JP2019086436A - 磁場測定素子、磁場測定装置及び磁場測定システム - Google Patents

磁場測定素子、磁場測定装置及び磁場測定システム Download PDF

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Abstract

【課題】干渉を小さくしつつ、磁場測定素子の高さ方向を低くすることを課題とする。【解決手段】SQUID磁気センサ1zと、SQUID磁気センサ1zのコイル面を含む第1の平面に対して、垂直であり、かつ、SQUID磁気センサ1zの中心を含む第2の平面もしくは第2の平面の近傍に設置されるSQUID磁気センサ1xと、第1の平面及び第2の平面に対して垂直な第3の平面もしくは第3の平面の近傍に設置されるSQUID磁気センサ1yと、を有し、SQUID磁気センサ1xの中心は、SQUID磁気センサ1zの中心を通り、かつ、第1の平面に対して垂直な直線上もしくは当該直線の近傍に存在し、SQUID磁気センサ1yの中心は、SQUID磁気センサ1zの中心と、SQUID磁気センサ1xの中心とを結んだ線からずれた位置に存在することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、複数のSQUID磁気センサを利用した磁場測定素子、磁場測定装置及び磁場測定システムの技術に関する。
SQUID(Superconducting QUantum Interference Device;超電導量子干渉素子)磁気センサは超電導現象を利用した磁気センサである。そのため、SQUID磁気センサは、液体ヘリウムや液体窒素等の液体冷媒や冷凍機等で超電導臨界温度以下に冷却して使用される。
図31は、一般的なSQUID磁気センサ1の模式図である。
SQUID磁気センサ1は、超電導ループに鎖交した磁束により出力電圧が変化する磁束−電圧変換素子である。
SQUID磁気センサ1はSQUIDインダクタ8と呼ばれる小さな閉ループ(超電導ループ)に1つ、または、2つのジョセフソン接合部2を含む構造を有している。
図31に示すSQUID磁気センサ1は、超電導ループ(SQUIDインダクタ8)に2つのジョセフソン接合部2を含むSQUIDを利用している。このようなSQUIDはdc−SQUIDと呼ばれており、広く使用されている。
SQUIDインダクタ8の面積は非常に小さく、単体では磁束捕捉面積が小さい。そこで、図31に示すように、通常、大きな磁束捕捉面積を有する検出コイル3がSQUIDインダクタ8に結合される。そして、検出コイル3に鎖交した磁束がSQUIDインダクタ8に伝達される。このようにすることで、SQUID磁気センサ1が高感度な磁気センサとして使用される。通常、検出コイル3も超電導体(超電導素材)で形成されている。
液体ヘリウムを必要とする低温超電導体のSQUID磁気センサ1では、NbやNbTi等の超電導ワイヤを使用して検出コイル3を作製することも可能である。一方、YBaCu酸化物用伝導体を超電導体として用い、液体窒素でも動作可能な高温超電導SQUIDの場合、超電導体間の接続技術が、まだ開発されていない。つまり、超電導ワイヤ(検出コイル3)と、SQUIDインダクタ8との接続技術が、まだ開発されていない。そのため、薄膜プロセスによって、検出コイル3をSQUIDインダクタ8と同じ基板上に一体形成することが一般的である。なお、図31では模式的に示されているため、検出コイル3と、SQUIDインダクタ8とが接続されているようにみえるが、実際には一体形成されている。検出コイル3とSQUIDインダクタ8とが一体化したSQUID磁気センサ1の検出感度方向はSQUID磁気センサ1が形成されている基板面に垂直な方向となる。つまり、検出コイル3に鎖交した磁束が検出される。
dc−SQUIDの場合、2つのジョセフソン接合部2にジョセフソン接合の臨界電流値を超えるバイアス電流Iが流され、発生する電圧VSQUIDが出力となる。図31に示すSQUID磁気センサ1では端子4から端子5に電流が流され、端子4と端子5間の電圧が読み出される。
なお、フィードバックコイル6及び端子7については後記する。
図32及び図33は、SQUID磁気センサ1の電圧−磁束特性(V−Φ特性)を示す図である。
なお、図32及び後記する図33における「電圧」とは、SQUID磁気センサ1の出力電圧である。適宜、図31を参照する。
図32に示すように、SQUID磁気センサ1の出力電圧は検出コイル3及びSQUIDインダクタ8に鎖交した磁束に対して正弦波のように変化する。完全な超電導ループ内では磁束は量子化されており磁束量子Φ(=2.05x10−15Wb)を単位としてしか磁束が存在できない。しかし、SQUIDインダクタ8は、ジョセフソン接合部2の部分で切断されているため、任意の磁束を鎖交することができる。しかし、その出力電圧は鎖交した磁束に対してΦを周期とした変化を示す。
周期的な非線形特性から鎖交磁束に比例した出力を取り出すため、SQUID磁気センサ1はフィードバック制御で制御される。ここでの「非線形」とは、電圧と、磁束の関係が単純な比例関係にないという意味である。つまり、図32等に示すように、SQUID磁気センサ1の出力電圧は、電圧と、磁束とが単純な比例関係にないため、電圧から印加された磁束を特定することが困難である。具体的には、検出コイル3に鎖交する磁束を打ち消すようなフィードバック磁場がフィードバックコイル6に印加される。このような、フィードバック磁場によってSQUID磁気センサ1の出力電圧がV−Φ特性のある点から移動しないように制御されている(ロック点P)。ロック点Pの詳細については後記する。このようなフィードバック制御に用いられる制御回路はFLL(Flux Locked Loop)回路21(図34参照)と呼ばれる。FLL回路21にはいくつかの回路方式がある。
一例としてDOIT(Direct Offset Integration Technique)型のFLL回路21の基本構成を図34に示す。
SQUID磁気センサ1の出力電圧(図31の端子4−端子5間の電圧)VSQUIDは、プリアンプ211で増幅された後、加算器212で負の直流のオフセット電圧Voffsetが加えられる。なお、これ以降、端子4−端子5間の電圧を「端子5の出力」と適宜記載する。これにより、図33に示すように0Vの位置がSQUID磁気センサ1のV−Φ特性を横切るように調整される(オフセットされる)。なお、図34に示すDOIT型のFLL回路21の詳細については後記する。ロック点Pについては後記する。
ここで、図34を参照して、DOIT型のFLL回路21の詳細を説明する。
前記したように、SQUID磁気センサ1の出力電圧(図31の端子5の出力)VSQUIDは、プリアンプ211で増幅された後、加算器212で負の直流のオフセット電圧Voffsetが加えられる。
加算器212の出力は積分器213で積分される。積分器213の出力はフィードバック抵抗214を経由してフィードバックコイル6へ出力される。図31に示すSQUID磁気センサ1で、端子7を有するフィードバックコイル6は検出コイル3と磁気的に結合するように配置されている。すなわち、フィードバックコイル6で発生する磁場は、検出コイル3と鎖交する。なお、図31における端子7はFLL回路21に接続されている。
前記したように、フィードバックコイル6は、検出コイル3を介してSQUIDインダクタ8と磁気的に結合している。このように、積分器213の出力がフィードバックされる。これにより、加算器212の出力電圧がゼロでない場合、積分器213の出力がフィードバックコイル6を介してフィードバック磁場として検出コイル3に印加される。フィードバック磁場は、加算器212の出力電圧がゼロになるまで検出コイル3に印加される。外部磁場が変化し検出コイル3及びSQUIDインダクタ8への入力磁束が変化すると、SQUID磁気センサ1の出力、すなわち加算器212の出力が変化する。すると、再び、加算器212の出力がゼロになるようにフィードバックコイル6に電流が流れフィードバック磁場が印加される。
この結果、図33に示すオフセット電圧調整後のV−Φ特性における、電圧が0Vのラインを横切るいずれかの点(ロック点P)にSQUIDの状態はロックされる。つまり、フィードバック磁場によって、SQUID磁気センサ1の外部磁場が変化しても、それを丁度打ち消すようなフィードバック磁場が検出コイル3に印加される。つまり、SQUID磁気センサ1の出力がロック点Pから外れると、図33に示す矢印のように、ロック点Pに戻るよう、フィードバック磁場が検出コイル3に印加される。
このような、フィードバック磁場を測定することで検出コイル3に鎖交する磁束が測定される。フィードバック磁場は積分器213の出力Voutに比例(線形関係)しているため、積分器213の出力Voutからフィードバック磁場を推定することは容易である。つまり、端子4と端子5の出力が直接測定されるのではなく、フィードバックコイル6に対して直列に接続されているフィードバック抵抗214に印加される電圧が測定される。これにより、検出コイル3に鎖交する磁束が測定される。これにより、図32及び図33に示すような、非線形特定を有するV−Φ特性を、線形特性に変換することができ、測定された磁束からSQUID磁気センサ1の出力電圧を特定することができる。
なお、フィードバックコイル6は超電導体である必要はない。
図34のリセットスイッチ215は積分器213のコンデンサを短絡させることで、積分器213の出力を0に戻すためのスイッチである。また、フィードバックスイッチ216は積分器213の出力とフィードバックコイル6との接続を切り替えるスイッチである。
液体ヘリウムでの冷却が必要なNb系超電導体(低温超電導)等では、多層の超電導体層を含む複雑な微細回路作製技術が完成している。このため、Nb系超電導体等では、フィードバックコイル6もSQUIDインダクタ8と同じ基板上に形成されることが多い。Nb系超電導体等では、SQUIDインダクタ8と同じ程度のサイズのフィードバックコイル6でSQUIDインダクタ8にフィードバック磁場を印加する方式が一般的である。
一方、液体窒素での動作が可能な高温超電導では、多層構造プロセスの難易度が高くなる。そのため、フィードバックコイル6をSQUIDインダクタ8と同じ基板上に作り込むことは行われない。フィードバックコイル6が形成された基板上にSQUIDインダクタ8や、検出コイル3が形成された基板をマウントする方法が一般的である。この場合、SQUIDインダクタ8に直接フィードバック磁場を印加するのではなく、図31に示すように、検出コイル3にフィードバック磁場を印加する方式が一般的である。
従来、フラックスゲート磁力計や、SQUID磁力計等特定の軸方向のみの磁束を検知する磁気センサを3つ組み合わせることが行われている。これは、磁気センサの各中心軸が互いに直交するように配置することでx、y、zの3成分の磁束を同時に測定することができるものである。3つの磁気センサの配置に関しては、3つの磁気センサの中心軸がある1点で交差するような配置が一般的である。3つの磁気センサの中心軸の交点を中心にもつ立方体を考えると、3つのセンサはその立方体の3つの面に配置される。そこで、この配置をキュービック型配置と呼ぶこととする。
また、3つの磁気センサを一列に配置する場合も多い。この配置を同軸型配置と呼ぶこととする。その他の配置として同一平面上に3つの磁気センサを単に並べたものが知られている。
通常、SQUID磁気センサ1は液体冷媒で冷却される。そして、SQUID磁気センサ1は液体冷媒を入れるクライオスタットの底面近くに設置することが望まれる。これは、少ない液体冷媒の量で冷却するため、あるいは、同じ液体冷媒の量でも長い時間、SQUID磁気センサ1を低温状態に維持するためである。また、一般に、クライオスタットの開口部からの熱流入を抑え、保冷時間を長くするためにクライオスタットの開口部は小さい方が望ましい。そのため、複数のSQUID磁気センサ1をコンパクトに配置することが求められる。
個々のSQUID磁気センサ1は、図31で前記したように検出コイル3とフィードバック磁場を印加するためのフィードバックコイル6を有している。そのため、複数のSQUID磁気センサ1をコンパクトに配置しようとすると、フィードバック磁場と近隣の別のSQUID磁気センサ1の検出コイル3との間に干渉の問題が発生する。特に高温超電導によるSQUID磁気センサ1で、検出コイル3にフィードバック磁場を印加する一般的な方式ではフィードバックコイル6が数mmから数cmの寸法となる。フィードバックコイル6が、このような寸法を有すると、フィードバック磁場の空間的広がりが大きくなり、干渉も顕著となる。
液体冷媒を入れるクライオスタットの底面近くにSQUID磁気センサ1を設置するという観点から、キュービック型配置が有効である。
図35は、キュービック型配置の例として立方体の支持体301の3面にSQUID磁気センサ1x〜1z(1)を配置した場合の模式図を示す。
各SQUID磁気センサ1には図31に示したように検出コイル3やフィードバックコイル6が含まれている。図35に示すように、しかし、キュービック配置では、全体の高さが縦に配置したSQUID磁気センサ1の高さ程度となる。そして、キュービック型配置では、図35に示すように、例えばSQUID磁気センサ1zのフィードバック磁場の磁力線Mz1,Mz2が他のSQUID磁気センサ1x,1yの検出コイル3に干渉してしまう。その他のSQUID磁気センサ1についても同様の干渉が生じる。
一方、図36は、同軸型配置の例を示す図である。
同軸型配置では、図36に示すように、3つのSQUID磁気センサ1x〜1z(1)の中心が、SQUID磁気センサ1zの中心軸Czを通るように一直線に配置(直列配置)される。さらに、3つのSQUID磁気センサ1x〜1zの検出面が、互いに直交となる。このような配置とすることで、同軸型配置は、SQUID磁気センサ1のフィードバック磁場と、他のSQUID磁気センサ1の検出コイル3が干渉しないことを実現することができる。
例えば、図36に示すように、中央のSQUID磁気センサ1xのフィードバックコイル6からの磁力線Mx1は、SQUID磁気センサ1yの検出面に対して平行に入射する。すなわち、磁力線Mx1が作る面と、SQUID磁気センサ1yの面は平行関係にある。このため、磁力線Mx1は、SQUID磁気センサ1yの検出コイル3と鎖交しない。ここでは、図36のSQUID磁気センサ1xとSQUID磁気センサ1yのような位置関係を「平行関係」と呼ぶこととする。
また、図36において、磁力線Mx2は、SQUID磁気センサ1zの検出コイル3に入るが、左右対称のため同じ量の磁力線Mx2が出ていく。つまり、磁力線Mx2は、SQUID磁気センサ1zの検出コイル3の入った後、出ていく。そのため、正味の磁場は検出されない。このように、磁力線Mx2がSQUID磁気センサ1zの検出コイル3に鎖交するが、同じだけ磁力線Mx2が出ていくため、正味の磁力線Mx2の鎖交がないような位置関係を「対称関係」と呼ぶこととする。
その他、図示しないがSQUID磁気センサ1zは、SQUID磁気センサ1x及びSQUID磁気センサ1yに対して平行関係となっている。また、SQUID磁気センサ1yは、SQUID磁気センサ1xに対し平行関係となっており、SQUID磁気センサ1zに対し対称関係となっている。
同軸配置型は、フィードバック磁場の干渉が少ないが、縦方向に配置するため一番上のSQUID磁気センサ1(図36ではSQUID磁気センサ1y)が、クライオスタットの底面から離れてしまう。前記したように、SQUID磁気センサ1は、液体冷媒に浸されている。しかし、SQUID磁気センサ1の使用中に液体冷媒が蒸発していくため、同軸配置型では、早いタイミングで一番上のSQUID磁気センサ1(図36ではSQUID磁気センサ1y)が液体冷媒から露出してしまう。このため、頻繁に液体冷媒を補充しなければならず、液体冷媒の利用効率が低下する。
また、同軸配置型を適用することによって、縦方向が長くなると、安定性の面から装置(クライオスタット)の横方向も長くする必要がある。すると、装置が巨大化し、可搬性が失われてしまう。
ここで、同軸型配置を横置きにすることでキュービック型配置と同じ高さに3つのSQUID磁気センサ1を納めることが可能である。しかし、同軸型配置を横置きにすることでクライオスタットの口径が大きくなる。すると、熱流入の増加や、装置が大型化してしまう。このため、同軸型配置を横置きにすることは望ましい方法ではない。
このような背景に鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、干渉を小さくしつつ、磁場測定素子の高さ方向を低くすることを課題とする。
前記した課題を解決するため、本発明は、超電導素材で構成された検出コイルと、前記検出コイルに接続し、ジョセフソン接合部を有する前記超電導素材で構成されたSQUIDインダクタと、前記検出コイルに対してフィードバック磁場を発生するフィードバックコイルと、を有することを特徴とするSQUID磁気センサを少なくとも3つ備える磁場測定素子において、第1のSQUID磁気センサと、前記第1のSQUID磁気センサの検出コイルのコイル面を含む第1の平面に対して、垂直であり、かつ、前記第1のSQUID磁気センサの中心を含む第2の平面または前記第2の平面の近傍に設置される第2のSQUID磁気センサと、前記第1の平面及び前記第2の平面に対して垂直であり、かつ、前記第1のSQUID磁気センサの検出コイルの中心を含む第3の平面または前記第3の平面の近傍に検出コイルが設置される第3のSQUID磁気センサと、を有し、前記第2のSQUID磁気センサの検出コイルの中心は、前記第1のSQUID磁気センサの検出コイルの中心を通り、かつ、前記第1の平面に対して垂直な直線上または当該直線の近傍に存在し、前記第3のSQUID磁気センサの検出コイルの中心は、前記第1のSQUID磁気センサの検出コイルの中心と、前記第2のSQUID磁気センサの検出コイルの中心とを結んだ線からずれた位置に存在することを特徴とする。
その他の解決手段は実施形態中において適宜記載する。
本発明によれば、干渉を小さくしつつ、高さ方向を低くすることができる。
第1実施形態に係る磁場測定素子Eにおけるコイルの配置例を示す図(その1)である。 第1実施形態に係る磁場測定素子Eにおけるコイルの配置例を示す図(その2)である。 第1実施形態に係る磁場測定素子Eにおけるコイルの配置例を示す図(その3)である。 第2実施形態に係る磁場測定素子EaにおけるSQUID磁気センサ1の配置関係を示す図である。 本実施形態に係る磁場測定システムZの構成例を示す機能ブロックである。 本実施形態で用いられるSQUIDチップ100の平面図を示す図である。 図6のSQUIDチップ100における符号110の部分の拡大図である。 図7におけるA−A断面の模式図である。 本実施形態で用いられるヘッダ基板500の例を示す図である。 図9に示すヘッダ基板500にSQUIDチップ100がマウントされた状態を示す図である。 比較例として示すキュービック型配置のプローブ12Aの例をy軸方向から見た図である。 比較例として示すキュービック型配置のプローブ12Aの例をz軸方向から見た図である。 本実施形態で用いられるプローブ12(磁場測定素子E)y軸方向から見た図である。 本実施形態で用いられるプローブ12(磁場測定素子E)x軸方向から見た図である。 図13及び図14の磁場測定素子Eによる磁気信号強度を示す図である(SQUID磁気センサ1xのフィードバックコイル6→SQUID磁気センサ1x)。 図13及び図14の磁場測定素子Eによる磁気信号強度を示す図である(SQUID磁気センサ1xのフィードバックコイル6→SQUID磁気センサ1y)。 図13及び図14の磁場測定素子Eによる磁気信号強度を示す図である(SQUID磁気センサ1xのフィードバックコイル6→SQUID磁気センサ1z)。 比較例での配置における各SQUID磁気センサ1の干渉の強さを示す表である。 図13及び図14の配置における各SQUID磁気センサ1の干渉の強さを示す表である。 第4実施形態で用いられるプローブ12B(磁場測定素子E)y軸方向から見た図である。 第4実施形態で用いられるプローブ12B(磁場測定素子E)x軸方向から見た図である。 図20及び図21の配置における各SQUID磁気センサ1の干渉の強さを示す表である。 平行関係についての数値シミュレーションに用いたSQUID磁気センサ1のモデルを示す図である。 図23に示す条件によるシミュレーションで求められたBx/BzのDx依存性を示すグラフ(Dz=9mm)である。 図23に示す条件によるシミュレーションで求められたBx/BzのDx依存性を示すグラフ(Dz=22mm)である。 図23に示す条件によるシミュレーションで求められたBx/BzのDx依存性を示すグラフ(Dz=35mm)である。 対象関係についての数値シミュレーションに用いたSQUID磁気センサ1のモデルを示す図である。 図27に示す条件によるシミュレーションで求められたBz/BxのDx依存性を示すグラフ(Dz=9mm)である。 図27に示す条件によるシミュレーションで求められたBz/BxのDx依存性を示すグラフ(Dz=22mm)である。 図27に示す条件によるシミュレーションで求められたBz/BxのDx依存性を示すグラフ(Dz=35mm)である。 一般的なSQUID磁気センサ1の模式図である。 SQUID磁気センサ1の電圧−磁束特性(V−Φ特性)を示す図(オフセット前)である。 SQUID磁気センサ1の電圧−磁束特性(V−Φ特性)を示す図(オフセット後)である。 DOIT(Direct Offset Integration Technique)型のFLL回路21の基本構成を示す図である。 キュービック型配置の例を示す図である。 同軸型配置の例を示す図である。
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
(磁場測定素子Eの構成)
図1〜図3は、第1実施形態に係る磁場測定素子Eにおけるコイルの配置例を示す図である。なお、図1〜図4において、SQUID磁気センサ1x〜1zは、検出コイル3を示しており、図をわかりやすくするため、その他の構成を省略している。また、各々のSQUID磁気センサ1は図31と同様の構成を有している。
第1のSQUID磁気センサであるSQUID磁気センサ1z(1)がz軸に対して垂直な平面(第1の平面)上に配置される。つまり、SQUID磁気センサ1zは、地面に対して水平に配置される。そのSQUID磁気センサ1zの中心からSQUID磁気センサ1zの検出面に対して垂直に伸ばした中心軸Czの上に、第2のSQUID磁気センサであるSQUID磁気センサ1x(1)が配置される。
すなわち、SQUID磁気センサ1zのコイル面がなす第1の平面に対し、垂直な面であり、かつSQUID磁気センサ1zの中心を含む第2の平面上にSQUID磁気センサ1xが存在する。ここで、SQUID磁気センサ1zの中心を通り、第2の平面上に存在し、かつ、第1の平面に対して垂直となる直線を中心軸Czとする。そして、SQUID磁気センサ1xは、SQUID磁気センサ1xの中心が中心軸Cz上に存在するよう配置される。ただし、SQUID磁気センサ1xは第2の平面から若干ずれた位置に存在してもよい。同様に、SQUID磁気センサ1xの中心は中心軸Czから若干ずれた位置に存在してもよい。
そして、第1の平面及び第2の平面に対して垂直であり、SQUID磁気センサ1xの中心から垂直に伸ばした中心軸Cxとを含む第3の平面内に第3のSQUID磁気センサとしてSQUID磁気センサ1y(1)が配置される。
すなわち、SQUID磁気センサ1zのコイル面がなす面を第1の平面とし、SQUID磁気センサ1xのコイル面がなす面を第2の平面とする。そして、第1の平面及び第2の平面に対し垂直な面を第3の平面とすると、SQUID磁気センサ1yのコイル面がなす面が第3の平面上に存在するよう、SQUID磁気センサ1yが配置される。
このとき、SQUID磁気センサ1yの中心が、中心軸Cz上以外(中心軸Czからずれた位置)に配置されるよう、SQUID磁気センサ1yは配置される。
図1〜図3の例では、SQUID磁気センサ1yが、SQUID磁気センサ1yの中心が中心軸Cx上に存在するよう配置される。ただし、SQUID磁気センサ1yは第3の平面から若干ずれた位置に存在してもよい。同様に、SQUID磁気センサ1yの中心は中心軸Cxから若干ずれた位置に存在してもよい。
さらに、図4で後記するように、SQUID磁気センサ1yの中心が、中心軸Cxと、第1の平面との間に存在するようにしてもよい。
(磁束の鎖交状態)
図1に示す破線はSQUID磁気センサ1yが発生するフィードバック磁場の磁力線Myを示している。
まず、図1に示すように、SQUID磁気センサ1yは、SQUID磁気センサ1z及びSQUID磁気センサ1xに対して対称関係にある。
すなわち、図1に示すように、SQUID磁気センサ1yで発生した磁場による磁束は、SQUID磁気センサ1z及びSQUID磁気センサ1x内に入る。しかし、それらの磁束はSQUID磁気センサ1z及びSQUID磁気センサ1xから出てくる。つまり、正味の磁束の鎖交が生じないことがわかる。
また、図2に示す破線はSQUID磁気センサ1zが発生するフィードバック磁場の磁力線Mzを示している。
そして、図2に示すように、SQUID磁気センサ1zは、SQUID磁気センサ1x及びSQUID磁気センサ1yに対して平行関係にある。
すなわち、SQUID磁気センサ1zで発生した磁束は、SQUID磁気センサ1y及びSQUID磁気センサ1xと鎖交しない。
そして、図3に示す破線はSQUID磁気センサ1xが発生するフィードバック磁場の磁力線Mxを示している。
図3に示すように、SQUID磁気センサ1xと、SQUID磁気センサ1zは対称関係である。そのため、SQUID磁気センサ1xで生じる磁場による磁束は、SQUID磁気センサ1zに対して正味の磁束の鎖交を生じない。
また、SQUID磁気センサ1xと、SQUID磁気センサ1yとは平行関係である。そのため、SQUID磁気センサ1xで生じる磁場による磁束は、SQUID磁気センサ1yと鎖交しない。
このように、図1〜図3で示すコイルの配置によれば、3つのSQUID磁気センサ1x〜1zのそれぞれが互いに平行関係あるいは対称関係の関係にある。そのため、図1〜図3に示す配置は、互いにフィードバック磁場の干渉が起こらない配置になっている。
これにより、図1〜図3に示す磁場測定素子Eは、SQUID磁気センサ1x〜1z間のフィードバック磁場の干渉を大幅に低減することができる。
第1実施形態に係る磁場測定素子Eによれば、SQUID磁気センサ1間の干渉を小さくしつつ、磁場測定素子Eの高さを低くすることができる。これにより、SQUID磁気センサ1間の干渉を小さくしつつ、液体冷媒の液面が蒸発により下がっても、有効なSQUID磁気センサ1を増やすことができる。
また、SQUID磁気センサ1間の干渉が小さいまま、磁場測定部(クライオスタット)10(図5)を小型化することができる。これにより、可搬性を維持したまま、SQUID磁気センサ1間の干渉が小さい磁場測定部(クライオスタット)10(図5)を実現することができる。
また、第1実施形態では、図31に示すようなSQUID磁気センサ1が磁場測定素子Eに用いられている。このようにすることで、低温超電導素子を用いたSQUID磁気センサ1で構成される磁場測定素子Eにおいて、干渉を小さくしつつ、磁場測定素子Eの高さを低くすることを実現することができる。
[第2実施形態]
図4は、第2実施形態に係る磁場測定素子EaにおけるSQUID磁気センサ1の配置関係を示す図である。
図1〜図3に示す磁場測定素子Eでは、SQUID磁気センサ1xと、SQUID磁気センサ1yとがSQUID磁気センサ1zに対して同じ高さになるよう配置されている。すなわち、SQUID磁気センサ1yの中心が、中心軸Cx上に配置されている。このようにすることで、図1〜図3に示す磁場測定素子Eは、全体の高さが低くなるようにしている。要するに、図1〜図3に示す磁場測定素子Eは、磁場測定素子Eの底面(SQUID磁気センサ1zのコイル面)からSQUID磁気センサ1x,1yそれぞれの上端までの距離が等しくなるようSQUID磁気センサ1x〜1zが配置されている。しかしながら、各SQUID磁気センサ1が図1〜図3に示すような平行関係もしくは対称関係にとなっていればよい。従って、SQUID磁気センサ1xと、SQUID磁気センサ1yとがSQUID磁気センサ1zのコイル面に対して、必ずしも同じ高さに配置しなくても図1〜図3に示す磁場測定素子Eの効果を得ることができる。
例えば、図4に示す磁場測定素子Eaのような配置とすることで、3つのSQUID磁気センサ1x〜1zそれぞれの中心間の距離が同じとなるようにしてもよい。
すなわち、図4に示す磁場測定素子Eaにおいて、SQUID磁気センサ1zと、SQUID磁気センサ1xの位置関係は図1〜図3に示すものと同様である。また、SQUID磁気センサ1yは、図1〜図3と同様、第3の平面(SQUID磁気センサ1zのコイル面がなす面と、SQUID磁気センサ1xのコイル面がなす面に対して垂直な面)上に配置されている。しかし、SQUID磁気センサ1yの中心は、3つのSQUID磁気センサ1x〜1zそれぞれとの中心間の距離が同じとなるよう、中心軸Cxから外れるように配置されている。
このようにすることにより、SQUID磁気センサ1間の距離を大きくすることができる。SQUID磁気センサ1間の距離を大きくすることにより、SQUID磁気センサ1間の干渉を小さくすることができる。なお、SQUID磁気センサ1間の距離を大きくすることにより、SQUID磁気センサ1間の干渉を小さくすることができることについては後記する。
[第3実施形態]
(磁場測定システムZ)
図5は、本実施形態に係る磁場測定システムZの構成例を示す機能ブロックである。
磁場測定システムZは、クライオスタットである磁場測定部(磁場測定装置)10、制御回路部20、データ処理部30を有している。なお、図5において、磁場測定部10は概略断面図が示されている。
磁場測定部10は、磁束を測定するための複数のSQUID磁気センサ1からなる磁場測定素子Eを含んでいる。
また、制御回路部20は、磁場測定部10を制御するものであり、FLL回路21及びFLL制御回路22を有している。FLL回路21及びFLL制御回路22については後記する。
さらに、データ処理部30は、磁場測定部10で検出された磁気信号を記録し、演算解析処理するものである。データ処理部30は、AD(Analog/Digital)変換器31及びPC(Personal Computer)32を有している。なお、図5には示していないが必要に応じてAD変換器31の前段に、図示しないフィルタ回路やアンプ回路が挿入される場合がある。
磁場測定部10は、図1〜図4に示すように、それぞれ異なる3方向の検出軸を有する3個のSQUID磁気センサ1x〜1zを有する磁場測定素子Eを有している。さらに、磁場測定部10は、磁場測定素子Eを保持するプローブ12を有している。また、磁場測定部10は、それぞれのSQUID磁気センサ1x〜1zを冷却する液体冷媒13を保持する容器15a及び蓋15bを有している。容器15aは、その最も内側に断熱真空容器である液体冷媒保持部14aを有している。そして、液体冷媒保持部14aの外側に外ケース18が備えられている。また、外ケース18と液体冷媒保持部14aの間には、高周波成分の信号をカットする電磁シールド布19が設置されている。蓋15bでは外ケース18の内側に、電子シールド布19が設置され、さらにその内側に例えばポリエチレンフォーム等の断熱材14bが設置されている。このようにすることで、磁場測定部(クライオスタット)10の内部全体が高周波ノイズからシールドされている。
具体的には、磁場測定素子Eに含まれるSQUID磁気センサ1x〜1zはプローブ12の先端のプローブヘッド11に固定されることによって保持されている。
また、液体冷媒13として液体窒素が用いられる。液体冷媒13が保持されている液体冷媒保持部14a内にプローブ12が挿入される。このようにすることで、プローブ12の先端部のプローブヘッド11に装着された磁場測定素子E(SQUID磁気センサ1x〜1z)が冷却される。プローブ12は、蓋15bのコネクタ16に接続されている所定の長さ(例えば、約1m)のケーブル41を介してFLL回路21に接続されている。
FLL回路21は、図34で説明済みであるので、ここでの説明を省略する。FLL制御回路22は、FLLを制御する回路である。さらに、FLL制御回路22は、FLL回路21の積分器213(図34参照)の出力をAD変換器31へ出力する。
なお、FLL回路21は所定の長さ(例えば、約30m)のケーブル42でFLL制御回路22と接続している。
FLL制御回路22は、例えば、3成分の磁気信号をアナログ信号として出力している。このアナログ信号は、ケーブル40を介してAD変換器31に入力される。アナログ信号はAD変換器31でデジタル信号に変換されPC32に入力される。PC32は、図示しないハードディスクにデータを格納する。PC32はFLL回路21へパラメータの調整情報を送信する。
次に、本実施形態に係る磁場測定素子Eを金属資源探査用の3成分磁力計へ適用した例を示す。
この3成分磁力計はTEM(Transient Electro-Magnetic)法による地中の比抵抗分布の測定に用いられる。TEM法では地表に一辺が数百mのループコイルが敷設され、このループコイルに数十Aの大電流が流される。このようにすることで、地面に磁場(一次磁場)が印加される。そして、その状態から電流が遮断される。ループコイルに印加された電流が遮断されることで、地表に誘導電流が生じ、時間と共に誘導電流が地中に拡散していく。地面に生じた誘導電流から生じる磁場(二次磁場)による磁束を磁場測定素子Eで測定し、その減衰特性から地中の比抵抗構造が推定される。そして、得られた比抵抗構造から地下の金属鉱床の有無や分布が推定される。これまでのTEM法では二次磁場による磁束の垂直方向(z方向)成分のみを測定する方法が主流であった。しかし、近年、横成分のx方向、y方向の磁束も測定し、地下構造の推定精度を向上させることが試みられている。TEM法では地面に対して垂直方向の磁場の強さ(磁束)が強く、横方向の磁場の強さは垂直方向に対して相対的に数桁小さい。そのためz方向成分(地面に対して垂直方向)の磁場が横方向の磁場に干渉すると大きな問題となる。この問題の解決については後記する。
(SQUIDチップ100)
図6は、本実施形態で用いられるSQUIDチップ100の平面図を示す図である。また、図7は、図6のSQUIDチップ100における符号110の部分の拡大図である。そして、図8は、図7のA−A断面の模式図である。なお、図6〜図8において、前記した図31と同様の構成には、図31と同一の符号を付している。
図6、図7に示すように、SQUID磁気センサ1は、まず、基板101に4つの直列に接続されたSQUIDインダクタ8a〜8d(8)と、検出コイル3とが形成されている。なお、SQUIDインダクタ8a〜8d(8)及び検出コイル3は、第2超電導層122に属する。
SQUIDチップ100は、厚さ0.5mmのMgO単結晶基板(基板101)を有している。そして、基板101の上にSQUID磁気センサ1が形成される。このSQUID磁気センサ1は、主に2種類の超電導層から形成される。2種類の超電導層とは、第1超電導層121及び第2超電導層122である。
第1超電導層121には、例えば、膜厚250nmのSmBaCu(SmBCO)超電導薄膜が使用される。そして、第2超電導層122には、膜厚250nmのLa0.1−Er0.95Ba1.95Cu(L1ErBCO)超電導薄膜が使用される。
なお、図7において、第1超電導層121は斜線で示されている。
ここで、図7及び図8を参照して、SQUIDチップ100の作製方法を示す。
まず、基板101の全面に第1超電導層121が成膜される。そして、成膜された第1超電導層121の上に膜厚300nm程度の絶縁体であるSrSnO薄膜が層間絶縁膜131として全面に成膜される。第1超電導層121及び層間絶縁膜131の2層膜は図7の斜線部の形状に微細加工される。ここで、図8に示すように、加工された2層膜のエッジ部132は傾斜が緩やかになっている。そして、図8に示すように、エッジ部132では、層間絶縁膜131の下に第1超電導層121であるSmBCOの端面が表面に現れている。その上に第2超電導層122が成膜される。さらに基板101の全面に、すなわち、第1超電導層121及び第2超電導層122の上に表面保護を兼ねたAu薄膜133が形成される。その後、微細加工により第2超電導層122及びAu薄膜133が、SQUIDインダクタ8a〜8d(8d)、検出コイル3、端子4及び配線102の形状に加工される。
図8に示すように、SQUIDインダクタ8a〜8dの端部は第1超電導層121及び層間絶縁膜131のエッジ部132に乗り上げている。そして、図8に示すように、エッジ部132において、SQUIDインダクタ8側の第1超電導層121と第2超電導層122が接続されてジョセフソン接合部2が形成される。これにより、図7の破線で囲まれた部分で示される閉ループ構造を有するSQUIDインダクタ8が形成される。すなわち、SQUIDインダクタ8を流れる電流は、第2超電導層122と、第1超電導層121とを流れる。なお、図8に示すエッジ部132の斜面(ランプ)に形成されるジョセフソン接合はランプエッジ型のジョセフソン接合と呼ばれている。また、図7及び図8に示すように、SQUIDインダクタ8a〜8dは、所定の箇所で検出コイル3(第2超電導層122)と接続している。
SQUIDインダクタ8a〜8d(8)と、検出コイル3とは、図31で前記したように閉ループ構造になっている。そして、外部磁場の変化により誘導された超電導電流が、4つの直列に接続されたSQUIDインダクタ8a〜8dを流れる。この4つのSQUIDインダクタ8a〜8dのそれぞれが磁束を測定可能であるが、4つのSQUIDインダクタ8a〜8dすべてが使用されるわけではない。SQUIDインダクタ8a〜8dの中で、測定に最も適した特性のSQUIDインダクタ8が使用される。
前記したように、第2超電導層122は、その全面に表面保護を兼ねたAu薄膜133が堆積された2層膜になっており、Au薄膜133を介して第2超電導層122にワイヤボンディングで配線を接続することが可能である。例えば、第2超電導層122の検出コイル3は端子5を兼ねており、図10に示すように、Au薄膜133を介してボンディングワイヤ522を接続することが可能である。
高温超電導によるSQUID磁気センサ1による磁束の測定では、前記したように端子5と使用するSQUIDインダクタ8に接続された端子4の間にバイアス電流を流す。そして、これらの間の電圧が測定される。
(ヘッダ基板500)
図9は、本実施形態で用いられるヘッダ基板500の例を示す図である。
図6に示されるSQUIDチップ100は図9に示すヘッダ基板500にマウントされる。ヘッダ基板500は、ガラスエポキシ樹脂の基板510の両面に銅の配線パターン(不図示)が配されている。また、基板510の表面には2ターンのフィードバックコイル6が形成されている。さらに、基板510の表面には、SQUIDチップ100と接続するためのワイヤボンディング用電極パッド501が形成されている。さらに、基板510の裏面には図11〜図14に示すコネクタ304を介して変換基板305との接続に用いられるコネクタ502が形成されている。コネクタ502には各ワイヤボンディング用電極パッド501とフィードバックコイル6が接続されている。なお、コネクタ502、各ワイヤボンディング用電極パッド501及びフィードバックコイル6の接続部分は、図9では図示省略している。
図10は、図9に示すヘッダ基板500にSQUIDチップ100がマウントされた状態を示す図である。なお、これ以降の図では、層間絶縁膜131や、Au薄膜133の図示を省略する。
図10では、SQUIDチップ100がヘッダ基板500にマウントされている。そして、SQUIDチップ100の端子4と、ワイヤボンディング用電極パッド501とがボンディングワイヤ521によって接続されている。さらに、検出コイル3と、ヘッダ基板500上のワイヤボンディング用電極パッド501とがボンディングワイヤ522によって接続されている。
SQUIDチップ100は、例えば、厚さ0.5mmの基板上に形成されているため、ヘッダ基板500上のフィードバックコイル6とSQUIDチップ100の検出コイル3は0.5mm離れている。
なお、FRP(Fiber Reinforced Plastic)樹脂製のキャップ351がヘッダ基板500にかぶせられることにより密閉した状態で使用されることが望ましい。このようにすることで、ボンディングワイヤ521やSQUIDチップ100の保護と結露等による劣化を防止することができる。
(比較例のプローブ12A)
図11及び図12は、比較例として示すキュービック型配置のプローブ12Aの例を示す図である。図11は、プローブ12Aをy軸方向から見た図を示し、図12は、プローブ12Aをz軸方向から見た図である。
プローブ12Aのプローブヘッド11Aでは、FRP製の立方体の支持体301の3面にレセプタクル基板302x〜302z(302)が設置されている。各レセプタクル基板302にはコネクタ303が取り付けられている。各レセプタクル基板302のコネクタ303と蓋15bのコネクタ16は、例えば、リン青銅製等の配線311で接続されている。この配線311はFLL回路21(図5参照)に接続される。
また、各レセプタクル基板302にはコネクタ303を介して変換基板305x〜305z(305)が装着されている。前記したように、この変換基板305x〜305zの裏面には、コネクタ303が設置されている。また、変換基板305x〜305zの表面にはコネクタ304が設置されている。
また、配線311は、レセプタクル基板302に接続している。これにより、配線311は、レセプタクル基板302を介して、コネクタ303、変換基板305、コネクタ304、ヘッダ基板500におけるSQUID磁気センサ1と接続している。ここで、図示しないが、図11及び図12において、ヘッダ基板500xにはSQUID磁気センサ1xが搭載されている。同様に、ヘッダ基板500yにはSQUID磁気センサ1yが搭載され、ヘッダ基板500zにはSQUID磁気センサ1zが搭載されている。なお、図11及び図12では、図面をみやすくするため、SQUID磁気センサ1xに接続している配線311のみを示している。SQUID磁気センサ1y、1zにも同様に配線311が接続されている。
なお、図6及び図7で示すように、SQUIDチップ100には、複数のSQUIDインダクタ8が設けられている。これらのSQUIDインダクタ8のうち、どれか1つが配線311に接続されている。
それぞれの変換基板305x〜305zのコネクタ304に、SQUIDチップ100がマウントされたヘッダ基板500(500x〜500z)が装着されている。このようにすることで、ヘッダ基板500x〜500zに搭載されている3つのSQUID磁気センサ1x〜1zがキュービック型に配置される。それぞれのSQUID磁気センサ1はキュービック型に配置されているため、3つのSQUID磁気センサ1x〜1zの中心軸Cx〜Czは支持体301の中心で交差する。なお、各中心軸Cx〜Czの交点から各SQUID磁気センサ1の検出コイル3の中心までの距離は約35mmである。
(本実施形態のプローブ12)
図13及び図14は、本実施形態で用いられるプローブ12(磁場測定素子E)を示す図である。図13はy軸方向からプローブ12を見た図である。また、図14はx軸方向からプローブ12を見た図である。なお、図13及び図14において、図11及び図12と同様の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
プローブ12のプローブヘッド11には、中空のFRP製の支持体310の内側の2面にレセプタクル基板302x,302yが設置されている。そして、支持体310の底面にレセプタクル基板302zが設置されている。各レセプタクル基板302x〜302zには、コネクタ304x〜304z、変換基板305x〜305zを介して3つのヘッダ基板500x〜500zが装着されている。
なお、図13及び図14では、図面をみやすくするため、SQUID磁気センサ1xに接続している配線311のみを示している。SQUID磁気センサ1y、1zにも同様に配線311が接続されている。
また、図6及び図7で示すように、SQUIDチップ100には、複数のSQUIDインダクタ8が設けられている。これらのSQUIDインダクタ8のうち、どれか1つが配線311に接続されている。
ここで、設計上、SQUID磁気センサ1xの中心軸Cxと、SQUID磁気センサ1zの中心軸Czは、SQUID磁気センサ1xの検出コイル3とフィードバックコイル6の間で交差している。つまり、中心軸Cxと、中心軸Czとはヘッダ基板500xにおける基板510と、SQUIDチップ100(図10参照)との間で交差している。
なお、図14に示すようにSQUID磁気センサ1xの検出コイル3の中心と、SQUID磁気センサ1zの検出コイル3の中心との距離は約35mmである。
また、図14に示すように、SQUID磁気センサ1yの中心軸Cyと、SQUID磁気センサ1zの中心軸Czは、SQUID磁気センサ1yの検出コイル3とフィードバックコイル6の間で交差している。つまり、中心軸Cyと、中心軸Czとはヘッダ基板500yにおける、基板510と、SQUIDチップ100(図10参照)との間で交差している。図13に示すように、SQUID磁気センサ1xの検出コイル3の中心と、SQUID磁気センサ1yの検出コイル3の中心との距離は約22mmである。
このように、実際に磁場測定素子Eが作製される場合、実装の技術的な限界によりSQUID磁気センサ1xが、SQUID磁気センサ1zのコイル面に垂直な平面上に正確に配置されるようにすることは困難である。SQUID磁気センサ1y,1zについても同様である。
また、SQUID磁気センサ1xの中心が中心軸Cz上に正確に配置されるようにすることも困難である。SQUID磁気センサ1yについても同様である。また、図6に示すように検出コイル3とフィードバックコイル6とが別の基板に形成されている場合、検出コイル3とフィードバックコイル6とが基板の厚さ分ずれることになる。
このように、実際の磁場測定素子Eでは、それぞれのSQUID磁気センサ1x〜1zの配置関係が、理想的な平行関係や対象関係から若干ずれる。そのため、実際にはフィードバック磁場の干渉が起こる。しかしながら、それぞれのSQUID磁気センサ1x〜1zの配置関係が、平行関係や対象関係の位置に近ければ、そうでない場合よりも干渉の程度が小さい。以下に、そのことを説明する。
(測定結果)
ここで、図13及び図14に示すプローブ12のSQUID磁気センサ1のフィードバックコイル6に正弦波電流を流し、各SQUID磁気センサ1への干渉をスペクトラムアナライザ(不図示)を用いて測定した結果を図15〜図17に示す。
フィードバックコイル6と、他のSQUID磁気センサ1との干渉は以下のようにして評価した。図15〜図17で用いられるSQUID磁気センサ1は、図13及び図14に示すSQUID磁気センサ1の配置である。
SQUID磁気センサ1xのフィードバックコイル6と、SQUID磁気センサ1x〜1zとの干渉を評価した結果を図15〜図17に示す。ここでは、SQUID磁気センサ1xのフィードバックコイル6に、周波数が約800Hz、振幅が約50μAの正弦波電流が流された。そして、SQUID磁気センサ1xがフィードバック制御された。その上で、SQUID磁気センサ1xのフィードバックコイル6から発生する磁場による磁束をSQUID磁気センサ1x自身で測定した結果が図15に示される。図15では、出力信号の周波数スペクトルを測定し、フィードバックコイル6に流した電流の周波数に現れるピーク強度を基準の磁気信号強度とした。この結果、図15に示すように、805Hzに明瞭なピークが現れており、その磁束は磁場に換算すると2.35x10−9T/Hz1/2であった。
次に同じ条件でSQUID磁気センサ1xのフィードバックコイル6に電流を流した状態から、SQUID磁気センサ1xのフィードバック制御がオフにされた。これは、SQUID磁気センサ1xがフィードバック制御されているとフィードバックコイル6に流した電流を打ち消すようにフィードバック電流が流れるためである。
そして、SQUID磁気センサ1xのフィードバック制御がオフになった状態で、SQUID磁気センサ1y及びSQUID磁気センサ1zでSQUID磁気センサ1xのフィードバックコイル6からの磁気信号が測定された。磁気信号強度は、図15と同様、周波数スペクトルのピーク強度とした。
図16にSQUID磁気センサ1yで測定した周波数スペクトルを、図17にSQUID磁気センサ1zで測定した周波数スペクトルを示す。それぞれ磁気信号強度が4.74x10−12T/Hz1/2(図16参照)及び6.83x10−13T/Hz1/2(図17参照)の明瞭なピークが得られた。
次に、SQUID磁気センサ1y,1zで検出された磁気信号強度と、電流を流したフィードバックコイル6を有するSQUID磁気センサ1xで検出された磁気信号強度との比(磁気信号強度比)を干渉の強さとして定義した。例えば、SQUID磁気センサ1xのフィードバックコイル6によるSQUID磁気センサ1yの干渉の強さ(比)は、図15及び図16から4.74x10−12(T/Hz1/2)/2.35x10−9≒2.01x10−3≒1/496となる。
同様の測定を、SQUID磁気センサ1yのフィードバックコイル6に正弦波電流を流した場合、SQUID磁気センサ1zのフィードバックコイル6に正弦波電流を流した場合についても行った。
つまり、SQUID磁気センサ1yのフィードバックコイル6に、周波数が約800Hz、振幅が約50μAの正弦波電流を流した。そして、SQUID磁気センサ1yがフィードバック制御された。その上で、SQUID磁気センサ1yのフィードバックコイル6dで発生する磁場による磁束がSQUID磁気センサ1y自身で測定された。
次に同じ条件でSQUID磁気センサ1yのフィードバックコイル6に電流を流した状態で、SQUID磁気センサ1yのフィードバック制御がオフにされた。その状態で、SQUID磁気センサ1z及びSQUID磁気センサ1xでSQUID磁気センサ1yのフィードバックコイル6による磁束が測定された。
そして、SQUID磁気センサ1y自身で測定された磁束と、SQUID磁気センサ1z,1xで測定された磁束から算出される磁気信号強度の比を干渉の強さとした。
同様の条件で、SQUID磁気センサ1z自身で測定された磁束から算出される磁気信号強度と、SQUID磁気センサ1x,1yで測定された磁束から算出される磁気信号強度の比(磁気信号強度比)を干渉の強さとした。
図18は比較例での配置における各SQUID磁気センサ1の干渉の強さを示す表である。図19は本実施形態で用いられる配置における各SQUID磁気センサ1の干渉の強さを示す表である。
ここで、図18における比較例とは、図11及び図12に示すSQUID磁気センサ1の配置のことである。そして、図19における本実施形態で用いられる配置とは、図13及び図14に示す配置のことである。
図18及び図19に示す各表の行は検出したSQUID磁気センサ1を示している。そして、列は電流を流したフィードバックコイル6を示している。
例えば、図18における列601及び図19における列611は、SQUID磁気センサ1xのフィードバックコイル6に電流を流し、各SQUID磁気センサ1x〜1zで磁束を測定した結果(磁気信号強度比)を示している。
同様に、図18における列602及び図19における列612は、SQUID磁気センサ1yのフィードバックコイル6に電流を流し、各SQUID磁気センサ1x〜1zで磁束を測定した結果(磁気信号強度比)を示している。
そして、図18における列603及び図19における列613は、SQUID磁気センサ1zのフィードバックコイル6に電流を流し、各SQUID磁気センサ1x〜1zで磁束を測定した結果(磁気信号強度比)を示している。
検出したSQUID磁気センサ1と電流を流したフィードバックコイル6の組み合わせは9通りである。ただし、前記した干渉の強さの定義より、電流を流したSQUID磁気センサ1自身での干渉の強さは1となる。このため、比較は、電流を流したSQUID磁気センサ1自身での干渉の強さを除いた6通りの組み合わせで行うことが適切である。
キュービック型配置のプローブヘッド11Aの場合、図18に示すように、6通りの組み合わせの内、4つで1/1000より大きな干渉が起きている。一方、本実施形態で示される配置を適用したプローブヘッド11の場合、図19に示すように、1/1000以上の干渉が起きているのでは6通りの組み合わせの内1つだけ(SQUID磁気センサ1xのフィードバックコイル6によるSQUID磁気センサ1yへの干渉)であった。特に、符号613に示す列で改善効果が著しい。
図11及び図12に示されるように、キュービック型配置のプローブヘッド11AではSQUID磁気センサ1xと、SQUID磁気センサ1yとの間隔は35mmである。これに対し、本実施形態の配置を適用したプローブヘッド11の場合、図13に示すように、SQUID磁気センサ1xと、SQUID磁気センサ1yの間隔が22mmと小さくなっている。このようにSQUID磁気センサ1間の距離が接近すると干渉が大きくなり、好ましくないものと考えられる。なお、SQUID磁気センサ1zとの距離は、比較例及び本実施形態のプローブ12A,12ともに35mmである。
このように、本実施形態の配置による磁場測定素子E(Ea)によれば、3方向の中で最も強いz方向の磁場によるフィードバックに対し、干渉の改善を実現することができる。
[第4実施形態]
図20及び図21は、第4実施形態で用いられるプローブ12B(磁場測定素子E)の構造を示す図である。図20はy軸方向からプローブ12Bを見た図である。また、図21はx軸方向からプローブ12Bを見た図である。図20及び図21において、図11〜図14と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
プローブ12Bは、図19の表に示されるSQUID磁気センサ1xと、SQUID磁気センサ1yとの間の干渉を改善するために、SQUID磁気センサ1xとSQUID磁気センサ1yの間隔がプローブ12A(比較例)の場合と同じ約35mmに広げられたものである。
さらに、プローブ12Bのプローブヘッド11Bを構成する支持体310aでは、SQUID磁気センサ1zとSQUID磁気センサ1x,1yとの間隔が約45mmに広げられている。
前記したように、TEM測定ではz方向の磁場の強さがx方向及びy方向の磁場の強さと比べて数倍から数十倍大きい。そのため、SQUID磁気センサ1zのフィードバックコイル6に、特に大きな電流が流れると考えられる。このことを考慮して、SQUID磁気センサ1zと、SQUID磁気センサ1x,1yとの間隔を大きくすることで、干渉の改善が期待される。
そして、図20及び図21に示すプローブ12Bを用いて、図15〜図19で示した手法と同じ手法で干渉の強さが測定された。
その測定結果を図22に示す。
図22に示す表が示す内容は、図18、図19と同様である。
プローブ12Bでは、図20に示すSQUID磁気センサ1の配置で、SQUID磁気センサ1xと、SQUID磁気センサ1yとの間がキュービック型のプローブ12Aと同じ距離に離されている。これにより、SQUID磁気センサ1xと、SQUID磁気センサ1yとの干渉が大幅に改善できることを確認できた。また、SQUID磁気センサ1zと、SQUID磁気センサ1x,1yとの間の干渉も改善され、ほとんどの組み合わせで干渉の程度が1/2000以下になっていることが確認できた。
なお、図4では、SQUID磁気センサ1間の距離が等距離となるように、SQUID磁気センサ1が配置されている。このようにすることにより、磁場測定素子Ea自身の大きさを大幅に変えることなく、SQUID磁気センサ1間の距離を大きくすることができる。
[シミュレーション]
(平行関係)
次に、本実施形態におけるSQUID磁気センサ1の配置の効果を数値シミュレーションによって示す。
図23は、平行関係についての数値シミュレーションに用いたSQUID磁気センサ1のモデルを示す図である。
このモデルは、2つのSQUID磁気センサ1の位置関係が平行関係の場合に対応している。まず、シミュレーションを行うコンピュータ(不図示)はSQUID磁気センサ1zのフィードバックコイル6に相当するフィードバックコイルモデル421を設定した。このフィードバックコイルモデル421は、外径の一辺が14mmの正方形のコイルとした。また、このフィードバックコイルモデル421の厚さは0.2mm、内径の一辺は13mmである。
コンピュータは、このフィードバックコイルモデル421に直流電流を流した際に発生する磁束の分布を計算した。また、フィードバックコイルモデル421の直上、フィードバックコイルモデル421から0.5mm離れた位置に一辺が13mmの正方形のz方向の検出面モデル411が設定された。検出面モデル411は、SQUID磁気センサ1zの検出コイル3がなす面を表わしている。
そして、コンピュータは、フィードバックコイルモデル421に電流を流した際に検出面モデル411に鎖交した磁束からz方向の磁場の強さBzを求めた。
また、フィードバックコイルモデル421の中心からz方向に距離Dzだけ離れ、中心軸Cxが中心となるよう検出面モデル412が設定される。検出面モデル412は、SQUID磁気センサ1xの検出コイル3のコイル面を示している。ただし、図13や、図20に示す関係とは左右逆となっている。検出面モデル412は、一辺が13mmの正方形を有している。
そして、Dzの値について、9mm、22mm、35mmの3通りでシミュレーションが行われた。また、検出面モデル412の中心軸Cxと、フィードバックコイルモデル421の中心軸Czとの交点を交点431とする。そして、コンピュータは、交点431と、検出面モデル412の中心との距離をDxとし、Dxを0から40mmまで変化させ、検出面モデル412を平行移動させた。そして、コンピュータは、各Dxにおいて検出面モデル412に鎖交するフィードバックコイルモデル421由来の磁束を算出した。そして、コンピュータは、この磁束を基に検出面モデル412を鎖交する磁場の強さBxを算出した。この磁場の強さBxがSQUID磁気センサ1zのフィードバックコイル6によるSQUID磁気センサ1xの検出コイル3への干渉となる。最終的に、図18及び図19で説明した規格化Bx/Bzによって干渉のDx依存性が算出された。
図24〜図26は、図23に示す条件によるシミュレーションで求められたBx/BzのDx依存性を示すグラフである。
図24はDz=9mmの場合を示し、図25はDz=22mmの場合を示し、図26はDz=35mmの場合を示す。また、図24〜図26のグラフに表示した縦の一点鎖線711は、Dzと等しいDxを示している。すなわち、一点鎖線711とグラフの交点はキュービック型のSQUID磁気センサ1の配置での干渉に対応する。
図24〜図26のいずれにおいても、検出面モデル412がフィードバックコイルモデル421の中心軸Cz上に位置するDx=0の場合、Bx/Bzの値が0となっている。しかし、図24〜図26のいずれも、Dx=0からずれるにつれてBx/Bzが急増し、所定のDxで最大値となった後ゆっくりと減少する傾向が得られた。
ここで、図24の破線701及び図25の破線702は、Bx/Bz=1/200を示している。そして、図25の実線703及び図26の実線704はBx/Bz=1/1000を示している。
Dz=9mm(図24)のように、Dzが小さい、すなわちSQUID磁気センサ1z、SQUID磁気センサ1x間の距離が短い場合にはBx/Bzの値が全体的に大きい。Bx/Bz≦1/200(破線701)となるのはDxが0近傍のわずかな範囲である。ちなみに、図24において、Dx≧27mmでも、Bx/Bz≦1/200(破線701)となっている。しかし、このDxはキュービック型のSQUID磁気センサ1の配置(一点鎖線711)より大きいため、コンパクト性が損なわれる。
Dz=22mm(図25)、Dz=35mm(図26)とDzが増加するにつれて、Bx/Bzの全体的な値が小さくなっていく。その結果、Dz=22mmの場合(図25)、Bx/Bz≦1/200(破線702)の範囲はDx≦3mmとなっている。これは、図24におけるBx/Bz≦1/200(破線701)となるDxの範囲より、Bx/Bz≦1/200となる範囲が広がっている。
ここで、Dz=22mmの場合(図25)、Bx/Bz≦1/1000(実線703)となるDxの範囲はDx≦1mmと、Dx>40mmである。なお、Dx>40mmは、キュービック型のSQUID磁気センサ1の配置(一点鎖線711)より大きく、コンパクト性を損なうため、考察から除外する。
そして、Dz=35mmの場合(図26)、Bx/Bz≦1/1000(実線504)の範囲がDx≦3mmである。この範囲は、図25に示すBx/Bz≦1/1000(実線703)となる範囲Dx<1mmより広がっている。
SQUID磁気センサ1zと、SQUID磁気センサ1xのように、完全に互いに直交する配置とすることは難しい場合がある。つまり、SQUID磁気センサ1xを中心軸Cz上に完全に配置するのは技術的、コスト的に難しい場合がある。そのような場合、SQUID磁気センサ1間の距離を広げることで干渉が小さくなる範囲を広げることができる。これは、SQUID磁気センサ1間の距離を広げることで、あるSQUID磁気センサ1から他のSQUID磁気センサ1まで届く磁場が弱まるためである。これにより、SQUID磁気センサ1の位置合わせのマージンを大きくとることができる。つまり、SQUID磁気センサ1の設置の自由度が高まる。例えば、1/1000以下の干渉が必要な場合、Dx=0.5mm以下の位置合わせが可能なら、図25に示すようにDz=22mm程度とすればよい。また、Dx=2〜3mmの位置合わせ精度しかできない場合でも、図26に示すようにDz=35mm程度とすることで1/1000以下の干渉を実現することができる。
図24〜図26に示すように、SQUID磁気センサ1間の距離を広げることで、互いの干渉を小さくすることができる。
前記したように、図24〜図26のグラフに表示した縦の一点鎖線711は、Dzと等しいDxを示している。すなわち、前記したように、一点鎖線711とグラフの交点はキュービック型のSQUID磁気センサ1の配置での干渉に対応する。図24〜図26から、平行関係にあるSQUID磁気センサ1間の干渉は、キュービック型で同じ距離に配されたSQUID磁気センサ1間の干渉よりも小さいことがわかる。
(対称関係)
次に、検出コイル3とフィードバックコイル6の位置関係が対称関係の場合について数値シミュレーションを行った結果を示す。
図27は、対称関係についての数値シミュレーションに用いたSQUID磁気センサ1のモデルを示す図である。
図27に示すように、外径の一辺が14mmの正方形のコイルをSQUID磁気センサ1xのフィードバックコイル6に該当するフィードバックコイルモデル422が設定される。このフィードバックコイルモデル422の厚さは0.2mm、内径の一辺は13mmに設定される。コンピュータは、このフィードバックコイルモデル422に直流電流を流した際に発生する磁束の分布を計算した。このフィードバックコイルモデル422のx方向へ0.5mm横に一辺が13mmの正方形の検出面モデル412が設定される。検出面モデル412は、SQUID磁気センサ1xの検出コイル3がなす面に該当する。
そして、コンピュータは、フィードバックコイルモデル422に電流を流したときに検出面モデル412に鎖交した磁束からx方向の磁場の強さBxを求める。
また、フィードバックコイルモデル422の中心軸Cxからz方向に距離Dzだけ離れた位置に一辺が13mmの正方形のz方向の検出面モデル411が設定される。検出面モデル411は、SQUID磁気センサ1zの検出コイル3がなす面を表わしている。
そして、コンピュータは、Dzの値について、9mm、22mm、35mmの3通りでシミュレーションを行った。また、検出面モデル411の中心軸Czと、フィードバックコイルモデル422との距離をDxとし、コンピュータはDxを0から40mmまで検出面モデル412を平行移動させた。そして、コンピュータは、それぞれのDxにおいて、Dzを変化させたときにおける検出面モデル411に鎖交した磁束を算出した。そして、コンピュータは、この磁束を基に検出面モデル411を鎖交する磁場の強さBzを算出した。この磁場の強さBzがSQUID磁気センサ1xのフィードバックコイル6によるSQUID磁気センサ1zの検出コイル3への干渉となる。最終的に、図18及び図19で説明した規格化Bz/Bxによって干渉のDz依存性が算出される。
図28〜図30は、図27に示す条件によるシミュレーションで求められたBz/BxのDx依存性を示すグラフである。
また、図28〜図30のグラフに表示した縦の一点鎖線731は、Dzと等しいDxを示している。すなわち、一点鎖線731とグラフの交点はキュービック型のSQUID磁気センサ1の配置での干渉に対応する。
図28はDz=9mmの場合を示し、図29はDz=22mmの場合を示し、図30はDz=35mmの場合を示す。
さらに、図28の破線721は、Bz/Bx=1/200を示している。そして、図28の実線722及び図29の実線723はBz/Bx=1/1000を示している。
図28〜図30のいずれにおいても、フィードバックコイルモデル422が検出面モデル411の中心軸Cz上に位置するDx=0の場合、Bz/Bxの値は0となっている。しかし、Dx=0からずれるにつれてBz/Bxが急増し、所定のDxで最大値となった後ゆっくりと減少する傾向が得られた。これは図24〜図26に示した平行関係の場合と同様であるが、Bz/Bxの値は図24〜図26のBx/Bzの値よりも全体的に約一桁小さな値である。そのため、Dz=22mmの場合でも、計算した全範囲においてBz/Bxは1/1000以下である。
ここで、前記したように、図28〜図30のグラフに表示した縦の一点鎖線731は、Dzと等しいDxを示している。つまり、前記したように、一点鎖線731とグラフの交点はキュービック型のSQUID磁気センサ1の配置での干渉に対応する。このように、図28〜図30から、対称関係にあるSQUID磁気センサ1間の干渉は、キュービック型で同じ距離に配されたSQUID磁気センサ1間の干渉よりも小さいことがわかる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
なお、図1に示すSQUID磁気センサ1yの中心が、中心軸CxとSQUID磁気センサ1zのコイル面がなす面との間に配置されるようにしてもよい(図4参照)。 実施形態ではSQUIDインダクタ8に2つのジョセフソン接合部2を有するdc−SQUIDを使用しているが、SQUIDインダクタ8に1つのジョセフソン接合部を有するrf−SQUIDでも、同様のフィードバック制御を行っている。従って、rf−SQUIDが使用されても本実施形態の効果を得ることができる。さらに、本実施形態では3つの磁気センサを用いた3成分磁力計、いわゆるベクトルマグネトメータについて示したが、3成分磁力計を基本とした構成、例えば2組のベクトルマグネトメータで構成されたテンソルグラジオメータやベクトルマグネトメータに補正用のマグネトメータを付加した構成でも有効であることはいうまでもない。
1 SQUID磁気センサ
1x SQUID磁気センサ(第2のSQUID磁気センサ)
1y SQUID磁気センサ(第3のSQUID磁気センサ)
1z SQUID磁気センサ(第1のSQUID磁気センサ)
2 ジョセフソン接合部
3 検出コイル
4,5,7 端子
6 フィードバックコイル
8 SQUIDインダクタ
10 磁場測定部(磁場測定装置)
11 プローブヘッド
12 フロー部
13 液体冷媒
15a 容器(冷媒保持部)
15b 蓋(冷媒保持部)
17 磁場測定素子
20 制御回路部
21 FLL回路(FLL処理部)
22 FLL制御回路
30 データ処理部(情報処理装置)
31 AD変換部
32 PC(情報処理装置)
Cx〜Cz 中心軸(直線)
E,Ea 磁場測定素子
Z 磁場測定システム

Claims (5)

  1. 超電導素材で構成された検出コイルと、前記検出コイルに接続し、ジョセフソン接合部を有する前記超電導素材で構成されたSQUIDインダクタと、前記検出コイルに対してフィードバック磁場を発生するフィードバックコイルと、
    を有することを特徴とするSQUID磁気センサを少なくとも3つ備える磁場測定素子において、
    第1のSQUID磁気センサと、
    前記第1のSQUID磁気センサの検出コイルのコイル面を含む第1の平面に対して、垂直であり、かつ、前記第1のSQUID磁気センサの中心を含む第2の平面または前記第2の平面の近傍に設置される第2のSQUID磁気センサと、
    前記第1の平面及び前記第2の平面に対して垂直であり、かつ、前記第1のSQUID磁気センサの検出コイルの中心を含む第3の平面または前記第3の平面の近傍に検出コイルが設置される第3のSQUID磁気センサと、
    を有し、
    前記第2のSQUID磁気センサの検出コイルの中心は、前記第1のSQUID磁気センサの検出コイルの中心を通り、かつ、前記第1の平面に対して垂直な直線上または当該直線の近傍に存在し、
    前記第3のSQUID磁気センサの検出コイルの中心は、前記第1のSQUID磁気センサの検出コイルの中心と、前記第2のSQUID磁気センサの検出コイルの中心とを結んだ線からずれた位置に存在する
    ことを特徴とする磁場測定素子。
  2. 前記第3のSQUID磁気センサの検出コイルの中心は、前記第2のSQUID磁気センサの検出コイルの中心を通り、かつ、前記第2の平面に対して垂直な直線と、前記第1の平面との間に存在する
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁場測定素子。
  3. 前記第1のSQUID磁気センサの検出コイルの中心と、前記第2のSQUID磁気センサの検出コイルの中心との距離、
    前記第2のSQUID磁気センサの検出コイルの中心と、前記第3のSQUID磁気センサの検出コイルの中心との距離、
    及び前記第3のSQUID磁気センサの検出コイルの中心と、前記第2のSQUID磁気センサの検出コイルの中心との距離
    が略等距離である
    ことを特徴とする請求項2に記載の磁場測定素子。
  4. 液体冷媒を保持する冷媒保持部と、
    前記冷媒保持部に請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の磁場測定素子が挿入される
    ことを特徴とする磁場測定装置。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の磁場測定素子と、
    前記磁場測定素子から出力された情報を処理する情報処理装置と、
    を有することを特徴とする磁場測定システム。
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