以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態におけるリレーユニットを用いたリレーモジュールの構成について、図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態のリレーモジュールは、例えば、車両に搭載され、車載部品への電流供給のオン、オフを行うものとして適用されると好適である。
本実施形態のリレーモジュールは、図1に示されるように、リレーボックス10、ヒューズ等の電子部品20、リレーユニット30、およびリレー部品40等を有する構成とされている。
リレーボックス10は、搭載領域11を有し、当該搭載領域11に、電子部品20、リレーユニット30、およびリレー部品40等を搭載するものである。また、リレーボックス10は、当該リレーボックス10が備えられる被搭載部材の形状に合わせた外形とされ、本実施形態では、外形が六角形状とされている。より詳しくは、リレーボックス10は、四角形状における1つの角部(すなわち、図1中の右下の角部)に凹部12が設けられた六角形状とされている。
なお、被搭載部材としては、例えば、車両等が挙げられる。また、リレーボックス10には、特に図示しないが、電子部品20における端子や、後述するリレー装置110のターミナル131〜134等と電気的、機械的に接続されるコネクタ部が形成されている。
リレーユニット30は、複数のリレー装置110が一体化されて構成されたものである。なお、図1では、リレーユニット30内の仕切線で区切られる1つの四角領域内に、1つのリレー装置110が配置されていることを示している。以下に、本実施形態のリレーユニット30の構成について、図2〜図7を参照しつつ具体的に説明する。
本実施形態のリレーユニット30は、ケース100と、リレー装置110と、スカート140とを有する構成とされている。なお、図2では、後述するケース100の底部102およびスカート140等を省略して示している。
ケース100は、図2〜図4に示されるように、樹脂等で構成され、収容空間101を有すると共に一端側が開口部とされた有底形状とされている。具体的には、ケース100は、底部102および当該底部の外縁から略垂直に突き出した側部103を有し、リレーボックス10における凹部12が形成された部分に対応した外形を有する有底略Z形状とされている。より詳しくは、ケース100は、図3に示されるように、底部102における収容空間101側と反対側の面102a(以下では、外底面102aともいう)に対する法線方向から視たとき、および底部102における収容空間101側の面102b(以下では、内底面102bともいう)に対する法線方向から視たとき、底部102における中心C1(以下では、単に中心C1ともいう)を基準として点対称となる外角形状とされている。なお、底部102における中心C1とは、ケース100を外底面102a側から視たとき、またはケース100を内底面102b側から視たときのケース100の外郭線における中心のことである。
また、本実施形態のケース100には、図2に示されるように、収容空間101を4分割するように、内底面102bに3つの仕切り壁104が備えられている。具体的には、各仕切り壁104は、各収容空間101が同じ形状および同じ大きさの空間となり、中心C1を基準として各収容空間101の形状が点対称となるように、ケース100の内底面102bに備えられている。
つまり、本実施形態のケース100は、中心C1を回転軸として180°回転させた場合、当該ケース100の外形が回転前と一致すると共に、各収容空間101の位置および形状が回転前と一致するように構成されている。
また、ケース100には、図3に示されるように、側部103における収容空間101側と反対側の面103aに凸部105が形成されている。そして、ケース100は、後述するように、電磁石115等を収容空間101内に収容する状態でリレー装置110に組み付けられると共に、開口部側からスカート140が組み付けられる。
リレー装置110は、図4および図5に示されるように、スプール111、電磁石115、ヨーク118、アーマチャプレート119、板バネ120、可動接点121、固定接点122、ストッパ123、第1〜第4ターミナル131〜134、第1、第2中継端子135、136等を有して構成されている。
スプール111は、樹脂等で構成されており、第1ベース部112と、ボビン部113と、第2ベース部114とが一体化されて構成されている。なお、ボビン部113は、図4に示されている。
具体的には、ボビン部113は、貫通孔を有する円筒状とされている。そして、第1ベース部112は、ボビン部113における一端側に形成され、第2ベース部114は、ボビン部113における他端側に形成されている。本実施形態では、第1ベース部112および第2ベース部114は、内縁側に開口部が形成された平面略矩形状とされており、それぞれボビン部113の貫通孔を閉塞しないようにボビン部113に備えられている。また、第1ベース部112および第2ベース部114には、それぞれ挿入孔が形成されている。以下では、第1ベース部112における第2ベース部114側の面を第1ベース部112の一面112a、第1ベース部112における一面112aと反対側の面を他面112bとして説明する。そして、後述するように、第1ベース部112における一面112a側に、電磁石115、可動接点121、および固定接点122等が配置されている。
なお、図4および図5中では、ボビン部113は、紙面下側が一端側とされ、紙面上側が他端側とされている。つまり、図4および図5中では、ボビン部113の紙面下側に第1ベース部112が備えられ、ボビン部113の紙面上側に第2ベース部114が備えられている。また、本実施形態では、第1ベース部112がベース部に相当している。
電磁石115は、コイル116と、コア117とを有している。コイル116は、スプール111におけるボビン部113の外周壁面に沿って線材が巻回れることで構成されている。そして、コイル116は、後述するように、一方のコイル端が第1中継端子135に接続され、他方のコイル端が第2中継端子136に接続されている。
コア117は、磁路を形成するものであって磁性体金属材料で構成され、円柱状のコア軸部と、コア軸部より径が大きくされたコア鍔部とを有している。そして、コア117は、コア鍔部が第2ベース部114上に位置するように、コア軸部がボビン部113の筒部の内周(すなわち、貫通孔)に挿入されている。これにより、コイル116が通電されると、コイル116が磁界を形成してコア117が磁気吸引力を発生する。
ヨーク118は、磁路を形成するものであり、磁性体金属材料の板状部材で構成されて略L字状とされている。具体的には、ヨーク118は、コイル116の外側に位置し、コア117の軸方向に沿った方向(すなわち、図4中では紙面上下方向)に延びる第1板部118aと、コア117の軸方向における一端側に位置し、第1板部118aの下端からコア117の軸方向と交差する方向に延びる第2板部118bとを有している。そして、ヨーク118は、第2板部118bがコア117の一端部にかしめ固定されている。なお、コア117の軸方向における一端側とは、コア117のうちの図4中紙面下側のことである。
アーマチャプレート119は、磁路を形成するものであり、磁性体金属材料で構成されて板状とされている。そして、アーマチャプレート119は、一端側がコア117と対向し、他端が第1板部118aの上端に保持され、他端(すなわち、第1板部118aに保持された部位)を支点として揺動可能になっている。より詳細には、アーマチャプレート119は、コア117の磁気吸引力により、他端を支点として一端側(すなわち、コア117と対向する側)がコア117側に吸引されるようになっている。また、アーマチャプレート119は、一端と他端との間の中間部に板バネ120がかしめ固定されている。
板バネ120は、板状部材で構成されて略L字状とされており、一端側が第1板部118aにかしめ固定され、中間部がアーマチャプレート119にかしめ固定され、他端側の自由端部に可動接点121が取り付けられている。そして、この可動接点121の一方の面側に対向する位置に固定接点122が配置され、可動接点121の他方の面側に対向する位置にストッパ123が配置されている。
より詳しくは、固定接点122は、コイル116が通電されているときに可動接点121が当該固定接点122と当接するように、アーマチャプレート119がコア117に吸引されるときの可動接点121の移動向き側に配置されている。なお、固定接点122は、後述する第4ターミナル134の一端に備えられている。
ストッパ123は、コイル116が通電されていないときの板バネ120の自由端側の移動範囲を規定するように、可動接点121に対向して配置されている。つまり、ストッパ123は、アーマチャプレート119がコア117から離れるときの可動接点121の移動向き側に配置されている。なお、ストッパ123は、黄銅等の金属材料をプレス成型して構成され、圧入または接着等にて第1ベース部112に固定されている。
なお、本実施形態では、第1ベース部112の中心を通り、一面112aの法線方向に延びる軸を中心軸Lとすると、可動接点121および固定接点122は、当該中心軸Lから離れた位置に配置されている。言い換えると、可動接点121および固定接点122は、中心軸Lと一致しない位置に配置されている。
また、リレー装置110には、リレーボックス10におけるコネクタ部に挿入され、コネクタ部と電気的、機械的に接続される第1〜第4ターミナル131〜134等が備えられている。本実施形態では、第1〜第4ターミナル131〜134は、銅合金を用いて構成された板状とされており、第1ベース部112の他面112b側から突き出した状態で配置されている。
具体的には、第1ターミナル131は、一端部側が第1ベース部112に形成された挿入孔に圧入されて固定され、他端部側が他面112b側から突き出すように、第1ベース部112に備えられている。
また、本実施形態では、第1ターミナル131の近傍には、第1ベース部112を貫通し、一端部側が一面112a側から突き出すと共に、他端部側が他面112b側から突き出すように、第1中継端子135が備えられている。この第1中継端子135は、金属材料で構成され、一端部側がコイル端の一方と接続されていると共に、他端部側が溶接等によって第1ターミナル131と電気的に接続されている。つまり、第1ターミナル131は、第1中継端子135を介してコイル116と接続されるコイル端子として機能するターミナルである。
第2ターミナル132は、一端部側が第1ベース部112に形成された挿入孔に圧入されて固定され、他端部側が他面112b側から突き出すように、第1ベース部112に備えられている。
そして、本実施形態では、第2ターミナル132の近傍には、第1ベース部112を貫通し、一端部側が一面112a側から突き出すと共に、他端部側が他面112b側から突き出すように、第2中継端子136が備えられている。この第2中継端子136は、第1中継端子135と同様に金属材料で構成され、一端部側がコイル端の他方と接続されていると共に、他端部側が溶接等によって第2ターミナル132と電気的に接続されている。つまり、第2ターミナル132は、第2中継端子136を介してコイル116と接続されるコイル端子として機能するターミナルである。
第3ターミナル133は、一端部側が一面112a側から突き出すと共に、他端部側が他面112b側から突き出すように、第1ベース部112に形成された挿入孔に圧入されて固定されている。そして、第3ターミナル133は、一端部側がヨーク118と溶接等によって接合されている。つまり、第3ターミナル133は、可動接点121と接続されるコモン端子として機能するターミナルである。
第4ターミナル134は、一端部側が一面112a側から突き出すと共に、他端部側が他面112b側から突き出すように、第1ベース部112に形成された挿入孔に圧入されて固定されている。なお、第4ターミナル134は、図5に示されるように、一端部側が第2ベース部114に形成された挿入孔にも挿入され、第2ベース部114上まで延設されている。詳しくは、第4ターミナル134は、一端部が可動接点121と対向する部分まで延設されている。そして、第4ターミナル134は、第2ベース部114上まで延設された一端部に固定接点122が配置されている。つまり、第4ターミナル134は、固定接点122と接続されるメーク端子として機能するターミナルである。
ここで、本実施形態における第1〜第4ターミナル131〜134の配置箇所等について、図5〜図7を参照しつつさらに具体的に説明する。
第1〜第4ターミナル131〜134は、上記のように、他端部側が第1ベース部112の他面112bから突き出すように配置されているが、詳しくは、第1ベース部112の他面112bに対する法線方向に沿って突き出すように配置されている。また、第1ターミナル131および第2ターミナル132は、第1ベース部112の他面112bから突き出している部分の形状が同じとされている。同様に、第3ターミナル133および第4ターミナル134は、第1ベース部112の他面112bから突き出している部分の形状が同じとされている。
そして、第1〜第4ターミナル131〜134は、図6に示されるように、第1ベース部112の他面112bに対する法線方向から視たとき(以下では、単に他面112b側から視たときという)、第1ベース部112の外縁部にそれぞれ配置されている。
より詳しくは、第1ベース部112は、他面112bに対する法線方向から視たとき、相対する第1辺211および第2辺212と、相対する第3辺213および第4辺214とを有する矩形状とされている。第1〜第4ターミナル131〜134は、それぞれ厚さ方向と交差する2つの主面131a〜134aと、厚さ方向と平行となる2つの側面131b〜134bを有する板状とされている。そして、第1〜第4ターミナル131〜134は、主面131a〜134aにおける第1ベース部112の面方向に沿った方向の長さ(すなわち、板幅)が側面における第1ベース部112の面方向に沿った方向の長さ(すなわち、板厚)より大きくされた板状とされている。言い換えると、第1〜第4ターミナル131〜134は、それぞれ主面131a〜134aに対する法線方向から外力が印加された場合に当該法線方向に折れ曲がり易く、側面131b〜134bに対する法線方向から外力が印加された場合に当該法線方向に折れ曲がり難い構成とされている。つまり、第1〜第4ターミナル131〜134は、主面131a〜134aの法線方向に対する剛性が側面131b〜134bの法線方向に対する剛性より低くされている。
そして、第1ターミナル131は、第1辺211の近傍において、主面131aが第1辺211と平行となるように配置されている。第2ターミナル132は、第2辺212の近傍において、主面132aが第2辺212と平行となるように配置されている。第3ターミナル133は、第3辺213の近傍において、主面133aが第3辺213と平行となるように配置されている。第4ターミナル134は、第4辺214の近傍において、主面134aが第4辺214と平行となるように配置されている。
つまり、第1〜第4ターミナル131〜134は、第1ターミナル131の主面131aと第2ターミナル132の主面132aとが対向し、第3ターミナル133の主面133aと第4ターミナル134の主面134aとが対向するように配置されている。本実施形態では、第1〜第4ターミナル131〜134は、第1ターミナル131の主面131aと第2ターミナル132の主面132aとが平行となり、第3ターミナル133の主面133aと第4ターミナル134の主面134aとが平行となるように配置されている。
また、第1〜第4ターミナル131〜134は、第1、第2ターミナル131、132の主面131a、132aと第3、第4ターミナル133、134の主面133a、134aとが交差するように配置されている。本実施形態では、第1〜第4ターミナル131〜134は、第1、第2ターミナル131、132の主面131a、132aと第3、第4ターミナル133、134の主面133a、134aとが直交するように配置されている。
なお、第1〜第4ターミナル131〜134は、圧入等によって第1ベース部112に挿入されるが、ここでの平行とは製造誤差等の微小なずれを含むものであり、略平行を意味している。同様に、ここでの直交とは、製造誤差等の微小なずれを含むものであり、略直交を意味している。
また、第1、第2ターミナル131、132は、他面112b側から視たとき、第1ベース部112の他面112bにおける中心C2(以下では、単に中心C2ともいう)を基準として点対称となるように配置されている。第3、第4ターミナル133、134は、他面112b側から視たとき、中心C2を基準として点対称となるように配置されている。なお、第1ベース部112の他面112bにおける中心C2とは、他面112b側から視たときの第1ベース部112の外郭線における中心のことである。
そして、上記のように、第1〜第4ターミナル131〜134は、第1ターミナル131および第2ターミナル132の突き出している部分の形状が同じとされ、第3ターミナル133および第4ターミナル134の突き出しいている部分の形状が同じとされている。
このため、本実施形態では、図6および図7に示されるように、リレー装置110を中心C2を回転軸として180°回転させたとしても、第1ベース部112の他面112bから突き出している部分の配置および形状は回転前と一致する。言い換えると、本実施形態では、第1〜第4ターミナル131〜134は、中心C2を回転軸として180°回転させたとしても、突き出している部分の配置および形状が回転前と一致するように、配置、構成されている。
以上が本実施形態におけるリレー装置110の構成である。このようなリレー装置110は、コイル116が通電されるとアーマチャプレート119がコア117側に吸引され、可動接点121が固定接点122に当接して電気回路が閉じられ、図示しない電気負荷に通電される。一方、コイル116への通電が遮断されると、板バネ120の復元力によって可動接点121がストッパ123側に移動され、可動接点121が固定接点122から離れて、電気負荷への通電が停止される。
そして、各リレー装置110は、図2および図4に示されるように、それぞれ電磁石115等が各収容空間101内に収容されると共に、第1ベース部112がケース100における各収容空間101の開口部を蓋締めするように、ケース100に組み付けられている。なお、本実施形態では、各リレー装置110は、第1ベース部112がケース100の各収容空間101における開口部に圧入されることにより、ケース100に組み付けられている。
また、各リレー装置110は、ケース100を中心C1を回転軸として180°回転させた場合、各リレー装置110における各第1〜第4ターミナル131〜134の配置および形状が回転前と一致するように、ケース100に組み付けられている。
さらに、各リレー装置110は、隣合うリレー装置110において、中心軸Lから可動接点121および固定接点122に向かう方向が異なる方向となるように配置されている。また、各リレー装置110は、中心軸Lから可動接点121および固定接点122に向かう方向が同じ方向となる場合より、隣合う可動接点121同士の間隔および固定接点122同士の間隔が長くなるように配置されている。
例えば、図2中では、明確に図示されていないが、図5に示されているように、ストッパ123の下方に可動接点121および固定接点122が配置されている。そして、図2中の紙面左下における紙面左右方向に隣合うリレー装置110では、左側のリレー装置110は、中心軸Lから各接点121、122に向かう方向が紙面上向きとされている。右側のリレー装置110は、中心軸Lから各接点121、122に向かう方向が紙面下向きとされている。このため、これらのリレー装置110は、例えば、中心軸Lから各接点121、122に向かう方向が共に紙面上向きにされている場合と比較して、隣合う可動接点121同士の間隔および固定接点122同士の間隔が長くなる。
また、例えば、図2中の紙面中央における紙面上下方向に隣合うリレー装置110では、上側のリレー装置110は、中心軸Lから各接点121、122に向かう方向が紙面上向きとされている。下側のリレー装置110は、中心軸Lから各接点121、122に向かう方向が紙面下向きとされている。このため、これらのリレー装置110は、例えば、中心軸Lから各接点121、122に向かう方向が共に紙面上向きにされている場合と比較して、隣合う可動接点121同士の間隔および固定接点122同士の間隔が長くなる。また、図2中の紙面上下方向に隣合うリレー装置110では、図4も参照すると、中心軸Lから各接点121、122に向かう方向が逆向きとなっていることが容易に確認される。
なお、図2中の紙面上下方向に隣合うリレー装置110では、上側のリレー装置110が中心軸Lから各接点121、122に向かう方向が紙面下向きとされ、下側のリレー装置110が中心軸Lから各接点121、122に向かう方向が紙面上向きとされていても、中心軸Lから各接点121、122に向かう方向が異なる方向となる。しかしながら、本実施形態では、上記のように、各リレー装置110は、中心軸Lから各接点121、122に向かう方向が同じ方向となる場合より、隣合う可動接点121同士の間隔および固定接点122同士の間隔が長くなるように配置される。
そして、図4に示されるように、各リレー装置110には、第1ベース部112における収容空間101から露出する部分に樹脂等で構成されるシール剤137が配置されている。シール剤137は、隙間を封止するものであり、第1ベース部112と、第1〜第4ターミナル131〜134、および第1、第2中継端子135、136との隙間を封止すると共に、第1ベース部112とケース100との隙間を封止するように配置されている。
スカート140は、樹脂等で構成され、中空部141を有する筒形状、具体的にはケース100の外形に対応する筒形状とされている。本実施形態では、スカート140には、中空部141内に、当該中空部141を筒形状の延設方向における一端部側の第1中空部141aと、他端部側の第2中空部141bとに区画し、複数の挿入孔が形成されている区画部142が備えられている。
そして、スカート140は、区画部142に形成された挿入孔を通じて第1中空部141aから第2中空部141bに、各リレー装置110の第1〜第4ターミナル131〜134が突き出すように、ケース100に組み付けられている。本実施形態では、スカート140は、第1中空部141aを構成する外周壁面にケース100の凸部105に対応する形状の図示しない凹部が形成されており、ケース100の凸部105とスカート140の凹部とがスナップフィット接合されることでケース100に嵌合されている。
なお、スカート140は、ケース100と同様に、中心C1を回転軸として180°回転させた場合、当該スカート140の外形が回転前と一致するように形成されている。また、本実施形態では、スカート140には、ケース100の仕切り壁104に対応する仕切り壁が備えられていない。このため、スカート140における中空部141は、各リレー装置110において共用とされている。つまり、各リレー装置110における第1〜第4ターミナル131〜134は、同じ中空部141内に配置されている。
そして、上記のように、第1ターミナル131および第2ターミナル132は、第1ベース部112の他面112bから突き出している部分の形状が同じとされている。このため、第1ターミナル131および第2ターミナル132のうちのスカート140の第2中空部141b内に突き出している部分の形状は、同じとなる。また、第3ターミナル133および第4ターミナル134は、第1ベース部112の他面112bから突き出している部分の形状が同じとされている。このため、第3ターミナル133および第4ターミナル134のうちのスカート140の第2中空部141b内に突き出している部分の形状は、同じとなる。
以上が本実施形態におけるリレーユニット30の構成である。そして、本実施形態では、上記のように、ケース100、リレー装置110、およびスカート140等が構成されているため、中心C1を回転軸として180°回転させたとしても、外形が回転前と一致すると共に、各ターミナル131〜134の位置および形状が回転前と一致する。
リレー部品40は、詳細な構成については特に図示しないが、リレーユニット30と基本的な構成は同じとされており、1つのリレー装置110と、当該1つのリレー装置110を収容するケースおよびスカートとを有する構成とされている。なお、リレー部品40におけるケースおよびスカートは、リレーユニット30におけるケース100およびスカート140と同様に、ケースの底部における中心を回転軸として180°回転させた場合、回転前と外形が一致するように構成されている。
そして、電子部品20、リレーユニット30、リレー部品40は、図1に示されるように、リレーボックス10の搭載領域11に搭載されている。具体的には、リレーボックス10は、コネクタ部を備えている。そして、電子部品20は、端子等がコネクタ部に挿入されて保持されることにより、リレーボックス10と電気的、機械的に接続されている。リレーユニット30は、各リレー装置110における第1〜第4ターミナル131〜134のうちのスカート140の第2中空部141bに突き出している部分が各コネクタ部に挿入されて保持されることにより、リレーボックス10と電気的、機械的に接続されている。同様に、リレー部品40は、第1〜第4ターミナル131〜134におけるスカートの第2中空部に突き出している部分が各コネクタ部に挿入されて保持されることにより、リレーボックス10と電気的、機械的に接続されている。
この際、本実施形態では、リレーユニット30は、中心C1を回転軸として180°回転させたとしても、外形が回転前と一致すると共に、各ターミナル131〜134の位置および形状が回転前と一致するように構成されている。このため、リレーユニット30をリレーボックス10に搭載する際、180°回転させた状態でもリレーボックス10に搭載することができる。したがって、本実施形態によれば、リレーユニット30のリレーボックス10に対する取付性を向上できる。
同様に、リレー部品40も、180°回転させたとしても、外形が回転前と一致すると共に、各ターミナル131〜134の位置および形状が回転前と一致するように構成されている。このため、リレー部品40をリレーボックス10に搭載する際、180°回転させた状態でもリレーボックス10に搭載することができる。したがって、本実施形態によれば、リレー部品40のリレーボックス10に対する取付性を向上できる。
なお、リレー部品40は、1つのリレー装置110で構成されている。このため、リレー部品40は、例えば、車両に搭載される場合には、定期的に交換されることが想定される部分に用いられことが好ましく、アイドリングストップ用の接続機器等として用いられることが好ましい。
以上説明したように、本実施形態では、リレーユニット30は、中心C1を回転軸として180°回転させたとしても、外形が回転前と一致すると共に、各ターミナル131〜134の位置および形状が回転前と一致するように構成されている。このため、リレーユニット30をリレーボックス10に搭載する際、180°回転させた状態でもリレーボックス10に搭載することができる。したがって、本実施形態によれば、リレーユニット30のリレーボックス10に対する取付性を向上できる。
また、上記のようなリレー装置110は、第1〜第4ターミナル131〜134の温度が高くなり過ぎると、当該第1〜第4ターミナル131〜134を保持するコネクタ部の温度も高くなって保持力が弱まる可能性がある。特に、上記のようなリレー装置110では、可動接点121および固定接点122が発熱源となるため、可動接点121と接続される第3ターミナル133および固定接点122と接続される第4ターミナル134が高温になり易い。
このため、本実施形態では、各リレー装置110は、隣合うリレー装置110において、中心軸Lから可動接点121および固定接点122に向かう方向が異なる方向となるように配置されている。また、各リレー装置110は、中心軸Lから可動接点121および固定接点122に向かう方向が同じ方向となる場合より、隣合う可動接点121同士の間隔および固定接点122同士の間隔が長くなるように配置されている。つまり、隣合うリレー装置110は、互いの発熱源となる部分が離れるように配置されている。したがって、隣合うリレー装置110において、互いの熱の影響を受け難くでき、リレーユニット30がリレーボックス10から抜け出ることを抑制できる。
また、本実施形態では、各リレー装置110における第1〜第4ターミナル131〜134は、スカート140における中空部141内に配置されている。このため、スカート140が備えられていない場合と比較して、搬送時等に第1〜第4ターミナル131〜134が損傷してしまうことを抑制できる。
さらに、本実施形態では、各リレー装置110は、第1〜第4ターミナル131〜134は、第1、第2ターミナル131、132の主面131a、132aと第3、第4ターミナル133、134の主面133a、134aとが交差するように配置されている。このため、車両の振動等によって第1〜第4ターミナル131〜134が折れ曲がることを抑制でき、リレー装置110(すなわち、リレーユニット30)とリレーボックス10との接続強度が低下する等の問題が発生することを抑制できる。
すなわち、図8に示されるように、1つのリレー装置110において、第1、第2ターミナル131、132の主面131a、132aと平行な方向を第1方向、第1方向と直交する方向を第2方向とする。なお、第2方向は、第3、第4ターミナル133、134の主面133a、134aと平行な方向でもある。
この場合、第1方向に沿った第1外力F1が印加されると、当該第1外力F1は、第1、第2ターミナル131、132の側面131b、132bに印加されると共に、第3、第4ターミナル133、134の主面133a、134aに印加される。つまり、第1外力F1は、第1、第2ターミナル131、132が折れ曲がり難い方向に印加される力となる。このため、第1外力F1が印加された場合には、第1、第2ターミナル131、132によってリレー装置110が第1方向に移動することを抑制できると共に第3、第4ターミナル133、134が折れ曲がることを抑制できる。
同様に、第2方向に沿った第2外力F2が印加されると、当該第2外力F2は、第1、第2ターミナル131、132の主面131a、132aに印加されると共に、第3、第4ターミナル133、134の側面133b、134bに印加される。つまり、第2外力F2は、第3、第4ターミナル133、134が折れ曲がり難い方向に印加される力となる。このため、第2外力F2が印加された場合には、第3、第4ターミナル133、134によってリレー装置110が第2方向に移動することを抑制できると共に第1、第2ターミナル131、132が折れ曲がることを抑制できる。
したがって、本実施形態では、リレーユニット30とリレーボックス10との接続強度が低下する等の問題が発生することも抑制できる。なお、ここでは、リレーユニット30がリレーボックス10に接続された後の第1外力F1、第2外力F2が印加された場合の状態を例に挙げて説明した。しかしながら、例えば、スカート140が装着される前の搬送時等においても、第1外力F1および第2外力F2が印加される可能性がある。このような場合においても、第1〜第4ターミナル131〜134が上記のように配置されていることにより、互いに折れ曲がることを抑制できる。
また、本実施形態では、リレー部品40も上記リレーユニット30と同様のリレー装置110を有しているため、リレー部品40に対しても、上記リレーユニット30と同様の効果を得られる。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
例えば、上記第1実施形態では、リレーユニット30は、スカート140の第2中空部141bに突き出している部分がリレーボックス10のコネクタ部に挿入される。このため、第1ターミナル131および第2ターミナル132は、第1中空部141a内に位置する部分の形状が同じとされていなくてもよい。同様に、第3ターミナル133および第4ターミナル134は、第1中空部141a内に位置する部分の形状が同じとされていなくてもよい。つまり、第1ターミナル131および第2ターミナル132は、リレーボックス10に挿入される部分の形状が同じとされていればよい。同様に、第3ターミナル133および第4ターミナル134は、リレーボックス10に挿入される部分の形状が同じとされていればよい。
また、上記第1実施形態において、スカート140は、ケース100と同様に、各リレー装置110におけるターミナル131〜134がそれぞれの空間に位置するように、各ターミナル131〜134の突出方向に沿って中空部141を区画する仕切り壁が備えられていてもよい。また、リレーユニット30は、スカート140における区画部142を備えない構成としてもよい。さらに、リレーユニット30は、スカート140を備えない構成としてもよい。
そして、上記第1実施形態において、リレー装置110は、第1〜第4ターミナル131〜134が中心C2に対して点対称に配置されるのであれば、第1〜第4ターミナル131〜134がそれぞれ第1ベース部112における第1〜第4辺211〜214とそれぞれ平行とされていなくてもよい。また、リレー装置110は、第1〜第4ターミナル131〜134が中心C2に対して点対称に配置されるのであれは、第1〜第4ターミナル131〜134が主面131a〜134aおよび側面131b〜134bを有する構成ではなく、例えば、棒状とされていてもよい。
さらに、上記第1実施形態では、各リレー装置110における隣合うリレー装置110は、中心軸Lから各接点121、122に向かう方向が同じ方向となる場合より、隣合う可動接点121同士の間隔および固定接点122同士の間隔が長くなるように配置されている例について説明した。しかしながら、全てのリレー装置110ではなく、一部の隣合うリレー装置110のみに適用されていてもよい。
また、上記第1実施形態において、ケース100(すなわち、リレーユニット30)は、平面視略Z形状とされていなくてもよく、中心C1を回転軸として180°回転させた際、回転前と一致する形状とされていればよい。例えば、図9(a)に示されるように、リレーユニット30は、リレー装置110が一方向に沿って配列された平面視長方形状とされていてもよい。また、図9(b)に示されるように、リレーユニット30は、リレー装置110が2個ずつ2列に配列された平面視長方形状とされていてもよい。さらに、リレーユニット30を構成するリレー装置110の数は適宜変更可能であり、例えば、リレーユニット30を5個のリレー装置110で構成する場合には、図9(c)に示されるように、平面視十字状とされていてもよい。なお、図9(a)〜図9(c)では、リレーユニット30内の仕切線で区切られる1つの四角領域内に、1つのリレー装置110が配置されていることを示している。
さらに、上記第1実施形態において、リレーボックス10には、さらに複数の電子部品20が搭載されていてもよいし、複数のリレーユニット30が搭載されていてもよい。また、リレーボックス10には、リレー部品40が搭載されていなくてもよい。この場合、例えば、用途に応じ、後付けでリレーユニット30やリレー部品40を搭載できるように、リレーボックス10に空きスペースがある状態とされていてもよい。