JP2019085777A - 電子キー及び電子キーシステム - Google Patents

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直史 深貝
Tadashi Fukagai
直史 深貝
直紀 廣瀬
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Abstract

【課題】電池レスを可能にした電子キー及び電子キーシステムを提供する。【解決手段】電子キー2は、車両1から定期又は不定期に送信されるLF電波(例えばウェイク信号)を充電作動用アンテナ23で受信すると、このLF電波を電力変換素子24で電力に変換し、充電素子25を充電する。キー制御部17は、充電素子25が規定量充電されると起動して、車両1との間のスマート通信を開始し、車両1に対して電波を送受信する。【選択図】図1

Description

本発明は、無線を通じて電子キーIDを照合する電子キー及び電子キーシステムに関する。
従来、環境発電素子により発生する電力によって作動する電子キーが周知である(特許文献1等参照)。
特開2016−177769号公報
しかし、特許文献1に記載の環境発電素子は、補助電力を供給するものである。よって、電子キーには、未だ電池が別途必要であり、電池レス化が実現されていなかった。
本発明の目的は、電池レスを可能にした電子キー及び電子キーシステムを提供することにある。
前記問題点を解決する電子キーは、無線を通じて通信相手と電子キーIDを照合する構成において、前記通信相手がキー位置を確認するために定期又は不定期に送信する電波を受信した場合に、当該電波を電力に変換する電力変換素子と、前記電力変換素子から入力する電力を充電し、その充電の電力を、キー動作を制御するキー制御部の電源として供給する充電素子とを備えた。
本構成によれば、通信相手から送信された電波を電力変換して充電素子に電力を蓄電するという電力を多く確保することが可能な方式によって、電子キーに電源を供給することが可能となる。このため、電子キーの電源を電池からとるのではなく、電波から取得するようにしても何ら問題はない。よって、電子キーを電池レスにすることが可能となる。
前記電子キーにおいて、前記キー制御部は、前記充電素子が規定量充電された時点で作動し、前記通信相手との通信を開始することが好ましい。この構成によれば、充電素子を規定量まで充電させないと、電子キーと通信相手との間の通信が開始されないので、不正な通信成立に対するセキュリティ性を確保することが可能となる。
前記電子キーにおいて、前記充電素子は、充電が行われない場合、自然放電によって電圧が低下することが好ましい。この構成によれば、電子キーを使用しない場合、暫くすれば充電がなくなる。よって、電子キーの不正な通信成立に対するセキュリティ性の確保に一層有利となる。
前記問題点を解決する電子キーシステムは、電子キーの電子キーIDを、通信相手との間で無線を通じて照合する構成において、前記電子キーに設けられ、前記通信相手がキー位置を確認するために定期又は不定期に送信する電波を受信した場合に、当該電波を電力に変換する電力変換素子と、前記電子キーに設けられ、前記電力変換素子から入力する電力を充電し、その充電の電力を、キー動作を制御するキー制御部の電源として供給する充電素子とを備えた。
本発明によれば、電子キーを電池レスにすることができる。
一実施形態の電子キー及び電子キーシステムの構成図。 車両にLF電波によって形成される通信エリアの概要図。 電波を電力変換して電源とするときの電子キーの作動図。 電波を電力変換して電源とするときに実行される制御のフローチャート。
以下、電子キー及び電子キーシステムの一実施形態を図1〜図4に従って説明する。
図1に示すように、車両1は、電子キー2との無線によりID照合を行って車載機器3の作動を実行又は許可する電子キーシステム4を備える。電子キーシステム4は、車両1からの通信を契機に狭域無線によりID照合(スマート照合)を実行するキー操作フリーシステムである。キー操作フリーシステムは、電子キー2を直に操作することなく自動で無線によりID照合が実行される。車載機器3は、例えばドアロック装置5やエンジン6などがある。
車両1は、ID照合を行う照合ECU(Electronic Control Unit)9と、車載電装品の電源を管理するボディECU10と、エンジン6を制御するエンジンECU11とを備える。これらECUは、車内の通信線12を介して電気接続されている。通信線12は、例えばCAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)である。照合ECU9のメモリ(図省略)には、車両1に登録された電子キー2の電子キーIDと、ID照合の認証時に使用するキー固有鍵とが登録されている。ボディECU10は、車両ドア13の施解錠を切り替えるドアロック装置5の作動を制御する。
車両1は、車両1において電波を送受信する電波送受信部14を備える。本例の電波送受信部14は、車両1において電波を送信する電波送信部と、車両1において電波を受信する電波受信部とからなる。また、電波送信部は、例えば室外に電波を送信する室外用と、室内に電波を送信する室内用とを備える。送信電波は、例えばLF(Low Frequency)帯の電波であることが好ましい。受信電波は、例えばUHF(Ultra High Frequency)帯の電波であることが好ましい。電子キーシステム4は、LF−UHFの双方向通信となっている。
電子キー2は、電子キー2の作動を制御するキー制御部17と、電子キー2において電波を送受信する電波送受信部18と、電子キー2におけるユーザ操作を検知する検知部19とを備える。キー制御部17のメモリ(図示略)には、電子キー2が有する固有の電子キーIDが登録されている。検知部19は、例えば電子キー2に設けられたスイッチやセンサからなる。スイッチは、例えば車両ドア13を施錠する場合に操作するロックスイッチや、車両ドア13を解錠する場合に操作するアンロックスイッチがある。センサは、例えば電子キー2に発生する動きを検出する加速度センサなどがある。
電子キー2(電子キーシステム4)は、通信相手22(本例は車両1)から送信される電波を基に電子キー2に電力を供給する電力供給機能を備える。本例の電力供給機能は、車両1(電波送受信部14)から定期的に送信される電波(本例はLF電波)を電子キー2に受信させ、このLF電波を電力変換することで、電波から生成された電力を電子キー2の電源とするものである。
この場合、電子キー2は、通信相手22(本例は車両1)から送信される電波(本例はLF電波)を受信する充電作動用アンテナ23と、充電作動用アンテナ23で受信した電波を電力に変換する電力変換素子24と、電力変換素子24によって変換された電力を充電する充電素子25とを備える。充電作動用アンテナ23は、電波受信が常時可能であり、車両1の電波送受信部14から定期送信されるLF電波を受信する。電力変換素子24は、例えばレクテナ素子であり、通信相手22(本例は車両1)がキー位置(キーの存在)を確認するために定期又は不定期に送信する電波(一例はLF帯のウェイク信号)を受信した場合に、その電波を電力に変換する。充電素子25は、例えばキャパシタであることが好ましく、キー制御部17に接続されている。
次に、図2〜図4を用いて、本実施形態の電子キー2(電力供給機能)の作用及び効果について説明する。
図2に示すように、車両1が駐車状態(車両ドア施錠、エンジン停止)の場合、電波送受信部14は、電子キー2を起動させるウェイク信号を定期又は不定期の間隔で車両1の室外にLF送信することにより、車両1の室外にウェイク信号による通信エリア(室外通信エリアEa)を形成する。室外通信エリアEaは、例えば運転席側車外、助手席側車外及びラッゲージドア側車外に形成される。
図4に示すように、ステップ101において、電子キー2を所持したユーザが車両1に乗車する場合、電子キー2は、車両周囲に形成されたウェイク信号の室外通信エリアEaに進入する。電子キー2は、室外通信エリアEaに進入すると、車両1から送信されるLF帯のウェイク信号を受信する状態となる。このとき、電子キー2は、車両1から送信されるLF電波(ウェイク信号)を電波送受信部18及び充電作動用アンテナ23の両方で受信するが、充電作動用アンテナ23で受信した電波で充電作動を開始するものの、まだキー制御部17が起動していないので、電波送受信部18で受信した電波では何も作動しない。
ステップ102において、電子キー2は、充電作動用アンテナ23で受信したLF電波(ウェイク信号)により充電素子25を充電する。本例の場合、図3に示すように、充電作動用アンテナ23で受信されたLF電波が電力変換素子24に送られ、ここでLF電波が電力(充電電力)に変換される。そして、電力変換素子24は、電力変換した電力(充電電力)を充電素子25に出力し、充電素子25を充電する。また、充電作動用アンテナ23でLF電波(ウェイク信号)を受信する度に、LF電波(ウェイク信号)を電力変換素子24で電力変換して充電素子25を充電する処理が繰り返されて、充電素子25が随時充電されていく。
図4に戻り、ステップ103において、電子キー2は、充電素子25に電力が規定量蓄電された時点で車両1との通信を実行する。すなわち、電子キー2は、充電素子25が所定量充電(満充電)されると、車両1との間のスマート通信(室外スマート通信)を実行する。本例の場合、図3に示すように、充電素子25が所定量充電(満充電)されると、充電素子25からキー制御部17には、キー制御部17が起動するのに十分な電力(駆動電力)が供給され、キー制御部17に電源が投入される。これにより、電子キー2は、電波送受信部18で受信したLF電波(ウェイク信号)を受け付け、起動する。
起動した電子キー2は、照合ECU9とID照合(スマート照合)を開始する。スマート照合には、電子キーIDの正否を確認する電子キーID照合や、キー固有鍵(暗号鍵)を用いたチャレンジレスポンス認証を含む。チャレンジレスポンス認証は、車両1からチャレンジを電子キー2に送信してキー固有鍵でレスポンスを演算させ、そのレスポンスと、照合ECU9が自ら演算したレスポンスとを比較することによって行う認証の一種である。照合ECU9は、電子キーID照合及びチャレンジレスポンス認証の両方が成立することを確認すると、室外スマート照合が成立すると認識する。
なお、電子キー2は、起動後であっても、車両1から送信されるLF電波(例えばチャレンジレスポンス認証の電波)を受信すれば、その度に充電素子25は充電される。充電素子25の電荷量は、キー制御部17で消費されると、その分、低下する。また、自然放電によっても充電素子25の電荷量は低下していく。
図4に戻り、ステップ104において、照合ECU9は、車両ドア13の車外ドアハンドルがタッチ操作されたことを検出すると、室外に位置する電子キー2との間のスマート照合(室外スマート照合)が成立することを条件に、車両ドア13を解錠する。これにより、車両ドア13の車外ドアハンドルがタッチされた場合に、車両ドア13が解錠される。
ステップ105において、電子キー2を所持したユーザが車両1に乗車した場合、電波送受信部14は、ウェイク信号を車両1の室内に送信することにより、車両1の室内にウェイク信号による通信エリア(室内通信エリアEb:図2参照)を形成する。ユーザの車内への乗車は、例えば車両ドア13の開閉を検出するドアカーテシスイッチ等の信号により検出するとよい。そして、電子キー2は、室内通信エリアEbに進入すると、車両1から送信されるLF帯のウェイク信号を受信する状態となる。このため、室外のときと同様に、受信したウェイク信号が電力変換素子24によって電力(充電電力)に変換され、充電素子25が充電される。
電子キー2は、充電素子25が所定量充電(満充電)されると、車両1との間のスマート通信(室内スマート通信)を実行する。このとき、照合ECU9は、室内の電子キー2との間で電子キーID照合及びチャレンジレスポンス認証の両方が成立することを確認すると、室内スマート照合が成立と認識する。これにより、照合ECU9は、運転席に設けられたエンジンスイッチ(図示略)による電源遷移操作を許可する。
ステップ106において、照合ECU9は、エンジン6の始動操作を検出すると、室内に位置する電子キー2との間のスマート照合(室内スマート照合)が成立することを条件に、エンジン6の始動を許可する。よって、室内スマート照合が成立する場合に、ブレーキペダルを踏み込み操作しながらエンジンスイッチ(図示略)が操作されると、エンジン6が始動する。
また、車両1からの降車時、車両ドア13を施錠する場合には、車外ドアハンドルに設けられたロックボタン(図示略)を操作する。照合ECU9は、車外ドアハンドルのロックボタンが操作されたことを検出すると、室外スマート照合を開始するために、電波送受信部14から室外にLF電波(ウェイク信号)の送信を開始する。このとき、電子キー2は、車両1から受信するウェイク信号によって充電素子25を充電し、充電素子25の電荷が規定量蓄電されたら室外スマート照合を実行する。そして、照合ECU9は、このときの室外スマート照合が成立することを確認すると、車両ドア13を施錠させる。
さて、本例の場合、通信相手22(本例は車両1)から送信された電波(本例はLF電波)を電力変換して充電素子25に電力を蓄電するという電力を多く確保することが可能な方式によって、電子キー2に電源を供給することが可能となる。このため、電子キー2の電源を電池からとるのではなく、電波から取得するようにしても何ら問題はない。よって、電子キー2を電池レスにすることができる。また、電子キーの電池寿命を心配することもない。
本例の場合、通信範囲が数mある近距離無線で送信されるLF電波を電力変換して、電子キー2の電源にする。よって、車両1のいずれの位置に電波送受信部14を配置しても電波が電子キー2に届くので、電波送受信部14の搭載位置の自由度が向上する。また、車両1から定期的に送信されるウェイク信号を利用するので、比較的安定した充電が見込める。
キー制御部17は、充電素子25が規定量充電された時点で作動し、通信相手22(車両1)との間の通信(スマート通信)を開始する。よって、充電素子25を規定量まで充電させないと、車両1及び電子キー2の間の通信(スマート通信)が開始されないので、不正な通信成立に対するセキュリティ性を確保することができる。
充電素子25は、充電が行われない場合、自然放電によって電圧が低下する。このため、電子キー2を使用しない場合、暫くすれば充電がなくなる。よって、電子キー2の不正な通信成立に対するセキュリティ性の確保に一層有利となる。
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・充電作動用アンテナ23は、電波送受信部18と別体に設けられることに限定されず、これと一体としてもよい。すなわち、電波送受信部18で受信したLF電波を電力変換して、充電素子25を充電してもよい。
・電子キー2が充電に利用する電波は、LF電波に限定されず、他の周波数の電波に変更してもよい。
・充電素子25は、電力を蓄えることができる素子であればよい。
・電力変換素子24は、レクテナ素子以外の部材を用いてもよい。
・充電作動用アンテナ23でLF電波を受信できた場合に、電波受信からの時間を計測し、一定時間経過したとき、充電素子25に十分な電力が蓄電されたとして、キー制御部17を起動してスマート通信を開始してもよい。
・電子キー2に加速度センサを設けた場合、加速度センサの出力によって、電子キー2に動き(振動)が発生していることを確認できれば電子キー2を起動し、一方で、電子キー2に動き(振動)が発生していないことを確認すれば電子キー2を停止(待機状態)に移行させてもよい。
・電子キーシステム4は、車外用及び車内用のそれぞれに電波送信用のLFアンテナを設け、どちらのLFアンテナから電子キー2の応答が返ってきてID照合が成立するかを見ることで、電子キー2の車内外位置を判定することに限定されない。例えば、車体の左右のLFアンテナを設け、これらアンテナからの電波に対する電子キー2の応答の組み合わせから、電子キー2の車内外判定を行ってもよい。
・電子キーシステム4の通信は、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)を用いてもよい。
・車両1及び電子キー2の通信は、電波の周波数や通信方式を適宜変更してもよい。
・通信相手22は、車両1(照合ECU9)に限定されず、他の機器や装置に変更してもよい。
・電子キー2は、キー端末に限定されず、ID情報が登録された高機能携帯電話等の他の端末でもよい。
次に、上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)前記電子キーにおいて、前記通信相手から送信される前記電波を受信して当該電波を前記電力変換素子に送る充電用の充電作動用アンテナを備えた。この構成によれば、通信相手から送信される電波を、充電作動用アンテナによって効率よく受信することが可能となる。
(ロ)前記電子キーにおいて、前記通信相手は、車両であり、前記電波は、前記車両の車外周囲又は車内に電子キーが存在するか否かを確認するために定期又は不定期に送信され、当該電子キーを待機状態から起動状態に切り替えるウェイク信号である。この場合、車両から送信されるウェイク信号を電子キーの電源として使用することにより、電子キーを電源レスにすることが可能となる。
1…車両、2…電子キー、3…車載機器、4…電子キーシステム、17…キー制御部、22…通信相手、24…電力変換素子、25…充電素子。

Claims (4)

  1. 無線を通じて通信相手と電子キーIDを照合する電子キーにおいて、
    前記通信相手がキー位置を確認するために定期又は不定期に送信する電波を受信した場合に、当該電波を電力に変換する電力変換素子と、
    前記電力変換素子から入力する電力を充電し、その充電の電力を、キー動作を制御するキー制御部の電源として供給する充電素子と
    を備えた電子キー。
  2. 前記キー制御部は、前記充電素子が規定量充電された時点で作動し、前記通信相手との通信を開始する
    請求項1に記載の電子キー。
  3. 前記充電素子は、充電が行われない場合、自然放電によって電圧が低下する
    請求項1又は2に記載の電子キー。
  4. 電子キーの電子キーIDを、通信相手との間で無線を通じて照合する電子キーシステムにおいて、
    前記電子キーに設けられ、前記通信相手がキー位置を確認するために定期又は不定期に送信する電波を受信した場合に、当該電波を電力に変換する電力変換素子と、
    前記電子キーに設けられ、前記電力変換素子から入力する電力を充電し、その充電の電力を、キー動作を制御するキー制御部の電源として供給する充電素子と
    を備えた電子キーシステム。
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