JP2019085298A - 炭素材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的低温の条件によって、不純物としての金属成分が実質的にゼロである新規な炭素材料を製造する方法を提供する。【解決手段】本発明の炭素材料の製造方法は、加熱によって同一分子間および/または異種分子間で縮合反応が起きる化合物(A)を加熱して炭素材料を製造する方法であって、加熱温度が500℃以下であり、化合物(A)の分解温度をT℃とした場合に(T±50)℃で、バルク状態で加熱する。【選択図】図1

Description

本発明は、炭素材料の製造方法に関する。
近年、カーボンナノチューブ、フラーレン、グラファイト膜、グラフェン、酸化グラフェン、還元型酸化グラフェン、人造黒鉛、カーボンブラックなどの炭素材料は、それぞれ、その特徴的な物性に起因して、各種分野における新規な機能性材料として期待されている(例えば、非特許文献1−3)。
しかし、従来の炭素材料は、特に、ナノ炭素材料として近年注目されているカーボンナノチューブやグラフェンは、それらの製造において、金属系の触媒を使用して合成される。これらの金属成分は続く精製工程である程度除くことはできるが、ゼロにすることは事実上不可能である。また、炭素材料内部に取り込まれた金属成分は除くことができず、炭素材料に多くの不純物としての金属成分が残ってしまう材料も多くある。
また、従来の炭素材料は、高温の条件によって製造されることが一般的であり、簡便に製造できないという問題や、エネルギーコスト的に不利であるという問題や、副生成物が多く生成しやすいという問題がある。
Nature,354,p.56−58(1991) Science,306,p.666−669(2004) 齋藤理一郎著,「グラフェンの最先端技術と広がる応用」,第2章.グラフェンの基礎物性,3.グラフェンの光電子物性
本発明の課題は、比較的低温の条件によって、不純物としての金属成分が実質的にゼロである新規な炭素材料を製造する方法を提供することにある。
本発明の炭素材料の製造方法は、
加熱によって同一分子間および/または異種分子間で縮合反応が起きる化合物(A)を加熱して炭素材料を製造する方法であって、
加熱温度が500℃以下であり、
化合物(A)の分解温度をT℃とした場合に(T±50)℃で、バルク状態で加熱する。
一つの実施形態においては、上記化合物(A)が、23℃環境下で固体であって融点を有する。
一つの実施形態においては、上記化合物(A)が、加熱によって分解して芳香族環上にラジカルを発生する芳香族化合物である。
一つの実施形態においては、上記化合物(A)が、縮合反応によって、2種以上の基から1つの中性分子が形成されて脱離する化合物である。
一つの実施形態においては、上記縮合反応が、
(a)−H基と−OH基とからHOが形成されて脱離することによる縮合反応、
(b)−H基と−OR基(Rは任意の適切な置換または無置換のアルキル基)とからROHが形成されて脱離することによる縮合反応、
(c)−H基と−X基(XはハロゲンまたはCN)とからHXが形成されて脱離することによる縮合反応、
(d)−H基と−NH基とからNHが形成されて脱離することによる縮合反応、
(e)−H基と−NHR基(Rは任意の適切な置換または無置換のアルキル基)とからRNHが形成されて脱離することによる縮合反応、
(f)−H基と−NR基(R、Rは任意の適切な置換または無置換のアルキル基)とからRNHが形成されて脱離することによる縮合反応、
(g)−H基と−SH基とからHSが形成されて脱離することによる縮合反応、
(h)−H基と−SR基(Rは任意の適切な置換または無置換のアルキル基)とからRSHが形成されて脱離することによる縮合反応、
(i)−H基と−OOCR基(Rは任意の適切な置換または無置換のアルキル基)とからRCOOHが形成されて脱離することによる縮合反応、
(j)−H基と−OSO(OH)基とからHSOが形成されて脱離することによる縮合反応、
(k)−H基と−OSOR基(Rは任意の適切な置換または無置換のアルキル基)とからRSO(OH)が形成されて脱離することによる縮合反応、
(l)−H基と−OSO(OR)基(Rは任意の適切な置換または無置換のアルキル基)とからROSOHが形成されて脱離することによる縮合反応、および、
(m)−H基と−OSO(OH)基とからHSOが形成されて脱離することによる縮合反応、
からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
本発明によれば、比較的低温の条件によって、不純物としての金属成分が実質的にゼロである新規な炭素材料を製造する方法を提供できる。
炭素材料(1)のラマンスペクトル図である。 炭素材料(1)のXRDスペクトル図である。 炭素材料(2)のラマンスペクトル図である。 炭素材料(2)のXRDスペクトル図である。 炭素材料(3)のラマンスペクトル図である。 炭素材料(3)のXRDスペクトル図である。 炭素材料(4)のラマンスペクトル図である。 炭素材料(4)のXRDスペクトル図である。 炭素材料(5)のラマンスペクトル図である。 炭素材料(5)のXRDスペクトル図である。 炭素材料(6)のラマンスペクトル図である。 炭素材料(6)のXRDスペクトル図である。 炭素材料(7)のラマンスペクトル図である。 炭素材料(7)のXRDスペクトル図である。 比較例1の酸化グラフェンのラマンスペクトル図である。 比較例1の酸化グラフェンのXRDスペクトル図である。
≪炭素材料の製造方法≫
本発明の炭素材料の製造方法は、加熱によって同一分子間および/または異種分子間で縮合反応が起きる化合物(A)を加熱して炭素材料を製造する方法である。
化合物(A)は、1種の化合物であってもよいし、2種以上の化合物の混合物であってもよい。化合物(A)が2種以上の化合物の混合物である場合、混合物のうちの少なくとも1種以上の化合物が本発明に記載の物性(分解点、融点等)、構造等を有すればよく、該化合物を基準に加熱温度、加熱時間等の緒条件を決定すればよい。
本発明の製造方法においては、加熱温度が500℃以下であり、好ましくは500℃〜200℃であり、より好ましくは450℃〜250℃である。本発明の炭素材料の製造方法における加熱の温度が500℃以下であることにより、比較的低温の条件によって新規な炭素材料を製造することができ、製造を簡便に行うことができ、エネルギーコスト的に有利となり、副生成物が生成し難い。
本発明の製造方法においては、加熱温度が、化合物(A)の分解温度をT℃とした場合に(T±50)℃であり、好ましくは(T±45)℃であり、より好ましくは(T±40)℃であり、さらに好ましくは(T±35)℃であり、特に好ましくは(T±30)℃である。加熱温度を上記範囲に調整することにより、比較的低温の条件によって新規な炭素材料を製造することができ、製造を簡便に行うことができ、エネルギーコスト的に有利となり、副生成物が生成し難い。
本発明の製造方法においては、化合物(A)をバルク状態で加熱する。一般には、バルクが備える性質が、その物質の固有の性質である。すなわち、バルク状態の物質は、その物質のもつ基本的な性質、例えば、沸点、融点、粘度、密度などの値を決定できる。ある物質の物性といえば、バルク部分が持つ性質を指す。バルク状態の例としては、粒子、ペレット、フィルム等である。粒子の存在状態としては、例えば、粉体が挙げられる。フィルムとしては、自立したフィルムであることが好ましい。化合物(A)をバルク状態で加熱するとは、例えば、化合物(A)からなる粒子(粉体)を加熱する、化合物(A)からなる粒子(例えば、粉体)を圧縮成形等でペレット状やフィルム状に成形を行った後、その成形体を加熱する、化合物(A)からなる粒子(例えば、粉体)を液体中で加熱する、等の行為を包含する。粒子(例えば、粉体)や成形体を加熱する際、例えば、容器に入れて加熱してもよい。容器としては、任意の適切な容器を採用し得る。このような容器としては、例えば、加熱温度で実質的に変質しない材質からなるものが好ましい。また、粒子(例えば、粉体)や成形体が接触する表面が、加熱する際に、化合物(A)と化学反応しないような材質であることが好ましい。粒子(例えば、粉体)や成形体を好ましい条件で加熱することにより、炭素材料を得ることが可能となり、その加熱する工程において、化合物(A)の融点付近で化合物(A)が融解して液体状になることがある。このような経過を経る場合も「化合物(A)をバルク状態で加熱する」ことに含まれる。一方、本発明の意味する「バルク状態で加熱する」ものではない例としては、例えば、化合物(A)を溶媒に溶解して任意の基材状に塗布して膜状にして該基材とともに加熱することにより薄膜を形成する方法、化学気相成長法(CVD)法、物理気相成長法(PVD)、薄膜蒸着加熱法、などが挙げられる。薄膜としてはおおむね膜厚が1μm以下の範囲を意味する。
加熱の方法としては、管状炉、ボックス炉のような焼成炉、熱媒を利用した加熱反応装置、マイクロ波を利用した加熱反応装置などが使用できる。加熱の条件としては、真空下、常圧下、加圧下などで行うことができる。加熱雰囲気の条件としては、大気下、不活性ガス雰囲気下などで行うことができる。加熱雰囲気の条件としては、好ましくは、窒素、アルゴン等の不活性ガスの雰囲気下である。
加熱の時間としては、製造したい炭素材料に求める分子量または溶解性や分散性等により、任意の適切な加熱時間を採用し得る。このような加熱時間としては、例えば、好ましくは1分〜48時間であり、より好ましくは15分〜24時間であり、さらに好ましくは30分〜12時間であり、特に好ましくは1時間〜10時間である。
化合物(A)は、好ましくは、23℃環境下で固体であって融点を有する。融点を有することで、加熱の過程で融解し、分子間での反応が良好に進行し得る。仮に融点を有さない場合には、加熱の過程で融解しないので、分子の位置が固定されて分子間での反応が促進されにくくなり得るため、炭素材料化しにくいおそれがある
本発明の製造方法で得られる炭素材料は、溶媒に完全に溶解するもの(完溶物)、溶媒に一部のみ溶解するもの(一部溶解物)、溶媒に不溶のもの(不溶物)の3つの形態を採り得る。完溶物、一部溶解物、不溶物のいずれであるかの判断は、例えば、炭素材料を溶媒に対して0.001質量%となるように混合した後に、超音波処理を1時間行った後、超音波処理後の液をPTFE製濾紙(孔径0.45μm)に通し、濾紙上に固体が残らない場合を完溶、濾紙上に一部残って濾液中にも炭素材料が存在する場合を一部溶解、濾紙上に固体が残って濾液中に炭素材料が認められない場合を不溶と判断できる。なお、濾液中に炭素材料が存在することは、例えば、濾液のGPC分析によって炭素材料に由来するピークを有することが観察され、且つ、濾液中の不揮発分がラマン分光分析で炭素材料に由来するピークを有することが観察されることによって判断できる。上記PTFE製濾紙としては、たとえばジーエルサイエンス株式会社製のGLクロマトディスク(型式13P)を用いることができる。
本発明の製造方法で得られる炭素材料が完溶物、一部溶解物、不溶物のいずれになるかは、化合物(A)の選択、化合物(A)の加熱温度などの製造条件の選択によって、決定され得る。
本発明の製造方法で得られる炭素材料が完溶物である場合、例えば、炭素材料を溶媒に対して0.001質量%となるように混合した後に、超音波処理を1時間行った後、超音波処理後の液をPTFE製濾紙(孔径0.45μm)に通して得られた濾液から溶媒を任意の適切な方法によって除去することにより、該完溶物を単離することができる。
本発明の製造方法で得られる炭素材料が不溶物である場合、該不溶物を溶媒に加え、再び超音波処理1時間行い、得られた液を10分間静置し、底に沈降する成分が無い場合を良好な分散性、一部沈降している場合を一部分散、すべて沈降している場合を非分散と判断できる。これら溶解する部分、分散する部分、沈降する部分は、濾過、遠心分離等の操作でそれぞれ分離することも可能であり、それぞれの特徴を活かした用途に適用可能である。
溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、クロロホルム、ジクロロメタン等が挙げられ、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、クロロホルムであり、より好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンである。
<化合物(A)の代表的な実施形態(実施形態1)>
化合物(A)の代表的な実施形態(実施形態1)は、加熱によって分解して芳香族環上にラジカルを発生する芳香族化合物である。芳香族環上にラジカルが発生した芳香族化合物が、同一分子間および/または異種分子間で縮合反応を起こし、炭素材料となり得る。
加熱によって分解して芳香族環上にラジカルを発生する芳香族化合物としては、好ましくは、加熱によって気体(常温常圧において気体状態である気体)を発生する芳香族化合物である。
加熱によって気体を発生する芳香族化合物としては、芳香族化合物であって、加熱を行うことによって気体が発生するものであれば、任意の適切な芳香族化合物を採用し得る。このような常温常圧において気体状態である気体としては、好ましくは、CO、CO、N、O、H、NOから選ばれる少なくとも1種である。
加熱によってCOおよび/またはCOを発生する芳香族化合物としては、例えば、「−C(=O)−」および/または「−O−C(=O)−」構造を有する芳香族化合物(例えば、芳香族ケトン誘導体、芳香族エステル誘導体、酸無水物など)などが挙げられる。
加熱によってCOおよび/またはCOを発生する芳香族化合物としては、例えば、下記のような化合物が挙げられる。
Figure 2019085298
加熱によってNを発生する芳香族化合物としては、例えば、「−NH−NH−」構造や「−N=N−」構造や、「−N」構造を有する芳香族化合物(例えば、芳香族アゾ化合物、芳香族アジド化合物、トリアゾール置換芳香族化合物、テトラゾール置換芳香族化合物、トリアジンまたはその誘導体、テトラジンまたはその誘導体、芳香族ヒドラジン誘導体など)などが挙げられる。
加熱によってNを発生する芳香族化合物としては、例えば、下記のような化合物が挙げられる。なお、下記の化合物において、Rは、水素原子、または、置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基を表す。
Figure 2019085298
加熱によってOを発生する芳香族化合物としては、例えば、「−O−O−」構造を有する芳香族化合物(例えば、芳香族炭素酸化物、芳香族過酸化物など)などが挙げられる。
加熱によってOを発生する芳香族化合物としては、例えば、下記のような化合物が挙げられる。なお、下記の化合物において、Rは、水素原子、または、置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基を表す。
Figure 2019085298
加熱によってHを発生する芳香族化合物としては、例えば、「−CH−」構造を有する縮合多環式芳香族化合物(例えば、フェナレン系化合物など)などが挙げられる。
加熱によってHを発生する芳香族化合物としては、例えば、下記のような化合物が挙げられる。
Figure 2019085298
加熱によってNOを発生する芳香族化合物としては、例えば、「−NO」構造を有する芳香族化合物(例えば、芳香族ニトロ化合物など)などが挙げられる。
加熱によってNOを発生する芳香族化合物としては、例えば、下記のような化合物が挙げられる。
Figure 2019085298
加熱によって分解して芳香族環上にラジカルを発生する芳香族化合物は、加熱による分解性を有し、骨格の少なくとも一部がかい離・分解することによって気体分子(好ましくは、CO、CO、N、O、H、NOから選ばれる少なくとも1種)が生成し、残った芳香族環上にラジカルが生成する化合物である。このような芳香族化合物を用いることにより、反応触媒を必要とすることなく、自身の分解のみによる反応が起こるため、化学反応の副生成物や反応触媒が炭素材料に存在してしまって致命的な不純物となることを抑制でき、より高品質な炭素材料を得ることができる。また、このような芳香族化合物を用いることにより、可燃性ガスを使用することなく、比較的温和な温度環境下において、炭素材料を得ることができる。また、このような芳香族化合物は、触媒作用を必要としない高反応性を有し得る。
<化合物(A)の代表的な実施形態(実施形態2)>
化合物(A)の代表的な実施形態(実施形態2)は、縮合反応によって、2種以上の基から1つの中性分子が形成されて脱離する化合物である。この実施形態2においては、1つの化合物が2種以上の基を有している場合であってもよいし、2つ以上の化合物のそれぞれの有する基を組み合わせて2種以上の基となる場合であってもよい。このような化合物(A)が、同一分子間および/または異種分子間で縮合反応を起こし、炭素材料となり得る。
縮合反応としては、2種以上の基から1つの中性分子が形成されて脱離することによる縮合反応であれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な縮合反応を採用し得る。このような縮合反応とすることにより、比較的低温で反応を行うことが可能となり得る。このような縮合反応としては、例えば、
(a)−H基と−OH基とからHOが形成されて脱離することによる縮合反応、
(b)−H基と−OR基(Rは任意の適切な置換または無置換のアルキル基)とからROHが形成されて脱離することによる縮合反応、
(c)−H基と−X基(XはハロゲンまたはCN)とからHXが形成されて脱離することによる縮合反応、
(d)−H基と−NH基とからNHが形成されて脱離することによる縮合反応、
(e)−H基と−NHR基(Rは任意の適切な置換または無置換のアルキル基)とからRNHが形成されて脱離することによる縮合反応、
(f)−H基と−NR基(R、Rは任意の適切な置換または無置換のアルキル基)とからRNHが形成されて脱離することによる縮合反応、
(g)−H基と−SH基とからHSが形成されて脱離することによる縮合反応、
(h)−H基と−SR基(Rは任意の適切な置換または無置換のアルキル基)とからRSHが形成されて脱離することによる縮合反応、
(i)−H基と−OOCR基(Rは任意の適切な置換または無置換のアルキル基)とからRCOOHが形成されて脱離することによる縮合反応、
(j)−H基と−OSO(OH)基とからHSOが形成されて脱離することによる縮合反応、
(k)−H基と−OSOR基(Rは任意の適切な置換または無置換のアルキル基)とからRSO(OH)が形成されて脱離することによる縮合反応、
(l)−H基と−OSO(OR)基(Rは任意の適切な置換または無置換のアルキル基)とからROSOHが形成されて脱離することによる縮合反応、
(m)−H基と−OSO(OH)基とからHSOが形成されて脱離することによる縮合反応、
などが挙げられる。特に、脱離した中性成分が該脱離温度(焼成温度)で気体成分であると、炭素材料に取り込まれることなく、気相部にあるため、不純物となりにくい。
縮合反応として、−H基と−OH基とからHOが形成されて脱離することによる縮合反応(上記(a))を代表例として説明する。
実施形態2における化合物(A)の一つの実施形態(実施形態(X)と称することがある)は、1個の炭素6員環構造からなる骨格を有する化合物(a1)または2個以上の炭素6員環構造が結合および/または縮環した骨格を有する化合物(a2)であり、該骨格の構造形成に寄与していない置換基の数の半数が−OH基であり、もう半数が−H基である。
実施形態(X)においては、
(i)化合物(A)が、1個の炭素6員環構造からなる骨格を有する化合物(a1)である場合、
(ii)化合物(A)が、2個以上の炭素6員環構造が結合および/または縮環した骨格を有する化合物(a2)である場合、
の2つの場合のいずれかを採り得る。
実施形態(X)において、「骨格の構造形成に寄与していない置換基」とは、上記(i)の場合の「1個の炭素6員環構造からなる骨格」または上記(ii)の場合の「2個以上の炭素6員環構造が結合および/または縮環した骨格」の該骨格の構造形成に寄与していない置換基を意味する。例えば、上記(i)の場合として、1個の炭素6員環構造からなる骨格を有する化合物(a1)が後に示す化学式(a1−1)で表される場合、1個の炭素6員環構造からなる骨格の構造形成に寄与していない置換基は6個の−OH基と6個の−H基であり、1個の炭素6員環構造からなる骨格を有する化合物(a1)が後に示す化学式(a1−2)で表される場合、1個の炭素6員環構造からなる骨格の構造形成に寄与していない置換基は3個の−OH基と3個の−H基である。また、例えば、上記(ii)の場合として、2個以上の炭素6員環構造が結合および/または縮環した骨格を有する化合物(a2)が後に示す化学式(a2−1)で表される場合、2個以上の炭素6員環構造が結合および/または縮環した骨格の構造形成に寄与していない置換基は6個の−OH基と6個の−H基である。
実施形態(X)においては、1個の炭素6員環構造からなる骨格を有する化合物(a1)の該骨格の構造形成に寄与していない置換基の数の半数が−OH基であり、もう半数が−H基であり、2個以上の炭素6員環構造が結合および/または縮環した骨格を有する化合物(a2)の該骨格の構造形成に寄与していない置換基の数の半数が−OH基であり、もう半数が−H基である。このような置換基の構成を有することにより、化合物(A)は、加熱により、同一分子同士および/または異なる分子間で効果的に脱水反応が起き得る。
実施形態(X)において採用し得る化合物(A)としては、1個の炭素6員環構造からなる骨格を有する化合物(a1)または2個以上の炭素6員環構造が結合および/または縮環した骨格を有する化合物(a2)であり、該骨格の構造形成に寄与していない置換基の数の半数が−OH基であり、もう半数が−H基である化合物であれば、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な化合物を採用し得る。このような化合物(A)としては、例えば、下記のような化合物が挙げられる。
Figure 2019085298
実施形態(X)において採用し得る化合物(A)の中でも、−H基と−OH基とからHOが形成されて脱離することによる縮合反応が起こりやすいと推察され、低温で反応が進行しやすいと推察される点で、フロログルシノール(化合物(a1−2))、ヘキサヒドロキシトリフェニレン(HHTP)(化合物(a2−1))が好ましい。
実施形態2における化合物(A)の別の一つの実施形態(実施形態(Y)と称することがある)は、1個の炭素6員環構造からなる骨格を有する化合物(a1)および/または2個以上の炭素6員環構造が結合および/または縮環した骨格を有する化合物(a2)から選ばれる2種以上であり、該化合物(a1)の骨格の構造形成に寄与していない置換基の数および該化合物(a2)の骨格の構造形成に寄与していない置換基の数の合計の半数が−OH基であり、もう半数が−H基である。
実施形態(Y)においては、
(i)化合物(A)が、1個の炭素6員環構造からなる骨格を有する化合物(a1)から選ばれる2種以上からなる場合、
(ii)化合物(A)が、2個以上の炭素6員環構造が結合および/または縮環した骨格を有する化合物(a2)から選ばれる2種以上からなる場合、
(iii)化合物(A)が、1個の炭素6員環構造からなる骨格を有する化合物(a1)から選ばれる1種以上と2個以上の炭素6員環構造が結合および/または縮環した骨格を有する化合物(a2)から選ばれる1種以上とからなる場合、
の3つの場合のいずれかを採り得る。
実施形態(Y)において、「化合物(a1)の骨格の構造形成に寄与していない置換基の数および化合物(a2)の骨格の構造形成に寄与していない置換基の数の合計」とは、下記のような意味である。すなわち、上記(i)の場合、2種以上の化合物(a1)のそれぞれにおける「1個の炭素6員環構造からなる骨格」の該骨格の構造形成に寄与していない置換基の数を、全て合計した数を意味する。上記(ii)の場合、2種以上の化合物(a2)のそれぞれにおける「2個以上の炭素6員環構造が結合および/または縮環した骨格」の該骨格の構造形成に寄与していない置換基の数を、全て合計した数を意味する。上記(iii)の場合、1種以上の化合物(a1)のそれぞれにおける「1個の炭素6員環構造からなる骨格」の該骨格の構造形成に寄与していない置換基の数と、1種以上の化合物(a2)のそれぞれにおける「2個以上の炭素6員環構造が結合および/または縮環した骨格」の該骨格の構造形成に寄与していない置換基の数とを、全て合計した数を意味する。
実施形態(Y)において、例えば、上記(i)の場合として、2種以上の化合物(a1)が下記の化学式(a1−5)および化学式(a1−6)で表される場合、化学式(a1−5)で表される化合物の1個の炭素6員環構造からなる骨格の構造形成に寄与していない置換基は2個の−OH基と4個の−H基であり、化学式(a1−6)で表される化合物の1個の炭素6員環構造からなる骨格の構造形成に寄与していない置換基は4個の−OH基と2個の−H基であり、それらの合計は、6個の−OH基と6個の−H基である。また、例えば、上記(iii)の場合として、1種以上の化合物(a1)が下記の化学式(a1−5)および化学式(a1−7)で表され、1種以上の化合物(a2)が下記の化学式(a2−3)で表される場合、化学式(a1−5)で表される化合物の1個の炭素6員環構造からなる骨格の構造形成に寄与していない置換基は2個の−OH基と4個の−H基であり、化学式(a1−7)で表される化合物の1個の炭素6員環構造からなる骨格の構造形成に寄与していない置換基は6個の−OH基であり、化学式(a2−3)で表される化合物の2個以上の炭素6員環構造が結合および/または縮環した骨格の構造形成に寄与していない置換基は2個の−OH基と6個の−H基である。
Figure 2019085298
Figure 2019085298
このような化合物(A)を用いることにより、反応触媒を必要とすることなく、自身の脱水反応による反応が起こるため、化学反応の副生成物や反応触媒が炭素材料中に存在してしまって致命的な不純物となることを抑制でき、より高品質な炭素材料を得ることができる。また、このような化合物(A)を用いることにより、可燃性ガスを使用することなく、比較的温和な温度環境下において、炭素材料を得ることができる。また、このような化合物(A)は、触媒作用を必要としない高反応性を有し得る。
<化合物(A)の代表的な実施形態(実施形態3)>
化合物(A)の代表的な実施形態(実施形態3)は、実施形態1と実施形態2の双方を同時に採用する形態である。すなわち、実施形態3は、加熱によって分解して芳香族環上にラジカルを発生する芳香族化合物であり、かつ縮合反応によって、2種以上の基から1つの中性分子が形成されて脱離する化合物である。このような化合物(A)が、同一分子間および/または異種分子間で縮合反応を起こし、炭素材料となり得る。
実施形態3の具体的な構造としては、例えば、化合物(a3−1)が挙げられる。化合物(a3−1)は、加熱により二酸化炭素分子が脱離し、芳香族環上にラジカル(反応活性点)が生じるとともに、ヒドロキシル基と水素基が分子間で脱水し縮合反応が起こる。
Figure 2019085298
このような化合物(A)を用いることにより、反応触媒を必要とすることなく、自身の脱水反応による反応が起こるため、化学反応の副生成物や反応触媒が炭素材料中に存在してしまって致命的な不純物となることを抑制でき、より高品質な炭素材料を得ることができる。また、このような化合物(A)を用いることにより、可燃性ガスを使用することなく、比較的温和な温度環境下において、炭素材料を得ることができる。また、このような化合物(A)は、触媒作用を必要としない高反応性を有し得る。
≪得られる炭素材料≫
本発明の製造方法で得られる炭素材料は、従来公知の炭素材料とは異なる新規な炭素材料である。従来公知の炭素材料としては、例えば、カーボンナノチューブ、フラーレン、グラファイト膜、グラフェン、酸化グラフェン、還元型酸化フラフェン、人造黒鉛、カーボンブラックなどが挙げられる。
本発明の製造方法で得られる炭素材料は、その構造内にベンゼン環由来のハニカム構造(グラフェン構造)を有する材料を意味する。グラフェン構造は、後述するラマン分光分析によってその有無の確認ができる(例えば、非特許文献3参照)。
本発明の製造方法で得られる炭素材料は、不純物となる金属成分の含有量が合計で、通常、炭素材料100質量%に対し、好ましくは0.1質量%以下であり、より好ましくは0.01質量%以下であり、特に好ましくは実質的にゼロである。これら金属成分は、蛍光X線元素分析法(XRF)により確認できる。
本発明の製造方法で得られる炭素材料は、その構成する元素が、好ましくは炭素、酸素、水素、窒素、硫黄、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれる元素で構成される炭素材料であり、より好ましくは、炭素、酸素、水素、窒素、硫黄から選ばれる元素で構成される炭素材料であり、さらに好ましくは、炭素、酸素、水素、窒素から選ばれる元素で構成される炭素材料であり、特に好ましくは炭素、酸素、水素から選ばれる元素で構成される炭素材料である。本発明の製造方法で得られる炭素材料を構成する元素のうち水素以外の元素の総量を100原子%としたとき、炭素は、好ましくは60原子%以上であり、より好ましくは70原子%以上であり、さらに好ましくは75原子%以上である。また、炭素以外の元素は、好ましくは10原子%以上である。各元素の割合がこの範囲に入ることで、炭素材料でありながら良好な溶解性および分散性等の特性を発現することが可能となる。これらの構成元素比はX線光電子分光法(XPS)により定量できる。
本発明の製造方法で得られる炭素材料の分子量は、好ましくは1000〜1300000であり、より好ましくは5000〜1000000であり、さらに好ましくは10000〜700000であり、特に好ましくは15000〜500000であり、最も好ましくは20000〜300000である。
本発明の製造方法で得られる炭素材料は、好ましくは、(i)ラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルチャートにおいてGバンド(1550cm−1〜1650cm−1の範囲内)およびG′バンド(2650cm−1〜2750cm−1の範囲内)にピークを有する炭素系化合物を含む。
グラフェン構造を有する炭素材料は、ラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルチャートにおいて、Gバンド(1550cm−1〜1650cm−1の範囲内)にピークを示す。したがって、本発明の製造方法で得られる炭素材料が、ラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルチャートにおいてGバンド(1550cm−1〜1650cm−1の範囲内)にピークを有することは、本発明の製造方法で得られる炭素材料がグラフェン構造またはグラフェン構造に類似の構造を有していることを意味している。Gバンドは、強度が高く、シャープであれば、よりきれいなグラフェン構造またはグラフェン構造に類似の構造を有しているといえる。
グラフェン構造を有する炭素材料は、ラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルチャートにおいて、G′バンド(2650cm−1〜2750cm−1の範囲内)にピークを示す。したがって、本発明の製造方法で得られる炭素材料が、ラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルチャートにおいてG′バンド(2650cm−1〜2750cm−1の範囲内)にピークを有することは、本発明の製造方法で得られる炭素材料がグラフェン構造またはグラフェン構造に類似の構造を有していることを意味している。G′バンドの強度は、グラフェン構造が1層のときに最も強く、グラフェン構造の積層数が増えるにつれて徐々に小さくなる。しかしながら、G′バンドは、グラフェン構造の積層数が増えるにつれて徐々に強度が小さくなっても、ピークは観察することができる。したがって、G′バンドにピークを有することは、本発明の製造方法で得られる炭素材料がグラフェン構造またはグラフェン構造に類似の構造を有しているといえる。G′バンドは、2Dバンドとも呼ばれることがある。
本発明の製造方法で得られる炭素材料は、好ましくは、ラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルチャートにおいてDバンド(1300cm−1〜1400cm−1の範囲内)にピークを有する。グラフェン構造の欠陥に由来する構造を有する炭素材料は、ラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルチャートにおいて、Dバンド(1300cm−1〜1400cm−1の範囲内)にピークを示す。したがって、本発明の製造方法で得られる炭素材料が、ラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルチャートにおけるDバンド(1300cm−1〜1400cm−1の範囲内)にピークを有することは、その炭素材料がグラフェン構造の欠陥に由来する構造またはグラフェン構造の欠陥に由来する構造に類似の構造を有していることを意味している。Dバンドは、強度が低ければ、よりきれいなグラフェン構造またはグラフェン構造に類似の構造を有しているといえる。
本発明の製造方法で得られる炭素材料は、好ましくは、ラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルチャートにおいてD+D′バンド(2800cm−1〜3000cm−1の範囲内)にピークを有する。グラフェン構造の欠陥に由来する構造を有する炭素材料は、ラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルチャートにおいて、D+D′バンド(2800cm−1〜3000cm−1の範囲内)にピークを示す。したがって、本発明の製造方法で得られる炭素材料が、ラマン分光分析によって得られるラマンスペクトルチャートにおいてD+D′バンド(2800cm−1〜3000cm−1の範囲内)にピークを有することは、その炭素材料がグラフェン構造の欠陥に由来する構造またはグラフェン構造の欠陥に由来する構造に類似の構造を有していることを意味している。D+D′バンドは、強度が低ければ、よりきれいなグラフェン構造またはグラフェン構造に類似の構造を有しているといえる。D+D′バンドは、D+Gバンドとも呼ばれることがある。
本発明の製造方法で得られる炭素材料においてグラフェン構造の一部に欠陥を有している場合、この欠陥が、本発明の製造方法で得られる炭素材料の溶媒への溶解性や分散性等の発現に寄与し得る。
本発明の製造方法で得られる炭素材料は、上記のように、従来公知の炭素材料とは異なる新規な炭素材料であり、グラフェン構造またはグラフェン構造に類似の構造を有し得る。
本発明の製造方法で得られる炭素材料は、好ましくは、XRD分析によって得られるXRDスペクトルチャートにおいて、20°〜30°の範囲内にピークを示す。すなわち、本発明の製造方法で得られる炭素材料は、グラフェン構造が積層した構造(グラフェン積層構造)を有することも、好ましい実施形態の一つである。積層構造を有することで、本発明の製造方法で得られる炭素材料はより強固になり得るとともに、より安定なものとなり得る。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。また、本明細書において、「質量」は「重量」と読み替えても良い。
<ラマン分光分析>
ラマン分光分析は以下の装置、条件により行った。
測定装置:顕微ラマン(日本分光NRS−3100)
測定条件:532nmレーザー使用、対物レンズ20倍、CCD取り込み時間1秒、積算64回(分解能=4cm−1)
<XRD分析>
XRD測定は、全自動水平型X線回折装置(リガク社製、SMART LAB)を用いて、以下の条件により行った。
CuKα1線:0.15406nm
走査範囲:10°−90°
X線出力設定:45kV−200mA
ステップサイズ:0.020°
スキャン速度:0.5°min−1−4°min−1
なお、XRD測定は、試料をグローブボックス中にて気密試料台に装填することにより、不活性雰囲気を保った状態で行った。
<XRF分析>
XRF測定は、蛍光X線分析装置(Philips社製、PW2404)を用いて、検量線法にて測定を行った。元素濃度0.01%以上のものを各成分として読み取った。水素は検出されないため、水素以外の元素の総量を100%として算出した。
<XPS分析>
XPS測定は、光電子分光装置(JPS−9000MX,日本電子株式会社製)を用いて行った。水素は検出されないため、水素以外の元素の総量を100%として算出した。
<分子量の測定>
分子量の測定は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC、東ソー株式会社製HLC−8220GPC)を用いて、N,N−ジメチルホルムアミド(0.1%LiBr含有)を展開溶媒に使用し、ポリスチレン換算で分子量を算出した。炭素材料中の最大分子量はピークの立ち上がり点から算出した。
<溶解性/分散性の確認>
得られた炭素材料をそれぞれ溶媒に加え、超音波処理1時間行った。超音波処理後の液をPTFE製濾紙(0.45μm)に通し、濾紙上に固体が残らない場合を完溶、濾紙上に一部残り、濾液中にも炭素材料が存在する場合を一部溶解、濾紙上に固体が残り、濾液中に炭素材料が認められない場合は不溶と判断した。濾液中に炭素材料が存在するということは濾液が前述したGPCによる分析でピークを有し、かつ濾液中の不揮発分が前述したラマン分校分析で炭素材料に由来するピークを有することで判断できる。
分散性の確認は、上記濾紙上に残った固体を溶媒に加え、再び超音波処理1時間行い、得られた液を10分間静置し、底に沈降する成分が無い場合を良好な分散性、一部沈降している場合を一部分散、すべて沈降している場合を非分散と判断した。
これら溶解する部分、分散する部分、沈降する部分は、濾過、遠心分離等の操作でそれぞれ分離することも可能であり、それぞれの特徴を活かした用途に適用可能である。
〔実施例1〕
フロログルシノール(東京化成工業株式会社製、融点:220℃、分解点:330℃、1g)を石英ボート(容積:5ml)に乗せ、環状炉(東洋サーモシステム株式会社製、KTF045N1、炉心管:石英φ50mm×1m)を用いて、窒素流通下、300℃で3時間焼成した。焼成後、黒色固体(炭素材料(1))を500mg得た。この炭素材料(1)をN−メチルピロリドン(和光純薬工業社製)を溶媒として溶解性/分散性の確認を行ったところ、完溶であった。また分子量を測定したところ、重量平均分子量39000、最大分子量は320000であった。
得られた炭素材料(1)のラマンスペクトルを図1に、XRDスペクトルを図2に示した。ラマンスペクトルにおいて1375cm−1、1600cm−1、2700cm−1、2890cm−1にピークを有し、XRDスペクトルから25.0°ピークを有することから、炭素材料(1)はグラフェン構造を有し且つグラフェン構造が積層した構造の炭素系化合物を含む炭素材料であることがわかった。また、炭素材料(1)を構成する元素のうち水素以外の元素の割合は、炭素が76.77%、酸素が23.23%であった。含有する金属成分は検出されなかった(0.01%以下)。
〔実施例2〕
焼成温度を350℃、焼成時間を1時間とした以外は実施例1と同様の方法で製造し、黒色固体(炭素材料(2))を450mg得た。この炭素材料(2)をN−メチルピロリドン(和光純薬工業社製)を溶媒として溶解性/分散性の確認を行ったところ、一部溶解・一部分散であった。また可溶部の分子量を測定したところ、重量平均分子量120000、最大分子量は1300000であった。
得られた炭素材料(2)のラマンスペクトルを図3に、XRDスペクトルを図4に示した。ラマンスペクトルにおいて1355cm−1、1590cm−1、2695cm−1、2885cm−1にピークを有し、XRDスペクトルから25.1°にピークを有することから、炭素材料(2)はグラフェン構造を有し且つグラフェン構造が積層した構造の炭素系化合物を含む炭素材料であることがわかった。また、炭素材料(2)を構成する元素のうち水素以外の元素の割合は、炭素が77.55%、酸素が22.45%であった。含有する金属成分は検出されなかった(0.01%以下)。
〔実施例3〕
焼成温度を400℃、焼成時間を1時間とした以外は実施例1と同様の方法で製造し、黒色固体(炭素材料(3))を430mg得た。この炭素材料(3)をN−メチルピロリドン(和光純薬工業社製)を溶媒として溶解性/分散性の確認を行ったところ、不溶・非分散であった。
得られた炭素材料(3)のラマンスペクトルを図5に、XRDスペクトルを図6に示した。ラマンスペクトルにおいて1345cm−1、1590cm−1、2695cm−1、2880cm−1にピークを有し、XRDスペクトルから25.1°にピークを有することから、炭素材料(3)はグラフェン構造を有し且つグラフェン構造が積層した構造の炭素系化合物を含む炭素材料であることがわかった。また、炭素材料(3)を構成する元素のうち水素以外の元素の割合は、炭素が77.95%、酸素が22.05%であった。含有する金属成分は検出されなかった(0.01%以下)。
〔実施例4〕
ヘキサヒドロキシトリフェニレン(HHTP)(和光純薬工業株式会社製、融点:400℃、分解点:430℃、1g)を石英ボート(容積:5ml)に乗せ、環状炉(東洋サーモシステム株式会社製、KTF045N1、炉心管:石英φ50mm×1m)を用いて、窒素流通下、400℃で1時間焼成した。焼成後、黒色固体(炭素材料(4))を650mg得た。この炭素材料(4)をN−メチルピロリドン(和光純薬工業社製)を溶媒として溶解性/分散性の確認を行ったところ、一部溶解・良好な分散性であった。また可溶部の分子量を測定したところ、重量平均分子量130000、最大分子量は1000000であった。
得られた炭素材料(4)のラマンスペクトルを図7に、XRDスペクトルを図8に示した。ラマンスペクトルにおいて1345cm−1、1600cm−1、2690cm−1、2900cm−1にピークを有し、XRDスペクトルから25.8°にピークを有することから、炭素材料(4)はグラフェン構造を有し且つグラフェン構造が積層した構造の炭素系化合物を含む炭素材料であることがわかった。また、炭素材料(4)を構成する元素のうち水素以外の元素の割合は、炭素が79.53%、酸素が20.47%であった。含有する金属成分は検出されなかった(0.01%以下)。
〔実施例5〕
焼成温度を430℃、焼成時間を1時間とした以外は実施例4と同様の方法で製造し、黒色固体(炭素材料(5))を620mg得た。この炭素材料(5)をN−メチルピロリドン(和光純薬工業社製)を溶媒として溶解性/分散性の確認を行ったところ一部溶解・一部分散であった。また可溶部の分子量を測定したところ、重量平均分子量130000、最大分子量は1000000であった。
得られた炭素材料(5)のラマンスペクトルを図9に、XRDスペクトルを図10に示した。ラマンスペクトルにおいて1345cm−1、1600cm−1、2700cm−1、2885cm−1にピークを有し、XRDスペクトルから26.0°にピークを有することから、炭素材料(5)はグラフェン構造を有し且つグラフェン構造が積層した構造の炭素系化合物を含む炭素材料であることがわかった。また、炭素材料(5)を構成する元素のうち水素以外の元素の割合は、炭素が81.98%、酸素が18.02%であった。含有する金属成分は検出されなかった(0.01%以下)。
〔実施例6〕
焼成温度を380℃、焼成時間を1時間とした以外は実施例4と同様の方法で製造し、黒色固体(炭素材料(6))を660mg得た。この炭素材料(6)をN−メチルピロリドン(和光純薬工業社製)を溶媒として溶解性/分散性の確認を行ったところ、一部溶解・良好な分散性であった。
得られた炭素材料(6)のラマンスペクトルを図11に、XRDスペクトルを図12に示した。ラマンスペクトルにおいて1345cm−1、1600cm−1、2680cm−1、2895cm−1にピークを有することから、炭素材料(6)は、グラフェン構造を有するが、XRDスペクトルからは、グラフェン様の積層構造を持たない炭素系化合物を含む炭素材料であることがわかった。実施例6では、炭素化温度が融点以下であるため、分子間の反応が促進されず積層構造が形成されにくいことがわかる。すなわち、融点を持つ化合物であっても積極的に積層構造を形成させず炭素化することも可能であるといえる。また、炭素材料(6)を構成する元素のうち水素以外の元素の割合は、炭素が71.28%、酸素が28.72%であった。含有する金属成分は検出されなかった(0.01%以下)。
〔実施例7〕
焼成温度を500℃、焼成時間を1時間とした以外は実施例4と同様の方法で製造し、黒色固体(炭素材料(7))を610mg得た。この炭素材料(7)をN−メチルピロリドン(和光純薬工業社製)を溶媒として溶解性/分散性の確認を行ったところ、不溶・非分散であった。
得られた炭素材料(7)のラマンスペクトルを図13に、XRDスペクトルを図14に示した。ラマンスペクトルにおいて1330cm−1、1595cm−1、2705cm−1、2835cm−1にピークを有し、XRDスペクトルから25.6°にピークを有することから、炭素材料の一種であることがわかった。また、炭素材料(7)を構成する元素のうち水素以外の元素の割合は、炭素が83.46%、酸素が16.54%であった。含有する金属成分は検出されなかった(0.01%以下)。
〔比較例1〕
非特許文献(Carbon,53,(2013),38−49)に記載の方法を参考に酸化グラフェンを合成した。得られた酸化グラフェンを構成する元素のうち水素以外の元素の割合は、炭素が49.98%、酸素が46.70%、硫黄が2.81%であった。含有する金属成分は0.51%(主にカリウムとマンガン)であった。このように、たとえ精製を行ったとしても金属分を取り除くことは困難であるといえる。
本発明の製造方法によれば、比較的低温の条件によって、不純物としての金属成分が実質的にゼロである新規な炭素材料を製造することができる。

Claims (5)

  1. 加熱によって同一分子間および/または異種分子間で縮合反応が起きる化合物(A)を加熱して炭素材料を製造する方法であって、
    加熱温度が500℃以下であり、
    化合物(A)の分解温度をT℃とした場合に(T±50)℃で、バルク状態で加熱する、
    炭素材料の製造方法。
  2. 前記化合物(A)が、23℃環境下で固体であって融点を有する、請求項1に記載の炭素材料の製造方法。
  3. 前記化合物(A)が、加熱によって分解して芳香族環上にラジカルを発生する芳香族化合物である、請求項1または2に記載の炭素材料の製造方法。
  4. 前記化合物(A)が、縮合反応によって、2種以上の基から1つの中性分子が形成されて脱離する化合物である、請求項1または2に記載の炭素材料の製造方法。
  5. 前記縮合反応が、
    (a)−H基と−OH基とからHOが形成されて脱離することによる縮合反応、
    (b)−H基と−OR基(Rは任意の適切な置換または無置換のアルキル基)とからROHが形成されて脱離することによる縮合反応、
    (c)−H基と−X基(XはハロゲンまたはCN)とからHXが形成されて脱離することによる縮合反応、
    (d)−H基と−NH基とからNHが形成されて脱離することによる縮合反応、
    (e)−H基と−NHR基(Rは任意の適切な置換または無置換のアルキル基)とからRNHが形成されて脱離することによる縮合反応、
    (f)−H基と−NR基(R、Rは任意の適切な置換または無置換のアルキル基)とからRNHが形成されて脱離することによる縮合反応、
    (g)−H基と−SH基とからHSが形成されて脱離することによる縮合反応、
    (h)−H基と−SR基(Rは任意の適切な置換または無置換のアルキル基)とからRSHが形成されて脱離することによる縮合反応、
    (i)−H基と−OOCR基(Rは任意の適切な置換または無置換のアルキル基)とからRCOOHが形成されて脱離することによる縮合反応、
    (j)−H基と−OSO(OH)基とからHSOが形成されて脱離することによる縮合反応、
    (k)−H基と−OSOR基(Rは任意の適切な置換または無置換のアルキル基)とからRSO(OH)が形成されて脱離することによる縮合反応、
    (l)−H基と−OSO(OR)基(Rは任意の適切な置換または無置換のアルキル基)とからROSOHが形成されて脱離することによる縮合反応、および、
    (m)−H基と−OSO(OH)基とからHSOが形成されて脱離することによる縮合反応、
    からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項4に記載の炭素材料の製造方法。



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