JPH10316411A - 糖類の熱分解方法 - Google Patents

糖類の熱分解方法

Info

Publication number
JPH10316411A
JPH10316411A JP9121135A JP12113597A JPH10316411A JP H10316411 A JPH10316411 A JP H10316411A JP 9121135 A JP9121135 A JP 9121135A JP 12113597 A JP12113597 A JP 12113597A JP H10316411 A JPH10316411 A JP H10316411A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
saccharides
oil
fat
fats
decomposition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9121135A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshikatsu Uematsu
敏勝 植松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Co Ltd filed Critical Furukawa Co Ltd
Priority to JP9121135A priority Critical patent/JPH10316411A/ja
Publication of JPH10316411A publication Critical patent/JPH10316411A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 糖類の加熱炭化の際の発泡を十分に抑制し溢
流を阻止して、糖類の熱分解における操作性、作業性お
よび生産性を向上する。 【解決手段】 糖類を大気中において熱分解して炭素材
料を生成させるとき、糖類に対して油脂を0.1〜3.
0重量%添加後、混合し加熱脱水・分解させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、糖類を大気中にお
いて熱分解して炭素材料を生成させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素材料を生成させる方法として、糖
類、特に砂糖、を大気中において加熱脱水・分解する糖
類の熱分解方法がある。この糖類の熱分解方法では、加
熱炭化の際にカラメル状の発泡を伴う。従って、容器か
らの溢流を生じやすく、溢流すると後始末が大変で作業
性がわるく生産性が低くなる。
【0003】そこで、糖類の加熱炭化の際の発泡を抑制
するための方法として、従来、150℃以下の低温で長
時間加熱する、発泡し易い温度範囲の昇温を緩慢且つ遅
速に設定した加熱曲線に従って分解を行う、あるいは接
触角が大きく撥水性の性質を示すフッ素樹脂などの材料
で内壁をコーティングした容器を使用して炭化する等の
方法が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
では、発泡を十分に抑制することができないので、予想
される発泡を勘案して予め容器を大きくしたり、深めの
容器を使用して内容物の溢流を阻止している。溢流する
と後始末が大変なことから、このように容器の大きさや
深さの余裕率を過剰に考慮するのが常道で、そのため生
産性の低下を惹起するばかりでなく、操作性も悪化す
る。
【0005】フッ素樹脂で内壁をコーティングした容器
を使用すると、内容物の取り出しに際して慎重さを要求
され、乱雑に扱うとフッ素樹脂を損傷させると同時に内
容物を汚染する。また、フッ素樹脂の糖類への接触角は
期待以上ではなく、過激な加熱を行うと溢流が頻出す
る。
【0006】本発明は、糖類の熱分解における上記問題
を解決するものであって、糖類の加熱炭化の際のカラメ
ル状の発泡を十分に抑制し溢流を阻止して、糖類の熱分
解における操作性、作業性および生産性を向上すること
のできる糖類の熱分解方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、糖類を大気中
において熱分解して炭素材料を生成させる方法におい
て、糖類に対して油脂を0.1〜3.0重量%添加後、
混合し加熱脱水・分解させる。これにより、発泡を十分
に抑制し溢流を阻止して糖類を分解・炭化することがで
きる。
【0008】0.1重量%以下の油脂の添加率では糖類
の分解・炭化時の発泡の抑制が十分ではない。反対に、
3.0重量%以上油脂を添加すると、油脂が残存して内
容物の取り出しが不便であったり、内容物を目的の性状
に適合させるため再加熱が必要になるといった添加した
油脂による弊害が生じる。糖類に対する油脂の添加率は
0.3〜1.5重量%がより好ましい。
【0009】加熱脱水・分解に先立つ糖類と油脂の混合
は可能な限り十分に行うことが好ましく、その操作によ
り油脂の添加量を少なくすることができる。しかし、昇
温の遅速や加熱脱水・分解時の攪拌の有無や強度にも依
存する。
【0010】加熱時も攪拌を行う場合は、加熱脱水・分
解に先立つ混合は振りかけあるいは予備程度でよい。加
熱時に攪拌を行わない場合は、昇温速度がたとえおそく
ても加熱脱水・分解に先立つ混合を十分に行うことが必
須になる。混合が不十分であると、糖類の分解・炭化時
の発泡を十分抑制することができない。
【0011】油脂は油状または滑らかな感触のある低融
点の固体を指すが、代表的な油脂として牛脂、豚脂など
の動物性脂肪およびオリーブ油、ヒマシ油などの植物性
脂肪が挙げられる。油脂の中に多く含有されている脂肪
酸はステアリン酸とパルミチル酸であり、中でもステア
リン酸が多量に存在している。動物性脂肪には飽和脂肪
酸であるステアリン酸が多く存在し、その融点が70℃
と高いことから牛脂や豚脂は室温では固体である。一
方、植物性脂肪にはステアリン酸の不飽和酸であるオレ
イン酸、リノール酸やリノレン酸が含有され、それらの
融点が13〜−11℃と低いことから植物性脂肪は室温
で液体である。
【0012】添加する油脂は、融点が200℃以下が好
ましく、さらには室温で液体であることが糖類と油脂の
混合上好ましい。室温で固体である油脂と糖類を加熱脱
水・分解に先立って十分に混合することは、困難であ
る。混合の容易さや価格を考慮して室温で液体である天
ぷら油やサラダオイルが適している。
【0013】加熱脱水・分解時の昇温は緩慢であること
が好ましいが、生産性なども勘案して決定される。加熱
脱水・分解する糖類の重量によっても変わるが、目的の
温度まで少なくとも30分以上かけて昇温する必要があ
る。この時の昇温スピードは、油脂の添加量には余り依
存しない。加熱脱水・分解温度は、添加する油脂の融点
以上にすることが必然であり、室温で液体である天ぷら
油やサラダオイル、さらには油性ペイントに使用されて
いるアマニ油やきり油を使用した時には、200℃に2
時間以上保持することにより目的を達成することができ
る。
【0014】この油脂の発泡抑制の効果は、高温度で油
脂が脱水・分解時の糖類の表面張力を下げ、脱水・分解
によって発生する水分や低級の有機化合物の脱泡を助長
しているためと考えられる。
【0015】
【発明の実施の形態】原料の糖類には単糖類としては、
ペントース、ヘキソース、ヘプトースなどがあり、オリ
ゴ糖の内の二糖類としてはショ糖、麦芽糖、乳糖などが
ある。単糖類の中ではブドウ糖が、オリゴ糖の中ではシ
ョ糖が経済性や純度の点から多用される。
【0016】その他、黒砂糖、糖蜜、粗糖、澱粉からの
転化糖、あるいは単糖類を水素還元して得られるソルビ
ット、マンニットなどの6価アルコール、または単糖類
のブドウ糖を異性化酵素を作用させて製造する異性化糖
なども使用可能であり、目的に合致する性能/価格を選
択すればよい。注意しなければならないのは、黒砂糖、
糖蜜や粗糖等に含有されている多種類の微量成分が炭化
物の性状を顕著に改質することがあるので、原料の選択
は慎重に行う必要がある。
【0017】添加する油脂としては、操作性、作業性や
価格などの経済性の観点から天ぷら油やサラダオイルや
アマニ油から適宜選択する。作業性、入手の容易さある
いは価格からサラダオイルが適当である。
【0018】糖類に対して油脂を0.1〜3.0重量%
添加後、混合し加熱脱水・分解させ炭素材料を生成させ
る。サラダオイルを使用した時には、200℃に2時間
以上保持することにより目的を達成することができる。
【0019】加熱脱水・分解温度を200℃以下で行っ
て油の酸化を抑制すれば、炭化物中に過剰に含有されて
いる油脂は再使用することができるが、加熱脱水・分解
温度に維持する時間が長くなるという欠点がある。添加
量を少なくして余剰の油脂が炭化物中に残留しないよう
にすることが好ましい。
【0020】選定された糖類と油脂の混合は、その量が
少量であれば攪拌機で混合し、量が増大したらニーダな
どのトルクの大きい混練器を使用する。混合の終点は、
油脂が糖類に満遍なく馴染んだ時点である。通常10分
以上混合を行えば目的を達成することができる。
【0021】加熱ができる混練器の場合には、混合物が
200℃付近に達するまで混合を継続することが発泡を
完全に抑止する上から好ましい。温度上昇にともなって
油脂の粘度が低下し、一層油脂が糖類に馴染むようにな
るので、その意味からもできるかぎり混練を行うことが
好ましい。ただ、混練の強度は必要でなく、混練器の中
で糖類が運動していればよい。
【0022】糖類と油脂の混合物を200℃まで加熱す
る時間は、加熱脱水・分解する混合物の積層厚みが10
cm以下であれば30分程度でよい。当然、積層厚みに
よって加熱時間を延長、調節すべきである。
【0023】
【実施例】
〔実施例1〕50gの上白糖に菜種油と大豆油から製造
されたサラダオイル0.25gを添加して、直径115
mm、高さ128mmの1lステンレス容器に入れ、プ
ロペラ型攪拌機で15分間混合後、常温の乾燥機に移し
て200℃まで60分で昇温した。その温度を12時間
保持して加熱脱水・分解を行い、炭化物11.5gを得
た。容器周囲への炭化物の溢流は見られなかった。
【0024】〔実施例2〕400gの上白糖に菜種油と
大豆油から製造されたサラダオイル4gを添加して2l
ステンレス容器に入れ、プロペラ型攪拌機で30分間混
合後、内容物を縦29.5cm、横20cmで深さ4.
5cmのステンレスバットに移してから常温の乾燥機に
移して200℃まで30分で昇温した。その温度を12
時間保持して加熱脱水・分解を行い、炭化物88gを得
た。容器周囲への炭化物の溢流は見られなかった。
【0025】〔比較例1〕50gの上白糖にサラダオイ
ルを添加せずにそのまま直径115mm、高さ128m
mの1lステンレス容器に入れ、常温の乾燥機に移して
200℃まで60分で昇温した。その温度を12時間保
持して加熱脱水・分解を行い、炭化物3.2gを得た。
カラメル状で褐色の砂糖が部分的に分解した炭化物がス
テンレス容器の周囲全体に溢流していた。
【0026】〔比較例2〕50gの上白糖に菜種油と大
豆油から製造されたサラダオイル2.5gを添加して、
直径115mm、高さ128mmの1lステンレス容器
に入れ、プロペラ型攪拌機で15分間混合後、常温の乾
燥機に移して200℃まで60分で昇温した。その温度
を12時間保持して加熱脱水・分解を行い、炭化物1
3.5gを得た。炭化物をステンレス容器から取り出し
たら炭化物にサラダオイルが付着しており、その油脂分
の除去に炭化物を280℃まで加熱することを要した。
【0027】〔比較例3〕400gの上白糖に菜種油と
大豆油から製造されたサラダオイル0.4gを添加して
2lステンレス容器に入れ、プロペラ型攪拌機で30分
間混合後、内容物を縦29.5cm、横20cmで深さ
4.5cmのステンレスバットに移してから常温の乾燥
機に移して200℃まで30分で昇温した。その温度を
12時間保持して加熱脱水・分解を行い、炭化物67g
を得た。ステンレスバットの周辺にカラメル状で褐色の
砂糖が部分的に分解した炭化物が全体に溢流していた。
【0028】〔比較例4〕50gの上白糖にサラダオイ
ルを添加せずにそのまま1lテフロン容器に入れ、常温
の乾燥機に移して200℃まで60分で昇温した。その
温度を12時間保持して加熱脱水・分解を行い、炭化物
6.8gを得た。カラメル状で褐色の砂糖が部分的に分
解した炭化物がテフロン容器の周囲全体に溢流してい
た。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の糖類の熱
分解方法によれば、糖類を大気中において熱分解して炭
素材料を生成させる際に、糖類に対して油脂を添加後、
混合し加熱脱水・分解させることにより、脱水・分解時
に発泡するのを十分に抑制して溢流を阻止することがで
き、糖類の熱分解における操作性、作業性および生産性
が向上する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糖類を大気中において熱分解して炭素材
    料を生成させる方法であって、糖類に対して油脂を0.
    1〜3.0重量%添加後、混合し加熱脱水・分解させる
    ことを特徴とする糖類の熱分解方法。
JP9121135A 1997-05-12 1997-05-12 糖類の熱分解方法 Pending JPH10316411A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9121135A JPH10316411A (ja) 1997-05-12 1997-05-12 糖類の熱分解方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9121135A JPH10316411A (ja) 1997-05-12 1997-05-12 糖類の熱分解方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10316411A true JPH10316411A (ja) 1998-12-02

Family

ID=14803746

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9121135A Pending JPH10316411A (ja) 1997-05-12 1997-05-12 糖類の熱分解方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10316411A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016531818A (ja) * 2013-09-20 2016-10-13 ヘレーウス クヴァルツグラース ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフトHeraeus Quarzglas GmbH & Co. KG 多孔質の炭素製品を製造する方法
JP2019085298A (ja) * 2017-11-07 2019-06-06 株式会社日本触媒 炭素材料の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016531818A (ja) * 2013-09-20 2016-10-13 ヘレーウス クヴァルツグラース ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフトHeraeus Quarzglas GmbH & Co. KG 多孔質の炭素製品を製造する方法
JP2019085298A (ja) * 2017-11-07 2019-06-06 株式会社日本触媒 炭素材料の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Nguyen et al. Biodiesel production by direct transesterification of wet spent coffee grounds using switchable solvent as a catalyst and solvent
Dai et al. Study of the microwave lipid extraction from microalgae for biodiesel production
Dong et al. Two-step microalgal biodiesel production using acidic catalyst generated from pyrolysis-derived bio-char
EP0902082B1 (en) Production of materials rich in conjugated isomers of long chain polyunsaturated fatty acid residues
TWI499667B (zh) 製備生質柴油之方法、其製備裝置及其產物
US9944860B2 (en) Methods for treating a metathesis feedstock with metal alkoxides
Barekati-Goudarzi et al. In-situ transesterification of seeds of invasive Chinese tallow trees (Triadica sebifera L.) in a microwave batch system (GREEN3) using hexane as co-solvent: Biodiesel production and process optimization
US20100305346A1 (en) Method for producing fatty acid monoesterified product using solid acid catalyst
Cercado et al. Ultrasound assisted transesterification of microalgae using synthesized novel catalyst
DE102006019763B4 (de) Verfahren zur Gewinnung von Brennstoffen aus pflanzlichen und tierischen Fettabfällen sowie Anlage zur Durchführung des Verfahrens
Nguyen et al. Switchable solvent-catalyzed direct transesterification of insect biomass for biodiesel production
Hussain et al. Microwave reinforced transesterification of rubber seed oil using waste cement clinker catalyst
JPH10316411A (ja) 糖類の熱分解方法
CN105132189B (zh) 一种c18系列以及c20~c22系列脂肪酸甲酯的精细分离方法
JP2009513738A (ja) 精製された脂肪酸を調製する方法
CN107828462A (zh) 一种润滑油基础油的制备方法
CN105062694B (zh) 一种c18系列脂肪酸以及c20~c22系列脂肪酸精细分离的方法
JP5454835B2 (ja) 固体酸触媒による脂肪酸モノエステル化物の製造方法
JP4335306B2 (ja) 油脂のエステル交換方法
JP4393443B2 (ja) 微生物由来バイオマスの乾燥方法
CN1030254C (zh) 改善多元醇脂肪酸聚酯的氧化稳定性的方法
EP0065267A2 (de) Verfahren zur Herstellung von Carbonsäureestern von Anhydrohexiten
CN110724257A (zh) 一种从甘油渣中提取聚甘油的方法
CN111235190B (zh) 富含甘油二酯马油及其制备方法
FI122420B (fi) Menetelmä mäntyöljypien käsittelemiseksi

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040304

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070605

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071030