JP2019085554A - 重合体、レジスト組成物、およびパターンが形成された基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
その微細化の手法としては、一般に、基板上に設けられたレジスト膜をパターニングする際に該レジスト膜に照射する照射光を短波長化する手法が用いられている。具体的には、従来のg線(波長438nm)、i線(波長365nm)に代表される紫外線からDUV(Deep Ultra Violet)へと照射光が変化してきている。具体的には、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2エキシマレーザー(波長157nm)によるリソグラフィー技術が開発され、さらに、電子線リソグラフィー技術や、波長13.5nm近傍の極端紫外光(Extreme Ultra Violet light:EUV光)を用いるEUVリソグラフィー技術についても研究されている。
化学増幅型レジスト組成物にあっては、レジスト膜の照射部において酸発生剤の分解反応が起こって酸が発生し、現像液に対する溶解性が変化する反応が生じる。具体的に、ポジ型の場合は、酸の作用によって照射部の現像液に対する溶解性が高まり、ネガ型の場合は、酸の作用によって照射部の現像液に対する溶解性が低下する。
本発明は、現像液として有機溶媒を用いる現像プロセスにおけるレジスト材料として好適な重合体、該重合体を含むレジスト組成物、および前記レジスト組成物を用いたパターンが形成された基板の製造方法を提供することを目的とする。
[1] 下記式(1)で表される単量体単位を含む重合体であって、前記重合体を20質量%含むPGMEA溶液の100質量部に、n−ヘプタン又はメタノールを添加した混合液の濁度が、10NTUとなるときのn−ヘプタンの添加量が8.0〜50.0質量部であり、かつ5NTUとなるときのメタノールの添加量が26.0〜130.0質量部である、重合体。
[2] 全単量体単位に対して、前記式(1)で表される単量体単位が6〜60モル%である、[1]に記載の重合体。
[3] 下記式(2)で表される重合開始剤に由来する分子末端基を有する、[1]又は[2]の重合体。
[4] 前記[1]〜[3]のいずれかの重合体、および活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を含有する、レジスト組成物。
[5] 前記[4]のレジスト組成物を、基板の被加工面上に塗布してレジスト膜を形成する工程と、該レジスト膜に対して露光する工程と、露光されたレジスト膜を有機溶媒を用いて現像する工程とを含む、パターンが形成された基板の製造方法。
本実施形態の重合体は、下記式(1)で表される単量体単位(以下、単量体単位(1)ともいう。)を含む。単量体単位(1)以外の他の単量体単位の1種以上を含んでもよい。
単量体単位(1)は、側鎖にラクトン骨格を有する単量体単位と比較して、重合体の有機溶媒に対する溶解性の向上に寄与する。また、重合体のガラス転移温度(以下、Tgともいう。)の上昇に寄与し、ドライエッチング耐性の向上に寄与する。
重合体中の単量体単位(1)は1種でもよく、2種以上でもよい。
mは、2(n+1)で表される整数である。
m個のRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、または酸分解性基である。
Rとしてのアルキル基の炭素数は1〜13が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。アルキル基は直鎖状でも、分岐状でも、環状でもよい。
酸分解性基は、酸の作用によって分解反応を生じる基である。例えばt−ブチル基、テトラヒドロピラン−2−イル基、1−ブトキシエチル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−アセトキシメンチル基等が挙げられる。これらの酸分解性基が分解すると重合体の極性が増大し、有機溶媒に対する溶解性が低下する。
m個のRのうち、1〜2個がアルキル基または酸分解性基であり、残りが水素原子であることが好ましい。1〜2個がアルキル基であり、残りが水素原子であることがより好ましい。
単量体(1)は、2−メチレン−3−プロパノリド、2−メチレン−5−ペンタノリド、2−メチレン−6−ヘキサノリド、2−メチレン−7−ヘプタノリド、2−メチレン−γ−ブチロラクトン、3−メチル−2−メチレン−γ−ブチロラクトン、4−メチル−2−メチレン−γ−ブチロラクトン、3−エチル−2−メチレン−γ−ブチロラクトン、4−エチル−2−メチレンブチロラクトン、3、3−ジメチル−2−メチレン−γ−ブチロラクトン、および4,4−ジメチル−2−メチレン−γ−ブチロラクトンからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
単量体(1)は、2−メチレン−γ−ブチロラクトン、3−メチル−2−メチレン−γ−ブチロラクトン、4−メチル−2−メチレン−γ−ブチロラクトン、3−エチル−2−メチレン−γ−ブチロラクトン、4−エチル−2−メチレンブチロラクトン、3、3−ジメチル−2−メチレン−γ−ブチロラクトン、および4,4−ジメチル−2−メチレン−γ−ブチロラクトンからなる群から選ばれる1種以上がより好ましい。
好ましい他の単量体単位としては、脂環式骨格を有する単量体単位、ラクトン骨格を有する単量体単位(ただし単量体単位(1)は除く、以下同様。)、p−ヒドロキシスチレンまたはその誘導体に基づく単量体単位等が挙げられる。
p−ヒドロキシスチレンまたはその誘導体に基づく単量体単位は、KrFエキシマレーザーや電子線を光源とする場合に、ドライエッチング耐性の向上に寄与する。光源がArFエキシマレーザーの場合は光線透過率が低い。
光源がArFエキシマレーザーの場合は、脂環式骨格を有する単量体単位およびラクトン骨格を有する単量体単位の一方または両方を用いることが好ましい。
ラクトン骨格を有する単量体としては、δ−バレロラクトン環を有する(メタ)アクリレート、γ−ブチロラクトン環を有する(メタ)アクリレート、および、これらの単量体のラクトン環上に置換基(アルキル基、ヒドロキシ基またはカルボキシ基)を有する誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
具体的には、β−メタクリロイルオキシ−β−メチル−δ−バレロラクトン、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、β−メタクリロイルオキシ−β−メチル−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、2−(1−メタクリロイルオキシ)エチル−4−ブタノリド、パントラクトンメタクリレート等が挙げられる。
多環式ラクトン環とは、イソボルニル骨格、アダマンタン骨格、トリシクロデカニル骨格、ジシクロペンタジエニル骨格等の多環式骨格にラクトン環を導入した構造を意味する。
多環式ラクトン環を有する単量体としては、多環式ラクトン環を有する(メタ)アクリレート等が好ましい。
具体的には、5−メタクリロイルオキシ−6−ヒドロキシビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2−カルボキシリック−6−ラクトン、5−アクリロイルオキシ−6−ヒドロキシビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2−カルボキシリック−6−ラクトン、2−メチル−6−メタクリロイルオキシ−6−ヒドロキシビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2−カルボキシリック−6−ラクトン、2−メチル−6−アクリロイルオキシ−6−ヒドロキシビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2−カルボキシリック−6−ラクトン等が挙げられる。
他の単量体単位の酸分解性基としては、単量体の水酸基またはカルボキシ基を、アセトキシ基、t−ブチル基、テトラヒドロピラニル基、メチルアダマンチル基等の酸脱離性基で保護した基が挙げられる。これらの酸脱離性基が脱離すると重合体の極性が増大し、有機溶媒に対する溶解性が低下する。
例えば、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基及び酸分解性基を有する(メタ)アクリル酸エステル(以下、単量体(3)ともいう。)等が挙げられる。
単量体(3)としては、例えば、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有し、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子との結合部位に第3級炭素原子を有する(メタ)アクリル酸エステル;炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有し、脂環式炭化水素基に−COOQ基(Qは、置換基を有していてもよい第3級炭化水素基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基又はオキセパニル基を表す。)が直接又は連結基を介して結合している(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
単量体(3)の脂環式炭化水素基は、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子と直接結合していてもよく、アルキレン基等の連結基を介して結合していてもよい。
特に、波長250nm以下の光で露光するレジストパターン形成を可能とすることから、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、1−イソプロピルアダマンチル(メタ)アクリレート、1−(1’−アダマンチル)−1−メチルエチル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1−イソプロピルシクロペンチル(メタ)アクリレート、t-ブチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロオクチル(メタ)アクリレートがより好ましく、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート、イソプロピルアダマンチルメタクリレート、1−メチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロペンチルメタクリレート、1−イソプロピルシクロペンチル(メタ)アクリレート、t-ブチルシクロペンチル(メタ)アクリレートが更に好ましい。
R21、R24、R25は、それぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基を表す。アルキル基は、直鎖状でもよく、分岐状でもよい。
R22、R23は、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を表す。アルキル基は、直鎖状でもよく、分岐状でもよい。
R331、R332、R333、R334は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。アルキル基は、直鎖状でもよく、分岐状でもよい。
X1、X2、X3、X4は、それぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基を表す。アルキル基は、直鎖状でもよく、分岐状でもよい。
n1、n2、n3、n4は、それぞれ独立に0〜4を表す。n1、n2、n3又はn4が2以上の場合、1つの単量体中にX1、X2、X3又はX4は、複数存在する。複数存在するX1、X2、X3又はX4は、同一であってもよく、異なってもよい。
Z1、Z2は、それぞれ独立に−O−、−S−、−NH−又は−(CH2)k−を表す。kは、1〜6の整数を表す。
qは、0又は1を表す。
rは、0〜3の整数を表す。
重合体溶液の濁度が一定値に達するまでに添加できる有機溶媒の量(添加可能量)が多いほど、重合体と有機溶媒との相溶性が高いことを意味する。n−ヘプタンの添加可能量は低極性の有機溶媒との相溶性の指標であり、メタノールの添加可能量は高極性の有機溶媒との相溶性の指標である。
n−ヘプタンの添加可能量が8.0質量部以上であり、かつメタノールの添加可能量が26.0質量部以上であると、低極性有機溶媒と高極性有機溶媒の両方に対して良好な溶解性が得られる。したがって、本実施形態の重合体を用いて形成したレジストを、現像液として有機溶媒を用いてパターニングする方法において、使用可能な現像液の種類が多い。
また、n−ヘプタンの添加可能量が50.0質量部以下であり、かつメタノールの添加可能量が130.0質量部以下であると、有機溶媒を現像液として用いた場合の、レジストの過剰な溶解を防止できる。
n−ヘプタンの添加可能量およびメタノールの添加可能量は、重合体における単量体単位(1)の含有量によって調整できる。
レジストの感度の点で、全単量体単位に対して、酸分解性基を有する単量体単位は、20〜80モル%が好ましく、25〜70モル%がより好ましく、30〜60モル%がさらに好ましい。
全単量体単位に対して、単量体単位(1)とラクトン骨格を有する単量体単位の合計は、20〜80モル%が好ましく、30〜75モル%がより好ましく、40〜60モル%がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であると下層膜への密着性に優れ、上限値以下であるとレジスト溶剤に用いられる有機溶剤や現像液に用いられる有機溶媒への溶解性が良好となる。
Tg上昇による耐ドライエッチング耐性の向上効果の点で、単量体単位(1)とラクトン骨格を有する単量体単位の合計を100モル%とするとき、単量体単位(1)の割合は10〜100モル%が好ましく、20〜80モル%がより好ましく、30〜60モル%がさらに好ましい。
レジストの性能バランスの点で、単量体単位(1)およびラクトン骨格を有する単量体単位のいずれも酸分解性基を有さない場合、「単量体単位(1)とラクトン骨格を有する単量体単位の合計」/「酸分解性基を有する単量体単位」のモル比は20/80〜80/20が好ましく、30/70〜70/30がより好ましく、40/60〜60/40がさらに好ましい。
全単量体単位に対して、ヒドロキシ基、シアノ基、アルコキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルボニル基、フッ素原子を含む基、硫黄原子を含む基、アセタール構造を含む基、およびエーテル結合を含む基からなる群から選ばれる極性基の1種以上を有する単量体単位は、0〜30モル%が好ましく、0〜20モル%がより好ましく、0〜10モル%がさらに好ましい。
前記単量体(3)以外の、脂環式骨格を有する単量体としては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、および、これらの単量体の脂環式環上に置換基(アルキル基、ヒドロキシ基またはカルボキシ基)を有する誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
具体的には、1−イソボニルメタクリレート、2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン、シクロヘキシルメタクリレート、アダマンチルメタクリレート、トリシクロデカニルメタクリレート、ジシクロペンタジエニルメタクリレート等が挙げられる。
前記範囲の下限値以上であるとドライエッチング耐性に優れ、上限値以下であると有機溶媒に対する溶解性に優れる。
本実施形態の重合体を製造する方法は、例えば、反応容器内で有機溶媒を重合温度に保持し、ここに、単量体および重合開始剤を有機溶媒に溶解させた単量体溶液を、滴下する、いわゆる滴下重合法が簡便で好ましい。
滴下重合法に用いる有機溶媒は特に限定されないが、単量体および合成した重合体のいずれも溶解できる溶剤が好ましく、例えば、鎖状エーテル(例えば、ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等。)、環状エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等。)等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘキサン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素等が挙げられる。これらの有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤(2)の具体例として、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、ジブチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等が例示できる。
得られたレジスト用重合体を良溶媒に溶解させて重合体溶液を得る。得られた重合体溶液はリソグラフィー用重合体溶液として使用できる。
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のジエチレングリコールアルキルエーテル類;
酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル等のエステル類;シクロヘキサノール、1−オクタノール等のアルコール類;
炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
これらの溶媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
酸分解性基を有し、酸の作用により有機溶媒に対する溶解性が低下する重合体は、化学増幅型レジスト組成物に好適である。
レジスト組成物は、本実施形態の重合体と、レジスト溶媒、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を含む。具体的には、重合体溶液に、必要に応じてレジスト溶媒を加え、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を添加し、溶解して、レジスト組成物が得られる。
レジスト溶媒としては、上記に良溶媒として挙げた溶媒を用いることができる。
光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、キノンジアジド化合物、ジアゾメタン化合物等が挙げられる。中でもオニウム塩化合物が好適であり、例えば、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等を挙げることができる。
光酸発生剤の使用量は、レジスト用重合体100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート等のノニオン系界面活性剤のほか、以下商品名で、ポリフローNo.75(共栄社油脂化学工業製)、メガファックスF173(大日本インキ化学工業製)、サーフロンSC−105(旭硝子社製)、L−70001(信越化学工業製)等が挙げられる。
パターンが形成された基板の製造方法の一例について説明する。
まず、シリコンウエハー等の被加工基板の表面に、レジスト組成物をスピンコート等により塗布する。そして、レジスト組成物が塗布された被加工基板を、ベーキング処理(プリベーク)等で乾燥することにより、基板上にレジスト膜を形成する。
ついで、レジスト膜に、フォトマスクを介して、250nm以下の波長の光を照射して潜像を形成する(露光)。照射光としては、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、EUVエキシマレーザーが好ましく、ArFエキシマレーザーが特に好ましい。また、電子線を照射してもよい。
また、該レジスト膜と露光装置の最終レンズとの間に、純水、パーフルオロ−2−ブチルテトラヒドロフラン、パーフルオロトリアルキルアミン等の高屈折率液体を介在させた状態で光を照射する液浸露光を行ってもよい。
有機系現像液としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール等のアルコール系溶剤;炭化水素系溶剤;、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤等の極性溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶剤を用いることができる。
上記の有機溶媒は、複数混合してもよい。特に、有機系現像液は、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶媒を含有する現像液であるのが好ましい。
現像後、基板を純水等で適宜リンス処理する。このようにして被加工基板上にレジストパターンが形成される。
レジストパターンが形成された基板は、適宜熱処理(ポストベーク)してレジストを強化し、レジストのない部分を選択的にドライエッチングする。
ドライエッチング後、レジストを剥離剤によって除去することによって、微細パターンが形成された基板が得られる。
<分子量>
重量平均分子量(Mw)は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算で求めた。溶剤には、テトラヒドロフランを使用した。
<共重合組成比>
各例で得られた樹脂(レジスト用重合体)について、各単量体に基づく構成単位の組成比(単位:モル%)を、1H−NMRの測定により求めた。
この測定においては、日本電子(株)製、ECS−400型 超伝導FT(フーリエ変換)−NMR装置を用い、約5質量%のサンプル溶液(溶媒は重クロロホルム)を直径5mmφのサンプル管に入れ、観測周波数400MHz、シングルパルスモードにて、1H 64回の積算を行った。測定温度は60℃で行った。
<濁度の測定試験>
濁度は、濁度計(Orbeco−Hellige社製、製品名:TB200)を用い、以下の方法で測定した。
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に、測定対象のネガ型レジスト用重合体を溶解して、濃度20質量%のPGMEA溶液を調製した。得られたPGMEA溶液、n−ヘプタン又はメタノールを添加して混合液とし、25℃水浴上で1時間撹拌した後、濁度計(Orbeco−Hellige社製、製品名:TB200)で濁度を測定した。
前記混合液の濁度が10NTUになるときの、前記PGMEA溶液100質量部に対するn−ヘプタンの添加量(単位:質量部)、及び前記混合液の濁度が5NTUになるときの、前記PGMEA溶液100質量部に対する、メタノールの添加量(単位:質量部)をて測定した。
以下の原料を用いて重合体を合成した。
溶媒1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、略称:PGMEA。
溶媒2:γ−ブチロラクトン、略称:γBL。
単量体1:α−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、略称:GBLMA、ラクトン骨格を有する単量体。
単量体2:3−メチル−2−メチレン−γ−ブチロラクトン、略称:MMBL、重合反応により前記式(1)においてn=1、m=3、m個のRが1個のメチル基および2個の水素である単量体単位となる。
単量体3:1−メチルシクロペンチルメタクリレート、略称:MCPMA、前記式(3−4)においてR25=メチル基、R34=メチル基、r=0、n4=0である化合物。
重合開始剤1:ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))。
MMBL: 1.30部
GBLMA: 1.63部
MCPMA: 4.00部
(重合開始剤溶液)
重合開始剤1: 1.79部
PGMEA: 11.5部
(単量体と重合開始剤の混合溶液)
GBLMA: 26.0部
MMBL: 17.27部
MCPMA: 50.5部
PGMEA: 39.8部
γBL: 77.4部
重合開始剤1: 4.18部
得られた重合体P1の、Mw、共重合組成比、前記濁度の測定試験において濁度が10NTUになるときのn−ヘプタンの添加量、及び濁度が5NTUになるときの、メタノールの添加量を表1に示す(以下、同様)。
なお、表に示す共重合組成比は仕込み比であるが、得られた重合体P1の共重合組成比を前記の方法で測定したところ、GBLMA:24.4モル%、MMBL:24.3モル%、MCPMA:51.4モル%であり、仕込み比とほぼ同じであった。
実施例1において、重合容器に仕込む溶媒及び単量体を、PGMEA 44.3部、γBL 66.4部、MMBL 0.26部、GBLMA 2.88部、MCPMA 3.93部に変更した。また、滴下漏斗から供給する重合開始剤溶液、及び単量体と重合開始剤の混合溶液を下記に変更した。それ以外は実施例1と同様にして重合体P2を得た。
得られた重合体P2の共重合組成比を前記の方法で測定したところ、GBLMA:43.7モル%、MMBL:4.9モル%、MCPMA:51.5モル%であり、仕込み比とほぼ同じであった。
(重合開始剤溶液)
重合開始剤1: 1.76部
PGMEA: 12.3部
(単量体と重合開始剤の混合溶液)
GBLMA: 45.99部
MMBL: 3.41部
MCPMA: 49.65部
PGMEA: 42.2部
γBL: 81.9部
重合開始剤1: 4.10部
実施例1において、共重合体組成比(仕込み比)を表1に示す通りに変更して重合体P3〜6を得た。
図2は、濁度の測定試験における、メタノールの添加量と濁度との関係を示したグラフである。横軸は、試験溶液(測定対象の重合体の濃度20質量%PGMEA溶液)100質量部に対する、メタノールの添加量(単位:質量部)、縦軸は濁度(単位:NTU)を示す。
なお、比較例2の重合体P6は、濃度20質量%となるようにPGMEAに溶解させた溶液(メタノールの添加量がゼロ)の濁度が5NTUを超えたため、メタノールを添加する試験は行わなかった。
実施例1〜4の重合体は、低極性有機溶媒と高極性有機溶媒の両方に対して適度な溶解性を有し、現像液として有機溶媒を用いる現像プロセスにおけるレジストの形成材料として好適である。
Claims (5)
- 全単量体単位に対して、前記式(1)で表される単量体単位が6〜60モル%である、請求項1に記載の重合体。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の重合体、および活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を含有する、レジスト組成物。
- 請求項4記載のレジスト組成物を、基板の被加工面上に塗布してレジスト膜を形成する工程と、該レジスト膜に対して露光する工程と、露光されたレジスト膜を有機溶媒を用いて現像する工程とを含む、パターンが形成された基板の製造方法。
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