JP2019086133A - 振動伝達防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】路面の凹凸による縦振動、自動二輪車等の走行時や自動二輪車等の減速・加速時における横揺動などによる被運搬物の欠損、破損を防止する。【解決手段】搬送物を乗せる荷受台10と、制御機構30を支える基台20と、第一弾性部31と第二弾性部32と直交連結部33とからなる制御機構30と、減衰機構40とから構成される。これにより、全方位からの衝撃に対して制御機構30による適切な制御が行われるため、荷受台10への衝撃の伝達が防止される。【選択図】図2

Description

本発明は、物の運搬中における被運搬物に対する振動を防止するための装置に関する。
従来より、物の運搬、例えば、出前用料理等の運搬は、自動二輪車等の荷台の上等に取りつけた出前用運搬器により行われている。
特許文献1に係る出前用運搬器は、自動二輪車等の荷台に取り付けるコの字型のフレームと、該フレームの上部に設けられる三つの空気バネからなる空気制御機構と、該フレームの上部から該フレームの下部に向かって吊り下げられる荷受台を備える。
この出前用運搬器は、路面の凹凸等による縦振動の衝撃に対しては空気制御機構が減殺し、走行中のカーブによる横揺れに対しては出前用運搬器が地面に対して水平になるように出前用運搬器自体が横揺れに合わせて揺動する構成である。
特許文献2に係る出前機は、基台より立設する第1のフレームと、該第1のフレームとシャフトを介して連結した第2のフレームと、該第2のフレームの先端に設けた懸架ロッドと、該懸架ロッドより左右に延びるアームと、該アームに取り付ける出前用料理運搬具であって、上記第2のフレーム及び懸架ロッドは上記出前用料理運搬具の揺動時の衝撃吸収手段を備える。
この出前機は、出前用料理運搬具の上下・左右・前後の揺動時の衝撃を、第2フレーム及び懸架ロッドに設けた衝撃吸収手段によって分担しながら吸収する構成である。
特公昭29−5169号公報 特開2002−34768号公報
しかし、特許文献1に係る発明は、縦振動の衝撃を吸収する空気制御機構の支点が1点であるため、衝撃を受ける場所によって振動の制御に差が生まれてしまう。
また、特許文献2に係る発明は、衝撃吸収手段によって衝撃の制御は分散するものの、やはり制御の支点となる部分は1点であるため、衝撃を受ける場所によって振動の制御に差が生まれてしまう。
本発明の課題は、路面の凹凸による縦振動、自動二輪車等の走行時や自動二輪車等の減速・加速時における横揺動などによる被運搬物の欠損、破損を防止することにある。
このようなことから本発明は、全方位からの振動及び揺動によって起こり得る被運搬物の欠損、破損等を防ぐ振動伝達防止装置を提供することを目的とする。
本発明は、搬送物を乗せる荷受台と、制御機構を支える基台と、上記荷受台の下面に取りつけられる二つの第一弾性部材と、該二つの第一弾性部材を連結し、該二つの第一弾性
部材間の略中間に位置する第一接合面を備える第一連結部材とからなる第一弾性部と、上記基台の上面に取りつけられる二つの第二弾性部材と、該二つの第二弾性部材を連結し、該二つの第二弾性部材間の略中間に位置する第二接合面を備える第二連結部材とからなる第二弾性部と、上記基台の上面と第一ヒンジとを連結する基台連結部材と、該基台連結部材と直交連結部材とを連結する第一ヒンジと、該第一ヒンジと第二ヒンジとを連結し、上記第一連結部材の第一接合面と直交して接合し、上記第二連結部材の第二接合面と直交して接合する直交連結部材と、該直交連結部材と上記荷受台の下面とを連結する第二ヒンジとからなる直交連結部と、から構成される制御機構と、を備える振動伝達防止装置である。
また、本発明において、二つの第一弾性部材と、二つの第二弾性部材とを圧縮コイルばねとしてもよい。
また、本発明において、荷受台と、基台との間に減衰機構が設けられてもよい。
本発明の振動伝達防止装置は、第一弾性部と第二弾性部とが直交連結部によって連結されているため、一方に働く衝撃を他方に分散することができる。そのため、全方位の衝撃に対して適切な制御を行うことができる。
本発明に係る振動伝達防止装置の一実施形態を示す斜視図である。 本発明に係る振動伝達防止装置の一実施形態を示す斜視図である。 図2に示す振動伝達防止装置の分解斜視図である。 図2に示す振動伝達防止装置の側面図である。 本発明に係る振動伝達防止装置の一実施形態を示す側面図である。 図5に示す振動伝達防止装置の正面図である。 図5に示す振動伝達防止装置に対する衝撃の位置を示す分解斜視図である。 図5に示す振動伝達防止装置のP1に対する衝撃を示す側面図である。 図5に示す振動伝達防止装置のP1に対する衝撃を示す正面図である。 図5に示す振動伝達防止装置のP2に対する衝撃を示す側面図である。 図5に示す振動伝達防止装置のP2に対する衝撃を示す正面図である。 図5に示す振動伝達防止装置のP3に対する衝撃を示す側面図である。 図5に示す振動伝達防止装置のP3に対する衝撃を示す正面図である。
以下、本発明に係る振動伝達防止装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係る振動伝達防止装置100は、図1に示すように、例えば、デリバリーボックス200内に設置される。そして、設置された振動伝達防止装置100の上に、搬送物、例えば、出前品(例えば、寿司、ピザ、各種弁当、ラーメンなど)が収容されたばんじゅうが置かれ、搬送される。また、例えば、台車300の荷受面に振動伝達防止装置100を設置することで、振動伝達防止装置100は、台車300による搬送物の運搬の際にも使用することができる。
この振動伝達防止装置100は、図2、図3に示すように、荷受台10と、基台20と、制御機構30と、減衰機構40とを備える。
荷受台10は、正方形、長方形といった方形であることが好ましい。また、荷受台10
の寸法は、搬送物の縦寸法及び横寸法よりも大きいものであることが好ましい。さらに、荷受台10の上面には、搬送物の滑りを防止するための滑り止めシートを貼り付けてもよい。
基台20は、荷受台10の縦寸法及び横寸法以上の寸法であることが好ましい。最も好ましくは、基台20は、荷受台10の縦寸法及び横寸法と同じ寸法であることがよい。また、基台20は、振動伝達防止装置100が設置される物と一体となっていてもよい。すなわち、基台20は、例えば、デリバリーボックス200の内部の底面であってもよい。同様に、基台20は、例えば、台車300の荷受面であってもよい。
制御機構30は、図3に示すように、第一弾性部31と、第二弾性部32と、直交連結部33とを備える。
第一弾性部31は、図3に示すように、第一弾性部材31aと、第一弾性部材31bと、第一連結部材31cとを備える。
第一弾性部材31a,31bは、弾性を持つ材料であればよい。好ましくは、第一弾性部材31a,31bは、圧縮コイルばねであることがよい。また、第一弾性部材31a,31bは、後述する第二弾性部材32a,32bと同等の弾性力を持つ同種の材料であることが好ましい。これにより、制御機構30の振動に対する制御運動を均一に行うことができる。
第一弾性部材31a,31bは、図3に示すように、荷受台10の下面に取り付けられる。第一弾性部材31aは、図3に示すように、後述する隅C・隅D間の略中間地点に設けられる減衰機構40aの隅C側に並べて取り付けられることが好ましい。これによって、減衰機構40aの減衰機能が第一弾性部材31aと後述する第二弾性部材32aとに均等に働く。同様に、第一弾性部材31bは、図3に示すように、後述する隅A・隅B間の略中間地点に設けられる減衰機構40cの隅B側に並べて取り付けられることが好ましい。これによって、減衰機構40cの減衰機能が第一弾性部材31bと後述する第二弾性部材32bとに均等に働く。そして、第一弾性部材31aと第一弾性部材31bとを結ぶ直線が横線Yと略平行になるように第一弾性部材31a及び第一弾性部材31bを荷受台10の下面に取り付ける。
第一連結部材31cは、第一弾性部材31aと第一弾性部材31bとを連結する連結部材である。この第一連結部材31cは、平板状の部材であることが好ましい。これによって、第一弾性部材31a,32bの制御運動を後述する直交連結部33に不足なく伝達することができる。
第一連結部材31cの第一弾性部材31a・第一弾性部材31b間の略中間に位置する面は、第一接合面31dである。この第一接合面31dは、後述する直交連結部材33cと直交して接合される。
なお、第一弾性部材31aと第一弾性部材31bとを結ぶ直線が横線Yと略平行であれば、第一連結部材31cと横線Yもまた略平行となる。
第二弾性部32は、図3に示すように、第二弾性部材32aと、第二弾性部材32bと、第二連結部材32cとを備える。
第二弾性部材32a,32bは、弾性を持つ材料であればよい。好ましくは、第二弾性部材32a,32bは、圧縮コイルばねであることがよい。また、第二弾性部材32a,
32bは、第一弾性部材31a,31bと同等の弾性力を持つ同種の材料であることが好ましい。これにより、制御機構30の振動に対する制御運動を均一に行うことができる。
第二弾性部材32a,32bは、図3に示すように、基台20の上面に取り付けられる。第二弾性部材32aは、図3に示すように、後述する隅C・隅D間の略中間地点に設けられる減衰機構40aの隅D側に並べて取り付けられるのが好ましい。これによって、減衰機構40aの減衰機能が第二弾性部材32aと第一弾性部材31aとに均等に働く。同様に、第二弾性部材32bは、図3に示すように、後述する隅A・隅B間の略中間地点に設けられる減衰機構40cの隅A側に並べて取り付けられるのが好ましい。これによって、減衰機構40cの減衰機能が第二弾性部材32bと第一弾性部材31bとに均等に働く。そして、第二弾性部材32aと第二弾性部材32bとを結ぶ直線が横線Yと略平行になるように第二弾性部材32a及び第二弾性部材32bを基台20の上面に取り付ける。
第二連結部材32cは、第二弾性部材32aと第二弾性部材32bとを連結する連結部材である。この第二連結部材32cは、平板状の部材であることが好ましい。これによって、第二弾性部材32a,32bの制御運動を後述する直交連結部33に不足なく伝達することができる。
第二連結部材32cの第二弾性部材32a・第二弾性部材32b間の略中間に位置する面は、第二接合面32dである。この第二接合面32dは、後述する直交連結部材33cと直交して接合される。
なお、第二弾性部材32aと第二弾性部材32bとを結ぶ直線が横線Yと略平行であれば、第二連結部材32cと横線Yもまた略平行となる。
直交連結部33は、図3に示すように、基台連結部材33aと、第一ヒンジ33bと、直交連結部材33cと、第二ヒンジ33dとを備える。
基台連結部材33aは、基台20の上面と第一ヒンジ33bとを連結する部材である。図3においては、基台連結部材33aは、L字型の部材が採用されているが、基台20の上面と第一ヒンジ33とを連結する部材であればよく、例えば、T字型の部材を用いてもよい。
第一ヒンジ33bは、一方の羽根部を基台連結部材33aと連結し、他方の羽根部を直交連結部材33cと連結するものである。また、第一ヒンジ33bは、羽根部と羽根部との間に挿通されるピンが軸となり、その軸であるピンを支点に羽根部が回転する機構である。これにより、羽根部に連結される直交連結部材33cが他の部材、例えば、第一連結部材31cの動きに対応して動くことになる。
直交連結部材33cは、一端を第一ヒンジ33bの羽根部と連結し、他端を第二ヒンジ33dと連結するものである。その他端側の終端は、第二ヒンジ33dと連結するためにL字に屈曲している。なお、第二連結部材33cは、平板状の部材であることが好ましい。
直交連結部材33cは、第一連結部材31cと直交する。また、その直交において接する直交連結部材33cの面と第一連結部材31cの第一接合面31dとは接合される。これにより、直交連結部33及び第一連結部31の制御運動を不足なく伝達することができる。
同様に、直交連結部材33cは、第二連結部材32cと直交する。また、その直交にお
いて接する直交連結部材33cの面と第二連結部材32cの第二接合面32dとは接合される。これにより、直交連結部33及び第二連結部32の制御運動を不足なく伝達することができる。
第二ヒンジ33dは、一方の羽根部を直交連結部材33cと連結し、他方の羽根部を荷受台10の下面と連結するものである。また、第二ヒンジ33dは、羽根部と羽根部との間に挿通されるピンが軸となり、その軸であるピンを支点に羽根部が回転する機構である。これにより、羽根部に連結される直交連結部材33cが他の部材、例えば、第二連結部材32cの動きに対応して動くことになる。
直交連結部33は、図4に示すように、直交連結部材33cが基台20から荷受台10方向に傾斜するように形成されている。そして、衝撃により、荷受台10と基台20との間隔が近づくと、直交連結部33の傾斜は緩くなる。
なお、図3において、直交連結部33は、種々の部材間を連結するものとして示されているが、各部材間は一体に成形されているものであってもよい。
減衰機構40は、制御機構30による制御運動を緩やかなものとする機構である。すなわち、減衰機構40は、制御機構30による制御運動を減衰させる機構である。減衰機構40は、空気バネであることが好ましい。また、減衰の機能が制御機構30全体に均等にかかるように、減衰機構40の個数は4つであることが好ましい。この4つの減衰機構の配置については、図3に示すように、隅C・隅D間の略中間地点に減衰機構40a及びこれに対向する位置である隅A・隅B間の略中間地点に減衰機構40cを設置し、隅B・隅C間の略中間地点に減衰機構40b及びこれに対向する位置である隅A・隅D間の略中間地点に減衰機構40dを設置することが好ましい。
また、減衰機構40は、図3に示すような制御機構30の弾性部材31a,31b,32a,32bと別個に構成するものに加え、制御機構30の弾性部材31a,31b,32a,32bと一体に形成されたものであってもよい。例えば、減衰機構40である粘弾性体を弾性部材31a,31b,32a,32bに圧着し、各弾性部材と一体にすることも可能である。
図3に示すように、各部材等は、荷受台10の上面及び基台20の下面からねじ等を挿通させ、螺合することで取り付けることができる。取り付けに際しては、ねじの頭部が荷受台10の上面及び基台20の下面から突出しないように、挿通部には凹部を設けることが好ましい。これにより、荷受台10の上面及び基台20の下面は面一になるため、搬送物の揺れや傾きを軽減することができる。
以上のように、振動伝達防止装置100は、荷受台10と、基台20と、制御機構30と、減衰機構40とから構成される。このように、振動伝達防止装置100は、構成する部品が少なく、構造も単純であるため、設計が容易である。また、構成する部品は、適宜交換が可能である。さらに、振動伝達防止装置100は、構成する部品が少ないため、軽量で構成することができる。そして、振動伝達防止装置100が軽量であることにより、振動伝達防止装置100をデリバリーボックス200に収容して、自動二輪車や自転車等によってデリバリーサービスを行う際には、自動二輪車や自転車等の操縦が安定して行える。
さらに、振動伝達防止装置100は、例えば、デリバリーボックス200のような収容器に収容することができるため、搬送物を搬送する際に悪天候であっても、搬送物の損傷、欠損の可能性を少なくすることができる。特に、搬送物が食品である場合には、振動伝
達防止装置100をデリバリーボックス200に収容して運搬することにより、食品を外気に触れさせず、食品の品質や衛生を保つことも可能である。また、振動伝達防止装置100は、デリバリーボックス200に収容することができるため、振動伝達防止装置100自体の損傷も防ぐことができる。
次に、以下において、振動伝達防止装置101の振動及び揺動に対する制御について説明する。
図5及び図6に示す振動伝達防止装置101は、荷受台10と、基台20と、制御機構30とから構成される。また、図5及び図6に示す振動伝達防止装置101は、後述するP1、P2及びP3に対する衝撃を受ける前の振動伝達防止装置101である。図5は、図7に示す視点1から振動伝達防止装置101を作図したものである。また、図6は、図7に示す視点2から振動伝達防止装置101を作図したものである。
<P1に対する衝撃>
図8及び図9は、図7に示すP1に、基台20の下面からの衝撃が加わった場合における振動伝達防止装置101の振動制御を表したものである。図8は、この場合の振動伝達防止装置101を図7に示す視点1から作図したものである。また、図9は、この場合の振動伝達防止装置101を図7に示す視点2から作図したものである。
この場合、基台20の下面からの衝撃であるため、その衝撃は、まず基台20に接している第二弾性部材32a,32bに伝搬する。ここで、P1は、隅A・隅D及び隅B・隅Cの中間に位置するため、P1に対する衝撃は第二弾性部材32aと第二弾性部材32bとに均等にかかる。そして、その衝撃は、第二弾性部材32aと第二弾性部材32bとを連結する第二連結部材32cに伝搬する。
第二連結部材32cに伝搬したP1に対する衝撃は、第二連結部材32cに直交して接合されている直交連結部材33cに伝搬する。そして、直交連結部材33cに伝搬した衝撃は、直交連結部材33cが直交して接合されている第一連結部材31cに伝搬する。
第一連結部材31cに伝搬したP1に対する衝撃は、第一弾性部材31a,31bに伝搬する。ここで、直交連結部材33cと第一連結部材31cとの接合部分は、第一連結部材31cの中間点であるため、その衝撃は、第一弾性部材31aと第一弾性部材31bとに均等に伝搬する。
このように、P1に対する衝撃は、各弾性部材31a、31b、32a、32bに伝搬し、吸収される。そして、その衝撃は、荷受台10には伝搬せず、図8及び図9に示すように基台20が荷受台10方向に押しあがることで、振動の伝達は制御される。
<P2に対する衝撃>
図10及び図11は、図7に示すP2に、基台20の下面からの衝撃が加わった場合における振動伝達防止装置101の振動制御を表したものである。図10は、この場合の振動伝達防止装置101を図7に示す視点1から作図したものである。また、図11は、この場合の振動伝達防止装置101を図7に示す視点2から作図したものである。
P2は、図7に示すように、隅Aの近傍であるため、P2に対する基台20の下面からの衝撃は、まず、第二弾性部材32bに伝搬する。そして、第二弾性部材32bは、図10に示すように、この第二弾性部材32bに伝搬する衝撃により、荷受台10方向に大きく縮まる。
第二連結部材32bに伝搬したP2に対する衝撃は、第二連結部32cと直交する直交連結部材33cに伝搬する。そして、その連結部材33cに伝搬した衝撃は、第一弾性部材31aに伝搬する。そして、第一弾性部材31aは、図11に示すように、この第二弾性部材32bに伝搬する衝撃により、基台20方向に伸びる。
また、第二弾性部材32b及び第一弾性部材31aへの衝撃の伝搬に対する制御を補うように、第二弾性部材32a及び第一弾性部材31bは、小さく縮む。
このように、P2に対する衝撃は、各弾性部材31a、31b、32a、32bに伝搬し、吸収される。そして、その衝撃は、図10及び図11に示すように、荷受台10には伝搬せず、基台20の隅A近傍が荷受台10方向に押しあがることで、振動の伝達は制御される。
なお、図10及び図11に示した隅A近傍に位置するP2に対する衝撃についての制御は、隅D近傍に対する衝撃の場合にも同様に作用する。すなわち、その隅D近傍に対する衝撃は、荷受台10には伝搬せず、基台20の隅D近傍が荷受台10方向に押しあがることで、振動の伝達は制御される。
<P3に対する衝撃>
図12及び図13は、図7に示すP3に、基台20の下面からの衝撃が加わった場合における振動伝達防止装置101の振動制御を表したものである。図12は、この場合の振動伝達防止装置101を図7に示す視点1から作図したものである。また、図13は、この場合の振動伝達防止装置101を図7に示す視点2から作図したものである。
P3は、図7に示すように、隅Bの近傍であるため、P3に対する基台20の下面からの衝撃は、まず、第一弾性部材31bに伝搬する。そして、第一弾性部材31bは、図12に示すように、この第一弾性部材31bに伝搬する衝撃により、荷受台10方向に大きく縮まる。
第一弾性部材31bに伝搬したP3に対する衝撃は、第一連結部材31cと直交する直交連結部材33cに伝搬する。そして、その連結部材33cに伝搬した衝撃は、第二弾性部材32aに伝搬する。そして、第二弾性部材32aは、図13に示すように、この第一弾性部材31bに伝搬する衝撃により、基台20方向に伸びる。
また、第一弾性部材31b及び第二弾性部材32aへの衝撃の伝搬に対する制御を補うように、第一弾性部材31a及び第二弾性部材32bは、小さく縮む。
このように、P3に対する衝撃は、各弾性部材31a、31b、32a、32bに伝搬し、吸収される。そして、その衝撃は、図12及び図13に示すように、荷受台10には伝搬せず、基台20の隅B近傍が荷受台10方向に押しあがることで、振動の伝達は制御される。
なお、図12及び図13に示した隅B近傍に位置するP3に対する衝撃についての制御は、隅C近傍に対する衝撃の場合にも同様に作用する。すなわち、その隅C近傍に対する衝撃は、荷受台10には伝搬せず、基台20の隅C近傍が荷受台10方向に押しあがることで、振動の伝達は制御される。
<微振動及び横揺動>
先述のような基台20の下面から荷受台10に向かう衝撃に対する制御に加えて、振動伝達防止装置101は、微振動や横揺れに対しても制御が働く。すなわち、振動伝達防止
装置101の弾性部材は、二つの第一弾性部材31a,31b及び二つの第二弾性部材32a,32bという少数の弾性部材から構成され、柔軟に制御行為が行われるため、微振動や横揺れをも吸収することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 荷受台、20 基台、30 制御機構、31 第一弾性部、31a 第一弾性部材、31b 第一弾性部材、31c 第一連結部材、31d 第一接合面、32 第二弾性部、32a 第二弾性部材、32b 第二弾性部材、32c 第二連結部材、32d 第二接合面、33 直交連結部、33a 基台連結部材、33b 第一ヒンジ、33c 直交連結部材、33d 第二ヒンジ、40 減衰機構、100 振動伝達防止装置、101 振動伝達防止装置、200 デリバリーボックス、300 台車

Claims (3)

  1. 搬送物を乗せる荷受台と、
    制御機構を支える基台と、
    上記荷受台の下面に取りつけられる二つの第一弾性部材と、該二つの第一弾性部材を連結し、該二つの第一弾性部材間の略中間に位置する第一接合面を備える第一連結部材とからなる第一弾性部と、上記基台の上面に取りつけられる二つの第二弾性部材と、該二つの第二弾性部材を連結し、該二つの第二弾性部材間の略中間に位置する第二接合面を備える第二連結部材とからなる第二弾性部と、上記基台の上面と第一ヒンジとを連結する基台連結部材と、該基台連結部材と直交連結部材とを連結する第一ヒンジと、該第一ヒンジと第二ヒンジとを連結し、上記第一連結部材の第一接合面と直交して接合し、上記第二連結部材の第二接合面と直交して接合する直交連結部材と、該直交連結部材と上記荷受台の下面とを連結する第二ヒンジとからなる直交連結部と、から構成される制御機構と、
    を備える振動伝達防止装置。
  2. 上記二つの第一弾性部材と、上記二つの第二弾性部材とが、圧縮コイルばねであることを特徴とする請求項1に係る振動伝達防止装置。
  3. 上記荷受台と、上記基台との間に減衰機構が設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に係る振動伝達防止装置。


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