JP2019086110A - 弁体駆動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】異音や摩耗の発生を抑制することが可能な弁体駆動制御装置を提供する。【解決手段】パイロット室35の圧力に応じて変位するスプール弁31の駆動を制御する弁体駆動制御装置100は、パイロット室35の圧力を制御するソレノイドバルブ40と、ディザ信号が付加された電流をソレノイドバルブ40に供給するコントローラ50と、を備える。コントローラ50は、パイロット室35の圧力の大きさが、スプール弁31の位置の変化に影響を及ぼす有効圧力域にあるときとスプール弁31の位置の変化に影響を及ぼさない無効圧力域にあるときとにおいてディザ信号を変更する。【選択図】図1

Description

本発明は、弁体駆動制御装置に関するものである。
特許文献1には、電磁減圧弁によりパイロット室の圧力を変化させることによってスプール弁の駆動を制御する弁体駆動制御装置が開示されている。
実開平4−106503号公報
しかしながら、特許文献1に記載の弁体駆動制御装置では、電磁減圧弁の不感帯をなくすために、電磁減圧弁に供給される電流にディザ信号を付加した場合、スプール弁が何れか一方の方向にフルストロークし、パイロット室の容積が一定となった状態では、パイロット室の圧力がディザ信号の影響により変動することとなる。このようにパイロット室の圧力が変動すると、パイロット室内に配置されるスプール弁等の部材が振動し、異音を生じたり異常摩耗を生じたりするおそれがある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、異音や摩耗の発生を抑制することが可能な弁体駆動制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、パイロット室の圧力に応じて変位する弁体の駆動を制御する弁体駆動制御装置が、パイロット室の圧力を制御するソレノイドバルブと、ディザ信号が付加された電流をソレノイドバルブに供給する制御部と、を備え、制御部は、パイロット室の圧力の大きさが、弁体の位置の変化に影響を及ぼす有効圧力域にあるときと弁体の位置の変化に影響を及ぼさない無効圧力域にあるときとにおいてディザ信号を変更することを特徴とする。
第1の発明では、パイロット室の圧力の大きさが弁体の位置の変化に影響を及ぼす有効圧力域にあるときと弁体の位置の変化に影響を及ぼさない無効圧力域にあるときとにおいて、ソレノイドバルブに供給される電流に付加されるディザ信号が変更される。つまり、有効圧力域にあるときには、ディザ信号をソレノイドバルブの応答性の向上とヒステリシスの抑制を優先したものに設定し、無効圧力域にあるときには、ディザ信号をパイロット室において生じる圧力変動の抑制を優先したものに設定することが可能である。
第2の発明は、制御部が、パイロット室の圧力の大きさが無効圧力域にあるときのディザ信号の振幅を、パイロット室の圧力の大きさが有効圧力域にあるときのディザ信号の振幅よりも小さくすることを特徴とする。
第2の発明では、パイロット室の圧力の大きさが無効圧力域にあるときのディザ信号の振幅が、パイロット室の圧力の大きさが有効圧力域にあるときのディザ信号の振幅よりも小さく設定される。このように、無効圧力域にあるときには、ディザ信号の振幅を比較的小さくすることによって、パイロット室において圧力変動が生じることを抑制することができる一方、有効圧力域にあるときには、ディザ信号の振幅を比較的大きくすることによって、ソレノイドバルブの応答性を向上させることができるとともにヒステリシスの発生を抑制することができる。
第3の発明は、制御部が、パイロット室の圧力の大きさが無効圧力域にあるときのディザ信号の周波数を、パイロット室の圧力の大きさが有効圧力域にあるときのディザ信号の周波数よりも高くすることを特徴とする。
第3の発明では、パイロット室の圧力の大きさが無効圧力域にあるときのディザ信号の周波数が、パイロット室の圧力の大きさが有効圧力域にあるときのディザ信号の周波数よりも高く設定される。このように、無効圧力域にあるときには、ディザ信号の周波数を比較的高くすることによって、パイロット室において圧力変動が生じることを抑制することができる一方、有効圧力域にあるときには、ディザ信号の周波数を比較的低くすることによって、ソレノイドバルブの応答性を向上させることができるとともにヒステリシスの発生を抑制することができる。
第4の発明は、制御部が、パイロット室の圧力の大きさが有効圧力域にあるか無効圧力域にあるかを、ソレノイドバルブに供給される電流の大きさに基づいて判定することを特徴とする。
第4の発明では、パイロット室の圧力の大きさが有効圧力域にあるか無効圧力域にあるかが、ソレノイドバルブに供給される電流の大きさに基づいて判定される。このため、パイロット室の圧力を検出する圧力検出器や弁体の変位を検出する変位検出器を設けることなく、パイロット室の圧力の大きさが有効圧力域にあるか無効圧力域にあるかを低コストで判定することができる。
第5の発明は、弁体駆動制御装置が、パイロット室の圧力を検出する圧力検出器をさらに備え、制御部が、パイロット室の圧力の大きさが有効圧力域にあるか無効圧力域にあるかを、圧力検出器の出力値に基づいて判定することを特徴とする。
第5の発明では、パイロット室の圧力の大きさが有効圧力域にあるか無効圧力域にあるかが、圧力検出器の出力値に基づいて判定される。このように、パイロット室の圧力を直接検出する圧力検出器を設けることで、パイロット室の圧力の大きさが有効圧力域にあるか無効圧力域にあるかを精度良く判定することができる。
第6の発明は、弁体駆動制御装置が、弁体の変位を検出する変位検出器をさらに備え、制御部が、パイロット室の圧力の大きさが有効圧力域にあるか無効圧力域にあるかを、変位検出器の出力値に基づいて判定することを特徴とする。
第6の発明では、パイロット室の圧力の大きさが有効圧力域にあるか無効圧力域にあるかが、変位検出器の出力値に基づいて判定される。このように、弁体の変位を検出する変位検出器を設けることで、パイロット室の圧力の大きさが有効圧力域にあるか無効圧力域にあるか、すなわち、弁体がストローク端にありパイロット室の容積が変化しない状態となっているか否かを精度良く判定することができる。
第7の発明は、制御部が、有効圧力域と無効圧力域との境界を境にしてディザ信号を有効圧力域用ディザ信号と無効圧力域用ディザ信号とに切り換えることを特徴とする。
第7の発明では、ディザ信号が、有効圧力域と無効圧力域との境界を境にして有効圧力域用ディザ信号と無効圧力域用ディザ信号とに切り換えられる。このように、パイロット室の圧力の大きさが無効圧力域となったことに応じてディザ信号を切り換えることで、パイロット室内に配置されるスプール弁等の部材が振動し、異音を生じたり部材が異常摩耗したりすることを確実に抑制することができる。
第8の発明は、制御部が、有効圧力域から無効圧力域にかけてディザ信号を連続的に変化させることを特徴とする。
第8の発明では、ディザ信号が、有効圧力域から無効圧力域にかけて連続的に変化し、有効圧力域と無効圧力域とにおいては異なるものとなる。このため、有効圧力域と無効圧力域との境界が明確ではない場合であっても、有効圧力域に向かうにつれて、ディザ信号をソレノイドバルブの応答性の向上とヒステリシスの抑制を優先したものとし、無効圧力域に向かうにつれて、ディザ信号をパイロット室において生じる圧力変動の抑制を優先したものとすることが可能である。
本発明の弁体駆動制御装置によれば、異音や摩耗の発生を抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係る弁体駆動制御装置を備える流体圧制御装置の構成を示す概略図である。 ディザ信号が一定であるときの電磁式減圧弁に供給される電流とパイロット圧力と弁体の変位量との関係を示したグラフである。 電磁式減圧弁に供給される電流とディザ信号の振幅の大きさとの関係を示したマップである。 電磁式減圧弁に供給される電流とディザ信号の周波数の高さとの関係を示したマップである。 ディザ信号が変更されたときの電磁式減圧弁に供給される電流とパイロット圧力と弁体の変位量との関係を示したグラフである。 パイロット圧力の大きさとディザ信号の振幅の大きさとの関係を示したマップである。 パイロット圧力の大きさとディザ信号の周波数の高さとの関係を示したマップである。 弁体の変位量とディザ信号の振幅の大きさとの関係を示したマップである。 弁体の変位量とディザ信号の周波数の高さとの関係を示したマップである。 本発明の第2実施形態に係る弁体駆動制御装置を備える流体圧制御装置の構成を示す概略図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
まず、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る弁体駆動制御装置100を備える流体圧制御装置10の構成について説明する。
流体圧制御装置10は、図示しないアクチュエータ等に対する作動流体の給排を切り換えることによって、その作動を制御するものであり、例えば、油圧ショベルやフォークリフト等の作業機に用いられる油圧アクチュエータの伸縮を制御する。
流体圧制御装置10は、作動流体としての作動油が貯留されるタンク21と、作動油を加圧して吐出するポンプ20と、外部に設けられるアクチュエータ等に対して給排される作動油の流れを制御する制御弁30と、ポンプ20と制御弁30とを接続する供給通路22と、制御弁30とタンク21とを接続する排出通路23と、制御弁30の弁体であるスプール弁31の駆動を制御する弁体駆動制御装置100と、を備える。
ポンプ20は、図示しないエンジンや電動モータによって駆動され、タンク21内に貯留された作動油を所定の圧力に加圧し吐出する。ポンプ20から吐出された作動油は、供給通路22及び制御弁30を通じて外部に設けられるアクチュエータ等に供給される。
制御弁30は、油圧パイロット式の方向切換弁であり、図示しない複数のポートと、これらのポート同士の連通を許容または遮断するスプール弁31と、スプール弁31の端部に臨んで形成されるパイロット室35と、スプール弁31に付勢力を付与するスプリング33と、を有する。なお、図示されていないが、スプール弁31の反対側の端部にもパイロット室が設けられている。
制御弁30は、例えば、3ポート3位置切換弁であって、アクチュエータ等に対する作動油の給排を遮断しアクチュエータ等の作動を停止させる中立位置と、アクチュエータ等に作動油を供給してアクチュエータ等を一方の方向へ作動させる供給位置と、アクチュエータ等から作動油を排出させてアクチュエータ等を他方の方向へ作動させる排出位置と、を有する。なお、制御弁30の形式は、3位置切換弁に限定されず、2位置切換弁であってもよい。また、制御弁30のポートの数は特に限定されず、制御対象となるアクチュエータ等の構成に応じて適宜設定される。
スプール弁31は、図示しない複数のランド部やランド部の間に形成される環状溝を有する円柱状部材である。スプール弁31には、パイロット室35に導かれる作動油の圧力であるパイロット圧が作用するとともに、パイロット圧が作用する方向とは反対の方向にスプリング33の付勢力が作用する。このため、スプール弁31は、パイロット圧による推力とスプリング33による付勢力とが釣り合った位置に移動する。
具体的には、パイロット室35内の圧力であるパイロット圧が低く、パイロット圧による推力がスプリング33による付勢力に比べて小さい場合、スプール弁31の位置は、スプリング33の付勢力によって中立位置に保持される。一方、パイロット圧が上昇し、パイロット圧による推力がスプリング33による付勢力を上回ると、スプリング33が圧縮され、スプール弁31は、図1において左側へと変位する。なお、パイロット圧の大きさに対してスプール弁31がどの程度変位するかは、スプール弁31の受圧面積の大きさとスプリング33のバネ定数により一義的に決定される。
弁体駆動制御装置100は、パイロット室35の圧力を制御するソレノイドバルブとしての電磁式減圧弁40と、電磁式減圧弁40にディザ信号が付加された電流を供給する制御部としてのコントローラ50と、を備える。
電磁式減圧弁40は、3ポート2位置切換弁であり、パイロット圧通路28を通じてパイロット室35に接続されるとともに、パイロット供給通路26を通じて供給通路22に接続され、パイロット排出通路27を通じて排出通路23に接続される。電磁式減圧弁40は、制御弁30のハウジングに収装されてもよいし、制御弁30とは別に配置されていてもよい。なお、電磁式減圧弁40を制御弁30のハウジングに収装した場合、パイロット圧通路28やパイロット供給通路26、パイロット排出通路27がハウジング内に形成されるため、流体圧制御装置10を小型化することができる。
電磁式減圧弁40は、パイロット圧通路28とパイロット供給通路26との連通状態及びパイロット圧通路28とパイロット排出通路27との連通状態を切り換える切換弁42と、パイロット圧通路28とパイロット供給通路26とが連通状態になる方向へと切換弁42を押す推力を生じる比例ソレノイド41と、比例ソレノイド41が生じる推力とは反対の方向に向けて切換弁42を押す付勢力を生じるスプリング43と、を有する。
また、電磁式減圧弁40にはパイロット圧通路28から分岐された分岐通路28aが接続されており、分岐通路28aを通じて導かれた作動油の圧力は、パイロット圧通路28とパイロット排出通路27とが連通状態になる方向へと切換弁42を押す推力として切換弁42に作用する。
上記構成の電磁式減圧弁40において、切換弁42の位置は、主に、切換弁42に作用する比例ソレノイド41の推力と、分岐通路28aを通じて導かれたパイロット圧通路28の圧力による推力と、が釣り合った位置に移動する。
具体的には、比例ソレノイド41に所定の電流が供給されると、パイロット圧通路28に対してパイロット供給通路26とパイロット排出通路27とが交互に連通され、やがて、パイロット圧通路28の圧力による推力とスプリング43の付勢力との合力が比例ソレノイド41の推力と釣り合うことによって、パイロット圧通路28内の圧力は、所定の圧力に減圧された状態となる。
つまり、電磁式減圧弁40によって減圧された後の圧力は、比例ソレノイド41の推力の大きさ、すなわち、比例ソレノイド41に供給される電流の大きさを変更することによって任意の大きさに調整することが可能であり、比例ソレノイド41に供給される電流を大きくすれば減圧後の圧力も大きくなり、比例ソレノイド41に供給される電流を小さくすれば減圧後の圧力も小さくなる。
なお、スプリング43の付勢力は、比例ソレノイド41に電流が供給されていないときであっても、切換弁42と比例ソレノイド41の図示しないプランジャとが接した状態が維持されるように、切換弁42をプランジャに対して押し付ける程度の大きさに設定される。
コントローラ50は、中央演算装置(CPU),読み出し専用メモリ(ROM),ランダムアクセスメモリ(RAM),及び入出力インタフェース(I/O インタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。コントローラ50は、単一のマイクロコンピュータで構成されていてもよいし、複数のマイクロコンピュータで構成されていてもよい。
また、コントローラ50には、電磁式減圧弁40の比例ソレノイド41をPWM制御するために、任意のデューティ比を有する制御電流を生成可能な図示しないドライバが内蔵される。このドライバでは、比例ソレノイド41の不感帯をなくすために、生成された制御電流に対して所定の周波数及び振幅を有するディザ信号が付加される。このようにディザ信号が付加された制御電流を電磁式減圧弁40に供給することによって、比例ソレノイド41のプランジャを常に微振動させ、プランジャに静摩擦抵抗が作用しないようにすることで比例ソレノイド41の応答性を向上させるとともにヒステリシスの発生を抑制している。
また、コントローラ50には、パイロット室35の圧力を検出する圧力検出器としての圧力センサ51の検出値と、スプール弁31の変位を検出する変位検出器としての変位センサ52の検出値と、作業者によって操作される図示しない操作レバーの検出値と、が入力される。
コントローラ50は、操作レバーを介して作業者による操作量や操作速度が入力されると、入力された操作量等に応じた電流を電磁式減圧弁40の比例ソレノイド41に供給し、パイロット室35に導かれる作動油の圧力の大きさを調整することによって、制御弁30の作動、すなわち、アクチュエータ等の作動を制御している。
次に、図1及び図2を参照して、流体圧制御装置10の作動について説明する。図2は、電磁式減圧弁40に供給される電流に対してパイロット室35内の圧力の大きさとスプール弁31の変位量とがどのように変化するかを示したグラフである。
ポンプ20が駆動されると、ポンプ20から吐出される作動油は、供給通路22及びパイロット供給通路26を通じて電磁式減圧弁40に導かれる。この状態において、操作レバーを介して作業者の操作に応じた操作信号がコントローラ50に入力されると、操作信号に基づいて電磁式減圧弁40の比例ソレノイド41にコントローラ50から電流が供給される。
比例ソレノイド41に電流が供給されると、パイロット供給通路26に供給された作動油の圧力が電磁式減圧弁40によって減圧され、減圧された作動油がパイロット圧通路28を通じてパイロット室35に導かれる。
ここで、上述のように、パイロット室35内の圧力であるパイロット圧の大きさは、電磁式減圧弁40に供給される電流の大きさに応じて変化する。このため、図2に示すように、比例ソレノイド41に供給される電流の大きさが第1電流値I1になると、パイロット圧の大きさは第1圧力P1となり、比例ソレノイド41に供給される電流の大きさが第1電流値I1よりも大きい第2電流値I2になると、パイロット圧の大きさは第1圧力P1よりも大きい第2圧力P2となる。
そして、パイロット圧の大きさが第1圧力P1以上、第2圧力P2以下であると、パイロット圧による推力がスプリング33による付勢力を上回って、スプリング33が圧縮され、スプール弁31は第1位置S1と第2位置S2との間で変位することになる。このように、パイロット圧の大きさが、スプール弁31の位置の変化に影響を及ぼす有効圧力域の範囲内にあれば、スプール弁31は変位可能であり、スプール弁31の変位量は、比例ソレノイド41に供給される電流の大きさ及びパイロット圧の大きさにほぼ比例して変化する。
なお、スプール弁31の第1位置S1とは、図1に示されるようにスプール弁31が一方のストローク端にあるときの位置であり、第2位置S2とは、図1に示される位置から左側へとスプール弁31が移動し、図示しないストッパによりスプール弁31の移動が制限される位置であって、スプール弁31が他方のストローク端にあるときの位置である。
一方で、比例ソレノイド41に供給される電流の大きさが第1電流値I1未満となり、パイロット圧の大きさが第1圧力P1未満となると、パイロット圧による推力がスプリング33による付勢力を下回る状態となるため、スプール弁31は第1位置S1に留まることになる。このように、パイロット圧の大きさが、スプール弁31の位置の変化に影響を及ぼさない無効圧力域である第1無効圧力域にあると、スプール弁31は変位不可能となる。
また、比例ソレノイド41に供給される電流の大きさが第2電流値I2を超え、パイロット圧の大きさが第2圧力P2を超えると、パイロット圧による推力はスプリング33による付勢力を大幅に上回ることになる。しかし、スプール弁31の移動はストッパにより所定の大きさに制限されるため、スプール弁31は第2位置S2を超えて移動することはない。このように、パイロット圧の大きさが、スプール弁31の位置の変化に影響を及ぼさない無効圧力域である第2無効圧力域にあると、スプール弁31は変位不可能となる。
ここで、上述のように比例ソレノイド41に供給される電流には所定の周波数及び振幅を有するディザ信号が付加されている。このため、比例ソレノイド41のプランジャと、プランジャが当接する切換弁42と、は常に微振動している。切換弁42が微振動すると、パイロット圧通路28に対してパイロット供給通路26とパイロット排出通路27とが頻繁に交互に連通されることとなり、パイロット圧通路28の圧力、すなわち、パイロット圧が変動することになる。
パイロット圧の大きさが有効圧力域の範囲内にあるときは、スプール弁31が変位可能であることから、パイロット室35の容積もスプール弁31の変位に応じて変化可能である。このため、ディザ信号の影響によりパイロット圧が多少変動したとしても、その変動はパイロット室35の容積がわずかに変化することによって吸収される。したがって、パイロット圧の大きさが有効圧力域の範囲内にあるときは、図2に示すように、パイロット圧はディザ信号の影響により変動することはない。
一方で、パイロット圧の大きさが第1無効圧力域にあるときは、スプール弁31は第1位置S1から変位しないため、パイロット室35の容積は全く変化せず一定となる。このため、ディザ信号の影響によりパイロット圧がわずかに変動すると、その変動は吸収されることなく、パイロット室35内の圧力は変動し続ける。このように、パイロット圧の大きさが第1無効圧力域にあるときは、図2に示すように、パイロット圧はディザ信号の影響により変動してしまう。
同様に、パイロット圧の大きさが第2無効圧力域にあるときは、スプール弁31は第2位置S2から変位しないため、パイロット室35の容積は全く変化せず一定となる。このため、パイロット圧の大きさが第2無効圧力域にあるときは、第1無効圧力域にあるときと同様に、パイロット圧はディザ信号の影響により変動してしまう。
このように、パイロット圧が変動すると、パイロット室35内に配置されるスプール弁31やスプール弁31に付勢力を付与するスプリング33、スプリング33を支持するスプリングシートが振動し、異音を生じたり部材が異常摩耗したりするおそれがある。
このようなパイロット圧の変動をなくすには、ディザ信号を付加しないことが考えられるが、ディザ信号を廃止してしまうと、比例ソレノイド41の応答性が低下し、結果としてアクチュエータ等の作動性が悪化するおそれがある。
このため、本実施形態では、パイロット圧の大きさが有効圧力域にあるときと第1無効圧力域または第2無効圧力域にあるときとにおいてディザ信号を変更し、第1無効圧力域または第2無効圧力域にあるときに生じるパイロット圧の変動を抑制している。
具体的には、コントローラ50は、図3及び図4に示すマップを有し、有効圧力域と第1無効圧力域または第2無効圧力域とにおいて、ディザ信号の振幅と周波数を変更している。
まず、図3を参照し、ディザ信号の振幅の変更について説明する。図3に実線で示されるマップにおいて、ディザ信号の振幅は、比例ソレノイド41に供給される電流の大きさに応じて変更される。
上述のように、パイロット圧の大きさは、比例ソレノイド41に供給される電流の大きさと相関性を有する。このため、コントローラ50は、パイロット圧の大きさが有効圧力域と第1無効圧力域または第2無効圧力域との何れにあるかを、比例ソレノイド41に供給される電流の大きさに基づいて判定可能である。
したがって、コントローラ50は、図3に実線で示されるマップに基づき、比例ソレノイド41に供給される電流の大きさが第1電流値I1以上、第2電流値I2以下であり、パイロット圧の大きさが有効圧力域の範囲内にあると判定すると、ディザ信号の振幅を比較的大きな第1振幅A1に設定する。
一方、比例ソレノイド41に供給される電流の大きさが第1電流値I1未満であり、パイロット圧の大きさが第1無効圧力域にあると判定すると、コントローラ50は、ディザ信号の振幅を第1振幅A1より小さい第2振幅A2に設定する。
同様に、比例ソレノイド41に供給される電流の大きさが第2電流値I2を超えており、パイロット圧の大きさが第2無効圧力域にあると判定すると、コントローラ50は、ディザ信号の振幅を第1振幅A1より小さい第2振幅A2に設定する。
このように、ディザ信号の影響によってパイロット圧が変動するおそれのない有効圧力域では、ディザ信号の振幅を比較的大きな第1振幅A1に設定することにより、比例ソレノイド41のプランジャを確実に振動させて、プランジャに静摩擦抵抗が作用しないようにすることで比例ソレノイド41の応答性を向上させるとともにヒステリシスの発生を抑制することができる。
一方で、ディザ信号の影響によってパイロット圧が変動するおそれがある第1無効圧力域及び第2無効圧力域では、ディザ信号の振幅を第1振幅A1より小さい第2振幅A2に設定することにより、比例ソレノイド41のプランジャの振動を小さくすることで、電磁式減圧弁40により減圧された後の圧力が変動すること、すなわち、パイロット圧が変動することを抑制することができる。第2振幅A2は、パイロット室35内に配置される部材がパイロット圧の変動によって振動し、異音を生じたり部材が異常摩耗したりすることが抑制される程度の大きさに設定される。なお、第2振幅A2の大きさは、第1無効圧力域にあるときと第2無効圧力域にあるときとで異なる大きさとしてもよい。
次に、図4を参照し、ディザ信号の周波数の変更について説明する。図4に実線で示されるマップにおいて、ディザ信号の周波数は、比例ソレノイド41に供給される電流の大きさに応じて変更される。
コントローラ50は、ディザ信号の振幅を設定する場合と同様に、図4に実線で示されるマップに基づき、比例ソレノイド41に供給される電流の大きさが第1電流値I1以上、第2電流値I2以下であり、パイロット圧の大きさが有効圧力域の範囲内にあると判定すると、ディザ信号の周波数を比較的低い第1周波数F1に設定する。
一方、比例ソレノイド41に供給される電流の大きさが第1電流値I1未満であり、パイロット圧の大きさが第1無効圧力域にあると判定すると、コントローラ50は、ディザ信号の周波数を第1周波数F1より高い第2周波数F2に設定する。
同様に、比例ソレノイド41に供給される電流の大きさが第2電流値I2を超えており、パイロット圧の大きさが第2無効圧力域にあると判定すると、コントローラ50は、ディザ信号の周波数を第1周波数F1より高い第2周波数F2に設定する。
このように、ディザ信号の影響によってパイロット圧が変動するおそれのない有効圧力域では、ディザ信号の周波数を比較的低い第1周波数F1に設定することにより、比例ソレノイド41のプランジャを確実に振動させて、プランジャに静摩擦抵抗が作用しないようにすることで比例ソレノイド41の応答性を向上させるとともにヒステリシスの発生を抑制することができる。
一方で、ディザ信号の影響によってパイロット圧が変動するおそれがある第1無効圧力域及び第2無効圧力域では、ディザ信号の周波数が第1周波数F1より高い第2周波数F2に設定される。このようにディザ信号の周波数を高くすると、比例ソレノイド41のプランジャの振動がディザ信号の周波数に追従できなくなるため、プランジャは振動しにくくなる。この結果、電磁式減圧弁40により減圧された後の圧力が変動すること、すなわち、パイロット圧が変動することを抑制することができる。第2周波数F2は、第1周波数F1に比べて、比例ソレノイド41のプランジャの振動が追従しにくくなる程度の高さに設定される。なお、第2周波数F2の高さは、第1無効圧力域にあるときと第2無効圧力域にあるときとで異なる高さとしてもよい。
このようにパイロット圧の大きさが有効圧力域にあるときと第1無効圧力域または第2無効圧力域にあるときとにおいてディザ信号の振幅及び周波数を変更することによって、図5に示すように、第1無効圧力域または第2無効圧力域にあるときに生じるパイロット圧の変動を抑制することが可能となる。この結果、パイロット室35内に配置されるスプール弁31等の部材が振動し、異音を生じたり部材が異常摩耗したりすることを抑制することができる。
なお、ディザ信号の振幅及び周波数は、図3及び図4において実線で示されるように、有効圧力域と第1無効圧力域または第2無効圧力域との境界を境にして切り換えられるものであってもよいし、図3及び図4において破線で示されるように、有効圧力域から第1無効圧力域または第2無効圧力域にかけて連続的に変化するものであってもよい。このようにディザ信号を連続的に変化させることによって、有効圧力域と無効圧力域との境界が明確ではない場合であっても、有効圧力域に向かうにつれて、ディザ信号を比例ソレノイド41の応答性の向上とヒステリシスの抑制を優先したものとし、無効圧力域に向かうにつれて、ディザ信号をパイロット室35において生じる圧力変動の抑制を優先したものとすることが可能となる。
以上の説明において、第1振幅A1及び第1周波数F1が適用されたディザ信号が有効圧力域用ディザ信号に相当し、第2振幅A2及び第2周波数F2が適用されたディザ信号が無効圧力域用ディザ信号に相当する。なお、ディザ信号の振幅と周波数との両方を変更することに代えて、何れか一方のみを変更してもよい。この場合であっても第1無効圧力域または第2無効圧力域にあるときに生じるパイロット圧の変動を抑制することができる。
以上の第1実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
弁体駆動制御装置100では、パイロット室35の圧力の大きさがスプール弁31の位置の変化に影響を及ぼす有効圧力域にあるときとスプール弁31の位置の変化に影響を及ぼさない無効圧力域にあるときとにおいて、電磁式減圧弁40に供給される電流に付加されるディザ信号が変更される。つまり、パイロット室35の圧力の大きさがスプール弁31の位置の変化に影響を及ぼす有効圧力域にあるときには、ディザ信号の諸元を電磁式減圧弁40の応答性の向上とヒステリシスの抑制を優先したものに設定し、パイロット室35の圧力の大きさがスプール弁31の位置の変化に影響を及ぼさない無効圧力域にあるときには、ディザ信号の諸元をパイロット室35において生じる圧力変動の抑制を優先したものに設定することが可能である。この結果、パイロット室35内に配置されるスプール弁31等の部材が振動し、異音を生じたり部材が異常摩耗したりすることを抑制することができる。
以下、本発明の第1実施形態に係る弁体駆動制御装置100の変形例について説明する。
上記第1実施形態では、コントローラ50は、パイロット圧の大きさが有効圧力域と第1無効圧力域または第2無効圧力域との何れにあるかを、比例ソレノイド41に供給される電流の大きさに基づいて判定し、判定結果に応じてディザ信号を変更している。これに代えて、図6及び図7に示すマップのようにパイロット室35内の圧力の大きさに基づいてディザ信号を変更してもよいし、図8及び図9に示すマップのようにスプール弁31の変位量に基づいてディザ信号を変更してもよい。
まず、図6及び図7に示されるマップに基づいてディザ信号を変更する場合について説明する。図6及び図7に示されるマップでは、パイロット室35内の圧力の大きさに応じてディザ信号の振幅及び周波数が変更される。
この場合、コントローラ50は、パイロット圧の大きさが有効圧力域と第1無効圧力域または第2無効圧力域との何れにあるかを、パイロット室35の圧力を検出する圧力センサ51の検出値に基づいて判定する。具体的には、圧力センサ51の検出値が第1圧力P1以上、第2圧力P2以下であれば、パイロット圧の大きさが有効圧力域の範囲内にあると判定し、圧力センサ51の検出値が第1圧力P1未満であれば、パイロット圧の大きさが第1無効圧力域にあると判定し、圧力センサ51の検出値が第2圧力P2を超えていれば、パイロット圧の大きさが第2無効圧力域にあると判定する。
パイロット圧の大きさが有効圧力域と第1無効圧力域または第2無効圧力域との何れにあるかがコントローラ50により判定されると、上記第1実施形態と同様に、判定結果に応じてディザ信号の振幅及び周波数が設定される。
ここで、スプール弁31がどのようなパイロット圧の範囲において作動するかは、スプール弁31の受圧面積の大きさとスプリング33のバネ定数により一義的に決まっている。このため、パイロット圧の大きさを直接的に検出する圧力センサ51の検出値に基づいて有効圧力域にあるか否かを判定すれば、より精度よく判定することができる。この結果、比例ソレノイド41に供給される電流に付加されるディザ信号を適切に変更することができる。
ディザ信号の振幅及び周波数は、図6及び図7において実線で示されるように、有効圧力域と第1無効圧力域または第2無効圧力域との境界を境にして切り換えられるものであってもよいし、図6及び図7において破線で示されるように、有効圧力域から第1無効圧力域または第2無効圧力域にかけて連続的に変化するものであってもよい。
なお、上記第1実施形態のように、圧力センサ51の検出値を用いることなくパイロット圧の大きさが有効圧力域にあるか否かを判定する場合は、圧力センサ51を廃止し、弁体駆動制御装置の100の製造コストを低減させることができる。
次に、図8及び図9に示されるマップに基づいてディザ信号を変更する場合について説明する。図8及び図9に示されるマップでは、スプール弁31の変位量に応じてディザ信号の振幅及び周波数が変更される。
この場合、コントローラ50は、パイロット圧の大きさが有効圧力域と第1無効圧力域または第2無効圧力域との何れにあるかを、スプール弁31の変位を検出する変位センサ52の検出値に基づいて判定する。具体的には、スプール弁31の位置が第1位置S1と第2位置S2との間にあれば、パイロット圧の大きさが有効圧力域の範囲内にあると判定し、スプール弁31の位置が一方のストローク端である第1位置S1であれば、パイロット圧の大きさが第1無効圧力域にあると判定し、スプール弁31の位置が他方のストローク端である第2位置S2であれば、パイロット圧の大きさが第2無効圧力域にあると判定する。
パイロット圧の大きさが有効圧力域と第1無効圧力域または第2無効圧力域との何れにあるかがコントローラ50により判定されると、上記第1実施形態と同様に、判定結果に応じてディザ信号の振幅及び周波数が設定される。
ここで、スプール弁31の位置が第1位置S1と第2位置S2との間にあるときは、パイロット圧の大きさはスプール弁31の位置の変化に影響を及ぼす大きさとなっており、スプール弁31の位置が第1位置S1または第2位置S2にあるときは、パイロット圧の大きさはスプール弁31の位置の変化に影響を及ぼさない大きさとなっている。
このため、スプール弁31の位置を直接的に検出する変位センサ52の検出値に基づいて有効圧力域にあるか否かを判定すれば、より精度よく判定することができる。この結果、比例ソレノイド41に供給される電流に付加されるディザ信号を適切に変更することができる。
なお、変位検出器としては、スプール弁31のフルストローク量を検出できるものに限定されず、単にスプール弁31がストローク端にあるか否かを検出可能なものであってもよい。また、上記第1実施形態のように、変位センサ52の検出値を用いることなくパイロット圧の大きさが有効圧力域にあるか否かを判定する場合は、変位センサ52を廃止し、弁体駆動制御装置の100の製造コストを低減させることができる。
また、上記第1実施形態では、電磁式減圧弁40は、供給される電流が大きくなるにつれて減圧後の圧力が大きくなるいわゆる正比例減圧弁である。これに代えて、電磁式減圧弁40は、供給される電流が大きくなるにつれて減圧後の圧力が小さくなるいわゆる逆比例減圧弁であってもよい。
<第2実施形態>
次に、図10を参照して、本発明の第2実施形態に係る弁体駆動制御装置200について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付し説明を省略する。
弁体駆動制御装置200の基本的な構成は、第1実施形態に係る弁体駆動制御装置100と同じである。弁体駆動制御装置200では、パイロット圧の大きさがソレノイドバルブとしての電磁式流量制御弁140によって制御される点で弁体駆動制御装置100と相違する。
電磁式流量制御弁140は、3ポート3位置切換弁であり、パイロット圧通路28を通じてパイロット室35に接続されるとともに、パイロット供給通路26を通じて供給通路22に接続され、パイロット排出通路27を通じて排出通路23に接続される。電磁式流量制御弁140は、制御弁30のハウジングに収装されてもよいし、制御弁30とは別に配置されていてもよい。
電磁式流量制御弁140は、パイロット圧通路28とパイロット供給通路26との連通状態及びパイロット圧通路28とパイロット排出通路27との連通状態を切り換える切換弁142と、パイロット圧通路28とパイロット供給通路26とが連通状態になる方向へと切換弁142を押す推力を生じる比例ソレノイド141と、パイロット圧通路28とパイロット排出通路27とが連通状態になる方向へと切換弁142を押す付勢力を生じるスプリング143と、を有する。
上記構成の電磁式流量制御弁140において、切換弁142の位置は、電磁式減圧弁40とは異なり、減圧後の圧力に関わらず、比例ソレノイド141の推力と、スプリング143の付勢力と、が釣り合った位置に移動する。
このため、パイロット室35の圧力が目標パイロット圧となるように、圧力センサ51により検出される実際のパイロット圧に応じて電磁式流量制御弁140の比例ソレノイド141に供給される電流値が制御される。
このように、弁体駆動制御装置200では、第1実施形態に係る弁体駆動制御装置100のように、比例ソレノイド141に供給される電流の大きさと電磁式流量制御弁140によって減圧された後の圧力とに相関性がない。このため、コントローラ50は、圧力センサ51により検出されるパイロット室35の圧力、または、変位センサ52により検出されるスプール弁31の変位に基づいてパイロット圧の大きさが有効圧力域と第1無効圧力域または第2無効圧力域との何れにあるかを判定する。
そして、パイロット圧の大きさが有効圧力域と第1無効圧力域または第2無効圧力域との何れにあるかがコントローラ50により判定されると、コントローラ50は、図6〜9に示されるマップに基づいて、上記第1実施形態と同様に、判定結果に応じてディザ信号の振幅及び周波数を設定する。
このように第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、パイロット室35の圧力の大きさがスプール弁31の位置の変化に影響を及ぼす有効圧力域にあるときとスプール弁31の位置の変化に影響を及ぼさない無効圧力域にあるときとにおいて、電磁式流量制御弁140に供給される電流に付加されるディザ信号が変更される。つまり、パイロット室35の圧力の大きさがスプール弁31の位置の変化に影響を及ぼす有効圧力域にあるときには、ディザ信号の諸元を電磁式流量制御弁140の応答性の向上とヒステリシスの抑制を優先したものに設定し、パイロット室35の圧力の大きさがスプール弁31の位置の変化に影響を及ぼさない無効圧力域にあるときには、ディザ信号の諸元をパイロット室35において生じる圧力変動の抑制を優先したものに設定することが可能である。この結果、パイロット室35内に配置されるスプール弁31等の部材が振動し、異音を生じたり部材が異常摩耗したりすることを抑制することができる。
以下、本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
パイロット室35の圧力に応じて変位するスプール弁31の駆動を制御する弁体駆動制御装置100,200は、パイロット室35の圧力を制御するソレノイドバルブ40,140と、ディザ信号が付加された電流をソレノイドバルブ40,140に供給するコントローラ50と、を備え、コントローラ50は、パイロット室35の圧力の大きさが、スプール弁31の位置の変化に影響を及ぼす有効圧力域にあるときとスプール弁31の位置の変化に影響を及ぼさない無効圧力域にあるときとにおいてディザ信号を変更する。
この構成では、パイロット室35の圧力の大きさがスプール弁31の位置の変化に影響を及ぼす有効圧力域にあるときとスプール弁31の位置の変化に影響を及ぼさない無効圧力域にあるときとにおいて、ソレノイドバルブ40,140に供給される電流に付加されるディザ信号が変更される。つまり、有効圧力域にあるときには、ディザ信号の諸元をソレノイドバルブ40,140の応答性の向上とヒステリシスの抑制を優先したものに設定し、無効圧力域にあるときには、ディザ信号の諸元をパイロット室35において生じる圧力変動の抑制を優先したものに設定することが可能である。この結果、パイロット室35内に配置されるスプール弁31等の部材が振動し、異音を生じたり部材が異常摩耗したりすることを抑制することができる。
また、コントローラ50は、パイロット室35の圧力の大きさが無効圧力域にあるときのディザ信号の第2振幅A2を、パイロット室35の圧力の大きさが有効圧力域にあるときのディザ信号の第1振幅A1よりも小さくする。
この構成では、パイロット室35の圧力の大きさが無効圧力域にあるときのディザ信号の第2振幅A2が、パイロット室35の圧力の大きさが有効圧力域にあるときのディザ信号の第1振幅A1よりも小さく設定される。このように、パイロット室35の圧力の大きさが無効圧力域にあるときには、ディザ信号の振幅を比較的小さい第2振幅A2に設定することによって、パイロット室35において圧力変動が生じることを抑制することができる一方、パイロット室35の圧力の大きさが有効圧力域にあるときには、ディザ信号の振幅を比較的大きい第1振幅A1に設定することによって、ソレノイドバルブ40,140の応答性を向上させることができるとともにヒステリシスの発生を抑制することができる。
また、コントローラ50は、パイロット室35の圧力の大きさが無効圧力域にあるときのディザ信号の第2周波数F2を、パイロット室35の圧力の大きさが有効圧力域にあるときのディザ信号の第1周波数F1よりも高くする。
この構成では、パイロット室35の圧力の大きさが無効圧力域にあるときのディザ信号の第2周波数F2が、パイロット室35の圧力の大きさが有効圧力域にあるときのディザ信号の第1周波数F1よりも高く設定される。このように、パイロット室35の圧力の大きさが無効圧力域にあるときには、ディザ信号の周波数を比較的高い第2周波数F2に設定することによって、パイロット室35において圧力変動が生じることを抑制することができる一方、パイロット室35の圧力の大きさが有効圧力域にあるときには、ディザ信号の周波数を比較的低い第1周波数F1に設定することによって、ソレノイドバルブ40,140の応答性を向上させることができるとともにヒステリシスの発生を抑制することができる。
また、コントローラ50は、パイロット室35の圧力の大きさが有効圧力域にあるか無効圧力域にあるかを、電磁式減圧弁40に供給される電流の大きさに基づいて判定する
この構成では、パイロット室35の圧力の大きさが有効圧力域にあるか無効圧力域にあるかが、電磁式減圧弁40に供給される電流の大きさに基づいて判定される。パイロット室35の圧力の大きさは、電磁式減圧弁40に供給される電流に応じて変化する。このため、圧力センサ51や変位センサ52を設けることなく、パイロット室35の圧力の大きさが有効圧力域にあるか無効圧力域にあるかを低コストで判定することができる。
また、弁体駆動制御装置100,200は、パイロット室35の圧力を検出する圧力センサ51をさらに備え、コントローラ50は、パイロット室35の圧力の大きさが有効圧力域にあるか無効圧力域にあるかを、圧力センサ51の出力値に基づいて判定する。
この構成では、パイロット室35の圧力の大きさが有効圧力域にあるか無効圧力域にあるかが、圧力センサ51の出力値に基づいて判定される。このように、パイロット室35の圧力を直接検出する圧力センサ51を設けることで、パイロット室35の圧力の大きさが有効圧力域にあるか無効圧力域にあるかを精度良く判定することができる。このため、ディザ信号の変更を適切なタイミングで行うことが可能となり、結果として、パイロット室35内に配置されるスプール弁31等の部材が振動し、異音を生じたり部材が異常摩耗したりすることを確実に抑制することができる。
また、弁体駆動制御装置100,200は、スプール弁31の変位を検出する変位センサ52をさらに備え、コントローラ50は、パイロット室35の圧力の大きさが有効圧力域にあるか無効圧力域にあるかを、変位センサ52の出力値に基づいて判定する。
この構成では、パイロット室35の圧力の大きさが有効圧力域にあるか無効圧力域にあるかが、変位センサ52の出力値に基づいて判定される。このように、スプール弁31の変位を検出する変位センサ52を設けることで、パイロット室35の圧力の大きさが有効圧力域にあるか無効圧力域にあるか、すなわち、スプール弁31がストローク端にありパイロット室35の容積が変化しない状態となっているか否かを精度良く判定することができる。このため、ディザ信号の変更を適切なタイミングで行うことが可能となり、結果として、パイロット室35内に配置されるスプール弁31等の部材が振動し、異音を生じたり部材が異常摩耗したりすることを確実に抑制することができる。
また、コントローラ50は、有効圧力域と無効圧力域との境界を境にしてディザ信号を有効圧力域用ディザ信号A1,F1と無効圧力域用ディザ信号A2,F2とに切り換える。
この構成では、ディザ信号が、有効圧力域と無効圧力域との境界を境にして有効圧力域用ディザ信号A1,F1と無効圧力域用ディザ信号A2,F2とに切り換えられる。つまり、有効圧力域にあるときには、ディザ信号が、ソレノイドバルブ40,140の応答性の向上とヒステリシスの抑制を優先したものに切り換えられ、無効圧力域にあるときには、ディザ信号が、パイロット室35において生じる圧力変動の抑制を優先したものに切り換えられる。このように、パイロット室35の圧力の大きさが無効圧力域となったことに応じてディザ信号を切り換えることで、パイロット室35内に配置されるスプール弁31等の部材が振動し、異音を生じたり部材が異常摩耗したりすることを確実に抑制することができる。
また、コントローラ50は、有効圧力域から無効圧力域にかけてディザ信号を連続的に変化させる。
この構成では、ディザ信号が、有効圧力域から無効圧力域にかけて連続的に変化する。つまり、ディザ信号は、有効圧力域と無効圧力域との境界近傍において急激に変化することはないものの、有効圧力域と無効圧力域とにおいては全く異なるものとなる。このため、有効圧力域と無効圧力域との境界が明確ではない場合であっても、有効圧力域に向かうにつれて、ディザ信号をソレノイドバルブ40,140の応答性の向上とヒステリシスの抑制を優先したものとし、無効圧力域に向かうにつれて、ディザ信号をパイロット室35において生じる圧力変動の抑制を優先したものとすることが可能となる。この結果、パイロット室35内に配置されるスプール弁31等の部材が振動し、異音を生じたり部材が異常摩耗したりすることを確実に抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、上記実施形態における弁体はスプール弁であるが、弁体としてはスプール弁に限定されず、ポペット弁であってもよく、パイロット室の圧力に応じて変位する弁体であればどのような形式の弁体であってもよい。
100,200・・・弁体駆動制御装置、10・・・流体圧制御装置、30・・・制御弁、31・・・スプール弁(弁体)、35・・・パイロット室、40・・・電磁式減圧弁(ソレノイドバルブ)、50・・・コントローラ(制御部)、51・・・圧力センサ(圧力検出器)、52・・・変位センサ(変位検出器)、140・・・電磁式流量制御弁(ソレノイドバルブ)

Claims (8)

  1. パイロット室の圧力に応じて変位する弁体の駆動を制御する弁体駆動制御装置であって、
    前記パイロット室の圧力を制御するソレノイドバルブと、
    ディザ信号が付加された電流を前記ソレノイドバルブに供給する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記パイロット室の圧力の大きさが、前記弁体の位置の変化に影響を及ぼす有効圧力域にあるときと前記弁体の位置の変化に影響を及ぼさない無効圧力域にあるときとにおいて前記ディザ信号を変更することを特徴とする弁体駆動制御装置。
  2. 前記制御部は、前記パイロット室の圧力の大きさが前記無効圧力域にあるときの前記ディザ信号の振幅を、前記パイロット室の圧力の大きさが前記有効圧力域にあるときの前記ディザ信号の振幅よりも小さくすることを特徴とする請求項1に記載の弁体駆動制御装置。
  3. 前記制御部は、前記パイロット室の圧力の大きさが前記無効圧力域にあるときの前記ディザ信号の周波数を、前記パイロット室の圧力の大きさが前記有効圧力域にあるときの前記ディザ信号の周波数よりも高くすることを特徴とする請求項1または2に記載の弁体駆動制御装置。
  4. 前記制御部は、前記パイロット室の圧力の大きさが前記有効圧力域にあるか前記無効圧力域にあるかを、前記ソレノイドバルブに供給される電流の大きさに基づいて判定することを特徴とする請求項1から3の何れか1つに記載の弁体駆動制御装置。
  5. 前記パイロット室の圧力を検出する圧力検出器をさらに備え、
    前記制御部は、前記パイロット室の圧力の大きさが前記有効圧力域にあるか前記無効圧力域にあるかを、前記圧力検出器の出力値に基づいて判定することを特徴とする請求項1から3の何れか1つに記載の弁体駆動制御装置。
  6. 前記弁体の変位を検出する変位検出器をさらに備え、
    前記制御部は、前記パイロット室の圧力の大きさが前記有効圧力域にあるか前記無効圧力域にあるかを、前記変位検出器の出力値に基づいて判定することを特徴とする請求項1から3の何れか1つに記載の弁体駆動制御装置。
  7. 前記制御部は、前記有効圧力域と前記無効圧力域との境界を境にして前記ディザ信号を有効圧力域用ディザ信号と無効圧力域用ディザ信号とに切り換えることを特徴とする請求項1から6の何れか1つに記載の弁体駆動制御装置。
  8. 前記制御部は、前記有効圧力域から前記無効圧力域にかけて前記ディザ信号を連続的に変化させることを特徴とする請求項1から6の何れか1つに記載の弁体駆動制御装置。
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