2の第2通信部212は、第2時間間隔T2で周期的に設定される第2受信区間Ts2(図5参照)にて、相手装置1からの信号(ビーコン)を受信する。つまり、第2通信部212は、相手装置1からの信号(ビーコン)の送信タイミングに同期して、間欠的に受信動作を行う。
その結果、第2通信部212が省電力モードで動作中においては、第2通信部212の消費電力は、受信動作を行う第2受信区間Ts2にて増大する。したがって、第2通信部212の消費電力は、H(High)レベルとL(Low)レベルとを、交互に繰り返すことになる。これに対して、第2通信部212が相手装置1との間でデータの伝送を行う場合には、第2通信部212の消費電力はH(High)レベル以上となる。よって、第2通信部212が省電力モードで動作中における単位時間当たりの第2通信部212の消費電力は、第2通信部212が相手装置1との間でデータの伝送を行う場合に比べて小さくなる。
また、通信装置2の第1通信部211は、第1時間間隔T1で周期的に設定される第1受信区間Ts1(図5参照)にて、相手装置1からの信号を受信する。第1時間間隔T1は、第2時間間隔T2よりも短い時間間隔である(T1<T2)。つまり、第1通信部211は、第2通信部212よりも短い時間間隔で間欠的に受信動作を行う。言い換えれば、第1通信部211は、第2通信部212よりも高い頻度で受信動作を行う。ただし、上述したように、第1通信部211の消費電力は、第2通信部212の消費電力に比べて小さいので、通信モジュール21全体としてみれば、第1通信部211が受信動作を行うことによる消費電力の増加量は比較的小さく抑えられる。
また、第1通信部211は、第1受信区間Ts1には、相手装置1からの信号の有無を検知し、第1受信区間Ts1に相手装置1からの信号を受信した場合、第1受信区間Ts1から所定時間T3(図5参照)後に相手装置1からのデータを受信する。つまり、第1通信部211は、第1時間間隔T1で周期的に設定される第1受信区間Ts1においては、相手装置1からの信号の有無を検知しているだけであって、相手装置1からのデータの受信は行わない。具体的には、第1通信部211は、第1受信区間Ts1においては電波チェックを行い、第1通信部211での信号の受信強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)が閾値以上か否かによって、相手装置1からの信号の有無を検知する。このとき、受信強度が閾値以上であれば、第1通信部211は、相手装置1からの信号が有ったと判断し、第1受信区間Ts1から所定時間T3の経過後に、相手装置1からのデータを受信する。
ここで、所定時間T3は、第1時間間隔T1よりも短い時間である(T3<T1)ことが好ましい。一例として、第1時間間隔T1が3秒であって、所定時間T3が1秒である。さらに、所定時間T3は0秒であってもよく、この場合、第1通信部211は、相手装置1からの信号が有ったと判断した第1受信区間Ts1の直後に、相手装置1からのデータを受信する。
本実施形態に係る通信システム10では、上述のように第1通信部211及び第2通信部212がいずれも間欠的に受信動作を行うことで、連続的に受信動作を行う場合に比べて、第1通信部211及び第2通信部212の消費電力を小さく抑えることができる。しかも、第1通信部211及び第2通信部212が、間欠的とはいえ相手装置1との通信を継続するので、相手装置1と通信装置2との間にリンク31,32が確立した状態が維持される。
一方、図5は、イベントが発生した際における通信システム10の動作を示している。通信装置2の第2通信部212が省電力モードで動作している状態では、図4の例と同様に、通信装置2の第2通信部212は、第2時間間隔T2で周期的に設定される第2受信区間Ts2にて、相手装置1からの信号(ビーコン)を受信する(S21,S26)。
ここにおいて、相手装置1にて「映像配信」というイベントが発生すると、相手装置1は、第1無線部111にて通信要求信号を送信する(S22)。通信要求信号は、通信装置2に対して、第2通信方式での通信を要求する信号である。本実施形態では、通信要求信号には、制御コマンドが含まれている。制御コマンドは、例えば、イベント(ここでは「映像配信」)の内容を特定するコマンドである。通信装置2の第1通信部211は、第1時間間隔T1で周期的に設定される第1受信区間Ts1にて、相手装置1からの通信要求信号を受信する(S22)。
ただし、本実施形態では、上述したように第1通信部211は、第1受信区間Ts1には相手装置1からの信号の有無を検知するのみであって、相手装置1からのデータは受信しない。そのため、第1通信部211は、相手装置1からの通信要求信号を受信した第1受信区間Ts1の所定時間T3後に、相手装置1から再送される通信要求信号を受信する(S23)。
第1通信部211にて通信要求信号を受信した通信装置2は、通信要求信号に含まれている制御コマンドを、第1通信部211から第2通信部212に対して転送する(S24)。第2通信部212が制御コマンドを受けると、第2通信部212の動作モードが省電力モードから通常モードに切り替わる。第2通信部212の動作モードが通常モードに切り替わることで、第2通信部212が省電力モードで動作中の期間に比べて、第2通信部212の消費電力が大きくなる。
第2通信部212は、通常モードでの動作を開始すると、相手装置1(第2無線部112)にデータを伝送するデータ伝送処理を実行する(S25)。データ伝送処理において、第2通信部212は、制御コマンドに従って、データを相手装置1(第2無線部112)に伝送する。ここでは、イベントが「映像配信」であるので、第2通信部212は映像データを相手装置1(第2無線部112)に伝送する。このように、第2通信部212は、データ伝送処理において、通信要求信号に含まれている制御コマンドに応じた応答データ(ここでは映像データ)を相手装置1へ送信する。
データ伝送処理が完了すると、例えば、その後の最初の第2受信区間Ts2から、第2通信部212の動作モードが省電力モードに切り替わる。ただし、第2通信部212の動作モードが省電力モードに切り替わるタイミングは、図5の例に限らない。例えば、データ伝送処理の完了後、第2通信部212と第2無線部112との間でデータ伝送が一定時間行われない場合に、第2通信部212の動作モードが省電力モードに切り替わってもよい。
以上説明した通信システム10の動作によれば、イベントが発生した時点(通信要求信号の送信開始)から、第2通信部212でのデータ伝送処理が開始するまでの所要時間(以下、「応答時間」という)T0の短縮を図ることができる。すなわち、上記通信システム10では、第2通信部212と相手装置1との間にリンク32が確立された状態を維持しつつ、通信装置2にて通信要求信号を待ち受けているので、通信要求信号を受信後、データ伝送処理の開始までの時間を短縮可能である。要するに、上記通信システム10によれば、通信装置2が通信要求信号を受信後においては、第2通信部212を起動する処理が必要なく、更に第2通信部212と相手装置1との間にリンク32を確立する処理も必要ない。その結果、応答時間T0の短縮を図ることができる。
ここでは、相手装置1の入力部15に所定の入力信号が入力されたことをトリガにして、通信装置2から相手装置1にデータ(映像データ等)を送信するための一連の動作が開始する場合を例として説明した。ただし、この例に限らず、通信システム10において、通信装置2から相手装置1にデータを送信するための一連の動作を開始するトリガは、通信装置2にて発生してもよい。例えば、通信装置2が操作ボタン又はタッチパネル等の操作部を備えていれば、この操作部に対するユーザの操作に応じて発生する入力信号をトリガにして、通信装置2から相手装置1にデータを送信するための一連の動作が開始してもよい。
(5)比較例
次に、比較例として、通信装置2がそもそも第1通信部211を備えない場合について検討する。比較例においては、通信装置2は、第2通信部212が省電力モードで動作中には、第2時間間隔T2で周期的に設定される第2受信区間Ts2にて、相手装置1からの信号(ビーコン)を受信するのみである。そのため、相手装置1が通信装置2からデータを取得するには、相手装置1は、まず第2受信区間Ts2にてビーコンにより通信装置2に通知を行い、これに対する通信装置2からのポーリングへの応答として、通信装置2へ制御コマンドを送信する。その後、制御コマンドを受信した通信装置2は、制御コマンドに従って、第2通信部212にてデータ(例えば、映像データ)を相手装置1に伝送する。したがって、比較例において応答時間を短縮するためには、第2時間間隔T2を短くすることが考えられるが、第2時間間隔T2が短くなると、単位時間当たりの通信装置2での消費電力が大きくなる。一方、第2時間間隔T2を長くすると、単位時間当たりの通信装置2での消費電力は小さく抑えられるものの、応答時間が長くなる。
これに対して、本実施形態に係る通信システム10では、上述したように第2通信部212に比べて消費電力が小さい第1通信部211にて、通信要求信号の待ち受けを行うので、単位時間当たりの通信装置2での消費電力は小さく抑えられる。しかも、第1通信部211が通信要求信号を受信したことをトリガにして、第2通信部212でのデータ伝送処理が実行されるので、第2時間間隔T2の長さは応答時間T0には影響しない。したがって、本実施形態に係る通信システム10によれば、比較例と比べると、第2時間間隔T2を長くして単位時間当たりの通信装置2での消費電力を小さく抑えながらも、応答時間T0の短縮を図ることができる。
(6)変形例
実施形態1は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、通信装置2の制御部22と同様の機能は、通信装置2の制御方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係るプログラムは、通信装置2を制御するコンピュータシステムに、第2通信部212が省電力モードで動作中において、第1通信部211が相手装置1から通信要求信号を受信すると、データ伝送処理を、実行させるためのプログラムである。データ伝送処理は、第2通信部212と相手装置1との間でデータを伝送する処理である。通信装置2は、第1通信方式にて相手装置1と無線通信を行う第1通信部211と、第1通信方式よりも伝送速度が高速である第2通信方式にて相手装置1と無線通信を行う第2通信部212と、を備える。第2通信部212は、省電力モードを有する。省電力モードは、第2通信部212と相手装置1との間でデータの伝送を行う場合に比べて単位時間当たりの消費電力が小さく、かつ第2通信部212と相手装置1との間にリンク32が確立されるモードである。
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
本開示における通信システム10は、例えば、通信装置2の制御部22にコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における制御部22としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
また、例えば、通信装置2の複数の構成要素が、1つの筐体内に集約されていることは通信システム10に必須の構成ではなく、通信装置2の複数の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。複数の構成要素が複数の筐体に分散して設けられている場合でも、例えば、インターネット等のネットワークを介して複数の構成要素が接続されることにより、通信装置2を実現することができる。さらに、通信装置2の少なくとも一部の機能は、例えば、サーバ又はクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。反対に、例えば、相手装置1及び通信装置2のように、複数の装置に分散されている機能が、通信システム10の一部として、通信システム10の他の構成要素と共に1つの筐体内に集約されていてもよい。
また、通信装置2が「子機」として用いられ、相手装置1が「親機」として用いられることは通信システム10において必須ではない。例えば、通信装置2が「親機」として用いられ、相手装置1が「子機」として用いられてもよい。さらに、親機及び子機の区別が無い通信システム10において、通信装置2及び相手装置1が用いられてもよい。
また、第2通信方式は第1通信方式よりも伝送速度が高速であればよく、第1通信方式はSRDに限らず、第2通信方式はWi−Fi(登録商標)に限らない。第2通信方式は、例えば、Bluetooth(登録商標)又はDECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunications)準拠方式等であってもよい。ここでいう「DECT」には、DECT−ULE(Ultra Low Energy)を含んでいる。相手装置1と監視装置3との間の通信については、有線通信に限らず無線通信であってもよい。
また、相手装置1が外部電源からの電力供給を受けて動作することは、通信システム10に必須の構成ではなく、相手装置1は電池駆動式であってもよい。また、複数台の通信装置2が全て電池駆動であることは、通信システム10に必須の構成ではなく、複数台の通信装置2の少なくとも一部は、外部電源からの電力供給を受けて動作する構成であってもよい。この場合でも、通信装置2の消費電力を小さく抑えることは、省エネルギーの観点から有用である。
また、相手装置1と通信装置2との通信は、2種類の通信方式に限らず、3種類以上の通信方式に対応していてもよい。例えば、「A」,「B」,「C」の3つの通信方式に対応する場合、通信装置2は、相手装置1との通信において、通信方式「A」を第1通信方式として使用し、通信方式「B」,「C」のいずれかを第2通信方式として使用すればよい。通信方式「B」,「C」のいずれかを第2通信方式として使用するかは、例えば、第2通信方式にて伝送するデータの内容等によって決定されることが好ましい。
また、第1通信部211及び第2通信部212は、1チップで構成されていてもよいし、別々のパッケージで構成されていてもよい。さらに、第1通信部211及び第2通信部212は、例えば、制御部22等と1チップで構成されていてもよい。相手装置1の第1無線部111及び第2無線部112についても同様である。
また、第1通信部211が、第2時間間隔T2よりも短い第1時間間隔T1で周期的に設定される第1受信区間Ts1にて相手装置1からの信号を受信することは、通信システム10に必須の構成ではない。例えば、第1通信部211は、第2時間間隔T2以上の第1時間間隔T1で周期的に設定される第1受信区間Ts1にて相手装置1からの信号を受信してもよいし、連続的に相手装置1からの信号を受信してもよい。
また、第1通信部211が、第1受信区間Ts1に相手装置1からの信号の有無を検知することは、通信システム10に必須の構成ではない。例えば、第1通信部211は、第1受信区間Ts1において、相手装置1からのデータを受信してもよい。
(実施形態2)
本実施形態に係る通信装置2は、第2通信部212が、動作モードを省電力モードに維持した状態で、データ伝送処理を実行する点で、実施形態1に係る通信装置2と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
すなわち、本実施形態では、第2通信部212が制御コマンドを受けると、第2通信部212は、動作モードを省電力モードに維持したままの状態で、相手装置1(第2無線部112)にデータを伝送するデータ伝送処理を実行する。例えば、周期的にアウェイク(awake)状態と仮眠状態とを繰り返す省電力モード(パワーセーブモード)においては、第2通信部212は、仮眠状態であるべき期間に一時的にアウェイク(awake)状態となることで、データ伝送処理が可能になる。
このように、本実施形態に係る通信装置2では、第2通信部212の動作モードを通常モードに切り替えることなく、省電力モードに維持したままでデータ伝送処理が実行されるので、単位時間当たりの通信装置2の消費電力をより小さく抑えることができる。
実施形態2で説明した構成は、実施形態1(変形例を含む)で説明した構成と適宜組み合わせて適用可能である。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る通信装置(2)は、第1通信部(211)と、第2通信部(212)と、を備える。第1通信部(211)は、第1通信方式にて相手装置(1)と無線通信を行う。第2通信部(212)は、第1通信方式よりも伝送速度が高速である第2通信方式にて相手装置(1)と無線通信を行う。第2通信部(212)は、省電力モードを有する。省電力モードは、第2通信部(212)と相手装置(1)との間でデータの伝送を行う場合に比べて単位時間当たりの消費電力が小さく、かつ第2通信部(212)と相手装置(1)との間にリンク(32)が確立されるモードである。通信装置(2)では、第2通信部(212)が省電力モードで動作中において、第1通信部(211)が相手装置(1)から通信要求信号を受信すると、第2通信部(212)と相手装置(1)との間でデータを伝送するデータ伝送処理を実行する。
この態様によれば、通信装置(2)は、第2通信部(212)が省電力モードで動作中においても、第2通信部(212)と相手装置(1)との間にリンク(32)が確立された状態を維持している。そのため、通信装置(2)は、第2通信部(212)が省電力モードで動作中において、相手装置(1)からの通信要求信号を第1通信部(211)が受信後に、第2通信部(212)と相手装置(1)との間にリンク(32)を確立するための処理が不要である。したがって、通信装置(2)においては、相手装置(1)からの通信要求信号を第1通信部(211)が受信した時点から、第2通信部(212)でのデータ伝送処理が開始するまでの時間の短縮を図ることが可能である。その結果、通信装置(2)によれば、第2通信部(212)を用いてデータの伝送速度を高速化しながらも、第2通信部(212)での消費電力を比較的小さく抑え、かつデータ伝送の開始までの時間短縮を図ることができる。
第2の態様に係る通信装置(2)では、第1の態様において、第2通信部(212)は、動作モードとして、省電力モードと、省電力モードに比べて単位時間当たりの消費電力が大きい通常モードと、を有する。第2通信部(212)は、動作モードを省電力モードから通常モードに切り替えて、データ伝送処理を実行する。
この態様によれば、第2通信部(212)の動作モードを省電力モードから通常モードに切り替えることで、データ伝送処理を比較的容易に実現可能である。
第3の態様に係る通信装置(2)では、第1の態様において、第2通信部(212)は、動作モードとして、省電力モードと、省電力モードに比べて単位時間当たりの消費電力が大きい通常モードと、を有する。第2通信部(212)は、動作モードを省電力モードに維持した状態で、データ伝送処理を実行する。
この態様によれば、第2通信部(212)の動作モードを省電力モードに維持したままデータ伝送処理を実行するので、データ伝送処理の前後における第2通信部(212)での消費電力をより小さく抑えることができる。
第4の態様に係る通信装置(2)では、第1〜3のいずれかの態様において、第2通信部(212)は、省電力モードで動作中には、第2時間間隔(T2)で周期的に設定される第2受信区間(Ts2)にて、相手装置(1)からの信号を受信する。
この態様によれば、省電力モードで動作中に第2通信部(212)が間欠的に受信動作することになり、第2通信部(212)の消費電力を比較的小さく抑えることができる。
第5の態様に係る通信装置(2)では、第4の態様において、第1通信部(211)は、第2時間間隔(T2)よりも短い第1時間間隔(T1)で周期的に設定される第1受信区間(Ts1)にて、相手装置(1)からの信号を受信する。
この態様によれば、第1通信部(211)が間欠的に受信動作することになり、第1通信部(211)の消費電力を比較的小さく抑えることができる。
第6の態様に係る通信装置(2)では、第5の態様において、第1通信部(211)は、第1受信区間(Ts1)には、相手装置(1)からの信号の有無を検知する。第1通信部(211)は、第1受信区間(Ts1)に相手装置(1)からの信号を受信した場合、第1受信区間(Ts1)から所定時間(T3)後に相手装置(1)からのデータを受信する。
この態様によれば、第1通信部(211)が間欠的に受信動作する際には、相手装置(1)からの信号の有無のみを検知すればよく、第1通信部(211)の消費電力をより小さく抑えることができる。
第7の態様に係る通信装置(2)では、第1〜6のいずれかの態様において、第2通信部(212)は、データ伝送処理において、通信要求信号に含まれている制御コマンドに応じた応答データを相手装置(1)へ送信する。
この態様によれば、制御コマンドが通信要求信号に含めて送信されるので、通信要求信号とは別に制御コマンドが送信される場合に比べて、データ伝送の開始までの時間短縮を図ることができる。
第8の態様に係る通信システム(10)は、第1〜7のいずれかの態様に係る通信装置(2)と、相手装置(1)と、を備える。
この態様によれば、通信システム(10)は、第2通信部(212)が省電力モードで動作中においても、第2通信部(212)と相手装置(1)との間にリンク(32)が確立された状態を維持している。そのため、第2通信部(212)が省電力モードで動作中において、相手装置(1)からの通信要求信号を第1通信部(211)が受信後に、第2通信部(212)と相手装置(1)との間にリンク(32)を確立するための処理が不要である。したがって、通信システム(10)においては、相手装置(1)からの通信要求信号を第1通信部(211)が受信した時点から、第2通信部(212)でのデータ伝送処理が開始するまでの時間の短縮を図ることが可能である。その結果、通信システム(10)によれば、第2通信部(212)を用いてデータの伝送速度を高速化しながらも、第2通信部(212)での消費電力を比較的小さく抑え、かつデータ伝送の開始までの時間短縮を図ることができる。
第9の態様に係るプログラムは、通信装置(2)を制御するコンピュータシステムに、第2通信部(212)が省電力モードで動作中において、第1通信部(211)が相手装置(1)から通信要求信号を受信すると、データ伝送処理を実行させる。データ伝送処理は、第2通信部(212)と相手装置(1)との間でデータを伝送する処理である。通信装置(2)は、第1通信方式にて相手装置(1)と無線通信を行う第1通信部(211)と、第1通信方式よりも伝送速度が高速である第2通信方式にて相手装置(1)と無線通信を行う第2通信部(212)と、を備える。第2通信部(212)は、第2通信部(212)と相手装置(1)との間でデータの伝送を行う場合に比べて単位時間当たりの消費電力が小さく、かつ第2通信部(212)と相手装置(1)との間にリンク(32)が確立される省電力モードを有する。
この態様によれば、通信装置(2)は、第2通信部(212)が省電力モードで動作中においても、第2通信部(212)と相手装置(1)との間にリンク(32)が確立された状態を維持している。そのため、通信装置(2)は、第2通信部(212)が省電力モードで動作中において、相手装置(1)からの通信要求信号を第1通信部(211)が受信後に、第2通信部(212)と相手装置(1)との間にリンク(32)を確立するための処理が不要である。したがって、通信装置(2)においては、相手装置(1)からの通信要求信号を第1通信部(211)が受信した時点から、第2通信部(212)でのデータ伝送処理が開始するまでの時間の短縮を図ることが可能である。その結果、上記プログラムによれば、第2通信部(212)を用いてデータの伝送速度を高速化しながらも、第2通信部(212)での消費電力を比較的小さく抑え、かつデータ伝送の開始までの時間短縮を図ることができる。
上記態様に限らず、実施形態1,2に係る通信システム(10)の種々の構成(変形例を含む)は、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化可能である。
第2〜7の態様に係る構成については、通信システム(10)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
1 相手装置
2 通信装置
10 通信システム
32 リンク
211 第1通信部
212 第2通信部
T1 第1時間間隔
T2 第2時間間隔
T3 所定時間
Ts1 第1受信区間
Ts2 第2受信区間

Claims (9)

  1. 第1通信方式にて相手装置と無線通信を行う第1通信部と、
    前記第1通信方式よりも伝送速度が高速である第2通信方式にて前記相手装置と無線通信を行う第2通信部と、を備え、
    前記第2通信部は、前記第2通信部と前記相手装置との間でデータの伝送を行う場合に比べて単位時間当たりの消費電力が小さく、かつ前記第2通信部と前記相手装置との間にリンクが確立される省電力モードを有し、
    前記第2通信部が前記省電力モードで動作中において、前記第1通信部が前記相手装置から通信要求信号を受信すると、前記第2通信部と前記相手装置との間でデータを伝送するデータ伝送処理を実行する
    通信装置。
  2. 前記第2通信部は、動作モードとして、前記省電力モードと、前記省電力モードに比べて単位時間当たりの消費電力が大きい通常モードと、を有し、
    前記第2通信部は、前記動作モードを前記省電力モードから前記通常モードに切り替えて、前記データ伝送処理を実行する
    請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記第2通信部は、動作モードとして、前記省電力モードと、前記省電力モードに比べて単位時間当たりの消費電力が大きい通常モードと、を有し、
    前記第2通信部は、前記動作モードを前記省電力モードに維持した状態で、前記データ伝送処理を実行する
    請求項1に記載の通信装置。
  4. 前記第2通信部は、前記省電力モードで動作中には、第2時間間隔で周期的に設定される第2受信区間にて、前記相手装置からの信号を受信する
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の通信装置。
  5. 前記第1通信部は、前記第2時間間隔よりも短い第1時間間隔で周期的に設定される第1受信区間にて、前記相手装置からの信号を受信する
    請求項4に記載の通信装置。
  6. 前記第1通信部は、前記第1受信区間には、前記相手装置からの信号の有無を検知し、前記第1受信区間に前記相手装置からの信号を受信した場合、前記第1受信区間から所定時間後に前記相手装置からのデータを受信する
    請求項5に記載の通信装置。
  7. 前記第2通信部は、前記データ伝送処理において、前記通信要求信号に含まれている制御コマンドに応じた応答データを前記相手装置へ送信する
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の通信装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の通信装置と、
    前記相手装置と、を備える
    通信システム。
  9. 第1通信方式にて相手装置と無線通信を行う第1通信部と、
    前記第1通信方式よりも伝送速度が高速である第2通信方式にて前記相手装置と無線通信を行う第2通信部と、を備え、
    前記第2通信部が、前記第2通信部と前記相手装置との間でデータの伝送を行う場合に比べて単位時間当たりの消費電力が小さく、かつ前記第2通信部と前記相手装置との間にリンクが確立される省電力モードを有する通信装置
    を制御するコンピュータシステムに、
    前記第2通信部が前記省電力モードで動作中において、前記第1通信部が前記相手装置から通信要求信号を受信すると、前記第2通信部と前記相手装置との間でデータを伝送するデータ伝送処理を、
    実行させるためのプログラム。
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