JP2019079999A - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

基板処理装置および基板処理方法 Download PDF

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仁司 中井
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Abstract

【課題】液処理中における基板への薬液の跳ね返りを抑制し、ガードの洗浄時にガードの内周面のうち洗浄可能な領域を増やす。【解決手段】基板処理装置は、ノズルと、第1ガードと、第1ガードの下方に設けられた第2ガードと、昇降機構とを備え、第1ガードは、環状の第1張出部と、第1張出部から下方に突出する筒形状の垂下部とを含み、第2ガードは、環状の第2張出部を含み、第2張出部の内周縁部は、斜め上方を向く環状面を含み、第1張出部と垂下部とに挟まれた収容空間に第2張出部の内周縁部が収容され得るように、第2張出部が形成されており、環状面が垂下部の下端よりも下方に位置する第2高さ位置に第2ガードが配置された状態において、環状面は、垂下部の外周面に対向するとともに、保持部材の径方向外側に向かって洗浄液が飛散する飛散液を受けて垂下部の外周面に向けて跳ね返す。【選択図】図1

Description

本発明は、基板に液処理を行う基板処理装置の洗浄技術に関する。処理対象になる基板には、例えば、半導体ウェハ、液晶表示装置用ガラス基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などの基板が含まれる。
従来より、ガードによって周縁を囲まれた基板を回転させつつ、基板に薬液を供給して基板に液処理を行う基板処理装置が知られている。図17には、従来技術に係る基板処理装置1000が示されている。基板処理装置1000は、スピンベース210に基板W100を保持してスピンベース210を回転させつつ、ノズル510から基板W100に薬液を供給して基板W100を処理する。基板処理装置1000は、基板W100の周縁から飛散する薬液をガード3100で受ける。ガード3100は、受けた薬液が基板W100に跳ね返らないように、先端から下方に突出する筒状の垂下部3130を備える。ガード3100の内周面に薬液が蓄積すると、基板処理装置1000では、基板W100が洗浄用基板CW100に交換され、ノズル510から回転している洗浄用基板CW100に洗浄液を吐出して洗浄用基板CW100の周縁から飛散する洗浄液によって、ガード3100の内周面の洗浄を行う。しかし、当該内周面のうち領域3150は、垂下部3130によってチャックピン250の周縁から見えないように遮蔽されている。このため、洗浄液は、領域3150に十分に供給されず、領域3150の洗浄が不十分になる。そして、領域3150に蓄積した薬液がパーティクルとなって基板W100に付着するといった問題が生ずる。基板のエッジ洗浄に用いるガードの多くは、垂下部を有するため、この問題が特に顕著となる。
この問題を解決するために、特許文献1には、ガード3102の先端に垂下部3132を備える基板処理装置1002が示されている(図18参照)。基板処理装置1002は、垂下部3132をガード3102の先端に備えている。垂下部3132の下側面は、ガード3102の内周面のうち上方の傾斜面から滑らかに連続する丸みを帯びた断面形状を有している。これにより、垂下部3132は、スピンベース212から飛散する洗浄液を遮りにくく、ガード3102の内周面の洗浄が容易となる。
特許第3928213号公報
しかしながら、特許文献1の基板処理装置では、垂下部3132の下側面は、ガード3102の内周面のうち上方の傾斜面から滑らかに連続する丸みを帯びた断面形状を有していため、基板の液処理中にガード3102から跳ね返って基板に向かう処理液が、垂下部3132の下側面に沿って垂下部3132を越えて基板に達するといった問題がある。
本発明は、こうした問題を解決するためになされたもので、基板の液処理中におけるガードから基板への薬液の跳ね返りを抑制できるとともに、ガードの洗浄時には、ガードの内周面のうち洗浄可能な領域を増やすことができる技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、第1の態様に係る基板処理装置は、基板を保持可能な保持部材と、前記保持部材を、回転軸を中心に回転させる回転機構と、前記保持部材の上方から前記保持部材に向けて洗浄液を吐出可能なノズルと、前記保持部材を取り囲み、上端が開放された筒形状の第1ガードと、前記保持部材を取り囲むとともに、前記第1ガードの下方に設けられ、上端が開放された筒形状の第2ガードと、前記第2ガードを前記第1ガードに対して昇降可能な昇降機構と、を備え、前記第1ガードは、前記回転軸に向かって張り出した環状の第1張出部と、前記第1張出部の内周縁部から下方に突出する筒形状の垂下部と、を上端部分に含み、前記第2ガードは、前記回転軸に向かって張り出した環状の第2張出部を上端部分に含み、前記第2張出部の内周縁部は、前記回転軸を取り囲むとともに、前記回転軸に向かって斜め上方を向く面を有する環状面を含み、前記昇降機構は、前記環状面が前記第1ガードの前記垂下部の下端よりも上方に位置する第1高さ位置と、前記環状面が前記垂下部の下端よりも下方に位置する第2高さ位置とに前記第2ガードを前記第1ガードに対して配置可能であり、前記第2ガードが前記第1高さ位置に配置された状態において前記第1ガードの前記第1張出部と前記垂下部とに挟まれた収容空間に前記第2張出部の内周縁部が収容されるように、前記第2張出部が形成されており、前記第2ガードが前記第2高さ位置に配置された状態において、前記環状面は、前記垂下部よりも前記回転軸の径方向外側に位置して前記垂下部の外周面に面する。
第2の態様に係る基板処理装置は、第1の態様に係る基板処理装置であって、前記第1ガードの前記第1張出部の下面と、前記第2ガードの前記第2張出部の上面とは、互いに重なり得るように形成されており、前記昇降機構が前記第2ガードを前記第1高さ位置に配置した状態で、前記第1張出部の下面と、前記第2張出部の上面とが互いに重なる。
第3の態様に係る基板処理装置は、第1または第2の態様に係る基板処理装置であって、前記保持部材は、基板を保持し、前記昇降機構は、前記第2ガードを前記第2高さ位置に配置しており、前記ノズルは、前記保持部材に保持された前記基板の上面に洗浄液を吐出する。
第4の態様に係る基板処理装置は、第3の態様に係る基板処理装置であって、前記基板は洗浄用基板であり、その中心から外周に向けて上方に傾斜する傾斜面を有する案内片を上面に含む。
第5の態様に係る基板処理装置は、第1または第2の態様に係る基板処理装置であって、前記昇降機構は、前記第2ガードを前記第2高さ位置に配置しており、前記保持部材が基板を保持していない状態で、前記ノズルが前記保持部材の上面に洗浄液を吐出する。
第6の態様に係る基板処理装置は、第5の態様に係る基板処理装置であって、前記保持部材は、その上面から隙間を隔てた基板の周縁部を保持するために立設された保持ピンを含む。
第7の態様に係る基板処理方法は、基板処理装置における基板処理方法であって、前記基板処理装置は、基板を保持可能であって回転軸を中心に回転する保持部材と、前記保持部材を取り囲み、上端が開放された筒形状の第1ガードと、前記保持部材を取り囲むとともに、前記第1ガードの下方に設けられ、上端が開放された筒形状の第2ガードと、前記保持部材の上方から前記保持部材に向けて洗浄液を吐出可能なノズルと、を備え、前記第1ガードは、前記回転軸に向かって張り出した環状の第1張出部と、前記第1張出部の内周縁部から下方に突出する筒形状の垂下部と、を上端部分に含み、前記第2ガードは、前記回転軸に向かって張り出した環状の第2張出部を上端部分に含み、前記第2張出部の内周縁部は、前記回転軸を取り囲むとともに、前記回転軸に向かって斜め上方を向く面を有する環状面を含み、前記第2ガードが第1高さ位置に配置された状態において前記第1ガードの前記第1張出部と前記垂下部とに挟まれた収容空間に前記第2張出部の内周縁部が収容されるように、前記第2張出部が形成されており、前記第2ガードが前記第2高さ位置に配置された状態において、前記環状面は、前記垂下部よりも前記回転軸の径方向外側に位置して前記垂下部の外周面に面し、当該基板処理方法は、前記第2ガードを前記第1ガードに対して第1高さ位置に配置した状態で、前記基板の表面に処理液を吐出して基板を処理する基板処理工程と、前記第2ガードを前記第1ガードに対して第2高さ位置に配置した状態で、前記ノズルから前記洗浄液を吐出し、当該洗浄液が前記保持部材の径方向外側に向かって飛散する飛散液を前記環状面から前記垂下部の外周面に向けて跳ね返させることにより前記第1ガードを洗浄するガード洗浄工程と、を備え、前記第1高さ位置は、前記第1ガードの前記垂下部の下端よりも、前記第2ガードの前記環状面が上方に位置する位置であり、前記第2高さ位置は、前記第1ガードの前記垂下部の下端よりも、前記第2ガードの前記環状面が下方に位置する位置である。
第8の態様に係る基板処理方法は、第7の態様に係る基板処理方法であって、前記第1ガードの前記第1張出部の下面と、前記第2ガードの前記第2張出部の上面とは、互いに重なり得るように形成されており、前記第1高さ位置は、前記第1張出部の下面と、前記第2張出部の上面とが互いに重なるように、前記第2ガードが前記第1ガードに対して配置される位置である。
第9の態様に係る基板処理方法は、第7または第8の態様に係る基板処理方法であって、前記ガード洗浄工程は、前記保持部材が基板を保持した状態で、前記ノズルから前記基板の上面に洗浄液を吐出して前記飛散液を前記基板からその径方向外側に向けて飛散させ、当該飛散液を前記環状面によって前記垂下部の外周面に向けて跳ね返らせることによって前記第1ガードを洗浄する工程である。
第10の態様に係る基板処理方法は、第9の態様に係る基板処理方法であって、前記基板は洗浄用基板であり、その中心から外周に向けて上方に傾斜する傾斜面を有する案内片を上面に含み、前記ガード洗浄工程は、前記洗浄液を前記案内片の前記傾斜面に沿って前記基板からその径方向外側に向けて斜め上方に飛散させ、当該飛散液を前記環状面によって前記垂下部の外周面に向けて跳ね返らせることによって前記第1ガードを洗浄する工程である。
第11の態様に係る基板処理方法は、第7または第8の態様に係る基板処理方法であって、前記ガード洗浄工程は、前記保持部材が前記基板を保持していない状態で、前記ノズルから前記保持部材の上面に洗浄液を吐出して前記洗浄液を前記保持部材からその径方向外側に向けて飛散させ、当該飛散液を前記環状面によって前記垂下部の外周面に向けて跳ね返らせることによって前記第1ガードを洗浄する工程である。
第12の態様に係る基板処理方法は、第11の態様に係る基板処理方法であって、前記保持部材は、その上面から隙間を隔てた基板の周縁部を保持するために立設された保持ピンを含み、前記ガード洗浄工程は、前記洗浄液を前記保持部材の上面に沿ってその周縁部に拡がらせて前記保持ピンに当てることによって前記飛散液を前記保持ピンから前記保持部材の径方向外側に向けて斜め上方に飛散させ、当該飛散液を前記環状面によって前記垂下部の外周面に向けて跳ね返らせることによって前記第1ガードを洗浄する工程である。
第1の態様に係る発明によれば、第2ガードが第1高さ位置に配置された状態で、第1ガードの第1張出部と、第1張出部から下方に突出する垂下部とに挟まれた収容空間に第2ガードの内周縁部が収容される。この状態で、基板処理装置が基板に対する液処理を行うことによって、第2ガードから基板への処理液の跳ね返りを垂下部によって抑制できる。また、第2ガードが前記第2高さ位置に配置された状態で、環状面は、垂下部よりも回転軸の径方向外側に位置して垂下部の外周面に面する。また、環状面は、回転軸を取り囲むとともに、回転軸に向かって斜め上方を向く面を有する。この状態において、基板処理装置が、洗浄液の飛散液によるガードの洗浄を行えば、環状面が飛散液を垂下部の外周面に向けて跳ね返すので、第1ガードの内周面のうち洗浄可能な領域を増やすことができる。
第2の態様に係る発明によれば、第1ガードの第1張出部の下面と、第2ガードの第2張出部の上面とが互いに重なるように、第2ガードを第1ガードに対して配置することができる。従って、第1張出部の下面が処理液により汚れることを抑制できる。
第3の態様に係る発明によれば、基板からその径方向外側に向かう洗浄液の飛散液を第2ガードの環状面で跳ね返らせて第1ガードの垂下部の外周面を洗浄することができる。
第4の態様に係る発明によれば、洗浄用基板は、中心から外周に向けて上方に傾斜する傾斜面を有する案内片を上面に含むので、洗浄液の飛散液を傾斜面に沿って飛散させて環状面から効率良く垂下部の外周面に向けて跳ね返すことができる。
第5の態様に係る発明によれば、保持部材からその径方向外側に向かう洗浄液の飛散液を第2ガードの環状面で跳ね返らせて第1ガードの垂下部の外周面を洗浄することができる。
第6の態様に係る発明によれば、保持ピンに当たった洗浄液の飛散液を保持部材の径方向外側へ向けて斜め上向きに飛散させることができるので、飛散液を環状面から効率良く垂下部の外周面に向けて跳ね返すことができる。
第7の態様に係る発明によれば、基板処理工程において、第2ガードが第1ガードに対して第1高さ位置に配置されて第1ガードの垂下部の下端よりも、第2ガードの環状面が上方に位置する状態で、基板の表面に処理液が吐出される。従って、第2ガードから基板への処理液の跳ね返りを垂下部によって抑制できる。ガード洗浄工程では、第2ガードが第1ガードに対して第2高さ位置に配置されて第1ガードの垂下部の下端よりも、第2ガードの環状面が下方に位置し、環状面は、垂下部よりも回転軸の径方向外側に位置して垂下部の外周面に面する。そして、環状面は、回転軸に向かって斜め上方を向く面を有する。従って、この状態で、飛散液が環状面に当たり、環状面から垂下部の外周面に向けて跳ね返さされることにより第1ガードが洗浄される。従って、垂下部の外周面に向けて環状面が飛散液を跳ね返すので、第1ガードの内周面のうち洗浄可能な領域を増やすことができる。
実施形態に係る基板処理装置の構成例を説明するための側面模式図である。 図1の基板処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図1の基板処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図1の基板処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図1の基板処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図1の基板処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。 基板処理工程を説明するための側面模式図である。 基板処理工程を説明するための側面模式図である。 図5のガード洗浄工程を説明するための側面模式図である。 図9の下ガードの内周縁部の側面模式図である。 他の実施形態に係る下ガードの内周縁部の側面模式図である。 スピンベースに装着された洗浄用基板を示す平面図である。 図12のA1−A1切断面における断面図である。 図6のガード洗浄工程を説明するための側面模式図である。 図6のガード洗浄工程を説明するための側面模式図である。 他の実施形態に係るスプラッシュガードの示す側面模式図である。 従来技術に係る基板処理装置を示す側面模式図である。 従来技術に係る基板処理装置を示す側面模式図である。
以下、図面を参照しながら、実施の形態について説明する。以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。また、以下に参照する各図では、理解容易のため、各部の寸法や数が誇張または簡略化して図示されている場合がある。上下方向は鉛直方向であり、スピンチャックに対して基板側が上である。
<実施形態について>
<1.基板処理装置1の全体構成>
基板処理装置1の構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係る基板処理装置1の構成を説明するための図である。図1は、基板処理装置1の側面模式図である。
図1では、ノズル51が基板Wの中心c1の上方に配置された状態で、基板Wがスピンチャック2によって回転軸a1周りに所定の回転方向(矢印AR1の方向)に回転している状態が示されている。
基板Wの基板処理装置1への搬入搬出は、ノズル51、スプラッシュガード30等が待避位置に配置された状態で、ロボット等により行われる。基板処理装置1に搬入された基板Wは、スピンベース21により着脱自在に保持される。
基板処理装置1は、スピンチャック2、飛散防止部3、処理部5、ノズル移動機構6、および制御部130を備える。これら各部2〜3、5〜6は、制御部130と電気的に接続されており、制御部130からの指示に応じて動作する。制御部130としては、例えば、一般的なコンピュータと同様のものを採用できる。すなわち、制御部130は、例えば、各種演算処理を行うCPU(不図示)、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM(不図示)、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAM(不図示)、制御用のプログラムPG1やデータなどを記憶しておく磁気ディスク(不図示)、等を備えている。制御部130においては、プログラムPG1に記述された手順に従って主制御部としてのCPUが演算処理を行うことにより、基板処理装置1の各部を制御する。
<2.基板W>
基板処理装置1にて処理対象とされる基板Wの表面形状は略円形である。基板Wの半径は、例えば、150mmである。図1の例では、基板処理装置1における所定の処理が終了して、基板Wは、基板処理装置1から既に搬出されている。この基板処理装置1は、基板Wを保持していないスピンベース21に洗浄液を吐出してスピンベース21の周縁から飛散させてスプラッシュガード30を洗浄している。
<3.基板処理装置1の各部の構成>
<スピンチャック2>
スピンチャック(「回転保持機構」)2は、基板Wを、その一方の主面を上方に向けた状態で、略水平姿勢に保持しつつ回転可能な機構である。スピンチャック2は、基板Wを、主面の中心c1を通る鉛直な回転軸a1を中心に回転させる。スピンチャック2は、制御部130の制御に従って、基板Wに施される処理に応じた回転速度で回転する。
スピンチャック2は、基板Wより若干大きい円板状の部材であるスピンベース(「保持部材」、「基板保持部」)21を備える。スピンベース21は、その上面が略水平となり、その中心軸が回転軸a1に一致するように設けられている。スピンベース21の下面には、円筒状の回転軸部22が連結されている。回転軸部22は、その軸線を鉛直方向に沿わすような姿勢で配置される。回転軸部22の軸線は、回転軸a1と一致する。また、回転軸部22には、回転駆動部(例えば、サーボモータ)23が接続される。回転駆動部23は、回転軸部22をその軸線まわりに回転駆動する。従って、スピンベース21は、回転軸部22とともに回転軸a1を中心に回転可能である。回転駆動部23と回転軸部22とは、スピンベース21を、回転軸a1を中心に回転させる回転機構231である。回転軸部22および回転駆動部23は、筒状のケーシング24内に収容されている。
スピンベース21の上面の周縁部付近には、適当な間隔をおいて複数個(例えば6個)のチャックピン25が設けられている。複数のチャックピン25は、基板Wの周縁(外周端)を把持することによって基板Wをスピンベース21に保持することができる。
チャックピン25は、基板Wの端面と当接して基板Wの水平方向の位置決めを行うとともに、スピンベース21の上面より僅かに高い位置で(すなわち、スピンベース21の上面から定められた間隔を隔てて)、基板Wを略水平姿勢で着脱可能に保持する。すなわち、チャックピン25は、スピンベース21の上面から隙間を隔てた基板Wの周縁部を保持する。これにより、スピンベース21は、チャックピン25を介して基板Wを下方から略水平に保持する。スピンベース21の上面は、基板Wの下面と隙間を隔てて、例えば、略平行に対向する。
この構成において、スピンベース21が基板Wを保持した状態で、回転駆動部23が回転軸部22を回転すると、スピンベース21が鉛直方向に沿った軸線周りで回転される。これによって、スピンベース21上に保持された基板Wが、その面内の中心c1を通る鉛直な回転軸a1を中心に矢印AR1方向に回転される。
なお、スピンチャック2としては、挟持式のものに限らず、例えば、基板Wの裏面を真空吸着することにより、基板Wを水平姿勢で保持する真空吸着式のもの(バキュームチャック)が採用されてもよい。
<飛散防止部3>
飛散防止部3は、スピンベース21に保持されて回転される基板Wから飛散する処理液等を受け止める。
飛散防止部3は、スプラッシュガード30を備える。スプラッシュガード30は、上端が開放された筒形状の部材であり、スピンベース21を取り囲むように設けられる。この実施の形態では、スプラッシュガード30は、例えば、カップ(「内側カップ」)33、カップ(「外側カップ」)34、上ガード(「第1ガード」、「上側ガード」とも称される)31、および下ガード(「第2ガード」、「下側ガード」とも称される)32の4個の部材を含んで構成されている。なお、スプラッシュガード30の外側に、スピンチャック2を取り囲むようにガードとカップがさらに設けられてもよい。
カップ33は、スピンチャック2の周囲を取り囲んで環状に延在する樋状の部材である。カップ33は、環状(好ましくは、円環状)の底壁部331と、底壁部331の内側縁部から上方に延びる筒状(好ましくは、円筒状)の内壁部332と、底壁部331の外側縁部から上方に延びる筒状(好ましくは、円筒状)の外壁部333と、を備える。内壁部332の少なくとも先端付近は、スピンベース21のケーシング24に設けられた鍔状部材241の内側空間に収容される。
底壁部331には、内壁部332と外壁部333との間の空間と連通する排液溝(図示省略)が形成される。この排液溝は、工場の排液ラインと接続される。内壁部332と外壁部333との間の空間は、基板Wの処理に使用された処理液を集めて排液するための空間であり、この空間に集められた処理液は、排液溝から排液される。
カップ34は、カップ33の周囲を取り囲んで環状に延在する樋状の部材である。カップ34は、環状(好ましくは、円環状)の底壁部341と、底壁部341の内側縁部から上方に延びる筒状(好ましくは、円筒状)の内壁部342と、底壁部341の外側縁部から上方に延びる筒状(好ましくは、円筒状)の外壁部343と、を備える。カップ33の外壁部333と、カップ34の内壁部342との間には、隙間が設けられている。
底壁部341には、内壁部342と外壁部343との間の空間と連通する排液溝(図示省略)が形成される。この排液溝は、工場の排液ラインと接続される。内壁部342と外壁部343との間の空間は、基板Wの処理に使用された処理液を集めて排液するための空間であり、この空間に集められた処理液は、排液溝から排液される。
下ガード32は、上端が開放された筒形状の部材である。下ガード32は、回転軸a1を中心とする周方向に沿ってスピンベース21の周囲を取り囲んでいる。すなわち、下ガード32は、スピンベース21に保持された基板Wの端縁に沿って基板Wを取り囲んでいる。下ガード32は、その上部(「上端側部分」、「上端部分」)を成している環状の張出部(「第2張出部」、「上壁部」)322と、張出部322の外周縁部から下方に延設された筒形状の側壁部321とを含んでいる。
張出部322は、回転軸a1を取り囲んで、回転軸a1に向かって張り出している。より詳細には、張出部322は、下ガード32の内側上方に向かって延びている。すなわち、張出部322は、回転軸a1に向かって斜め上方に延びている。張出部322の内周縁部には、跳ね返し部(「反射部」)324が設けられている。また、側壁部321は、スピンベース21の側面(端縁)に沿ってスピンベース21の周囲を取り囲んでいる。
側壁部321は、下ガード32の下部である。側壁部321は、その下部に、筒状(好ましくは、円筒状)の内周壁部3211と筒状(好ましくは、円筒状)の外周壁部3212とを含んでいる。内周壁部3211は、スピンベース21に対向して下方に延びている。外周壁部3212は、内周壁部3211の外側に内周壁部3211から隙間を隔てて設けられ、内周壁部3211に沿って下方に延びている。カップ33の外壁部333と、カップ34の内壁部342とは、内周壁部3211と外周壁部3212との間の空間に収容される。
上ガード31は、スピンベース21を取り囲み、上端が開放された筒形状の部材であり、下ガード32の外側(上側)に設けられている。すなわち、下ガード32は、上ガード31の下方に設けられている。上ガード31は、回転軸a1を中心とする周方向に沿って下ガード32の周囲、すなわちスピンベース21の周囲を、スピンベース21の側面(端縁)に沿って取り囲んでいる。すなわち、上ガード31は、スピンベース21に保持された基板Wの端縁に沿って基板Wを取り囲んでいる。
上ガード31は、その上部(「上端側部分」、「上端部分」)を成す環状の張出部(「第1張出部」、「上壁部」)312と、張出部312の外周縁部から下方に延設された筒形状の側壁部311とを含む。張出部312は、回転軸a1を取り囲み、回転軸a1に向かって張り出している。より詳細には、張出部312は、上ガード31の内側上方に向かって延びている。すなわち、張出部312は、回転軸a1に向かって斜め上方に延びている。また、側壁部311は、スピンベース21の周囲を取り囲んでいる。
上ガード31は、内部材312の内周縁部から下方に突出する筒形状の垂下部313をさらに含んでいる。基板処理装置1が基板Wの処理を行う際に、垂下部313は、基板Wからその径方向外側に飛散した処理液が、スプラッシュガード30に到達してスプラッシュガード30から基板W側に向けて飛散することを抑制する。
側壁部311は、上ガード31の下部である。側壁部311は、その下部に、筒状(好ましくは、円筒状)の内周壁部3111と筒状(好ましくは、円筒状)の外周壁部3112とを含んでいる。内周壁部3111は、下ガード32の外周壁部3212に対向して外周壁部3212に沿って下方に延びている。外周壁部3112は、内周壁部3111の外側に内周壁部3111から隙間を隔てて設けられ、内周壁部3111に沿って下方に延びている。カップ34の外壁部343は、内周壁部3111と外周壁部3112との間の空間に収容される。
スプラッシュガード30には、これを昇降移動させるスプラッシュガード駆動機構35が配設されている。スプラッシュガード駆動機構35は、例えば、ステッピングモータと、その出力軸に連結されたボールねじを有するボールねじ機構とを備えて構成される。この実施の形態では、スプラッシュガード駆動機構35は、スプラッシュガード30が備える上ガード31と下ガード32とを、独立して昇降させる。
スプラッシュガード駆動機構35は、制御部130と電気的に接続されており、制御部130の制御下で動作する。つまり、スプラッシュガード30の位置(具体的には、上ガード31、下ガード32の位置)は、制御部130によって制御される。
基板Wの交換が行われるときには、上ガード31、下ガード32は、これらの上端がスピンベース21の上面よりも下方に位置する退避位置に位置決めされる。
下ガード32の跳ね返し部324は、張出部322の内周縁部に含まれている。跳ね返し部324は、回転軸a1を取り囲んで環状に形成されている。当該内周縁部は、上ガード31の張出部312と垂下部313とに挟まれた収容空間319に収容され得るように形成されている。具体的には、後述する環状面325の鉛直方向の長さは、垂下部313の鉛直方向の長さよりも短い。また、スピンベース21の径方向において、張出部322の長さは、張出部312の長さよりも短い。
下ガード32が、上ガード31に対して相対的に所定の第1高さ位置に配置されると、跳ね返し部324を含む張出部322の内周縁部は、収容空間319に収容される。また、跳ね返し部324を含む張出部322の全体も、上ガード31の張出部312と垂下部313とに挟まれた空間に収容される。スピンベース21に保持された基板Wの処理を行うときには、基板処理装置1(スプラッシュガード駆動機構35)は、下ガード32を上ガード31に対して第1高さ位置に配置する。
下ガード32が第1高さ位置に配置されて張出部312の内周縁部が収容空間319に収容された状態で、基板処理装置1は、後述するノズル51から処理液を基板Wに吐出する。当該処理液は、基板Wの回転による遠心力によって基板Wの周縁から下ガード32の内側面(「内周面」、「内壁面」)に向けて飛散する。当該処理液の一部が張出部312の下面に沿って基板W側に向かう場合においても、基板W側に向かった処理液は、垂下部313によって遮られ、基板Wへ到達することを抑制される。
後述するノズル51は、処理済みの基板Wが基板処理装置1から搬出された後に、スプラッシュガード30を洗浄するための洗浄液を、回転しているスピンベース21等(スピンベース21、または後述する洗浄用基板CW)に吐出する。当該洗浄液は、スピンベース21等の回転による遠心力でスピンベース21等の周縁部に流れ、当該周縁部からスピンベース21の径方向外側に向かって飛散する。
基板処理装置1は、スピンベース21の径方向外側に向かって飛散する当該洗浄液(「洗浄液の飛散液」、若しくは単に、「飛散液」とも称される)を用いて上ガード31、下ガード32を洗浄する。飛散液は、ノズル51から吐出されてスピンベース21の回転によって発生する遠心力によってスピンベース21の径方向外側に向かって飛散する洗浄液である。
下ガード32の跳ね返し部324は、洗浄液の飛散液を上ガード31の垂下部313に向けて跳ね返すために設けられている。跳ね返し部324は、回転軸a1を取り囲む環状の環状面(「反射面」)325を有している。環状面325は、回転軸a1を取り囲むとともに、回転軸a1に向かって斜め上方を向いている。張出部322の内周縁部のうち環状面325が設けられていない部分の厚みよりも、下ガード32の縦断面における環状面325の長さの方が長くなるように、跳ね返し部324が下ガード32に設けられることが好ましい。
下ガード32が、上ガード31に対して相対的に所定の第2高さ位置(「下側の洗浄位置」)に配置されると、跳ね返し部324は、上ガード31の垂下部313の下方に位置する。跳ね返し部324の環状面325は、上ガード31の垂下部313の外周面314に対向する。下ガード32が上ガード31に対して第2高さ位置に配置された状態において、跳ね返し部324は、環状面325によって洗浄液の飛散液を受けて、環状面325から垂下部313の外周面314に向けて飛散液を跳ね返す。より詳細には、環状面325は、飛散液を受けて、外周面314に向けて跳ね返して飛散させる。さらに換言すれば、環状面325は、飛散液を受けて、飛散液が外周面314に向けて方向転換するように跳ね返す。
環状面325から跳ね返された飛散液は、上ガード31の内側面のうち、垂下部313によってスピンベース21等の周縁部から遮蔽された領域315に到達し、領域315を洗浄する。
下ガード32が上ガード31に対して第2高さ位置に配置された状態で、スピンベース21等から飛散する洗浄液が下ガード32の張出部322の内側面に当たり難い場合には、洗浄液の飛散液が張出部322の内側面に当たる易くなるように、下ガード32を第2高さ位置よりも上方の位置(「上側の洗浄位置」)に配置することが好ましい。
<処理部5>
処理部(「処理液供給機構」)5は、スピンベース21上に保持された基板Wに対する薬液処理およびリンス処理と、スプラッシュガード30の洗浄処理とを含む処理を行う。図1の例では、処理部5は、スピンベース21、スピンベース21に保持された基板、または洗浄用基板CWに処理液として、薬液、リンス液、洗浄液を選択的に供給する。本発明において、「処理液」の概念には、「薬液」、「リンス液」、および「洗浄液」が含まれる。リンス液は、基板Wの洗浄に用いられる処理液であり、洗浄液は、スプラッシュガード30の洗浄に用いられる処理液である。
処理部5は、処理液を供給する処理液供給部52と、処理液供給部52から処理液を供給され、当該処理液を吐出するノズル51とを備える。ノズル51は、ノズル移動機構6が備える長尺のアーム63の先端に、吐出口が下方を向くように取り付けられている。
処理液供給部52は、薬液供給源53と、リンス液供給源54と、洗浄液供給源55とを備える。これらの各供給源は、ポンプ等を備えて、薬液等の処理液を供給可能に構成されている。
ノズル51と、処理液供給部52とは、配管57によって連通接続されている。配管57の一端は、ノズル51に接続している。配管57は、ノズル51から処理液供給部52へ向かう経路途中で、複数(図1の例では、3本)に分岐して、複数の枝配管となり、各枝配管が、処理液供給部52の各供給源にそれぞれ接続している。各枝配管の経路途中には、開閉弁が設けられている。
各開閉弁は、制御部130と電気的に接続されている図示省略のバルブ開閉機構によって、制御部130の制御下で開閉される。つまり、ノズル51からの処理液の吐出態様(具体的には、吐出される処理液の種類、吐出開始タイミング、吐出終了タイミング、吐出流量、等)は、制御部130によって制御される。処理液供給部52からノズル51に処理液を供給する際には、制御部130は、供給対象の処理液の供給源に接続する1つの開閉弁を開き、他の開閉弁を閉じる。
薬液としては、例えば、フッ酸、SC―1(アンモニアと過酸化水素水との混合液)、SC−2(塩酸と過酸化水素水との混合液)などを用いることができる。フッ酸は、例えば、基板Wに成膜された金属膜のエッチング処理に用いられる。SC―1は、例えば、パーティクルや各種金属不純物などの不要物を除去する洗浄処理に用いられる。SC−2は、例えば、パーティクルや各種金属不純物などの不要物を除去する洗浄処理またはエッチング処理に用いられる。
リンス液は、基板W上に残留している薬液等を洗浄するために用いられる。リンス液としては、例えば、二酸化炭素(CO)が溶融した純水(炭酸水)純水、温水、オゾン水、磁気水、還元水(水素水)、各種の有機溶剤(イオン水、IPA(イソプロピルアルコール)、機能水、等が採用される。
また、薬液として、基板Wの乾燥処理に用いられるIPA(イソプロピルアルコール)などの有機溶剤と、ポリマー等の充填剤を溶質とし、有機溶剤などを溶媒とする充填剤溶液も用いられる。
有機溶剤としてIPA以外に、例えば、ケトン類(アセトン、ジエチルケトン等)、エーテル類(メチルエーテル、エチルエーテル等)、多価アルコール(エチレングリコール等)が採用されてもよい。有機溶剤の用途は、乾燥に限定されない。
充填剤溶液は、基板Wに形成されるパターンの微細化に伴って、パターンの倒壊を抑制するために基板Wの乾燥処理に用いられるようになっている。当該乾燥処理では、基板W上に残留するリンス液が、有機溶剤に置換される。充填材溶液は、基板W上に残留する有機溶剤の液膜の上に供給されて、基板W上に形成されたパターンの間に充填される。
有機溶剤は、充填剤溶液を基板Wの周縁部から除去することによって、基板Wを搬送するロボットのハンドの汚染を防止するリンス液としても用いられる。例えば、図1の基板処理装置1では、パターン間に充填材溶液を充填された基板Wは、リンス液としての有機溶剤によって周縁部の充填材溶液を除去された後、ロボットによって、基板処理装置1から、例えば、他の熱処理装置に搬入される。
なお、当該熱処理装置は、例えば、基板Wを加熱して充填材溶液中の溶媒を蒸発させて充填材を固化する。基板W上で固化した充填材は、当該熱処理装置が行う熱処理により昇華されたり、他のプラズマ処理装置が行うプラズマ処理等によって基板Wから除去される。これにより、基板Wに形成された微細なパターンの倒壊が抑制される。
基板処理装置1が薬液を基板Wに供給して基板Wの処理をする際には、基板Wの回転による遠心力により薬液が基板Wから飛散してスプラッシュガード30に付着する。そこで、基板処理装置1は、スプラッシュガード30に残留している薬液を除去するために洗浄液(「除去液」とも称される)を用いる。例えば、フッ酸、有機溶剤などの水によって除去可能な薬液に対しては、例えば、水(純水)などが洗浄液として用いられる。
例えば、基板処理装置1がノズル51から充填材溶液を吐出して基板Wに形成されたパターン間に充填する際には、基板処理装置1は、飛散する充填剤溶液を下ガード32によって受ける。充填剤溶液は、付着力が強いため、下ガード32の内側面や、上ガード31の垂下部313の外周面314には、基板処理装置1が各基板Wを処理する毎に充填剤が残留して蓄積する。
そこで、基板処理装置1は、付着力が強く、水による除去が困難な充填剤に対しては、当該充填剤の溶媒として用いられる有機溶剤などを洗浄液として用いる。すなわち、有機溶剤は、充填剤が付着したスプラッシュガード30から充填剤を除去する洗浄液としても用いられる。
基板処理装置1は、スプラッシュガード30に残留した充填剤を除去するために、上ガード31に対して相対的に下ガード32を第2処理位置などに配置する。基板処理装置1は、充填剤の溶媒として作用するIPAなどの有機溶剤を、洗浄洗として、スピンベース21若しくは後述する洗浄用基板CWに吐出する。スピンベース21等から飛散した洗浄液が、下ガード32の内側面に直接当たることや、下ガード32の跳ね返し部324から跳ね返されて垂下部313の外周面314等に当たることによりスプラッシュガード30が洗浄される。
<ノズル移動機構6>
ノズル移動機構6は、ノズル51を、その処理位置と退避位置との間で移動させる機構である。ノズル移動機構6は、水平に延在するアーム63、ノズル基台66、昇降駆動部68、回転駆動部69を備える。
アーム63の基端部は、ノズル基台66の上端部分に連結されている。ノズル基台66は、その軸線を鉛直方向に沿わすような姿勢でケーシング24の外側に配置されている。ノズル基台66は、その軸線に沿って鉛直方向に延在し、軸線周りに回転可能な回転軸を備えている。ノズル基台66の軸線と回転軸の軸線とは一致する。回転軸の上端には、ノズル基台66の上端部分が取り付けられている。回転軸が回転することにより、ノズル基台66の上端部分は回転軸の軸線、すなわちノズル基台66の軸線を中心に回転する。ノズル基台66には、その回転軸を当該軸線を中心に回転させる回転駆動部69が設けられている。回転駆動部69は、例えば、サーボモータなどを備えて構成される。
また、ノズル基台66には、昇降駆動部68が設けられている。昇降駆動部68は、例えば、サーボモータなどを備えて構成される。昇降駆動部68は、その出力軸に連結されたボールねじを有するボールねじ機構などを介して、ノズル基台66の回転軸をその軸線に沿って昇降させる。
回転駆動部69は、ノズル基台66の回転軸を介してノズル基台66の上端部分を回転させる。当該上端部分の回転に伴って、ノズル51もノズル基台66の軸線周りに回転する。これにより、回転駆動部69は、ノズル51が基板Wに対して処理液を吐出する際には、制御部130による制御に応じて、基板Wの周縁部の上方と、中心c1の上方との2点間の任意の位置にノズル51を停止できるとともに、当該2点間でノズル51を走査させることもできる。
昇降駆動部68は、ノズル基台66の回転軸をその軸線に沿って昇降させることによって、ノズル51を昇降させる。昇降駆動部68と回転駆動部69とは、協働して、スピンベース21に保持された基板Wの近傍の処理位置と、例えば、処理位置から基板Wの径方向に沿って外側、かつ、上方の待避位置との間で、ノズル51を移動させる。
ノズル51のそれぞれの待避位置は、ノズル51が基板Wの搬送経路と干渉しない位置である。当該退避位置は、例えば、スプラッシュガード30の外側、かつ、上方の位置である。
駆動部68、69は、制御部130と電気的に接続されており、制御部130の制御下で動作する。つまり、ノズル51の位置は、制御部130によって制御される。
<4.基板処理装置1の動作>
図2〜図6は、基板処理装置1の動作の一例を示すフローチャートである。当該フローチャートは、予め、デバイス面である上面にレジストを塗布された後、露光、現像処理を経て基板処理装置1に搬入された基板Wに対して、基板処理装置1が薬液処理(エッチング処理)、リンス処理等の基板処理を行い、基板Wが搬出された後に、基板処理装置1がスプラッシュガード30の洗浄処理を行うものである。
図2は、当該動作フローの全体を示すフローチャートである。基板処理装置1は、図2のステップS10では、基板処理工程を行い、ステップS20A(20B)では、スピンベース21(洗浄用基板CW)を用いたガード洗浄工程を行う。
<4−1.基板処理工程>
図3、図4は、図2の基板処理工程における動作を説明するフローチャートである。図7、図8は、図3、図4の基板処理工程を説明するための側面模式図である。
ステップS10が実行されると、処理は,図3のステップS110に移される。
ステップS110の処理の開始に先立って、スプラッシュガード30およびノズル51は、退避位置に配置されている。
ステップS110(図3、図7)では、予め、レジストコーティング、露光、現像処理を施された基板Wが、ロボット等によって基板処理装置1に搬入され、スピンベース21に載置されて保持される。
ステップS120(図3、図7)では、基板処理装置1は上ガード31を処理位置に配置する。
ステップS130(図3、図7)では、基板処理装置1は、回転機構231によって、所定の回転数でスピンベース21の回転を開始する。
ステップS140(図3、図7)では、基板処理装置1は、ノズル51を基板Wの上方の処理位置に配置し、ノズル51からフッ酸などの薬液を基板Wに吐出する。これにより、基板処理装置1は、基板Wの処理(エッチング処理)を行う。
ステップS150(図3、図7)では、基板処理装置1は、ノズル51から純水等のリンス液を基板Wに吐出し、基板Wのリンス処理を行う。
ステップS160(図3、図7)では、基板処理装置1は、ノズル51からIPA等の有機溶剤を基板Wに吐出し、リンス液を有機溶剤に置換する。
ステップS170(図4、図7)では、基板処理装置1は、スプラッシュガード駆動機構35によって、下ガード32を処理位置(第1高さ位置)に配置する。第1高さ位置は、上ガード31の垂下部313の下端よりも、下ガード32の環状面325が上方に位置する位置(高さ位置)である。下ガード32の内周縁部は、上ガード31の収容空間319(図1)に収容される。上ガード31の張出部312の下面と、下ガード32の張出部322の上面とは、同一形状に形成された部分を互いに含んで、互いに重なり得るように形成されていることが好ましく、スプラッシュガード駆動機構35は、張出部312の下面と、張出部322の上面とが互いに重なるように、下ガード32を上ガード31に対して配置することが好ましい。
ステップS180(図4、図7)では、基板処理装置1は、ノズル51からポリマー溶液などの充填剤溶液を基板Wに付与する。付与された充填剤溶液は、基板Wから飛散して下ガード32の内周面にも付着する。充填剤溶液は、付着力が強いが、ステップS170で説明したように、張出部312の下面と、張出部322の上面とが互いに重なっていれば、上ガード31の張出部312の下面のうち、張出部322の上面と重なっている部分は、充填剤溶液が付着することを抑制される。充填剤溶液は、垂下部313の外周面には、充填剤溶液が付着する。
ステップS190(図4、図8)では、基板処理装置1は、ノズル51を基板Wの周縁部の上方に移動し、周縁部にIPA等の有機溶剤を吐出して基板Wの周縁部を洗浄し、周縁部から充填剤溶液を除去する。
ステップS200(図4、図8)では、基板処理装置1は、スピンベース21に回転を停止する。
ステップS210(図4、図8)では、基板処理装置1は、上ガード31、下ガード32、およびノズル51を退避位置に配置する。
ステップS220(図4、図8)では、ロボットが基板Wを基板処理装置1から搬出する。この際、ロボットのハンドが汚染されることが、ステップS190の処理によって、抑制される。
ステップS230(図4、図8)では、基板処理装置1(制御部130)は、ロットの全て基板Wの処理が終了したか否かを判定する。ステップS230の判定の結果、終了していなければ、図3のステップS110以下の処理が新たな基板Wに行われ、再び、ステップS230の判定が行われる。
ステップS230の判定の結果、ロットの全ての基板処理が終了していれば、図2のステップS10の基板処理工程が終了し、処理は、図2のステップS20Aに移される。なお、ステップS230の判定を、例えば、前回のスプラッシュガード30の洗浄処理から所定の期間が経過したか否かに基づいて判定してもよい。この場合、所定の期間が経過していなければ、図3のステップS110以下の処理が繰り返され、所定の期間が経過していれば、処理はステップS20Aに移される。
<4−2.ガード洗浄工程>
<4−2−1.スピンベース21を用いるガード洗浄工程>
図5は、スピンベースを用いる図2のガード洗浄工程における動作を示すフローチャートである。図9は、図5のガード洗浄工程を説明するための側面模式図である。図10は、図2のガード洗浄工程において、下ガード32が第2高さ位置に配置されたときの上ガード31、下ガード32の内周縁部を示す側面模式図である。図11は、図2のガード洗浄工程において、他の実施形態に係る下ガード32Aが第2高さ位置に配置されたときの上ガード31、下ガード32Aの内周縁部を示す側面模式図である。
処理が図2のステップS20Aに戻されると、処理は、図5のステップS310に移される。
ステップS310(図5、図9)では、基板処理装置1は、上ガード31を処理位置に配置する。
ステップS320(図5、図9)では、基板処理装置1は、下ガード32を上側の洗浄位置に配置する。上側の洗浄位置は、下ガード32の第2高さ位置(下側の洗浄位置)よりも上方の位置であり、下ガード32の張出部322の下側面の洗浄が容易となる。
ステップS330(図5、図9)では、基板処理装置1は、スピンベース21の回転を開始する。
ステップS340(図5、図9)では、基板処理装置1は、ノズル51からIPA等の有機溶剤を洗浄液として、スピンベース21の上面に向けて吐出する。スピンベース21自体は、スピンベース21と一体的に回転するとともに、ノズル51が吐出する洗浄液の供給対象(「吐出対象」)である。ノズル51が吐出した洗浄液は、スピンベース21の上面に当たった後、スピンベース21の回転による遠心力によって、スピンベース21の周縁から排出される。洗浄液の一部は、チャックピン25に当たって、スピンベース21の径方向外側へ向けて斜め上方に飛散する。この飛散液によって、下ガード32の内側面が洗浄される。
この際、例えば、スピンベース21の回転数の調整や、洗浄液の流量の調整による飛散液の速度調整、および所定範囲におけるスピンベース21の上下動等によって、下ガード32の内側面を広く洗浄できるようにすることが好ましい。複数の高さ位置に下ガード32を固定した状態で洗浄処理が行われてもよい。後述するステップS360に際しても同様である。
ステップS350(図5、図9)では、基板処理装置1のスプラッシュガード駆動機構35は、下ガード32を下側の洗浄位置(第2高さ位置)に配置する。これにより、下ガード32の跳ね返し部324は、上ガード31の垂下部313よりも下方に配置される。第2高さ位置は、環状面325が垂下部313の下端よりも下方に位置する位置(高さ位置)である。スプラッシュガード駆動機構35は、第1高さ位置と、第2高さ位置とを含む複数の高さ位置に、下ガード32を上ガード31に対して配置可能である。また、下ガード32が下側の洗浄位置に配置されると環状面325(325A)は、垂下部313よりも回転軸a1(回転軸部22)の径方向外側に位置して垂下部313の外周面314に面する。
ステップS360(図5、図9)では、基板処理装置1は、飛散液を下ガード32の跳ね返し部324(環状面325)で、垂下部313の外周面314側へ跳ね返らせる。跳ね返った飛散液は、垂下部313の外周面314に到達し、外周面314が洗浄される。
図10に示されるように、跳ね返し部324は、例えば、垂下部313の外周面314から離れる方向に凹んでいてもよいし、図11に示されるように、下ガード32Aの跳ね返し部324が平坦な環状面(「反射面」)325Aを有していてもよい。環状面325Aは、回転軸a1を取り囲むとともに、回転軸a1に向かって斜め上方を向いている。環状面325Aは、張出部322の内周縁側から外周縁側に向かって斜め上方に延びる傾斜面でもある。
飛散液が、水平面から上方に角度θ1で飛散し、跳ね返し部324の下面が水平面と角度θ2をなし、環状面325Aが水平面と角度θ3をなす場合、θ2よりもθ1が大きく、θ1よりもθ3が大きく、θ3が90度よりも小さければ、飛散液は、跳ね返し部324の下面に当たると共に、環状面325Aから垂下部313の外周面314側へと方向転換して跳ね返り得る。
ステップS370(図5、図9)では、基板処理装置1は、ノズル51からの洗浄液の吐出を停止する。
ステップS380(図5、図9)では、基板処理装置1は、スピンベース21の回転を停止する。
ステップS390(図5、図9)では、基板処理装置1は、上ガード31、下ガード3、およびノズル51を退避位置に配置し、図2のステップS20Aのガード洗浄工程を終了する。
<4−2−2.洗浄用基板CWを用いるガード洗浄工程>
図12は、スピンベース21に装着された洗浄用基板CWを示す平面図である。また、図13は、図12のA1−A1切断面における断面図である。基板処理装置1においては、スピンベース21に通常の処理対象となる基板Wに代えて洗浄用基板CWを装着してスプラッシュガード30(上ガード31、下ガード32)の洗浄処理を行うことができる。洗浄用基板CWは、スプラッシュガード30を洗浄するために用いられる専用の基板である。
洗浄用基板CWは、円板形状の本体部71を有する。本体部71は、処理対象となる基板Wと同一の形状を有している。本体部71の材質は、特に限定されるものではなく、半導体用途の装置の汚染源とならないものであれば良く、例えば基板Wを同様のシリコンとすれば良い。従って、洗浄用基板CWは、処理対象となる基板Wと同様に、複数のチャックピン25が本体部71の外周端を把持することによってスピンベース21に保持可能である。
本体部71の上面には、1以上(好ましくは、複数(図12の例では4個))の案内片72が設けられている。すなわち、洗浄用基板CWは、案内片72を上面に含む。複数の案内片72が設けられる場合は、洗浄用基板CWの周方向に沿って、好ましくは等間隔に設けられる。案内片72は、その先端側の案内片本体72aと基端側の接続部72bとを含む。案内片本体72aは矩形形状を有しており、接続部72bを介して本体部71の上面に取り付けられている。図12の例では、複数の案内片72が全て同一形状を有している。案内片72は、その矩形形状の長手方向が洗浄用基板CWの径方向と一致するように基端部を洗浄用基板CWの中心に向けて取り付けられている。
案内片本体72aは、洗浄用基板CW(本体部71)の中心からその径方向外周に向かって上方に傾斜するように(次第に高さが高くなるように)設けられる。すなわち、案内片72は、洗浄用基板CWの中心から外周に向けて上方に傾斜する傾斜面を有する。案内片本体72aの基端部は、接続部72bを介して本体部71の上面に取り付けられている。
基板処理装置1は、スピンベース21によって洗浄用基板CWを保持し、上ガード31の垂下部313の下端よりも下ガード32の跳ね返し部324が下方に位置するように下ガード32を配置した状態で、ノズル51から、当該洗浄用基板CWの上面に洗浄液を吐出する。すなわち、洗浄用基板CWは、スピンベース21と一体的に回転するとともに、ノズル51が吐出する洗浄液の吐出対象(「供給対象」)である。基板処理装置1は、ノズル51からスピンベース21の上面に向けて洗浄液を吐出し、吐出された洗浄液は、ノズル51とスピンベース21との間においてスピンベース21に保持された当該洗浄用基板CWの上面に当たる。洗浄液は、本体部71の上面に沿って、その周縁側に流れ、案内片72の上端部、および本体部71の周縁から、すなわち洗浄用基板CWからその径方向外側に向けて飛散する。なお、案内片72から飛散する飛散液は、案内片72の傾斜面に沿って洗浄用基板CWからその径方向外側に向けて斜め上方に飛散する。
案内片72は、洗浄用基板CWの回転による遠心力によって、傾斜面の角度が変化しないように、剛性の強い素材によって形成されてもよいし、傾斜面の角度変化を利用して、広範な角度範囲に飛散液が向かうように、弾性体によって形成されてもよい。また、複数の案内片72が、2以上の傾斜角度で本体部71に設けられてもよい。案内片本体72aおよび接続部72bの材質は、例えば、本体部71と同じもの(例えば、シリコン)とされる。なお、基板処理装置1は、案内片72を有していない洗浄用基板CWをスピンベース21が保持した状態で当該洗浄用基板CWに洗浄液を吐出することによってプラッシュガード30の洗浄処理を行ってもよいし、スピンベース21が基板W(好ましくは、ダミーの基板W)を保持した状態で同様に当該洗浄処理を行ってもよい。すなわち、基板処理装置1は、スピンベース21が基板を保持した状態で、ノズル51から当該基板の上面に洗浄液を吐出することによって当該洗浄処理を行う。
図6は、洗浄用基板CWを用いる図2のガード洗浄工程における動作を示すフローチャートである。図14、図15は、図6のガード洗浄工程を説明するための側面模式図である。
スピンベース21から洗浄液を飛散させるステップS20Aのガード洗浄工程と、スピンベース21に保持された洗浄用基板CWから洗浄液を飛散させるステップS20Bのガード洗浄工程との違いは、ステップS20Bが、ステップS302、S392を新たに備えるとともに、ステップS20AのステップS340に代えて、ステップS342を有することである。つまり、ステップS20Bの処理は、処理の冒頭で、基板処理装置1に洗浄用基板CWを搬入し、処理の最後に、基板処理装置1から洗浄用基板CWを搬出することと、スピンベース21上ではなく、スピンベース21に保持された洗浄用基板CWに洗浄液を吐出して洗浄用基板CWからの飛散液でガードを洗浄することとを除いて、ステップS20Aと同様の処理を行う。他のステップの説明は省略する。
<5.スプラッシュガードの他の実施形態>
図16は、他の実施形態に係るスプラッシュガード30Aの構成例を示す側面模式図である。
スプラッシュガード30Aは、スプラッシュガード30と同様に、上ガード31、下ガード32、カップ33、34を備えている。スプラッシュガード30Aは、さらにこれらの外側に、スピンベース21側から順に、カップ33A、34A、33B、34Bを備えると共に、下ガード32A、上ガード31A、下ガード32B、上ガード31Bを備えている。
上ガード31A、31Bは、上ガード31と同様の構成を備えて同様の機能を果たし、下ガード32A、32Bは、下ガード32と同様の構成を備えて同様の機能を果たす。図16では、下ガード32A(32B)がその第1高さ位置に配置されて、下ガード32A(32B)の内側周縁部が上ガード31A(31B)の垂下部313と張出部312との間の収容空間に収容されている。すなわち、スプラッシュガード30Aは、スプラッシュガード30の上ガード31、下ガード32に相当する組を3組備えている。
従って、スプラッシュガード30Aによれば、例えば、酸とアルカリなどの各処理液を分離回収できるとともに、各処理液による処理時には、各上側ガードの垂下部313によって、処理液の基板W側への飛散を抑制できると共に、ガード洗浄時には、各下ガードの跳ね返し部324の環状面325を利用して、各上ガードの垂下部の外周面を効率良く洗浄できる。
以上のように構成された本実施形態に係る基板処理装置によれば、下ガード32が第1高さ位置に配置された状態で、上ガード31の張出部312と、張出部312から下方に突出する垂下部313とに挟まれた収容空間に下ガード32の内周縁部が収容される。この状態で、基板処理装置が基板に対する液処理を行うことによって、下ガード32から基板への処理液の跳ね返りを垂下部313によって抑制できる。また、跳ね返し部324の環状面325(325A)が垂下部313の下方に位置するように下ガード32が第2高さ位置に配置された状態において、環状面325(325A)は、垂下部313よりも回転軸の径方向外側に位置して垂下部313の外周面314に面する。また、環状面325(325A)は、回転軸を取り囲むとともに、回転軸に向かって斜め上方を向く面を有する。この状態において、基板処理装置が、洗浄液の飛散液によるガードの洗浄を行えば、垂下部313の外周面314に向けて環状面325(325A)が飛散液を跳ね返すので、上ガード31の内周面のうち洗浄可能な領域を増やすことができる。
また、本実施形態に係る基板処理装置によれば、上ガード31の張出部312の下面と、下ガード32の張出部322の上面とが互いに重なるように、下ガード32を上ガード31に対して配置することができる。従って、張出部312の下面が処理液により汚れることを抑制できる。
また、本実施形態に係る基板処理装置によれば、基板からその径方向外側に向かう洗浄液の飛散液を下ガード32の跳ね返し部324の環状面325(325A)で跳ね返らせて上ガード31の垂下部313の外周面314を洗浄することができる。
また、本実施形態に係る基板処理装置によれば、洗浄用基板CWは、その中心から外周に向けて上方に傾斜する傾斜面を有する案内片72を上面に含むので、洗浄液の飛散液を傾斜面に沿って飛散させて環状面325(325A)から効率良く垂下部313の外周面314に向けて跳ね返すことができる。
また、本実施形態に係る基板処理装置によれば、スピンベース21からその径方向外側に向かう洗浄液の飛散液を下ガード32の跳ね返し部324の環状面325(325A)で跳ね返らせて上ガード31の垂下部313の外周面314を洗浄することができる。
また、本実施形態に係る基板処理装置によれば、チャックピン25に当たった洗浄液の飛散液をスピンベース21の径方向外側へ向けて斜め上向きに飛散させることができるので、飛散液を環状面325(325A)から効率良く垂下部313の外周面314に向けて跳ね返すことができる。
また、以上のような本実施形態に係る基板処理方法によれば、基板処理工程において、下ガード32が上ガード31に対して第1高さ位置に配置されて上ガード31の垂下部313の下端よりも、下ガード32の跳ね返し部324の環状面325(325A)が上方に位置する状態で、基板の表面に処理液が吐出される。従って、下ガード32から基板への処理液の跳ね返りを垂下部313によって抑制できる。ガード洗浄工程では、下ガード32が上ガード31に対して第2高さ位置に配置されて上ガード31の垂下部313の下端よりも、下ガード32の跳ね返し部324の環状面325(325A)が下方に位置し、環状面325(325A)は、垂下部313よりも回転軸の径方向外側に位置して垂下部313の外周面314に面する。そして、環状面325(325A)は、回転軸に向かって斜め上方を向く面を有する。従って、この状態で、飛散液が環状面325(325A)に当たり、環状面325(325A)から垂下部313の外周面314に向けて跳ね返さされることにより上ガード31が洗浄される。従って、垂下部313の外周面314に向けて環状面325(325A)が飛散液を跳ね返すので、上ガード31の内周面のうち洗浄可能な領域を増やすことができる。
本発明は詳細に示され記述されたが、上記の記述は全ての態様において例示であって限定的ではない。したがって、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 基板処理装置
21 スピンベース(保持部材)
25 チャックピン(保持ピン)
231 回転機構
51 ノズル
31 上ガード(第1ガード)
32 下ガード(第2ガード)
35 スプラッシュガード駆動機構(昇降機構)
312 張出部(第1張出部)
322 張出部(第2張出部)
313 垂下部
324 跳ね返し部
325、325A 環状面

Claims (12)

  1. 基板を保持可能な保持部材と、
    前記保持部材を、回転軸を中心に回転させる回転機構と、
    前記保持部材の上方から前記保持部材に向けて洗浄液を吐出可能なノズルと、
    前記保持部材を取り囲み、上端が開放された筒形状の第1ガードと、
    前記保持部材を取り囲むとともに、前記第1ガードの下方に設けられ、上端が開放された筒形状の第2ガードと、
    前記第2ガードを前記第1ガードに対して昇降可能な昇降機構と、
    を備え、
    前記第1ガードは、前記回転軸に向かって張り出した環状の第1張出部と、前記第1張出部の内周縁部から下方に突出する筒形状の垂下部と、を上端部分に含み、
    前記第2ガードは、前記回転軸に向かって張り出した環状の第2張出部を上端部分に含み、
    前記第2張出部の内周縁部は、前記回転軸を取り囲むとともに、前記回転軸に向かって斜め上方を向く面を有する環状面を含み、
    前記昇降機構は、前記環状面が前記第1ガードの前記垂下部の下端よりも上方に位置する第1高さ位置と、前記環状面が前記垂下部の下端よりも下方に位置する第2高さ位置とに前記第2ガードを前記第1ガードに対して配置可能であり、
    前記第2ガードが前記第1高さ位置に配置された状態において前記第1ガードの前記第1張出部と前記垂下部とに挟まれた収容空間に前記第2張出部の内周縁部が収容されるように、前記第2張出部が形成されており、
    前記第2ガードが前記第2高さ位置に配置された状態において、前記環状面は、前記垂下部よりも前記回転軸の径方向外側に位置して前記垂下部の外周面に面する、基板処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板処理装置であって、
    前記第1ガードの前記第1張出部の下面と、前記第2ガードの前記第2張出部の上面とは、互いに重なり得るように形成されており、
    前記昇降機構が前記第2ガードを前記第1高さ位置に配置した状態で、前記第1張出部の下面と、前記第2張出部の上面とが互いに重なる、基板処理装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の基板処理装置であって、
    前記保持部材は、基板を保持し、
    前記昇降機構は、前記第2ガードを前記第2高さ位置に配置しており、
    前記ノズルは、前記保持部材に保持された前記基板の上面に洗浄液を吐出する、基板処理装置。
  4. 請求項3に記載の基板処理装置であって、
    前記基板は洗浄用基板であり、その中心から外周に向けて上方に傾斜する傾斜面を有する案内片を上面に含む、基板処理装置。
  5. 請求項1または請求項2に記載の基板処理装置であって、
    前記昇降機構は、前記第2ガードを前記第2高さ位置に配置しており、
    前記保持部材が基板を保持していない状態で、前記ノズルが前記保持部材の上面に洗浄液を吐出する、基板処理装置。
  6. 請求項5に記載の基板処理装置であって、
    前記保持部材は、
    その上面から隙間を隔てた基板の周縁部を保持するために立設された保持ピンを含む、基板処理装置。
  7. 基板処理装置における基板処理方法であって、
    前記基板処理装置は、
    基板を保持可能であって回転軸を中心に回転する保持部材と、
    前記保持部材を取り囲み、上端が開放された筒形状の第1ガードと、
    前記保持部材を取り囲むとともに、前記第1ガードの下方に設けられ、上端が開放された筒形状の第2ガードと、
    前記保持部材の上方から前記保持部材に向けて洗浄液を吐出可能なノズルと、
    を備え、
    前記第1ガードは、前記回転軸に向かって張り出した環状の第1張出部と、前記第1張出部の内周縁部から下方に突出する筒形状の垂下部と、を上端部分に含み、
    前記第2ガードは、前記回転軸に向かって張り出した環状の第2張出部を上端部分に含み、
    前記第2張出部の内周縁部は、前記回転軸を取り囲むとともに、前記回転軸に向かって斜め上方を向く面を有する環状面を含み、
    前記第2ガードが第1高さ位置に配置された状態において前記第1ガードの前記第1張出部と前記垂下部とに挟まれた収容空間に前記第2張出部の内周縁部が収容されるように、前記第2張出部が形成されており、
    前記第2ガードが前記第2高さ位置に配置された状態において、前記環状面は、前記垂下部よりも前記回転軸の径方向外側に位置して前記垂下部の外周面に面し、
    当該基板処理方法は、
    前記第2ガードを前記第1ガードに対して第1高さ位置に配置した状態で、前記基板の表面に処理液を吐出して基板を処理する基板処理工程と、
    前記第2ガードを前記第1ガードに対して第2高さ位置に配置した状態で、前記ノズルから前記洗浄液を吐出し、当該洗浄液が前記保持部材の径方向外側に向かって飛散する飛散液を前記環状面から前記垂下部の外周面に向けて跳ね返させることにより前記第1ガードを洗浄するガード洗浄工程と、
    を備え、
    前記第1高さ位置は、前記第1ガードの前記垂下部の下端よりも、前記第2ガードの前記環状面が上方に位置する位置であり、
    前記第2高さ位置は、前記第1ガードの前記垂下部の下端よりも、前記第2ガードの前記環状面が下方に位置する位置である、基板処理方法。
  8. 請求項7に記載の基板処理方法であって、
    前記第1ガードの前記第1張出部の下面と、前記第2ガードの前記第2張出部の上面とは、互いに重なり得るように形成されており、
    前記第1高さ位置は、前記第1張出部の下面と、前記第2張出部の上面とが互いに重なるように、前記第2ガードが前記第1ガードに対して配置される位置である、基板処理方法。
  9. 請求項7または請求項8に記載の基板処理方法であって、
    前記ガード洗浄工程は、
    前記保持部材が基板を保持した状態で、前記ノズルから前記基板の上面に洗浄液を吐出して前記飛散液を前記基板からその径方向外側に向けて飛散させ、当該飛散液を前記環状面によって前記垂下部の外周面に向けて跳ね返らせることによって前記第1ガードを洗浄する工程である、基板処理方法。
  10. 請求項9に記載の基板処理方法であって、
    前記基板は洗浄用基板であり、その中心から外周に向けて上方に傾斜する傾斜面を有する案内片を上面に含み、
    前記ガード洗浄工程は、
    前記洗浄液を前記案内片の前記傾斜面に沿って前記基板からその径方向外側に向けて斜め上方に飛散させ、当該飛散液を前記環状面によって前記垂下部の外周面に向けて跳ね返らせることによって前記第1ガードを洗浄する工程である、基板処理方法。
  11. 請求項7または請求項8に記載の基板処理方法であって、
    前記ガード洗浄工程は、
    前記保持部材が前記基板を保持していない状態で、前記ノズルから前記保持部材の上面に洗浄液を吐出して前記洗浄液を前記保持部材からその径方向外側に向けて飛散させ、当該飛散液を前記環状面によって前記垂下部の外周面に向けて跳ね返らせることによって前記第1ガードを洗浄する工程である、基板処理方法。
  12. 請求項11に記載の基板処理方法であって、
    前記保持部材は、
    その上面から隙間を隔てた基板の周縁部を保持するために立設された保持ピンを含み、
    前記ガード洗浄工程は、
    前記洗浄液を前記保持部材の上面に沿ってその周縁部に拡がらせて前記保持ピンに当てることによって前記飛散液を前記保持ピンから前記保持部材の径方向外側に向けて斜め上方に飛散させ、当該飛散液を前記環状面によって前記垂下部の外周面に向けて跳ね返らせることによって前記第1ガードを洗浄する工程である、基板処理方法。
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