JP2019080544A - コンバイン - Google Patents

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鷹人 村瀬
Takahito Murase
鷹人 村瀬
大器 栗原
Daiki Kurihara
大器 栗原
正司 中井
Masaji Nakai
正司 中井
山本 次郎
Jiro Yamamoto
次郎 山本
雅博 黒河
Masahiro Kurokawa
雅博 黒河
渡部 寛樹
Hiroki Watabe
寛樹 渡部
二神 伸
Shin Futagami
伸 二神
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Abstract

【課題】排気ガスの浄化装置の過剰な温度上昇を抑制し、浄化装置の浄化効率を向上させることができるコンバインを提供する。【解決手段】脱穀装置(4)とグレンタンク(7)の左右方向での間に、エンジンから排出される排気ガス中の不純物を浄化する第1浄化装置(12)を設置し、この第1浄化装置(12)とグレンタンク(7)の間に窒素酸化物を浄化する第2浄化装置(14)を並設し、操縦部(5)を覆うキャビン(40)の後壁に、操縦部(5)に設けられた空調装置に備えるコンデンサを冷却する冷却ファン(42)を設け、第2浄化装置(14)を冷却ファン(42)の後側に臨ませ、第2浄化装置(14)の表面温度が第1の閾値温度(T1)以上になった場合に、冷却ファン(42)の回転速度を増加させる。【選択図】図10

Description

本発明は、排気浄化装置を備えたコンバインに関するものである。
従来のコンバインでは、脱穀装置の右壁上部とグレンタンクの左壁の切欠き部の間に形成された空間に、排気浄化装置を設ける技術が知られている。(特許文献1)
特開2016−185128号公報
しかし、特許文献1の技術では、脱穀装置とグレンタンクの間の空間に高温になる排気浄化装置を搭載するので、その周囲に熱気が滞留し、排気浄化装置の浄化効率が低下する問題があった。
そこで、本発明の課題は、排気ガスの浄化装置の過剰な温度上昇を抑制し、浄化装置の浄化効率を向上させることができるコンバインを提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
すなわち、請求項1記載の発明は、機体フレーム(1)の前側に穀稈を収穫する刈取前処理装置(3)を設け、該刈取前処理装置(3)の後方左側に収穫された穀稈を脱穀・選別処理する脱穀装置(4)を設け、前記刈取前処理装置(3)の後方右側に操縦者が搭乗する操縦部(5)を設け、該操縦部(5)の下側にエンジンを搭載するエンジンルーム(6)を設け、該エンジンルーム(6)の後側に脱穀・選別処理された穀粒を貯留するグレンタンク(7)を設けたコンバインにおいて、前記脱穀装置(4)と前記グレンタンク(7)の左右方向での間に、前記エンジンから排出される排気ガス中の不純物を浄化する第1浄化装置(12)を設置し、この第1浄化装置(12)とグレンタンク(7)の間に窒素酸化物を浄化する第2浄化装置(14)を並設し、前記操縦部(5)を覆うキャビン(40)の後壁に、前記操縦部(5)に設けられた空調装置に備えるコンデンサを冷却する冷却ファン(42)を設け、前記第2浄化装置(14)を冷却ファン(42)の後側に臨ませ、前記第2浄化装置(14)の表面温度が第1の閾値温度(T1)以上になった場合に、前記冷却ファン(42)の回転速度を増加させることを特徴とするコンバインである。
請求項2記載の発明は、前記空調装置が作動しているときには、前記第2浄化装置(14)の表面温度が前記第1の閾値温度(T1)よりも低い温度である第2の閾値温度(T2)以上になった場合に前記冷却ファン(42)の回転速度を増加させる請求項1に記載のコンバインである。
請求項3記載の発明は、前記第2浄化装置(14)の表面温度が第1の閾値温度(T1)以上になった場合に、前記空調装置の作動状態とは無関係に前記冷却ファン(42)を駆動する請求項1または請求項2に記載のコンバインである。
請求項1記載の発明によれば、第2浄化装置(14)の表面温度が第1の閾値温度(T1)以上になった場合に、冷却ファン(42)の回転速度を増加させるので、第2浄化装置(14)の過剰な温度上昇を防止して、窒素酸化物等の浄化効率の低下を防止することができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1に記載の発明による効果に加えて、空調装置が作動しているときには、第2浄化装置(14)の表面温度が第1の閾値温度(T1)よりも低い温度である第2の閾値温度(T2)以上になった場合に前記冷却ファン(42)の回転速度を増加させるので、第2浄化装置(14)の浄化効率を高く維持することができる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明による効果に加えて、第2浄化装置(14)の表面温度が第1の閾値温度(T1)以上になった場合に、空調装置の作動状態とは無関係に冷却ファン(42)を駆動するので、第2浄化装置(14)の浄化効率を高く維持することができる。
コンバインの平面図である。 コンバインの左側面図である。 浄化装置の正面図である。 浄化装置の前方斜視図である。 浄化装置の後方斜視図である。 グレンタンクと浄化装置フレームを連結するロック部材の正面図である。 浄化装置フレームの後方斜視図である。 浄化装置と冷却ファンの平面図である。 浄化装置と冷却ファンの背面図である。 浄化装置と冷却ファンの右側面図である。 ラジエータカバーに装着する濾過体の説明図である。 燃料タンクの背面図である。
本発明について図面を参照しながら説明する。なお、操縦者から見て、前方を前側、後方を後側、右手側を右側、左手側を左側として便宜的に方向を示して説明する。
図1,2に示すように、汎用コンバインは、機体フレーム1の下側に土壌面を走行する左右一対のクローラからなる走行装置2が設けられ、機体フレーム1の前側に圃場の穀稈を収穫する刈取前処理装置3が設けられ、刈取前処理装置3の後方左側に収穫された穀稈を脱穀・選別処理する脱穀装置4が設けられ、刈取前処理装置3の後方右側に操縦者が搭乗する操縦部5が設けられている。
操縦部5の下部には、エンジンを内装するエンジンルーム6が設けられ、操縦部5の後側には、脱穀・選別処理された穀粒を貯留するグレンタンク7が設けられ、グレンタンク7の後側には、穀粒を外部に排出する排出筒8が設けられている。排出筒8は、グレンタンク7の後下部に連通されて上下方向に延在する縦排出筒と、縦排出筒の上部に連通されて前後方向に延在する横排出筒から形成されている。また、脱穀装置4の下部とグレンタンク7の上部は、脱穀装置4からグレンタンク7に穀粒を搬送する揚穀装置9によって連結されている。
刈取前処理装置3は、圃場の穀稈を起立させながら後側に搬送する搬送装置3Aと、搬送装置3Aの後方下側に搬送された穀稈の株元を切断する刈刃装置3Bと、搬送装置3Aの後方に搬送された穀稈を左側に寄せ集めるオーガ装置3Cと、寄せ集められた穀稈を脱穀装置4に搬送するフィーダハウス3Dから構成されている。
図3〜5に示すように、脱穀装置4の扱胴の上側に設けられた扱胴カバー60は、脱穀装置4の左壁4Aの上部に設けられた前後方向に延在する支軸61に回転自在に支持されている。これにより、扱胴カバー60を支軸61を中心に回動させて扱胴の上側に大きな空間を形成することにより扱胴等のメンテナンスを容易に行うことができる。また、扱胴カバー60の右下部に設けられた右側に向かって延在する延在部62は、脱穀装置4の右壁4Bの上部に設けられた前後方向に向かって延在する脱穀装置フレーム63に着脱自在に固定されている。
操縦部5の後部には、左右方向に向かって延在する操縦席フレーム50が設けられている。操縦席フレーム50の左部は、上下方向に向かって延在する連結部材51を介して、機体フレーム1の前部における左右方向の中間部位に設けられた逆U字形状の左側フレーム52に連結されている。また、操縦席フレーム50の右部は、上下方向に向かって延在する連結部材53を介して、機体フレーム1の前部における左右方向の右部に設けられた逆U字形状の右側フレーム54に連結されている。
エンジンルーム6に内装されたエンジン(図示省略)の排気口には、エンジンで燃焼された排気ガスを外部に排気する排気管10が接続されている。
排気管10には、浄化装置が接続されている。浄化装置は、排気ガス中の不純物を浄化する排気浄化装置(DPF、請求項における「第1浄化装置」)12と排気浄化装置12から排気される排気ガス中の窒素酸化物を浄化する尿素浄化装置(SCR、請求項における第2浄化装置)14等から形成され、排気浄化装置12と尿素浄化装置14の長手方向を機体の前後方向に向けて配置している。なお、排気浄化装置12には、上流側の酸化触媒(DOC)と下流側のパティキュレートフィルタ(DPF)が内装されている。
エンジンの排気口と排気浄化装置12の吸気口は、可撓性の排気管11で接続され、排気浄化装置12の排気口と尿素浄化装置14の吸気口は、可撓性の排気管13で接続され、尿素浄化装置14の排気口には可撓性の排気管15が接続されている。また、排気管13の後部には、排気管13を介して尿素浄化装置14に尿素水を噴射する弁である噴射装置17が接続され、噴射装置17には、可撓性の接続管を介して尿素水を圧送するポンプである供給装置(図示省略)が接続され、供給装置には可撓性の接続管を介して尿素水を貯留する尿素水タンク(図示省略)が接続されている。
排気管15は、尿素浄化装置14の排気口から上側に向かって延在してグレンタンク7の左壁7Aに形成された切欠き部Sの上側傾斜壁32の近傍に至った後、左側に向かって略90度屈曲して揚穀装置9の前側を左側に向かって延在した後、後側に向かって略90度屈曲して揚穀装置9の左側を通って後側に向かって延在している。これにより、支軸61を中心として扱胴カバー60を容易に回動させることができる。また、排気管15は、揚穀装置9の前部に設けられたステー(図示省略)を介して揚穀装置9に着脱自在に固定されている。これにより、排気管15を所定の姿勢で容易に維持すことができる。
排気浄化装置12と尿素浄化装置14は、取付プレート16を介して浄化装置フレーム20に固定されている。なお、正面視において、排気浄化装置12は、取付プレート16の左部に固定され、尿素浄化装置14は、取付プレート16の右部に固定されている。
図6,7に示すように、浄化装置フレーム20は、左右方向に向かって延在する第1左右フレーム21と、第1左右フレーム21の後側に設けられた左右方向に向かって延在する第2左右フレーム22と、第2左右フレーム22の後側に設けられた左右方向に向かって延在する第3左右フレーム23と、前後方向に向かって延在する第1前後フレーム24と、第1前後フレーム24の右側に設けられた前後方向に向かって延在する第2前後フレーム25から形成されている。また、第1左右フレーム21の右部の後面と第2前後フレーム25の前部の左面はプレート21Bで連結され、第2左右フレーム22の中間部の前面と第2前後フレーム25の後部の左面はプレート22Aで連結されている。なお、本明細書では、第1左右フレーム21と、第2左右フレーム22と、第3左右フレーム23を総称して左右フレームAと言い、第1前後フレーム24と、第2前後フレーム25を総称して前後フレームBと言う。
第1左右フレーム21の左部の後面と、第2左右フレーム22の左部の左面と、第3左右フレーム23の左部の左面は、それぞれ第1前後フレーム24に連結されている。第1左右フレーム21の右部の後面と、第2左右フレーム22の中間部の前面は、それぞれ第2前後フレーム25に連結されている。また、第1左右フレーム21の下面と、第2左右フレーム22の下面と、第3左右フレーム23の下面と、第1前後フレーム24の下面と、第2前後フレーム25の下面は、上下方向において同一位置に設けられている。これにより、エンジンルーム6に設けられた浄化装置フレーム20の下方への出張りを小さくして、エンジンルーム6に大きな空間を形成することができる。
第2左右フレーム22の左部の後面と、第3左右フレーム23の左部の前面は、前後方向に向かって延在する第1補強フレーム26に連結され、第2左右フレーム22の右部の後面と、第3左右フレーム23の右部の前面は、前後方向に向かって延在する第2補強フレーム27に連結されている。また、第2左右フレーム22の下面と、第3左右フレーム23の下面と、第1補強フレーム26の下面と、第2補強フレーム27の下面は、上下方向において同一位置に設けられている。これにより、浄化装置フレーム20の変形を防止して、エンジンルーム6に設けられた浄化装置フレーム20の下方への出張りをより小さくして、エンジンルーム6により大きな空間を形成することができる。
第1補強フレーム26の上面と第2補強フレーム27の上面には、取付プレート16の固定時に使用する開口部が形成されている。また、第2前後フレーム25の延長線上に位置する第2左右フレーム22の後面と第3左右フレーム23の前面は、前後方向に向かって延在する第3補強フレーム28に連結されている。これにより、浄化装置フレーム20の変形をさらに防止することができる。
第1左右フレーム21の前面には、浄化装置フレーム20を操縦席フレーム50の上面に連結する左右一対の前側ステー21Aが設けられている。第1前後フレーム24の後部の左面には、浄化装置フレーム20を脱穀装置フレーム60の上面に連結する左側ステー24Aが設けられている。これにより、操縦席フレーム50と脱穀装置フレーム60に、浄化装置フレーム20を強固に連結して固定することができる。
第1左右フレーム21の下面における第2前後フレーム25の近傍部位は、上下方向に向かって延在する第1連結部材55を介して機体フレーム1に連結され、第3左右フレーム23の下面における第3補強フレーム28の近傍部位は、左下り傾斜に設けられた第2連結部材56を介して脱穀装置4の右壁4Bに連結され、左側ステー24Aの下面における前後方向の中間部は、上下方向に向かって延在する第3連結部材57を介して機体フレーム1に連結されている。これにより、操縦席フレーム50と脱穀装置フレーム60に、浄化装置フレーム20をさらに強固に連結でき、浄化装置フレーム20の変形をより防止することができる。
尿素浄化装置14に対向するグレンタンク7の左壁7Aには、前側と左側に開口部を有する切欠き部Sが形成されている。これにより、排気浄化装置12と尿素浄化装置14を左右方向に並設して脱穀装置4とグレンタンク7の間に設けることができる。
グレンタンク7の左壁7Aにおける揚穀装置9よりも前側に位置する前部には、正面視において、上側垂直壁31と、上側垂直壁31の下端部から右側に向かって下り傾斜する上側傾斜壁32と、上側傾斜壁32の下端部から下側に向かって延在する中間垂直壁(請求項における「垂直壁」)33と、中間垂直壁33の下端部から左側に向かって下り傾斜する下側傾斜壁34と、下側傾斜壁34の下端部から下側に向かって延在する下側垂直壁35で形成されている。なお、切欠き部Sは、上側傾斜壁32と、中間垂直壁33と、下側傾斜壁34で区画された空間を言う。
上側傾斜壁32は、水平面に対して右側に向かって略45度の下り傾斜角度に形成され、中間垂直壁33は、排出筒8に穀粒を搬送する前後方向に延在する搬送螺旋の上側に形成され、下側傾斜壁34は、水平面に対して左側に向かって略30度の下り傾斜角度に形成されている。これにより、揚穀装置9によってグレンタンク7に搬送された穀粒を効率良く搬送螺旋に漏下させることができる。
グレンタンク7は、グレンタンク7の後側に設けられた支軸を中心として、グレンタンク7の前部を機体フレーム1の右側に移動させた開放状態と、グレンタンク7の前部を機体フレーム1の上側に移動させた収納状態に回動することができる。これにより、排気浄化装置12のフィルター交換作業等を容易に行うことができる。
収納状態のグレンタンク7は、ロック装置70を介して、浄化装置フレーム20における右側前部に設けられた前後方向に延在するピン29に係合されている。これにより、収穫作業時にグレンタンク7が開放状態に移動するのを防止することができる。
ロック装置70は、グレンタンク7の中間垂直部33の前部に設けられた支持部材75の前側に設けられた操作レバー71と、支持部材75の後側に設けられたフック部材72と、操作レバー71の左部とフック部材72の右部を連結する前後方向に延在する丸棒状の連結部材73から構成されている。
操作レバー71の右部は、グレンタンク7の前壁7Cの前側に延在し、連結部材73は、支持部材75に設けられた前後方向に延在するパイプ76に回転自在に内嵌され、フック部材72の左端部は、二又形状に形成されている。これにより、操縦部5とグレンタンク7の間に形成された空間から操作レバー71を操作して、グレンタンク7をロック装置70を介して浄化装置フレーム20に容易に係合することができる。また、浄化装置フレーム20は、機体フレーム1と脱穀装置4に連結されているので、フック部材72とピン29の係合外れを防止することができる。
図8〜10に示すように、操縦部5のキャビン40の後壁の右部には、エンジンに供給される空気内の不純物を除去するプレクリーナ41が設けられ、キャビン40の後壁の幅方向の中央部には、キャビン40内に設けられた空調設備で暖められた冷却媒体を冷却するコンデンサの周辺の空気を後方に排気する冷却ファン42が設けられている。
平面視において、駆動時に表面温度が略550℃に上昇する排気浄化装置12は、冷却ファン42よりも左側に設けられ、駆動時に表面温度が略350℃に上昇する尿素浄化装置14は、冷却ファン42の後側に設けられ、尿素浄化装置14の右部は、冷却ファン42における右側外周部のよりも左側に設けられている。また、背面視において、排気浄化装置12は、冷却ファン42よりも左側に設けられ、尿素浄化装置14は、冷却ファン42の後側に設けられ、尿素浄化装置14の上部は、冷却ファン42における下側外周部よりも上側に設けられている。これにより、冷却ファン42から排風された空気が、尿素浄化装置14の右上部に接触し尿素浄化装置14が過度に高温になることを防止して窒素酸化物を効率良く浄化することができる。一方、冷却ファン42から排風された空気は、排気浄化装置12に直接的には接触しないので、排気浄化装置12は冷却されることなく排気ガス中の不純物を効率良く浄化することができる。
排気浄化装置12と尿素浄化装置14の上側には、カバー45が設けられている。平面視において、排気浄化装置12は、カバー45の下側に設けられ、尿素浄化装置14は、カバー45よりも右側に偏移した位置に設けられ、尿素浄化装置14の左部がカバー45の右端部よりも左側に設けられている。これにより、排藁等の粉塵が排気浄化装置12に接触するのを防止することができる。
背面視において、カバー45は、略山形形状に形成され、カバー45の左部45Bは、左側に向かって緩やかな下り傾斜に形成され、カバー45の右部45Cは、右側に向かって左部よりも急勾配な下り傾斜に形成されている。これにより、粉塵が、カバー45上に堆積するのを防止することができる。なお、カバー45の右部45Cから尿素浄化装置14に落下した粉塵は、冷却ファン42から排風された空気で吹き飛ばされて除去される。
左側面視において、カバー45の前部45Aは、前側に向かって急勾配な下り傾斜に形成され、カバー45の前端部は、冷却ファン42の上下方向の中心部に臨んでいる。これにより、冷却ファン42から排風された空気の一部をカバー45の上側に導くことができ、粉塵が、カバー45上に堆積するのを効率良く防止することができ、また、カバー45が過度に高温になるのを防止することができる。
冷却ファン42の下側に設けられた左右方向に延在する支軸には、後側に向かって延在する板状の送風ガイド46が設けられている。送風ガイド46の後端部は、排気浄化装置12と尿素浄化装置14の温度に応じて上下方向に移動するように構成されている。これにより、排気浄化装置12や尿素浄化装置14の温度に応じて、冷却ファン42から排風された適正量の空気を排気浄化装置12と尿素浄化装置14に向けて送風することができ、排気浄化装置12と尿素浄化装置14の温度管理を効率良く行うことができる。
上述のとおり、エンジンの稼働時には尿素浄化装置14の表面温度は略350℃となる。この表面温度が第1の閾値温度T1(例えば400℃以上)に上昇した場合には、空調設備の作動状況に関わらずコンデンサの冷却ファン42を駆動し、尿素浄化装置14の表面温度を低下させ、尿素浄化装置14の周辺温度を低下させる。
なお、空調設備が作動している場合には、冷却ファン42から尿素浄化装置14の周辺に供給される送風の温度が上昇することを考慮し、前述の第1の閾値温度T1よりも低い第2の閾値温度T2(例えば370℃)で冷却ファン42を作動させることもできる。
また、尿素浄化装置14の表面温度が第2の閾値温度T2となった時点で、既に冷却ファン42が作動している場合、冷却ファン42の回転速度を高くすることもできる。
このように尿素浄化装置14の周辺に冷却ファン42による送風を行う場合、送風ガイド46の風向を、まずカバー45の高さ位置に向かって送風し、次いで上下に移動するように送風することで効果的に尿素浄化装置14を冷却することができる。
また、空調装置が作動していない場合において、一定時間間隔で冷却ファン42を駆動し、カバー45の周辺に向かって送風する。空調装置が作動している場合には、一定時間間隔で、送風ガイド46の風向をカバー45の高さに向けて送風し、その際、冷却ファン42の回転速度を上昇させる。
図11に示すように、エンジンルーム6のラジエータカバー47の外側である右面に、パンチングメタルやネット等から形成された濾過体48を着脱自在に装着している。これにより、ラジエータカバー47から藁屑等の粉塵が付着した濾過体48を取外して容易に清掃することができる。
濾過体48は、ラジエータカバー47にボルト等の締結手段や、マグネット等の磁気手段によって着脱自在に装着することができ、また、濾過体48の四隅には、着脱時に使用する取っ手48Aを設けるのが好ましい。なお、図11では、上下方向の中間に位置する濾過体48の装着方法を便宜的に図示しているが、上側に位置する濾過体48、下側に位置する濾過体48も同様である。
図5に示すように、機体フレーム1は、左右方向に所定の間隔を隔てて前後方向に延在する4本の前後フレーム67A〜67Dが並設されている。また、前後フレーム67A〜67Dの後端部は、左右方向に延在する左右フレーム68で連結されている。より具体的には、左右フレーム68の左端部は、前後フレーム67Aの右面に固定され、左右フレーム68の右端部は、前後フレーム67Dの左面に固定され、左右フレーム68における下面の左側部は、前後フレーム67Bの上面に固定され、左右フレーム68における下面の右側部は、前後フレーム67Cの上面に固定されている。
図12に示すように、脱穀装置4の後側の下部には、燃料タンク65が設けられている。平面視において、燃料タンク65は、左右方向に長辺を設けた略長方形形状に形成され、燃料タンク65における前後フレーム67Bよりも左側の下壁には、下側に向いて膨張する膨張部65Aが形成されている。また、膨張部65Aには、左右方向に所定の間隔を隔てて、左側から順に、エンジンから燃料タンク65に未使用の燃料を返油するホースを接続する給油口66Aと、燃料タンク65から古くなった燃料を排出するドレン口66Bと、燃料タンク65からエンジンに燃料を供給するホースを接続する排油口66Cが設けられている。これにより、燃料タンク65に多量の燃料を貯留することができ、また、燃料が少なくなった場合でも燃料タンク65からエンジンに確実に燃料を供給することができる。
未使用の燃料を返油するホースや燃料を供給するホースは、排出筒8の排出螺旋にエンジンの回転を伝動するオーガ伝動軸の下側に設けるのが好ましい。これにより、メンテナンス時に、作業者がホースを誤って踏むのを防止することができる。
未使用の燃料を返油するホースや燃料を供給するホースは、浄化装置の噴射装置17と供給装置を接続する接続管や供給装置と尿素水タンクを接続する接続管から所定の間隔を隔てて設けるのが好ましい。これにより、ホースが加熱されるのを防止し、ホース内を流れる燃料の温度上昇を防止して、エンジンの燃焼効率を高く維持することができる。
グレンタンク7の下部と排出筒8の下部を連結する連結部の下側には、受け箱を設けるのが好ましい。これにより、グレンタンク7を収納状態から開放状態に回動する場合に、連結部から外部に漏下する穀粒を回収することができる。
操縦部5における右側の前部に設けられた刈取前処理装置3を上下方向に移動させるパワステレバーが故障した場合には、排他制御を停止するのが好ましい。これにより、主変速レバーに設けられた昇降スイッチによって刈取前処理装置3を上下方向に移動させることができる。
1 機体フレーム
3 刈取前処理装置
4 脱穀装置
5 操縦部
6 エンジンルーム
7 グレンタンク
12 排気浄化装置(第1浄化装置)
14 尿素浄化装置(第2浄化装置)
40 キャビン
42 冷却ファン
T1 第1の閾値温度
T2 第2の閾値温度

Claims (3)

  1. 機体フレーム(1)の前側に穀稈を収穫する刈取前処理装置(3)を設け、該刈取前処理装置(3)の後方左側に収穫された穀稈を脱穀・選別処理する脱穀装置(4)を設け、前記刈取前処理装置(3)の後方右側に操縦者が搭乗する操縦部(5)を設け、該操縦部(5)の下側にエンジンを搭載するエンジンルーム(6)を設け、該エンジンルーム(6)の後側に脱穀・選別処理された穀粒を貯留するグレンタンク(7)を設けたコンバインにおいて、
    前記脱穀装置(4)と前記グレンタンク(7)の左右方向での間に、前記エンジンから排出される排気ガス中の不純物を浄化する第1浄化装置(12)を設置し、この第1浄化装置(12)とグレンタンク(7)の間に窒素酸化物を浄化する第2浄化装置(14)を並設し、前記操縦部(5)を覆うキャビン(40)の後壁に、前記操縦部(5)に設けられた空調装置に備えるコンデンサを冷却する冷却ファン(42)を設け、前記第2浄化装置(14)を冷却ファン(42)の後側に臨ませ、
    前記第2浄化装置(14)の表面温度が第1の閾値温度(T1)以上になった場合に、前記冷却ファン(42)の回転速度を増加させることを特徴とするコンバイン。
  2. 前記空調装置が作動しているときには、前記第2浄化装置(14)の表面温度が前記第1の閾値温度(T1)よりも低い温度である第2の閾値温度(T2)以上になった場合に前記冷却ファン(42)の回転速度を増加させる請求項1に記載のコンバイン。
  3. 前記第2浄化装置(14)の表面温度が第1の閾値温度(T1)以上になった場合に、前記空調装置の作動状態とは無関係に前記冷却ファン(42)を駆動する請求項1または請求項2に記載のコンバイン。
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