JP2019082605A - カラーフィルタ基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液晶パネルに局部的な圧力がかかった際、圧力がスペーサに均等に分散してかかり、応力分布の均一性が向上し、表示品質の低下を抑えることができるカラーフィルタ基板の製造方法を提供する。【解決手段】液晶層のセルギャップを所定の間隔に保持するスペーサを形成する工程が、以下の工程1)〜3)を含むことを特徴とするカラーフィルタ基板の製造方法とする。工程1)露光感度が異なる感光性樹脂組成物を積層する工程。工程2)前記積層した感光性樹脂組成物を、バイナリ型フォトマスクを用いて露光する工程。工程3)前記露光した感光性樹脂組成物を現像し、線幅が段階的に変わる前記スペーサを形成する工程。【選択図】図2

Description

本発明は、液晶表示装置に用い、カラーフィルタを形成した基板上にスペーサなどの構造物を形成するカラーフィルタ基板の製造方法に関わる。
液晶表示装置を始めとする平面型表示装置をカラー表示するために使用するカラーフィルタを透明性基板上に効率よく製造する技術として、フォトリソグラフィ法により顔料分散タイプの感光性着色樹脂組成物を基板に塗布、乾燥後、露光、現像、硬化して形成する方法が行われている。一般にフォトリソグラフィ法では、光照射部分が選択的に硬化または分解する感光性塗布材料の特性を利用して、光を選択的に透過する遮光膜パターンを予め形成したフォトマスクを露光装置に設置して、感光性材料を塗布した被露光基板とフォトマスクとの正確な位置合わせを行った後、露光する。
前記フォトマスクは、平坦で無欠陥であり、高い透明性を有し、機械的強度に優れ、熱に対して低膨張の合成石英基板などのガラス基板の表面に、金属クロム等の遮光膜パターンを高精度で形成している。フォトマスクを通してパターン露光される被露光基板の基板材料としては、大画面の表示装置に使用するカラーフィルタを例にとると、大サイズのマザーガラス基板を用い、多面付けして製造することが量産上有利である。そこで、カラーフィルタの製造工程では大型のフォトマスクを用い、フォトマスクと被露光基板との間に70μm〜300μm程度の均一な微小間隔(露光ギャップ)を設けてパターン露光を行うプロキシミティ(近接)露光が用いられる。
液晶表示装置は一般に、ガラス基板上に薄膜トランジスタ(TFT)等のスイッチング素子を形成した画素電極基板と、着色画素(カラーフィルタ)を配列したカラーフィルタ基板とを、所定の間隔(セルギャップ)を設けて対向させて貼り合わせ、セルギャップ内に液晶を封入した液晶パネルにより構成される。ここで、セルギャップが均一に保持されていない場合、液晶層の厚みの分布が生じ、液晶の旋光特性差による着色や部分的な色ムラなどの表示品質の低下が起こる。
そのため、液晶にスペーサと称する直径2μmから10μmの樹脂、ガラス、アルミナ等からなる粒子あるいは棒状体を多数混合し、セルギャップ保持を図っている。スペーサに要求される形状、大きさ、密度等は、液晶表示装置の設計によって適宜決定される。しかし、スペーサが透明な粒子であると、画素内に液晶と一諸に入っていることで、黒色表示時にスペーサを介した光漏れや、スペーサ近傍の液晶分子の配列が乱されることに起因する光漏れによってコントラスト低下などの問題が生じる。
このような問題を解決する技術として、例えばフォトリソグラフィ法により、感光性樹脂組成物を塗布してパターン露光、現像を行い、着色画素間のブラックマトリクス上に固定スペーサを形成する方法が特許文献1、2に提案されている。固定スペーサは、フォトスペーサ、あるいは柱状(ポスト)スペーサなどとも呼ばれる。固定スペーサは、図3(b)に示すように、オーバーコート層54を介して高さの高いメインスペーサ55mと高さの低いサブスペーサ55sで形成されることが多い。以下、本願では、固定スペーサを単にスペーサと略称し、カラーフィルタが形成された基板上にスペーサまで形成した形態をカラーフィルタ基板と称する。
メインスペーサは液晶パネルにおいて液晶層のセルギャップ規制を目的とし、サブスペーサは液晶パネルに機械的な圧力がかかったときの塑性変形を防止する目的で形成される。メインスペーサとサブスペーサは、平面視の大きさを異ならせた設計仕様で形成されることが多く、選択的に位置決めされる複数のスペーサを、カラーフィルタを形成した基板上に感光性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィ法により規則的に配して形成する。高さの異なるスペーサに関わる技術は、特許文献3に記載されている。
カラーフィルタパターンの高精細化とともに、カラーフィルタのブラックマトリクス上に形成されるスペーサにも近年高精細化が進んでいる。高精細化対応のため、メインスペーサやサブスペーサなど高さの異なる構造物を形成する際には、それぞれの高さに応じて異なった透過率をもつフォトマスク、すなわち光透過部と半透過(ハーフトーン)部を有するフォトマスク(以下、ハーフトーンマスクと称する)が用いられることが多くなっている。
図3は、ハーフトーンマスク60を用いて露光し(図3(a))、メインスペーサ55m、サブスペーサ55sを形成してカラーフィルタ基板50(図3(b))を作製する工程の主要部を示す模式断面図である。高さの高いメインスペーサ55mと高さの低いサブスペーサ55sを形成するためのハーフトーンマスク60では、メインスペーサ55mを形成する光透過部64の透過率よりサブスペーサ55sを形成する光半透過部63の透過率を低くするために、半透過部63には酸化クロムやモリブデンシリコン系などの半透過膜パターンが形成されている。
特開平10−48636号公報 特開平8−262484号公報 特開平9−258192号公報
しかしながら、上述のスペーサの構造では、メインスペーサとサブスペーサの高さが異なるため、製造時や表示装置としての使用時に液晶パネルに局部的な圧力がかかると、個々のスペーサでは、メインスペーサとサブスペーサのいずれか一方に選択的に圧力がかかり、応力分布が不均一となって表示品質が低下しやすいという問題がある。
また、ハーフトーンマスクを用いてサブスペーサを形成する方法では、遮光部と光透過部のみからなる通常のバイナリ型フォトマスクに比べ、ハーフトーンマスクは材料・製造コストともに高価であるため、カラーフィルタ基板、ひいては表示装置の製造コストを上昇させる要因となっている。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、液晶パネルに局部的な圧力がかかった際、圧力がスペーサに均等に分散してかかり、応力分布の均一性が向上し、表示品質の低下を抑えるとともに、製造にハーフトーンマスクを使用しないため、カラーフィルタ基板、ひいては表示装置の製造コストを抑制できるカラーフィルタ基板の製造方法を提供することである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、液晶表示装置に用いるカラーフィルタ基板の製造方法であって、
液晶層のセルギャップを所定の間隔に保持するスペーサを形成する工程が、以下の工程1)〜3)を含むことを特徴とするカラーフィルタ基板の製造方法としたものである。
工程1)露光感度が異なる感光性樹脂組成物を積層する工程。
工程2)前記積層した感光性樹脂組成物を、バイナリ型フォトマスクを用いて露光する工程。
工程3)前記露光した感光性樹脂組成物を現像し、線幅が段階的に変わる前記スペーサを形成する工程。
本発明によれば、製造時や表示装置としての使用時に液晶パネルに局部的な圧力がかかった際、圧力がスペーサに均等に分散してかかるので、応力分布の均一性が向上し、表示品質の低下を抑えることができるカラーフィルタ基板の製造方法となる。
また本発明によれば、製造に通常のバイナリ型フォトマスクを使用しハーフトーンマスクを使用しないこと、及びスペーサが1種類となるので、製造条件出し時間の短縮や測定項目が減ることにより生産性が向上し、カラーフィルタ基板、ひいては表示装置の製造コストを抑制できるカラーフィルタの製造方法となる。
本発明に係り、カラーフィルタを形成した基板上にスペーサを形成するカラーフィルタ基板の製造方法を、工程順に示す模式断面図である。 図1に続く工程を順に示す模式断面図である。 従来の方法で、カラーフィルタを形成した基板上に高さの異なる2種類のスペーサを形成する工程の主要部を示す模式断面図である。
以下、本発明の実施形態に係るカラーフィルタ基板の製造方法について図面を用いて説明する。同一の構成要素については便宜上の理由がない限り同一の符号を付ける。各図面において、見易さのため構成要素の厚さや比率は誇張されていることがあり、構成要素の数も減らして図示していることがある。また、本発明はその主旨を逸脱しない範囲で、以下の実施形態に限定されるものではない。
図1、図2は本発明のカラーフィルタ基板の製造方法を、工程順に示す模式断面図である。図1(a)は、スペーサを形成する下地となる基板構造であり、透明性基板1上に、ブラックマトリクス2、カラーフィルタ(着色画素)3(ここでは赤と青を図示し、緑の領域の図示は省略している)、さらにその上にオーバーコート層4が形成されている。
図1(b)、(c)は、前記の基板構造上に、スペーサとなる第1感光性樹脂組成物5、及び第2感光性樹脂組成物6を順次塗工した形態を示している。ここで、第1感光性樹脂組成物5、及び第2感光性樹脂組成物6は透明性を有するネガ型レジストであり、第1感光性樹脂組成物5の露光感度は、第2感光性樹脂組成物6の露光感度よりも高いものを使用する。
露光感度の高い樹脂組成物としては、例えば特開2006−243015に記載がある、親水性ポリマー(A)、エチレン性不飽和化合物(B)、重合開始剤(C)及び添加剤(D)を含有してなり、前記添加剤(D)が、分子軌道法により計算されるLUMO値(エレクトロンボルト)が−3〜−1であり、かつ共役している二重結合の個数が3〜8であり、分子中に酸素原子もしくは窒素原子を2〜8個有する化合物(D1)、又は露光により該化合物(D1)を生成する化合物(D2)である感光性樹脂組成物を挙げることができる。
図2(a)は、ブラックマトリクス2上にスペーサを形成するため、第1感光性樹脂組成物5、及び第2感光性樹脂組成物6を塗工した基板構造と、バイナリ型フォトマスク2
0とを位置合わせし、紫外線などによる露光を実施する形態を示している。露光により、第1感光性樹脂組成物5、及び第2感光性樹脂組成物6は感光部5a、6aとなり、重合反応が進行する。このとき、第1感光性樹脂組成物5は第2感光性樹脂組成物6よりも感度が高いため、より広い領域で反応が進む。
図2(b)は、現像工程にて未露光部の第1感光性樹脂組成物5、及び第2感光性樹脂組成物6を溶解除去した後、焼成することで第1感光性樹脂組成物からなるスペーサ5b、及びその上に第2感光性樹脂組成物からなるスペーサ6bを形成した形態を示している。ここで、前記のように、第1感光性樹脂組成物5は第2感光性樹脂組成物6よりも広い領域で重合反応が進んでいるため、線幅はスペーサ5bとスペーサ6bの境界で段階的に変化し、スペーサ5bの線幅w5の方がスペーサ6bの線幅w6よりも大きくなっている。
以下、本発明の有効性を示すために、まず図3(b)の従来例のような、高さの異なる2種類のスペーサ55mと55sを備えるカラーフィルタ基板の場合に、それぞれのスペーサにかかる応力とそれぞれのスペーサの機能を説明する。例えば、画素電極基板とカラーフィルタ基板とを貼り合わせるときに、両基板間に局部的な大きな圧力が加わる。このようなとき、高さの高いメインスペーサ55mは液晶層の変形に追随し、高さの低いサブスペーサ55sはメインスペーサ55mの塑性変形を阻止する機能を有している。
すなわち、大きな圧力がかかると、まず高さの高いメインスペーサ55mが圧縮され、やがて高さの低いサブスペーサ55sが画素電極基板と接触して、高さの低いサブスペーサ55sが圧力の大部分を受け持つようになる。そのために、高さの高いメインスペーサ55mが過度に変形して塑性変形することが防止される。大きな圧力が無くなると、高さの高いメインスペーサ55mは元の状態に復帰してセルギャップは一定に保持される。
前記のような機能を有するために、高さの高いメインスペーサ55mの弾性率は小さくて変形しやすく、高さの低いサブスペーサ55sの弾性率は大きくて変形しにくいことが望ましい。
しかしながら、従来のスペーサの構造では、メインスペーサとサブスペーサが離間して配置されているため、製造時や表示装置としての使用時に局部的に大きな圧力がかかると、個々のスペーサでは、配置位置に応じてメインスペーサとサブスペーサのいずれか一方に選択的に圧力がかかるので、個々のスペーサに生じる応力は、いずれか一方のスペーサのパラメータにのみ依存した、独立したものとなるので、応力分布が不均一となり表示品質が低下しやすくなる。
本発明の製造方法によるカラーフィルタ基板では、露光感度が高く/低く、線幅が大きい/小さい、第1感光性樹脂組成物からなるスペーサ/第2感光性樹脂組成物からなるスペーサが、相対的に弾性率が大きく/小さくなるので、それぞれ上述のサブスペーサ/メインスペーサの機能を備えることができる。
また、それらは同じ位置に(第1感光性樹脂組成物からなるスペーサ5b上に第2感光性樹脂組成物からなるスペーサ6bが)形成されるため、圧力はスペーサ5bとスペーサ6bに同時にかかるので、個々のスペーサに生じる応力は、第1感光性樹脂組成物と第2感光性樹脂組成物からなる2つのパラメータに依存し、配置位置に応じて連続したものとなる。すなわち、圧力がスペーサに均等に分散してかかるようになるので、応力分布の均一性が向上し、表示品質の低下を抑えることができる。
本発明のカラーフィルタ基板の製造方法は、直径2μmから10μmの、上記のような
積層構造からなるスペーサを形成するための方法であり、目的に適うスペーサを形成するために、2層構造の場合、第1感光性樹脂組成物及び第2感光性樹脂組成物の膜厚、感度、弾性率は以下のような範囲であることが好ましい。
第1感光性樹脂組成物からなるスペーサ5b/第2感光性樹脂組成物からなるスペーサ6bの膜厚は、それぞれ4〜10μm/1〜3μmであることが好ましい。
第1感光性樹脂組成物と第2感光性樹脂組成物の感度差(=第1感光性樹脂組成物の感度−第2感光性樹脂組成物の感度)は、15mJ/cm〜40mJ/cmであることが好ましい。
弾性率の評価法としては弾性復元率がある。第1感光性樹脂組成物からなるスペーサ5bと第2感光性樹脂組成物からなるスペーサ6bの弾性復元率は、例えば下記の方法で測定したとき、いずれも50%以上であり、第1感光性樹脂組成物からなるスペーサ5bの弾性復元率の方が第2感光性樹脂組成物からなるスペーサ6bのそれよりも差し引き15〜20%大きいことが好ましい。
<測定方法>
測定装置:フィッシャー・インストルメンツ社製微小膜硬度計HM2000。
測定条件:50μm×50μmの平坦圧子を用い、2.2mN/秒の速度で40mNの荷重を負荷し、5秒間保持した後、2.2mN/秒の速度で0.4mNまで荷重を除去したときの総変形量、塑性変形量を測定し、下記式(1)により算出する。
弾性復元率=(総変形量−塑性変形量)/総変形量 ×100% ・・・(1)
さらに、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法では、材料・製造コストともに高価なハーフトーンマスクを使用せず、バイナリ型フォトマスクを用いて製造できることに加えて、スペーサが一体化した1種類であるので、製造条件出し時間の短縮や測定項目が減ることにより生産性が向上し、カラーフィルタ基板、ひいては表示装置の製造コストを抑制できる製造方法となる。
1・・・・・透明性基板
2・・・・・ブラックマトリクス
3・・・・・カラーフィルタ(着色画素)
4・・・・・オーバーコート層
5・・・・・第1感光性樹脂組成物
5a・・・・第1感光性樹脂組成物の感光部
5b・・・・第1感光性樹脂組成物からなるスペーサ
6・・・・・第2感光性樹脂組成物
6a・・・・第2感光性樹脂組成物の感光部
6b・・・・第2感光性樹脂組成物からなるスペーサ
10・・・・カラーフィルタ基板
20・・・・フォトマスク(バイナリ型)
21・・・・ガラス基板
22・・・・遮光部(遮光膜)
24・・・・光透過部
30・・・・露光光
31・・・・透過光
50・・・・カラーフィルタ基板
51・・・・透明性基板
52・・・・ブラックマトリクス
53・・・・カラーフィルタ(着色画素)
54・・・・オーバーコート層
55・・・・感光性樹脂組成物
55m・・・メインスペーサ
55s・・・サブスペーサ
60・・・・フォトマスク(ハーフトーン型)
61・・・・ガラス基板
62・・・・遮光部(遮光膜)
63・・・・半透過部(ハーフトーン膜)
64・・・・光透過部
70・・・・露光光

Claims (1)

  1. 液晶表示装置に用いるカラーフィルタ基板の製造方法であって、
    液晶層のセルギャップを所定の間隔に保持するスペーサを形成する工程が、以下の工程1)〜3)を含むことを特徴とするカラーフィルタ基板の製造方法。
    工程1)露光感度が異なる感光性樹脂組成物を積層する工程。
    工程2)前記積層した感光性樹脂組成物を、バイナリ型フォトマスクを用いて露光する工程。
    工程3)前記露光した感光性樹脂組成物を現像し、線幅が段階的に変わる前記スペーサを形成する工程。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112083594A (zh) * 2019-06-13 2020-12-15 夏普株式会社 彩色滤光片基板及其制造方法、以及液晶显示装置

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