JP2019082040A - 汚染土層を含む地盤での基礎杭の構築方法 - Google Patents

汚染土層を含む地盤での基礎杭の構築方法 Download PDF

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Abstract

【課題】汚染土層がある地盤での杭穴掘削を安全でかつ効率化させる。【解決手段】掘削ロッド1の掘削ヘッド5で、厚さH0の汚染土層12を貫通するまで掘削し、汚染土層12の端面12a(杭穴壁)を練り付けドラム2により泥土を練り付けて端面12aに膜を形成しながら(b、c)、不透水層13の途中まで掘削する(H0+α。d)。ここまで掘削が完了したならば、いったん掘削ロッド1を地上に引き上げ、上部杭穴21を形成する(e)。上部杭穴21内の汚染土が含まれた掘削土35を釜場ピット36に排出して、掘削土35に不溶化セメントを混入して不溶化処理をして安全に排出する。続いて、掘削ロッド1を上部杭穴21の底21aから再度杭穴を掘削して、地面1からH1の深さにある支持層15まで掘削して、杭穴内に既製杭を埋設して基礎杭を構築する。【選択図】図1

Description

本発明は、汚染土層を含む地盤において、地面から杭穴を掘削して、既製杭や鉄筋かごなどの構造体を埋設する汚染土層を含む地盤での基礎杭の構築方法に関する。
油分などで汚染された汚染層がある場合、通常の敷地とは異なる汚染物質を排出させない工事が求められる。汚染範囲の平面(深さに寄らず)から排出される掘削土は、総て汚染土とされ、通常の産業廃棄物(セメントミルクなどが含まれた掘削土)とは分離され、厳密な処理が求められている。
汚染範囲の施工では、例えば、施工装置で、汚染層の底付近まで洗浄材を地盤に投入しつつ掘削・撹拌して(洗浄材混合工程)、続いて、汚染層の底付近から施工装置から水を吐出して油分を地盤表面に浮上させ(洗浄工程)、施工装置を引き上げて、固化杭を造成する工法が提案されている(特許文献1)。この場合、洗浄材としては、油分に作用し、吸着、分解あるいは不溶性の油を溶解できるミセルを形成できるもので、石鹸類、界面活性材、アルカリ材などのビルダー、酵素、アルカリ分を含む灰汁などが挙げられ、これらを単独又は2種以上を混合して使用することができるとしている。
また、汚染土壌を含む汚染土層の下の地層までケーシングを圧入して、ケーシング内の土砂を排土し、ケーシング内に充填材を充填して杭を施工し、その後ケーシングを引き抜く杭施工方法が提案されている(特許文献2)。この場合、ケーシングの下端は汚染土層の下方のシルト層に達するようにして、また、ケーシング内の汚染土壌の土砂を含む土砂は、スクリューロッドで地表面まで排土し、廃棄物として適正に処理される。
特開2002−192142号公報 特開2012−112163号公報
前記第1の技術では、掘削した穴内の油分は処理できるが、穴壁から穴内に浸み出る油分を考慮できなかった。また、第2の方法では、ケーシング内の汚染土を含む土砂を地上まで完全に排土するためには時間を要し、また工夫も必要であった。また、シルト層が比較的深い場合ケーシングの引き抜きのための装置(回転装置や反力を取る重機など)が巨大化して、コストを要していた。
本発明は、汚染土層を含む地盤で一旦、汚染土層を貫通する深さまで上部杭穴を形成して、上部杭穴内の汚染土を排出してから、上部杭穴に続いて杭穴を掘削するので、前記問題点を解決した。
即ちこの発明は、地表付近に汚染土層を有する地盤に基礎杭を構築するに際し、以下のようにして掘削することを特徴とする汚染土層を含む地盤での基礎杭の構築方法である。
(1) 地上から下端部に掘削刃を備えた掘削ロッドで、水または掘削液を注入して掘削しながら前記汚染土層の杭穴壁を練り付けて、前記掘削ロッドの前記掘削刃が、前記汚染土層を貫通したならば上部杭穴を形成して、一旦掘削を停止して、前記掘削ロッドを地上に引き上げる。
(2) 前記掘削ロッド使って前記(1)の工程と同時に、あるいは別の手段を使って、前記上部杭穴内の汚染土を含んだ掘削残土を地上に排出する。
(3) 前記掘削ロッドまたは他の掘削ロッドの先端側を前記上部杭穴内に挿入して、掘削液や水などを前記杭穴内に注入して前記汚染土層の杭穴壁を練り付けながら、さらに下方に向けて掘削する。
(4) 前記掘削ロッドにより所定の深さまで掘削をして杭穴を構築して、前記掘削ロッドを地上に引き上げる。
(5) 前記掘削ロッドを地上に引き上げながら、あるいは前記掘削ロッドを地上に引き上げた後に、前記杭穴内に水硬性材料を投入すると共に構造物を埋設して基礎杭を構築する。
また、前記において、以下のようにして掘削することを特徴とする汚染土層を含む地盤での基礎杭の構築方法である。
(1) 不透水系地層の上に汚染土層が形成された地盤で、掘削ロッドの掘削刃が、前記汚染土層を貫通して、前記不透水系地層に至ったならば、上部杭穴を形成して、一旦掘削を停止して、前記掘削ロッドを地上に引き上げ、前記上部杭穴内の掘削残土を前記上部杭穴から排出する。
また、前記において、以下のようにして掘削することを特徴とする汚染土層を含む地盤での基礎杭の構築方法である。
(1) 予め現場敷地内または近接敷地に、釜場ピットを形成する。
(2) 上部杭穴を形成したならば、前記上部杭穴内の掘削残土を地上に排出すると共に、前記釜場ピット内に移動する。
(3) 前記釜場ピット内に不溶化材料を投入して、前記掘削残土に不溶化処理を施しマッドケーキとして、前記マッドケーキを前記釜場ピットから排出する。
さらに、前記において、掘削ロッドは、掘削ヘッドの直上に練り付けドラムを形成した汚染土層を含む地盤での基礎杭の構築方法である。
前記における汚染土層とは、例えば、土壌中の汚染物質(重金属、有機溶媒、農薬、油など、自然環境や人の健康・生活に影響がある物質)がある程度含まれている土壌の層をいう。
前記における不透水系地層とは、岩石・地層中のすきまが小さく透水性のよくない地層や岩盤を意味する。
前記における水硬性材料とは、通常は各種濃度のセメントミルクやコンクリートを指すが、セメントミルクと同等の材料をも含む。
この発明は、杭穴掘削が汚染土層を貫通して不透水層に至った後、いったん掘削ロッドを地上に引き上げて、掘削穴内を洗浄して、再度掘削を継続し、かつ掘削ロッドの練り付け手段で汚染土層貫通部分を練り付けるので、汚染土層を掘削した掘削ロッドを地上で洗浄することができ、練り付けられた汚染土層から杭穴内に汚染土の成分が入り込むことを防止できる。したがって、簡易な方法でかつ確実に、汚染土層の成分を除外した杭穴を掘削して、基礎杭を構築できる。
(a)〜(e)この発明の基礎杭の構築方法を示す縦断面図で、上部杭穴の構築までの工程を示す。 (a)〜(f)はこの発明の基礎杭の構築方法を示す縦断面図で、杭穴の掘削完了までの工程を示す。 (a)〜(c)この発明の基礎杭の構築方法を示す縦断面図で、既製杭の埋設工程を示す。
1.施工地盤
(1) 基礎杭を構築する地盤は、地面(地表)11から厚さH0の汚染土層12があり、汚染土層12の下に連続して、シルト層(不透水層)12が形成されている(図1(a))。H0は例えば、5.5m程度であり、汚染層12内の汚染物質により周辺の地盤が汚染層12となり、シルト層13によりさらに下方への汚染は留まっている。シルト層13のさらに下方に、中間層14を経て、先端支持杭を支持できる固い支持層(支持地盤)15が形成されている。
(2) 汚染層12とは、上記のように、土壌中に、重金属などが含まれている状態の土壌をいう。
事前調査では、通常の法定の内容で行う。例えば、現場敷地内を所定の範囲(例えば8m角)のグリッドに分けて、ボーリング調査をして、通常基準値以上の汚染物質が含まれている平面と深さの情報を入手する。汚染範囲に認定して、特に、鉛(Pb)、砒素(As)、シアン(CN)、フッ素(F)などの土壌溶出量や土壌含有量を確認する。
2.掘削ロッド1
(1) この発明の実施に使用する掘削ロッド1は、所定長さの単位ロッドを上下につなぎ、最下端に掘削ヘッド5を連結して構成される(図1(a))。単位ロッドは、掘削する掘削穴径に応じた練り付けドラム2、2、撹拌バー4、4を備えてある。また、掘削ヘッド5は、単位ロッドの下端に連結する連結部を有するヘッド本体6の下端に固定掘削刃7、7を備え、かつヘッド本体6に揺動軸廻りに揺動する掘削腕8、8の基端を取り付けてある。また、各掘削腕8の先端には移動掘削刃9、9を取り付けてある(図1(a))。
(2) 練り付けドラム2は、掘削する杭穴壁の形状に沿って杭穴壁を練り付けできる局面(外に向けて凸)を備える練り付け板や、縦方向(鉛直方向)の練り付けバー(棒材を縦に配置した構造)などの練り付け手段3、3を有する形状で、分割した樽状の構造とすることもできる。
また、掘削ヘッド5のヘッド本体6の下端(または上端)に吐出口を備えてある(図示していない)。地上11のプラントや貯水層から水や掘削液(ベントナイト液)などを掘削ロッド(単位ロッド)1内の液路に供給して、吐出口から杭穴20内に注入できるようになっている。
また、掘削ヘッド5は、掘削ロッド1の同じ回転方向で(掘削腕8は同じ揺動方向で)、ストッパーを操作して、掘削腕8、8の揺動角度を軸部掘削モード(揺動角度小)と拡底部掘削モード(揺動角度大)とを切り替えることができるようになっている。したがって、杭穴20の軸部22(小径)と拡底部23(大径)との掘削ができるようになっている。なお、掘削腕8の揺動方向(掘削ロッド1の回転方向)を切り替えて、揺動方向により揺動角度を変えることもできる(図示していない)。また、2種類の掘削径を切替ることが望ましいが、他の構造の掘削ヘッド5とすることもできる(図示していない)。
3.基礎杭40の構築方法
(1) 現場敷地内または近接した敷地に、基礎杭の構築に支障の無い位置で、地面11に穴を掘り、汚染土を処理する釜場ピット36を形成する(図1(e))。釜場ピット36の大きさは、任意であるが、少なくとも上部杭穴21の体積程度を確保することが望ましい。また、釜場ピット36は汚染土層が無い、あるいは比較的汚染されていない地面11に形成することが望ましい。、また必要ならば、釜場ピット37の内面を防水シートなどで覆うことが望ましい。また、釜場ピット36は複数ヶ所に形成することが望ましい。
(2) 杭穴の掘削における深度毎の杭穴の掘削径、掘削ロッド1の回転数、掘削ロッド1の回転に要した電流値や負荷電流値などの動力の情報、水や掘削液などの注入量などを記録しながら、掘削を進める。また、この際、深さ毎の掘削ロッド1の回転に要した電流値や負荷電流値などの杭打ち機の動力の情報は、ボーリング調査により算出した深度毎のN値とは親和性が高いので、対比しながら掘削を進める。
(3) 掘削ロッド1を杭打ち機(図示していない)に装着して、掘削ロッド1を正回転すると掘削腕6が一方向に揺動して開き、掘削腕8、8の移動掘削刃9とヘッド本体6の固定掘削刃7、7とで、杭穴20の軸部径で、地面11から掘削を開始する(図1(a)(b))。
地面11付近には、汚染土層12があり、地面11から汚染土層12を貫通して(図1(c))、シルト層13に至り多少シルト層13内を掘削した時点で(地面11から深さH0+α)、いったん掘削ロッド1の回転を停止して(図1(d))、掘削ロッド1(掘削ヘッド5も)を地面11上に引き上げ、上部杭穴21の掘削を完了する(図1(e))。すなわち、下部杭穴21の底21aはシルト層13内に位置する。
上部杭穴21の掘削に際して、掘削ヘッド5のヘッド本体6の下端の吐出口から水を注水する。これにより、上部杭穴21の杭穴壁は練り付けドラム2などで泥土が練り付けられ、杭穴壁(汚染土層12の端面12a)には泥土による膜ができて、杭穴壁(汚染土層12の端面12a)から汚染土層12内の水分が上部杭穴21内にしみ出ることを防止できる。
また、引き上げた掘削ロッド1の下部(掘削ヘッド5部分など)で、汚染土層の掘削に関わった部分を、地面11上で、清掃あるいは洗浄することもできる。
(4) 続いて、上部杭穴21内にある掘削土35(汚染土、一部シルト分を含む)を上部杭穴21から地面11上に排出し、そのまま掘削土35は釜場ピット36に移動する(図1(e))。上部杭穴21から掘削土35を排出する作業は、地面11に近い浅い部分にあるので(上部掘削穴21が浅いので)、重機(油圧ショベル、パワーショベル、バックホーなど)により、あるいは、いわゆる場所打ち杭の施工で使用するバケットを使うことにより排出することができる。また、必要ならば、続いて、上部杭穴21内に注水して洗浄する。
この状態で、上部杭穴21内から汚染土はほぼ排出されている。
(5) また、この際、上部杭穴21から排出した掘削土(汚染土)35などは、以下のように、釜場ピット36内で不溶化処理をする(図1(e))。
この現場の掘削土(汚染土)で、どのくらいの水を注入し、どのくらいの分量の不溶化セメントを注入すれば、最適な(比重、排出に必要な硬さ・まとまりや強度など)マッドケーキ(不溶化残土)となるか、まとまった(かたまった)マッドケーキ(不溶化残土)から汚染物質の溶出は無いかなどを、予め試験により確認しておくことが望ましい。
掘削土は、掘削ロッドの練り付けドラムや撹拌バーにより充分に撹拌され、注入した水分量が管理されているので、上記試験結果に基づき必要な量の不溶化セメントと水を釜場ピット内の掘削土に投入して撹拌混合する。さらにこの実際に形成したマッドケーキ(不溶化残土)から一部を試料として取り出し、汚染物質の溶出は無いかどうかを確認をする。
前記予めの試験結果が出る前に現場の施工が行われる場合もあり、この場合には、試験結果が出るまでは、やや多めの不溶化セメントを投入しておくことが望ましい。
安全が確認されたマッドケーキ(不溶化残土)は、通常の方法により(ダンプなどにより)、汚染土を含む産業廃棄物として処理する。
なお、不溶化セメントは事前調査の結論に応じて、含有汚染物質に対応して、市販の材料を使用する。
(6) 続いて、上部杭穴21内の掘削土35が排出されたならば(上記(5)の不溶化処理が完了する前であっても良い)、上部杭穴21内に再度掘削ロッド1(掘削ヘッド5)を挿入して(図2(a))、掘削ロッド1を回転して、同様に掘削ヘッド5の掘削腕8、8を揺動して開き、軸部径で上部杭穴21の底21a(シルト層にある)から引き続き、シルト層13、中間層14で、杭穴20の軸部22を掘削する(図2(b))。この際、同様に、掘削ヘッド5の下端の吐出口から水を注入して、同様に杭穴壁に練り付けドラム2、2で泥土を練り付けながら掘削をするので、上部杭穴21の杭穴壁(端面21a)は絶えず練り付けドラム2、2で泥土が練り付けるので、杭穴壁(端面21a)の膜は強化され、上部杭穴21の杭穴壁(端面21a)から汚染土層12内の汚染物質を含んだ水分が、杭穴20内に入り込むことを確実に防止できる。
(7) 杭穴20の軸部22が支持層15に達したならば(深さH1)、掘削ヘッド5(掘削ロッド1)を拡大掘削モードにして、掘削ヘッド5の掘削腕8、8を杭穴の軸部の掘削時よりも大きく揺動させて、掘削腕8、8は大きな揺動角度を維持して杭穴20の軸部22より大径の杭穴20の拡底部23を掘削する(図2(c))。所定の深さ(深さH1〜深さH2)まで杭穴20の拡底部23を掘削したならば(図2(d))、杭穴20の底24(杭穴の拡底部23の底24)に掘削ヘッド5を位置させる(図2(d))。
あるいは、杭穴20の軸部22が支持層15に達したならば(深さH1)、引き続き支持層15内を同じ軸部径で掘削して、所定の深さ(H2)まで掘削したならば(図示していない)、掘削ロッド1を拡大掘削モードにして、掘削ヘッド5の掘削腕8、8を大きな揺動角度で揺動させると、掘削腕8、8は大きな揺動角度を維持して軸部径より大径で、軸部径の杭穴の杭壁を削ぐように拡大して所定の深さ(H1付近〜H2)に杭穴20の拡底部23を形成する(図2(d))。所定の深さまで杭穴20の拡底部23を掘削したならば、同様に杭穴20の底24(杭穴20の拡底部23の底24)に掘削ヘッド5を位置させる(図2(d))。
(8) 杭穴20の底24(杭穴20の拡底部23の底24)に掘削ヘッド5を位置させた状態で(図2(d))、杭穴20(上部杭穴21、軸部22、拡底部23)内は水で満ちている(図2(d))。
杭穴20の底24(杭穴20の拡底部23の底24)から掘削ヘッド5の吐出口からセメントミルクを杭穴20(拡底部23)内に注入する。このセメントミルクに使用するセメントは不溶化セメントを使用したもので、地上から供給する(以下、同じ)。通常、セメントミルクは水や掘削泥土より比重が大きいので、セメントミルク28は杭穴20の底24から溜まり、水や掘削泥土と置換され、水や掘削泥土は上方に上がり、杭穴20の開口(地面11上)で徐々にあふれるので、これを地面11上で回収する。
続いて、掘削ヘッド5の吐出口からセメントミルクを杭穴20の軸部22内に注入しながら(図2(e))、掘削ロッド(掘削ヘッド)を地上に引き上げる(図示していない)。したがって、水や掘削泥土は掘削ヘッド5とともに地面11に向けて上昇する。同様に地面11上にあふれた水や掘削泥土を地上11で回収し、掘削ロッド1(掘削ヘッド5)を地面11上に引き上げ、杭穴20内はセメントミルク28で満たされた状態になり、杭穴20の掘削が完了する(図2(f))。なお、上部杭穴21は、杭穴の軸部22に含められている。
この状態で、汚染土層12の深さ(高さ。上部杭穴21付近)で、汚染土層12の杭穴壁(端面21a)は前記のように練り付けられており、汚染土層12から杭穴20内(セメントミルク28内)へ、汚染土層の汚染物質を含んだ水分が入り込むことを防止できる。
また、この場合、注入するセメントミルク28は、基礎杭に必要とされる荷重(支持力)に応じて、通常の基礎杭の構築で使用する材料を、選択して使用することができる(図示していない)。
(9) 続いて、杭穴(セメントミルク28で満たされている)20内に、既製杭31を下降させる(図3(a))。この際、所定長さの単位既製杭を上下につなぎながら、必要ならば回転をしながら、連結して既製杭31を埋設する。通常は、最下端の単位既製杭は、外表面に環状突起を備えたいわゆる節杭32として、それ以外(上部)は外表面に突起の無い、いわゆるストレート杭33、33を使用する(図3((a)(b))。
また、上記既製杭31(節杭32、ストレート杭33、33)の下降に伴い、杭穴20内のセメントミルク28は杭穴20の開口(地面11付近)からあふれるので、通常の方法により地上であふれたセメントミルク28を回収して処理する。
既製杭31の先端が杭穴20の底24付近(拡底部23内)に至った状態で、地面11付近で既製杭31の全体を保持し、セメントミルク28が固化した状態で、この発明の基礎杭40を構築する(図3(c))。
この状態で、汚染土層12を杭穴20(上部杭穴21)で貫通した部分には、固化したセメントミルクで円柱状の蓋がされた状態となるので、前記端面12a泥土の膜と併せて、汚染土層12から杭穴20内(固化セメントミルク内)へ、汚染土層12の汚染物質を含んだ水分が混入するおそれはない。
(10) 前記において、杭穴20内から地面11上にあふれた水やセメントミルク(図3(a)(b))は釜場ピット36に移して、上部杭穴21の場合と同様に不溶化処理を行い、安全性を確認して、敷地外へ排出する。この際、セメントミルクには不溶化セメントから形成されているので、そのまままとめることができるが、さらに不溶化セメントを追加して投入することもできる。
また、同時にこのセメントミルク28固化強度が所定の条件を満たしていることを確認することもできる。
また、杭穴20の掘削が完了した状態で(図2(d))、杭穴20内の水の成分を採取して(主に地上11付近や、汚染土層12の深さ付近)、この水を分析して、汚染物質が全く混入されていなければ、その後投入するセメントミルクは、不溶化セメントを用いることなく、この工法に使用される通常のセメントを使用することもできる。また、特定の汚染物質用の中和剤を混入することもできる。
4.他の実施形態
(1) 前記実施形態において、掘削ヘッド5のヘッド本体6に練り付けドラム2と同等の機能を有する練り付け面を備えた構造とすることもできる(図示していない)。また、掘削腕8に移動掘削刃9とともに、練り付けドラム2と同等の機能を有する練り付け面を備えた構造とすることもできる(図示していない)。このような構造とすれば、掘削ヘッド5でさらに汚染土層12の端面12aをはじめ杭穴の軸部22や拡底部23の練り付けを確実に行うことができる。
(2) また、前記実施形態において、杭穴20内に水を注入しなが杭穴20(上部杭穴21、軸部22、拡底部23)掘削をしたが、水に代えて、掘削液(ベントナイト溶液)を使うこともできる。
また、汚染土層の端面からの杭穴内に浸み出しのおそれがある場合には、水に、汚染土層12の汚染物質を中和(例えば、化学的に)できる成分や、不溶化剤(汚染土の汚染成分を含めて全体を水に溶けないような半固体にさせることができる)を混ぜた水を使うこともできる、
(3) また、前記実施形態において、下部杭穴21からの掘削土(汚染土を含む)を重機などで排出して、釜場ピットに移動したが、練り付け機能と排土機能(スパイラルなど)を備えた掘削ロッドを使用すれば(図示していない)、掘削土の全部または一部をこの掘削ロッドを使って、地面1上に排出することもできる。
(4) また、前記実施形態において、下部杭穴21を掘削する際に使用する掘削ロッド1と、引き上げた後に軸部杭穴21より下方を掘削する掘削ロッド1とを使い分けることもできる。例えば、下部杭穴21を掘削専用の掘削ロッド1を練り付け機能と排土機能のある掘削ロッドとして、かつ掘削ヘッド5に汚染物質が付着するおそれもあるので、常にこの掘削ロッドを下部杭穴21の掘削に使用すれば、異なる杭穴を並列して掘削でき、作業効率を高めることもできる(図示していない)。
(5) 前記実施形態において、掘削が完了した杭穴20内に不溶化セメントを用いたセメントミルクを注入して、構造体として既製杭40を埋設したが、杭穴20内に構造体として鉄筋かごを挿入して、水硬性材料として不溶化セメントを使用したコンクリートを注入して、いわゆる場所打ち杭を構成することもできる(図示していない)。この場合もコンクリートは、不溶化セメント以外のセメントを使用することもできる。
(6) 前記実施態様において、単位既製杭で、最下端を節杭32として、他をストレート杭33としたが、基礎杭40が負担する荷重(支持力)に応じて、単位既製杭は任意に選択して、実施することができる(図示していない)。また、掘削する杭穴20の構造も、基礎杭40が負担する荷重(支持力)に応じて、拡底部23を形成しないなど任意である(図示していない)。
1 掘削ロッド
2 練り付けドラム(掘削ロッド)
3 練り付け手段(練り付けドラム)
4 撹拌手段(撹拌バー)
5 掘削ヘッド(掘削ロッド)
6 ヘッド本体(掘削ヘッド)
7 固定掘削刃(掘削ヘッド)
8 掘削腕(掘削ヘッド)
9 移動掘削刃(掘削ヘッド)
11 地面
12 汚染土層
12a 汚染土層の端面(杭穴壁)
13 シルト層
14 中間層
15 支持層
20 杭穴
21 上部杭穴
21a 上部杭穴の底
22 杭穴の軸部
23 杭穴の拡底部
24 杭穴の底
28 セメントミルク
31 既製杭
32 節杭(既製杭)
33 ストレート杭(既製杭)
35 上部杭穴の掘削土
36 釜場ピット
40 基礎杭

Claims (4)

  1. 地表付近に汚染土層を有する地盤に基礎杭を構築するに際し、以下のようにして掘削することを特徴とする汚染土層を含む地盤での基礎杭の構築方法。
    (1) 地上から下端部に掘削刃を備えた掘削ロッドで、水または掘削液を注入して掘削しながら前記汚染土層の杭穴壁を練り付けて、前記掘削ロッドの前記掘削刃が、前記汚染土層を貫通したならば上部杭穴を形成して、一旦掘削を停止して、前記掘削ロッドを地上に引き上げる。
    (2) 前記掘削ロッド使って前記(1)の工程と同時に、あるいは別の手段を使って、前記上部杭穴内の汚染土を含んだ掘削残土を地上に排出する。
    (3) 前記掘削ロッドまたは他の掘削ロッドの先端側を前記上部杭穴内に挿入して、掘削液や水などを前記杭穴内に注入して前記汚染土層の杭穴壁を練り付けながら、さらに下方に向けて掘削する。
    (4) 前記掘削ロッドにより所定の深さまで掘削をして杭穴を構築して、前記掘削ロッドを地上に引き上げる。
    (5) 前記掘削ロッドを地上に引き上げながら、あるいは前記掘削ロッドを地上に引き上げた後に、前記杭穴内に水硬性材料を投入すると共に構造物を埋設して基礎杭を構築する。
  2. 以下のようにして掘削することを特徴とする請求項1記載の汚染土層を含む地盤での基礎杭の構築方法。
    (1) 不透水系地層の上に汚染土層が形成された地盤で、掘削ロッドの掘削刃が、前記汚染土層を貫通して、前記不透水系地層に至ったならば、上部杭穴を形成して、一旦掘削を停止して、前記掘削ロッドを地上に引き上げ、前記上部杭穴内の掘削残土を前記上部杭穴から排出する。
  3. 以下のようにして掘削することを特徴とする請求項1記載の汚染土層を含む地盤での基礎杭の構築方法。
    (1) 予め現場敷地内または近接敷地に、釜場ピットを形成する。
    (2) 上部杭穴を形成したならば、前記上部杭穴内の掘削残土を地上に排出すると共に、前記釜場ピット内に移動する。
    (3) 前記釜場ピット内に不溶化材料を投入して、前記掘削残土に不溶化処理を施しマッドケーキとして、前記マッドケーキを前記釜場ピットから排出する。
  4. 掘削ロッドは、掘削ヘッドの直上に練り付けドラムを形成した請求項1記載の汚染土層を含む地盤での基礎杭の構築方法。
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