JP2019085865A - 車両用ドア開閉装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スピンドルナットのガイド管に対する相対回転を効果的に防止する。【解決手段】本発明の車両用ドア開閉装置1は、モータ駆動機構30と、モータ駆動機構30を収容する第1ハウジング10と、モータ駆動機構30に接続されたスピンドル駆動機構40と、第1ハウジング10に対して同軸状に配置され、スピンドル駆動機構によって第1ハウジング10に対して相対的に移動する第2ハウジング20とを備える。スピンドル駆動機構40は、モータ駆動機構30に接続されたスピンドル50と、スピンドル50と螺合するスピンドルナット60と、スピンドルナット60に対して相対回転しないように固定され、外周に突起部71が設けられたプッシュロッド70と、プッシュロッド70の突起部71を軸方向に案内するガイド溝81が形成されたガイド管80とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、車両用ドア開閉装置に関する。
特許文献1の駆動装置は、ハウジング管と、ハウジング管を摺動案内するカバー管とを備える。ハウジング管は、ねじスピンドルと、ねじスピンドル上に配置されたスピンドルナットとを有するスピンドル駆動部、及びスピンドル駆動部を回転駆動可能な回転駆動装置を備える。ねじスピンドルは、ハウジング管に、回転可能かつ軸線方向に移動不能に支持されており、回転駆動装置によって回転駆動可能である。スピンドルナットは、ハウジング管に対して相対回転不能に連結されている。また、この駆動装置は、ねじスピンドルを同心状に包囲するスピンドル管と、スピンドル管を離間して包囲するようにハウジング管に固着されたガイド管とを備える。スピンドル管の一方の端部は、スピンドルナットに連結されている。この駆動装置では、回転駆動装置によってねじスピンドルが回転駆動されると、スピンドルナット及びスピンドル管と共にカバー管は、軸方向に移動する。
また、特許文献1には、ねじスピンドルの回転に伴ってスピンドルナットが連れ廻りして、スピンドルナットがガイド管に対して相対回転することを防止する回転規制構造を備える駆動装置が開示されている。この回転規制構造は、スピンドル管に固着された摺動子と、ガイド管に半径方向に貫通するように設けられた軸線方向スリットとから構成されている。摺動子を軸線方向スリットに突入させることで、スピンドル管及びスピンドル管に連結されているスピンドルナットと、ガイド管及びガイド管に固着されたハウジング管との相対回転を防止する。
特許第4430044号公報
しかし、特許文献1の駆動装置では、スピンドルナットと、スピンドルナットに固着されたスピンドル管と、スピンドル管に固着された摺動子とはそれぞれ別体に形成されている。このため、各部品の取り付け状況や加工寸法のばらつき等により、スピンドルナットがガイド管に対して相対回転して、ねじスピンドルの回転駆動がスピンドル管及びスピンドルナットの軸方向への直進運動に効率よく変換されない恐れがある。
本発明は、スピンドルナットのガイド管に対する相対回転を効果的に防止できる車両用ドア開閉装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、モータ駆動機構と、前記モータ駆動機構を収容する第1ハウジングと、前記モータ駆動機構に接続されたスピンドル駆動機構と、前記第1ハウジングに対して同軸状に配置され、前記スピンドル駆動機構によって前記第1ハウジングに対して相対的に移動する第2ハウジングとを備え、前記スピンドル駆動機構は、前記モータ駆動機構に接続されたスピンドルと、前記スピンドルと螺合するスピンドルナットと、前記スピンドルナットに対して相対回転しないように固定され、外周に突起部が設けられたプッシュロッドと、前記プッシュロッドの前記突起部を軸方向に案内するガイド溝が形成されたガイド管とを備える、車両用ドア開閉装置を提供する。
この車両用ドア開閉装置によれば、プッシュロッドがスピンドルナットに対して相対回転しないように固定されており、プッシュロッドの突起部が、ガイド管のガイド溝に軸方向に案内される。このため、スピンドルの回転運動はスピンドルナット及びプッシュロッドのガイド管に対する相対移動に変換され、スピンドルナットのガイド管に対する相対回転を効果的に防止できる。
本発明の車両用ドア開閉装置は、スピンドルナットのガイド管に対する相対回転を防止できる。
本発明の第1実施形態に係る車両用ドア開閉装置が採用される車体の後部を示す斜視図。 第1実施形態に係る車両用ドア開閉装置の縦断面図。 プッシュロッドと、スピンドルナットの分解斜視図。 ガイド管と、スピンドルナットを一体に設けたプッシュロッドとの分解斜視図。 伸長した状態の車両用ドア開閉装置の縦断面図。 本発明の第2実施形態に係る車両用ドア開閉装置のプッシュロッドの斜視図。 第2実施形態に係るプッシュロッドの製造に用いる円筒部材の模式的な縦断面図。 円筒部材をプレス加工することで得られるプッシュロッドの図7と同様の縦断面図。 本発明の第3実施形態に係る車両用ドア開閉装置のプッシュロッドとスピンドルナットの分解斜視図。 第3実施形態に係るスピンドルナットを一体に設けたプッシュロッドの斜視図。 第3実施形態に係るプッシュロッドの製造に用いる円筒部材の正面図。 本発明の第4実施形態に係る車両用ドア開閉装置のプッシュロッドとスピンドルナットの分解斜視図。 第4実施形態に係るガイド管と、スピンドルナットを一体に設けたプッシュロッドとの分解斜視図。 本発明の第5実施形態に係る車両用ドア開閉装置のカバー部と、スピンドルナットを一体に設けたプッシュロッドと、スピンドルとの斜視図。 図14のXV−XV線から見た断面図。 本発明の第6実施形態に係る車両用ドア開閉装置のカバー部と、スピンドルナットを一体に設けたプッシュロッドと、スピンドルとの斜視図。 図16のXVII−XVII線から見た断面図。 本発明の第7実施形態に係る車両用ドア開閉装置のガイド管と、スピンドルナットを一体に設けたプッシュロッドとの斜視図。 第7実施形態のプッシュロッドの斜視図。 第7実施形態に係るガイド管と、スピンドルナットを一体に設けたプッシュロッドとの斜視図。 図18のXXI−XXI線から見た断面図。
以下、本発明の実施の形態を添付の図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1を参照すると、本発明の第1実施形態の車両用ドア開閉装置1は、円筒状であり、車両2のドア2aとボディ2bとに接続されている。車両用ドア開閉装置1が伸縮することで、ドア2aは、開閉駆動される。以下の説明において、「軸方向」、「周方向」、及び「半径方向」とは、車両用ドア開閉装置1の軸方向、周方向、及び半径方向をそれぞれ示す。
図2を参照すると、第1実施形態の車両用ドア開閉装置1は、第1ハウジング10と、第2ハウジング20と、モータ駆動機構30と、スピンドル駆動機構40とを備える。
第1ハウジング10は、モータ駆動機構30を収容する円筒状の収容部11と、収容部11と螺合して固定される円筒状のカバー部12とを備える。ここで、第1ハウジング10は、収容部11とカバー部12が一体構造であってもよい。収容部11の軸方向の一方の端部(図において右側の端部)は、開口しており、軸端部材13によって閉塞されている。第1ハウジング10は、軸端部材13に連結された図示しないボールジョイントを介して、車両2のボディ2bに連結される。
第2ハウジング20は、円筒状であり、第2ハウジング20の外径は、第1ハウジング10の内径よりも小さい。第2ハウジング20は、第1ハウジング10に対して同軸状に配置され、第1ハウジング10に対して軸方向に相対的に移動できるように、第1ハウジング10の内部に収容されている。第2ハウジング20の一方の端部は、軸端部材21によって閉塞されている。第2ハウジング20は、軸端部材21に連結された図示しないボールジョイントを介して、車両2のドア2aに連結される。また、半径方向において、第2ハウジング20の内側には、コイルスプリング22が第2ハウジング20と同軸状に配置されている。
コイルスプリング22の一方の端部(図において右側の端部)は、第1ハウジング10に当接しており、コイルスプリング22の他方の端部(図において左側の端部)は、第2ハウジング20に当接している。コイルスプリング22は、圧縮された状態で配置されており、車両用ドア開閉装置1が伸長する向きに、第1ハウジング10と第2ハウジング20とを弾性的に付勢する。
モータ駆動機構30は、駆動源である電動モータ31と、電動モータ31の回転速度を減速する減速機32とを備える。モータ駆動機構30は、第1ハウジング10の収容部11の内部に収容されている。
スピンドル駆動機構40は、スピンドル50と、スピンドルナット60と、プッシュロッド70と、ガイド管80とを備える。スピンドル駆動機構40は、半径方向において、コイルスプリング22の内側に配置されている。具体的には、半径方向において、コイルスプリング22の内側には、ガイド管80が配置されており、ガイド管80の内側には、プッシュロッド70が収容されている。また、スピンドルナット60は、プッシュロッド70の一方の端部に固定されている。スピンドル50は、半径方向において、プッシュロッド70及びスピンドルナット60の内側に配置されている。
スピンドル50は、図2に最も明瞭に示すように、外周面にねじ溝50aが設けられている。スピンドル50は、第1ハウジング10内に同軸状に配置されている。図2に最も明瞭に示すように、スピンドル50の基端部50bは、第1ハウジング10に設けられた軸受14によって回転可能に支持されている。また、スピンドル50は、減速機32を介して、電動モータ31の回転軸と機械的に連結されており、電動モータ31によって回転駆動される。
スピンドルナット60の内周面にはねじ溝60aが設けられており、スピンドル50のねじ溝50aに螺合している。図3を併せて参照すると、スピンドルナット60は、外周に凸部61と、係合突起62とを備える。本実施形態の凸部61は、軸方向に直交する断面において略矩形断面を有する。また、本実施形態のスピンドルナット60の凸部61は、スピンドルナット60の周方向に等間隔な3箇所に設けられており、係合突起62は、周方向に隣り合う凸部61の間にそれぞれ4つずつ設けられている。ここで、本実施形態のスピンドルナット60は、樹脂からなる。
図2及び図3を参照すると、プッシュロッド70は、円筒状であり、スピンドルナット60側と反対の側の端部が第2ハウジング20の一方の端部(軸端部材21側)に固定されている。プッシュロッド70の内径は、スピンドルナット60の外径と略同一である。プッシュロッド70は、外周に突起部71と、スピンドルナット60の係合突起62が係合された係合穴72とを備える。突起部71は、内周にスピンドルナット60の凸部61が嵌合された凹部71aと、プッシュロッド70から軸方向に対して垂直に立設された壁部71bとを備える。突起部71の凹部71aと、スピンドルナット60の凸部61とが嵌合することで、プッシュロッド70とスピンドルナット60とは同軸状に固定される。
本実施形態のプッシュロッド70は、金属からなり、突起部71は、プレス加工により成形される。本実施形態では、樹脂からなるスピンドルナット60と、金属からなるプッシュロッド70とは、インサート成形により一体に成形されている。また、図2に最も明瞭に示すように、プッシュロッド70の内周には、スピンドル50の先端部50cをプッシュロッド70の内周にガタツキ無く回転可能に支持する樹脂ロータ73が設けられている。スピンドル50は、第1ハウジング10に設けられた軸受14と、スピンドル50の先端部50cに設けられた樹脂ロータ73とによって両端部が支持され、第1ハウジング10と同軸状に配置される。
ガイド管80は、円筒状であり、第1ハウジング10に固定されている。ガイド管80の内径は、プッシュロッド70の外径よりも大きい。ガイド管80の内周には、プッシュロッド70の突起部71を収容し軸方向に案内するガイド溝81が形成されている。図4に示すように、ガイド管80のガイド溝81とプッシュロッド70の突起部71とが係合することで、プッシュロッド70は、ガイド管80に対して相対移動可能かつ相対回転不能に取り付けられる。また、図2に最も明瞭に示すように、ガイド管80は、ガイド溝81の端部にプッシュロッド70の突起部71を係止可能な係止部82を備える。係止部82は、突起部71の壁部71bと対向し、軸方向に対して垂直な係止面82aを備える。
車両2のドア2aが閉じている状態では、車両用ドア開閉装置1は、図2に示すように、コイルスプリング22が最も圧縮された状態にあり、スピンドルナット60は、スピンドル50の基端部50b付近に位置する。この状態から、電動モータ31を駆動させると、電動モータ31の出力軸の回転は、減速機32により減速されてスピンドル50へと伝達され、スピンドル50が回転駆動される。スピンドルナット60及びプッシュロッド70と、ガイド管80及び第1ハウジング10とは相対回転しないように係合されているため、スピンドル50の回転運動は、スピンドルナット60のガイド管80に対する相対的な直線運動に変換される。具体的には、スピンドルナット60及びプッシュロッド70は、ガイド管80のガイド溝81に沿って軸方向に移動する。プッシュロッド70の移動に伴って、第2ハウジング20は、第1ハウジング10に対して相対的に移動する。以上のように、第1ハウジング10と第2ハウジング20とが相対的に移動することで、車両用ドア開閉装置1は、伸長し、軸端部材21を介して連結されたドア2aを開位置まで駆動する。ここで、図5に最も明瞭に示すように、プッシュロッド70のガイド管80に対する相対的な移動は、突起部71の壁部71bと、係止部82の係止面82aとが当接することで規制される。
プッシュロッド70の突起部71に設けられた凹部71aに、スピンドルナット60の凸部61が嵌合することで、プッシュロッド70とスピンドルナット60とが固定される。また、プッシュロッド70の突起部71が、ガイド管80のガイド溝81に収容されることで、スピンドル50の回転運動は、スピンドルナット60及びプッシュロッド70のガイド管80に対する相対移動に変換される。このため、スピンドルナット60のガイド管80に対する相対回転を防止できる。
スピンドルナット60は、プッシュロッド70にインサート成形により一体に成形されるので、スピンドルナット60のプッシュロッド70に対する相対回転及び脱落を防止できる。
係合突起62と係合穴72との係合によって、プッシュロッド70とスピンドルナット60とが固定されるため、スピンドルナット60がプッシュロッド70から脱落することを防止できる。
ガイド管80のガイド溝81に設けられた係止部82によってプッシュロッド70の突起部71が軸方向に係止されることで、ガイド管80とプッシュロッド70との相対的な移動は規制される。すなわち、プッシュロッド70の突起部71は、プッシュロッド70のガイド管80に対する相対移動と相対回転とを規制できるため、ガイド管80とプッシュロッド70との相対的な移動を規制するための部品を別途用いる必要がない。
スピンドル50により回転駆動されるスピンドルナット60と、スピンドルナット60と共に運動するプッシュロッド70と、プッシュロッド70のガイド管80に対する相対回転を防止する突起部71とが一体的に作動する。スピンドル50の回転運動は、スピンドルナット60と一体的に作動する突起部71により、スピンドルナット60のガイド管80に対する相対移動に直接変換される。このため、スピンドルナット60のガイド管80に対する相対回転を効果的に防止できる。
なお、第1実施形態では、プッシュロッド70の突起部71が設けられた一方の端部の内周側にスピンドルナット60が固定されていたが、プッシュロッド70の内周に突起部71から間隔をあけてスピンドルナットを配置してもよい。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る車両用ドア開閉装置は、プッシュロッド70のスリットSを除いて第1実施形態の車両用ドア開閉装置1と同一の構成をしている。
図6を参照すると、第2実施形態の車両用ドア開閉装置におけるプッシュロッド70は、突起部71に軸方向に隣接して、周方向に延在するスリットSを備える。
第2実施形態の突起部71は、プレス加工により形成される。具体的には、突起部71を備えるプッシュロッド70は、図7に示すような、金属製の円筒部材90から製造される。円筒部材90は、プレス加工が施される第1部分90aと、プレス加工が施されない第2部分90bとを備える。第1部分90aと第2部分90bとの間には、周方向に延在するスリットSが設けられている。プッシュロッド70の突起部71は、円筒部材90の第1部分90aを内側から押圧する(図7中破線矢印参照)ことで形成される。図8に示すように、壁部71bは、軸方向に対して垂直に立設するように形成される。
スリットSを設けない場合、第1部分90aを押圧した際に、第1部分90aは、第2部分90bにより機械的に拘束されているため、突起部71の壁部71bを軸方向に対して垂直に立設するように形成できないことがある(図8中二点鎖線参照)。スリットSを設けることで、第1部分90aと第2部分90bとが分割され、第1部分90aが第2部分90bにより機械的に拘束されないため、壁部71bを意図した通りに形成できる。このため、プッシュロッド70のガイド管80に対する相対移動を規制する相対的な位置を正確に位置決めできる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係る車両用ドア開閉装置は、プッシュロッド170を除いて第1実施形態の車両用ドア開閉装置1と同一の構成をしている。
図9を参照すると、第3実施形態の車両用ドア開閉装置におけるプッシュロッド170の突起部171は、プッシュロッド170から軸方向に対して垂直に立設されて軸方向に延びた一対の側壁部172をそれぞれ備える。一対の側壁部172は、プッシュロッド170の周方向に離間して配置されている。また、第2実施形態と同様に、第3実施形態のプッシュロッド170は、突起部171に軸方向に隣接して、周方向に延在するスリットSを備える。
図10を参照すると、スピンドルナット60と、プッシュロッド170とはインサート成形により、一体に成形されている。スピンドルナット60の凸部61は、一対の側壁部172の間に形成され、スピンドルナット60の凸部61の外周面61aが、一対の側壁部172の外周面172aに滑らかに連続するように形成されている。
本実施形態のプッシュロッド170は、例えば、図11に示すような金属製の円筒部材190から製造される。円筒部材190は、円筒部材190を周方向に分割して軸方向に延びる切り込み191が設けられており、側壁部172は、切り込み191によって分割された部分を径方向内側から外側に向けて曲げ加工(図中矢印参照)されることで形成される。
本実施形態では、プッシュロッド170の側壁部172は、周方向において分割されており、互いに機械的に拘束されていないため、側壁部172を曲げ加工により形成することで、突起部171を意図した通りに、かつ容易に形成できる。また、突起部171に軸方向に隣接してスリットSが設けられていることで、側壁部172が軸方向において機械的に拘束されず、側壁部172の軸方向の端部が拗れることなく突起部171を形成できる。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態に係る車両用ドア開閉装置は、プッシュロッド270とガイド管280を除いて第1実施形態の車両用ドア開閉装置1と同一の構成をしている。
図12及び図13を参照すると、第4実施形態の車両用ドア開閉装置におけるプッシュロッド270は、略円筒状であり、プッシュロッド270の長手方向に直交する断面で円形を形成する外周面270aを備える。また、プッシュロッド270は、一方の端部において、プッシュロッド270の長手方向に直交する断面で六角形を構成する外周面を備える。具体的には、プッシュロッド270は、一方の端部において、いずれも平坦面である6つの外周面270bを備え、周方向に隣接する2つの外周面270bによって6つの突起部271が形成されている。突起部271は、プッシュロッド270の外周面270aからプッシュロッド270の軸方向に対して垂直に延びる壁部271aを形成している。プッシュロッド270の各外周面270bには、複数(図示の実施形態では4つ)の貫通孔272が開設されている。
図13を参照すると、ガイド管280の内周面は、プッシュロッド270が摺動できるように、プッシュロッド270の外周面270bに対応する形状を有する。本実施形態のガイド管280の内周面は、ガイド管280の長手方向に直交する断面で六角形を構成する。具体的には、ガイド管280は、プッシュロッド270の外周面270bに対向するいずれも平坦面である6つの内周面280aを備える。すなわち、軸方向に直交する断面において、ガイド管280の内周面280aが構成する断面形状は、プッシュロッド270の外周面270bが構成する断面形状よりも僅かに大きい相似形である。ガイド管280の内周には、周方向に隣接する2つの内周面280aによって、突起部271を収容し軸方向に案内するガイド溝281が形成されている。なお、ガイド管280は、ガイド溝281の端部にプッシュロッド270の突起部271を係止可能な係止部282を備える。係止部282は、突起部271の壁部271aと対向し、軸方向に対して垂直な係止面282aを備えた断面円筒状として形成され、プッシュロッド270の外周面270aの外周面を径方向で保持している。
第4実施形態では、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態に係る車両用ドア開閉装置は、スピンドル駆動機構とカバー部312を除いて第1実施形態の車両用ドア開閉装置1と同一の構成をしている。
図14,図15を参照すると、第5実施形態の車両用ドア開閉装置におけるスピンドル駆動機構は、スピンドル350と、スピンドルナット360と、プッシュロッド370と、ガイド管380とを備える。なお、図15は、図14のXV−XV線から見た断面図である。
プッシュロッド370は、外周に設けられた4つの突起部371と、スピンドルナット360の係合突起362が係合された係合穴372とを備える。4つの突起部371は、プッシュロッド370の外周に周方向等間隔に設けられている。また、突起部371は、内周にスピンドルナット360の凸部361が嵌合された凹部371aを有する。突起部371の凹部371aと、スピンドルナット360の凸部361とが嵌合することで、プッシュロッド370とスピンドルナット360とは同軸状に固定される。プッシュロッド370は、金属からなり、突起部371は、プレス加工により成形される。本実施形態では、樹脂からなるスピンドルナット360と、金属からなるプッシュロッド370とは、インサート成形により一体に成形されている。
ガイド管380は、円筒状であり、カバー部312の内周に設けられている。ガイド管380の内周には、プッシュロッド370の突起部371を軸方向に案内するガイド溝381が形成されている。ガイド管380のガイド溝381とプッシュロッド370の突起部371とが係合することで、プッシュロッド370は、ガイド管380に対して軸方向に相対移動可能に取り付けられていると共に、ガイド管380に対する相対回転が規制される。また、ガイド管380は、ガイド溝381の端部にプッシュロッド370の突起部371を係止可能な係止部(図示せず)を備える。
なお、図15では、カバー部312とガイド管380との間に配置される第2ハウジング20とコイルスプリング22を省略している。
第5実施形態では、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
[第6実施形態]
本発明の第6実施形態に係る車両用ドア開閉装置は、スピンドルナット460とプッシュロッド470とを除いて第5実施形態の車両用ドア開閉装置と同一の構成をしている。
図16,図17を参照すると、第6実施形態の車両用ドア開閉装置におけるスピンドル駆動機構は、スピンドル350と、スピンドルナット460と、プッシュロッド470と、ガイド管380とを備える。なお、図17は、図16のXVII−XVII線から見た断面図である。
プッシュロッド470は、外周に設けられた4つの突起部471と、該突起部471の軸方向他端側に設けられた複数の係合穴472とを備える。4つの突起部471は、プッシュロッド470の外周に周方向等間隔に設けられている。プッシュロッド470の係合穴472にスピンドルナット460の係合突起462が係合される。プッシュロッド470は、金属からなり、突起部471は、プレス加工により成形される本実施形態では、樹脂からなるスピンドルナット360と、金属からなるプッシュロッド470とは、インサート成形により一体に成形されている。
ガイド管380は、円筒状であり、カバー部312の内周に設けられている。カバー部312とガイド管380とは一体に形成されている。ガイド管380の内周には、プッシュロッド470の突起部471を軸方向に案内するガイド溝381が形成されている。ガイド管380のガイド溝381とプッシュロッド470の突起部471とが係合することで、プッシュロッド470は、ガイド管380に対して軸方向に相対移動可能に取り付けられていると共に、ガイド管380に対する相対回転が規制されている。また、ガイド管380は、ガイド溝381の端部にプッシュロッド470の突起部471を係止可能な係止部(図示せず)を備える。
なお、図17では、カバー部312とガイド管380との間に配置される第2ハウジング20とコイルスプリング22を省略している。
このように、第6実施形態の車両用ドア開閉装置では、スピンドルナット460は、プッシュロッド470の突起部471が設けられた一端側の内周ではなく、プッシュロッド470の内周かつ突起部471よりも他端側に配置されている。
プッシュロッド470の内周に突起部471から間隔をあけて配置されている。
第6実施形態では、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
[第7実施形態]
本発明の第7実施形態に係る車両用ドア開閉装置は、スピンドル駆動機構を除いて第1実施形態の車両用ドア開閉装置1と同一の構成をしている。
図18〜図20を参照すると、第7実施形態の車両用ドア開閉装置におけるスピンドル駆動機構は、スピンドル50(図2に示す)と、スピンドルナット560と、プッシュロッド570と、ガイド管580とを備える。ガイド管580は、円筒状であり、カバー部12(図1に示す)の内周に設けられている。
プッシュロッド570は、外周に設けられた一対の突起部571と、スピンドルナット560と半円筒状部561と半円筒状部562とを連結するための穴572(図19に示す)とを備える。一対の突起部571は、プッシュロッド570の外周の径方向に対向する位置に、プッシュロッド570の軸方向の全長に渡って夫々設けられている。スピンドルナット560と半円筒状部561と半円筒状部562とを穴572を介して連結することで、プッシュロッド570とスピンドルナット560とは同軸状に固定される。本実施形態では、樹脂からなるスピンドルナット560,半円筒状部561,半円筒状部562と、金属からなるプッシュロッド570とは、インサート成形により一体に成形されている。
図20,図21を参照すると、ガイド管580の先端側の内周に係止部582が環状に設けられている。この係止部582の径方向に対向する位置に、プッシュロッド570の突起部571を軸方向に案内する一対のガイド溝581が形成されている。なお、図21は、図18のXXI−XXI線から見た断面図である。
ガイド管580のガイド溝581とプッシュロッド570の突起部571とが係合することで、プッシュロッド570は、ガイド管580に対して軸方向に相対移動可能に取り付けられていると共に、ガイド管580に対する相対回転が規制されている。また、ガイド管580の係止部582の係止面582aに、プッシュロッド370側の半円筒状部561の壁面561aと半円筒状部562の壁面562aが当接することにより、プッシュロッド370の軸方向の移動が規制される。
第7実施形態では、プッシュロッド570の外周の径方向に対向する位置に、プッシュロッド570の軸方向の全長に渡って設けられた突起部571と、ガイド管580の係止部582に設けられたガイド溝581とが係合することで、プッシュロッド570は、ガイド管380に対して軸方向に相対移動可能に取り付けられていると共に、ガイド管580に対する相対回転が規制される。
なお、第7実施形態では、一対の突起部571をプッシュロッド570の外周に設けたが、1または3以上の突起部をプッシュロッドの外周に周方向に間隔をあけて設けてもよい。
本発明の車両用ドア開閉装置は、前記第1〜第7実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
例えば、第1実施形態において、プッシュロッド70が係合突起を備えてもよく、スピンドルナット60がねじ溝60aに影響しない範囲で係合穴を備えてもよい。
また、第1ハウジング10は、収容部11とカバー部12とに分割されていなくてもよい。
1 車両用ドア開閉装置
2 車両
2a ドア
2b ボディ
10 第1ハウジング
11 収容部
12 カバー部
13 軸端部材
14 軸受
20 第2ハウジング
21 軸端部材
22 コイルスプリング
30 モータ駆動機構
31 電動モータ
32 減速機
40 スピンドル駆動機構
50 スピンドル
50a ねじ溝
50b 基端部
50c 先端部
60 スピンドルナット
61 凸部
62 係合突起
70 プッシュロッド
71 突起部
71a 凹部
72 係合穴
73 樹脂ロータ
80 ガイド管
81 ガイド溝
82 係止部
90 円筒部材
90a 第1部分
90b 第2部分
170 プッシュロッド
171 突起部
172 側壁部
172a 外周面
190 円筒部材
191 切り込み
270 プッシュロッド
270a 外周面
270b 外周面
271 突起部
271a 壁部
280 ガイド管
280a 内周面
281 ガイド溝
282 係止部
282a 係止面
S スリット
312 カバー部
350 スピンドル
360 スピンドルナット
361 凸部
362 係合突起
370 プッシュロッド
371 突起部
371a 凹部
372 係合穴
380 ガイド管
381 ガイド溝
460 スピンドルナット
462 係合突起
470 プッシュロッド
471 突起部
472 係合穴
560 スピンドルナット
561 半円筒状部
561a 壁面
562 半円筒状部
562a 壁面
570 プッシュロッド
571 突起部
572 穴
580 ガイド管
581 ガイド溝
582 係止部
582a 係止面

Claims (8)

  1. モータ駆動機構と、
    前記モータ駆動機構を収容する第1ハウジングと、
    前記モータ駆動機構に接続されたスピンドル駆動機構と、
    前記第1ハウジングに対して同軸状に配置され、前記スピンドル駆動機構によって前記第1ハウジングに対して相対的に移動する第2ハウジングと
    を備え、
    前記スピンドル駆動機構は、
    前記モータ駆動機構に接続されたスピンドルと、
    前記スピンドルと螺合するスピンドルナットと、
    前記スピンドルナットに対して相対回転しないように固定され、外周に突起部が設けられたプッシュロッドと、
    前記プッシュロッドの前記突起部を軸方向に案内するガイド溝が形成されたガイド管と
    を備える、車両用ドア開閉装置。
  2. 前記プッシュロッドの前記突起部は、前記ガイド管の前記ガイド溝に収容されている、請求項1に記載の車両用ドア開閉装置。
  3. 前記スピンドルナットは、外周に凸部が形成され、
    前記プッシュロッドの前記突起部は、内側に凹部を備え、
    前記スピンドルナットの前記凸部と、前記突起部の前記凹部とが嵌合している、請求項1又は2に記載の車両用ドア開閉装置。
  4. 前記スピンドルナットは、前記プッシュロッドにインサート成形されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用ドア開閉装置。
  5. 前記スピンドルナットは、係合突起又は係合穴のうちの一方を備え、
    前記プッシュロッドは、前記係合突起又は前記係合穴のうちの他方を備え、
    前記係合突起は、前記係合穴に係合する、請求項1から4のいずれか1項に記載の車両用ドア開閉装置。
  6. 前記ガイド管の前記ガイド溝は、前記突起部を前記軸方向に係止する係止部を備える、請求項1から5のいずれか1項に記載の車両用ドア開閉装置。
  7. 前記プッシュロッドは、前記軸方向に前記突起部に隣接して設けられ、周方向に延在するスリットを備える、請求項1から6のいずれか1項に記載の車両用ドア開閉装置。
  8. 前記プッシュロッドの前記突起部は、前記プッシュロッドの軸方向の全長に渡って設けられている、請求項1に記載の車両用ドア開閉装置。
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