JP2019087560A - 半導体素子及びその製造方法、発光デバイス - Google Patents

半導体素子及びその製造方法、発光デバイス Download PDF

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Takashi Inoue
崇 井上
大國 友行
Tomoyuki Okuni
友行 大國
敏弘 細川
Toshihiro Hosokawa
敏弘 細川
岡野 寛
Hiroshi Okano
寛 岡野
剛 桟敷
Go Sajiki
剛 桟敷
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Abstract

【課題】発光デバイスに用いたときに、広範囲に光を照射することを可能とする、半導体素子を提供する。【解決手段】等方性黒鉛2と、等方性黒鉛2上に設けられた結晶性窒化ガリウム層3と、を備える、半導体素子1。【選択図】図1

Description

本発明は、窒化ガリウム層を備える半導体素子、該半導体素子の製造方法、及び該半導体素子を用いた発光デバイスに関する。
従来、サファイア基板などの上に窒化ガリウム層を設けた半導体素子が知られている。しかしながら、サファイア基板は、非常に高価である。このため、サファイア基板の代わりに、高配向性グラファイト(HOPG)や、高分子材料を焼結して得られるグラファイトなどの、非常に配向性の高いグラファイトからなる基板の上に窒化ガリウム層を設けた半導体素子が提案されている。また、下記の特許文献1には、膨張黒鉛シートの上に結晶性窒化ガリウム層を設けた半導体素子が開示されている。
特許第5896701号公報
しかしながら、サファイア基板や膨張黒鉛シートの上に窒化ガリウム層を設けた半導体素子を発光デバイスに用いた場合、発光の角度分布が狭く、広範囲に光を照射することが困難であった。
本発明は、発光デバイスに用いたときに、広範囲に光を照射することを可能とする、半導体素子、該半導体素子の製造方法、及び該半導体素子を用いた発光デバイスを提供することを目的とする。
本発明の半導体素子は、等方性黒鉛と、前記等方性黒鉛上に設けられた結晶性窒化ガリウム層と、を備えることを特徴としている。
本発明の半導体素子では、前記結晶性窒化ガリウム層が、前記等方性黒鉛上に窒化ガリウムの結晶をエピタキシャル成長させてなることが好ましい。
本発明の半導体素子では、前記結晶性窒化ガリウム層が、前記等方性黒鉛のc面露出部の上に設けられていることが好ましい。
本発明の半導体素子では、前記結晶性窒化ガリウム層の(002)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅が、15°以上、45°以下であることが好ましい。
本発明の半導体素子の製造方法は、上記本発明に従って構成される半導体素子の製造方法であって、前記等方性黒鉛を準備する工程と、前記等方性黒鉛の上に、前記結晶性窒化ガリウム層を形成する工程と、を備えることを特徴としている。
本発明の半導体素子の製造方法では、有機金属気相成長法により、前記等方性黒鉛上に、前記結晶性窒化ガリウム層を形成することが好ましい。
本発明の発光デバイスは、本発明に従って構成される半導体素子と、前記半導体素子の前記結晶性窒化ガリウム層側の主面上に設けられた透明電極と、を備えることを特徴としている。
本発明によれば、発光デバイスに用いたときに、広範囲に光を照射することを可能とする、半導体素子を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る半導体素子を示す模式的断面図である。 本発明の一実施形態に係る半導体素子において、等方性黒鉛上に結晶性窒化ガリウム層が設けられている状態を説明するための模式図である。 本発明の一実施形態に係る発光デバイスを示す模式的断面図である。 実施例1及び実施例2の半導体素子の2θ−θ測定で得られたX線回折スペクトルである。 比較例1の半導体素子の2θ−θ測定で得られたX線回折スペクトルである。 比較例2の半導体素子の2θ−θ測定で得られたX線回折スペクトルである。 実施例1及び実施例2の半導体素子の2θ−ω測定で得られたX線回折スペクトルである。 比較例1の半導体素子の2θ−ω測定で得られたX線回折スペクトルである。 比較例2の半導体素子の2θ−ω測定で得られたX線回折スペクトルである。 実施例1で得られた半導体素子のフォトルミネッセンススペクトルを示す図である。 実施例2で得られた半導体素子のフォトルミネッセンススペクトルを示す図である。 比較例の半導体素子において、サファイア基板上に結晶性窒化ガリウム層が設けられている状態を説明するための模式図である。
以下、好ましい実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は単なる例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照する場合がある。
(半導体素子)
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体素子を示す模式的断面図である。図1に示すように、半導体素子1は、等方性黒鉛2と、結晶性窒化ガリウム層3とを備える。等方性黒鉛2の主面2a上に、結晶性窒化ガリウム層3が設けられている。なお、半導体素子1としては、例えば、LEDなどの光電変換素子が挙げられる。
本実施形態において、等方性黒鉛2は矩形の基板である。もっとも、等方性黒鉛2の形状は特に限定されない。等方性黒鉛2は、例えば、冷間静水圧プレス法(CIP:Cold Isostatic Pressing)で成形することにより製造することができる。等方性黒鉛2は、その物性が等方性(成形体の方向による特性の違いが非常に少ない)である黒鉛である。熱伝導性、電気伝導性を有し、耐熱性、耐薬品性にも優れている。
等方性黒鉛2の厚みは、0.1mm〜5mmであることが好ましく、0.2mm〜1mmであることがより好ましい。等方性黒鉛2のかさ密度は、1.6g/cm〜2.0g/cmであることが好ましく、1.7g/cm〜1.8g/cmであることがより好ましい。
等方性黒鉛2の主面2a上には、結晶性窒化ガリウム層3が設けられている。結晶性窒化ガリウム層3は、窒化ガリウムの単結晶及び多結晶のうち、少なくとも一方により構成されている。結晶性窒化ガリウム層3は、窒化ガリウム(GaN)の結晶がエピタキシャル成長したものであってもよい。結晶性窒化ガリウム層3の厚みは、10nm〜1000nmであることが好ましく、100nm〜500nmであることがより好ましい。
なお、本実施形態においては、等方性黒鉛2の主面2aの少なくとも一部の上に、結晶性窒化ガリウム層3が設けられていればよい。等方性黒鉛2の主面2aの面積のうち、結晶性窒化ガリウム層3が設けられた部分の面積の割合((結晶性窒化ガリウム層3が設けられた部分の面積)/(等方性黒鉛2の主面2aの面積)×100)は、5%〜95%であることが好ましく、10%〜90%であることがより好ましい。
本実施形態においては、上記のように、等方性黒鉛2の主面2a上に結晶性窒化ガリウム層3が設けられている。そのため、発光デバイスに用いたときに、広範囲に光を照射することができる。この点については、図2及び図12を参照して、以下のように説明することができる。
図2は、本発明の一実施形態に係る半導体素子において、等方性黒鉛上に結晶性窒化ガリウム層が設けられている状態を説明するための模式図である。また、図12は、比較例の半導体素子において、サファイア基板上に結晶性窒化ガリウム層が設けられている状態を説明するための模式図である。
図12に示すように、比較例の半導体素子101では、サファイア基板102上に結晶性窒化ガリウム層103が設けられている。サファイア基板102は、c軸の配向度(c軸配向度)が高い基板である。従って、このc軸配向度の高いサファイア基板102上に窒化ガリウムの結晶を成長させることにより、c軸配向度の高い結晶性窒化ガリウム層103が形成されることとなる。このように、c軸配向度の高い結晶性窒化ガリウム層103を有する半導体素子101を発光デバイスに用いた場合、サファイア基板102に垂直な方向に偏って光が照射されやすい。そのため、比較例の半導体素子101を発光デバイスに用いた場合、広い角度範囲に光を照射することが難しい。
これに対して、本実施形態では、等方性黒鉛2上に、結晶性窒化ガリウム層3が設けられている。図2に示すように、等方性黒鉛2は、c軸配向度が低く、ランダムに配向した構造を有する。このc軸配向度が低い等方性黒鉛2上に窒化ガリウムの結晶を成長させると、形成された結晶性窒化ガリウム層3のc軸配向度も低くなり、さまざまな結晶方位を示すこととなる。このように、結晶性窒化ガリウム層3のc軸配向度が低く、結晶性窒化ガリウム層3がランダムに配向した構造を有する半導体素子1を発光デバイスに用いた場合、さまざまな方向に光が照射されることとなる。そのため、本実施形態の半導体素子1を発光デバイスに用いた場合、広い角度範囲に光が照射されることとなる。
なお、本発明においては、図2に示すように、等方性黒鉛2におけるc面露出部2a1の上に窒化ガリウムの結晶が成長することにより、結晶性窒化ガリウム層3が形成されていることが好ましい。
上記のように、本実施形態の半導体素子1では、等方性黒鉛2上に形成された結晶性窒化ガリウム層3のc軸配向度が低く、結晶性窒化ガリウム層3がランダムに配向した構造を有する。そのため、結晶性窒化ガリウム層3の(002)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅が、サファイア基板102上に形成された従来の結晶性窒化ガリウム層103と比べて大きい。
なお、X線ロッキングカーブ半値幅の測定に際しては、結晶性窒化ガリウム層3にX線を照射し、(002)面における2θ−ω測定を行なう。そして、得られたX線回折スペクトルについて、ガウス関数によるフィッティングを行うことにより、X線ロッキングカーブ半値幅を得ることができる。
X線としては、CuKα線(波長1.541Å)を用いることができる。X線回折装置としては、例えば、試料水平型多目的X線回折装置Ultima IV(リガク社製)を用いることができる。
本発明においては、結晶性窒化ガリウム層3の(002)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅が、好ましくは15°以上、より好ましくは20°以上、好ましくは45°以下、より好ましくは30°以下である。
X線ロッキングカーブ半値幅が上記下限以上である場合、発光デバイスに用いたときに、より一層広い角度範囲に光を照射することができる。他方、X線ロッキングカーブ半値幅が上記上限以下である場合、発光デバイスに用いたときに、発光強度をより一層高めることができる。
(半導体素子の製造方法)
次に、半導体素子1の製造方法の一例について説明する。
半導体素子1の製造方法では、まず、等方性黒鉛2を準備する。この際、等方性黒鉛2の主面2aを研磨して用いてもよい。この場合、電極作製などのプロセスの歩留まりを高くすることができる。
次に、等方性黒鉛2の主面2a上に、結晶性窒化ガリウム層3を形成する。具体的には、等方性黒鉛2の主面2a上に、有機金属気相成長法などにより、窒化ガリウムの結晶をエピタキシャル成長させて、結晶性窒化ガリウム層3を形成することができる。なお、本発明においては、等方性黒鉛2の主面2a上に、バッファー層を成膜し、その上に結晶性窒化ガリウム層3を形成してもよい。この場合、より一層高品質な窒化ガリウムの結晶を得ることができる。
半導体素子1の製造方法では、c軸配向度が低い等方性黒鉛2上に、窒化ガリウムの結晶を成長させる。そのため、この等方性黒鉛2上に成長してなる結晶性窒化ガリウム層3のc軸配向度も低くなり、さまざまな結晶方位を示すこととなる。よって、得られた半導体素子1は、発光デバイスに用いたときに、さまざまな方向に光を照射することができ、広い角度範囲に光を照射することができる。
(発光デバイス)
図3は、本発明の一実施形態に係る発光デバイスを示す模式的断面図である。
図3に示すように、発光デバイス11は、上述の半導体素子1と、透明電極12とを備える。透明電極12は、半導体素子1の結晶性窒化ガリウム層3側の主面1a上に設けられている。透明電極12としては、例えば、ITO膜などを用いることができる。
発光デバイス11においては、結晶性窒化ガリウム層3が、n型窒化ガリウム結晶部分3aと、p型窒化ガリウム結晶部分3bとを備える。n型窒化ガリウム結晶部分3aは、等方性黒鉛2側に設けられている。なお、等方性黒鉛2は、n電極を兼ねている。一方、p型窒化ガリウム結晶部分3bは、透明電極12側に設けられている。なお、透明電極12は、p電極である。
発光デバイス11は、上述の半導体素子1を備えているので、図3に矢印で示すように広い角度範囲に光を照射することができる。また、発光デバイス11を構成する等方性黒鉛2は、高い熱伝導性を有するので、結晶性窒化ガリウム層3の発光に伴う発熱を効率よく放熱することができる。そのため、半導体素子1の冷却効率を高めることができる。また、半導体素子1に大電流を流しても、発熱を放熱することができ、高輝度化を図ることができる。
また、半導体素子1の温度上昇を抑制できるので、温度変化による発光波長の変化も小さくすることができる。さらに、発光デバイス11では、等方性黒鉛2がn電極を兼ねているので、部品点数を削減することができ、小型化を図ることもできる。なお、等方性黒鉛2は高い電気伝導性を有するので、従来のサファイア基板を用いた場合のように結晶性窒化ガリウム層3の一部をエッチングして電極接点を作製するなど追加の工程を必要とすることなく、等方性黒鉛2の裏面に電極を形成することができる。そのため、素子の構造を単純化したりコストを安くしたりすることができ、発光面積を大きくすることもできる。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明する。本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
(実施例1)
分子線エピタキシー(MBE)装置(エイコー社製、品番「EW−10」)を用いて、等方性黒鉛基板(東洋炭素社製、製品名「IG−110U」)上に、窒化ガリウム(GaN)を成膜し、半導体素子を得た。なお、成膜の際には、窒素をRFプラズマで活性化して供給した。また、成膜条件としては、等方性黒鉛基板温度:850℃、Ga金属原料温度:940℃、窒素流量:1.0sccm、RFプラズマ出力:300W、成膜時間:2時間とした。
(実施例2)
等方性黒鉛基板として、東洋炭素社製、製品名「HPG−530U」を用いたこと以外は、実施例1と同様にして半導体素子を得た。
(比較例1)
分子線エピタキシー(MBE)装置(エイコー社製、品番「EW−10」)を用いて、膨張黒鉛基板(東洋炭素社製、製品名「PF−11」)上に、窒化ガリウム(GaN)を成膜し、半導体素子を得た。なお、成膜の際には、窒素をRFプラズマで活性化して供給した。また、成膜条件としては、膨張黒鉛基板温度:900℃、Ga金属原料温度:940℃、窒素流量:1.0sccm、RFプラズマ出力:300W、成膜時間:2時間とした。
(比較例2)
分子線エピタキシー(MBE)装置(エイコー社製、品番「EW−10」)を用いて、サファイア基板(エレクトロニクス エンド マテリアルズ コーポレーション社製、製品名「Sapphire Wafer(c−plane)12.5×12.5×0.5mm」)上に、窒化ガリウム(GaN)を成膜し、半導体素子を得た。なお、成膜の際には、窒素をRFプラズマで活性化して供給した。また、成膜条件としては、サファイア基板温度:900℃、Ga金属原料温度:960℃、窒素流量:0.5sccm、RFプラズマ出力:300W、成膜時間:1時間とした。
(評価)
X線回折測定;
実施例1,2及び比較例1,2で得られた半導体素子に、窒化ガリウム層側からX線を照射し、2θ−θスキャンによりX線回折測定を行った。なお、X線回折装置としては、試料水平型多目的X線回折装置Ultima IV(リガク社製)を用いた。また、X線としては、CuKα線(波長1.541Å)を用いた。実施例1,2の結果を図4に、比較例1の結果を図5に、比較例2の結果を図6に示す。
図4より、等方性黒鉛基板を用いた実施例1では、グラファイト由来の多種類の結晶面からの回折が観測されていることから、等方性黒鉛基板がランダムに配向していることがわかる。また、2θ=36.5°付近には、GaNの(002)面の回折ピークが観測された。この回折ピークの強度が弱いのは、等方性黒鉛基板の表面に偶然平行に配向した黒鉛粒子の(002)面からエピタキシャル成長したGaNの(002)面のみが観測されているためと考えられる。
図5より、膨張黒鉛基板を用いた比較例1では、図4の等方性黒鉛基板に比べて、グラファイト由来の回折ピークの数が少なく、(002)面及び(004)面の回折が大きいことから、グラファイトのc軸が配向する傾向が確認された。膨張黒鉛基板がc軸配向の傾向を有するのは、ロール圧延して1軸方向に力を加えて製造するプロセスに由来するものと考えられる。また、2θ=36.5°付近には、GaNの(002)面の回折ピークが観測された。
また、図6より、サファイア基板を用いた比較例2では、GaNの(002)面の非常に強い回折ピークが観測されたことから、サファイア基板に対してGaNがc軸配向成長していることがわかる。なお、サファイア基板は、高度にc軸配向しており、サファイア基板のc面に対してGaNが、c軸配向エピタキシャル成長していることがわかる。なお、図4〜図6より、基板のc軸配向度は、等方性黒鉛基板<膨張黒鉛基板<サファイア基板であった。
また、実施例1,2及び比較例1,2で得られた半導体素子に、窒化ガリウム層側からX線を照射し、窒化ガリウム層の(002)面における2θ−ωスキャンをすることにより、ロッキングカーブX線回折測定を行った。実施例1,2の結果を図7に、比較例1の結果を図8に、比較例2の結果を図9に示す。
図7〜図9より、実施例1,2の等方性黒鉛基板上に成長したGaNの(002)面のロッキングカーブは、膨張黒鉛基板上やサファイア基板上に成長したGaNの(002)面のロッキングカーブよりもブロードであり、c軸配向度が低いことがわかる。また、得られたロッキングカーブについて、ガウス関数によるフィッティングを行うことにより、X線ロッキングカーブ半値幅を得た。GaN(002)面のX線ロッキングカーブ半値幅は、実施例1,2では25°、比較例1では15°であり、比較例2では1.8°であった。すなわち、GaN結晶のc軸配向度は、等方性黒鉛<膨張黒鉛<サファイアであった。このことから、等方性黒鉛基板上では、c軸配向度が最も低く、すなわちc軸をさまざまな方向に向けたGaN結晶が成長していることがわかる。
このように、c軸配向度が小さい等方性黒鉛を基板に用いることで、X線ロッキングカーブ半値幅が大きい、すなわちc軸配向度が小さく、様々な結晶方位を示すGaN結晶膜が得られた。一方、等方性黒鉛基板よりもc軸配向度が大きい膨張黒鉛基板及びサファイア基板を用いると、X線ロッキングカーブ半値幅が小さい(c軸配向度が大きい)GaN結晶膜が得られた。
フォトルミネッセンス測定;
実施例1,2で等方性黒鉛基板上に成長させたGaN結晶からのフォトルミネッセンス測定を行った。フォトルミネッセンス測定に際しては、325nm励起フォトルミネッセンス測定装置MUVPL−325−KC−1(睦コーポレーション社製)を用いた。励起光としては、He−Cdレーザー(波長:325nm)を用いた。実施例1の結果を図10に、実施例2の結果を図11に示す。
図10及び図11より、GaNのバンドギャップのエネルギーに相当する3.4eVの発光が観測されていることが確認できる。このことから、等方性黒鉛基板の(002)面からエピタキシャル成長したランダム配向性GaN結晶は、発光素子として用い得ることがわかる。なお、実施例1,2では、比較例1,2と比べて、広い角度範囲に光が照射されることが確認できた。
1…半導体素子
2…等方性黒鉛
1a,2a…主面
2a1…c面露出部
3…結晶性窒化ガリウム層
3a…n型窒化ガリウム結晶部分
3b…p型窒化ガリウム結晶部分
11…発光デバイス
12…透明電極

Claims (7)

  1. 等方性黒鉛と、
    前記等方性黒鉛上に設けられた結晶性窒化ガリウム層と、
    を備える、半導体素子。
  2. 前記結晶性窒化ガリウム層が、前記等方性黒鉛上に窒化ガリウムの結晶をエピタキシャル成長させてなる、請求項1に記載の半導体素子。
  3. 前記結晶性窒化ガリウム層が、前記等方性黒鉛のc面露出部の上に設けられている、請求項1又は2に記載の半導体素子。
  4. 前記結晶性窒化ガリウム層の(002)面におけるX線ロッキングカーブ半値幅が、15°以上、45°以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体素子。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体素子の製造方法であって、
    前記等方性黒鉛を準備する工程と、
    前記等方性黒鉛の上に、前記結晶性窒化ガリウム層を形成する工程と、
    を備える、半導体素子の製造方法。
  6. 有機金属気相成長法により、前記等方性黒鉛上に、前記結晶性窒化ガリウム層を形成する、請求項5に記載の半導体素子の製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体素子と、
    前記半導体素子の前記結晶性窒化ガリウム層側の主面上に設けられた透明電極と、
    を備える、発光デバイス。
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