JP2019084081A - 避難用ハッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】 製造時の寸法管理を厳密にしなくても、不良品の発生率を低くできる避難用ハッチを提供すること。【解決手段】 上蓋1に揺動可能に設けられた開閉部材2を弾性的に移動可能にするとともに、ハッチ本体H側に設けた引掛け部材13を、引掛け片13aと、固定部13bとこれらの間の弾性部13cとで構成して、開閉部材2の弾性的な移動と上記引掛け片13aの弾性的な移動とが相まって第1の引掛け部2bと第2の引掛け部13aとの相対位置に集約された寸法誤差を吸収できるようにした。【選択図】 図3

Description

この発明は、災害発生時に上階から下に降りる避難用ハシゴを収納する避難用ハッチに関する。
この種の避難用ハッチとして特許文献1に示すものが知られている。この従来の避難用ハッチは、ハッチ本体Hの開口を上蓋1で開閉するものである。
上記ハッチ本体Hは、先ず、4枚の平板のそれぞれのへりを溶接して平面4角形にしている。そして、このハッチ本体Hの上側部分には4つの上枠部材5aを設け、それらの角の部分7を溶接して平面矩形の上枠5としている(図8,9参照)。
上記各上枠5は、ハッチ本体Hを構成する各平板に溶接もしくはリベットなどで固定されている。このようにした上枠5には、ヒンジ8を介して上記上蓋1が開閉自在に設けられている。そして、ヒンジ8の軸受は上枠5及び上蓋1のそれぞれに溶接によって固定されている。したがって、ヒンジ8の取付け位置あるいは軸中心がずれることによって開閉中心が異なってくる。
また、上蓋1において上記ヒンジ8と反対側は、図9に示すようにハッチ本体Hよりも外方に突出する部分を取手部1aとし、この取手部1aには、板部材を曲げ加工して形成された開閉部材2が、ゴムなどの弾性部材3を介して揺動可能に取り付けられている。開閉部材2は、その一方の揺動端を操作部2aとし、他方の揺動端側に引掛け孔2bを形成している。
上記のようにした取手部1aと開閉部材2の操作部2aとには、通し孔1b,2cが形成され、これら通し孔1b,2c及び弾性部材3にボルト4を貫通させ、その先端にナット9を固定して上記弾性部材3とともに開閉部材2を取り付けている。
一方、上枠5において上記ヒンジ8と反対側には、金属板を曲げ加工して形成されたフック状の引掛け部材6が溶接によって固定されている。この引掛け部材6の引掛け片6aの先端を、上蓋1が閉じる際の上記開閉部材2の端部の回動軌跡と交差する位置に突出させている。
そして、上蓋1を閉じるときには、上記開閉部材2の端部が引掛け片6aに当たって、弾性部材3をたわませて開閉部材2を強制的に退避させる。上記開閉部材2がさらに下降して上記引掛け孔2bが引掛け片6aの先端を通過すると、弾性部材3の弾性力によって開閉部材2が元位置に復帰し、引掛け孔2bに引掛け片6aが引掛るようにしている。
なお、閉じた上蓋1を開くときには、弾性部材3の弾性力に抗して開閉部材2を矢印A方向に揺動させれば、上記引掛け孔2bが引掛け片6aから外れるので、上蓋1を開くことができる。
特開2016−097203号公報 特開2010−035733号公報
上記のようにした避難用ハッチは、厳密な寸法管理が求められるようなものではない。そのために、厳密な寸法管理よりも生産効率が重視される傾向があった。そのため、正確な寸法出しが難しい上記各溶接個所では多少の寸法誤差があったとしても、それらは無視されることが多かった。
ところが、上記平板の結合部分、外枠5の取り付け部分、上枠部材5aの結合部分、ヒンジ8の取り付け部分、引掛け部材6の固定部分など、複数の溶接個所の寸法誤差が上記開閉部材2と引掛け部材6との相対位置に集約され、それが大きくなると、上記弾性部材3では誤差を吸収できなくなることがあった。
また、図9に示すように、弾性部材3及び開閉部材2を取り付ける際にナット9を用いた場合には、ナット9の締め付け力によって弾性部材3の変形量が変わってしまう。ナット9を強く締め付けすぎると、弾性部材3の変形量が小さくなって、上記した寸法誤差を吸収できなくなることがある。
上記のように弾性部材3で誤差を吸収できなくなると、開閉部材2と引掛け部材6とが引掛からなくなったり、上蓋1が閉まらなくなったりするという問題があった。
特に、開閉部材2と引掛け部材6とが引掛からないまま上蓋1が閉まってしまえば、上蓋1が風などで開いてしまうため、それを防止するために開閉部材2と引掛け部材6との位置関係を近づき気味に設定することが考えられるが、その場合には上記両部材が近づく方向の寸法誤差によって上蓋が閉まらないことが多くなってしまう。
このような背景のものとで、実際には不良率が30〜40%と非常に高く、結果的に生産性が悪くなるという問題があった。
この発明の目的は、ほとんど不良品を発生させない避難用ハッチを提供することである。
第1の発明は、複数の板部材を溶接して構成されるとともに避難用梯子を収納するハッチ本体と、このハッチ本体の開口周囲に固定された上枠と、上記上枠にヒンジを介して開閉可能に取り付けられた上蓋とを備え、上記上蓋は、その開閉中心とは反対側をハッチ本体から突出させて取手部とし、この取手部には、一方の揺動端を操作部とし、他方の揺動端を第1の引掛け部とした開閉部材が揺動可能に設けられ、上記ハッチ本体側には、上記第1の引掛け部の回動軌跡の範囲内に位置する第2の引掛け部を有する引掛け部材が設けられ、上記開閉部材と引掛け部材とが当たったとき、上記開閉部材を弾性的に移動させて上記第1,2の引掛け部同士が引掛る構成にされた避難用ハッチを前提とする。
そして、上記引掛け部材は、上記第2の引掛け部と、ハッチ本体に固定される固定部と、これら引掛け部と固定部との間に位置する弾性部とからなり、上記上蓋が閉じる過程で、上記第2の引掛け部に上記開閉部材を介して押圧力が作用したとき、上記弾性部が変形して上記第2の引掛け部を移動させ、上記第1,2の引掛け部の引掛け状態を解除する力が作用したとき、上記開閉部材を弾性的に移動させ、上記開閉部材及び第2の引掛け部の弾性的な移動が相まって上記第1の引掛け部と第2の引掛け部との相対位置に集約される寸法誤差を吸収する構成にしたことを特徴とする。
なお、上記開閉部材及び引掛け部材が弾性的に移動するとは、特定の部分が弾性変形することによって開閉部材や引掛け部材が移動することである。そして、開閉部材及び引掛け部材そのものの一部が弾性変形可能な部分を備えている場合や、開閉部材や引掛け部材部材が弾性部材を介して上蓋や上枠に設けられ、この弾性部材を変形させながら上記開閉部材や引掛け部材が移動する場合を含むものとする。なお、その移動方向は限定されない。
また、上記開閉部材の揺動は、一方の揺動端が上下動する際に、他方の揺動端が逆に上下動する運動のことで、上記弾性的移動と同時にこの揺動が起こることもある。
また、回動とは回動中心の周りの円運動のことで、上記開閉部材の回動は、上蓋の開閉動作に対応するものとする。
第2の発明は、上記開閉部材の操作部との間に弾性部材を介在させるとともに、この弾性部材、上記取手部、及び操作部を貫通する支持ピンが設けられ、上記取手部及び操作部のいずれか一方もしくは双方の通し孔の内径を上記支持ピンの外径よりも大きくして、支持ピンと、取手部あるいは操作部とが相対移動可能にされたことを特徴とする。
第3の発明は、上記取手部と操作部との間に上記弾性部材を複数介在させ、上記弾性部材同士が相対移動可能にされたことを特徴とする。
第4の発明は、上記弾性部材がその側面に1または複数の環状溝が形成された筒状のゴム製部材からなることを特徴とする。
第5の発明は、上記第2の引掛け部が、上記ハッチ本体の上端から、ハッチ本体の外方斜め下方に向かって突出した斜面からなる引掛け片であることを特徴とする。
この発明では、上蓋に取り付けられた開閉部材だけでなく、ハッチ本体側の引掛け部材も弾性的に移動可能に構成されているため、ハッチ本体などの製造過程で発生する寸法誤差が開閉部材と引掛け部材との位置関係に集約されても、その誤差を開閉部材と引掛け部材との両部材の弾性的な移動によって吸収することができる。そのため、上蓋が閉まらないという問題がほとんど発生しない。
また、上記のように開閉部材と引掛け部材とが近づく方向の誤差を吸収できるので、両部材の位置を従来よりも近づき気味に設定することができる。上記開閉部材と引掛け部材とを近づき気味に設定しておけば、たとえ開閉部材と引掛け部材とが離れる方向の誤差が生じたとしても、第1,2引掛け部を引掛けることができる。
したがって、上蓋が閉まらないということがなく、閉まった場合には引掛け部材と開閉部材とを確実に引掛かけ状態とすることができる。
また、開閉部材と引掛け部材とが近づき気味で引掛け状態となった場合でも、この引掛け状態を解除する際には、開閉部材が弾性的に移動して第1の引掛け部を第2の引掛け部から開放して上蓋を開けることができる。
このように、従来と比べて大きな寸法誤差を吸収できるため、不良率が激減し生産効率が向上する。
大きな寸法誤差を吸収できるということは、開閉部材と引掛け部材との相対位置において、不良品を発生させない範囲が広くなるということである。その分、相対位置の設定範囲が広くなり、組み付け時の寸法管理が容易になるので作業性も上がる。
結果として、避難用ハッチの生産性がより向上する。
第2の発明によれば、支持ピンに対して取手部あるいは操作部が移動可能になり、開閉部材の移動量を大きくできる。したがって、開閉部材の移動と引掛け部材の移動とが相まって、より大きな寸法誤差を吸収することができる。
第3の発明によれば、複数の弾性部材間で相対移動が可能になるため、複数の弾性部材を合わせたときの変形方向や変形量が、1つの弾性部材と比べて大きくなる。このように、取手部と開閉部材との間に介在した弾性部材の変形が大きくなれば、開閉部材の移動可能範囲が大きくなり、その分、大きな誤差を吸収することができる。
第4の発明の弾性部材は、外側面に形成された環状溝によって撓み易いため、より大きな変形が可能で、大きな寸法誤差を吸収することができる。また、上記弾性部材が様々な方向に変形するため、ハッチ本体側の製造過程で生じた様々な方向の寸法誤差を吸収することができる。
第5の発明では、第2の引掛け部を斜面からなる引掛け片にしたので、第1,2の引掛け片の引掛け状態を解除する際に、第1の引掛け部が引掛け片に突き当たったとしても、第1の引掛け部が引掛け片の斜面に沿って移動し、引掛け状態を解除できる。そのため、開閉部材と引掛け部材とを近づき気味に設定しても、引掛け状態を解除することができる。結果として、近づきすぎても上蓋が閉まらなくなることはないし、閉まった上蓋を簡単に開けることもできる。
第1実施形態のハッチ本体の断面図である。 第1実施形態の開閉部材と引掛け部材との位置関係を示した部分拡大図である。 第1実施形態の開閉部材と引掛け部材とが引掛る過程を示した部分拡大図である。 開閉部材の拡大斜視図である。 第1実施形態の開閉部材と引掛け部材との引掛け状態を解除する過程の説明図である。 第2実施形態の弾性部材の斜視図である。 第2実施形態の弾性部材近傍の正面図である。 ハッチ本体の平面図である。 従来の開閉部材と引掛け部材との位置関係を示した部分拡大図である。
図1に示す第1実施形態の避難用ハッチは、図示していない避難用ハシゴを収納するハッチ本体Hに、上蓋1と下蓋10とのそれぞれをヒンジ結合して開閉可能にしている。そして、上蓋1を開くと、その開く力がリンク機構11を介して下蓋10に伝わり、下蓋10も同時に開く構成である。
さらに、上記ハッチ本体Hには、その開口周囲に上枠5を設けている。
なお、図中の符号12は、建造物のハッチ孔内にハッチ本体Hを建造物側に固定するための固定プレートである。
そして、上記ハッチ本体H、上枠5及び上蓋1は、上記した従来例と同様に形成されたもので、上記従来と同様の構成要素には図9と同じ符号を用いるとともに、個々の詳細な説明は省略する。
以下には、従来と異なる部分を中心に説明する。
この第1実施形態では、上記ハッチ本体Hであって、上記ヒンジ8の取り付け部分である上蓋1の開閉中心とは反対側に、板部材を折り曲げて形成された引掛け部材13を設けている。
この引掛け部材13は、図2に示すように、上枠5の縁を跨いでハッチ本体Hの外方及び下方に向かって斜めに突出した斜面からなる引掛け片13aと、ハッチ本体Hにリベット14などで固定される固定部13bと、この固定部13bと上記引掛け片13aとの間の弾性部13cとからなる。
そして、上記引掛け片13aは、図2に示すノーマル状態で上枠5との間に所定の隙間s1,s2を保っている。したがって、上記引掛け片13aにハッチ本体H側への押圧力が作用すれば、上記弾性部13cを撓ませて引掛け片13aは上枠5に衝突するまで、すなわち隙間s1の分だけ移動可能である。
なお、上記引掛け片13aがこの発明の第2の引掛け部を構成するものである。
一方、上記上蓋1の取手部1aには、図2に示すように、開閉部材2がボルト4によって取り付けられている。
この開閉部材2の形状は、上記した従来の開閉部材2と同様で、一方の揺動端を操作部2aとし、他方の揺動端側に引掛け孔2bを形成している。この引掛け孔2bがこの発明の第1の引掛け部を構成している。
そして、上記引掛け孔2bは、図4に示すように、開閉部材2を構成する一枚の板を折り曲げた折り曲げ部分の稜線に沿って形成されている。
上記引掛け孔2bは、上記のように折り曲げ部分の稜線に沿って形成されているので、例えば平板に孔を形成する場合よりも、図4に示した長さLを短くすることができる。このように長さLを短くできるので、奥行きが狭い取手部1aに対しても、開閉部材2を取り付けることができる。
また、上記開閉部材2の幅方向両側に、上記取手部1aに形成された通し孔1bに対応する通し孔2cを形成している。
上記のようにした取手部1aと開閉部材2の操作部2aとの間には、この発明の弾性部材であり、中心に貫通孔を備えた円柱状のゴム部材3を介在させ、上記通し孔1b,2c及びゴム部材3にボルト4を貫通させている。このボルト4がこの発明の支持ピンを構成する。
そして、この第1実施形態では、上記通し孔2cの内径を、上記ボルト4の外径よりも少し大きくし、図3に示すように、ボルト4と開閉部材2とを相対的に揺動可能にし、開閉部材2と取手部1aとを揺動可能にしている。
また、上記通し孔2cとボルト4の外径との隙間の範囲で、上記開閉部材2はボルト4に対して移動可能になる。
このように構成された避難用ハッチでは、上蓋1が図3の上方から矢印B方向に回動して降下する過程で、開閉部材2の先端側が引掛け片13aに衝突すると、上蓋1の重量によって開閉部材2が引掛け片13aを押圧するが、開閉部材2は、上記押圧力の反力を受けながら上蓋1の重量によって引掛け片13aの斜面に沿って下降し、その過程でゴム部材3を変形させる。
ゴム部材3が変形すれば、開閉部材2は揺動しながら、引掛け片13aから退避する方向へ移動する。この開閉部材2の退避する方向の移動が、この発明の開閉部材の弾性的な移動である。
一方、上記引掛け部材13側では、上記開閉部材2からの押圧力が引掛け片13aに作用すると、弾性部13cが撓んで、引掛け片13aを開閉部材2から退避する方向に移動させる。この引掛け片13aの移動が、この発明の第2の引掛け部の弾性的な移動である。
上記のように、開閉部材2の回動軌跡と引掛け片13aとが交差して、引掛け片13aに押圧力が作用したときには、開閉部材2側のゴム部材3が変形して開閉部材2を退避させるとともに、引掛け部材13の弾性部13cの変形によって引掛け片13aを退避させる。開閉部材2及び引掛け片13aが互いに退避する方向に弾性的に移動するため、開閉部材2がスムーズに下降して上蓋1を閉めることができる。
また、上蓋1が閉まったときには、ゴム部材3と弾性部13cとが復帰して、図2のノーマル位置で引掛け孔2bに引掛け片13aが引掛ることになる。
この第1実施形態では、開閉部材2だけでなく、引掛け部材13も弾性的に移動するように構成されているため、ハッチ本体Hの結合部やヒンジ8の取り付け位置などの寸法誤差をより多く吸収でき、寸法誤差が大きくなっても上蓋1を閉めることができる。
言い換えれば、上記開閉部材2及び引掛け部材13の揺動で吸収できる誤差が大きくなったので、開閉部材2と引掛け部材13とを近づけ気味に設定しても、上蓋1が閉まらないということがなくなる。そして、第1の引掛け部と第2の引掛け部とを近づけ気味に設定できるので、上蓋1が閉まっても第1,2引掛け部同士が引掛からないというような問題も起こらない。
実際に、引掛け部材13の引掛け片13aと上枠5との隙間s1を約1[mm]設け、上記引掛け片13aをハッチ本体Hの内側に約1[mm]移動可能にしただけで、不良品発生率はほぼゼロになった。
この第1実施形態でも、図2の状態から上蓋1を開ける場合には、開閉部材2の操作部2aをつかんで持ち上げるようにすれば、開閉部材2がゴム部材3の弾性力に抗して揺動し、引掛け片13aが引掛け孔2bから外れる。
ただし、上記開閉部材2と引掛け部材13とが近づけば、引掛け状態で、引掛け片13aが引掛け孔2bにより深く挿入されることになる。そのため、開閉部材2の操作部2aを引き上げて開閉部材2を揺動させたときに、引掛け孔2bの開口縁2d(図4参照)が引掛け片13aにぶつかってしまうことがある。このように、引掛け孔の開口縁2dと引掛け片13aとがぶつかったとしても上蓋1を開けることができるのは次のとおりである。
図5は、引掛け孔の開口縁2dと上記引掛け片13aがぶつかった状態を示している。
図5に示すように引掛け片13aの斜面と開口縁2dとの接点には破線の矢印方向の押圧力Fが発生する。この押圧力Fによって上記開口縁2dには引掛け片13aの斜面に沿った矢印方向の分力f1が作用する。
この分力f1によって、上記ゴム部材3が変形して開閉部材2を移動させるので、上記接点である開口縁2dが引掛け片13aの斜面に沿って移動する。
このように、この第1実施形態では、ゴム部材3の変形によって開閉部材2が揺動及び移動可能にされるとともに、引掛け片13aがハッチ本体Hの上端側から外方斜め下方に向かって傾斜しているため、引掛け片13aにぶつかった引掛け孔2bの開口縁2dを引掛け片13aの先端方向へ導くことができる。そして、上記開口縁2dが引掛け片13aからはずれれば、上蓋1を開けることができる。
なお、この第1実施形態では、開閉部材2の通し孔2cをボルト4の外径よりも大きくしているので、上蓋1の開閉時に開閉部材2に外力が作用したときは、ボルト4と通し孔2cとが相対移動しながらゴム部材3を変形させることになり、開閉部材2を弾性的に移動可能にしている。そして、上記通し孔2cを大きくすればするほど、移動可能範囲をより大きくでき、より多くの寸法誤差を吸収できることになる。
また、この第1実施形態では、取手部1aの通し孔1bとボルト4の外形とをほぼ等しくしているが、上記通し孔1bをボルト4と比べて大きくしてボルト4が取手部1aに対して相対移動するようにしてもよい。その場合、開閉部材2側の通し孔2cはボルト4にほぼ一致させてもよいし、ボルト4よりも大きくしてもよい。
上記通し孔1bと通し孔2cの両方が、ボルト4の外径よりも大きければ、ボルト4が取手部1aに対しても開閉部材2に対しても相対移動可能となり、結果として開閉部材2の移動可能範囲がさらに大きくなり、より大きな寸法誤差を吸収できるようになる。
図6,7に示す第2実施形態は、開閉部材2と取手部1aとの間に介在させる弾性部材として、上記ゴム部材3に替えて図5に示すゴムリング14を用いたものである。
上記ゴムリング14は、中央に通し孔14cを備えたこの発明の筒状のゴム製部材を構成するもので、側面の外周には環状溝14aが形成され、この環状溝14aを挟んで一対のフランジ部14b,14bが形成されている。
この第2実施形態では、図6に示すように上記ゴムリング14を2個積み重ねて、上蓋1の取手部1aと開閉部材2との間に設けている。そして、通し孔1b,2c,14cにボルト4を貫通させ、その先端にナット9を止めている。
また、上記通し孔1b,2cはボルト4の外径よりも大きくして、ボルト4と開閉部材2及び取手部1aとの相対移動を可能にしている。
その他の構成は、第1実施形態と同じである。詳細な説明は省略するが、以下の説明にも図2,3を参照する。
この第2実施形態において、上蓋1が閉まる際に、上記開閉部材2が引掛け片13aに突き当たると、上記ゴムリング14,14を変形させながら開閉部材2が退避するとともに、引掛け部材13の弾性部13cが変形して引掛け片13aも退避する。そして、上蓋1が閉まったときには、弾性リング14,14及び弾性部13cが復帰して、開閉部材2の引掛け孔2bに、引掛け部材13の引掛け片13aが引掛かる点は、第1実施形態と同じである。
また、この第2実施形態においても、開閉部材2と引掛け片13aとの引掛け状態を解除する過程で図5に示すように引掛け孔2bの開口縁2dが引掛け片13aにぶつかったとしても、ゴムリング14,14が変形することによって、上記開口縁2dを引掛け片13aの斜面に沿って移動させ、引掛け状態を解除することができる点も第1実施形態と同じである。
ただし、図6に示すゴムリング14は外側面に環状溝14aを備えているため、フランジ部14b,14bが近づく方向に変形しやすい。したがって、これら弾性リング14,14は、第1実施形態のゴム部材3と比べて変形量が大きくなる。したがって、ゴムリング14,14の変形に伴う開閉部材2の移動可能範囲を大きくでき、上記引掛け片13aの弾性的な移動と相まってより大きな寸法誤差を吸収できるようになる。
特に、この第2実施形態では、2個のゴムリング14を重ねているため、ゴムリング14,14がその接触面に沿った相対移動も可能である。
このように、ゴムリング14,14が相対移動も可能であるため、開閉部材2の移動可能範囲がさらに大きくなり、より大きな寸法誤差を吸収することができる。
なお、取手部1aと開閉部材2との間に介在させる弾性部材を複数にすれば、各弾性部材の形状に係らず、それらの相対移動によって開閉部材2の移動可能範囲を大きくすることができる。
なお、この発明の弾性部材は、開閉部材2を揺動可能にするとともに、ノーマル位置へ復帰させる機能を備えたものであれば、上記実施形態に限定されない。例えば上記ボルト4を貫通させたコイルスプリングなどでもよい。
また、開閉部材2を弾性的に移動させる構成として、上記のように取手部1aとの間に弾性部材を介在させるのではなく、開閉部材の一部に弾性変形する部分を設けてもよい。
さらに、上記第1,2実施形態では、引掛け部材13が弾性部13bを備えることで引掛け片13aを弾性的に移動可能にしているが、引掛け部材13とハッチ本体Hもしくは上枠5との間に別部材である弾性部材を介在させて引掛け片13aを弾性的に移動可能にしてもよい。
この発明の避難用ハッチは、強風などで上蓋が不用意に開かない避難用ハッチの生産性を向上させることができる。
H ハッチ本体
1 上蓋
1b 通し孔
2 開閉部材
2a 操作部
2b (第1の引掛け部)引掛け孔
2c 通し孔
3 (弾性部材)ゴム部材
4 (ピン部材)ボルト
5 上枠
13 引掛け部材
13a (第2の引掛け部)引掛け片
13b 固定部
13c 弾性部
14 (弾性部材)ゴムリング
14a 環状溝

Claims (5)

  1. 複数の板部材を溶接して構成されるとともに避難用梯子を収納するハッチ本体と、
    このハッチ本体の開口周囲に固定された上枠と、
    上記上枠にヒンジを介して開閉可能に取り付けられた上蓋とを備え、
    上記上蓋は、その開閉中心とは反対側をハッチ本体から突出させて取手部とし、
    この取手部には、一方の揺動端を操作部とし、他方の揺動端を第1の引掛け部とした開閉部材が揺動可能に設けられ、
    上記ハッチ本体側には、上記第1の引掛け部の回動軌跡の範囲内に位置する第2の引掛け部を有する引掛け部材が設けられ、
    上記開閉部材と引掛け部材とが当たったとき、上記開閉部材を弾性的に移動させて上記第1,2の引掛け部同士が引掛る構成にされた避難用ハッチにおいて、
    上記引掛け部材は、
    上記第2の引掛け部と、ハッチ本体に固定される固定部と、これら引掛け部と固定部との間に位置する弾性部とからなり、
    上記上蓋が閉じる過程で、上記第2の引掛け部に上記開閉部材を介して押圧力が作用したとき、上記弾性部が変形して上記第2の引掛け部を移動させ、
    上記第1,2の引掛け部の引掛け状態を解除する力が作用したとき、上記開閉部材を弾性的に移動させ、
    上記開閉部材及び第2の引掛け部の弾性的な移動が相まって上記第1の引掛け部と第2の引掛け部との相対位置に集約される寸法誤差を吸収する構成にした避難用ハッチ。
  2. 上記開閉部材の操作部との間に弾性部材を介在させるとともに、この弾性部材、上記取手部、及び操作部を貫通する支持ピンが設けられ、
    上記取手部及び操作部のいずれか一方もしくは双方の通し孔の内径を上記支持ピンの外径よりも大きくして、支持ピンと、取手部あるいは操作部とが相対移動可能にされた請求項1に記載の避難用ハッチ。
  3. 上記取手部と操作部との間に上記弾性部材を複数介在させ、上記弾性部材同士が相対移動可能にされた請求項1または2に記載の避難用ハッチ。
  4. 上記弾性部材は、その側面に1または複数の環状溝が形成された筒状のゴム製部材からなる請求項2または3に記載の避難用ハッチ。
  5. 上記第2の引掛け部は、上記ハッチ本体の上端から、ハッチ本体の外方斜め下方に向かって突出する斜面からなる引掛け片である請求項1〜4のいずれか1に記載の避難用ハッチ。
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