JP2019086516A - 荷重測定ユニットおよび荷重測定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、アキシャル方向の荷重を直接、センサに負荷しようとすると、軸受のアキシャル方向への移動が妨げられて軸受ロックにつながる。前述の塊成機の軸受のような高温環境下で使用される軸受では、熱による軸伸び等を考慮し、軸受(被支持体)のチョック(支持体)に対するアキシャル方向(軸方向)への移動が許容されていることが必要になる場合がある。
(1)本発明に係る荷重測定ユニットは、被支持体が嵌合する嵌合孔が形成された支持体と、前記嵌合孔の内周面に形成された本体凹部内に配置され、前記被支持体から前記支持体に負荷されるアキシャル荷重が作用するセンサユニットとを備えており、前記センサユニットは、前記嵌合孔の径方向を向く第1のセンサと、前記嵌合孔の周方向を向く第2のセンサと、前記本体凹部に嵌合されたホルダと、前記ホルダに形成された台座凹部内に配置された台座部とを備えており、前記台座凹部は、前記嵌合孔の径方向を向く底面部と、前記嵌合孔の周方向を向く側面部とを備えており、前記台座部は、前記嵌合孔の径方向を向く底面部と、前記嵌合孔の周方向を向く側面部とを備えており、前記第1のセンサは、前記台座凹部の底面部と前記台座部の底面部との間に配置され、前記第2のセンサは、前記台座凹部の側面部と前記台座部の側面部との間に配置されていることを特徴とする。
ところで、この荷重測定ユニットでは、被支持体から支持体にラジアル荷重が負荷されると、台座部が径方向(ラジアル方向)に押圧され、台座部の底面部に径方向の垂直応力が生じる。なおこのとき、台座部が、径方向に圧縮されながら周方向に拡幅し、台座部の側面部にも周方向の垂直応力が生じる。
被支持体から支持体にアキシャル荷重が負荷されると、台座部の底面部が、嵌合孔の軸方向(アキシャル方向)に保持されたまま、台座部の頂面部が軸方向に変位し、台座部が軸方向にせん断変形する。その結果、台座部の側面部にせん断応力が生じるとともに、側面部の垂直応力が減少する。なおこのとき、アキシャル荷重を起因として台座部の底面部に生じる応力は小さい。
すなわち、被支持体から支持体にラジアル荷重およびアキシャル荷重が負荷されたとき、台座部の底面部には、ラジアル荷重を起因とした垂直応力が主に生じる。したがって、台座部の底面部に生じる応力を表す第1のセンサの検出結果は、ラジアル荷重との間に相関関係があると言える。そのため、この相関関係を表す関係式について予め求めておくことで、第1のセンサの検出結果に基づいてラジアル荷重を算出することができる。
また、被支持体から支持体にラジアル荷重およびアキシャル荷重が負荷されたとき、台座部の側面部には、ラジアル荷重を起因とした垂直応力と、アキシャル荷重を起因としたせん断応力と、が主に生じる。したがって、台座部の側面部に生じる応力を表す第2のセンサの検出結果は、ラジアル荷重およびアキシャル荷重との間に相関関係があると言える。ここで前述のように、ラジアル荷重は、第1のセンサの検出結果(台座部の底面部に生じる応力)との間に相関関係があることから、アキシャル荷重は、第1、第2のセンサの検出結果との間に相関関係があると言える。そのため、この相関関係を表す関係式について予め求めておくことで、第1、第2のセンサの検出結果に基づいてアキシャル荷重を算出することができる。
以上から、第1のセンサの検出結果に基づいて、ラジアル荷重を算出するとともに、第1、第2のセンサの検出結果に基づいて、アキシャル荷重を算出することができる。またこのとき、アキシャル荷重を直接、センサに負荷することなく、台座部の側面部に生じる応力に基づいて、アキシャル荷重を算出することができる。したがって、被支持体の軸方向への移動を許容することができる。
なお、被支持体から支持体にラジアル荷重が負荷されず、アキシャル荷重のみが負荷される場合には、第2のセンサの検出結果のみに基づいて、アキシャル荷重を算出することができる。すなわちこの場合、ラジアル荷重が第2のセンサの検出結果に影響を与えず、第2のセンサの検出結果は、アキシャル荷重のみとの間に相関関係がある。そのため、この相関関係を表す関係式について予め求めておくことで、第2のセンサの検出結果に基づいてアキシャル荷重を算出することができる。
ここで、台座部が、ホルダの台座凹部に配置され、ホルダが、本体凹部に嵌合される。このように、台座部が、直接、支持体に嵌合されるのではなく、ホルダを介して支持体に嵌合される。したがって、支持体を直接、加工するのではなく、支持体の外部でホルダを適宜、加工することで、本体凹部に対するホルダの嵌め合いの程度や、台座部に対する台座凹部の嵌め合いの程度を調整することができる。これにより、荷重測定ユニットの生産性を確保しつつ、高精度な測定を実現することができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の荷重測定ユニットでは、前記センサユニットには、前記被支持体から前記支持体に負荷されるラジアル荷重および前記アキシャル荷重が作用する構成を採用してもよい。
(4)上記(3)に記載の荷重測定ユニットでは、前記第1のセンサの検出結果に基づいて前記ラジアル荷重を算出し、前記第1のセンサおよび前記第2のセンサの検出結果に基づいて前記アキシャル荷重を算出する算出部を更に備える構成を採用してもよい。
(5)本発明に係る荷重測定方法は、上記(3)または(4)に記載の荷重測定ユニットを利用して前記ラジアル荷重および前記アキシャル荷重を測定する荷重測定方法であって、前記第1のセンサの検出結果に基づいて前記ラジアル荷重を算出し、前記第1のセンサおよび前記第2のセンサの検出結果に基づいて前記アキシャル荷重を算出することを特徴とする。
ところで、この荷重測定ユニットでは、被支持体から支持体にラジアル荷重が負荷されると、台座部が径方向(ラジアル方向)に押圧され、台座部の第3、第4の傾斜面に垂直応力が生じる。
被支持体から支持体にアキシャル荷重が負荷されると、そのアキシャル荷重の向きに応じて、例えば、台座部の第3の傾斜面が台座凹部の第1の傾斜面に押圧されたり、台座部の第4の傾斜面が台座凹部の第2の傾斜面に押圧されたりする。その結果、例えば、台座部の第3、第4の傾斜面に垂直応力が生じる。
すなわち、被支持体から支持体にラジアル荷重およびアキシャル荷重が負荷されたとき、台座部の第3、第4の傾斜面には、ラジアル荷重およびアキシャル荷重を起因とした垂直応力が生じる。台座部の第3、第4の傾斜面に生じる応力を表す第1、第2のセンサの検出結果のうち、嵌合孔の径方向の分力(径方向分力)は、ラジアル荷重との間に相関関係があると言え、嵌合孔の軸方向の分力(軸方向分力)は、アキシャル荷重との間に相関関係があると言える。そのため、この相関関係を表す関係式について予め求めておくことで、第1、第2のセンサの検出結果(第1、第2のセンサの検出結果から求められる径方向分力および軸方向分力)に基づいてラジアル荷重およびアキシャル荷重を算出することができる。このとき、アキシャル荷重を直接、センサに負荷することなく、台座部の第3、第4の傾斜面に生じる応力に基づいて、アキシャル荷重を算出することができる。すなわち、センサが被支持体に対して軸方向の両側に配置された状態ではなく、センサが被支持体に対して径方向外側に配置された状態で、アキシャル荷重を算出することができる。したがって、被支持体の軸方向への移動を規制することなく、アキシャル荷重を算出することができる。
なお、第1、第2のセンサの検出結果から径方向分力および軸方向分力を求めるためには、台座部の第3の傾斜面に対する垂直方向とラジアル荷重が付与される荷重方向との間の第1角度、および台座部の第4の傾斜面に対する垂直方向と前記ラジアル荷重が付与される荷重方向との間の第2角度を利用することができる。
また、被支持体から支持体にラジアル荷重が負荷されず、アキシャル荷重のみが負荷される場合には、第2のセンサの検出結果のみに基づいて、アキシャル荷重を算出することができる。すなわちこの場合、ラジアル荷重が第2のセンサの検出結果に影響を与えず、第2のセンサの検出結果は、アキシャル荷重のみとの間に相関関係がある。そのため、この相関関係を表す関係式について予め求めておくことで、第2のセンサの検出結果に基づいてアキシャル荷重を算出することができる。
(8)上記(6)に記載の荷重測定ユニットでは、前記第1、第2の傾斜面は、前記台座凹部の底面部の中央が凸となる形状を形成し、前記第3、第4の傾斜面は、前記台座部の底面部の中央が窪む形状を形成する構成を採用してもよい。
(9)上記(6)から(8)のいずれか1つに記載の荷重測定ユニットでは、前記第1、第2のセンサは、前記台座部に設けられている構成を採用してもよい。
(10)上記(6)から(9)のいずれか1つに記載の荷重測定ユニットでは、前記センサユニットには、前記被支持体から前記支持体に負荷されるラジアル荷重および前記アキシャル荷重が作用する構成を採用してもよい。
(11)上記(10)に記載の荷重測定ユニットでは、前記第3の傾斜面に対する垂直方向と前記ラジアル荷重が付与される荷重方向との間の第1角度と、前記第4の傾斜面に対する垂直方向と、前記ラジアル荷重が付与される荷重方向と、の間の第2角度と、前記第1、第2のセンサの検出結果とに基づいて前記ラジアル荷重および前記アキシャル荷重を算出する算出部を更に備える構成を採用してもよい。
(12)本発明に係る荷重測定方法は、上記(10)または(11)に記載の荷重測定ユニットを利用して前記ラジアル荷重および前記アキシャル荷重を測定する荷重測定方法であって、前記第3の傾斜面に対する垂直方向と前記ラジアル荷重が付与される荷重方向との間の第1角度と、前記第4の傾斜面に対する垂直方向と前記ラジアル荷重が付与される荷重方向との間の第2角度と、前記第1、第2のセンサの検出結果とに基づいて前記ラジアル荷重および前記アキシャル荷重を算出することを特徴とする。
以下、図1から図17を参照し、本発明の一実施形態に係る塊成機10を説明する。塊成機10は、コークス工場の事前処理設備に設けられる。
図1に示すように、塊成機10は、ロール20(被支持体、回転体)と、荷重測定ユニット30と、を備える。
軸受チョック41は、ロール20を支持する。軸受チョック41は、ロール20の両端部を支持するように一対設けられている。一対の軸受チョック41は、一対の軸受22それぞれを支持する。軸受チョック41は、例えばSS400等により形成される。
台座部52は、径方向Rを向く底面部52aおよび頂面部52cと、周方向Cを向く一対の側面部52bと、軸方向Xを向く一対の端面部52dと、を備える。軸方向Xから見た正面視において、底面部52aと側面部52bとは90度を形成し、頂面部52cと側面部52bとも90度を形成している。ホルダ51の頂面部51cは、前述のように第1嵌合孔42aの内周面と面一となっており、台座部52の頂面部52cは、第1嵌合孔42aの内周面およびホルダ51の頂面部51cと面一に形成されている。一対の端面部52dは、台座部52における軸方向Xの両端部に配置されている。一対の端面部52dはそれぞれ、径方向Rの内側から見た平面視において、第1側Xaまたは第2側Xbに向けて凸となる曲線状に形成されている。
台座部52は、例えばSUS630等により形成される。なお例えば、台座凹部57の公差クラスをH7とし、台座部52の公差クラスをr6とすることができる。無負荷状態で、台座凹部57および台座部52の底面部57a、52a同士の面圧や側面部57b、52b同士の面圧(以下、「第2面圧」という。)は、例えば、3.6MPa〜21.0MPaとすることができる。
算出部56は、第1軸受チョック41aの外部に配置されている。算出部56は、第1のセンサ54および第2のセンサ55それぞれと引き出し線56aを介して接続されている。引き出し線56aは、引き出し溝58内に配置されている。
はじめに、台座部52を、ホルダ51に組み付ける。このとき、ホルダ51を昇温した状態で(例えば、200K程度昇温させた状態で)、台座部52を台座凹部57に嵌合させる。その後、ホルダ51と、このホルダ51に組み付けられた台座部52と、を一体的に冷却した状態で(例えば、200K程度冷却した状態で)、本体凹部43に嵌合させる。
これにより、センサユニット50が軸受チョック41に取り付けられる。
図10から図13に示すように、センサユニット50では、第1のセンサ54が、本体凹部43の底面部43aと台座部52の底面部52aとの間(図示の例では、台座凹部57および台座部52の底面部57a、52a同士の間)に配置されるので、第1のセンサ54が、台座部52の底面部52aに生じる応力を計測することができる。また、第2のセンサ55が、本体凹部43の側面部43bと台座部52の側面部52bとの間(図示の例では、台座凹部57および台座部52の側面部57b、52b同士の間)に配置されるので、第2のセンサ55が、台座部52の側面部52bに生じる応力を計測することができる。なお本実施形態では、ホルダ51が、本体凹部43にしまりばめされ、かつ、台座部52が、台座凹部57にしまりばめされている。これにより、台座部52の側面部52b(第2のセンサ55)に対して十分に予圧をかけておくことができる。その結果、第2のセンサ55が、台座部52の側面部52bに生じる応力を高精度に計測することができる。
ところで、この荷重測定ユニット30では、図10および図11に示すように、ロール20から軸受チョック41にラジアル荷重が負荷されると、台座部52が径方向R(ラジアル方向)に押圧され、台座部52の底面部52aが台座凹部57の底面部57aに押し当てられる。その結果、台座部52の底面部52aに径方向Rの垂直応力(台座凹部57の底面部57aから台座部52の底面部52aに向かう垂直抗力)が生じる。なおこのとき、台座部52が、台座凹部57の底面部57aに押し当てられて径方向Rに圧縮されながら周方向Cに拡幅し(図11参照)、台座部52の側面部52bが台座凹部57の側面部57bに押し当てられる。その結果、台座部52の側面部52bにも周方向Cの垂直応力(台座凹部57の側面部57bから台座部52の側面部52bに向かう垂直抗力)が生じる。
またこのとき、アキシャル荷重を直接、センサに負荷することなく、台座部52の側面部52bに生じる応力に基づいて、アキシャル荷重を算出することができる。したがって、ロール20の軸方向Xへの移動を許容することができる。
この検証工程では、はじめに、ロール20から軸受チョック41にラジアル荷重およびアキシャル荷重が負荷されたときにおける第1、第2のセンサ54、55の検出結果について検証する。
図14に示すように、ロール20から軸受チョック41にラジアル荷重が負荷されたときには、第1のセンサ54および第2のセンサ55いずれについてもラジアル荷重とセンサ出力とに同程度の相関関係が確認された。
図15に示すように、ロール20から軸受チョック41にアキシャル荷重が負荷されたときには、第1のセンサ54については、第2のセンサ55に比べて、アキシャル荷重とセンサ出力との間の相関関係が弱いことが確認された。
結果を図16および図17に示す。図16は、第1のセンサ54の出力(MPa、横軸)とラジアル荷重(トン、縦軸)との関係を示す。図17は、第2のセンサ55の出力(MPa、横軸)とアキシャル荷重(トン、縦軸)との関係を示す。2種類のプロットのうち、「◇」(白いひし形)が各荷重のシミュレーション値であり、「■」(黒い正方形)が算出結果である。
さらに、台座部52が、ホルダ51の台座凹部57に嵌合され、ホルダ51が、本体凹部43に嵌合される。このように、台座部52が、直接、軸受チョック41に嵌合されるのではなく、ホルダ51を介して軸受チョック41に嵌合される。したがって、軸受チョック41を直接、加工するのではなく、軸受チョック41の外部でホルダ51を適宜、加工することで、本体凹部43に対するホルダ51の嵌め合いの程度や、台座部52に対する台座凹部57の嵌め合いの程度を調整することができる。これにより、荷重測定ユニット30の生産性を確保しつつ、高精度な測定を実現することができる。
次に、図18から図30を参照し、本発明の第2実施形態に係る荷重測定ユニット130を説明する。
なお、この実施形態においては、前記実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。また、前記実施形態における構成要素と対応する部分については、百の桁の符号を異ならせた符号(下二桁が同一の符号)を付し、説明の一部または全部を省略する。
また本実施形態では、台座部152は、台座凹部157内に配置されているものの、台座凹部157にしまりばめされておらず、例えばゆるみばめ等されている。言い換えると、台座部152および台座凹部157の側面部152b、157b同士の間、および台座部152および台座凹部157の端面部152d、157d同士の間には、隙間が設けられている。ロール20(図1参照)から軸受チョック41にアキシャル荷重が負荷されたときに、台座部152は台座凹部157内で軸方向X(アキシャル方向)に移動しようとする。しかしながら、この移動は、台座凹部157の第1の傾斜面157eと台座部152の第1のセンサ154とが突き当たること、または、台座凹部157の第2の傾斜面157fと台座部152の第2のセンサ155とが突き当たることにより、規制される。ロール20から軸受チョック41に、軸方向Xの第1側Xaから第2側Xbに向かうアキシャル荷重が負荷されたときには、台座凹部157の第2の傾斜面157fと台座部152の第2のセンサ155とが突き当たる。ロール20から軸受チョック41に、軸方向Xの第2側Xbから第1側Xaに向かうアキシャル荷重が負荷されたときには、台座凹部157の第1の傾斜面157eと台座部152の第1のセンサ154とが突き当たる。
このように台座部152を、台座凹部157内にしまりばめしない場合、事前面圧の負荷が不要となり、例えば、荷重測定ユニット130の設置が容易になる。なおこの場合であっても、ロール20から軸受チョック41にラジアル荷重が負荷されるときには、ロール20からのラジアル荷重が台座部152を介してホルダ151に負荷される。このとき、台座凹部157の第1の傾斜面157eと台座部152の第1のセンサ154とが突き当たり、かつ、台座凹部157の第2の傾斜面157fと台座部152の第2のセンサ155とが突き当たる。
図25に示すように、本実施形態では、第1のセンサ154が、台座凹部157の第1の傾斜面157eと台座部152の第3の傾斜面152eとの間に配置されるので、第1のセンサ154が、台座部152の第3の傾斜面152eに生じる応力を計測することができる。また、第2のセンサ155が、台座凹部157の第2の傾斜面157fと台座部152の第4の傾斜面152fとの間に配置されるので、第2のセンサ155が、台座部152の第4の傾斜面152fに生じる応力を計測することができる。
図30に示すように、ロール20から軸受チョック41にアキシャル荷重(図30に示す矢印W)が負荷されると、アキシャル荷重が、軸方向X(アキシャル方向)に沿って第1側Xaから第2側Xbに向かう荷重のときには、台座部152の第4の傾斜面152fが台座凹部157の第2の傾斜面157fに押圧され、台座部152の第4の傾斜面152fに垂直応力が生じる。アキシャル荷重が、軸方向X(アキシャル方向)に沿って第2側Xbから第1側Xaに向かう荷重のときには、台座部152の第3の傾斜面152eが台座凹部157の第1の傾斜面157eに押圧され、台座部152の第3の傾斜面152eに垂直応力が生じる。
F=α・(σ1+σ2)/(2cos(θ)) ・・・ (1)
ここでαは、ラジアル荷重と軸方向分力との相関関係を示す相関係数である。相関係数αは、例えば予備試験やシミュレーションなどにより予め算出しておくことができる。
W=β・(σ2−σ1)/(2sin(θ)) ・・・ (2)
ここでβは、アキシャル荷重と軸方向分力との相関関係を示す相関係数である。相関係数βは、例えば予備試験やシミュレーションなどにより予め算出しておくことができる。また上記(2)式では、軸方向Xの第1側Xaから第2側Xbに向かう方向の力を正とし、第2側Xbから第1側Xaに向かう方向の力を負としている。
ここで、第1実施形態に係る荷重測定ユニット30では、第2のセンサ55が、台座部52の側面部52bに生じるせん断応力を検出することから、第2のセンサ55を駆動する(検出可能な状態にしておく)ためには、第2のセンサ55に予圧をかけて事前に押圧しておく(押しつぶしておく)必要がある。荷重を測定する際、第2のセンサ55は基本的に押圧されない(押しつぶされない)ため、台座部52を台座凹部57にしまりばめすることによって意図的に第2のセンサ55を押圧し、第2のセンサ55に荷重を加えておくことで、第2のセンサ55を起動している(検出可能な状態にしている)。
しまりばめをする場合、例えば、ホルダ51を加熱した状態で台座凹部57内に台座部52を嵌合させるいわゆる焼き嵌めを実施することがある。このとき、ホルダ51から各センサ54、55に熱が伝わることで、各センサ54、55が損傷し、荷重を正確に測定することができなくなるおそれがある。
ところで本実施形態のホルダは、図22に示すホルダ151のように、1つの部品によって形成してもよく、図31に示す第1変形例に係るホルダ251のように、複数の部品を組み合わせて形成してもよい。このホルダ251は、本体部品72と、補助部品73と、を備えている。本体部品72には、凹部74が形成されている。凹部74内に補助部品73が配置されることで、凹部74が台座凹部157を形成している。補助部品73は、軸方向Xに一対配置されている。一対の補助部品73はそれぞれ、台座凹部157の第1の傾斜面57eおよび第2の傾斜面57fを形成する。
また、図32および図33に示す第2変形例に係るホルダ351のように、各センサ154、155が、台座凹部157における第1、第2の傾斜面157e、157fに設けられていてもよい。この場合、各センサ154、155を各傾斜面157e、157fに蒸着させることに代えて、例えば、各センサ154、155となる金属箔を予め形成した後、それらの金属箔を傾斜面157e、157fに接着させる等してもよい。またこの場合、図34に示すように、台座部352における第3、第4の傾斜面152e、152fに各センサ154、155を設けずに済む。なお、図32に示すホルダ351(および後述する図35に示すホルダ451)では、図面の見やすさのために引き出し溝158の図示を省略している。
さらに、図35から図38に示す第3変形例に係る荷重測定ユニットを構成するホルダ451や台座部452のように形状を変更してもよい。
図35および図36に示すホルダ451では、第1、第2の傾斜面457e、457fが、台座凹部457の底面部457aの中央が窪む形状を形成するのに代えて、台座凹部457の底面部457aの中央が凸となる形状を形成している。
図37および図38に示す台座部452では、第3、第4の傾斜面452e、452fが、台座部452の底面部452aの中央が凸となる形状を形成することに代えて、台座部452の底面部452aの中央が窪む形状を形成している。
前記実施形態では、ラジアル荷重およびアキシャル荷重の両方を算出する場合について説明したが、本発明はこれに限られない。すなわち、アキシャル荷重のみがセンサユニット50、150に負荷される場合であって、アキシャル荷重のみを算出する場合にも当然に適用できる。
荷重測定ユニット30、130は、コークス工場の事前処理設備における塊成機10以外にも適用することが可能である。例えば、粉砕機に用いられるテーブルを支持する軸などに、荷重測定ユニットを適用することも可能である。軸受22が、自動調心ころ軸受でなくてもよい。
30、130 荷重測定ユニット
41 軸受チョック(支持体)
42 嵌合孔
43 本体凹部
50、150 センサユニット
51、151、251、351、451 ホルダ
52、152、352、452 台座部
52a、152a、452a 底面部
52b、152b、452b 側面部
152e、452e 第3の傾斜面
152f、452f 第4の傾斜面
54、154、454 第1のセンサ
55、155、455 第2のセンサ
56 算出部
57 台座凹部
57a、157a、457a 底面部
57b、157b、457b 側面部
57e、157e、457e 第1の傾斜面
57f、157e、457e 第2の傾斜面
C 周方向
R 径方向
Claims (12)
- 被支持体が嵌合する嵌合孔が形成された支持体と、
前記嵌合孔の内周面に形成された本体凹部内に配置され、前記被支持体から前記支持体に負荷されるアキシャル荷重が作用するセンサユニットとを備えており、
前記センサユニットは、
前記嵌合孔の径方向を向く第1のセンサと、
前記嵌合孔の周方向を向く第2のセンサと、
前記本体凹部に嵌合されたホルダと、
前記ホルダに形成された台座凹部内に配置された台座部とを備えており、
前記台座凹部は、
前記嵌合孔の径方向を向く底面部と、
前記嵌合孔の周方向を向く側面部とを備えており、
前記台座部は、
前記嵌合孔の径方向を向く底面部と、
前記嵌合孔の周方向を向く側面部とを備えており、
前記第1のセンサは、前記台座凹部の底面部と前記台座部の底面部との間に配置され、
前記第2のセンサは、前記台座凹部の側面部と前記台座部の側面部との間に配置されていることを特徴とする荷重測定ユニット。 - 前記第1、第2のセンサは、前記台座部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の荷重測定ユニット。
- 前記センサユニットには、前記被支持体から前記支持体に負荷されるラジアル荷重および前記アキシャル荷重が作用することを特徴とする請求項1または2に記載の荷重測定ユニット。
- 前記第1のセンサの検出結果に基づいて前記ラジアル荷重を算出し、前記第1のセンサおよび前記第2のセンサの検出結果に基づいて前記アキシャル荷重を算出する算出部を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の荷重測定ユニット。
- 請求項3または4に記載の荷重測定ユニットを利用して前記ラジアル荷重および前記アキシャル荷重を測定する荷重測定方法であって、
前記第1のセンサの検出結果に基づいて前記ラジアル荷重を算出し、前記第1のセンサおよび前記第2のセンサの検出結果に基づいて前記アキシャル荷重を算出することを特徴とする荷重測定方法。 - 被支持体が嵌合する嵌合孔が形成された支持体と、
前記嵌合孔の内周面に形成された本体凹部内に配置され、前記被支持体から前記支持体に負荷されるアキシャル荷重が作用するセンサユニットとを備えており、
前記センサユニットは、
前記嵌合孔の径方向を向く第1、第2のセンサと、
前記本体凹部に嵌合されたホルダと、
前記ホルダに形成された台座凹部内に配置された台座部とを備えており、
前記台座凹部は、前記嵌合孔の径方向を向く底面部を備えており、
前記台座凹部の底面部は、第1、第2の傾斜面を備えており、
前記第1、第2の傾斜面は、前記嵌合孔の軸方向に並んで配置されており、
前記台座部は、前記嵌合孔の径方向を向く底面部を備えており、
前記台座部の底面部は、第3、第4の傾斜面を備えており、
前記第3、第4の傾斜面は、前記第1、第2の傾斜面に対向配置されており、
前記第1のセンサは、前記第1の傾斜面と前記第3の傾斜面との間に配置され、
前記第2のセンサは、前記第2の傾斜面と前記第4の傾斜面との間に配置されていることを特徴とする荷重測定ユニット。 - 前記第1、第2の傾斜面は、前記台座凹部の底面部の中央が窪む形状を形成し、
前記第3、第4の傾斜面は、前記台座部の底面部の中央が凸となる形状を形成する請求項6に記載の荷重測定ユニット。 - 前記第1、第2の傾斜面は、前記台座凹部の底面部の中央が凸となる形状を形成し、
前記第3、第4の傾斜面は、前記台座部の底面部の中央が窪む形状を形成する請求項6に記載の荷重測定ユニット。 - 前記第1、第2のセンサは、前記台座部に設けられている請求項6から8のいずれか1項に記載の荷重測定ユニット。
- 前記センサユニットには、前記被支持体から前記支持体に負荷されるラジアル荷重および前記アキシャル荷重が作用することを特徴とする請求項6から9のいずれか1項に記載の荷重測定ユニット。
- 前記第3の傾斜面に対する垂直方向と前記ラジアル荷重が付与される荷重方向との間の第1角度と、前記第4の傾斜面に対する垂直方向と前記ラジアル荷重が付与される荷重方向との間の第2角度と、前記第1、第2のセンサの検出結果とに基づいて前記ラジアル荷重および前記アキシャル荷重を算出する算出部を更に備えることを特徴とする請求項10に記載の荷重測定ユニット。
- 請求項10または11に記載の荷重測定ユニットを利用して前記ラジアル荷重および前記アキシャル荷重を測定する荷重測定方法であって、
前記第3の傾斜面に対する垂直方向と前記ラジアル荷重が付与される荷重方向との間の第1角度と、前記第4の傾斜面に対する垂直方向と前記ラジアル荷重が付与される荷重方向との間の第2角度と、前記第1、第2のセンサの検出結果とに基づいて前記ラジアル荷重および前記アキシャル荷重を算出することを特徴とする荷重測定方法。
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