JP2019085550A - 変性共役ジエン系ゴム組成物、及びタイヤ - Google Patents

変性共役ジエン系ゴム組成物、及びタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】耐摩耗性と操縦安定性のバランスが特に優れる変性共役ジエン系重合体組成物を得る。【解決手段】ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが1.5以上であり、シリカ系カラムへの吸着性を有する変性共役ジエン系重合体(イ)を含有するゴム成分と、密度1.0g/cm3以上のオイル(ハ)と、を、含有する変性共役ジエン系重合体組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、変性共役ジエン系ゴム組成物、及びタイヤに関する。
近年、省資源や環境対策が重視されるにつれて、低燃費性に優れる自動車用タイヤに対する要求水準は、ますます高まっている。
低燃費性に優れるタイヤを製造する方法としては、トレッドを接地面側となるキャップトレッドとその反対面側となるベーストレッドの2層により構成し、トレッドを構成する材料として、転がり抵抗を下げるために、タイヤのエネルギーロスを抑制し、転がり抵抗特性に優れる架橋ゴムを形成することができるゴム材料を使用する方法が知られている。
タイヤに対する低燃費性への要求が強まっていることに鑑みて、より低燃費性に優れたタイヤを得るべく、トレッドを構成するゴム材料の転がり抵抗特性を改良する技術が検討されている。
転がり抵抗特性を改善する方法としては、例えば、シリカ等の無機充填剤を用いる方法が一般的である。
しかし、シリカ等の無機充填剤を用いる場合は、貯蔵弾性率、耐破壊特性、耐摩耗性等が低下することが知られている。この欠点を改善するために、シランカップリング剤を配合することが一般的に行われているが、未だ十分な効果が得られていない。
特に、貯蔵弾性率は重要なゴム物性であり、例えば、タイヤのトレッド等に用いる場合では、貯蔵弾性率が十分ではないと剛性の低下を招き、操縦安定性の低下につながる。一方において、耐摩耗性と操縦安定性は、自動車の高性能化に伴って、ますます重要になってきている。
無機充填剤の配合ゴムの耐摩耗性と操縦安定性のバランスを向上させる技術として、例えば、特許文献1には、同一分子内に、ゴムに対する反応基と無機充填剤に対する吸着基とを有する化合物と脂肪族アミンとを有効成分とする添加剤を、ゴム材料に配合する技術が開示されている。
特開2015−106646号公報
しかしながら、特許文献1に記載の所定の添加剤を含有させた配合物を製造する際には、従来使用していた材料配合に新たに所定の添加剤を配合する必要があるため、製造工程が煩雑化するという問題を有している。
また、特許文献1に記載されている技術によると、配合物の操縦安定性が向上するものの、耐摩耗性が維持されるのみであるため、ベーストレッド部の材料として用いる際、耐摩耗性と操縦安定性のバランスについては、未だ十分満足する特性が得られておらず、更なる改良が必要であるという問題を有している。
そこで本発明においては、上記従来技術が有する問題に鑑みて、耐摩耗性と操縦安定性のバランスが高度に優れる変性共役ジエン系重合体組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、所定の分子量分布の変性共役ジエン系重合体を含有するゴム成分、及び所定の密度のオイルを含有する変性共役ジエン系重合体組成物が耐摩耗性と操縦安定性のバランスに高度に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが1.5以上であり、シリカ系カラムへの吸着性を有する変性共役ジエン系重合体(イ)を含有するゴム成分と、
密度1.0g/cm3以上のオイル(ハ)と、
を、含有する変性共役ジエン系重合体組成物。
〔2〕
シリカ系無機充填剤(ロ)及びカーボンブラックを、さらに含有する、前記〔1〕に記載の変性共役ジエン系重合体組成物。
〔3〕
ベーストレッド用である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の変性共役ジエン系重合体組成物。
〔4〕
前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の変性共役ジエン系重合体組成物の架橋物を含むベーストレッドを具備するタイヤ。
本発明によれば、耐摩耗性と操縦安定性のバランスが特に優れる変性共役ジエン系重合体組成物が得られる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について以下詳細に説明する。なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
〔変性共役ジエン系重合体組成物〕
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物は、
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが1.5以上であり、シリカ系カラムへの吸着性を有する変性共役ジエン系重合体(イ)を含有するゴム成分と、
密度1.0g/cm3以上のオイル(ハ)と、
を、含有する。
(変性共役ジエン系重合体(イ))
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物に用いられるゴム成分は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが1.5以上であり、シリカ系カラムへの吸着性を有する変性共役ジエン系共重合体(イ)を含有する。
Mw/Mn(多分散度)は、1に近いほど分子量のバラツキ幅が狭いことを示す。
変性共役ジエン系重合体(イ)は、窒素含有エポキシ置換基、又は窒素含有アルコキシシラン置換基を起点に分岐した分子構造を有することが好ましく、かかる構成の変性共役ジエン系重合体は、アニオン重合開始剤を用いて、共役ジエン化合物を重合することによって、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを共重合することによって得られる共役ジエン系重合体の重合活性末端に、分子内に窒素原子を有し、かつエポキシ基を2つ以上有する化合物、又は分子内に窒素原子を有し、かつシリル基に結合したアルコキシ基を2つ以上有する化合物を反応させることにより得られる。
変性共役ジエン系重合体(イ)のMw/Mnが1.5以上であることで、耐摩耗性と操縦安定性のバランス効果が得られる。
耐摩耗性と操縦安定性のバランスの観点からMw/Mnは1.5以上が好ましい一方で、ブレーキ性能や省燃費性能はMw/Mnが小さい方が良好になる傾向にある。従って、ブレーキ性能や省燃費性能を求める場合には、Mw/Mnは1.5以上2.1以下が好ましい。他方、連続重合を採用すると、Mw/Mnは大きくなる傾向にあり、生産効率の観点からは、Mw/Mnは、2.1以上3.5以下程度が通常であるが、連続重合の技術は年々向上してきており、モノマーの純度を高くし、低温重合を行い、重合レートを高くすることにより連続重合で得られる重合体のMw/Mnを小さくできる。これらの好ましい条件を採用する場合、Mw/Mnは1.5〜2.2がより好ましく、1.7〜2.0がさらに好ましい。
変性共役ジエン系重合体(イ)は、GPCで測定されるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が、5,000〜3,000,000の範囲であることが好ましく、更に10,000〜2,500,000の範囲であることがより好ましい。
また、GPCで測定されるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)が、2,500〜2,500,000の範囲であることが好ましく、更に5,000〜2,000,000の範囲であることがより好ましい。
変性共役ジエン系重合体(イ)のMw/Mnは、1.5以上である。
変性共役ジエン系重合体(イ)のMw/Mnは、共役ジエン系重合体の重合温度を調整すると共に撹拌速度を調整することにより、上記数値範囲に制御することができる。より具体的には、重合温度を高くするほどMw/Mnが大きく、重合温度を低くするほどMw/Mnが小さくなり易い傾向にあり、撹拌速度を大きくするほどMw/Mnが大きく、攪拌速度を小さくするほどMw/Mnが小さくなり易い傾向にある。また連続重合方法を採用した場合に、Mw/Mnが1.5以上の重合体が得られ易い傾向にあり、バッチ重合の場合にはMw/Mnが1.5未満になる場合もあるが、上述の重合温度及び/又は撹拌速度の調整を行うことにより、Mw/Mnを大きくすることができる。
変性共役ジエン系重合体(イ)において、シリカ系カラムへの吸着性を有するものとするためには、官能基や分子構造を調整することが有効である。例えば、シリカ系カラムへの吸着性を有する変性共役ジエン系重合体(イ)としては、窒素含有エポキシ置換基、又は窒素含有アルコキシシラン置換基を起点に分岐した分子構造を有する変性共役ジエン系重合体が挙げられる。
タイヤの転がり抵抗特性は、タイヤに配合されるシリカ粒子と変性共役ジエン系重合体との相互作用により、シリカ粒子の分散を良くすることによって向上する。本願発明者は、シリカ粒子と相互作用する変性共役ジエン系重合体は、シリカ系カラムに吸着する性質を示すことに着目し、耐摩耗性と操縦安定性のバランスが良好な変性共役ジエン系重合体組成物のための要件として設定した。
本明細書中、「シリカ系カラム」とは、直径数μm〜数十μmの多孔性シリカゲルが充填されたカラムを意味し、後述する実施例で使用している有機溶媒系GPC用カラムの他、水系/有機溶媒系両用GPC用カラムを包含する。
本明細書中、「吸着性を有する」とは、後述する実施例の変性率測定で求められる変性率が5%以上を満たすことをいう。
共役ジエン系重合体を構成するために用いられる共役ジエン化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。これらは1種のみならず2種以上を併用してもよい。特に、1,3−ブタジエンが好ましい。
芳香族ビニル化合物としては、共役ジエン化合物と共重合可能な単量体であればよく、特に限定されるものではないが、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレン等が挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、スチレンが好ましい。これらは1種のみならず2種以上を併用してもよい。
共役ジエン系重合体は、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
ランダム共重合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ブタジエン−イソプレンランダム共重合体、ブタジエン−スチレンランダム共重合体、イソプレン−スチレンランダム共重合体、ブタジエン−イソプレン−スチレンランダム共重合体等が挙げられる。共重合体鎖中の各単量体の組成分布としては、以下に限定されるものではないが、例えば、統計的ランダムな組成に近い完全ランダム共重合体、組成がテーパー状に分布しているテーパー(勾配)ランダム共重合体等が挙げられる。共役ジエンの結合様式、すなわち1,4−結合や1,2−結合等の組成は、均一であってもよいし、分布があってもよい。
ブロック共重合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ブロックが2個からなる2型ブロック共重合体、3個からなる3型ブロック共重合体、4個からなる4型ブロック共重合体等が挙げられる。例えば、スチレン等の芳香族ビニル化合物からなるブロックをSで表し、ブタジエンやイソプレン等の共役ジエン化合物からなるブロック及び/又は芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体からなるブロックをBで表すと、S−B2型ブロック共重合体、S−B−S3型ブロック共重合体、S−B−S−B4型ブロック共重合体等で表される。
上式において、各ブロックの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。例えば、ブロックBが芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体の場合、ブロックB中の芳香族ビニル化合物は均一に分布していても、又はテーパー状に分布していてもよい。また、ブロックBに、芳香族ビニル化合物が均一に分布している部分及び/又はテーパー状に分布している部分がそれぞれ複数個共存していてもよい。さらには、ブロックBに、芳香族ビニル化合物含有量が異なるセグメントが複数個共存していてもよい。共重合体中にブロックS、ブロックBがそれぞれ複数存在する場合、それらの分子量や組成等の構造は、同一でもよいし、異なっていてもよい。
後述する変性工程を経た後の状態である変性共役ジエン系重合体は、前記変性後に共役ジエン系重合体の二重結合の全部又は一部を飽和炭化水素に変換した水素化変性共役ジエン系重合体であってもよい。
その場合、耐熱性、耐候性が向上し、高温で加工する場合の製品の劣化を防止することができる。その結果、自動車用途等種々の用途で一層優れた性能を発揮する。
より具体的には、共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合の水素化率(すなわち「水添率」)は、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されない。加硫ゴムとして用いる場合には、共役ジエン部の二重結合が部分的に残存していることが好ましい。かかる観点から、重合体中の共役ジエン部の水添率は3〜70%であることが好ましく、5〜65%であることがより好ましく、10〜60%であることがさらに好ましい。なお、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合体中の芳香族ビニル化合物に基づく芳香族二重結合の水添率については、特に限定されないが、50%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましく、20%以下であるであることがさらに好ましい。水素化率は、核磁気共鳴装置(NMR)により求めることができる。
変性共役ジエン系重合体(イ)中の結合共役ジエン量は、特に限定されないが、50〜100質量%であることが好ましく、例えば、タイヤのベーストレッド用途に用いる場合、60〜80質量%であることがより好ましい。また、変性共役ジエン系重合体(イ)中の結合芳香族ビニル量は、特に限定されないが、0〜50質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。結合共役ジエン量及び結合芳香族ビニル量が上記範囲であると、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性のバランスに優れ、耐摩耗性にも優れる加硫物を得ることができる。
ここで、結合芳香族ビニル量は、フェニル基の紫外吸光によって測定でき、ここから結合共役ジエン量も求めることができる。具体的には、後述する実施例に従った方法により測定することができる。
また、共役ジエン結合単位中のビニル結合量は、特に限定されないが、10〜75モル%であることが好ましく、25〜65モル%であることがより好ましい。ビニル結合量が上記範囲であると、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性のバランスに優れ、耐摩耗性も満足する加硫物を得ることができる。
ここで、変性共役ジエン系重合体(イ)がブタジエンとスチレンの共重合体である場合には、ハンプトンの方法(R.R.Hampton,Analytical Chemistry,21,923(1949))により、ブタジエン結合単位中のビニル結合量(1,2−結合量)を求めることができる。
ミクロ構造(上記変性共役ジエン系共重合体(イ)中の各結合量)が上記範囲にあり、さらに、変性共役ジエン系共重合体(イ)のガラス転移温度が−45〜−15℃の範囲にあると、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性のバランスにより一層優れた加硫物を得ることができる。ガラス転移温度については、ISO22768:2006に従い、所定の温度範囲で昇温しながらDSC曲線を記録し、DSC微分曲線のピークトップ(Inflection point)をガラス転移温度とする。
変性共役ジエン系重合体(イ)が、共役ジエン−芳香族ビニル共重合体である場合、芳香族ビニル単位が30以上連鎖しているブロックの数が少ないか又は無いものであることが好ましい。具体的には、変性共役ジエン系重合体(イ)が、ブタジエン−スチレン共重合体の場合、Kolthoffの方法(I.M.KOLTHOFF,et al.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法)により重合体を分解し、メタノールに不溶なポリスチレン量を分析する公知の方法において、芳香族ビニル単位が30以上連鎖しているブロックが、重合体の総量に対して好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。
本実施形態においては、重合活性末端に、反応させて導入される特定構造の化合物を官能基として有する共役ジエン系重合体(変性共役ジエン系重合体)を、不活性溶剤中で更に水素化することによって、二重結合の全部又は一部を飽和炭化水素に変換することができる。
水素化は、変性前の共役ジエン系重合体に対して行ってもよく、変性後の変性共役ジエン系重合体に対して行ってもよい。水素化を行うことにより、耐熱性、耐候性が向上し、高温で加工する場合の製品の劣化を防止することができる。その結果、自動車用途等の種々の用途において一層優れた性能を発揮する。
(変性共役ジエン系重合体(イ)の製造方法)
変性共役ジエン系重合体(イ)の製造方法について、以下に記載する。
<重合工程>
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物に含まれる変性共役ジエン系重合体(イ)である、シリカ系カラムへの吸着性を有する変性共役ジエン系共重合体(イ)の好ましい態様としては、窒素含有エポキシ置換基を起点に分岐した分子構造を有する、又は窒素含有アルコキシシラン置換基を起点に分岐した分子構造を有する変性共役ジエン系重合体が挙げられ、かかる変性共役ジエン系重合体の製造方法においては、重合開始剤として、例えば、多官能アニオン重合開始剤、一官能アニオン重合開始剤を用いて、重合工程を実施することが好ましい。
[(a)多官能アニオン重合開始剤を用いた場合の活性末端を有する共役ジエン系重合体の製造方法]
まず、共役ジエン系重合体の重合活性末端に後述するアルコキシラン化合物(変性剤)によって変性を行う前段階の、共役ジエン系重合体を重合する工程において使用する多官能アニオン重合開始剤について説明する。
共役ジエン系重合体の重合工程において用いる多官能アニオン重合開始剤は、ポリビニル芳香族化合物と有機リチウム化合物とを反応させることにより調製できる。
例えば、炭化水素溶媒中で、有機リチウム化合物とポリビニル芳香族化合物とを反応させる方法、有機リチウム化合物と共役ジエン化合物とを反応させた後にポリビニル芳香族化合物を反応させる方法、有機リチウム化合物とモノビニル芳香族化合物とを反応させた後にポリビニル芳香族化合物を反応させる方法、共役ジエン化合物及び/又はモノビニル芳香族化合物及びポリビニル芳香族化合物の二者又は三者の存在下で有機リチウム化合物を反応させる方法等が挙げられる。
特に、炭化水素溶媒中で、有機リチウム化合物とポリビニル芳香族化合物とを反応させる方法、有機リチウム化合物と共役ジエン化合物とを反応させた後にポリビニル芳香族化合物を反応させる方法、共役ジエン化合物及びポリビニル芳香族化合物の存在下で有機リチウム化合物を反応させる方法で調製された多官能アニオン重合開始剤が好ましい。
また、多官能アニオン重合開始剤の生成促進や安定化を図るために、調製の際、系内にルイス塩基を添加することが好ましい。
多官能アニオン重合開始剤の調製に用いるポリビニル芳香族化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、o,m及びp−ジビニルベンゼン、o,m及びp−ジイソプロペニルベンゼン、1,2,4−トリビニルベンゼン、1,2−ビニル−3,4−ジメチルベンゼン、1,3−ジビニルナフタレン、1,3,5−トリビニルナフタレン、2,4−ジビニルビフェニル、3,5,4´−トリビニルビフェニル、1,2−ジビニル−3,4−ジメチルベンゼン、1,5,6−トリビニル−3,7−ジエチルナフタレン等が挙げられる。
これらは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
特に、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼンが好ましく、これらのo−、m−、及びp−の異性体の混合物であってもよい。
多官能アニオン重合開始剤の調製には、前記ポリビニル芳香族化合物とともに、共役ジエン化合物及び/又はモノビニル芳香族化合物を用いてもよい。
共役ジエン化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられ、特に、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
また、モノビニル芳香族化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン等が挙げられ、特に、スチレンが好ましい。
共役ジエン化合物及び/又はモノビニル芳香族化合物は、GPCで測定した多官能アニオン重合開始剤のポリスチレン換算の重量平均分子量が1,000〜10,000となるように添加することがさらに好ましい。
多官能アニオン重合開始剤の調製に用いる有機リチウム化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−プロピルリチウム、iso−プロピルリチウム、ベンジルリチウム等のモノ有機リチウム化合物、1,4−ジリチオブタン、1,5−ジリチペンタン、1,6−ジリチオヘキサン、1,1,0−ジリチオデカン、1,1,−ジリチオフェニレン、ジリチオポリブタジエン、ジリチオポリイソプレン、1,4−ジリチオベンゼン、1,2−ジリチオ−1,2−ジフェニルエタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,3,5−トリリチオベンゼン、1,3,5−トリリチオ−2,4,6−トリエチルベンゼン等の多官能有機リチウム化合物等が挙げられる。特に、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムのモノ有機リチウム化合物が好ましい。
多官能アニオン重合開始剤の調製に用いる溶媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
また、多官能アニオン重合開始剤の調製工程中、系内にルイス塩基を添加することが好ましい。
ルイス塩基としては、以下に限定されるものではないが、例えば、3級モノアミン、3級ジアミン、鎖状又は環状エーテル等が挙げられる。
3級モノアミンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、1,1−ジメトキシトリメチルアミン、1,1−ジエトキシトリメチルアミン、1,1−ジエトキシトリメチルアミン、N,N−ジメチルホルムアミドジイソプロピルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジシクロヘキシルアセタール等の化合物が挙げられる。
3級ジアミンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、N,N,N´,N´−テトラメチルジアミノメタン、N,N,N´,N´−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N´,N´−テトラメチルプロパンジアミン、N,N,N´,N´−テトラメチルジアミノブタン、N,N,N´,N´−テトラメチルジアミノペンタン、N,N,N´,N´−テトラメチルヘキサンジアミン、ジピペリジノエタン等の化合物が挙げられる。
鎖状エーテルとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレンジメチルエーテルが挙げられる。
環状エーテルとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、テトラヒドロフラン、ビス(2−オキオラニル)エタン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン、1,1−ビス(2−オキソラニル)エタン、2,2−ビス(2−オキソラニルブタン)、2,2−ビス(5−メチル−2−オキソラニル)プロパン、2,2−ビス(3,4,5−トリメチル−2−オキソラニル)プロパン等の化合物が挙げられる。
前記ルイス塩基の中でも、3級モノアミンであるトリメチルアミン、トリエチルアミン、3級ジアミンであるN,N,N´,N´−テトラメチルエチレンジアミン、及び環状エーテルであるテトラヒドロフラン、2,2−ビス(2−オキサソラニル)プロパンが好ましい。
前記ルイス塩基は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、多官能アニオン重合開始剤を調製する際にルイス塩基を添加する場合は、重合開始剤を調製するときに用いられる前記溶媒に対し、30〜50,000ppmの範囲内で添加することが好ましく、200〜20,000ppmの範囲内で添加することがより好ましい。
反応促進や安定化の効果を十分に発現するためには、30ppm以上が好ましく、後の重合工程でのミクロ構造調整の自由度を確保することや重合後の溶媒を回収し、精製工程における重合触媒との分離を考慮すると50,000ppm以下で添加することが好ましい。
共役ジエン系重合体の重合工程において用いる多官能アニオン重合開始剤は、ポリビニル芳香族化合物と有機リチウムとのモル比が、ポリビニル芳香族化合物/有機リチウム=0.01〜1.0の範囲になるように調製されたものであることが好ましい。
有機リチウムに対するポリビニル芳香族化合物の使用量が多いほど、後述する共役ジエン系重合体の変性反応によって官能基を付与される分子鎖末端の割合が増加し、シリカ系粒子との親和性や反応性の向上が図られ、本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物における低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスが良好なものとなり、耐摩耗性の向上も図られる。
一方、有機リチウムに対してポリビニル芳香族化合物の使用量が少ない方が組成物混練り等での加工性を良好なものとすることができ、かかる観点から、有機リチウム1モルに対し1.0モル以下とすることが好ましい。
一般に、低ヒステリシスロス性を改善する場合、組成物のムーニー粘度が上昇し、加工性が悪化する傾向にあるが、上述した観点からあまり高くしない方が実用上好ましい。
これらのバランスを良好なものとする観点から、ポリビニル芳香族化合物の量は、有機リチウム1モルに対し0.02〜0.5モルの範囲が好ましく、0.02〜0.1モルの範囲がより好ましい。
多官能アニオン重合開始剤を調製する際の温度は、生産上の観点から10℃以上、高温による副作用抑制の観点から140℃以下であることが好ましく、より好ましくは35〜110℃の範囲である。
多官能アニオン重合開始剤を調製する反応時間は、反応温度に左右されるが、5分〜24時間の範囲である。
共役ジエン系重合体は、上述した多官能アニオン重合開始剤を用い、アニオン重合反応により得られる。特に、リビングアニオン重合による成長反応によって得られる活性末端を有する共役ジエン系重合体であることがより好ましい。これにより、後述する変性工程により、高変性率の変性共役ジエン系重合体(イ)を得ることができる。
重合様式としては、特に限定されないが、回分式、連続式等の重合様式で行うことができる。連続式においては、1個又は2個以上の連結された反応器を用いることができる。反応器は、攪拌機付きの槽型、管型等の公知の構成をいずれも用いることができる。
多官能アニオン重合開始剤のGPCで測定されるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、500〜20,000の範囲であることが好ましく、1,000〜10,000の範囲であることがより好ましい。
多官能アニオン重合開始剤のGPCで測定されるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)は、500〜20,000の範囲であることが好ましく、1000〜10,000の範囲であることがより好ましい。
この範囲の分子量を有する多官能アニオン重合開始剤を使用して得られた変性共役ジエン系重合体(イ)を含有する変性共役ジエン系重合体組成物は、ムーニー粘度が低下し、耐摩耗性と、操縦安定性のバランスが優れる加硫物となる。
変性共役ジエン系重合体(イ)を得るための、変性前の共役ジエン系重合体は、上述した多官能アニオン重合開始剤を用いて、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を共重合することにより得られる。
重合工程により得られた変性前の共役ジエン系重合体又は変性後の変性共役ジエン系重合体は、適宜水素化を行ってもよい。
水素化の方法としては、特に限定されず、公知の方法が利用できる。特に好適な水素化の方法としては、触媒の存在下、重合体溶液に気体状水素を吹き込む方法で水素化する方法が挙げられる。
触媒としては、貴金属を多孔質無機物質に担持させた触媒等の不均一系触媒;ニッケル、コバルト等の塩を可溶化し有機アルミニウム等と反応させた触媒、チタノセン等のメタロセンを用いた触媒等の均一系触媒等が挙げられる。これら中でも、特にマイルドな水素化条件を選択できる観点から、チタノセン触媒が好ましい。また、芳香族基の水素化は、貴金属の担持触媒を用いることによって行うことができる。
共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合を水素化する触媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、(A)Ni,Pt,Pd,Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系水添触媒、(B)Ni,Co,Fe,Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩等の遷移金属塩と有機アルミニウム等の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー型水添触媒、(C)Ti,Ru,Rh,Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体等が挙げられる。また、水素化触媒としては、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特公昭63−4841号公報、特公平1−37970号公報、特公平1−53851号公報、特公平2−9041号公報、特開平8−109219号公報に記載された水素化触媒も使用することができる。好ましい水素化触媒としてはチタノセン化合物と還元性有機金属化合物との反応混合物が挙げられる。
重合単量体である共役ジエン化合物中に、アレン類、アセチレン類等が不純物として含有されていると、後述する変性反応を阻害するおそれがある。そのため、これらの不純物の含有量濃度(質量)の合計は、200ppm以下であることが好ましく、100ppm以下であることがより好ましく、50ppm以下であることがさらに好ましい。アレン類としては、例えば、プロパジエン、1,2−ブタジエン等が挙げられる。アセチレン類としては、例えば、エチルアセチレン、ビニルアセチレン等が挙げられる。
共役ジエン系重合体の重合反応は、溶媒中で行うことが好ましい。
溶媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、飽和炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素系溶媒が挙げられる。具体的には、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素及びそれらの混合物からなる炭化水素等が挙げられる。
重合反応に供する前に、不純物であるアレン類やアセチレン類を有機金属化合物で処理することにより、高濃度の活性末端を有する重合体が得られる傾向にあり、さらには高い変性率が達成される傾向にあるため好ましい。
共役ジエン系重合体の重合反応においては、極性化合物を添加してもよい。極性化合物を添加することにより、芳香族ビニル化合物を共役ジエン化合物とランダムに共重合させることができ、極性化合物は、共役ジエン部のミクロ構造を制御するためのビニル化剤としても用いることができる。また、重合速度の改善等にも効果がある。
極性化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジメトキシベンゼン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン等のエーテル類;テトラメチルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、キヌクリジン等の第3級アミン化合物;カリウム−t−アミラート、カリウム−t−ブチラート、ナトリウム−t−ブチラート、ナトリウムアミラート等のアルカリ金属アルコキシド化合物;トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物等が挙げられる。
これらの極性化合物は、それぞれ1種のみを単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
極性化合物の使用量は、特に限定されず、目的等に応じて選択することができる。通常、重合開始剤1モルに対して0.01〜100モルであることが好ましい。このような極性化合物(ビニル化剤)は、共役ジエン系重合体の共役ジエン部分のミクロ構造の調節剤として、所望のビニル結合量に応じて適量用いることができる。多くの極性化合物は、同時に共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合において有効なランダム化効果を有し、芳香族ビニル化合物の分布の調整やスチレンブロック量の調整剤として用いることができる。共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とをランダム化する方法としては、例えば、特開昭59−140211号公報に記載されているような、共重合の途中に1,3−ブタジエンの一部を断続的に添加する方法を用いてもよい。
共役ジエン系重合体の重合工程における重合温度は、リビングアニオン重合が進行する温度であれば、特に限定されないが、生産性の観点から、0℃以上であることが好ましく、重合終了後の活性末端に対する変性剤の反応量を充分に確保する観点から、120℃以下であることが好ましい。
[(b)一官能アニオン重合開始剤を用いた場合の重合活性末端を有する共役ジエン系重合体の製造方法]
次に、一官能アニオン重合開始剤を用いた場合の重合活性末端を有する共役ジエン系重合体の製造方法を説明する。
<b−1:炭素−リチウム結合からなる化合物を重合開始剤として用いた場合の重合活性末端を有する共役ジエン系重合体の製造方法>
炭素−リチウム結合からなる化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウム等が挙げられる。工業的入手の容易さ及び重合反応のコントロールの容易さの観点から、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムが好ましい。
これらの有機リチウム化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
前記一官能アニオン重合開始剤は、他の有機アルカリ金属化合物を併用してもよい。
他の有機アルカリ金属化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、有機ナトリウム化合物、有機カリウム化合物、有機ルビジウム化合物、有機セシウム化合物等が挙げられる。具体的には、ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレン等が挙げられる。その他にも、リチウム、ナトリウム及びカリウム等のアルコキサイド、スルフォネート、カーボネート、アミド等が挙げられる。また、他の有機金属化合物と併用してもよい。
前記一官能アニオン重合開始剤としては、有機アルカリ土類金属化合物を用いることもできる。
有機アルカリ土類金属化合物としては、有機マグネシウム化合物、有機カルシウム化合物、有機ストロンチウム化合物等が挙げられる。また、アルカリ土類金属のアルコキサイド、スルフォネート、カーボネート、アミド等の化合物を用いてもよい。これらの有機アルカリ土類金属化合物は、有機アルカリ金属化合物や、その他有機金属化合物と併用してもよい。
変性共役ジエン系重合体(イ)の変性前の共役ジエン系重合体は、前記一官能アニオン重合開始剤を用いて製造する場合、共役ジエン化合物の重合体、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合体であれば特に限定されないが、アニオン重合反応により成長して得られる重合体であることが好ましい。
特に、共役ジエン系重合体は、リビングアニオン重合による成長反応によって得られる活性末端を有する重合体であることが好ましい。
これにより、高変性率の変性共役ジエン系重合体を得ることができる。重合様式としては、特に限定されないが、回分式、連続式等の重合様式で行うことができる。連続式においては、1個又は2個以上の連結された反応器を用いることができる。反応器は、撹拌機付きの槽型、管型等のものが用いられる。
重合反応に供する前に、重合系において、不純物であるアレン類やアセチレン類を有機金属化合物で処理することは、高濃度の活性末端を有する重合体が得られる傾向にあり、更には高い変性率が達成される傾向にあるため好ましい。
共役ジエン系重合体の重合反応は、溶媒中で行うことが好ましい。
溶媒としては、例えば飽和炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素系溶媒が挙げられる。具体的には、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素及びそれらの混合物からなる炭化水素等が挙げられる。
共役ジエン系重合体の重合反応においては、極性化合物を添加してもよい。極性化合物を添加することにより、芳香族ビニル化合物を共役ジエン化合物とランダムに共重合させることができ、共役ジエン部のミクロ構造を制御するためのビニル化剤としても用いることができる。また、重合速度の改善等にも効果がある。
<b−2:分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物を重合開始剤として用いた場合の重合活性末端を有する共役ジエン系重合体の製造方法>
上述した共役ジエン系重合体の重合工程において用いる重合開始剤としては、上述した重合開始剤の他、「分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物」、又は、「分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する化合物及び有機リチウム化合物を含む重合開始剤系」、を用いることができる。
重合開始剤系は、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物を、予め所定の反応器で調製しておいてもよいし、後述する重合又は共重合を行うための反応器中に供給し、重合又は共重合と同時、もしくはその前に、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する化合物と有機リチウムを反応させてもよい。
重合開始剤系に用いる、「分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する化合物」としては、下記一般式(1)〜(3)で表される化合物を用いることができる。
前記式(1)中、R10及びR11は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアラルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。
10及びR11は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR10及びR11は、炭素数5〜12のアルキル基を表し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。
前記式(2)中、R12及びR13は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアラルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。
12及びR13は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR12及びR13は、炭素数5〜12のアルキル基を表し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。R14は、炭素数1〜20のアルキレン基、又は炭素数1〜20の共役ジエン系重合体を表す。Xは、H原子、Cl原子、Br原子、又はI原子を表す。
前記式(3)中、R15及びR16は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。
15及びR16は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR15及びR16は、炭素数5〜12のアルキル基を表し、その一部分に分岐構造を有していてもよい。
前記式(1)において、R10及びR11が表すものとしては、以下のものに限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ基ル、オクチル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、3−フェニル−1−プロピル基、イソブチル基、デシル基、ヘプチル基、フェニル基が挙げられる。
前記式(1)で表される化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジプロピルアミン、ジへプチルアミン、ジへキシルアミン、ジオクチルアミン、ジ−2−エチルへキシルアミン、ジデシルアミン、エチルプロピルアミン、エチルブチルアミン、エチルベンジルアミン、メチルフェネチルアミンが挙げられる。
前記式(1)で表される化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。
前記式(1)で表される化合物は、本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物のヒステリシスロス低減、変性共役ジエン系重合体の不快臭の低減の観点、及び後述する連鎖移動反応制御の観点から、ジブチルアミン、ジへキシルアミンが好ましく、より好ましくはジブチルアミンである。
10及びR11が結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成している場合には、前記式(1)で表される化合物としては、例えば、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、アザシクロオクタン、1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン、1,2,3,6−テトラヒドロピリジンが挙げられる。
前記式(1)で表される化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。
前記式(1)で表される化合物は、本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物のヒステリシスロス低減、変性共役ジエン系重合体の不快臭の低減の観点、及び後述する連鎖移動反応制御の観点から、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、アザシクロオクタン、1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタンが好ましく、より好ましくはピペリジン、ヘキサメチレンイミンであり、さらに好ましくはピペリジンである。
前記式(2)において、カーボン、シリカ等の無機充填剤との反応性及び相互作用性の観点から、R14は、炭素数2〜16のアルキル基を表すことが好ましく、より好ましくは炭素数3〜10のアルキル基を表すことである。
前記式(2)で表される化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、3−クロロ−ジメチルプロパン−1−アミン、3−クロロ−ジエチルプロパン−1−アミン、3−クロロ−ジブチルプロパン−1−アミン、3−クロロ−ジプロピルプロパン−1−アミン、3−クロロ−ジヘプチルプロパン−1−アミン、3−クロロ−ジヘキシルプロパン−1−アミン、3−クロロロプロピル−エチルヘキサン−1−アミン、3−クロロ−ジデシルプロパン−1−アミン、3−クロロ−エチルプロパン−1−アミン、3−クロロ−エチルブタン−1−アミン、3−クロロ−エチルプロパン−1−アミン、ベンジル−3−クロロ−エチルプロパン−1−アミン、3−クロロ−エチルフェネチルプロパン−1−アミン、3−クロロ−メチルフェネチルプロパン−1−アミン、1−(3−クロロプロピル)ピペリジン、1−(3−クロロプロピル)ヘキサメチレンイミン、1−(3−クロロプロピル)アザシクロオクタン、6−(3−クロロプロピル)−1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン、1−(3−クロロプロピル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、1−(3−ブロモプロピル)ヘキサメチレンイミン、1−(3−ヨードプロピル)ヘキサメチレンイミン、1−(3−クロロブチル)ヘキサメチレンイミン、1−(3−クロロペンチル)ヘキサメチレンイミン、1−(3−クロロヘキシル)ヘキサメチレンイミン、1−(3−クロロデシル)ヘキサメチレンイミンが挙げられる。
前記式(2)で表される化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。
前記式(2)で表される化合物は、カーボン、シリカ等の無機充填剤との反応性及び相互作用性の観点から、3−クロロ−ジブチルプロパン−1−アミン、1−(3−クロロプロピル)ヘキサメチレンイミンが好ましく、より好ましくは1−(3−クロロプロピル)ヘキサメチレンイミンである。
前記式(2)において、R14が下記式(4)〜(6)のいずれか一つ繰り返し単位を有する共役ジエン系重合体を表す場合は、Xは、水素原子を表す。
前記式(2)中のXが水素原子を表す場合に、式(2)で表される化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、N,N−ジメチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジエチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジブチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジプロピル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジへプチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジへキシル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジオクチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−(ジ−2−エチルへキシル)−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジデシル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−エチルプロピル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−エチルブチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−エチルベンジル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−メチルフェネチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジメチル−2−メチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジエチル−2−メチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジブチル−2−メチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジプロピル−2−メチル−2−ブテニル−1−アミン、(N,N−ジへプチル−2−メチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジへキシル−2−メチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジメチル−3−メチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジエチル−3−メチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジブチル−3−メチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジプロピル−3−メチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジへプチル−3−メチル−2−ブテニル−1−アミン、N,N−ジへキシル−3−メチル−2−ブテニル−1−アミン、1−(2−ブテニル)ピペリジン、1−(2−ブテニル)ヘキサメチレンイミン、1−(2−ブテニル)アザシクロオクタン、6−(2−ブテニル)1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン、1−(2−ブテニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、(2−メチル−2−ブテニル)ヘキサメチレンイミン、(3−メチル−2−ブテニル)ヘキサメチレンイミンが挙げられる。
前記式(2)で表される化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。
前記式(2)で表される化合物は、本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物のヒステリシスロス低減の観点から、N,N−ジブチル−2−ブテニル1−アミン、1−(2−ブテニル)ヘキサメチレンイミンが好ましく、より好ましくは1−(2−ブテニル)ピペリジン、1−(2−ブテニル)ヘキサメチレンイミンであり、さらに好ましくは1−(2−ブテニル)ピペリジンである。
前記式(3)で表される化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、N,N−ジメチル−o−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−o−トルイジン、N,N−ジエチル−m−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジプロピル−o−トルイジン、N,N−ジプロピル−m−トルイジン、N,N−ジプロピル−p−トルイジン、N,N−ジブチル−o−トルイジン、N,N−ジブチル−m−トルイジン、N,N−ジブチル−p−トルイジン、o−ピペリジノトルエン、p−ピペリジノトルエン、o−ピロリジノトルエン、p−ピロリジノトルエン、N,N,N′,N′−テトラメチルトルイレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラエチルトルイレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラプロピルトルイレンジアミン、N,N−ジメチルキシリジン、N,N−ジエチルキシリジン、N,N−ジプロピルキシリジン、N,N−ジメチルメシジン、N,N−ジエチルメシジン、(N,N−ジメチルアミノ)トルイルフェニルメチルアミン、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−メチルナフタレン、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−メチルアントラセンが挙げられる。
前記式(3)で表される化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。
前記式(3)で表される化合物は、後述する変性共役ジエン系重合体組成物のヒステリシスロス低減の観点から、N,N−ジメチル−o−トルイジンが好ましい。
前記重合開始剤系として、上述した分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する化合物と組み合わせる有機リチウム化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−プロピルリチウム、iso−プロピルリチウムが挙げられる。
前記重合開始剤系を構成する有機リチウム化合物は、変性率向上と省燃費性能向上の観点から、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有し、アニオン重合の重合開始剤として用いることが可能なものであり、下記一般式(7)〜(10)のいずれか一つで表される有機リチウム化合物を含むことが好ましい。
前記式(7)中、R10及びR11は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアラルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。
10及びR11は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR10及びR11は、炭素数5〜12のアルキル基を表し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。
前記式(8)中、R12及びR13は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアラルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。
12及びR13は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR12及びR13は、炭素数5〜12のアルキル基を表し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。R14は、炭素数1〜20のアルキレン基、又は炭素数1〜20の共役ジエン系重合体を表す。
前記式(9)中、R15及びR16は、各々独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜14のシクロアルキル基、及び炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。
15及びR16は、結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成していてもよく、その場合のR15及びR16は、炭素数5〜12のアルキル基を表し、その一部分に分岐構造を有していてもよい。
前記式(10)中、R17は、窒素原子とともに環状構造を形成し、合計の炭素数が4〜12のアルキル基を表し、その一部分に不飽和結合又は分岐構造を有していてもよい。
18は、炭素数1〜12のアルキル基を表し、その一部分に分岐構造を有していてもよい。
前記式(7)において、R10及びR11が表すものとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、シリチウム基、エチルプロピルアミノリチウム基、エチルブチルアミノリチウム基、エチルベンジルアミノリチウム基、メチルフェネチルアミノリチウム基が挙げられる。
10及びR11は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。溶媒への可溶性、本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物のヒステリシスロス低減の観点、及び後述する連鎖移動反応制御の観点から、ジブチルアミノリチウム基、ジへキシルアミノリチウム基が好ましく、より好ましくはジブチルアミン基である。
前記式(7)において、R10及びR11が結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成している場合に、前記式(7)で表される有機リチウム化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、ピペリジノリチウム、ヘキサメチレンイミノリチウム、リチウムアザシクロオクタン、リチウム−1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン、1,2,3,6−テトラヒドロピリジノリチウムが挙げられる。式(7)で表される有機リチウム化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。重合開始剤の溶媒への可溶性、本実施形態の変性共役ジエン系重合体の不快臭の低減の観点、及び連鎖移動反応の抑制の観点から、ピペリジノリチウム、ヘキサメチレンイミノリチウム、リチウムアザシクロオクタン、リチウム−1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタンが好ましく、より好ましくはピペリジノリチウム又はヘキサメチレンイミノリチウムであり、さらに好ましくはピペリジノリチウムである。
前記式(8)において、R14は、炭素数1〜20のアルキレン基、又は炭素数1〜20の共役ジエン系重合体を表す。
当該共役ジエン系重合体は、下記式(11)〜(13)のいずれか一つで表される繰り返し単位を有する共役ジエン系重合体であることが好ましい。
前記式(8)において、R14が炭素数1〜20のアルキレン基を表す場合、カーボン、シリカ等の無機充填剤との反応性及び相互作用性の観点から、R14は、炭素数2〜16のアルキレン基を表すことが好ましく、より好ましくは炭素数3〜10のアルキレン基を表すことである。
また、R14が炭素数1〜20のアルキレン基を表す場合、前記式(8)で表される有機リチウム化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、(3−(ジメチルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(ジエチルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(ジプロピルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(ジブチルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(ジペンチルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(ジヘキシルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(ジオクチルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(エチルへキシルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(ジデシルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(エチルプロピルアミノ−プロピル)リチウム、(3−(エチルブチルアミノ−プロピル)リチウム、(3−(エチルベンジルアミノ)−プロピル)リチウム、(3−(メチルフェネチルアミノ)−プロピル)リチウム、(4−(ジブチルアミノ)−ブチル)リチウム、(5−(ジブチルアミノ)−ペンチル)リチウム、(6−(ジブチルアミノ)−ヘキシル)リチウム、(10−(ジブチルアミノ)−デシル)リチウムが挙げられる。
前記式(8)で表される有機リチウム化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。カーボン、シリカ等の無機充填剤との反応性及び相互作用性の観点から、(3−(ジブチルアミノ)−プロピル)リチウムがより好ましい。
前記式(8)において、R14が式(11)〜(13)で表される繰り返し単位を有する共役ジエン系重合体を表す場合、前記式(8)で表される有機リチウム化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、(4−(ジメチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジエチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジブチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジプロピルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジへプチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジへキシルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジオクチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジ−2−エチルへキシルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジデシルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(エチルプロピルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(エチルブチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(エチルベンジルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(メチルフェネチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジメチルアミノ)−2−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジエチルアミノ)−2−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジブチルアミノ)−2−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジプロピルアミノ)−2−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジへプチルアミノ)−2−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジへキシルアミノ)−2−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジメチルアミノ)−3−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジエチルアミノ)−3−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジブチルアミノ)−3−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジプロピルアミノ)−3−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジへプチルアミノ)−3−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジへキシルアミノ)−3−メチル−2−ブテニル)リチウムが挙げられる。
前記式(8)で表される有機リチウム化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。重合開始剤としての反応性の観点、及び後述する連鎖移動反応制御の観点から、4−(ジメチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジエチルアミノ)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ジブチルアミノ)−2−ブテニル)リチウムが好ましく、より好ましくは(4−(ジブチルアミノ)−2−ブテニル)リチウムである。
前記式(8)において、R12及びR13が結合して隣接した窒素原子とともに環状構造を形成している場合に、前記式(8)で表される有機リチウム化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、(3−(ピペリジニル)プロピル)リチウム、(3−(ヘキサメチンレンイミニル)プロピル)リチウム、(3−(ヘプタメチレンイミニル)プロピル)リチウム、(3−(オクタメチレンイミニル)プロピル)リチウム、(3−(1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタニル)プロピル)リチウム、(3−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル)プロピル)リチウム、(2−(ヘキサメチンレンイミニル)エチル)リチウム、(4−(ヘキサメチンレンイミニル)ブチル)リチウム、(5−(ヘキサメチンレンイミニル)ペンチル)リチウム、(6−(ヘキサメチンレンイミニル)ヘキシル)リチウム、(10−(ヘキサメチンレンイミニル)デシル)リチウム、(4−(ピペリジニル)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ヘキサメチンレンイミニル)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ヘプタメチレンイミニル)−2−ブテニル)リチウム、(4−(オクタメチレンイミニル)−2−ブテニル)リチウム、(4−(1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタニル)−2−ブテニル)リチウム、(4−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ヘキサメチンレンイミニル)−2−メチル−2−ブテニル)リチウム、(4−(ヘキサメチンレンイミニル)−3−メチル−2−ブテニル)リチウムが挙げられる。
前記式(8)で表される有機リチウム化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。カーボン、シリカ等の無機充填剤との反応性及び相互作用性の観点、後述する連鎖移動反応制御の観点から、(3−(ピペリジニル)プロピル)リチウム、(3−(ヘキサメチンレンイミニル)プロピル)リチウム、(3−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル)プロピル)リチウム、(4−(ピペリジニル)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ヘキサメチンレンイミニル)−2−ブテニル)リチウムが好ましく、より好ましくは(3−(ヘキサメチンレンイミニル)プロピル)リチウム、(4−(ピペリジニル)−2−ブテニル)リチウム、(4−(ヘキサメチンレンイミニル)−2−ブテニル)リチウムが好ましく、さらに好ましくは(4−(ピペリジニル)−2−ブテニル)リチウムである。
前記式(9)で表される有機リチウム化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、N,N−ジメチル−o−トルイジノリチウム、N,N−ジメチル−m−トルイジノリチウム、N,N−ジメチル−p−トルイジノリチウム、N,N−ジエチル−o−トルイジノリチウム、N,N−ジエチル−m−トルイジノリチウム、N,N−ジエチル−p−トルイジノリチウム、N,N−ジプロピル−o−トルイジノリチウム、N,N−ジプロピル−m−トルイジノリチウム、N,N−ジプロピル−p−トルイジノリチウム、N,N−ジブチル−o−トルイジノリチウム、N,N−ジブチル−m−トルイジノリチウム、N,N−ジブチル−p−トルイジノリチウム、o−ピペリジノトルエノリチウム、p−ピペリジノトルエノリチウム、o−ピロリジノトルエノリチウム、p−ピロリジノトルエン、N,N,N′,N′−テトラメチルトルイレンジアミノリチウム、N,N,N′,N′−テトラエチルトルイレンジアミノリチウム、N,N,N′,N′−テトラプロピルトルイレンジアミノリチウム、N,N−ジメチルキシリジノリチウム、N,N−ジエチルキシリジノリチウム、N,N−ジプロピルキシリジノリチウム、N,N−ジメチルメシジノリチウム、N,N−ジエチルメシジノリチウム、(N,N−ジメチルアミノ)トルイルフェニルメチルアミノリチウム、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−メチルナフタレノリチウム、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−メチルアントラセノリチウムが挙げられる。
前記式(9)で表される有機リチウム化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。重合活性の観点から、N,N−ジメチル−o−トルイジノリチウムがより好ましい。
前記式(10)で表される有機リチウム化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、2−(2−メチルピペリジニル)−1−エチルリチウム(例えば、FMC社製の商品名「AI−250」)が挙げられる。
前記式(10)で表される有機リチウム化合物は、これらに限定されるものではなく、上記条件を満たせば、これらの類似物を含む。
変性共役ジエン系重合体(イ)の変性前の状態である共役ジエン系重合体の重合工程前に、上述した重合開始剤として、予め分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物を調製しておいてもよく、その方法は既知のあらゆる方法で調製される。
前記式(7)で表される、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物は、例えば、前記式(1)で表される化合物と有機リチウム化合物とを、炭化水素溶媒中で反応させることによって得られる。炭化水素溶媒としては、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン等の適切な溶媒を選択すればよい。反応温度は0℃以上80℃以下が好ましく、生産性の観点から5.0℃以上70℃以下が好ましく、7.0℃以上50℃以下がさらに好ましい。
前記式(8)で表される、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物は、R14が炭素数1〜20のアルキレン基を表す場合、例えば、前記式(2)で表される化合物と有機リチウム化合物とを炭化水素溶媒中で反応させ、リチウムアミド化合物を調製し、これに下記式(A)で表される、ジハロゲン化アルキルを反応させ、さらに有機リチウム化合物を反応させることで得られる。
前記式(A)中、X1及びX2は、各々独立して、I原子、Br原子、又はCl原子を表し、R3aは、炭素数1〜20のアルキレン基を表し、好ましくは炭素数2〜16のアルキレン基、より好ましくは炭素数3〜10のアルキレン基を表す。
前記式(A)で表される化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、1−ブロモ−3−クロロプロパン、1−ブロモ−4−クロロブタン、1−ブロモ−5−クロロペンタン、1−ブロモ−6−クロロヘキサン、1−ブロモ−10−クロロデカン、1−ブロモ−3−ヨードプロパン、1−ブロモ−4−ヨードブタン、1−ブロモ−5−ヨードペンタン、1−ブロモ−6−ヨードヘキサン、1−ブロモ−10−ヨードデカン、1−クロロ−3−ヨードプロパン、1−クロロ−4−ヨードブタン、1−クロロ−5−ヨードペンタン、1−クロロ−6−ヨードヘキサン、1−クロロ−10−ヨードデカンが挙げられる。
前記式(A)で表される化合物は、反応性及び安全性の観点から、1−ブロモ−3−クロロプロパン、1−ブロモ−4−クロロブタン、1−ブロモ−5−クロロペンタン、1−ブロモ−6−クロロヘキサン、1−ブロモ−10−クロロデカンが好ましく、より好ましくは1−ブロモ−3−クロロプロパン、1−ブロモ−4−クロロブタン、1−ブロモ−6−クロロヘキサンである。
前記式(2)で表される化合物、有機リチウム化合物、及び炭化水素溶媒を用いて、リチウムアミド化合物を調製する際の反応温度は、−100℃以上150℃以下が好ましい。リチウムアミド化合物に式(A)で表される化合物を反応させる際の反応温度は−78℃以上70℃以下であることが好ましく、より好ましくは−50℃以上50℃以下である。その後、得られた化合物に有機リチウム化合物を反応させる際の反応温度は、−78℃以上70℃以下であることが好ましく、より好ましくは−50℃以上50℃以下である。
式(9)で表される化合物は、式(3)で表される化合物、有機リチウム化合物、及び炭化水素溶媒を用いて製造することができる。
式(3)で表される化合物、有機リチウム化合物、及び炭化水素溶媒を用いて、式(9)で表されるリチウムアミド化合物を調製する際の反応温度は、−78℃以上70℃以下が好ましい。リチウムアミド化合物に式(A)で表される化合物を反応させる際の反応温度は−78℃以上70℃以下であることが好ましく、より好ましくは−50℃以上50℃以下である。その後、得られた化合物に有機リチウム化合物を反応させる際の反応温度は、−78℃以上70℃以下であることが好ましく、より好ましくは−50℃以上50℃以下である。
前記式(8)で表される、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物は、R14が前記式(11)〜(13)のいずれか一つで表される繰り返し単位を有する共役ジエン系重合体を表すものである場合、以下のステップ(I)〜(IV)で合成される。
(I)式(2)で表される化合物と有機リチウム化合物とを炭化水素溶媒中で反応させ、リチウムアミド化合物を合成する。
(II)炭化水素溶媒中、得られたリチウムアミド化合物と、ブタジエン又はイソプレンとを反応させる。
(III)アルコールを加えてリチウムを失活させ、得られた生成物を減圧蒸留する。
(IV)蒸留して得られた生成物と有機リチウム化合物とを炭化水素溶媒中で反応させる。
前記式(2)で表される化合物、有機リチウム化合物、及び炭化水素溶媒を用いてリチウムアミドを調製する、前記ステップ(I)の反応温度は上述の通りである。
前記ステップ(III)中の前記アルコールは、一般的なものが使用できるが、低分子量のものが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールが好ましく、より好ましくはエタノールである。
前記ステップ(IV)の反応温度は、0℃以上80℃以下であり、好ましくは10℃以上70℃以下である。
上記有機リチウム化合物の調製の際には、系内に極性化合物を添加してもよい。これにより、生成の促進及び炭化水素溶媒への可溶化を図ることができる傾向にある。極性化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、3級モノアミン、3級ジアミン、鎖状又は環状エーテルが挙げられる。
3級モノアミンとしては、以下のものに限定されないが、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、1,1−ジメトキシトリメチルアミン、1,1−ジエトキシトリメチルアミン、1,1−ジエトキシトリエチルアミン、N,N−ジメチルホルムアミドジイソプロピルアセタール、N,N−ジメチルホルムアミドジシクロヘキシルアセタールが挙げられる。
3級ジアミンとしては、以下のものに限定されないが、例えば、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノメタン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノブタン、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノペンタン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン、ジピペリジノペンタン、ジピペリジノエタンが挙げられる。
鎖状エーテルとしては、以下のものに限定されないが、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレンジメチルエーテルが挙げられる。
環状エーテルとしては、以下のものに限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン、ビス(2−オキソラニル)エタン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン、1,1−ビス(2−オキソラニル)エタン、2,2−ビス(2−オキソラニル)ブタン、2,2−ビス(5−メチル−2−オキソラニル)プロパン、2,2−ビス(3,4,5−トリメチル−2−オキソラニル)プロパンが挙げられる。
極性化合物の中でも、3級モノアミンであるトリメチルアミン、トリエチルアミン;3級ジアミンであるN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、環状エーテルであるテトラヒドロフラン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンが好ましい。極性化合物は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合開始剤である有機リチウム化合物を調製する際に極性化合物を添加する場合は、調製するときに用いられる溶媒に対し30質量ppm以上50,000質量ppmの範囲内で添加することが好ましく、200質量ppm以上20,000質量ppm以下の範囲内で添加することがより好ましい。反応促進及び溶媒への可溶化の効果を十分に発現するためには、30質量ppm以上の添加が好ましく、重合工程でのミクロ構造調整の自由度を確保すること及び重合後の溶媒を回収し、精製する工程における重合溶媒との分離を考慮すると、50,000質量ppm以下で添加することが好ましい。
変性共役ジエン系重合体(イ)の変性前の共役ジエン系重合体は、上述した各種重合開始剤、好ましくは、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物、又は少なくとも1つ窒素原子を有する化合物及び有機リチウム化合物を含む重合開始剤系を用いて、共役ジエン化合物を用いて重合し、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを共重合することによって得られる。
重合工程においては、分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物を、予め所定の反応器で調製しておき、共役ジエン化合物の重合、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合を行う反応器に供給して重合反応を行ってもよいし、上述した分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する化合物と有機リチウム化合物をスタテックミキサー又はインラインミキサーを用いて混合し調製し、併せて重合反応を行ってもよい。重合開始剤として、上述した分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する有機リチウム化合物を用いる場合には、当該化合物は1種のみを単独で用いてもよく2種以上の混合物を用いてもよい。
変性前の共役ジエン系重合体は、上述した分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する化合物及び有機リチウム化合物を含む重合開始剤系を用いて、共役ジエン化合物を用いて重合し、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを共重合する重合工程によって得られる。
共役ジエン系重合体の重合工程は、バッチ式、連続式のどちらの重合方式で行ってもよいが、高変性率、高分子量、及び高分岐の共役ジエン系重合体を安定的に生産する観点から、連続式で重合することが好ましく、1個の反応器又は2個以上の連結された反応器での連続式で重合することがより好ましい。
このとき、変性率を75質量%以上、MSR(応力緩和)を0.45以下にするためには、例えば、重合温度を45℃以上80℃以下、かつ、ソリッドコンテント(固形分)を16.0質量%以下にすることが好ましい。
変性率を78質量%以上、MSRを0.45以下にするためには、重合温度を50℃以上80℃以下の範囲に制御し、かつ、ソリッドコンテントを16.0質量%以下にすることが好ましい。
変性率を80質量%以上、MSRを0.44以下にするめには、重合温度を50℃以上80℃以下の範囲に制御し、かつ、ソリッドコンテントを16.0質量%以下にすることが好ましく、有機リチウム化合物のフィード組成が、炭化水素溶媒に対して、0.001mol/L以下にすることが好ましい。
変性率を85質量%以上、MSRを0.43以下にするためには、重合温度を50℃以上78℃以下の範囲に制御し、かつ、ソリッドコンテントを16.0質量%以下、かつ、有機リチウム化合物のフィード組成が炭化水素溶媒に対して、0.001mol/L以下にすることが好ましい。
変性率を88質量%以上、MSRを0.42以下にするためには、重合温度を55℃以上76℃以下、かつ、ソリッドコンテントを15.0質量%以下、かつ、有機リチウム化合物のフィード組成が炭化水素溶媒に対して0.0008mol/L以下にすることが好ましい。
さらに好ましくは、後述する連鎖移動反応を適切に制御し、変性率を90質量%以上、MSRを0.40以下、すなわち高変性率、高分子量、及び高分岐を達成する観点から、連続式の重合であり、重合温度が60℃以上72℃以下であり、ソリッドコンテントが14.0質量%以下であり、有機リチウム化合物が連続的に添加され、有機リチウム化合物のフィード組成が炭化水素溶媒に対して0.00070mol/L以下であることが好ましい。
有機リチウム化合物を用いた重合体の重合プロセスは、連続式でもバッチ式でもよいが、生産効率の観点からは、共役ジエン化合物を含む単量体と、重合開始剤を重合槽に連続的に供給し、連続的に重合する連続式が好ましい。連続式の場合、重合に用いられる単量体、溶媒、重合開始剤は、それぞれ別に重合槽にフィードしてもよいし、攪拌機を備えた混合槽を用いる方法、配管内でスタッティクミキサーやラインミキサーを使って連続的に混合する方法であってもよい。
有機リチウム化合物の安定性の観点から、重合に用いられる単量体及び重合開始剤は、炭化水素溶媒で希釈されていることが好ましい。単量体については、ソリッドコンテントが16質量%以下であることが好ましい。重合開始剤が有機リチウム化合物の場合は、有機リチウム化合物のフィード組成が炭化水素溶媒に対して0.0010mol/L以下であることが好ましく、0.0008mol/L以下であることがより好ましい。
重合工程において、高分子量ポリマーの安定生産の観点から、重合方式が連続式であり、かつ、有機リチウム化合物が炭化水素溶媒に対して0.0010mol/L以下であることが好ましい。
本実施形態の分子内に少なくとも1つ窒素原子を有する化合物及び有機リチウム化合物を含む重合開始剤系を用いて、共役ジエン系重合体が共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合体となる重合を行う場合には、Makromol.chem 186.1335−1350(1985)に記載されているように、重合開始剤系の分子内の少なくとも1つ窒素原子の影響により、連鎖移動反応が促進されることから、リビング末端活性末端が失活する傾向にあるため、変性率を高めるためには、特定の製造条件が必要となる傾向にある。また、例えば、重合温度が高くなると、連鎖移動速度又は連鎖移動率が高くなり、得られる重合体の数平均分子量は減少し、分岐度は増加し、分子量分布は広くなり、芳香族ビニル単位が30以上連鎖しているブロック部分が低下又は無くなる傾向にあるため、MSRが減少する傾向にある。しかし、リビング活性末端の失活が促進されると推察され、製造条件を制御しない場合には、変性率は低下してしまう傾向にある。なお、バッチ式と連続式それぞれの重合法では、連続式の重合法がより連鎖移動反応を進行させる傾向にある。
重合温度は、アニオン重合が進行し、連鎖移動反応が制御され、芳香族ビニル化合物単位が30以上連鎖しているブロックの数が少ない又は無い範囲であれば、特に限定されないが、生産性の観点から、45℃以上であることが好ましく、連鎖移動反応を制御し、重合終了後の活性末端に対する変性剤の反応量を充分に確保する観点から、80℃以下であることが好ましく、芳香族ビニル単位が30以上連鎖しているブロックの数が少ないという観点から、50℃以上78℃以下がより好ましく、60℃以上75℃以下がさらに好ましい。
重合工程において、上述の連鎖移動反応制御の観点から、共役ジエン系化合物及び芳香族ビニル化合物、並びに溶剤の総質量に対して、共役ジエン系化合物及び芳香族ビニル化合物類等の含有量であるソリッドコンテント(「モノマー濃度」ともいう。)は、16質量%以下であることが好ましく、より好ましくは15質量%以下であり、さらに好ましくは14質量%以下である。また、ソリッドコンテントの下限は特に制限されないが、12.5質量%以上であることが好ましい。
重合工程において、連鎖移動反応制御及び活性末端失活抑制の観点から、重合方式が連続式であり、重合温度が45℃以上80℃以下であり、かつ、ソリッドコンテントが16質量%以下であることが好ましい。
重合工程において用いる共役ジエン化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。これらは1種のみならず2種以上を併用してもよい。特に、1,3−ブタジエンが好ましい。
重合工程において用いる単量体である芳香族ビニル化合物としては、共役ジエン化合物と共重合可能な単量体であれば以下のものに限定されないが、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレンが挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、スチレンが好ましい。これらは1種のみならず2種以上を併用してもよい。
重合工程は、溶媒中で重合することが好ましい。溶媒としては、例えば、飽和炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素系溶媒が挙げられる。具体的な炭化水素系溶媒として、以下のものに限定されないが、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素及びそれらの混合物からなる炭化水素が挙げられる。
共役ジエン化合物、芳香族ビニル化合物、及び重合溶媒は、それぞれ単独で、又はこれらの混合液を、予め重合反応に供する前に、不純物であるアレン類及びアセチレン類を、有機金属化合物を反応させ処理しておくことが好ましい。
これにより、不純物による重合の阻害が防止でき、重合体の活性末端量が高濃度となり、よりシャープな分子量分布(Mw/Mn)を達成でき、さらには高い変性率が達成される傾向にある。
共役ジエン系重合体の重合反応においては、極性化合物を添加してもよい。これにより、芳香族ビニル化合物を共役ジエン化合物とランダムに共重合させることができ、共役ジエン部のミクロ構造を制御するためのビニル化剤としても用いることができる傾向にある。また、重合速度の改善等にも効果がある。
極性化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジメトキシベンゼン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン等のエーテル類;テトラメチルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、キヌクリジン等の第3級アミン化合物;カリウム−t−アミラート、カリウム−t−ブチラート、ナトリウム−t−ブチラート、ナトリウムアミラート等のアルカリ金属アルコキシド化合物;トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物が挙げられる。
これらの極性化合物は、それぞれ単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
極性化合物の使用量は、特に限定されず、目的等に応じて選択することができるが、重合開始剤1モルに対して、0.01モル以上100モル以下であることが好ましい。このような極性化合物(ビニル化剤)は、重合体共役ジエン部分のミクロ構造の調節剤として、所望のビニル結合量に応じて、適量用いることができる。多くの極性化合物は、同時に共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合において有効なランダム化効果を有し、芳香族ビニル化合物の分布の調整やスチレンブロック量の調整剤として用いることができる傾向にある。
共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とをランダム化する方法としては、例えば、特開昭59−140211号公報に記載されているように、共重合の途中に1,3−ブタジエンの一部を断続的に添加する方法が挙げられる。
変性共役ジエン系重合体(イ)の変性前の共役ジエン系重合体中の結合共役ジエン量は、特に限定されないが、50質量%以上100質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。また、共役ジエン系重合体中の結合芳香族ビニル量は、特に限定されないが、0質量%以上50質量%以下であることが好ましく、20質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。結合共役ジエン量及び結合芳香族ビニル量が上記範囲であると、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスがさらに優れ、耐摩耗性及び破壊強度もより満足する加硫物を得ることができる傾向にある。ここで、結合芳香族ビニル量は、フェニル基の紫外吸光によって測定でき、ここから結合共役ジエン量も求めることができる。具体的には、後述する実施例に記載の方法に準じて測定することができる。
変性共役ジエン系重合体(イ)の共役ジエン結合単位中のビニル結合量は、特に限定されないが、10モル%以上75モル%以下であることが好ましく、25モル%以上65モル%以下であることがより好ましい。ビニル結合量が上記範囲であると、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスがさらに優れ、耐摩耗性及び破壊強度もより満足する加硫物を得ることができる傾向にある。ここで、変性共役ジエン系重合体がブタジエンとスチレンとの共重合体である場合には、ハンプトンの方法(R.R.Hampton,Analytical Chemistry,21,923(1949))により、ブタジエン結合単位中のビニル結合量(1,2−結合量)を求めることができる。具体的には、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
変性共役ジエン系重合体(イ)の変性前の共役ジエン系重合体は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。ランダム共重合体としては、以下のものに限定されないが、例えば、ブタジエン−イソプレンランダム共重合体、ブタジエン−スチレンランダム共重合体、イソプレン−スチレンランダム共重合体、ブタジエン−イソプレン−スチレンランダム共重合体が挙げられる。
共重合体鎖中の各単量体の組成分布としては、特に限定されず、例えば、統計的ランダムな組成に近い完全ランダム共重合体、組成がテーパー状に分布しているテーパー(勾配)ランダム共重合体が挙げられる。共役ジエンの結合様式、すなわち1,4−結合や1,2−結合等の組成は、均一であってもよいし、分布があってもよい。
ブロック共重合体としては、以下のものに限定されないが、例えば、ブロックが2個からなる2型ブロック共重合体、3個からなる3型ブロック共重合体、4個からなる4型ブロック共重合体が挙げられる。例えば、スチレン等の芳香族ビニル化合物からなるブロックをSで表し、ブタジエンやイソプレン等の共役ジエン化合物からなるブロック及び/又は芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体からなるブロックをBで表すと、S−B2型ブロック共重合体、S−B−S3型ブロック共重合体、S−B−S−B4型ブロック共重合体等で表される。
上記式において、各ブロックの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。例えば、ブロックBが芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体の場合、ブロックB中の芳香族ビニル化合物は均一に分布していても、又はテーパー状に分布していてもよい。また、ブロックBに、芳香族ビニル化合物が均一に分布している部分及び/又はテーパー状に分布している部分がそれぞれ複数個共存していてもよい。さらには、ブロックBに、芳香族ビニル化合物含有量が異なるセグメントが複数個共存していてもよい。共重合体中にブロックS、ブロックBがそれぞれ複数存在する場合、それらの分子量や組成等の構造は、同一でもよいし、異なっていてもよい。
上述した製造方法により得られた共役ジエン系重合体を、不活性溶剤中でさらに水素化することによって、二重結合の全部又は一部を飽和炭化水素に変換することができる。その場合、耐熱性、耐候性が向上し、高温で加工する場合の製品の劣化を防止することができる傾向にある。その結果、自動車用途等種々の用途で一層優れた性能を発揮する。
共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合の水素化率(単に、「水添率」ともいう。)は、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されない。加硫ゴムとして用いる場合には、共役ジエン部の二重結合が部分的に残存していることが好ましい。かかる観点から、重合体中の共役ジエン部の水添率は3.0%以上70%以下であることが好ましく、5.0%以上65%以下であることがより好ましく、10%以上60%以下であることがさらに好ましい。また、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合体中の芳香族ビニル化合物に基づく芳香族二重結合の水添率については、特に限定されないが、50%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましく、20%以下であるであることがさらに好ましい。水素化率は、核磁気共鳴装置(NMR)により求めることができる。
水素化の方法としては、特に限定されず、公知の方法が利用できる。好適な水素化の方法としては、触媒の存在下、重合体溶液に気体状水素を吹き込む方法で水素化する方法が挙げられる。
触媒としては、例えば、貴金属を多孔質無機物質に担持させた触媒等の不均一系触媒;ニッケル、コバルト等の塩を可溶化し有機アルミニウム等と反応させた触媒、チタノセン等のメタロセンを用いた触媒等の均一系触媒が挙げられる。これら中でも、特にマイルドな水素化条件を選択できる観点から、チタノセン触媒が好ましい。また、芳香族基の水素化は、貴金属の担持触媒を用いることによって行うことができる。
水素化触媒としては、以下のものに限定されないが、例えば、(1)Ni,Pt,Pd,Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系水添触媒、(2)Ni,Co,Fe,Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩等の遷移金属塩と有機アルミニウム等の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー型水添触媒、(3)Ti,Ru,Rh,Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体が挙げられる。
さらに、水素化触媒としては、例えば、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特公昭63−4841号公報、特公平1−37970号公報、特公平1−53851号公報、特公平2−9041号公報、特開平8−109219号公報に記載された水素化触媒も挙げられる。
好ましい水素化触媒としては、チタノセン化合物と還元性有機金属化合物との反応混合物が挙げられる。
共役ジエン化合物中に、アレン類、アセチレン類等が不純物として含有されていると、後述する変性の反応を阻害するおそれがある。そのため、これらの不純物の含有量濃度(質量)の合計は、共役ジエン化合物の総量に対して、200質量ppm以下であることが好ましく、100質量ppm以下であることがより好ましく、50質量ppm以下であることがさらに好ましい。アレン類としては、例えば、プロパジエン、1,2−ブタジエンが挙げられる。アセチレン類としては、例えば、エチルアセチレン、ビニルアセチレンが挙げられる。
ミクロ構造(上記変性共役ジエン系共重合体中の各結合量)が上記範囲にあり、さらに共重合体のガラス転移温度が−45℃以上−15℃以下の範囲にあるときに、低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性とのバランスにより一層優れた加硫物を得ることができる。
ガラス転移温度については、ISO22768:2006に従い、所定の温度範囲で昇温しながらDSC曲線を記録し、DSC微分曲線のピークトップ(Inflection point)をガラス転移温度とする。具体的には、後述する実施例に記載の方法により測定する。
本実施形態に用いられる変性共役ジエン系重合体(イ)が共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合体である場合、芳香族ビニル単位が30以上連鎖しているブロックの数が少ないか又は無いものであることが好ましい。具体的には、共重合体がブタジエン−スチレン共重合体の場合、Kolthoffの方法(I.M.KOLTHOFF,et al.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法)により重合体を分解し、メタノールに不溶なポリスチレン量を分析する公知の方法において、芳香族ビニル単位が30以上連鎖しているブロックが、重合体の総量に対して好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは3.0質量%以下である。
(変性工程)
上述した方法で、重合活性末端を有する共役ジエン系重合体を得た後、その重合活性末端に、所定の変性剤を反応させ、変性工程を実施することにより、変性共役ジエン系重合体(イ)が得られる。
好ましくは、後述する、分子中に窒素原子を有し、かつエポキシ基を2つ以上有する化合物(変性剤)、又は分子中にシリル基に結合したアルコキシ基を有し、かつ窒素原子を有する化合物(変性剤)、を反応させる変性工程を行うことで、変性共役ジエン系重合体(イ)が得られる。
変性工程では、分子中に窒素原子を有し、かつエポキシ基を有する化合物(変性剤)のエポキシ基が、共役ジエン系重合体の重合活性末端と反応することで、共役ジエン系重合活性末端と開環したエポキシ基の酸素原子との間の結合を形成することができる。
また、分子中にシリル基に結合したアルコキシ基を有し、かつ窒素原子を有する化合物(変性剤)のシリル基に結合したアルコキシ基が共役ジエン系重合体の重合活性末端と反応することで、共役ジエン系重合体末端とSiとの間の結合を形成することができる。これらにより、変性共役ジエン系重合体が、窒素含有エポキシ置換基、又は窒素含有アルコキシシラン置換基を起点に分岐した分子構造となる。
<変性剤>
まず、分子中に窒素原子を有し、かつエポキシ基を2つ以上有する化合物(変性剤)として、例えば、一般式(14)に示す化合物が挙げられる。
一般式(14)中、R19、R20は、炭素数1〜10の炭化水素基又はエーテル基及び/又は3級アミンを有する炭素数1〜10の炭化水素、R21、R22は、水素、炭素数1〜20の炭化水素基、又はエーテル及び/又は3級アミンを有する炭素数1〜20の炭化水素基、R23は、炭素数1〜20の炭化水素基、又はエーテル、3級アミン、エポキシ、カルボニル、及びハロゲンのうち少なくとも1種の基を有する炭素数1〜20の炭化水素基であり、kは1〜6である。
一般式(14)で表される変性剤としては、kが2又は3の化合物が好ましく、例えば、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
分子中にシリル基に結合したアルコキシ基を有し、かつ窒素原子を有する化合物(変性剤)としては、例えば、一般式(15)、一般式(16)、一般式(17)に示す化合物が挙げられる。
一般式(15)中、R24、R25は、各々独立して炭素数1〜20のアルキル基、又はアリール基であり、R26は、炭素数1〜20のアルキレン基であり、R27、R28は、同一であっても異なっていてもよい炭素数1〜6の炭化水素基であって隣接する2つのNとともに5員環以上の環構造をなし、R29は炭素数1〜20の炭化水素基、又は3有機置換シリル基であり、pは2又は3の整数である。
一般式(16)中、R31〜R34は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を表し、R35は炭素数1〜10のアルキレン基を表し、R36は炭素数1〜20のアルキレン基を表す。mは1又は2の整数であり、nは2又は3の整数である。
一般式(17)中、R48〜R50は、各々独立に、単結合又は炭素数1〜20のアルキレン基を示し、R51〜R54、及びR56は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基を示し、R55及びR58は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキレン基を示し、R57は、炭素数1〜20のアルキル基又はトリアルキルシリル基を示し、vは、1〜3の整数を示し、wは、1又は2を示す。それぞれ複数存在する場合のR48〜R58、v、及びwは、各々独立しており、同じであっても異なっていてもよい。dは、0〜6の整数を示し、eは、0〜6の整数を示し、fは、0〜6の整数を示し、(d+e+f)は、3〜10の整数である。Yは、炭素数1〜20の炭化水素基、又は、酸素原子、窒素原子、珪素原子、硫黄原子、及びリン原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を有し、活性水素を有しない有機基を表す。Yが示す炭化水素基は、飽和、不飽和、脂肪族、及び芳香族の炭化水素基を含む。活性水素を有しない有機基は、共役ジエン系重合体が有する活性末端を不活性化させる有機基である。そのような有機基としては、例えば、水酸基(−OH)、第2級アミノ基(>NH)、第1級アミノ基(−NH2)、スルフヒドリル基(−SH)等の活性水素を有する官能基、を有しない有機基である。
前記一般式(17)において、Yは、下記一般式(D)〜(G)のいずれかで表される。
一般式(D)中、Z1は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、iは、1〜10の整数を示す。複数存在する場合のZ1は、各々独立している。
一般式(E)中、Z2は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Z3は、炭素数1〜20のアルキル基を示し、iは、1〜10の整数を示す。それぞれ複数存在する場合のZ2及びZ3は、各々独立している。
一般式(F)中、Z4は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、iは、1〜10の整数を示す。複数存在する場合のZ4は、各々独立している。
一般式(G)中、Z5は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、iは、1〜10の整数を示す。複数存在する場合のZ5は、各々独立している。
前記一般式(15)で表される変性剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−4−メチルピペラジン、1−[3−(ジエトキシエチルシリル)プロピル]−4−メチルピペラジン、1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−3−メチルイミダゾリジン、1−[3−(ジエトキシエチルシリル)プロピル]−3−エチルイミダゾリジン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−3−メチルヘキサヒドロピリミジン、1−[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]−3−メチルヘキサヒドロピリミジン、3−[3−(トリブトキシシリル)プロピル]−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン、3−[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]−1−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン、1−(2−エトキシエチル)−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]イミダゾリジン、(2−{3−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]テトラヒドロピリミジン−1−イル}エチル)ジメチルアミン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−4−(トリメチルシリル)ピペラジン、1−[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]−4−(トリメチルシリル)ピペラジン、1−[3−(トリブトキシシリル)プロピル]−4−(トリメチルシリル)ピペラジン、1−[3−(ジエトキシエチルシリル)プロピル]−3−(トリエチルシリル)イミダゾリジン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−3−(トリメチルシリル)イミダゾリジン、1−[3−(ジメトキシメチルシリル)プロピル]−3−(トリメチルシリル)ヘキサヒドロピリミジン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−3−(トリメチルシリル)ヘキサヒドロピリミジン、1−[4−(トリエトキシシリル)ブチル]−4−(トリメチルシリル)ピペラジン等が挙げられる。
これらの中でも、官能基とシリカ等の無機充填剤との反応性、相互作用性の観点から、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−4−メチルピペラジン、1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−3−メチルイミダゾリジン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−3−メチルヘキサヒドロピリミジン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−4−(トリメチルシリル)ピペラジン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−3−(トリメチルシリル)イミダゾリジン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−3−(トリメチルシリル)ヘキサヒドロピリミジンが好ましく、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−4−メチルピペラジン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−4−(トリメチルシリル)ピペラジンが好ましい。
前記一般式(16)で表される変性剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(4−トリメトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(5−トリメトキシシリルペンチル)−1−アザ−2−シラシクロヘプタン、2,2−ジメトキシ−1−(3−ジメトキシメチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−ジエトキシエチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ,2−メチル−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ,2−エチル−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ,2−メチル−1−(3−ジメトキシメチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ,2−エチル−1−(3−ジエトキシエチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン等が挙げられる。
これらの中でも、転がり抵抗特性の観点や、押し出し加工性の観点から、mが2、nが3であるものがより好ましい。具体的には、2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンが好ましい。
一般式(17)で表される変性剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−トリプロポキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)―[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]アミン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(1−メトキシ−2−メチル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−エトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,6−ヘキサメチレンジアミン、ペンタキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−ジエチレントリアミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−メチル−1,3−プロパンジアミン、テトラキス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]シラン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)−ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]シラン、トリス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリメトキシシリルプロピル)シラン、トリス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]シラン、3−トリス[2−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)エトキシ]シリル−1−トリメトキシシリルプロパン、1−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−3,4,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−シクロヘキサン、1−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−3,4,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−シクロヘキサン、3,4,5−トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−シクロヘキシル−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]エーテル、(3−トリメトキシシリルプロピル)ホスフェイト、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)―[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]ホスフェイト、ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリメトキシシリルプロピル)ホスフェイト、及びトリス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]ホスフェイトが挙げられる。
前記式(17)において、Yが前記式(D)で表される場合の変性剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)―[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]アミン、ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]アミン、トリス(3−エトキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)―[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]アミン、ビス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、トリス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]アミン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)−ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、トリス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、テトラキス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、トリス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、テトラキス(3−トリエトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)−ビス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、トリス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、テトラキス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、
トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)−[3−(1−エトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−エトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、ビス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリエトキシシリルプロピル)−[3−(1−エトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、トリス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−エトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)−ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラキス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラキス(3−トリエトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)−ビス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、テトラキス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)−[3−(1−エトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−エトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリエトキシシリルプロピル)−[3−(1−エトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−エトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,6−ヘキサメチレンジアミン、及びペンタキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−ジエチレントリアミンが挙げられる。
一般式(17)においてYが一般式(E)で表される場合の変性剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−メチル−1,3−プロパンジアミン、ビス(2−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−メチル−1,3−プロパンジアミン、ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリメトキシシリルプロピル)−メチル−1,3−プロパンジアミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)−メチル−1,3−プロパンジアミン、ビス(2−トリエトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−メチル−1,3−プロパンジアミン、ビス[3−(2,2−ジエトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリエトキシシリルプロピル)−メチル−1,3−プロパンジアミン、N1,N1’−(プロパン−1,3−ジイル)ビス(N1−メチル−N3,N3−ビス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)−1,3−プロパンジアミン)、及びN1−(3−(ビス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)アミノ)プロピル)−N1−メチル−N3−(3−(メチル(3−(トリメトキシシリル)プロピル)アミノ)プロピル)−N3−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)−1,3−プロパンジアミンが挙げられる。
一般式(17)においてYが式(F)で表される場合の変性剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、テトラキス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]シラン、トリス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリメトキシシリルプロピル)シラン、トリス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]シラン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)−ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]シラン、(3−トリメトキシシリル)−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)−ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]シラン、ビス[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)−ビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]シラン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]シラン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]シラン、ビス[3−(1−メトキシ−2−トリメチルシリル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]−ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)シラン、及びビス(3−トリメトキシシリルプロピル)−ビス[3−(1−メトキシ−2−メチル−1−シラ−2−アザシクロペンタン)プロピル]シランが挙げられる。
一般式(17)においてYが一般式(G)で表される場合の変性剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、3−トリス[2−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)エトキシ]シリル−1−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロパン、及び3−トリス[2−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)エトキシ]シリル−1−トリメトキシシリルプロパンが挙げられる。
一般式(17)の変性剤において、Yは、前記一般式(D)又は前記一般式(E)で表され、fは0を示すものが好ましい。このような変性剤は、入手が容易である傾向にあり、また、変性共役ジエン系重合体を加硫物としたときにおける耐摩耗性及び低ヒステリシスロス性能がより優れるものとなる傾向にある。
このような変性剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]アミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、テトラキス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)−メチル−1,3−プロパンジアミン、及びビス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−(3−トリスメトキシシリルプロピル)−メチル−1,3−プロパンジアミンが挙げられる。
一般式(17)の変性剤において、Yが、前記一般式(D)又は一般式(E)で表され、fは0を示し、前記一般式(D)又は一般式(E)において、iは2〜10の整数を示すものがより好ましい。これにより、加硫したときにおける耐摩耗性及び低ヒステリシスロス性能がより優れるものとなる傾向にある。
このような変性剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、テトラキス[3−(2,2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン)プロピル]−1,3−プロパンジアミン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン、テトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、及びN1−(3−(ビス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)アミノ)プロピル)−N1−メチル−N3−(3−(メチル(3−(トリメトキシシリル)プロピル)アミノ)プロピル)−N3−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)−1,3−プロパンジアミンが挙げられる。
上述した変性剤を、重合活性末端に反応させる際の、反応温度、反応時間等については、特に限定されないが、0〜20℃で、30秒以上反応させることが好ましい。
一般式(17)で表される化合物の添加量は、共役ジエン系重合体のモル数対変性剤のモル数が、所望の化学量論的比率で反応させるよう調整することができ、そのことにより所望の分岐度が達成される傾向にある。具体的な重合開始剤のモル数は、変性剤のモル数に対して、好ましくは5.0倍モル以上、より好ましくは6.0倍モル以上であることが好ましい。この場合、前記一般式(17)において、変性剤の官能基数((v−1)×d+w×e+f)は、5〜10の整数であることが好ましく、6〜10の整数であることがより好ましい。
一般式(17)以外の上述した変性剤は、化合物中のエポキシ基の合計モル数、又はシリル基に結合したアルコキシ基の合計モル数が、アニオン重合開始剤の添加モル数の0.8〜3倍となる範囲であることが好ましく、1〜2.5倍となる範囲であることがより好ましく、1〜2倍となる範囲であることがさらに好ましい。
得られる変性共役ジエン系重合体(イ)が十分な変性率を得るために0.8倍以上とすることが好ましく、押し出し加工性改良のために重合体末端同士をカップリングさせ分岐状重合体成分を得ることが好ましいことに加え、変性剤コストの観点から3倍以下とすることが好ましい。
変性共役ジエン系重合体の製造方法においては、変性反応を行った後、当該重合体の溶液に、必要に応じて、失活剤、中和剤等を添加してもよい。
失活剤としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール等が挙げられる。中和剤としては、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、バーサチック酸等の有機酸;無機酸の水溶液、炭酸ガス等が挙げられる。
また、変性共役ジエン系重合体は、重合後の仕上げ工程におけるゲル生成を防止する観点や、加工時の安定性を向上させる観点から、ゴム用安定剤を添加することが好ましい。ゴム用安定剤は、特に限定されず、公知のものを用いることができるが、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)、n−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチルフェノール)プロピネート、2−メチル−4,6−ビス[(オクチルチオ)メチル]フェノール等が好ましい。
以上のようにして製造される、窒素含有エポキシ置換基を起点に分岐した分子構造を有する変性共役ジエン系重合体としては、例えば、下記一般式(18)に示す化合物が挙げられる。
一般式(18)中、(Polym)は重合体鎖であり、R19〜R23、及びkについては一般式(14)と同義である。
一般式(18)で表される変性共役ジエン系重合体としては、kが2又は3の化合物が特に好ましく、例えば、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
また、上述のようにして製造される、窒素含有アルコキシシラン置換基を起点に分岐した分子構造を有する変性共役ジエン系重合体としては、例えば、下記一般式(19)、一般式(20)、一般式(21)に示す化合物等が挙げられる。
一般式(19)中、(Polym)は重合体鎖であり、R25〜R29、及びpは一般式(15)と同義である。
一般式(20)中、(Polym)は重合体鎖であり、R32〜R36、m、及びnは一般式(16)と同義である。
前記一般式(21)中、(Polym)は、ジエン系重合体鎖を示し、R61〜R63は、各々独立に、単結合又は炭素数1〜20のアルキレン基を示し、R64及びR67は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基を示し、R65、R68、及びR69は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示し、R66及びR70は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキレン基を示し、R71は、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示す。v及びKは、各々独立に、1〜3の整数を示し、K≦vであり、wは、1又は2を示し、Lは、1〜3の整数を示し、L≦(w+1)であり、Mは、1又は2の整数を示す。それぞれ複数存在する場合の(Polym)、R61〜R71、v、w、K、L、及びMは、各々独立しており、同じであっても異なっていてもよい。dは、0〜6の整数を示し、eは、0〜6の整数を示し、fは、0〜6の整数を示し、(d+e+fは、3〜10の整数であり、((K×d)+(L×e)+(M×k))は、5〜30の整数である。Yは、炭素数1〜20の炭化水素基、又は、酸素原子、窒素原子、珪素原子、硫黄原子、及びリン原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を有し、かつ、活性水素を有しない有機基を示す。
好ましくは、前記一般式(21)において、Yは、下記一般式(D)〜(G)のいずれかで表される。
一般式(D)中、Z1は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、iは、1〜10の整数を示す。複数存在する場合のZ1は、各々独立している。
前記一般式(E)中、Z2は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Z3は、炭素数1〜20のアルキル基を示し、iは、1〜10の整数を示す。それぞれ複数存在する場合のZ2及びZ3は、各々独立している。
前記一般式(F)中、Z4は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、iは、1〜10の整数を示す。複数存在する場合のZ4は、各々独立している。
前記一般式(G)中、Z5は、単結合又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、iは、1〜10の整数を示す。複数存在する場合のZ5は、各々独立している。
(共役ジエン系共重合体(イ)以外のゴム成分)
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物は、上述した変性共役ジエン系重合体(イ)以外に、ゴム成分として、本実施形態の特性を満たす範囲で、他のゴム状重合体を含んでいてもよい。
このようなゴム状重合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、共役ジエン系重合体又はその水素添加物、共役ジエン系化合物とビニル芳香族化合物とのランダム共重合体又はその水素添加物、共役ジエン系化合物とビニル芳香族化合物とのブロック共重合体又はその水素添加物、非ジエン系重合体、天然ゴム等が挙げられる。
具体的には、天然ゴム、ブタジエンゴム又はその水素添加物、イソプレンゴム又はその水素添加物、スチレン−ブタジエンゴム又はその水素添加物、スチレン−ブタジエンブロック共重合体又はその水素添加物、スチレン−イソプレンブロック共重合体又はその水素添加物等のスチレン系エラストマー、アクリロニトリル−ブタジエンゴム又はその水素添加物等が挙げられる。また、非ジエン系重合体としては、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−ブテン−ジエンゴム、エチレン−ブテンゴム、エチレン−ヘキセンゴム、エチレン−オクテンゴム等のオレフィン系エラストマー、ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、α、β−不飽和ニトリル−アクリル酸エステル−共役ジエン共重合ゴム、ウレタンゴム、多硫化ゴム等が挙げられる。
上述した各種ゴム状重合体は、変性共役ジエン系重合体(イ)以外の、水酸基やアミノ基等の極性を有する官能基を付与した変性ゴムであってもよい。またその重量平均分子量は、性能と加工特性のバランスの観点から、2,000〜2,000,000であることが好ましく、5,000〜1,500,000であることがより好ましい。また、低分子量のいわゆる液状ゴムを用いることもできる。これらのゴム状重合体は、1種のみを単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物において、ゴム成分中における変性共役ジエン系重合体(イ)の含有割合は、好ましくは5〜100質量%、より好ましくは5〜75質量%であり、さらに好ましくは20〜70質量%、さらにより好ましくは30〜70質量%である。変性共役ジエン重合体(イ)のゴム成分中における含有割合が上記範囲であると、押し出し加工性と転がり抵抗特性のバランスが優れる組成物を得ることができる。
(シリカ系無機充填剤(ロ))
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物は、シリカ系無機充填剤(ロ)を含有することが好ましい。
シリカ系無機充填剤(ロ)は、変性共役ジエン系重合体組成物の補強効果による操縦安定性等を促すために一般に用いられている、「シリカ系無機充填剤」であればよく、特に、ベーストレッド用ゴム組成物の強度向上効果を奏するために用いられている「シリカ系無機充填剤」であれば、本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物の成分として広く採用できる。
シリカ系無機充填剤(ロ)の含有量は、本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物の補強効果が得られればよく、限定されるものではないが、変性共役ジエン系重合体(イ)100質量部に対して、1〜300質量部が好ましく、5〜150質量部がより好ましく、10〜100質量部がさらに好ましい。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物に用いられるシリカ系無機充填剤としては、特に限定されず、公知のものを用いることができるが、SiO2、又はSi3Alを構成単位として含む固体粒子が好ましく、SiO2、又はSi3Alを構成単位の主成分とすることがより好ましい。
ここで、主成分とは、シリカ系無機充填剤中に50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上含有される成分をいう。
シリカ系無機充填剤(ロ)としては、具体的には、シリカ、クレイ、タルク、マイカ、珪藻土、ウォラストナイト、モンモリロナイト、ゼオライト、ガラス繊維等の無機繊維状物質等が挙げられる。また、表面を疎水化したシリカ系無機充填剤や、シリカ系無機充填剤とシリカ系以外の無機充填剤との混合物も用いることができる。これらの中でも、強度や耐摩耗性等の観点から、シリカ及びガラス繊維が好ましく、シリカがより好ましい。シリカとしては、乾式シリカ、湿式シリカ、合成ケイ酸塩シリカ等が挙げられる。これらの中でも、湿式シリカが好ましい。
乾式シリカとしては、例えば、精製された四塩化珪素を高温の炎の中で反応させて得られ、湿式に比べて純度が高く粒子が微細で水分が極めて低いものが挙げられ、一般に、シリコーンゴムの充填剤、樹脂の増粘剤、補強剤、あるいは粉体の流動化剤、セラミックスの原料として広く用いられる。
湿式シリカとしては、例えば、珪砂を原料とする珪酸ソーダを原料として、その水溶液を中和してシリカを析出し、ろ過・乾燥して得られる、外観上はふわふわとした軽い白色の粉末が挙げられ、一般に、合成ゴムの補強充填剤、農薬等液体の粉末化と固結防止、軽量紙の印刷インクの裏抜け防止、塗料、インクの増粘・たれ止め、断熱材、研磨剤に用いられる。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物において、より優れた転がり抵抗特性を得る観点から、シリカ系無機充填剤(ロ)のBET吸着法で求められる窒素吸着比表面積は、100〜300m2/gであることが好ましく、170〜250m2/gであることがより好ましい。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物では、シリカ系無機充填剤(ロ)の添加による転がり抵抗特性を発現させる観点、及び押し出し加工性を実用的に十分なものとする観点から、変性共役ジエン系重合体(イ)を含有するゴム成分100質量部に対するシリカ系無機充填剤の配合量は、1〜300質量部が好ましく、5〜150質量部がより好ましく、10〜100質量部がさらに好ましい。
(高密度オイル(ハ))
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物は、密度1.0g/cm3以上の高密度オイル(ハ)を含む。
Mw/Mnが1.5以上である変性共役ジエン系重合体(イ)が、1.0g/cm3以上という比較的高密度のオイル(ハ)を含有することにより、本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物は、操縦安定性と耐摩耗性が向上する。
耐摩耗性が向上するのは、密度1.0g/cm3以上の高密度オイル(ハ)を含むことによって、従来から用いられてきた伸展油のみを前記オイル(ハ)と同量含む組成物に対し、組成物の密度が上がることで、剛性が上がるためと考えられる。
前記オイル(ハ)としては、植物油由来のオイル等が挙げられ、例えば、H&R社製商品名「Vivamax5000」「Vivamax5100」等が挙げられる。
前記オイル(ハ)は、前記変性共役ジエン系重合体(イ)溶液に加え、混合して、油展重合体溶液としたものを脱溶媒して油展重合体として得る際に用いてもよく、前記変性重合体ジエン系重合体(イ)を混練機でシリカ系無機充填剤等とともに混練りしてゴム配合物として得る際に用いてもよい。
高密度オイル(ロ)の密度の上限としては、耐摩耗性と操縦安定性の観点から、好ましくは1.07g/cm3以下、より好ましくは1.03g/cm3である。
また、本発明の効果を満たす範囲で、従来より使用されている伸展油を変性共役ジエン系重合体(イ)に添加したり、変性共役ジエン系重合体組成物に配合したりしてもよい。この場合、前記オイル(ハ)と従来の伸展油のトータルでの密度が1.0g/cm3以上になるように調整すればよい。
調整の場合の前記トータル密度の上限は、好ましくは1.07g/cm3以下、より好ましくは1.03g/cm3である。例えば、変性共役ジエン系重合体(イ)100質量部に、従来より使用されている密度0.95g/cm3の伸展油を5質量部、及び1.02g/cm3の高密度オイルを30質量部添加することで、トータル密度1.0g/cm3超、1.03g/cm3以下を調整できる。
従来より使用されている伸展油は、密度1.0g/cm3未満であり、変性共役ジエン系重合体(イ)や、そのゴム組成物の押し出し加工性を改良するために、必要に応じて添加するものである。
伸展油を変性共役ジエン系重合体(イ)に添加する方法としては、特に限定されないが、伸展油を重合体溶液に加え、混合して、油展重合体溶液としたものを脱溶媒する方法が好ましい。
伸展油としては、例えば、アロマ油、ナフテン油、パラフィン油等が挙げられる。
これらの中でも、環境安全上の観点や、オイルブリード防止及びウェットグリップ特性の観点から、IP346法による多環芳香族(PCA)成分が3質量%以下であるアロマ代替油が好ましい。アロマ代替油としては、Kautschuk Gummi Kunststoffe 52(12)799(1999)に示されるTDAE、MES等の他、RAE等が挙げられる。
オイル(ハ)や伸展油の添加量は、特に限定されないが、通常は、変性共役ジエン系重合体(イ)100質量部に対し、10〜60質量部であり、20〜37.5質量部が好ましい。
前記オイル(ハ)、及び必要に応じて伸展油を添加した油展重合体溶液を脱溶媒するための、変性共役ジエン系重合体(イ)を重合体溶液から取得する方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、スチームストリッピング等で溶媒を分離した後、重合体を濾別し、さらにそれを脱水及び乾燥して重合体を取得する方法、フラッシングタンクで濃縮し、さらにベント押し出し機等で脱揮する方法、ドラムドライヤー等で直接脱揮する方法等が挙げられる。
(カーボンブラック)
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物は、変性共役ジエン系重合体(イ)を含有するゴム成分に対し、カーボンブラックをさらに含有することが好ましい。
カーボンブラックとしては、特に限定されず、例えば、SRF、FEF、HAF、ISAF、SAF等の各クラスのカーボンブラックが使用できる。これらの中でも、窒素吸着比表面積は、押し出し成形性の観点、及び転がり抵抗特性の観点で、50m2/g以上、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が80mL/100g以上のカーボンブラックが好ましい。
カーボンブラックの含有量は、シリカ系無機充填剤(ロ)の添加による転がり抵抗特性を発現させる観点、及び押し出し加工性の観点から、変性共役ジエン系重合体を含むゴム成分100質量部に対し、0.5〜100質量部が好ましく、3〜100質量部がより好ましく、5〜50質量部がさらに好ましい。
(金属酸化物、及び金属水酸化物)
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物には、シリカ系無機充填剤(ロ)やカーボンブラックの他、金属酸化物や金属水酸化物を含有させてもよい。
金属酸化物とは、化学式Mxy(Mは金属原子を表し、x及びyは各々1〜6の整数を表す。)を構成単位の主成分とする固体粒子のことをいい、例えば、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等を用いることができる。
また、金属酸化物と金属酸化物以外の無機充填剤の混合物も用いることができる。
金属水酸化物としては、特に限定されず、例えば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム等が挙げられる。
(シランカップリング剤)
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物に、シリカ系無機充填剤(ロ)を配合する場合、シランカップリング剤を添加することが好ましい。
シランカップリング剤は、以下に限定されるものではないが、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、エトキシ(3−メルカプトプロピル)ビス(3,6,9,12,15−ペンタオキサオクタコサン−1−イルオキシ)シラン[エボニック・デグサ社製:Si363]、Momentive社製のNXT−Z30,NXT−Z45,NXTZ60,NXTシランなどのメルカプト基を含有するシランカップリング剤、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−テトラスルフィド、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−ジスルフィド、ビス−[2−(トリエトキシシリル)−エチル]−テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス−[2−(トリエトキシシリル)−エチル]−テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、等が挙げられる。なかでも、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−ジスルフィド、エトキシ(3−メルカプトプロピル)ビス(3,6,9,12,15−ペンタオキサオクタコサン−1−イルオキシ)シラン[エボニック・デグサ社製:Si363]、Momentive社製のNXT−Z30,NXT−Z45,NXTZ60,NXTシランなどのメルカプト基を含有するシランカップリング剤、ビス−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−テトラスルフィドが補強効果が高いために好ましい。これらのシランカップリング剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
シランカップリング剤の配合量は、シリカ系無機充填剤(ロ)を配合する場合、当該シリカ系無機充填剤(ロ)100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜20質量部がより好ましく、1〜15質量部がさらに好ましい。シランカップリング剤の配合量が上記範囲であると、シランカップリング剤による上記添加効果を一層顕著なものにできる。
(ゴム軟化剤)
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物には、加工性の改良を図るために、ゴム用軟化剤を含有させてもよい。
ゴム用軟化剤としては、鉱物油、又は液状若しくは低分子量の合成軟化剤が好適である。
ゴムの軟化、増容、加工性の向上を図るために使用されているプロセスオイル又はエクステンダーオイルと呼ばれる鉱物油系ゴム用軟化剤は、芳香族環、ナフテン環、及びパラフィン鎖の混合物であり、パラフィン鎖の炭素数が全炭素中50%以上を占めるものがパラフィン系と呼ばれ、ナフテン環炭素数が30〜45%のものがナフテン系、芳香族炭素数が30%を超えるものが芳香族系と呼ばれている。変性共役ジエン−芳香族ビニル共重合体とともに用いるゴム用軟化剤としては、適度な芳香族含量を有するものが前記共重合体との馴染みがよい傾向にあるため好ましい。
ゴム用軟化剤の配合量は、変性共役ジエン系重合体(イ)を含有するゴム成分100質量部に対して、0〜100質量部が好ましく、10〜90質量部がより好ましく、30〜90質量部がさらに好ましい。
ゴム用軟化剤の配合量がゴム成分100質量部に対して100質量部以下であると、ブリードアウトの発生を防止でき、本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物の表面にベタツキを生じることを防止できる。
(混練方法、及び他の添加剤)
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物を製造するに当たり、変性共役ジエン系重合体(イ)とその他のゴム状重合体、オイル(ハ)、所望により伸展油、シリカ系無機充填剤(ロ)、カーボンブラック、その他の充填剤、シランカップリング剤、及びゴム用軟化剤等の添加剤を混合する方法については特に限定されるものではない。
例えば、オープンロール、バンバリーミキサー、ニーダー、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶解混合後、溶剤を加熱除去する方法等が挙げられる。
これらのうち、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機による溶融混練法が生産性、良混練性の観点から好ましい。
また、変性共役ジエン系重合体と各種配合剤とを一度に混練する方法、複数の回数に分けて混合する方法のいずれも適用可能である。
変性共役ジエン系重合体(イ)と密度1.0g/cm3以上のオイル(ハ)やシリカ系無機充填剤(ロ)、カーボンブラックやその他の充填剤を混合する順番やタイミングについても特に限定されず、
(1)変性共役ジエン系重合体(イ)と高密度のオイル(ハ)、シリカ系無機充填剤(ロ)やその他の添加剤を一度に混練してもよいし、
(2)変性共役ジエン系重合体(イ)と高密度のオイル(ハ)を先に混練しておいたものに、後からシリカ系無機充填剤(ロ)やその他の添加剤を添加して混練してもよい。
例えば、タイヤメーカーでタイヤのベーストレッド用のゴム組成物を調製する場合に、オイルフリー又は低密度のオイルを含む重合体を購入して、シリカやカーボンブラック等の充填剤と、高密度オイルを添加して混練する場合は(1)の態様に相当し、ポリマーメーカーで変性共役ジエン系重合体(イ)に高密度のオイル(ハ)を配合しておき、これにタイヤメーカーでシリカやカーボンブラックを添加する場合は(2)に相当するが、いずれの態様においても、変性共役ジエン系重合体(イ)と高密度のオイル(ハ)を組み合わせる効果は得られ、タイヤの耐摩耗性と操縦安定性が向上する傾向が見られる。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物は、非加硫のゴム組成物を加硫剤により加硫処理を施した加硫ゴム組成物としてもよい。
加硫剤としては、例えば有機過酸化物及びアゾ化合物等のラジカル発生剤、オキシム化合物、ニトロソ化合物、ポリアミン化合物、硫黄、硫黄化合物が使用できる。
硫黄化合物には、一塩化硫黄、二塩化硫黄、ジスルフィド化合物、高分子多硫化合物等が含まれる。
加硫剤の使用量は、通常は、変性共役ジエン系重合体(イ)を含むゴム成分100質量部に対して0.01〜20質量部であり、0.1〜15質量部が好ましい。加硫方法としては、従来公知の方法を適用でき、加硫温度は、通常120〜200℃、であり、好ましくは140〜180℃である。
また、加硫に際しては、必要に応じて加硫促進剤を用いてもよい。加硫促進剤としては、従来公知の材料を用いることができ、例えば、スルフェンアミド系、グアニジン系、チウラム系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、チオ尿素系、ジチオカルバメート系等の加硫促進剤が挙げられる。また、加硫助剤としては、亜鉛華、ステアリン酸等を使用できる。加硫促進剤の使用量は、通常、変性共役ジエン系重合体(イ)を含有するゴム成分100質量部に対して0.01〜20質量部であり、0.1〜15質量部が好ましい。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物には、本実施形態の目的を損なわない範囲内で、上述した以外のその他の軟化剤や充填剤、さらに、耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、老化防止剤、着色剤、滑剤等の各種添加剤を用いてもよい。
その他の軟化剤としては、公知の軟化剤を用いることができる。
その他の充填剤としては、具体的には、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム等が挙げられる。
上記の耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、老化防止剤、着色剤、潤滑剤としては、それぞれ公知の材料を用いることができる。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物は、ベーストレッド用として好適であり、本実施形態の変性共役ジエン系重合体の架橋物を含むベーストレッドを具備するタイヤ用途として好適である。
すなわち、本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物を用いて、ベーストレッドを製造し、他の部材とともに貼り合わせ、タイヤ成形機を使用して加熱加圧することにより、タイヤを製造することができる。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体組成物を用いることにより、転がり抵抗特性、操縦安定性、耐摩擦性のバランスに優れたタイヤを製造することができる。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて、本実施形態を更に詳しく説明するが、本実施形態は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において、重合体の構造及び物性の測定は、下記に示す方法により行った。
(物性1)結合スチレン量
変性共役ジエン系重合体を試料として、試料100mgを、クロロホルムで100mLにメスアップし、溶解して測定サンプルとした。
スチレンのフェニル基による紫外線吸収波長(254nm付近)の吸収量により、試料である変性共役ジエン系重合体100質量%に対しての結合スチレン量(質量%)を測定した(島津製作所社製の分光光度計「UV−2450」)。
(物性2)ブタジエン部分のミクロ構造(1,2−ビニル結合量)
変性共役ジエン系重合体を試料として、試料50mgを、10mLの二硫化炭素に溶解して測定サンプルとした。
溶液セルを用いて、赤外線スペクトルを600〜1000cm-1の範囲で測定して、所定の波数における吸光度によりハンプトンの方法(R.R.Hampton,Analytical Chemistry 21,923(1949)に記載の方法)の計算式に従い、ブタジエン部分のミクロ構造、すなわち、1,2−ビニル結合量(mol%)を求めた(日本分光社製のフーリエ変換赤外分光光度計「FT−IR230」)。
(物性3)分子量
変性共役ジエン系重合体を試料として、ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラムを3本連結したGPC測定装置を使用して、クロマトグラムを測定し、標準ポリスチレンを使用した検量線に基づいて重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を求めた。
溶離液は5mmol/Lのトリエチルアミン入りTHFを使用した。カラムは、ガードカラム:東ソー社製の商品名「TSKguardcolumn SuperH−H」、カラム:東ソー社製の商品名「TSKgel SuperH5000」、「TSKgel SuperH6000」、「TSKgel SuperH7000」を使用した。
オーブン温度40℃、THF流量0.6mL/分の条件で、RI検出器(東ソー社製の商品名「HLC8020」)を用いた。
測定用の試料10mgを20mLのTHFに溶解して測定溶液とし、測定溶液20μLをGPC測定装置に注入して測定した。
(物性4)ムーニー粘度
変性共役ジエン系重合体を試料として、ムーニー粘度計(上島製作所社製の商品名「VR1132」)を用い、JIS K6300に準拠し、L形ローターを用いてムーニー粘度を測定した。
測定温度は、共役ジエン系重合体を試料とする場合には110℃とし、変性共役ジエン系重合体を試料とする場合には100℃とした。
まず、試料を1分間試験温度で予熱した後、ローターを2rpmで回転させ、4分後のトルクを測定してムーニー粘度(ML(1+4))とした。
(物性5)変性率
変性共役ジエン系重合体を試料として、シリカ系ゲルを充填剤としたGPCカラムに、変性した塩基性重合体成分が吸着する特性を応用することにより、測定した。試料及び低分子量内部標準ポリスチレンを含む試料溶液を、ポリスチレン系カラムで測定したクロマトグラムと、シリカ系カラムで測定したクロマトグラムと、の差分よりシリカ系カラムへの吸着量を測定し、変性率を求めた。具体的には、以下に示すとおりである。
下記測定条件で測定し、その結果を表1〜表8に示す。
・試料溶液の調製:試料10mg及び標準ポリスチレン5mgを20mLのTHFに溶解させて、試料溶液とした。
・測定条件:5mmol/Lのトリエチルアミン入りTHFを溶離液として用い、試料溶液20μLを装置に注入して測定した。カラムは、ガードカラム:東ソー社製の商品名「TSKguardcolumn SuperH−H」、カラム:東ソー社製の商品名「TSKgel SuperH5000」、「TSKgel SuperH6000」、「TSKgel SuperH7000」を使用した。カラムオーブン温度40℃、THF流量0.6mL/分の条件で、RI検出器(東ソー社製 HLC8020)を用いて測定しクロマトグラムを得た。
シリカ系カラムを用いたGPC測定条件:東ソー社製の商品名「HLC−8320GPC」を使用して、THFを溶離液として用い、試料溶液50μLを装置に注入し、カラムオーブン温度40℃、THF流量0.5ml/分の条件で、RI検出器を用いてクロマトグラムを得た。カラムは、商品名「Zorbax PSM−1000S」、「PSM−300S」、「PSM−60S」を接続して使用し、その前段にガードカラムとして商品名「DIOL 4.6×12.5mm 5micron」を接続して使用した。
変性率の計算方法:ポリスチレン系カラムを用いたクロマトグラムのピーク面積の全体を100として、試料のピーク面積をP1、標準ポリスチレンのピーク面積をP2、シリカ系カラムを用いたクロマトグラムのピーク面積の全体を100として、試料のピーク面積をP3、標準ポリスチレンのピーク面積をP4として、下記式より変性率(%)を求めた。
変性率(%)=[1−(P2×P3)/(P1×P4)]×100
(ただし、P1+P2=P3+P4=100)
(物性6)操縦安定性
TAインスツルメント社製の粘弾性試験機(ARES−G2)を使用し、ねじりモードで粘弾性パラメータを測定した。
各々の測定値は、基準となる比較例を100として指数化した。
なお、指数は、表10〜表16においては、表毎の値であり、例えば表10においては比較例1を100として実施例1を指数化した。表10中の比較例1と表11中の比較例2とが同一の測定値であることを示すものではない。
また、表17〜表19においては、比較例8を100として、実施例8〜17、比較例9〜12を指数化した。
さらに、表20〜表22においては、比較例13を100として、実施例18〜27、比較例14〜17を指数化した。
さらにまた、表23〜表24においては、比較例23を100として、実施例28〜34、比較例18〜22、24〜29を指数化した。
下記の(物性7)〜(物性9)についても同様に指数化した。
50℃において周波数10Hz、ひずみ3%で測定した貯蔵弾性率G’を操縦安定性の指標とした。値が大きいほど操縦安定性が良好であることを示す。
(物性7)タイヤ用ゴム組成物の耐摩耗性
タイヤ用ゴム組成物を試料として、アクロン摩耗試験機(安田精機製作所製)を使用し、JIS K6264−2に準じて、荷重44.1N、3000回転の条件で、摩耗量を測定した。
値が大きいほど、耐摩耗性に優れていることを示す。
(物性8)ブレーキ性能
TAインスツルメント社製の粘弾性試験機(ARES−G2)を使用し、ねじりモードで粘弾性パラメータを測定した。
0℃において周波数10Hz、ひずみ1%で測定したtanδをブレーキ性能の指標とした。値が大きいほどブレーキ性能が良好であることを示す。
(物性9)省燃費性能
TAインスツルメント社製の粘弾性試験機(ARES−G2)を使用し、ねじりモードで粘弾性パラメータを測定した。
50℃において周波数10Hz、ひずみ3%で測定したtanδを転がり抵抗特性(少燃費性)の指標とした。値が小さいほど転がり抵抗特性が良好であることを示す。
なお、市販の油展共役ジエン系重合体の組成は、下記のエコオイル分析法により、特定することができる。当該方法により、本願の製造例及び実施例の変性共役ジエン系重合体の組成と容易に比較が可能である。
(エコオイル分析法(オイル抽出法))
油展共役ジエン系重合体からオイルを抽出する方法として、ソックスレー抽出法(アセトン)を採用できる。
油展共役ジエン系重合体に含まれるオイルを、アセトンで溶かして抽出し、その後アセトンを蒸発させることで残ったオイルを分離する。
ソックスレー抽出器と呼ばれる、最下部にヒーターと溶媒を入れた容器、中間に油展共役ジエン系重合体の試料を入れたろ紙が入る筒、最上部に冷却管がついた装置を使用し、ソックスレー抽出法(アセトン)によることで、油展共役ジエン系重合体から、アセトンを使ってオイルを抽出することができる。
溶媒容器を加熱するとアセトンは蒸発し、最上部の冷却管で冷やされて、油展共役ジエン系重合体に滴り落ち、溶媒可溶分を少量溶かしこんだ後、溶媒容器へと戻る。溶媒可溶分は溶媒より沸点が高いため、このサイクルを繰り返すことで、溶媒容器内には徐々に溶媒可溶分が濃縮され、ろ紙内に溶剤不溶分が残る。還流する溶媒は目的成分を含まないので飽和することなく、比較的少量の溶媒で効率よく抽出できる。
ソックスレー抽出法(アセトン)では、99%以上のオイルを抽出することができるが、ソックスレー抽出法で抽出されたオイルは、アセトンを加える時・アセトンを蒸発させる時・精製の時・脱臭の時と何度も高温にさらされるので、ソックスレー抽出時は、高温(100℃)以上にしないことが重要である。
高温にさらされることで、オイルの状態が変化する可能性がある。
〔製造例1〕変性共役ジエン系重合体(試料1)
内容積が10Lで、内部の高さ(L)と直径(D)との比(L/D)が4.0であり、底部に入口、頂部に出口を有し、攪拌機付槽型反応器である攪拌機及び温度制御用のジャケットを有する槽型圧力容器を2基連結し重合反応器とした。
予め水分除去した、1,3−ブタジエンを29.0g/分、スチレンを18.9g/分、n−ヘキサンを180.2g/分の条件で混合し、混合溶液を得た。
この混合溶液を1基目反応基の入口に供給する配管の途中に設けたスタティックミキサーにおいて、残存不純物不活性処理用のn−ブチルリチウムを0.087mmol/分で添加、混合した後、1基目反応基の底部に連続的に供給した。
さらに、極性物質として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを0.018g/分の速度で、重合開始剤としてn−ブチルリチウムを、当該重合開始剤の添加量を0.288mmol/分の速度で、攪拌機で激しく混合する1基目重合反応器の底部へ供給し、連続的に重合反応を継続させた。
1基目反応器頂部出口における重合体溶液の温度が65℃となるように温度を制御した。1基目反応器頂部と2基目反応器の底部を連結させることより、1基目反応器頂部から2基目反応器底部へ重合体溶液を連続的に供給した。2基目反応器頂部出口における重合体溶液の温度が70℃となるように温度を制御した。重合が十分に安定したところで、2基目反応器頂部出口より、変性剤添加前の重合体溶液を少量抜出し、酸化防止剤(BHT)を重合体100gあたり0.2gとなるように添加した後に溶媒を除去した。
次に、2基目反応器の出口より流出した重合体溶液に、変性剤として2.74mmol/Lに希釈したテトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(表1中、「*2」と略す。)を0.0378mmol/分(水分4.8ppm含有n−ヘキサン溶液)の速度で連続的に添加した。変性剤を添加された重合体溶液はスタティックミキサーを通ることで混合され変性した。
このとき、反応器の出口より流出した重合体溶液に変性剤が添加されるまでの時間は4.7分、温度は65℃であり、重合工程における温度と、変性剤を添加するまでの温度との差は5℃であった。
変性した重合体溶液に、酸化防止剤(BHT)を重合体100gあたり0.2gとなるように0.055g/分(n−ヘキサン溶液)で連続的に添加し、変性反応を終了した。
変性共役ジエン系重合体の110℃のムーニー粘度及び各種の分子量を測定した。
酸化防止剤と同時に、重合体100gに対して、高密度オイルとしてH&R社製商品名「Vivamax5000」を10.0gとなるように連続的に添加し、スタティックミキサーで混合した。
スチームストリッピングにより溶媒を除去して、変性共役ジエン系重合体(試料1)を得た。
〔製造例2〕変性共役ジエン系重合体(試料2)
重合開始剤を、n−ブチルリチウムから、1−リチオピペリジンに替え、変性剤を2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン(表中「*3」と略す。)に替えた。
なお、表1中の「1−リチオピペリジン」は、1−リチオピペリジンとn−ブチルリチウムを所定の比率で混合し、かつピペリジンとn−ブチルリチウムとを所定の比率で混合することにより調製したものとする。すなわち、1−リチオピペリジンとn−ブチルリチウムとを、モル比で、1−リチオピペリジン:n−ブチルリチウム=0.72:0.28とし、ピペリジンとn−ブチルリチウムとを、モル比で、ピペリジン:n−ブチルリチウム=0.72:1.00として混合して調製することにより得た。
その他の条件は、前記〔製造例1〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料2)を得た。
〔製造例3〕変性共役ジエン系重合体(試料3)
変性剤をトリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン(表中「*4」と略す。)に替えた。その他の条件は、前記〔製造例2〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料3)を得た。
〔製造例4〕変性共役ジエン系重合体(試料4)
変性剤をテトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン(表中「*5」と略す。)に替えた。
その他の条件は、前記〔製造例2〕と同様にして、酸化防止剤と同時に、重合体100gに対して、高密度オイルとしてH&R社製商品名「Vivamax5000」を、重合体100gに対して5.0gとなるように連続的に添加し、スタティックミキサーで混合した。変性共役ジエン系重合体(試料4)を得た。
〔製造例5〕変性共役ジエン系重合体(試料5)
変性剤を2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン(表中「*3」と略す。)に替え、オイルを高密度オイルであるH&R社製商品名「Vivamax5000」から、伸展油である「Vivatec500」(H&R社製商品名)に替えた。
その他の条件は、前記〔製造例1〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料5)を得た。
〔製造例6〕変性共役ジエン系重合体(試料6)
変性剤をテトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン(表中「*5」と略す。)に替え、オイルを伸展油である「Vivatec500」(H&R社製商品名)に替え、重合体100gに対して5.0gとなるように連続的に添加し、スタティックミキサーで混合した。
その他の条件は、前記〔製造例1〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料6)を得た。
〔製造例7〕非変性共役ジエン系重合体(試料7)
変性剤を四塩化ケイ素(表中「*6」と略す。)に替え、オイルを伸展油である「Vavatec500」(H&R社製商品名)に替えた。
その他の条件は、前記〔製造例1〕と同様にして、非変性共役ジエン系重合体(試料7)を得た。
製造例1〜7で製造した変性共役ジエン系重合体の結合スチレン量、1,2−ビニル結合量、ムーニー粘度、変性率、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及びMw/Mn比を表1に示す。
〔製造例1A〕変性共役ジエン系重合体(試料1A)
内容積が10Lで、内部の高さ(L)と直径(D)との比(L/D)が4.0であり、底部に入口、頂部に出口を有し、攪拌機付槽型反応器である攪拌機及び温度制御用のジャケットを有する槽型圧力容器を2基連結し重合反応器とした。
予め水分除去した、1,3−ブタジエンを29.0g/分、スチレンを18.9g/分、n−ヘキサンを180.2g/分の条件で混合し、混合溶液を得た。
この混合溶液を1基目反応基の入口に供給する配管の途中に設けたスタティックミキサーにおいて、残存不純物不活性処理用のn−ブチルリチウムを0.087mmol/分で添加、混合した後、1基目反応基の底部に連続的に供給した。
さらに、極性物質として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを0.018g/分の速度で、重合開始剤としてn−ブチルリチウムを、当該重合開始剤の添加量を0.288mmol/分の速度で、攪拌機で激しく混合する1基目重合反応器の底部へ供給し、連続的に重合反応を継続させた。
1基目反応器頂部出口における重合体溶液の温度が65℃となるように温度を制御した。1基目反応器頂部と2基目反応器の底部を連結させることより、1基目反応器頂部から2基目反応器底部へ重合体溶液を連続的に供給した。2基目反応器頂部出口における重合体溶液の温度が70℃となるように温度を制御した。重合が十分に安定したところで、2基目反応器頂部出口より、変性剤添加前の重合体溶液を少量抜出し、酸化防止剤(BHT)を重合体100gあたり0.2gとなるように添加した後に溶媒を除去した。
次に、2基目反応器の出口より流出した重合体溶液に、変性剤として2.74mmol/Lに希釈したテトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(表2中、「*2」と略す。)を0.0378mmol/分(水分4.8ppm含有n−ヘキサン溶液)の速度で連続的に添加した。変性剤を添加された重合体溶液はスタティックミキサーを通ることで混合され変性した。
このとき、反応器の出口より流出した重合体溶液に変性剤が添加されるまでの時間は4.7分、温度は65℃であり、重合工程における温度と、変性剤を添加するまでの温度との差は5℃であった。
変性した重合体溶液に、酸化防止剤(BHT)を重合体100gあたり0.2gとなるように0.055g/分(n−ヘキサン溶液)で連続的に添加し、変性反応を終了した。
変性共役ジエン系重合体の110℃のムーニー粘度及び各種の分子量を測定した。
酸化防止剤と同時に、重合体100gに対して、高密度オイルとしてH&R社製商品名「Vivamax5000」を10.0gとなるように連続的に添加し、スタティックミキサーで混合した。
スチームストリッピングにより溶媒を除去して、変性共役ジエン系重合体(試料1A)を得た。
〔製造例2A〕変性共役ジエン系重合体(試料2A)
変性剤を2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン(表中「*3」と略す。)に替えた。その他の条件は、前記〔製造例1A〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料2A)を得た。
〔製造例3A〕変性共役ジエン系重合体(試料3A)
変性剤をトリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン(表中「*4」と略す。)に替えた。その他の条件は、前記〔製造例1A〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料3A)を得た。
〔製造例4A〕変性共役ジエン系重合体(試料4A)
変性剤をテトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン(表中「*5」と略す。)に替えた。その他の条件は、前記〔製造例1A〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料4A)を得た。
〔製造例5A〕非変性共役ジエン系重合体(試料5A)
変性剤を四塩化ケイ素(表中「*6」と略す。)に替えた。その他の条件は、前記〔製造例1A〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料5A)を得た。
製造例1A〜5Aで製造した変性共役ジエン系重合体の結合スチレン量、1,2−ビニル結合量、ムーニー粘度、変性率、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及びMw/Mn比を表2に示す。
〔製造例1B〕変性共役ジエン系重合体(試料1B)
重合開始剤を、n−ブチルリチウムから、1−リチオピペリジンに替え、変性剤をテトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(表中「*2」と略す。)に替えた。
なお、表3中の「1−リチオピペリジン」は、1−リチオピペリジンとn−ブチルリチウムを所定の比率で混合し、かつピペリジンとn−ブチルリチウムとを所定の比率で混合することにより調製したものとする。すなわち、1−リチオピペリジンとn−ブチルリチウムとを、モル比で、1−リチオピペリジン:n−ブチルリチウム=0.72:0.28とし、ピペリジンとn−ブチルリチウムとを、モル比で、ピペリジン:n−ブチルリチウム=0.72:1.00として混合して調製することにより得た。
その他の条件は、前記〔製造例1A〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料1B)を得た。
〔製造例2B〕変性共役ジエン系重合体(試料2B)
変性剤を2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン(表中「*3」と略す。)に替えた。その他の条件は、前記〔製造例1B〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料2B)を得た。
〔製造例3B〕変性共役ジエン系重合体(試料3B)
変性剤をトリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン(表中「*4」と略す。)に替えた。その他の条件は、前記〔製造例1B〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料3B)を得た。
〔製造例4B〕変性共役ジエン系重合体(試料4B)
変性剤をテトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン(表中「*5」と略す。)に替えた。その他の条件は、前記〔製造例1B〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料4B)を得た。
〔製造例5B〕非変性共役ジエン系重合体(試料5B)
変性剤を四塩化ケイ素(表中「*6」と略す。)に替えた。その他の条件は、前記〔製造例1B〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料5B)を得た。
製造例1B〜5Bで製造した変性共役ジエン系重合体の結合スチレン量、1,2−ビニル結合量、ムーニー粘度、変性率、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及びMw/Mn比を表3に示す。
〔製造例1C〕変性共役ジエン系重合体(試料1C)
内容積が10Lで、内部の高さ(L)と直径(D)との比(L/D)が4.0であり、底部に入口、頂部に出口を有し、攪拌機付槽型反応器である攪拌機及び温度制御用のジャケットを有する槽型圧力容器を2基連結し重合反応器とした。
予め水分除去した、1,3−ブタジエンを29.0g/分、スチレンを18.9g/分、n−ヘキサンを180.2g/分の条件で混合し、混合溶液を得た。
この混合溶液を1基目反応基の入口に供給する配管の途中に設けたスタティックミキサーにおいて、残存不純物不活性処理用のn−ブチルリチウムを0.087mmol/分で添加、混合した後、1基目反応基の底部に連続的に供給した。
さらに、極性物質として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを0.018g/分の速度で、重合開始剤としてn−ブチルリチウムを、当該重合開始剤の添加量を0.288mmol/分の速度で、攪拌機で激しく混合する1基目重合反応器の底部へ供給し、連続的に重合反応を継続させた。
1基目反応器頂部出口における重合体溶液の温度が65℃となるように温度を制御した。1基目反応器頂部と2基目反応器の底部を連結させることより、1基目反応器頂部から2基目反応器底部へ重合体溶液を連続的に供給した。2基目反応器頂部出口における重合体溶液の温度が70℃となるように温度を制御した。重合が十分に安定したところで、2基目反応器頂部出口より、変性剤添加前の重合体溶液を少量抜出し、酸化防止剤(BHT)を重合体100gあたり0.2gとなるように添加した後に溶媒を除去した。
次に、2基目反応器の出口より流出した重合体溶液に、変性剤として2.74mmol/Lに希釈したテトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(表4中、「*2」と略す。)を0.0378mmol/分(水分4.8ppm含有n−ヘキサン溶液)の速度で連続的に添加した。変性剤を添加された重合体溶液はスタティックミキサーを通ることで混合され変性した。
このとき、反応器の出口より流出した重合体溶液に変性剤が添加されるまでの時間は4.7分、温度は65℃であり、重合工程における温度と、変性剤を添加するまでの温度との差は5℃であった。
変性した重合体溶液に、酸化防止剤(BHT)を重合体100gあたり0.2gとなるように0.055g/分(n−ヘキサン溶液)で連続的に添加し、変性反応を終了した。
変性共役ジエン系重合体の110℃のムーニー粘度及び各種の分子量を測定した。
酸化防止剤と同時に、重合体100gに対して、高密度オイルとしてH&R社製商品名「Vivamax5100」を10.0gとなるように連続的に添加し、スタティックミキサーで混合した。
スチームストリッピングにより溶媒を除去して、変性共役ジエン系重合体(試料1C)を得た。
〔製造例2C〕変性共役ジエン系重合体(試料2C)
変性剤を2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン(表中「*3」と略す。)に替えた。その他の条件は、前記〔製造例1C〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料2C)を得た。
〔製造例3C〕変性共役ジエン系重合体(試料3C)
変性剤をトリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン(表中「*4」と略す。)に替えた。その他の条件は、前記〔製造例1C〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料3C)を得た。
〔製造例4C〕変性共役ジエン系重合体(試料4C)
変性剤をテトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン(表中「*5」と略す。)に替えた。その他の条件は、前記〔製造例1C〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料4C)を得た。
〔製造例5C〕非変性共役ジエン系重合体(試料5C)
変性剤を四塩化ケイ素(表中「*6」と略す。)に替えた。その他の条件は、前記〔製造例1C〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料5C)を得た。
製造例1C〜5Cで製造した変性共役ジエン系重合体の結合スチレン量、1,2−ビニル結合量、ムーニー粘度、変性率、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及びMw/Mn比を表4に示す。
〔製造例1D〕変性共役ジエン系重合体(試料1D)
重合開始剤を、n−ブチルリチウムから、1−リチオピペリジンに替え、変性剤をテトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(表中「*2」と略す。)に替えた。
なお、表5中の「1−リチオピペリジン」は、1−リチオピペリジンとn−ブチルリチウムを所定の比率で混合し、かつピペリジンとn−ブチルリチウムとを所定の比率で混合することにより調製したものとする。すなわち、1−リチオピペリジンとn−ブチルリチウムとを、モル比で、1−リチオピペリジン:n−ブチルリチウム=0.72:0.28とし、ピペリジンとn−ブチルリチウムとを、モル比で、ピペリジン:n−ブチルリチウム=0.72:1.00として混合して調製することにより得た。
その他の条件は、前記〔製造例1C〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料1B)を得た。
〔製造例2D〕変性共役ジエン系重合体(試料2D)
変性剤を2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン(表中「*3」と略す。)に替えた。その他の条件は、前記〔製造例1D〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料2D)を得た。
〔製造例3D〕変性共役ジエン系重合体(試料3D)
変性剤をトリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン(表中「*4」と略す。)に替えた。その他の条件は、前記〔製造例1D〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料3D)を得た。
〔製造例4D〕変性共役ジエン系重合体(試料4D)
変性剤をテトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン(表中「*5」と略す。)に替えた。その他の条件は、前記〔製造例1D〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料4D)を得た。
〔製造例5D〕非変性共役ジエン系重合体(試料5D)
変性剤を四塩化ケイ素(表中「*6」と略す。)に替えた。その他の条件は、前記〔製造例1D〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料5D)を得た。
製造例1D〜5Dで製造した変性共役ジエン系重合体の結合スチレン量、1,2−ビニル結合量、ムーニー粘度、変性率、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及びMw/Mn比を表5に示す。
〔製造例1E〕変性共役ジエン系重合体(試料1E)
内容積が10Lで、内部の高さ(L)と直径(D)との比(L/D)が4.0であり、底部に入口、頂部に出口を有し、攪拌機付槽型反応器である攪拌機及び温度制御用のジャケットを有する槽型圧力容器を2基連結し重合反応器とした。
予め水分除去した、1,3−ブタジエンを29.0g/分、スチレンを18.9g/分、n−ヘキサンを180.2g/分の条件で混合し、混合溶液を得た。
この混合溶液を1基目反応基の入口に供給する配管の途中に設けたスタティックミキサーにおいて、残存不純物不活性処理用のn−ブチルリチウムを0.087mmol/分で添加、混合した後、1基目反応基の底部に連続的に供給した。
さらに、極性物質として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを0.018g/分の速度で、重合開始剤としてn−ブチルリチウムを、当該重合開始剤の添加量を0.288mmol/分の速度で、攪拌機で激しく混合する1基目重合反応器の底部へ供給し、連続的に重合反応を継続させた。
1基目反応器頂部出口における重合体溶液の温度が65℃となるように温度を制御した。1基目反応器頂部と2基目反応器の底部を連結させることより、1基目反応器頂部から2基目反応器底部へ重合体溶液を連続的に供給した。2基目反応器頂部出口における重合体溶液の温度が70℃となるように温度を制御した。重合が十分に安定したところで、2基目反応器頂部出口より、変性剤添加前の重合体溶液を少量抜出し、酸化防止剤(BHT)を重合体100gあたり0.2gとなるように添加した後に溶媒を除去した。
次に、2基目反応器の出口より流出した重合体溶液に、変性剤として2.74mmol/Lに希釈したテトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(表6中、「*2」と略す。)を0.0378mmol/分(水分4.8ppm含有n−ヘキサン溶液)の速度で連続的に添加した。変性剤を添加された重合体溶液はスタティックミキサーを通ることで混合され変性した。
このとき、反応器の出口より流出した重合体溶液に変性剤が添加されるまでの時間は4.7分、温度は65℃であり、重合工程における温度と、変性剤を添加するまでの温度との差は5℃であった。
変性した重合体溶液に、酸化防止剤(BHT)を重合体100gあたり0.2gとなるように0.055g/分(n−ヘキサン溶液)で連続的に添加し、変性反応を終了した。
変性共役ジエン系重合体の110℃のムーニー粘度及び各種の分子量を測定した。
酸化防止剤と同時に、重合体100gに対して、伸展油としてH&R社製商品名「Vivatec500」を10.0gとなるように連続的に添加し、スタティックミキサーで混合した。
スチームストリッピングにより溶媒を除去して、変性共役ジエン系重合体(試料1E)を得た。
〔製造例2E〕変性共役ジエン系重合体(試料2E)
変性剤を2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン(表中「*3」と略す。)に替えた。その他の条件は、前記〔製造例1E〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料2E)を得た。
〔製造例3E〕変性共役ジエン系重合体(試料3E)
変性剤をトリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン(表中「*4」と略す。)に替えた。その他の条件は、前記〔製造例1E〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料3E)を得た。
〔製造例4E〕変性共役ジエン系重合体(試料4E)
変性剤をテトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン(表中「*5」と略す。)に替えた。その他の条件は、前記〔製造例1E〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料4E)を得た。
〔製造例5E〕非変性共役ジエン系重合体(試料5E)
変性剤を四塩化ケイ素(表中「*6」と略す。)に替えた。その他の条件は、前記〔製造例1E〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料5E)を得た。
製造例1E〜5Eで製造した変性共役ジエン系重合体の結合スチレン量、1,2−ビニル結合量、ムーニー粘度、変性率、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及びMw/Mn比を表6に示す。
〔製造例1F〕変性共役ジエン系重合体(試料1F)
重合開始剤を、n−ブチルリチウムから、1−リチオピペリジンに替え、変性剤をテトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(表中「*2」と略す。)に替えた。
なお、表7中の「1−リチオピペリジン」は、1−リチオピペリジンとn−ブチルリチウムを所定の比率で混合し、かつピペリジンとn−ブチルリチウムとを所定の比率で混合することにより調製したものとする。すなわち、1−リチオピペリジンとn−ブチルリチウムとを、モル比で、1−リチオピペリジン:n−ブチルリチウム=0.72:0.28とし、ピペリジンとn−ブチルリチウムとを、モル比で、ピペリジン:n−ブチルリチウム=0.72:1.00として混合して調製することにより得た。
その他の条件は、前記〔製造例1E〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料1F)を得た。
〔製造例2F〕変性共役ジエン系重合体(試料2F)
変性剤を2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン(表中「*3」と略す。)に替えた。その他の条件は、前記〔製造例1F〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料2F)を得た。
〔製造例3F〕変性共役ジエン系重合体(試料3F)
変性剤をトリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン(表中「*4」と略す。)に替えた。その他の条件は、前記〔製造例1F〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料3F)を得た。
〔製造例4F〕変性共役ジエン系重合体(試料4F)
変性剤をテトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン(表中「*5」と略す。)に替えた。その他の条件は、前記〔製造例1F〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料4F)を得た。
〔製造例5F〕非変性共役ジエン系重合体(試料5F)
変性剤を四塩化ケイ素(表中「*6」と略す。)に替えた。その他の条件は、前記〔製造例1F〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料5F)を得た。
製造例1F〜5Fで製造した変性共役ジエン系重合体の結合スチレン量、1,2−ビニル結合量、ムーニー粘度、変性率、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及びMw/Mn比を表7に示す。
〔製造例1G〕変性共役ジエン系重合体(試料1G)
内容積が10Lで、内部の高さ(L)と直径(D)との比(L/D)が4.0であり、底部に入口、頂部に出口を有し、攪拌機付槽型反応器である攪拌機及び温度制御用のジャケットを有する槽型圧力容器を2基連結し重合反応器とした。
予め水分除去した、1,3−ブタジエンを29.0g/分、スチレンを18.9g/分、n−ヘキサンを180.2g/分の条件で混合し、混合溶液を得た。
この混合溶液を1基目反応基の入口に供給する配管の途中に設けたスタティックミキサーにおいて、残存不純物不活性処理用のn−ブチルリチウムを0.087mmol/分で添加、混合した後、1基目反応基の底部に連続的に供給した。
さらに、極性物質として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを0.018g/分の速度で、重合開始剤としてn−ブチルリチウムを、当該重合開始剤の添加量を0.288mmol/分の速度で、攪拌機で激しく混合する1基目重合反応器の底部へ供給し、連続的に重合反応を継続させた。
1基目反応器頂部出口における重合体溶液の温度が65℃となるように温度を制御した。1基目反応器頂部と2基目反応器の底部を連結させることより、1基目反応器頂部から2基目反応器底部へ重合体溶液を連続的に供給した。2基目反応器頂部出口における重合体溶液の温度が70℃となるように温度を制御した。重合が十分に安定したところで、2基目反応器頂部出口より、変性剤添加前の重合体溶液を少量抜出し、酸化防止剤(BHT)を重合体100gあたり0.2gとなるように添加した後に溶媒を除去した。
次に、2基目反応器の出口より流出した重合体溶液に、変性剤として2.74mmol/Lに希釈したテトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(表8中、「*2」と略す。)を0.0378mmol/分(水分4.8ppm含有n−ヘキサン溶液)の速度で連続的に添加した。変性剤を添加された重合体溶液はスタティックミキサーを通ることで混合され変性した。
このとき、反応器の出口より流出した重合体溶液に変性剤が添加されるまでの時間は4.7分、温度は65℃であり、重合工程における温度と、変性剤を添加するまでの温度との差は5℃であった。
変性した重合体溶液に、酸化防止剤(BHT)を重合体100gあたり0.2gとなるように0.055g/分(n−ヘキサン溶液)で連続的に添加し、変性反応を終了した。
変性共役ジエン系重合体の110℃のムーニー粘度及び各種の分子量を測定した。
酸化防止剤と同時に、重合体100gに対して、伸展油として東京硝子器械株式会社製商品名「SH510」を10.0gとなるように連続的に添加し、スタティックミキサーで混合した。
スチームストリッピングにより溶媒を除去して、変性共役ジエン系重合体(試料1G)を得た。
〔製造例2G〕変性共役ジエン系重合体(試料2G)
伸展油をNYNAS社製商品名「Nytex4700」に替えた。その他の条件は、前記〔製造例1G〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料2G)を得た。
〔製造例3G〕変性共役ジエン系重合体(試料3G)
変性剤を2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン(表中「*3」と略す。)に替え、伸展油を東京硝子器械株式会社製商品名「SH510」を10.0gとなるように連続的に添加した。その他の条件は、前記〔製造例1G〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料3G)を得た。
〔製造例4G〕変性共役ジエン系重合体(試料4G)
変性剤を2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン(表中「*3」と略す。)に替え、伸展油をNYNAS社製商品名「Nytex4700」に替えた。その他の条件は、前記〔製造例1G〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料4G)を得た。
〔製造例5G〕変性共役ジエン系重合体(試料5G)
変性剤をテトラキス(3−トリメトキシシリルプロピル)−1,3−プロパンジアミン(表中「*5」と略す。)に替え、伸展油を東京硝子器械株式会社製商品名「SH510」を10.0gとなるように連続的に添加した。その他の条件は、前記〔製造例1G〕と同様にして、変性共役ジエン系重合体(試料5G)を得た。
製造例1G〜5Gで製造した変性共役ジエン系重合体の結合スチレン量、1,2−ビニル結合量、ムーニー粘度、変性率、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及びMw/Mn比を表8に示す。
〔実施例1〜7〕、〔比較例1〜7〕
以下に示す材料を用い、下記の方法により混練して、未加硫ゴム組成物、及び加硫ゴム組成物を製造した。
なおステアリン酸、ワックス、老化防止剤は、タイヤとして使用した場合の性能を測定するために不可欠であるために配合した。
・変性共役ジエン系重合体:試料1〜7(製造例1〜7で製造した、変性共役ジエン系重合体)
・シリカ(エボニック デグサ ジャパン(株)製、ウルトラジル7000GR、窒素吸着比表面積:175m2/g)
・シランカップリング剤(エボニック デグサ ジャパン(株)製、Si75)
・高密度オイルτ(H&R社製、Vivamax5000、密度1.02g/cm3
・伸展油π(H&R社製、Vivatec500、密度0.95g/cm3
・カーボンブラック(東海カーボン(株)製、シーストKH(N339))
・亜鉛華(三井金属鉱業(株)製、亜鉛華1号)
・ステアリン酸・ワックス:(大内新興化学工業(株)製、サンノック)
・老化防止剤(N−イソプロピル−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン)
・硫黄
・加硫促進剤1(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフィンアミド)
・加硫促進剤2(ジフェニルグアニジン)
〔実施例1〕
表9に示す配合に従い、以下の方法により混練して、未加硫ゴム組成物、及び加硫ゴムシートを得た。
温度制御装置を具備するニーダー(内容量0.5L)を使用し、第一段の混練りとして、充填率65%、ローター回転数50rpmの条件で、変性共役ジエン系重合体(試料1)、シリカ、及びシランカップリング剤を用いた。
表9に示すように、「試料1」を110質量部用いた。試料1には、高密度オイルτが10質量部含有されている。
「試料1」110質量部に対し、配合油合計で42質量部になるように、高密度オイルτ(H&R社製「Vivamax5000」を32質量部配合し、4分混練した。
ここで、配合油とは、高密度オイルτと伸展油πを総称する。
このとき、ニーダーの温度制御により排出温度を155〜160℃に調整して配合物を得た。この際用いた配合油全体の密度は、1.02g/cm3であった。
次に、第二段の混練りとして、上記で得た配合物を室温まで冷却後、カーボンブラック、亜鉛華、ステアリン酸、ワックス、及び老化防止剤を加え、上記ニーダーにて3.5分混練した。この場合も、ニーダーの温度制御により排出温度を155〜160℃に調整した。なお、排出温度は、混練後にニーダーから排出された各配合物の温度を測定することにより制御した。
さらに、上記で得た配合物を室温まで冷却後、オーブンを用いて未加硫ゴム組成物を70℃×30分加温した後、第三段の混練として、70℃に設定したニーダーで30秒素練り後、硫黄、加硫促進剤を加えて1.5分混練し105℃で排出し、未加硫ゴム組成物を得た。
その後、未加硫ゴム組成物を160℃×20分間、加硫プレスにて加硫成形して、加硫ゴムシートを得た。加硫ゴムシートの耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
〔実施例2〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例1で製造した「試料1」に替えて製造例2で製造した「試料2」を110質量部用いた。
なお、試料2には、高密度オイルτが10質量部含有されている。
試料2中の高密度オイルτ分を含めて配合油量が42質量部になるように、高密度オイルτを32質量部配合した以外は、実施例1と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、1.02g/cm3であった。
〔実施例3〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例1で製造した「試料1」に替えて製造例3で製造した「試料3」を110質量部用いた。
なお、試料3には、高密度オイルτが10質量部含有されている。
試料3中の高密度オイルτ分を含めて配合油量が42質量部になるように、高密度オイルτを32質量部配合した以外は、実施例1と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、1.02g/cm3であった。
〔実施例4〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例1で製造した「試料1」に替えて製造例4で製造した「試料4」を105質量部用いた。
なお、試料4には、高密度オイルτが5質量部含有されている。
試料4中の高密度オイルτ分を含めて配合油量が15質量部になるように、高密度オイルτを10質量部配合した以外は、実施例1と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、1.02g/cm3であった。
〔実施例5〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例1で製造した「試料1」に替えて製造例5で製造した「試料5」を110質量部用いた。
なお、試料5には、伸展油πが10質量部含有されている。
試料5中の伸展油π分を含めて配合油量が42質量部になるように、高密度オイルτを32質量部配合した以外は、実施例1と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、1.02g/cm3であった。
〔実施例6〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例1で製造した「試料1」に替えて製造例6で製造した「試料6」を105質量部用いた。
なお、試料6には、伸展油πが5質量部含有されている。
試料6中の伸展油π分を含めて配合油量が42質量部になるように、高密度オイルτを37質量部配合した以外は、実施例1と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、1.02g/cm3であった。
〔実施例7〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例1で製造した「試料1」に替えて製造例7で製造した「試料7」を110質量部用いた。
なお、試料7には、伸展油πが10質量部含有されている。
試料7中の伸展油π分を含めて配合油量が120質量部になるように、高密度オイルτを110質量部配合した以外は、実施例1と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、1.02g/cm3であった。
〔比較例1〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例1で製造した「試料1」を110質量部用いた。
なお、試料1には、高密度オイルτが10質量部含有されている。
試料1中の高密度オイルτ分を含めて配合油量が42質量部になるように、伸展油πを32質量部配合した以外は、実施例1と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、0.96g/cm3であった。
〔比較例2〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例2で製造した「試料2」を110質量部用いた。
なお、試料2には、高密度オイルτが10質量部含有されている。
試料2中の高密度オイルτ分を含めて配合油量が42質量部になるように、伸展油πを32質量部配合した以外は、実施例1と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、0.96g/cm3であった。
〔比較例3〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例3で製造した「試料3」を110質量部用いた。
なお、試料3には、高密度オイルτが10質量部含有されている。
試料3中の高密度オイルτ分を含めて配合油量が42質量部になるように、伸展油πを32質量部配合した以外は、実施例1と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、0.96g/cm3であった。
〔比較例4〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例4で製造した「試料4」を105質量部用いた。
なお、試料4には、高密度オイルτが5質量部含有されている。
試料4中の高密度オイルτ分を含めて配合油量が15質量部になるように、伸展油πを10質量部配合した以外は、実施例1と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、0.98g/cm3であった。
〔比較例5〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例5で製造した「試料5」を110質量部用いた。
なお、試料5には、伸展油πが10質量部含有されている。
試料5中の伸展油π分を含めて配合油量が42質量部になるように、伸展油πを32質量部配合した以外は、実施例1と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、0.95g/cm3であった。
〔比較例6〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例6で製造した「試料6」を105質量部用いた。
なお、試料6には、伸展油πが5質量部含有されている。
試料6中の伸展油π分を含めて配合油量が42質量部になるように、伸展油πを37質量部配合した以外は、実施例1と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、0.95g/cm3であった。
〔比較例7〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例7で製造した「試料7」を110質量部用いた。
なお、試料7には、伸展油πが10質量部含有されている。
試料7中の伸展油π分を含めて配合油量が120質量部になるように、伸展油πを110質量部配合した以外は、実施例1と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、0.95g/cm3であった。
実施例1〜7、及び比較例1〜7の配合組成を表9に示し、これらの操縦安定性、耐摩耗性、ブレーキ性能、省燃費性能の評価結果を、表10〜表16に示す。
表10〜16より、本発明の変性共役ジエン系重合体組成物は、操縦安定性と耐摩耗性のバランスが高度に優れ、ブレーキ性能と省燃費性能のバランスにも優れていることが分かった。
これに対し、比較例1〜7のように、密度が1.0g/cm3に満たない配合油を用いたものは、特性バランスに劣ることが分かった。
〔実施例8〜34〕、〔比較例8〜29〕
以下に示す材料を用い、下記の方法により混練して、未加硫ゴム組成物、及び加硫ゴム組成物を製造した。
なおステアリン酸、ワックス、老化防止剤は、タイヤとして使用した場合の性能を測定するために不可欠であるために配合した。
・変性共役ジエン系重合体:試料1A〜5A、1B〜5B、1C〜5C、1D〜5D、
1E〜5E、1F〜5F、1G〜5G
(製造例1A〜5A、1B〜5B、1C〜5C、1D〜5D、1E〜5E、1F〜5F 、1G〜5Gで製造した、変性共役ジエン系重合体)
・シリカ(エボニック デグサ ジャパン(株)製、ウルトラジル7000GR、
窒素吸着比表面積:175m2/g)
・シランカップリング剤(エボニック デグサ ジャパン(株)製、Si75)
・Vivamax5000(H&R社製、Vivamax5000、密度1.02g/cm3
・Vivamax5100(H&R社製、Vivamax5100、密度1.01g/cm3
・Vivatec 500(H&R社製、Vivatec 500、密度0.95g/cm3
・SH510(東京硝子器械株式会社社製、SH510 、密度0.99g/cm3
・Nytex4700(NINAS社製、Nytex4700 、密度0.94g/cm3
・DCPD(水添シクロペンタジエン)
・T160(変性テルペンフェノール樹脂)
・カーボンブラック(東海カーボン(株)製、シーストKH(N339))
・亜鉛華(三井金属鉱業(株)製、亜鉛華1号)
・ステアリン酸・ワックス:(大内新興化学工業(株)製、サンノック)
・老化防止剤(N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
・硫黄
・加硫促進剤1(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフィンアミド)
・加硫促進剤2(ジフェニルグアニジン)
〔実施例8〜12〕
表17に示す配合に従い、以下の方法により混練して、未加硫ゴム組成物、及び加硫ゴムシートを得た。
温度制御装置を具備するニーダー(内容量0.5L)を使用し、第一段の混練りとして、充填率65%、ローター回転数50rpmの条件で、変性共役ジエン系重合体(試料1A〜5A)、シリカ、及びシランカップリング剤を用いた。
表17に示すように、「試料1A〜5A」を110質量部用いた。試料1A〜5Aには、高密度オイルVivamax5000が10質量部含有されている。
「試料1A〜5A」110質量部に対し、配合油合計で42質量部になるように、高密度オイルVivamax5000を32質量部配合し、4分混練した。
ここで、配合油とは、高密度オイルVivamax5000と高密度オイルVivamax5100と伸展油Vivatec500を総称する。
このとき、ニーダーの温度制御により排出温度を155〜160℃に調整して配合物を得た。この際用いた配合油全体の密度は、1.02g/cm3であった。
次に、第二段の混練りとして、上記で得た配合物を室温まで冷却後、カーボンブラック、亜鉛華、ステアリン酸、ワックス、及び老化防止剤を加え、上記ニーダーにて3.5分混練した。この場合も、ニーダーの温度制御により排出温度を155〜160℃に調整した。なお、排出温度は、混練後にニーダーから排出された各配合物の温度を測定することにより制御した。
さらに、上記で得た配合物を室温まで冷却後、オーブンを用いて未加硫ゴム組成物を70℃×30分加温した後、第三段の混練として、70℃に設定したニーダーで30秒素練り後、硫黄、加硫促進剤を加えて1.5分混練し105℃で排出し、未加硫ゴム組成物を得た。
その後、未加硫ゴム組成物を160℃×20分間、加硫プレスにて加硫成形して、加硫ゴムシートを得た。加硫ゴムシートの耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
〔実施例13〜17〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例1A〜5Aで製造した「試料1A〜5A」に替えて製造例1C〜5Cで製造した「試料1C〜5C」を110質量部用いた。
なお、試料1C〜5Cには、高密度オイルVivamax5100が10質量部含有されている。
試料1C〜5C中の高密度オイルVivamax5100分を含めて配合油量が42質量部になるように、高密度オイルVivamax5100を32質量部配合した以外は、実施例8〜12と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、1.01g/cm3であった。
〔実施例18〜22〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例1A〜5Aで製造した「試料1A〜5A」に替えて製造例1B〜5Bで製造した「試料1B〜5B」を110質量部用いた。
なお、試料1B〜5Bには、高密度オイルVivamax5000が10質量部含有されている。
試料1B〜5B中の高密度オイルVivamax5000分を含めて配合油量が42質量部になるように、高密度オイルVivamax5000を32質量部配合した以外は、実施例8〜12と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、1.02g/cm3であった。
〔実施例23〜27〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例1A〜5Aで製造した「試料1A〜5A」に替えて製造例1D〜5Dで製造した「試料1D〜5D」を110質量部用いた。
なお、試料1C〜5Cには、高密度オイルVivamax5100が10質量部含有されている。
試料1D〜5D中の高密度オイルVivamax5100分を含めて配合油量が42質量部になるように、高密度オイルVivamax5100を32質量部配合した以外は、実施例8〜12と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、1.01g/cm3であった。
〔実施例28〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例1Aで製造した「試料1A」を110質量部用いた。
なお、実施例28には、高密度オイルVivamax5000が10質量部含有している。
更に粘着性樹脂DCPDが5質量部配合されている以外は、実施例1A〜5Aと同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、1.02g/cm3であった。
〔実施例29〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例1Aで製造した「試料1A」を110質量部用いた。
なお、試料1Aには、高密度オイルVivamax5000が10質量部含有されている。
実施例29は、高密度オイルVivamax5000 30質量部とSH510 5質量部を含めて配合油量が45質量部になるように配合し、更に粘着性樹脂T160を10質量部配合した以外は、実施例8と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、1.01g/cm3であった。
〔実施例30〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例2Aで製造した「試料2A」を110質量部用いた。
なお、実施例30には、高密度オイルVivamax5000が10質量部含有している。
更に粘着樹脂DCPDを5質量部配合した以外は、実施例8と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、1.02g/cm3であった。
〔実施例31〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例2Aで製造した「試料2A」を110質量部用いた。
なお、試料2Aには、高密度オイルVivamax5000が10質量部含有されている。
実施例31は、高密度オイルVivamax5000 30質量部とNytex4700 5質量部を含めて配合油量が45質量部にし、更に粘着樹脂T160 10質量部配合した以外は、実施例8と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、1.01g/cm3であった。
〔実施例32〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例4Aで製造した「試料4A」を110質量部用いた。
なお、実施例32には、高密度オイルVivamax5000が10質量部含有されている。
更に粘着樹脂T160 10質量部配合した以外は、実施例8と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、1.02g/cm3であった。
〔実施例33〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例1Aで製造した「試料1A」を77質量部とハイシスポリブタジエンゴム30質量部を用いた。
なお、試料1Aには、高密度オイルVivamax5000が7質量部含有されている。
実施例33は、高密度オイルVivamax5000 33質量部とSH510 5質量部を含めて配合油量が45質量部になるように配合し、更に粘着性樹脂T160を10質量部配合した以外は、実施例8と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、1.01g/cm3であった。
〔実施例34)〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例1Aで製造した「試料1A」を77質量部と天然ゴム30質量部を用いた。
なお、試料1Aには、高密度オイルVivamax5000が7質量部含有されている。
実施例34は、高密度オイルVivamax5000 33質量部とSH510 5質量部を含めて配合油量が45質量部になるように配合し、更に粘着性樹脂T160を10質量部配合した以外は、実施例1Aと同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、1.01g/cm3であった。
〔比較例8〜12〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例1E〜5Eで製造した「試料1E〜5E」を110質量部用いた。
なお、試料1E〜5Eには、伸展油Vivatec500が10質量部含有されている。
試料1E〜5E中の伸展油Vivatec500分を含めて配合油量が42質量部になるように、伸展油Vivatec500を32質量部配合した以外は、実施例8〜12と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、0.95g/cm3であった。
〔比較例13〜17〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例1F〜5Fで製造した「試料1F〜5F」を110質量部用いた。
なお、試料1F〜5Fには、伸展油Vivatec500が10質量部含有されている。
試料1F〜5F中の伸展油Vivatec500分を含めて配合油量が42質量部になるように、伸展油Vivatec500を32質量部配合した以外は、実施例8〜12と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、0.95g/cm3であった。
〔比較例18〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例1Aで製造した「試料1A」を110質量部用いた。
なお、試料1Aには、高密度オイルVivamax5000が10質量部含有されている。
試料1A中の高密度オイルVivamax5000分を含めて配合油量が25質量部になるように、伸展油SH510を15質量部配合し、更に粘着樹脂DCPDを5質量部配合した以外は、実施例8〜12と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、0.99g/cm3であった。
〔比較例19〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例1Aで製造した「試料1A」を110質量部用いた。
なお、試料1Aには、高密度オイルVivamax5000が10質量部含有されている。
試料1A中の高密度オイルVivamax5000分を含めて配合油量が25質量部になるように、伸展油Nytex4700を15質量部配合し、更に粘着樹脂T160を10質量部配合した以外は、実施例8〜12と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、0.97g/cm3であった。
〔比較例20〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例2Aで製造した「試料2A」を110質量部用いた。
なお、試料2Aには、高密度オイルVivamax5000が10質量部含有されている。
試料2A中の試料2Aには、高密度オイルVivamax5000分を含めて配合油量が25質量部になるように、伸展油SH510を15質量部配合し、更に粘着樹脂DCPDを5質量部配合した以外は、実施例8〜12と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、0.99g/cm3であった。
〔比較例21〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例2Aで製造した「試料2A」を110質量部用いた。
なお、試料2Aには、高密度オイルVivamax5000が10質量部含有されている。
試料2A中の高密度オイルVivamax5000分を含めて配合油量が25質量部になるように、伸展油Nytex4700を15質量部配合し、更に粘着樹脂T160を10質量部配合した以外は、実施例8〜12と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、0.97g/cm3であった。
〔比較例22〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例4Aで製造した「試料4A」を110質量部用いた。
なお、試料4Aには、高密度オイルVivamax5000が10質量部含有されている。
試料4A中の高密度オイルVivamax5000分を含めて配合油量が42質量部になるように、伸展油Nytex4700を32質量部配合し、更に粘着樹脂T160を10質量部配合した以外は、実施例8〜12と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、0.96g/cm3であった。
〔比較例23〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例1Gで製造した「試料1G」を110質量部用いた。
なお、試料1Gには、伸展油SH510が10質量部含有されている。
試料1G中の伸展油SH510分を含めて配合油量が42質量部になるように、伸展油SH510を32質量部配合し、更に粘着樹脂DCPDを5質量部配合した以外は、実施例8〜12と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、0.99g/cm3であった。
〔比較例24〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例2Gで製造した「試料2G」を110質量部用いた。
なお、試料2Gには、伸展油Nytex4700が10質量部含有されている。
試料2G中の伸展油Nytex4700分を含めて配合油量が42質量部になるように、伸展油Nytex4700を32質量部配合し、更に粘着樹脂T160を10質量部配合した以外は、実施例8〜12と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、0.94g/cm3であった。
〔比較例25〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例3Gで製造した「試料3G」を110質量部用いた。
なお、試料3Gには、伸展油SH510が10質量部含有されている。
試料3G中の伸展油SH510分を含めて配合油量が42質量部になるように、伸展油SH510を32質量部配合し、更に粘着樹脂DCPDを5質量部配合した以外は、実施例8〜12と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、0.99g/cm3であった。
〔比較例26〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例4Gで製造した「試料4G」を110質量部用いた。
なお、試料4Gには、伸展油Nytex4700が10質量部含有されている。
試料4Gの伸展油Nytex4700分を含めて配合油量が42質量部になるように、伸展油Nytex4700を32質量部配合し、更に粘着樹脂T160を10質量部配合した以外は、実施例8〜12と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、0.94g/cm3であった。
〔比較例27〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例5Gで製造した「試料5G」を110質量部用いた。
なお、試料5Gには、伸展油Nytex4700が10質量部含有されている。
試料5G伸展油Nytex4700分を含めて配合油量が42質量部になるように、伸展油Nytex4700を32質量部配合し、更に粘着樹脂T160を10質量部配合した以外は、実施例8〜12と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、0.94g/cm3であった。
〔比較例28〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例1Aで製造した「試料1A」を110質量部用いた。
なお、試料1Aには、高密度オイルVivamax5000が10質量部含有されている。
試料1A中の高密度オイルVivamax5000分を含めて配合油量が45質量部になるように、伸展油SH510を38質量部配合し、更に粘着樹脂DCPDを5質量部配合した以外は、実施例8〜12と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、0.99g/cm3であった。
〔比較例29〕
変性共役ジエン系重合体として、製造例1Aで製造した「試料1A」を110質量部用いた。
なお、試料1Aには、高密度オイルVivamax5000が10質量部含有されている。
試料1A中の高密度オイルVivamax5000分を含めて配合油量が45質量部になるように、伸展油Nytex4700を38質量部配合し、更に粘着樹脂T160を10質量部配合した以外は、実施例8〜12と同じ操作を行い、耐摩耗性、及び操縦安定性を評価した。
この際用いた配合油全体の密度は、0.97g/cm3であった。
実施例8〜34及び比較例8〜29の配合組成、及びこれらの操縦安定性、耐摩耗性、ブレーキ性能、及び省燃費性能の評価結果を、下記表に示す。
本発明の変性共役ジエン系重合体組成物は、タイヤ用ベーストレッド、及びタイヤの材料として、産業上の利用可能性を有する。

Claims (4)

  1. ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnが1.5以上であり、シリカ系カラムへの吸着性を有する変性共役ジエン系重合体(イ)を含有するゴム成分と、
    密度1.0g/cm3以上のオイル(ハ)と、
    を、含有する変性共役ジエン系重合体組成物。
  2. シリカ系無機充填剤(ロ)及びカーボンブラックを、さらに含有する、請求項1に記載の変性共役ジエン系重合体組成物。
  3. ベーストレッド用である、請求項1又は2に記載の変性共役ジエン系重合体組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の変性共役ジエン系重合体組成物の架橋物を含むベーストレッドを具備するタイヤ。
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