JP2019085141A - 開封補助片を備えた箱 - Google Patents
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Abstract
Description
その後、ガムテープやクラフトテープなどの接着テープを、外フラップの先端突合せ部に沿って、長手方向に貼り付けるようにする。この時、接着テープの一方端は、段ボール箱の一方側の箱側面に延びるまで延貼されるとともに、接着テープの他方端は、段ボール箱の他方側の箱側面に届くまで延貼される。
上記した段ボール箱の開封方法は、一般的であり、家庭などで段ボール箱を開封するには何ら問題はない。
この場合、多数の段ボール箱の開封を行うため、人の爪に頼ったのでは作業者の負担が大きいこととなる。カッターなどの刃物を用いた開封を行った場合、刃物により被梱包物(この場合、食品)を傷つけることになったり、刃物片が被梱包物に混入するなどのコンタミ問題の発生が否めない。上記のことは、スーパーや百貨店などでの段ボール箱の開封時にも起こりうる話である。
例えば、特許文献1の技術では、箱側面に押込片を設けておき、押込片の基部側へかけて接着テープを貼り付け、開封に際し、押込片を押し込んで揺動させ、これに伴い、押込片から接着テープを剥離させて、接着テープの端部を摘み、接着テープを剥がすようにしている。
この場合、ゴミの分別の観点から、押込片が付着したままの接着テープを廃棄することはできないこととなる。そのため、わざわざ、剥離後の接着テープから押込片を剥がし、両者を別々にした上で、廃棄する作業を行う必要性が生じることとなる。
本発明にかかる箱は、箱側面の上端に設けられたフラップを内側に折り込み、折り込んだフラップと前記箱側面との突合せ部を接着テープで貼り付けて封緘を行うようになされ、前記箱側面に接着テープの剥離を補助するための開封補助片が備えられた箱であって、前記開封補助片は、下側に設けられる第1片と、前記第1片の上側に設けられ且つ第1片とは横幅が異なる第2片と、を有しており、前記第1片及び第2片は、前記第1片の幅方向中央で互いに連結されており、前記第1片の側縁辺の上端と、第2片の側縁辺の下端との2点間が、前記箱側面に対して非切断状態とされていることを特徴とする。
好ましくは、前記第1片の下縁辺の下方には、当該第1片に隣接し且つ人の指を押し込むことで開孔を形成できる押し込み片が形成されているとよい。
好ましくは、前記第2片は接着テープより幅広とされていて、前記第1片は第2片より幅広とされているとよい。
以降では、本発明の箱2として、被梱包物を梱包し輸送する際に使用する段ボール紙で出来た箱体(段ボール箱2)を実施形態に挙げて説明を行う。被梱包物としては、特定のものに限定はされないが、例えば、食品工場などで用いられる段ボール箱2であれば、被梱包物としては、食品や食素材などが該当する。
図1は、製函後の段ボール箱2を示す斜視図である。この箱側面4、特に、上フラップ3を折り込み突合せ状態にした時の突合せ線を延長した所にある箱側面4において、「開封補助片1」が形成されていることが、本発明にかかる段ボール箱2の特徴である。
詳しくは、開封補助片1の形成された段ボール箱2は、幅方向の両側に存在する側面の各上端に設けられたフラップを互いに内側へ折り込み、折り込んだフラップの突合せ端に沿って接着テープT(封緘テープ)を貼り付けることで、封緘を行うようになされ、接着テープTの端部が、箱側面4に形成された開封補助片1に達するものとなっている。
詳しくは、図2などに示すように、B片10は、幅方向に細長い形状を呈していて、下縁辺は、箱側面4に対して切込みが入れられて、箱側面4から切断状態となっている。B片10の側縁辺は、上下方向を向き、箱側面4に対して切込みが入れられて、箱側面4から切断状態となっている。B片10においては、下縁辺の端部と側縁辺の下端とはR形状の曲線で結ばれている。このR形状部も、箱側面4に対して切込みが入れられて、箱側面4から切断状態となっている。
図2に示す如く、C片12(第2片)は、B片10の上縁辺に連続するように形成されており、幅方向に細長い形状を呈している。C片12の幅はB片10の幅よりも幅狭とされており、B片10の幅方向中央と、C片12の幅方向中央とは上下に沿って一致するものとなっている。C片12の高さはB片10の高さと略同じとされている。
まとめれば、図2から明らかなように、本発明の開封補助片1は、B片10とC片12とが連続するようにして構成されており、マクロ視で凸の字の形状を呈している。B片10の上縁辺とC片12の下縁辺とは、中央部において連続しており切断されていない。また、B片10の上縁辺の両側(内両側)は、箱側面4と繋がっており切断されていない。開封補助片1の他の部分(辺)は、箱側面4と切断状態にある。
このA片14は、人の指を押し込むことで開孔を形成できる押し込み片であり、A片14の上縁辺(言い換えれば、B片10の下縁辺)、及びA片14の両側の側縁辺は、箱側面4に対して切込みが入れられて、箱側面4から切断状態となっている。A片14の下縁辺は、箱側面4に繋がっているものとされている。そのため、このA片14を押し込み折り曲げることで、B片10の真下に開孔が形成されることとなる。A片14の幅方向の大きさは、人の指1〜3本分程度である。
[使用態様]
以上述べた、開封補助片1を用いて、段ボール箱2を開封するやり方について、図を基に説明する。
まず、本発明の開封補助片1を効果的に使用するためには、段ボール箱2の封緘において必須とされる条件がある。
詳しくは、図2に示すように、接着テープTの端部は、開封補助片1のB片10の上下略中央の位置に達するようにしておくとよい。このことは、段ボール箱2の封緘を行う作業員に作業手順として遵守してもらってもよく、段ボール箱2の封緘を行う機械(例えば、封緘用の機械)において、接着テープTの長さを所定値に設定しておいてもよい。
まず、図3(a)の状態において、図3(b)に示すように、段ボール箱2を開封する作業員は、親指などを用いて、開封補助片1のA片14を段ボール箱2内に押し込むようにする。すると、開封補助片1のB片10の直下に、作業員の指が最低でも1本入る開孔が形成される。
この時、図3(c)に示す如く、開封補助片1の罫線11は、箱側面4と連続している(切れていない)ため、罫線11(左右方向を向く線)に沿って、B片10が外側上向きに移動するようになる。その時、同時に、C片12は、段ボール箱2の内側へ倒れ込むようになり、開封補助片1のB片10とC片12とは略水平状態となる。すなわち、開封補助片1のB片10とC片12は、水平方向を向く罫線11を軸芯とする回転扉のように回転し、B片10が段ボール箱2の外側へ、C片12が段ボール箱2の内側へ移動することとなる。B片10の幅がC片12の幅より大きいため、テコの原理の作用も兼ねあって、作業者は小さな力で、開封補助片1を回動することが可能となる。
なお、この剥離(C片12と粘着テープの剥離)を促すため、C片12の外表面に剥離剤を塗布しておいたり、C片12の外表面に潰しやエンボス加工を施し、接着テープTとの接着面積を少なくしておくことは好ましい。
図4(b)〜図4(c)に示すように、接着テープTの側方を摘んだまま、接着テープTを箱側面4から剥ぎ取るようにする。このようにすることで、開封補助片1を段ボール箱2に残したまま、刃物を使うことなく、接着テープTのみを剥ぎ取ることができるようになる。
例えば、図5に示すように、開封補助片1の形状には、5種類乃至はそれ以上の変形形状が考えられる。
図5(a)に示す開封補助片1は、C片12の上縁辺が水平ではなく、下方に「Vの字」状に曲がった形となっている。このため、C片12と箱側壁とが抵抗なく離脱するようになり、B片10を指で摘んで持ち上げるときに、軽い力で開封補助片1を回動でき、C片12から接着テープTを剥がし取ることが可能となる。図5(d)(e)も同じ構成を有するため、同様の作用効果を奏することとなる。
また、上述した実施形態では、上フラップ3を折り込み突合せ状態にした時の突合せ線に沿って接着テープTを貼り付けることで封緘を行う箱2の例を挙げたが、一枚の上フラップ3が箱2の開口全面を覆うような場合にも、本発明の箱2(言い換えれば、開封補助片1)を用いることができる。この場合、折り込まれた上フラップ3の端部と正面壁の端部を接着テープTで封緘し、接着テープTが跨っている正面壁の左右いずれかの端に開封補助片1を設けることで、接着テープTを容易に剥がし箱2を開封することができる。
2 段ボール箱
3 上フラップ
4 箱側面
10 B片(第1片)
11 罫線
12 C片(第2片)
13 非切断部
14 A片(押し込み片)
15 開孔
T 接着テープ
Claims (5)
- 箱側面の上端に設けられたフラップを内側に折り込み、折り込んだフラップと前記箱側面との突合せ部を接着テープで貼り付けて封緘を行うようになされ、前記箱側面に接着テープの剥離を補助するための開封補助片が備えられた箱であって、
前記開封補助片は、下側に設けられる第1片と、前記第1片の上側に設けられ且つ第1片とは横幅が異なる第2片と、を有しており、
前記第1片及び第2片は、前記第1片の幅方向中央で互いに連結されており、前記第1片の側縁辺の上端と、第2片の側縁辺の下端との2点間が、前記箱側面に対して非切断状態とされている
ことを特徴とする開封補助片を備えた箱。 - 前記第1片の側縁辺の上端と第2片の側縁辺の下端とが、非切断状態とされた折れ込み線により接続されていることを特徴とする請求項1に記載の開封補助片を備えた箱。
- 前記第1片の下縁辺の下方には、当該第1片に隣接し且つ人の指を押し込むことで開孔を形成できる押し込み片が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の開封補助片を備えた箱。
- 前記第2片は接着テープより幅広とされていて、前記第1片は第2片より幅広とされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の開封補助片を備えた箱。
- 前記箱側面において接着テープの端部が達する位置に前記第1片が存在するように、当該第1片が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の開封補助片を備えた箱。
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