JP2019079915A - チップ型電子部品およびモジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】絶縁性の低下の小さいチップ型電子部品を提供する。【解決手段】チップ型電子部品1は、絶縁部7aと絶縁部7aの内部に設けられた導体部7bとを有して電気特性を発現する有効部7と、有効部7の少なくとも一部を覆うように配置された絶縁性のカバー部9と、を有する部品本体3を備える。カバー部9は、複数のセラミック粒子が焼結した粒子群組織を複数有しており、カバー部9を、有効部7側に位置する内部カバー部9Bと、内部カバー部上に配置された表層カバー部9Aと、に分けたとき、表層カバー部9Aに形成された複数の粒子群組織は一部が空間を介して隣り合っている。【選択図】図2

Description

本開示は、チップ型の電子部品およびモジュールに関する。
コンデンサ、圧電素子、インダクタおよび抵抗部品などに代表されるチップ型電子部品は、近年、モバイル型の電子機器への需要からますます小型化が要求されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2014−57019号公報
本開示のチップ型電子部品は、絶縁部と該絶縁部の内部に設けられた導体部とを有し、電気特性を発現する有効部と、該有効部の少なくとも一部を覆うように配置された絶縁性のカバー部と、を有する部品本体を備えており、前記カバー部は複数のセラミック粒子が焼結した粒子群組織を複数有しており、前記カバー部を前記有効部側に位置する内部カバー部と該内部カバー部上に配置された表層カバー部として分けたときに、前記表層カバー部に形成された複数の前記粒子群組織は一部が空間を介して隣り合っている。
本開示のモジュールは、上記のチップ型電子部品が基板上に実装されている。
チップ型電子部品の一実施形態を示す透視斜視図である。 図1のii−ii線断面図である。 図1のA部を拡大した平面図である。 図1のB部を拡大した平面図である。 図2のC部を拡大した断面図である。 チップ型電子部品の他の態様を示す透視斜視図である。 図7のviii-viii線断面図である。 モジュールの一実施形態を示す外観斜視図である。
図1は、チップ型電子部品の一実施形態を示す透視斜視図である。図2は、図1のii−ii線断面図である。図3は、図1のA部を拡大した平面図である。図4は、図1のB部を拡大した平面図である。図5は、図2のC部を拡大した断面図である。図6は、図3のD部を拡大した平面図である。
ここで、図2〜図5について大まかな説明を加える。図2のC部内に記した符号A、Bは、図1におけるA部およびB部にそれぞれ対応する。図3は、表層カバー部9Aにおける粒子群組織13の配置を示している。図4は、内部カバー部9Bの組織を示している。図5は、内部カバー部9B上に表層カバー部9Aを構成する粒子群組織13が配置された状態を示している。
図1に示したチップ型電子部品1は、部品本体3の対向する端部に外部電極5を有する。部品本体3は、有効部7と、有効部7の少なくとも一部を覆うように配置されたカバー部9とを有する。有効部7は、絶縁部7aとその絶縁部7aの内部に設けられた導体部7
bとを有する。有効部7は電気特性を発現する。絶縁部7aおよびカバー部9は、絶縁性のセラミック材料によって形成されている。導体部7bは金属によって形成されている。導体部7bは、所望とする導電性を損なわない範囲で金属の他に金属酸化物を含んでいても良い。
例えば、コンデンサなどのチップ型電子部品1は、対向する外部電極5間に直流電圧が印加された状態で使用されることがある。チップ型電子部品1のサイズが小さくなると、対向する2つの外部電極5間が近くなる。図1に示しているように、符号Lとして示した2つの外部電極5間が近くなってくると、部品本体3の表面3Aを流れる電流が外部電極5間で通じやすくなる。部品本体3の表面3Aを流れる電流はチップ型電子部品1の絶縁性を低下させる可能性がある。言い換えると、チップ型電子部品1は、部品本体3の表面3Aを流れる電流によって絶縁性が低下する可能性がある。本開示はこのような課題に対処したものであり、その目的は、絶縁性の低下の小さいチップ型電子部品1を提供することにある。
チップ型電子部品1では、カバー部9の表面が内部よりも疎な状態である。カバー部9は複数のセラミック粒子11が焼結した焼結体によって形成されている。カバー部9は複数のセラミック粒子11が焼結して形成された粒子群(2次粒子)を単位とする結晶組織を有している。以下、粒子群を単位とする結晶組織のことを粒子群組織13と表記する。粒子群組織13は、主として、カバー部9の表層部分に位置している。粒子群組織13は平坦な形状を成している。ここで、粒子群組織13が主として存在している部分を表層カバー部9Aとする。一方、表層カバー部9A以外の部分は内部カバー部9Bである。内部カバー部9Bは表層カバー部9Aよりも有効部7側に位置する。表層カバー部9Aと内部カバー部9Bとは一体的に焼結している。
粒子群組織13は、図3に示すように、個々のセラミック粒子11(1次粒子)が粒界相12を介して焼結した結晶組織である。粒界相12は主としてガラス相によって形成されている。1次粒子であるセラミック粒子11は、内部にガラス相などを含まず結晶相だけで形成されている。
チップ型電子部品1では、表層カバー部9Aは内部カバー部9Bよりも疎な状態である。言い換えると、表層カバー部9Aにおける複数の粒子群組織13は、内部カバー部9B上で、平面方向には空間15を介して存在している。
一方、内部カバー部9Bは、図4に示すように、セラミック粒子11が非晶質相などの粒界相14によって焼結した構造である。
このチップ型電子部品1では、上記のように、表層カバー部9Aにおける複数の粒子群組織13が内部カバー部9B上で平面方向に空間15を介して存在している形態を成しているため、カバー部9を通過してきた電流は粒子群組織13同士の間を通過し難くなる。これによりチップ型電子部品1は絶縁性の低下が小さくなり耐電圧を高めることができる。
一方、内部カバー部9Bは、上記したように、表層カバー部9Aよりも緻密質である。内部カバー部9Bが緻密質であるため、チップ型電子部品1に水分など湿潤成分が付着しても、湿潤成分が内部カバー部9Bの表面9Baで遮られ、内部カバー部9B内に侵入し難い。そのためチップ型電子部品1は耐湿性を維持できる。
粒子群組織13は、その単位毎に輪郭を有している。その輪郭は、個々のセラミック粒子11の表面または粒界相12を構成しているガラス相の表面となる。粒子群組織13を
形成しているセラミック粒子11の平均粒径は0.5〜2μmであるのが良い。粒子群組織13は表層カバー部9Aを平面視したときの最短径が30μm以上300μm以下であるのが良い。粒子群組織13の最短径が30μm以上であると、セラミック粒子11同士が粒界相12を介して隣り合った結晶組織よりも、一部でもセラミック粒子11同士の平均の間隔を広くすることができる。一方、粒子群組織13の最短径が300μm以下であると、部品本体3の表面3Aに多くの粒子群組織13が形成されるため、部品本体3の表面3Aに電流の障壁となる部分を多く形成することができる。
隣り合う粒子群組織13同士の平均の間隔は0.5μm以上2.5μm以下であるのが良い。隣り合う粒子群組織13同士の平均の間隔が0.5μm以上であると、隣り合う粒子群組織13同士の間に絶縁性の高い電流の障壁を形成することができる。一方、隣り合う粒子群組織13同士の平均の間隔が2.5μm以下であると、部品本体3の表面3Aに多くの粒子群組織13を形成することができる。また、粒子群組織13の間の空間15に沿った電流が流れにくくなる。
粒子群組織13の厚み方向の範囲としては、セラミック粒子11が1個分以上3個以下の範囲であるのが良い。粒子群組織13の厚み方向の範囲がセラミック粒子1個分以上の範囲であると、平面方向に隣り合う粒子群組織13同士の間に絶縁性の高い電流障壁を形成することができる。一方で、3個以下であると、表層カバー部9Aと有効部7との間に緻密な内部カバー部7Bを厚く形成できるため、水分などの湿潤成分が表面3Aから深く入り込みにくくなり、部品本体3の耐湿性を高めることができる。なお、粒子群組織13の厚さは、別の表現をすれば、空間15の深さに対応する。
粒子群組織13の平均の面積は0.03〜0.1mmであるのが良い。粒子群組織13の平均の面積が0.03mm以上であると、部品本体3の表面3aに流れる電流を遮れる効果を高くできる。また、粒子群組織13の平均の面積が0.1mm以下であると、部品本体3の表面3aが多くの粒子群組織13を有することになるため、部品本体3の表面3aに流れる電流を遮れる効果を高めることができる。
図6は、チップ型電子部品の他の態様を示す透視斜視図である。図7は、図6のviii-viii線断面図である。図6および図7に付した各符号は、図1に示したチップ型電子部品
1の図番をそれぞれ20番台にして表したものである。各符号は、21:チップ型電子部品、23:部品本体、25:外部電極、27:有効部、27a:絶縁部、27b:導体部、29:カバー部、29A:表層カバー部、29B:内部カバー部である。その他、23a:部品本体の表面、23b:部品本体の側面、27aa:セラミック層、27bb:内部電極層、である。
チップ型電子部品21の有効部27は、絶縁部27aの内部に複数の導体部27bを有する。この場合、絶縁部27aは複数のセラミック層27aaにより構成されている。導体部27bも複数の内部電極層27bbによって構成されている。言い換えると、有効部27は、セラミック層27aaと内部電極層27bbとが交互に複数層積層された構造を有している。
図6では、内部電極層27bbの層数が3層の積層構造体しか示していないが、上記したチップ型電子部品21は、内部電極層7bbの層数が数百層にも及ぶ多層型の有効部27を備えたチップ型電子部品21にも適用できる。チップ型電子部品21を構成する有効部27は、より多くの内部電極層27bbを有する構造である。このため、チップ型電子部品21では、サイズを固定した場合、部品本体23の中に占める有効部27の体積割合が大きくなると、カバー部29の体積割合を小さくする必要がある。
また、有効部27が積層構造体である場合には、部品本体23の中で、内部電極層27bbの層数が増えて、絶縁部27aであるセラミック層27aaの1層当たりの厚みが薄くなる。その結果、有効部27内に内部電極層27bbを起点として電界の発生する場所が多くなる。有効部27が積層構造体である場合には、カバー部29Aの厚みが薄くなり、また、電界が表層カバー部29Aにより近い場所にまで広がりやすくなる。多層型の積層構造体を備えたチップ型電子部品21に電界が印加された際には、内部電極層27bbからカバー層29に電界が広がりやすくなり、表層カバー部29Aに電流が流れやすくなる。
有効部27がこのような積層構造体のタイプである場合に、表層カバー部29Aとして、図1〜図5に示したチップ型電子部品1の構造を適用すると、耐電圧とともに耐湿性の高いチップ型電子部品21を得ることができる。
粒子群組織13を有するカバー部29は、積層構造体の内部電極層27bbに対向している2つの面を少なくとも覆っているのが良い。この場合、2つの面というのは、部品本体23における内部電極層27bbの積層方向の2つの最表面となる。部品本体23の表面23aに粒子群組織13が形成されている場合には、部品本体23の表面23aの内部電極層27bbに対向している2つの表面の全体にわたって形成されているのが良い。粒子群組織13の面積割合は、部品本体23の最表面の面積の90%以上であるのが良い。また、粒子群組織13の面積割合は積層方向の2つの最表面で同程度であるのが良い。この場合、同程度というのは、積層方向の2つの最表面間の粒子群組織13の面積割合の差が10%以内であるという意味である。
なお、このチップ型電子部品21においては、内部電極層27bbに対向している2つの表面23aに対して垂直な面である内部電極層27bbの面方向の側面23bは、内部電極層27bbの積層方向の最表面の位置に粒子群組織13が形成されることになる。図6では、粒子群組織13が存在する側面23bの場所を符号23bbで示している。
図6、7に示したチップ型電子部品21の例としては、積層コンデンサ、積層型圧電素子、積層型インダクタ、積層型の抵抗素子を挙げることができる。
図8は、モジュールの一実施形態を示す外観斜視図である。図8に示したモジュール31は、上記したチップ型電子部品1、21のうちの少なくとも1種のチップ型電子部品を符号33で表すと、複数個のチップ型電子部品33が基板35上に実装されたものとなる。この場合、モジュール31を構成する基板35上に、上記したチップ型電子部品33を用いると、耐電圧および耐湿性の高いモジュール31を得ることができる。これにより、チップ型電子部品33同士をより近接させて実装することが可能となり、実装密度の高いモジュール31を得ることができる。この場合、実装されるチップ型電子部品33としては、同じ電気特性を示すチップ型電子部品33が複数個実装される場合であっても良いし、この他、電気特性の異なるチップ型電子部品33が複数個実装される場合となってもよい。さらに、図8に示すように、半導体素子37などの能動素子と混載される形態であっても良い。
次に、上記したチップ型電子部品21の製造方法について、コンデンサを例にして説明する。なお、このような形態は、コンデンサに限らず、圧電素子、インダクタおよび抵抗素子のようなチップ型電子部品にも同様に適用できる。
ここで説明するコンデンサの製造方法は、表層カバー部9Aに用いるセラミックグリーンシートおよび内部カバー部9Bに用いるセラミックグリーンシートとして、互いに有機バインダの含有量の異なるセラミックグリーンシートを用いる以外は、コンデンサの慣用
的な製造方法によって作製できる。
例えば、表層カバー部9Aに用いるセラミックグリーンシートとして、内部カバー部9Bに用いるセラミックグリーンシートよりも固形分(セラミック粉末および有機バインダ)の比率を少なくしたものを用いるのが良い。このような方法によれば、部品本体3の極薄い表層部分に、内部よりもガラス相などの液相成分の少ない部分を形成することができる。この場合、表層部分を除いた内部は表層部分よりも緻密質に形成することができる。
このような製造方法によれば、内部よりもガラス相などの液相成分の少ない部分は、表層カバー部9Aに用いたセラミックグリーンシートの厚み分ではなく、セラミックグリーンシートの表面からセラミック粉末にして数個分の厚みの領域に止まる。これはセラミックグリーンシートを複数層重ねて母体積層体を形成し、焼成を行ったときに、固形分比率の少ない部分が母体積層体および部品本体3の表面付近に偏ってくるためと考えられる。これにより複数の粒子群組織13が空間15を介して存在する表層カバー部9Aを有するたチップ型電子部品1、21を得ることができる。
以下のように、コンデンサを作製して特性評価を行った。まず、チタン酸バリウムに添加材を加えた誘電体粉末を準備した。次に、上記した誘電体粉末と有機ビヒクル(有機バインダを溶媒に溶解させて調製したもの)とを混合し調製したスリップを用いてドクターブレード法によってセラミックグリーンシートを作製した。セラミックグリーンシートを作製する際の有機ビヒクルに含ませる有機バインダとしてはブチラール系樹脂を用いた。
有効部のセラミック層を形成するためのセラミックグリーンシート、内部カバー部を形成するためのセラミックグリーンシートおよび表層カバー部を形成するためのセラミックグリーンシートを作製するためのスリップの組成を表1に示した。表1における溶媒は、エチルアルコールとトルエンとを1:1で混合したものである。ここで、固形分とは、誘電体粉末と有機バインダとを合わせたものである。それぞれのセラミックグリーンシートは、溶媒と固形分との合計が100質量%となるように配合した。
次に、セラミックグリーンシートの表面に導体パターンとして複数の内部電極パターンを形成してパターンシートを作製した。内部電極パターンを形成するための導体ペースト用の金属としてはニッケル粉末を用いた。導体ペーストを調製するための樹脂としてはエチルセルロースを用いた。エチルセルロースの添加量はニッケル粉末100質量部に対して5質量部とした。溶媒としてはジヒドロターピネオール系溶媒とブチルセロソルブとを混合して用いた。
次に、作製したパターンシートを複数枚積層してコア積層体を作製した。次いで、コア積層体の上面側および下面側のそれぞれに内部カバー層用のセラミックグリーンシートを重ね、さらに、表層カバー層用のセラミックグリーンシートを重ねて母体積層体を作製した。母体積層体を作製する際に用いた各セラミックグリーンシートの積層枚数を表1に示した。この後、母体積層体を切断してコンデンサの部品本体となる本体成形体を作製した。
次に、作製した本体成形体を焼成して部品本体となるコンデンサ本体を作製した。本焼成は、水素−窒素中、最高温度を1080℃に設定した条件で焼成した。この焼成にはローラーハースキルンを用いた。昇温速度は5000℃/hを採用した。
次に、作製したコンデンサ本体に対して再酸化処理を行った。再酸化処理の条件は、窒素雰囲気中、最高温度を1000℃に設定し、保持時間を5時間とした。
得られたコンデンサ本体のサイズは、1.5mm×1.5mm×0.7mm、誘電体層の平均厚みは1.1μmであった。内部電極層の平均厚みは0.8μmであった。静電容量の設計値は10μFとした。
表2に示した試料のうち、試料No.1は、カバー層に表1に示した内部カバー部用および表層カバー部用のセラミックグリーンシートを用いて作製した。試料No.2は、カバー層のすべてに内部カバー層用のセラミックグリーンシートを用いて作製した。なお、試料No.1、2の有効部には、有効部のセラミック層用のセラミックグリーンシートを用いた。
作製したコンデンサについて、以下の評価を行った。
カバー部における粒子群組織の有無は、コンデンサ本体の表面およびコンデンサ本体の断面を、走査型電子顕微鏡を用いて観察することによって判定した。具体的には走査型電子顕微鏡によって撮影した写真から確認した。撮影倍率は10倍とした。写真を撮影した領域の面積は40mm×30mmとした。
粒子群組織の面積および直径は、表層カバー部を撮影した写真を用いて測定した。この場合、写真上にて粒子群組織の輪郭をトレースし、トレースした輪郭について画像解析により面積を求めた。また、求めた面積から同じ面積を持つ円の直径を求めた。面積および直径は平均値である。
また、表層カバー部については、表面に形成されていた粒子群組織同士が隣接している粒界の状態を判定し、その粒界相(または空間)の幅と深さを測定した。測定は表層カバー部を撮影した写真の領域について、面積:1mm×1.2mmの範囲から任意に2面間粒界を5か所および三重点粒界を5か所抽出して測定し、それぞれ平均値を求めた。
試料No.1は、コンデンサ本体の表面に複数のセラミック粒子が焼結した粒子群組織が見られた。一方、粒子群組織が形成されていたコンデンサ本体の内部には、粒子群組織は認められず、セラミック粒子が非晶質相などの粒界相を介して焼結した構造であった。また、試料No.1では、粒子群組織同士の間の粒界は粒界相などの物質が存在しない空間を有する構造になっていた。粒子群組織は平均粒径が0.5〜2μmのセラミック粒子がガラス相を介して焼結した状態で形成されていた。粒子群組織は全体的にセラミック粒子1個分の直径に対応する厚みとなっていた。粒子群組織の平均の面積、隣り合う粒子群組織間の間隔および隣り合う粒子群組織間に形成された空間の深さを表2に示した。
試料No.2については、空間を介して形成された粒子群組織は認められず、セラミック粒子が非晶質相などの粒界相を介して焼結した構造であった。
耐電圧は、昇圧速度を5V/秒(昇圧1)として測定した。試料数は30個とし、平均値を求めた。
コンデンサの耐湿性は湿中負荷試験を行って評価した。湿中負荷試験は、温度85℃、湿度85%RH、直流電圧35V印加の条件で行った。
Figure 2019079915
Figure 2019079915
表1および表2より、試料No.1は、湿中負荷試験において故障した試料が無く、耐電圧が150Vであった。一方、試料No.2は、湿中負荷試験において故障した試料は無かったが、耐電圧が120Vであった。
1、21、33・・・・チップ型電子部品
3、23・・・・・・・部品本体
5、25・・・・・・・外部電極
7、27・・・・・・・有効部
7a、27a・・・・・絶縁部
7b、27b・・・・・導体部
9、29・・・・・・・カバー部
9A、29A・・・・・表層カバー部
9B、29B・・・・・内部カバー部
11・・・・・・・・・セラミック粒子
12、14・・・・・・粒界相
13・・・・・・・・・粒子群組織
15・・・・・・・・・空間
27aa・・・・・・・セラミック層
27bb・・・・・・・内部電極層
31・・・・・・・・・モジュール
35・・・・・・・・・基板
37・・・・・・・・・半導体素子

Claims (8)

  1. 絶縁部と該絶縁部の内部に設けられた導体部とを有し、電気特性を発現する有効部と、該有効部の少なくとも一部を覆うように配置された絶縁性のカバー部と、
    を有する部品本体を備えており、
    前記カバー部は複数のセラミック粒子が焼結した粒子群組織を複数有しており、
    前記カバー部を前記有効部側に位置する内部カバー部と該内部カバー部上に配置された表層カバー部として分けたときに、
    前記表層カバー部に形成された複数の前記粒子群組織は一部が空間を介して隣り合っている、
    チップ型電子部品。
  2. 前記表層カバー部の厚み方向の範囲は、前記セラミック粒子が1個分以上3個分以下の範囲である、請求項1に記載のチップ型電子部品。
  3. 前記粒子群組織は、個々の前記セラミック粒子が非晶質相を介して焼結している、請求項1または2に記載のチップ型電子部品。
  4. 前記表層カバー部における前記粒子群組織同士の平均の間隔が0.5〜2.5μmである、請求項1乃至3のうちいずれかに記載のチップ型電子部品。
  5. 前記表層カバー部における前記粒子群組織の平均の面積が0.03〜0.1mmである、請求項1乃至4のうちいずれかに記載のチップ型電子部品。
  6. 前記有効部は、前記絶縁部が複数のセラミック層により構成され、前記導体部が複数の内部電極層により構成されており、前記セラミック層と前記内部電極層とが交互に複数層積層された積層構造体を成している、請求項1乃至5のうちいずれかに記載のチップ型電子部品。
  7. 前記カバー部は、前記積層構造体の前記内部電極層に対向している2つの面を少なくとも覆っている、請求項6に記載のチップ型電子部品。
  8. 請求項1乃至7のうちいずれかに記載のチップ型電子部品が基板上に実装されている、モジュール。
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