以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素および部分には同一の参照符号を付与し、重複する説明は適宜省略する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るデータ収録装置100の回路構成の一例を示す回路ブロック図である。図2は、データ収録装置100の構成を示す斜視図である。なお、図1において、データ収録装置100に接続される複数のセンサ12がデータ収録装置100とともに示されている。
データ収録装置100は、配線基板1に搭載されたAFE(Analog Front End)10、ロジック回路300、RF(Radio Frequency)通信モジュール41、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)42、CPU(Central Processing Unit)50及びメモリ60を含んで構成されている。
データ収録装置100は、センサ12から出力されるセンサ信号をデジタル値に変換してメモリ60に記録し、外部装置(例えば、データ収録装置100に通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ)からの要求に応じてメモリ60に記録したセンサ信号値を外部装置に送信する機能を主な機能として有する。データ収録装置100に接続されるセンサ12として、圧力センサ、加速度センサ、変位センサ、電圧センサ、温度センサ、歪みセンサ等のあらゆるセンサを想定することができる。
AFE10は、計装アンプ21、ローパスフィルタ22、マルチプレクサ23、アナログ・デジタル変換器(以下、AD変換器と称する)24を単一の半導体チップに集積した集積回路である。AFE10は、一例として、16個のセンサ信号の入力チャンネルを有し、16個のセンサ12を接続することが可能である。複数のセンサ12の各々から出力されたセンサ信号は、配線基板1に設けられた入力端子90及びAFE10を構成する半導体チップに設けられたセンサ信号入力用のポート91を介してAFE10に供給される。
計装アンプ21、ローパスフィルタ22は、それぞれ、16個のセンサ12の各々に対応して設けられている。計装アンプ21の各々は、対応するセンサ12から出力されるセンサ信号を増幅する。ローパスフィルタ22は、計装アンプ21によって増幅された対応するセンサ信号から高周波成分(ノイズ)を除去する。なお、センサ信号から高周波成分が問題とならない場合には、ローパスフィルタ22を省略してもよい。
マルチプレクサ23及びAD変換器24は、4つの入力チャンネル毎に1つずつ設けられている。マルチプレクサ23の各々は、対応する4つのローパスフィルタ22から出力されるセンサ信号を順次選択し、選択したセンサ信号をAD変換器24に供給する。
AD変換器24は、マルチプレクサ23から順次供給されるアナログ信号であるセンサ信号をデジタル値に変換する。AD変換器24によってデジタル値に変換されたセンサ信号値は、後述する記録制御ロジック回路30に供給される。なお、AD変換器24を複数の入力チャンネルで共有するのではなく、入力チャンネル毎にAD変換器24を設け、ローパスフィルタ22からそれぞれ出力されるセンサ信号を、対応するAD変換器24で直接受ける構成としてもよい。この場合、マルチプレクサ23は不要となる。
ロジック回路300は、記録制御ロジック回路30及び通信制御ロジック回路40を、AEF10とは別体の単一の半導体チップに集積した集積回路である。ロジック回路300は、CPLD(Complex Programmable Logic Device)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスであり、記録制御ロジック回路30及び通信制御ロジック回路40のロジック構成が外部からの指定によりプログラム可能である。従って、記録制御ロジック回路30及び通信制御ロジック回路40のロジック構成をプログラミングによって事後的に変更することが可能である。
記録制御ロジック回路30は、CPU50から供給される指令に基づいて各種の動作を行う。記録制御ロジック回路30は、CPU50からデータ収録を行うべき指令が発せられた場合には、マルチプレクサ23及びAD変換器24に制御信号を供給することによってこれらを稼働させ、AD変換器24から順次供給されるセンサ信号値をメモリ60に記録する処理を行う。一方、記録制御ロジック回路30は、CPU50からデータ読み出しを行うべき指令が発せられた場合には、メモリ60に記録されたセンサ信号値を読み出し、通信制御ロジック回路40及びRF通信モジュール41またはUART42を介して読み出したセンサ信号値を外部装置に送信する。また、記録制御ロジック回路30は、CPU50から外部装置に向けてデータ送信を行うべき指令が発せられた場合には、AD変換器24から順次供給されるセンサ信号値、あるいは、センサ信号値に付加情報を加えたデータを、メモリ60を介することなく通信制御ロジック回路40を介して外部装置に送信する。記録制御ロジック回路30は、CPU50からの指令に基づいて、AD変換器24から供給されるデジタル値の、メモリ60に対する記録制御と、外部装置に対する送信制御を並行して行うことが可能である。また、記録制御ロジック回路30は、メモリ60に対するデータの記録と、外部装置に対するデータの送信について、優先度を設定することが可能である。例えば、メモリ60に対するデータの記録について設定された優先度が、外部装置に対するデータの送信について設定された優先度よりも低い場合、AD変換器24から供給されるデジタル値を間引いてメモリ60に記録してもよい。
通信制御ロジック回路40は、外部装置との間の通信を制御する回路ブロックである。通信制御ロジック回路40は、例えば、記録制御ロジック回路30から供給される、メモリ60から読み出されたセンサ信号値、あるいは、AD変換器24から直接供給されるセンサ信号値若しくはこれに付加情報を加えたデータを、所定の通信プロトコルに従ってRF通信モジュール41またはUART42を介して外部装置に送信する。通信制御ロジック回路40は、CPU50からの指令に基づいて、RF通信モジュール41及びUART42のいずれか一方または双方を介してセンサ信号値またはこれに付加情報を加えたデータを外部装置に送信する。また、通信制御ロジック回路40は、外部装置からRF通信モジュール41またはUART42を介して供給される指令及び情報をCPU50に供給する。
メモリ60は、センサ12から出力され、デジタル値に変換されたセンサ信号値を記録するための記録媒体である。メモリ60は、データの書き込み、消去及び書き換えが可能な不揮発性の記録媒体である。メモリ60は、例えば、NAND型フラッシュメモリであってもよい。メモリ60は、AFE10を構成する半導体チップ及びロジック回路300を構成する半導体チップとは別体の半導体チップとして構成され、ロジック回路300のデータ入出力用のポート93を介して記録制御ロジック回路30に接続されている。
RF通信モジュール41は、通信制御ロジック回路40による制御の下で外部装置と無線通信を行うための通信モジュールである。RF通信モジュール41は、AFE10を構成する半導体チップ及びロジック回路300を構成する半導体チップとは別体のパッケージ部品として構成され得る。RF通信モジュール41は、ロジック回路300の通信用のポート95を介して通信制御ロジック回路40と接続されている。
UART42は、通信制御ロジック回路40による制御の下で外部装置と有線通信を行うための通信モジュールである。UART42は、シリアル転送方式のデータとパラレル転送方式のデータを相互に変換する機能を有する。UART42は、AFE10を構成する半導体チップ及びロジック回路300を構成する半導体チップとは別体のパッケージ部品として構成され得る。UART42は、ロジック回路300の通信用のポート96を介して通信制御ロジック回路40と接続されている。なお、本実施形態では、外部装置との通信を行うための通信モジュールとして、RF通信モジュール41及びUART42の双方を備える構成を例示しているが、RF通信モジュール41及びUART42の一方のみを備える構成としてもよい。また、RF通信モジュール41及びUART42に相当する機能が、データ収録装置100と連携する外部機器において提供される場合には、これらをデータ収録装置100から削減することができる。
CPU50は、データ収録装置100の動作を統括的に制御する中央演算処理装置である。CPU50は、記録制御ロジック回路30に対して指令を送ることにより、データ収録及びデータ読み出しを制御する。また、CPU50は、通信制御ロジック回路40に指令を送ることにより、外部装置との間の通信を制御する。CPU50は、AFE10を構成する半導体チップ、ロジック回路300を構成する半導体チップ及びメモリ60を構成する半導体チップとは別体の半導体チップとして構成されている。CPU50は、ロジック回路300の通信用のポート97を介して通信制御ロジック回路40と接続され、ロジック回路300の通信用のポート98を介して記録制御ロジック回路30と接続されている。
データ収録装置100は、通信用のポート92に接続される外部機器(例えば、他のデータ収録装置)との間で、保持しているデータを一致させる同期処理を行うことが可能である。
また、データ収録装置100は、トリガ信号Stを外部から供給することによってデータ収録の開始及び停止のタイミングを外部から制御することが可能である。ロジック回路300は、外部装置から供給されるトリガ信号Stの入力を受け付けるトリガ信号入力用のポート94を有する。ポート94を介してロジック回路300に入力されたトリガ信号Stは、記録制御ロジック回路30によって受信される。記録制御ロジック回路30は、受信したトリガ信号Stに応じてセンサ信号値の収録を開始または停止させる。
トリガ信号Stには、付加情報を含めることができ、この付加情報をセンサ信号値とともにメモリ60に記録することができる。付加情報としては、例えば、時刻情報、センサ12によってセンシングされる対象物(以下、センシング対象物という)の温度、湿度、気圧などの環境情報、センシング対象物の状態に関する情報などが挙げられる。例えば、センシング対象物が所定の移動経路上を移動する移動体である場合、移動経路上におけるセンシング対象物の位置を示す位置情報を、付加情報としてトリガ信号に含めることが可能である。付加情報は、トリガ信号と統合されたデジタル信号であってもよく、例えば、光信号または無線信号の形態でデータ収録装置100に供給され得る。
記録制御ロジック回路30は、付加情報を含むトリガ信号Stに応じてセンサ信号値をメモリ60に記録する場合に、AD変換器24から順次供給されるセンサ信号値の各々に、対応する付加情報を付加してメモリ60に記録する。このように、メモリ60に記録するセンサ信号値の各々に付加情報を含めることで、センサ12から逐次出力されるセンサ信号の取得時点における付加的な情報をセンサ信号値とともに収録することが可能となる。なお、所定期間内にAD変換器24から供給される複数のセンサ信号値に共通の1つの付加情報を付加したものを1つのデータセットとしてメモリ60に記録してもよい。この態様によれば、センサ信号値の各々に付加情報を含める場合と比較して、メモリ60に記録するデータ量を削減することができる。また、記録制御ロジック回路30は、AD変換器24から順次供給されるセンサ信号値を、メモリ60を介することなく通信制御ロジック回路40を介して外部装置に送信する場合、トリガ信号Stに付加された付加情報を、センサ信号値に加えて外部装置に送信することも可能である。
また、記録制御ロジック回路30は、AD変換器24から供給されるセンサ信号値のメモリ60への記録の継続、中断及び終了を示すステータス情報を、当該センサ信号値とともにメモリ60に記録する。センサ信号値のメモリ60への記録の継続、中断及び終了に関する指令は、CPU50から記録制御ロジック回路30に供給される。
記録制御ロジック回路30は、CPU50からデータ収録を継続すべき指令が発せられている間、AD変換器24から供給されるセンサ信号値に、データ収録の「継続中」を示すステータス情報を付加して、当該センサ信号値をメモリ60に記録する。記録制御ロジック回路30は、CPU50からデータ収録を中断すべき指令が発せられた場合、AD変換器24から供給されるセンサ信号値に、データ収録の「中断」を示すステータス情報を付加して、当該センサ信号値をメモリ60に記録した後、データ収録を中断させる。すなわち、データ収録を中断する直前にメモリ60に記録するセンサ信号値に対してデータ収録の「中断」を示すステータス情報が付加される。記録制御ロジック回路30は、CPU50からデータ収録を終了すべき指令が発せられた場合、AD変換器24から供給されるセンサ信号値に、データ収録の「終了」を示すステータス情報を付加して、当該センサ信号値をメモリ60に記録した後、データ収録を終了させる。すなわち、データ収録を終了する直前にメモリ60に記録するセンサ信号値に対してデータ収録の「終了」を示すステータス情報が付加される。
このようにメモリ60に記録するセンサ信号値の各々にステータス情報を含めることで、データの収録経緯をセンサ信号値とともに収録することが可能となる。記録制御ロジック回路30は、上記の付加情報を含むトリガ信号Stに応じてセンサ信号値をメモリ60に記録する場合、1つまたは複数のセンサ信号値、付加情報、及びステータス情報を含むデータセットをメモリ60に記録する。この場合、CPU50は、トリガ信号Stを出力する外部装置と連携することで、データ収録の継続、中断及び終了を判断する。
また、記録制御ロジック回路30は、CPU50からの指令に基づいて、AD変換器24の各々から逐次供給される複数のセンサ信号値のメモリ60への記録順序を制御する。すなわち、記録制御ロジック回路30は、AD変換器24の各々から供給される順序とは異なる順序で、複数のセンサ信号値をメモリ60に記録することが可能である。
データ収録装置100の構成部品のうち、AFE10、ロジック回路300、CPU50及びメモリ60は、それぞれ、別々の半導体チップで構成され、モールド樹脂で覆われていないチップ状態で配線基板1に搭載されている。AFE10、ロジック回路300、CPU50及びメモリ60は、それぞれ、機械的ストレス及び熱的ストレスからこれらを保護するための樹脂等からなる保護膜で覆われていてもよい。RF通信モジュール41及びUART42は、AFE10、ロジック回路300、CPU50及びメモリ60を構成する各半導体チップとは別体のパッケージ部品として構成されている。なお、RF通信モジュール41及びUART42は、モールド樹脂で覆われていないチップ状態であってもよい。
図2に示すように、ロジック回路300、RF通信モジュール41及びUART42は、それぞれ、配線基板1の上面S1に搭載されている。AFE10、メモリ60及びCPU50は、それぞれ、配線基板1の内層に設けられている。配線基板1は、多層構造を有しており、AFE10、メモリ60及びCPU50は、配線基板1の内部において積層された状態で搭載されている。AFE10は、配線基板1が備える複数の内層のうち、配線基板1の下面S2に隣接する最下層に搭載されている。メモリ60は、AFE10が搭載された層の1つ上の層に搭載されている。CPU50は、メモリ60が搭載された層の1つ上の層に搭載されている。配線基板1に搭載された各構成部品は、配線基板1の上面S1及び下面S2に設けられた配線、配線基板1の内層に設けられた配線及びビア(いずれも図示せず)を介して、他の構成部品と電気的に接続されている。配線基板1の下面S2には、センサ12から出力されるセンサ信号が入力される入力端子90が設けられている。入力端子90は、配線基板1の下面S2に設けられた配線(図示せず)及び配線基板1の内部に設けられたビア(図示せず)を介してAFE10のポート91に接続されている。
以上のように、データ収録装置100において、AFE10、メモリ60、CPU50及びロジック回路300は、これらの構成部品が積層された状態で配線基板1に搭載されている。これらの構成部品のうち、AFE10が配線基板1が備える複数の内層のうち、再下層に搭載され、センサ信号の入力端子90が、AFE10が搭載された再下層に隣接する配線基板1の下面S2に設けられている。アナログ信号であるセンサ信号が通過するアナログ信号配線は、入力端子90とAFE10のポート91との間に設けられる。
このように、複数の構成部品を積層して構成されるデータ収録装置100において、AFE10を、構成部品の積層方向の端部に配置するとともに、センサ信号が入力される入力端子90を、AFE10の直近の基板面に設けることで、アナログ信号配線が、デジタル信号配線と近接することを回避できる。また、アナログ信号配線とデジタル信号配線とが交差状態または並行状態となることを回避できる。従って、アナログ信号であるセンサ信号へのノイズの重畳を抑制することができる。
図3A〜図3Fは、本発明の実施形態に係るAFE10、メモリ60、CPU50及びロジック回路300の積層構成のバリエーションを示す図である。図3A〜図3Fにおいて、各構成部品に接続される信号配線のうち、アナログ信号が通過するアナログ信号配線が実線で示され、デジタル信号が通過するデジタル信号配線が点線で示されている。なお、図3Aは、図2に示すデータ収録装置100の構成に対応している。
図4A〜図4Cは、比較例に係る積層構成を示す図である。図4A〜図4Cに示すように、AFE10を、配線基板1の中間層に配置し、他の構成部品の間に配置した場合には、入力端子90からAFE10に至るアナログ信号配線の長さを最短とすることができず、また、配線基板1の層間を貫くデジタル信号配線と、アナログ信号配線とが互いに近接し、交差状態または並行状態となる。これにより、アナログ信号であるセンサ信号にノイズが重畳しやすくなる。また、センサ信号へのノイズの重畳を抑制するために、アナログ信号配線を、デジタル信号配線から離間して配置した場合には、データ収録装置のサイズが大きくなる。また、センサ信号へのノイズの重畳を抑制するために、AFE10と他の構成部品との間にシールド層200を設ける場合、AFE10の上層側及び下層側の双方にシールド層200を設ける必要があり、配線基板1の厚さが厚くなる。
一方、図3A〜図3Fに示す本発明の実施形態に係る積層構成によれば、AFE10が、構成部品の積層方向の端部に配置されるとともに、入力端子90がAFE10の直近の基板面に設けられるので、入力端子90からAFE10に至るアナログ信号配線の長さを最短とすることができ、また、配線基板1の層間を貫くデジタル信号配線と、アナログ信号配線とが互いに近接することや、交差状態または並行状態となることを回避できる。これにより、センサ信号へのノイズの重畳を抑制することができる。また、AFE10と他の構成部品との間にシールド層200を設ける場合、AFE10の片側にのみシールド層200を設ければ足りるので、比較例に係る積層構成を採用する場合と比較して、配線基板1の厚さを薄くすることができる。
図5は、変形例に係るデータ収録装置100Aの構成を示す斜視図である。データ収録装置100Aは、センサ信号が入力される入力端子90が、配線基板1の側面S10に設けられている点が、データ収録装置100(図2参照)と異なる。
図6は、変形例に係るデータ収録装置100Bの構成を示す斜視図である。データ収録装置100Bは、配線基板1の下面S2に接合された配線基板2を備えている。配線基板2の上面S3には、RF通信モジュール41、UART42及びセンサ信号が入力される入力端子90が設けられている。配線基板1の下面S2には、センサ信号入力用のポート91に接続されたランド(図示せず)を含むランドパターンが設けられており、配線基板2の上面S3には、配線基板1のランドパターンに対応する対応ランドパターン、及び対応ランドパターンに含まれるランドと入力端子90とを接続する配線(図示せず)が設けられている。
図7は、変形例に係るデータ収録装置100Cの構成を示す斜視図である。データ収録装置100Cは、配線基板1に接続基板9を介して接続された配線基板8を備えている。配線基板8の上面S11には、RF通信モジュール41及びUART42が搭載されている。接続基板9は、例えば、プラスチックフィルムで構成された可撓性を有するフレキシブル基板であってもよい。
図8は、変形例に係るデータ収録装置100Dの構成を示す斜視図である。データ収録装置100Dは、配線基板1の内層に2つのメモリ60A及び60Bを備える点、及び各構成部品の積層構成が、データ収録装置100(図2参照)と異なる。すなわち、データ収録装置100Dにおいて、AFE10は、配線基板1が備える複数の内層のうち、配線基板1の下面S2に隣接する最下層に搭載されている。CPU50は、AFE10が搭載された層の1つ上の層に搭載されている。メモリ60Aは、CPU50が搭載された層の1つ上の層に搭載されている。メモリ60Bは、メモリ60Aが搭載された層の1つ上の層に搭載されている。ロジック回路300、RF通信モジュール41及びUART42は、配線基板1の上面S1に搭載されている。センサ信号の入力端子90は、配線基板1の下面S2に設けられている。
図9は、変形例に係るデータ収録装置100Eの構成を示す斜視図である。データ収録装置100Eは、配線基板1の内層に2つのメモリ60A及び60Bを備える点、及び各構成部品の積層構成が、データ収録装置100(図2参照)と異なる。すなわち、データ収録装置100Eにおいて、AFE10は、配線基板1が備える複数の内層のうち、配線基板1の下面S2に隣接する最下層に搭載されている。CPU50は、AFE10が搭載された層の1つ上の層に搭載されている。ロジック回路300は、CPU50が搭載された層の1つ上の層に搭載されている。メモリ60Aは、ロジック回路300が搭載された層の1つ上の層に搭載されている。メモリ60Bは、メモリ60Aが搭載された層の1つ上の層に搭載されている。RF通信モジュール41及びUART42は、配線基板1の上面S1に搭載されている。センサ信号の入力端子90は、配線基板1の下面S2に設けられている。
図10は、変形例に係るデータ収録装置100Fの構成を示す斜視図である。データ収録装置100Fは、各構成部品の積層構成が、データ収録装置100(図2参照)と異なる。すなわち、データ収録装置100Fにおいて、AFE10は、配線基板1が備える複数の内層のうち、配線基板1の下面S2に隣接する最下層に搭載されている。ロジック回路300は、AFE10が搭載された層の1つ上の層に搭載されている。CPU50は、ロジック回路300が搭載された層の1つ上の層に搭載されている。メモリ60は、CPU50が搭載された層の1つ上の層に搭載されている。RF通信モジュール41及びUART42は、配線基板1の上面S1に搭載されている。センサ信号の入力端子90は、配線基板1の下面S2に設けられている。
図11は、変形例に係るデータ収録装置100Gの構成を示す斜視図である。データ収録装置100Gは、配線基板1の内層に、2つのAFE10A、10B及び2つのメモリ60A及び60Bを備える点、及び各構成部品の積層構成が、データ収録装置100(図2参照)と異なる。すなわち、データ収録装置100Gにおいて、AFE10A及び10Bは、配線基板1が備える複数の内層のうち、配線基板1の下面S2に隣接する最下層において並置された状態で搭載されている。ロジック回路300及びCPU50は、AFE10A及び10Bが搭載された層の1つ上の層に並置された状態で搭載されている。メモリ60A及び60Bは、ロジック回路300及びCPU50が搭載された層の1つ上の層に並置された状態で搭載されている。RF通信モジュール41及びUART42は、配線基板1の上面S1に搭載されている。センサ信号の入力端子90A及び90Bは、配線基板1の下面S2に設けられている。AFE10Aに対応する入力端子90Aは、AFE10Aの近傍に配置され、AFE10Bに対応する入力端子90Bは、AFE10Bの近傍に配置されている。
図12は、変形例に係るデータ収録装置100Hの構成を示す斜視図である。データ収録装置100Hは、各構成部品の積層構成が、データ収録装置100(図2参照)と異なる。すなわち、データ収録装置100Hにおいて、AFE10は、配線基板1の下面S2に搭載されている。ロジック回路300は、配線基板1の内層のうち、下面S2に隣接する最下層に搭載されている。CPU50は、ロジック回路300が搭載された層の1つ上の層に搭載されている。メモリ60は、CPU50が搭載された層の1つ上の層に搭載されている。RF通信モジュール41及びUART42は、配線基板1の上面S1に搭載されている。センサ信号の入力端子90は、配線基板1の下面S2に設けられている。
図13は、変形例に係るデータ収録装置100Iの構成を示す斜視図である。データ収録装置100Iは、各構成部品の積層構成が、データ収録装置100(図2参照)と異なる。すなわち、データ収録装置100Iにおいて、AFE10は、配線基板1の下面S2に搭載されている。メモリ60は、配線基板1の内層のうち、下面S2に隣接する最下層に搭載されている。CPU50は、メモリ60が搭載された層の1つ上の層に搭載されている。ロジック回路300、RF通信モジュール41及びUART42は、配線基板1の上面S1に搭載されている。センサ信号の入力端子90は、配線基板1の下面S2に設けられている。
図14は、変形例に係るデータ収録装置100Jの構成を示す斜視図である。データ収録装置100Jは、ロジック回路300及びCPU50が単一の半導体チップで構成されており、この半導体チップが配線基板1の上面S1に搭載されている点が、データ収録装置100(図2参照)と異なる。
図15は、変形例に係るデータ収録装置100Kの構成を示す斜視図である。データ収録装置100Kは、各構成部品の積層構成が、データ収録装置100(図2参照)と異なる。すなわち、データ収録装置100Kにおいて、AFE10及びロジック回路300は、配線基板1が備える複数の内層のうち、配線基板1の下面S2に隣接する最下層に搭載されている。メモリ60及びCPU50は、AFE10及びロジック回路300が搭載された層の1つ上の層に搭載されている。RF通信モジュール41及びUART42は、配線基板1の上面S1に搭載されている。センサ信号の入力端子90は、配線基板1の下面S2のAFE10の近傍に設けられている。
図16は、変形例に係るデータ収録装置100Lの構成を示す斜視図である。データ収録装置100Lは、2つのメモリ60A及び60Bを備える点、及び各構成部品の積層構成が、データ収録装置100(図2参照)と異なる。すなわち、データ収録装置100において、AFE10及びCPU50は、配線基板1が備える複数の内層のうち、配線基板1の下面S2に隣接する最下層に搭載されている。メモリ60A及び60Bは、AFE10及びCPU50が搭載された層の1つ上の層に搭載されている。ロジック回路300、RF通信モジュール41及びUART42は、配線基板1の上面S1に搭載されている。センサ信号の入力端子90は、配線基板1の下面S2のAFE10の近傍に設けられている。
上記の変形例に係るデータ収録装置100A〜100Lによれば、データ収録装置100(図2参照)と同様、AFE10(AFE10A、10B)が構成部品の積層方向の端部に配置され、センサ信号が入力される入力端子90(90A、90B)がAFE10(AFE10A、10B)の直近の基板面に設けられているので、入力端子90(90A、90B)からAFE10(AFE10A、10B)に至るアナログ信号配線の長さを最短とすることができ、また、配線基板1の層間を貫くデジタル信号配線と、アナログ信号配線とが互いに近接することや、交差状態または並行状態となることを回避できる。これにより、センサ信号へのノイズの重畳を抑制することができる。なお、各構成部品の配置は、図示したものに限定されず、適宜改変することが可能である。
[第2の実施形態]
図17は、本発明の第2の実施形態に係るデータ収録装置101の回路構成の一例を示す回路ブロック図である。なお、図17において、データ収録装置101に接続される複数のセンサ12がデータ収録装置101とともに示されている。データ収録装置101は、前処理回路110及び回路素子120を更に含む点が第1の実施形態に係るデータ収録装置100(図1参照)と異なる。
前処理回路110は、センサ12から出力されるセンサ信号に所定の前処理を施す回路であり、複数のセンサ12の各々に対応して設けられている。前処理回路110によって前処理が施されたセンサ信号は、センサ信号入力用のポート91を介してAFE10に入力される。
図18は、前処理回路110の構成の一例を示す回路図である。図18には、センサ12としての歪みゲージ12aの出力信号に前処理を施す前処理回路110が示されている。前処理回路110は、歪みゲージ12aに接続された、複数の抵抗素子及びキャパシタ等の回路素子111を含んで構成されている。
図19は、前処理回路110の構成の他の例を示す回路図である。図19には、センサ12としての熱電対12bの出力信号に前処理を施す前処理回路110が示されている。前処理回路110は、熱電対12bに接続された、複数の抵抗素子及びキャパシタ等の回路素子111を含んで構成されている。
一方、回路素子120は、AFE10、CPU50及びロジック回路300の各々に付随する電子部品であり、AFE10、CPU50及びロジック回路300を構成する半導体チップの外付け部品として配線基板1に搭載されている。
図20及び図21は、それぞれ、回路素子120の一例を示す図である。なお、図20及び図21には、一例として、ロジック回路300に付随する回路素子120が示されている。回路素子120は、AFE10、CPU50及びロジック回路300を構成する電源回路、基準電圧回、クロック生成回路などに接続されるキャパシタ及び水晶発振子であってもよい。
図22は、本実施形態に係るデータ収録装置101の構成を示す斜視図である。本実施形態において、ロジック回路300は、配線基板1の上面S1に搭載されている。AFE10、メモリ60及びCPU50は、それぞれ、配線基板1の内層に設けられている。配線基板1は、多層構造を有しており、AFE10、メモリ60及びCPU50は、配線基板1の内部において積層された状態で搭載されている。AFE10は、配線基板1が備える複数の内層のうち、配線基板1の下面S2に隣接する最下層に搭載されている。CPU50は、AFE10が搭載された層の1つ上の層に搭載されている。メモリ60は、CPU50が搭載された層の1つ上の層に搭載されている。AFE10、CPU50及びロジック回路300の各々に付随する複数の回路素子120及びロジック回路300は、配線基板1の上面S1に搭載されている。
データ収録装置101は、配線基板1の下面S2に接合された配線基板2を備えている。配線基板2の上面S3には、RF通信モジュール41、UART42、センサ信号が入力される入力端子90及び前処理回路110を構成する複数の回路素子111が設けられている。
図23は、配線基板1と配線基板2とを分離して示した斜視図である。図23に示すように、配線基板1の下面S2には、AFE10のセンサ信号入力用のポート91に接続されたランドを含むランドパターン130が設けられている。配線基板2の上面S3には、ランドパターン130に対応する対応ランドパターン140、対応ランドパターン140と回路素子111とを接続する配線(図示せず)、及び回路素子111と入力端子90とを接続する配線(図示せず)が設けられている。
本実施形態に係るデータ収録装置101によれば、第1の実施形態に係るデータ収録装置100と同様、AFE10が構成部品の積層方向の端部に配置され、センサ信号が入力される入力端子90がAFE10の直近の基板面に設けられているので、入力端子90からAFE10に至るアナログ信号配線の長さを最短とすることができ、また、配線基板1の層間を貫くデジタル信号配線と、アナログ信号配線とが互いに近接することや、交差状態または並行状態となることを回避できる。これにより、センサ信号へのノイズの重畳を抑制することができる。
また、データ収録装置101によれば、前処理回路110を構成する複数の回路素子111が、配線基板1とは別の配線基板2に搭載されている。前処理回路110は、センサ12の種類に応じて構成を変える必要があるところ、前処理回路110を、配線基板1とは別の配線基板2に搭載することで、配線基板1については、構成を固定化することができる。すなわち、回路素子111を、配線基板1とは別の配線基板2に搭載することで、AFE10、ロジック回路300、CPU50及びメモリ60を搭載した配線基板1を、あらゆるセンサに適用可能な汎用モジュールとして構成することができる。これにより、配線基板1の量産が可能となり、製造コストを抑えることができる。
一方、前処理回路110においては、センサに適合した最小限の要素で構成でき、少量多品種生産においてカスタマイズ部分が最小となるため、製造コストを抑えることができる。このように、量産効果が見込める汎用モジュールとしての配線基板1と、センサに適合した最小要素のカスタマイズモジュールとしての配線基板2との組み合わせにより、製造コストの最小化が達成できる。
また、AFE10、ロジック回路300、CPU50及びメモリ60を搭載した配線基板1は、量産により常時用意され、配線基板2については、最小限の要素で構成されるため、設計及び製造を短期間で行うことが可能である。
ここで、複数種のセンサに対応するべく、AFE10、ロジック回路300、CPU50及びメモリ60を搭載した配線基板1に、複数種の前処理回路110を搭載しておき、これらのうちのいずれか1種の前処理回路110を選択的に使用する対応も考えられる。しかしながら、この場合、冗長構成を備えるシステムとなるため、システムサイズが大きくなり、コストが増大する。
また、前処理回路110の搭載スペースを規定して配線基板1に前処理回路110を搭載すると、システムサイズの最小化を達成することが困難となる。前処理回路110を配線基板1に搭載するために必要とされる実装面積が、各半導体チップ及びこれらに付随する回路素子120だけを実装する場合の配線基板1の、回路素子の実装可能面積よりも大きい場合には、前処理回路110を実装するためのスペースを確保するために、配線基板1の面積を拡大する必要が生ずる。前処理回路110を、配線基板1の表面のみならず内層に設ける対応も考えられるが、前処理回路110を構成する回路素子111の高さは様々であり、配線基板1の内層に回路素子111を設けると、配線基板1の厚さが厚くなり、データ収録装置の小型化を達成することが困難となる。一方、本発明の実施形態に係るデータ収録装置101によれば、AFE10、ロジック回路300、CPU50及びメモリ60を搭載した配線基板1及び前処理回路110を搭載した配線基板2の各々を最小のサイズで構成することができるので、システム全体のサイズを最小化することができる。
図24は、変形例に係るデータ収録装置101Aの構成を示す斜視図である。データ収録装置101Aは、前処理回路110を構成する複数の回路素子111、通信モジュール41及びUART42が、配線基板2の下面S4に設けられている点がデータ収録装置101(図22参照)と異なる。複数の回路素子111、通信モジュール41及びUART42を配線基板2の下面S4に設けることで、データ収録装置101(図22参照)と比較して、配線基板2の面積を小さくすることができる。
図25は、変形例に係るデータ収録装置101Bの構成を示す斜視図である。データ収録装置101Bは、センサ信号の入力端子90、前処理回路110を構成する複数の回路素子111、通信モジュール41及びUART42が、配線基板2の下面S4に設けられている点がデータ収録装置101(図22参照)と異なる。入力端子90、複数の回路素子111、通信モジュール41及びUART42を配線基板2の下面S4に設けることで、データ収録装置101A(図24参照)と比較して、配線基板2の面積を更に小さくすることができる。
図26は、変形例に係るデータ収録装置101Cの構成を示す斜視図である。データ収録装置101Cにおいて、配線基板2は、配線基板1の下面S2を部分的に露出させるように、配線基板1の下面S2に接合されている。AFE10、CPU50及びロジック回路300に付随する回路素子120の一部は、配線基板1の上面S1に搭載され、回路素子120の他の一部は、配線基板1の下面S2の露出部分に搭載されている。センサ信号の入力端子90は、配線基板2の上面S3に設けられ、前処理回路110を構成する複数の回路素子111、通信モジュール41及びUART42は、配線基板2の下面S4に搭載されている。データ収録装置101Cによれば、配線基板1の上面S1に、全ての回路素子120を搭載するのに十分なスペースを確保できない場合に、配線基板1の面積を増大させることなく、回路素子120の配線基板1への搭載が可能となる。
図27は、変形例に係るデータ収録装置101Dの構成を示す斜視図である。データ収録装置101Dにおいて、配線基板2の上面S3には、通信モジュール41、UART42、これらに付随する複数の回路素子121、及びセンサ信号の入力端子90が設けられ、配線基板2の下面S4には、前処理回路110を構成する複数の回路素子111が設けられている。データ収録装置101Dによれば、配線基板2の上面S3に、回路素子111を搭載するのに十分なスペースを確保できない場合に、配線基板2の面積を増大させることなく、回路素子111の配線基板2への搭載が可能となる。
図28は、変形例に係るデータ収録装置101Eの構成を示す斜視図である。データ収録装置101Eは、配線基板1の下面S2に接合された配線基板2と、配線基板2に接続基板4を介して接続された配線基板3を備えている。配線基板2の上面S3には、センサ信号が入力される入力端子90が設けられ、配線基板2の下面S4には、前処理回路110を構成する複数の回路素子111が設けられている。配線基板3の上面S5には、通信モジュール41、UART42及びこれらに付随する回路素子121が設けられている。接続基板4は、例えば、プラスチックフィルムで構成された可撓性を有するフレキシブル基板であってもよい。データ収録装置101Eによれば、接続基板4をフレキシブル基板で構成することで、配線基板3を配線基板2の下方に折りたたむことができるので、データ収録装置101Eの投影面積を小さくすることができる。
図29は、変形例に係るデータ収録装置101Fの構成を示す斜視図である。データ収録装置101Fは、配線基板1の下面S2を部分的に露出するように配線基板1の下面S2に接合された配線基板2及び配線基板3を備えている。配線基板1の下面S2の露出部分には、AFE10が搭載されている。配線基板2の上面S3には、センサ信号が入力される入力端子90及び前処理回路110を構成する複数の回路素子111が設けられている。配線基板3の上面S5には、通信モジュール41、UART42及びこれらに付随する回路素子121が設けられている。
図30は、変形例に係るデータ収録装置101Gの構成を示す斜視図である。データ収録装置101Gは、配線基板3が、配線基板1の上面S1に接合されている点が、上記のデータ収録装置101Fと異なる。
上記した変形例に係るデータ収録装置101A〜101Gによれば、第1の実施形態に係るデータ収録装置100と同様、AFE10が構成部品の積層方向の端部に配置され、センサ信号が入力される入力端子90がAFE10の直近の基板面に設けられているので、入力端子90からAFE10に至るアナログ信号配線の長さを最短とすることができ、また、配線基板1の層間を貫くデジタル信号配線と、アナログ信号配線とが互いに近接することや、交差状態または並行状態となることを回避できる。これにより、センサ信号へのノイズの重畳を抑制することができる。
また、変形例に係るデータ収録装置101A〜101Gによれば、データ収録装置101(図22参照)と同様、配線基板1は、あらゆるセンサに適用可能な汎用モジュールとして構成することができ、量産効果により、製造コストを抑えることができる。前処理回路110においては、センサに適合した最小限の要素で構成でき、少量多品種生産においてカスタマイズ部分が最小となるため、製造コストを抑えることができる。また、変形例に係るデータ収録装置101A〜101Gによれば、データ収録装置101と同様、設計及び製造を短期間で行うことが可能であり、システム全体のサイズを最小化することができる。