JP2014179544A - AlN薄膜の製造方法及びAlN薄膜 - Google Patents

AlN薄膜の製造方法及びAlN薄膜 Download PDF

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Abstract

【課題】AlN基板上に結晶性が良く、不純物・ピットが少ないAlN薄膜の製造方法及びAlN薄膜を提供すること。
【解決手段】まず、X線回折装置を用いて、使用するAlN基板の対称面、非対称面の半値幅の測定を行った(ステップS1)。次に、AlN基板を有機金属化学気相成長装置内に導入し、成長室内の温度を約1260℃に昇温し、AlN基板表面のサーマルクリーニングを行った(ステップS2)。次に、1190℃まで降温し、成長室内の圧力50Torrとし、Al原料としてトリメチルアルミニウムを用い、N原料としてはNHを用いてAlN薄膜を約500nm成長させた(ステップS3)。
【選択図】図1

Description

本発明は、AlN薄膜の製造方法及びAlN薄膜に関し、より詳細には、AlN基板上にAlN薄膜を形成したAlN薄膜の製造方法に関する。
従来から、半導体素子は、さまざまな電子機器に用いられており発光素子や受光素子などの光学デバイス及び各種センサなどに応用されている。例えば、発光素子(LED)に着目すると、発光波長が280nm以下の深紫外領域のLED(以下、UVC−LED)の開発が期待されている。
一般的なUVC−LEDは、サファイア基板上に作成されたAlN膜上に、n型層,発光層,バリア層(AlGaN),p型層(GaN;窒化ガリウム)と積層された構造である。しかし、サファイア基板とAlN層、あるいはAlGaN層では格子定数及び熱膨張係数の差が大きいため、転位と呼ばれる線欠陥発生する。転位があると、キャリアが捕獲され、非発光再結合中心となることでLEDの発光効率が低下する。また、電流が集中して発熱によりデバイスの寿命が短くなると言う課題がある。
この課題に対して、例えば、特許文献1では、サファイア基板などの下地基板に窓付きのマスク層を設けた後、成長条件を調節して結晶成長表面に複数のファセットを有するピットを形成し、薄膜成長することで転位を一部に集中させて、その他の部位に低転位密度の領域を形成している。
転位を低減するためにはLEDを構成するAlGaNと同じAl組成の基板を作成し、用いることが理想的であるが、現実的ではない。そのためUVC−LED用基板としてAlN基板を用いて、転位密度低減が試みられている。非特許文献1ではAlN基板を用いて、さらに良好な表面を維持して高品質なLED薄膜を成長するためにAlN基板上にAlN薄膜をバッファ層として成長している。
また、特許文献2に記載のものは、発光素子,電子放出素子,パワー系半導体素子などの半導体デバイスを構成することのできる低抵抗性AlN薄膜の製造方法に関するもので、酸素ガスが導入された真空容器内において、AlNターゲットおよび炭素ターゲットのそれぞれに対しレーザービームを照射しアブレーションすることにより、加熱された基板上に炭素および酸素含有のAlN薄膜を形成する。また、含有された炭素の原子重量比が3〜10%、また、酸素の原子重量比が5〜15%であり、サファイア基板の表面温度を900〜1500℃とすることが開示されている。
特開2001−102307号公報 特開2002−237457号公報
Journal of the Electrochemical Society, 158(5) pp530−535(2011)
しかしながら、異種基板上にAlN薄膜を成長させた場合は、転位密度も大きく、また、基板上にマスクなどを用いてその上にAlN薄膜を成長させる横方向成長では、転位集中部と低転位密度部があって歩留まりが低い。さらに、低転位密度部でも、転位密度は約10cm−2と高いため、デバイス性能は低い。また、AlN基板上にAlN薄膜を成長させた場合には、成長条件によりC,Oの不純物を低減できる一方で、AlN薄膜の表面にピットと呼ばれる凹部が発生することが報告されている。
また、上述した特許文献1のように、下地基板に窓付きのマスク層を設けた後、成長条件を調節して結晶成長表面に複数のファセットを有するピットを形成し、薄膜成長することで転位を一部に集中させて、その他の部位に低転位密度の領域を形成するAlN薄膜の製造方法では、転位密度の高い部分と低い部分が混在し、デバイスの歩留まりの点で課題がある。さらに、低転位密度部でも、転位密度は約10cm−2と高いため、このAlN薄膜上にデバイス層を積層して得られる半導体装置のデバイス性能は低い。
また、上述した非特許文献1によれば、成長条件を検討することで、結晶性の良いAlN薄膜が報告されている。しかし、不純物量が増大することや表面ピットが存在する点で課題である。不純物が存在すると、不純物準位による光吸収のため光学デバイスには使用できない。また、ピットが存在するとリーク電流パスとなるために、デバイス性能が低下するという問題がある。
また、上述した特許文献2のものは、酸素や炭素をAlN薄膜成長時混入させて低抵抗のAlNを作製する方法が提案されている。しかしながら酸素や炭素といった不純物を含む場合、不純物準位による光吸収のために光学デバイスには使用できない。また特許文献2では結晶性品質のよいAlN薄膜の成長方法については開示されていない。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、AlN基板上に結晶性が良く、不純物・ピットが少なく、デバイス層を積層したときにリーク電流パスが少ない半導体装置を得ることが可能なAlN薄膜の製造方法及びAlN薄膜を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、AlN基板上にAlN薄膜を成長する工程を含むAlN薄膜の製造方法であって、前記AlN基板上にAlN薄膜を成長する工程における、成長時のAlN基板の温度が、1160℃以上1220℃以下であり、かつAl原料の供給量に対するN原料の供給量の比率(V/III比)が、400以上4000以下であることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記AlN薄膜を成長する工程が、有機金属気相成長法であることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、AlN基板上に形成されたAlN薄膜であって、前記AlN基板の単体のロッキングカーブの半値幅をA、前記AlN基板上にAlN薄膜を成長した後のロッキングカーブの半値幅をA’としたときに、0.5≦A’/A<1の関係を有することを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記ロッキングカーブが、対称面、非対称面のいずれかであることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、AlN基板上に形成されたAlN薄膜であって、C,Oの含有量が、それぞれ3×1017cm−3以下であることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記AlN薄膜の表面において、該AlN薄膜の表面積に対するピットの面積の割合が、0.03%以下であること特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項3乃至6のいずれかに記載のAlN薄膜上に、デバイス層を備えていることを特徴とする半導体装置である。
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記デバイス層が、AlxGa1−xN(0≦x≦1)を有し、該デバイス層に電圧を印加したときに深紫外線を発光することを特徴とする。
本発明のAlN薄膜の製造方法によれば、結晶性が良く、不純物・ピットが少ないAlN薄膜を得ることができる。また、本発明のAlN薄膜によれば、AlN薄膜上にデバイスを形成したときに電流リークパスの少ない高性能な半導体装置を提供することができる。
本発明に係るAlN薄膜の製造方法を説明するためのフローチャートを示す図である。 本発明における実施例6におけるフォトルミネッセンス信号を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の実施形態は、AlN基板上にAlN薄膜を成長する製造方法及びAlN薄膜である。
<AlN薄膜の製造方法>
本実施形態のAlN薄膜の製造方法は、AlN基板上にAlN薄膜を成長する工程を含むAlN薄膜の製造方法であって、前記AlN基板上にAlN薄膜を成長する工程における、成長時のAlN基板の温度が1160℃以上1220℃以下であり、かつAl原料の供給量に対するN原料の供給量の比率が400以上4000以下である。
また、AlN薄膜成長時のAlN基板の温度を1160℃以上1220℃以下にすることで、AlN基板の結晶性よりも高い結晶性のAlN薄膜を形成することが可能になる。このことは、AlN基板の基板表面及びAlN薄膜の成長面におけるX線回折の半値幅を測定することにより評価ができる。
また、AlN薄膜を成長する工程における、Al原料の供給量に対するN原料の供給量の比率を400以上4000以下にすることで、AlN薄膜表面のピットの発生を抑制することができる。このことは表面SEM(走査型電子顕微鏡;scanning electron microscope),AFM(原子間力顕微鏡;Atomic Force Microscope)を用いて評価することができる。なお、Al原料の供給量及びN原料の供給量は、AlN薄膜の成長が実行される空間内に供給されるAl原料及びN原料の分子量を意味する。
<AlN基板>
本実施形態のAlN薄膜の製造方法において用いられるAlN基板は、AlNの単結晶からなる基板であれば特に制限されず、例えば、昇華法やHVPE(Hydride vapor phase epitaxy;ハイドランド気相成長)法,MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition;有機金属気相成長法)法,MBE(Molecular beam epitaxy;分子線エピタキシー)法などにより得られるAlN基板を用いることができる。
AlN薄膜を成長するAlN基板の面方位も特に制限されず、(0002)面,(10−12)面,(10−10)面やそれと等価な面にAlN薄膜を成長することができる。成長した薄膜の品質の観点から(0002)面にAlN薄膜を成長することが好ましい。
<AlN薄膜を成長させる工程>
AlN薄膜を成長させる工程におけるAlN成長方法は、特に制限されないが、MOCVD法やMBE法など挙げられる。窒素原料の供給が容易であるという観点からMOCVD法であることが好ましい。AlN薄膜を成長させる工程におけるAl原料及びN原料は、AlN薄膜が成長可能なものであれば特に制限されない。Al原料の一例としては、トリメチルアルミニウム,トリエチルアルミニウムなどがあるが特に限定されない。N原料の一例としてはNH3ガスが挙げられる。
また、MBE法を用いた場合は、Al原料の一例としては金属Al、N原料の一例としてはN2ガスをプラズマなどでNラジカルにして供給することが挙げられる。
<AlN薄膜>
[実施形態1]
本実施形態の実施形態1のAlN薄膜は、AlN基板上のAlN薄膜であって、AlN基板単体のロッキングカーブの半値幅をA、AlN基板上にAlN薄膜を成長した後ロッキングカーブの半値幅をA’とした際に、0.5≦A’/A<1となるAlN薄膜である。
一般に、結晶層の評価方法の一つとして、X線ロッキングカーブの測定方法がある。近年、高感度、高分解能のX線測定装置が開発されるようになるとともに、シミュレーション技術の進歩により化合物半導体の積層構造の解析に用いられるようになった。X線ロッキングカーブとは、単結晶に一定方向から単色X線をあて、ブラッグ条件を満たす方位付近で結晶を回転したときの回折線の強度分布曲線のことである。結晶が完全であるほど曲線の半値幅は狭く、ピークは高く、積分強度は小さくなる。
AlN基板単体のロッキングカーブの半値幅をA、AlN基板上にAlN薄膜を成長した後ロッキングカーブの半値幅をA’とした際に、0.5≦A’/A<1となるAlN薄膜を半導体装置のデバイス層を形成するための層として用いることにより、欠陥密度が低く結晶性の高い高品質なデバイス層を形成することが可能であり、高効率な半導体装置を得ることができる。ロッキングカーブは、対称面、非対称面のいずれかにおけるものである事が好ましい。
[実施形態2]
本実施形態の実施形態2のAlN薄膜は、AlN基板上のAlN薄膜であって、C,Oの含有量がそれぞれ3×1017cm−3以下のAlN薄膜である。C,Oの含有量がそれぞれ3×1017cm−3以下であるAlN薄膜を半導体装置のデバイス層を形成するための層として用いることにより、欠陥密度の低いデバイス層を形成することが可能であり、電流リークが少ない高効率な半導体装置を得ることができる。C,Oの含有量は、所望の分析装置により同定が可能であり、一例としては、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry;二次イオン質量分析法)を用いて同定することができる。
[実施形態3]
本実施形態の実施形態3のAlN薄膜は、上述した実施形態2のAlN薄膜の表面において、AlN薄膜の表面積に対するピットの面積の割合が0.03%以下となるAlN薄膜である。AlN薄膜の表面積に対するピットの面積の割合が0.03%以下であることにより、より欠陥密度の低いデバイス層を形成することが可能であり、電流リークがより少ない高効率な半導体装置を得ることができる。AlN薄膜の表面積に対するピットの面積の割合は、AlN薄膜の表面観察により同定することが可能である。一例としては、表面SEMやAFMを用いて同定することができる。ピットの大きさやAlN薄膜全体の大きさにもよるが、AlN薄膜表面を5μm×5μm〜20μm×20μm程度の視野で観察した際の、視野全体を1としたときのピットの面積の割合で評価することができる。
なお、上述した実施形態1乃至3によるAlN薄膜は、上述したAlN薄膜の製造方法によって得ることができる。すなわち、上述したAlN基板上にAlN薄膜を成長する工程における、成長時のAlN基板の温度が1160℃以上1220℃以下であり、かつ、Al原料の供給量に対するN原料の供給量の比率が400以上4000以下とすることにより、上述した実施形態1乃至3によるAlN薄膜を得ることができる。
<半導体装置>
本実施形態の半導体装置は、上述した実施形態1又は2のAlN薄膜上に、デバイス層を備える半導体装置である。デバイス層を形成する層として実施形態1のAlN薄膜を用いることにより、欠陥密度が低く結晶性の高い高品質なデバイス層が得られるため、高効率な半導体装置を実現できる。
デバイス層を形成する層として上述した実施形態2は3のAlN薄膜を用いることにより、欠陥密度の低いデバイス層を形成することが可能であり、電流リークが少ない半導体装置を実現できる。
本実施形態の半導体装置において、デバイス層がAlxGa1−xN(0≦x≦1)を有することにより、デバイス層に電圧を印加したときに深紫外線を発光する半導体装置を得ることができる。
以下、本発明に係るAlN薄膜の製造方法の具体的な実施例について説明する。なお、本発明は、以下に説明する各実施例に限定されるものではない。
図1は、本発明に係るAlN薄膜の製造方法を説明するためのフローチャートを示す図である。
<準備工程>
まず、X線回折装置を用いて、使用するAlN基板の対称面、非対称面の半値幅(A)の測定を行った。対称面としては(0002)面、非対称面として(10−12)面を選択して測定を行った(ステップS1)。
<AlN薄膜成長工程>
次に、AlN基板を有機金属化学気相成長装置内に導入し、成長室内の温度を約1260℃に昇温し、AlN基板表面のサーマルクリーニングを行った(ステップS2)。
次に、1190℃まで降温し、成長室内の圧力50Torrとし、Al原料としてトリメチルアルミニウムを用い、N原料としてはNHを用いてAlN薄膜を約500nm成長させた。この際、供給するNH3に対するトリメチルアルミニウムのモル流量比(V/III比)を800として成長を行った。また、原料用のバブリングガス及びキャリアガスとしてはH2を用いて成長を行った(ステップS3)。
<AlN薄膜評価工程>
次に、薄膜成長後に、X線回折装置を用いて、AlN基板のAlN薄膜を成長した側の面について対称面(0002)面、非対称面(10−12)面の半値幅(A’)の測定を行った。なお、対称面、非対称面についてこれらと等価な面を含み、非対称面については(10−10)面,(11−20)面,(10−11)面などの測定でも構わない
また、表面のピットについては表面SEM(Scanning Electron Microscope;走査型電子顕微鏡)、AFM(Atomic Force Microscope;原子間力顕微鏡)を用いて評価を実施した。
AlN薄膜中のC、O不純物濃度については、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry;二次イオン質量分析法)を用いて評価した。
AlN薄膜成長前に測定したAlN基板のロッキングカーブの半値幅Aに対する、AlN薄膜のロッキングカーブの半値幅A’の値(=A’/A)は、対称面において0.8、非対称面において0.6であった。
また、表面SEM及びAFMによりAlN薄膜の表面を観察したところ、ピットは存在しなかった。また、SIMSにより測定したAlN薄膜中のC(炭素)原子及びO(酸素)原子は、いずれも測定限界以下(3×1017cm−3以下)であった。
AlN薄膜の成長時のAlN基板温度を1160℃とした以外は実施例1と同様の方法でAlN薄膜を成長した。
AlN薄膜成長前に測定したAlN基板のロッキングカーブの半値幅Aに対する、AlN薄膜のロッキングカーブの半値幅A’の値(=A’/A)は、対称面において0.8、非対称面において0.6であった。
また、表面SEM及びAFMによりAlN薄膜の表面を観察したところ、ピットは存在しなかった。また、SIMSにより測定したAlN薄膜中のC(炭素)原子及びO(酸素)原子は、いずれも3×1017cm−3以下であった。
図2は、本実施例2で得られたフォトルミネッセンス信号を示す図である。
AlN薄膜の成長時のAlN基板温度を1220℃とした以外は実施例1と同様の方法でAlN薄膜を成長した。
AlN薄膜成長前に測定したAlN基板のロッキングカーブの半値幅Aに対する、AlN薄膜のロッキングカーブの半値幅A’の値(=A’/A)は、対称面において0.9、非対称面において0.7であった。
また、表面SEM及びAFMによりAlN薄膜の表面を観察したところ、ピットは存在しなかった。また、SIMSにより測定したAlN薄膜中のC(炭素)原子及びO(酸素)原子は、いずれも3×1017cm−3以下であった。
AlN薄膜の成長時に供給するNH3に対するトリメチルアルミニウムのモル流量比(V/III比)を400とした以外は実施例1と同様の方法でAlN薄膜を成長した。
AlN薄膜成長前に測定したAlN基板のロッキングカーブの半値幅Aに対する、AlN薄膜のロッキングカーブの半値幅A’の値(=A’/A)は、対称面において0.9、非対称面において0.7であった。
また、表面SEM及びAFMによりAlN薄膜の表面を観察したところ、ピットは存在しなかった。また、SIMSにより測定したAlN薄膜中のC(炭素)原子及びO(酸素)原子は、いずれも3×1017cm−3以下であった。
AlN薄膜の成長時に供給するNH3に対するトリメチルアルミニウムのモル流量比(V/III比)を2000とした以外は実施例1と同様の方法でAlN薄膜を成長した。
AlN薄膜成長前に測定したAlN基板のロッキングカーブの半値幅Aに対する、AlN薄膜のロッキングカーブの半値幅A’の値(=A’/A)は、対称面において0.8、非対称面において0.6であった。
また、表面SEM及びAFMによりAlN薄膜の表面を観察したところ、ピットは存在しなかった。N薄膜中のC(炭素)原子及びO(酸素)原子は、いずれも3×1017cm−3以下であった。
<比較例1>
上述した実施例1と同様の準備工程を実施し、AlN薄膜を成長した。成長室内の温度を約1260℃に昇温し、AlN基板表面のサーマルクリーニングを行った後、基板温度を1250℃まで降温し、AlN薄膜を約500nm成長した。この際、V/III比を350と変化してAlN薄膜を成長した。また、原料用のバブリングガス及びキャリアガスとしてはH2を用いて成長を行った。
また、表面SEM及びAFMによりAlN薄膜の表面を観察したところ、AlN薄膜の表面積に対するピットの面積の割合が3%であった。
<比較例2>
上述した実施例1と同様の準備工程を実施し、AlN薄膜を成長した。成長室内の温度を約1260℃に昇温し、AlN基板表面のサーマルクリーニングを行った後、基板温度を1250℃まで降温し、AlN薄膜を約500nm成長した。この際、V/III比を800と変化してAlN薄膜を成長した。また、原料用のバブリングガス及びキャリアガスとしてはH2を用いて成長を行った。
AlN薄膜成長前に測定したAlN基板のロッキングカーブの半値幅Aに対する、AlN薄膜のロッキングカーブの半値幅A’の値(=A’/A)は、対称面において1.4、非対称面において2.5であった。また、表面SEM及びAFMによりAlN薄膜の表面を観察したところ、AlN薄膜の表面積に対するピットの面積の割合が0.05%であった。
実施例1乃至5及び比較例1及び2の結果を表1に示す。
表1は、本発明における実施例1乃至5、比較例1及びで得られたAlN薄膜の特性を 示すものである。
Figure 2014179544
実施例1において得られたAlN基板上のAlN薄膜上に、多重量子井戸を作製し光学特性評価を行った。
<多重量子井戸作製工程>
AlN薄膜を成長したAlN基板を有機金属化学気相成長装置内に導入し、成長室内の温度を約1250℃に昇温し、AlN薄膜表面のサーマルクリーニングを行った。
次に、1100℃まで降温し、成長室内の圧力50Torrとして多重量子井戸構造を作製した。多重量子井戸構造は井戸部がAlGa1−XN(X=0.8)で厚みが3nm、バリア部がAlNで厚み3nm、井戸部とバリア部を10回繰り返した構造からなる。Al原料としてトリメチルアルミニウムを、Ga原料としてはトリメチルガリウムを用い、N原料としてはNHを用いて成長を行った。
<光学特性評価>
多重量子井戸を成膜した表面にAr:Fエキシマレーザー(波長193nm)を照射し、得られるフォトルミネッセンス信号の強度を測定した。
本発明は、AlN基板上にAlN薄膜を形成したAlN薄膜の製造方法及びAlN薄膜に関するものである。製造されたAlN薄膜上にAlGa1−xN上に薄膜成長するため、発光波長280nm以下の深紫外LEDに好適に用いられる。

Claims (8)

  1. AlN基板上にAlN薄膜を成長する工程を含むAlN薄膜の製造方法であって、
    前記AlN基板上にAlN薄膜を成長する工程における、成長時のAlN基板の温度が、1160℃以上1220℃以下であり、かつAl原料の供給量に対するN原料の供給量の比率(V/III比)が、400以上4000以下であることを特徴とするAlN薄膜の製造方法。
  2. 前記AlN薄膜を成長する工程が、有機金属気相成長法であることを特徴とする請求項1に記載のAlN薄膜の製造方法。
  3. AlN基板上に形成されたAlN薄膜であって、
    前記AlN基板の単体のロッキングカーブの半値幅をA、前記AlN基板上にAlN薄膜を成長した後のロッキングカーブの半値幅をA’としたときに、0.5≦A’/A<1の関係を有することを特徴とするAlN薄膜。
  4. 前記ロッキングカーブが、対称面、非対称面のいずれかであることを特徴とする請求項3に記載のAlN薄膜。
  5. AlN基板上に形成されたAlN薄膜であって、
    C,Oの含有量が、それぞれ3×1017cm−3以下であることを特徴とするAlN薄膜。
  6. 前記AlN薄膜の表面において、該AlN薄膜の表面積に対するピットの面積の割合が、0.03%以下であること特徴とする請求項5に記載のAlN薄膜。
  7. 請求項3乃至6のいずれかに記載のAlN薄膜上に、デバイス層を備えていることを特徴とする半導体装置。
  8. 前記デバイス層が、AlxGa1−xN(0≦x≦1)を有し、該デバイス層に電圧を印加したときに深紫外線を発光することを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
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CN109065438A (zh) * 2018-07-23 2018-12-21 中国科学院半导体研究所 AlN薄膜的制备方法
CN111188090A (zh) * 2019-10-16 2020-05-22 中国电子科技集团公司第五十五研究所 一种高质量氮化铝薄膜的同质外延生长方法

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