以下、図面を参照しつつ、目標管理システムの実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらの説明は繰り返さない。
[コンセプト]
「習慣が改善する」ということは、今まで「普通」だと思っていた自分の生活を望ましい状態に変化させ、それ以降はその望ましい生活をこれからの「普通」と認識させることである。習慣の改善を実現するための手順は、以下に示す通りである。(1)「これから」の望ましい普通がどんな状態化を把握する。(2)「今まで」の普通からどんな変化が必要かを理解する。(3)自分にとって負担のない小さな変化を確実に実行する。(4)到達した「これから」の望ましい状態を自分の普通と認識する。
図1から図9は、それぞれ、習慣を改善するための手順1から手順9を示す図である。図1を参照して、手順1においては、価値を数値に変換する。つまり、目指す姿を決定したら、その実現に必要な所定の指標の数値目標を明示する。
図2を参照して、手順2においては、価値までの変化量を計算する。つまり、数値目標と現在との差、および、その実現までの時間を設定することで、変化量を計算する。
図3を参照して、手順3においては、変化の実現ルートを提示する。つまり、同じ変化量で複数通りの経路を提示し、どのルートにするかを決定する。経路(ルート)とは、所定の指標の数値目標までの所定の指標の値の推移である。
図4を参照して、手順4においては、ルートを進む具体的な行動を提示する。つまり、想定されたルートをたどるために必要な具体的な行動を提示する。
図5を参照して、手順5においては、適切な介入を適切な方法で提供する。つまり、行動の確実な実践を促すための介入を適切な内容、時間、場所、および、経路を選択し、提供する。
図6を参照して、手順6においては、日々の進捗の確認とフィードバックを行なう。つまり、介入とそれによる日々の進行状況を、決定したルートと照らし合わせ評価し、進捗状況によって介入内容および変化スピードなどを変更する。
図7を参照して、手順7においては、ステージの到達判定と介入戦略の変更を行なう。つまり、目指す姿に到達した時点でフェイズを切替え、対応方針を「維持」に変更する。
図8を参照して、手順8においては、下降未来予測とルート選択とを行なう。つまり、今後の行動状態によって変化が想定される未来から現状維持または緩やかな変化を選択する。
図9を参照して、手順9においては、下降スピードを緩める介入を実施する。つまり、維持の状態から外れ得る変化を事前に想定し、そうならないような介入と維持の状態にいることの賞賛とを与える。
[目標管理システム]
図10は、この実施の形態に係る目標管理システムの全体構成の概略を示す図である。図10を参照して、目標管理システムは、ユーザ10,20,30がそれぞれ所持する情報通信端末100A〜100C(たとえば、スマートフォン、携帯電話、PC(Personal Computer)、タブレット型PCなど)と、目標管理のためのサーバ200と、その他のサーバ300と、生体情報の測定装置500と、情報通信端末間の通信を提供する電気通信事業者の通信設備800A,800Bとを含む。
サーバ200,300および通信設備800A,800Bは、インターネットおよび公衆通信網などのパブリックネットワーク、および、LAN(Local Area Network)などのプライベートネットワークなどの通信ネットワーク900を介して、互いに通信可能に接続される。情報通信端末100A,100Bおよび通信設備800A,800Bは、無線通信で、互いに通信可能に接続される。
図11は、この実施の形態における情報通信端末100の構成を示すブロック図である。図11を参照して、情報通信端末100は、情報通信端末100の全体を制御するための制御部110と、所定の情報を記憶するための記憶部120と、操作部130と、出力部140と、外部記憶装置150と、無線通信部170とを含む。なお、図示していないが、情報通信端末100は、音声を入出力するための音声入出力部など他の構成も含む。
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)およびその補助回路からなり、記憶部120、操作部130、出力部140、および、無線通信部170を制御し、記憶部120に記憶されたプログラムまたはデータに従って所定の処理を実行し、操作部130および無線通信部170から入力されたデータを処理し、処理したデータを、記憶部120に記憶させたり、出力部140および無線通信部170に出力したりする。
記憶部120は、制御部110でプログラムを実行するために必要な作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)と、制御部110で実行するためのプログラムを記憶するためのROM(Read Only Memory)とを含む。また、RAMには、所定の処理を実行するためのプログラムおよびデータが、操作部130、無線通信部160または外部記憶装置150から読込まれて記憶される。さらに、RAMの記憶領域を補助するための補助記憶装置として、ハードディスクドライブまたはメモリカードが用いられてもよい。
外部記憶装置150は、メモリカードリーダライタで構成される。外部記憶装置150は、制御部110から受けた所定のデータまたはプログラムを、メモリカードやUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの記録媒体151に電気的に記録したり、記録媒体151から読出して制御部110に受け渡したりする。なお、外部記憶装置150は、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、MO(Magneto-Optical disk)ドライブ、CD(Compact Disc)ドライブ、または、DVD(Digital Versatile Disk)ドライブなどの記憶装置で構成されるようにしてもよい。
操作部130は、電話番号や各種データなどの数字やアルファベットやその他の文字などを入力するためのタッチパネルおよび操作ボタンを含む。なお、操作部130は、他の操作のための部分を含むようにしてもよい。操作部130がユーザによって操作されることによって、操作部130から制御部110に操作に応じた操作信号が送信される。制御部110は、操作部130からの操作信号に応じて情報通信端末100の各部を制御する。
無線通信部170は、制御部110によって制御されて、通話相手の他の情報通信端末100または固定電話から、電気通信事業者の通信設備800およびアンテナを介して無線信号を受信し、受信した無線信号を音声信号に変換して、変換した音声信号を音声入出力部に送信するとともに、音声入出力部からの音声信号を無線信号に変換して、アンテナおよび電気通信事業者の通信設備800を介して通話相手の他の情報通信端末100または固定電話に送信する。
また、無線通信部170は、制御部110によって制御されて、データ通信が可能な機器、たとえば、サーバまたは他の情報通信端末100と、電気通信事業者の通信設備800およびアンテナを介して無線信号を受信し、受信した無線信号をデータに変換して、変換したデータを記憶部120に記憶させたり、データを表示させるために出力部140に送信したりするとともに、送信するデータを無線信号に変換して、アンテナおよび電気通信事業者の通信設備800を介してデータ通信先のサーバまたは他の情報通信端末100に送信する。
また、無線通信部170は、制御部110によって制御されて、公衆無線LANやプライベートネットワークの無線LANを介して、他のネットワーク通信可能な機器、たとえば、サーバおよび他の情報通信端末100と、データをやりとりする。
出力部140は、ディスプレイおよびスピーカを含む。出力部140は、制御部110によって制御されて、無線通信部170で受信された情報、記憶部120に記憶された情報、または、外部記憶装置150で記録媒体151から読出された情報が制御部110で変換された映像信号および音声信号を、それぞれ、映像としてディスプレイに表示させ、音声としてスピーカから出力させる。
図12は、この実施の形態における目標管理のためのサーバ200の構成を示すブロック図である。図12を参照して、サーバ200は、サーバ200の全体を制御するための制御部210と、所定の情報を記憶するための記憶部220と、記憶部220を補助して所定の情報を記憶するための外部記憶装置250と、外部の装置と通信ネットワーク900を介して通信するための通信部260とを含む。
記憶部220は、図11で説明した情報通信端末100の記憶部120と同様であるので、重複する説明は繰返さない。
通信部260は、外部の装置との間で通信ネットワーク900を介して、予め定められたプロトコルで、データを送受信する。通信部260は、制御部210から受けたデータを外部に送信したり、外部から受信したデータを制御部210に受け渡したりする。
外部記憶装置250は、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、MOドライブ、CDドライブ、DVDドライブ、または、メモリカードリーダライタなどの記憶装置で構成される。外部記憶装置250は、制御部210から受けた所定のデータまたはプログラムを、記録媒体251に磁気的、光学的、または電気的に記録したり、記録媒体251から読出して制御部210に受け渡したりする。
記録媒体251としては、ハードディスク,フレキシブルディスクなどの磁気ディスク、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory),CD−R(Compact Disk Recordable),CD−RW(Compact Disk ReWritable),DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory),DVD−R(Digital Versatile Disk Recordable),DVD−RW(Digital Versatile Disk Rerecordable Disc),DVD−RAM(Digital Versatile Disk Random Access Memory),DVD+R,DVD+RW(Digital Versatile Disk ReWritable),BD−R(Blu-ray(登録商標) Disc Recordable),BD―RE(Blu-ray(登録商標) Disc Rewritable),BD―ROM(Blu-ray(登録商標) Disc Read Only Memory)などの光ディスク、MOなどの光磁気ディスク、メモリカード、または、USBメモリなどがある。
制御部210は、図11で説明した情報通信端末100の制御部110と同様の構成を有する。制御部210は、記憶部220、外部記憶装置250および通信部260を制御し、記憶部220に記憶されたプログラムおよびデータにしたがって所定の処理を実行し、外部記憶装置250または通信部260から入力されたデータを処理し、処理されたデータを、記憶部220または外部記憶装置250の記録媒体251に記憶させたり、通信部260から出力させたりする。
なお、この実施の形態においては、サーバ200は、操作部および表示部を含まず、外部の装置の操作部からの操作によって操作され、外部の装置の表示部に情報を出力するが、これに限定されず、操作部および表示部の構成を含むこととしてもよい。操作部は、キーボードおよびマウスを含み、操作部のキーボードおよびマウスが操作されることによってサーバ200に入力された操作内容を示す操作信号は、制御部210に受け渡されるようにしてもよい。表示部は、ディスプレイを含み、ディスプレイは、制御部210から受けた画像データに対応する画像を表示するようにしてもよい。
なお、その他のサーバ300の構成は、サーバ200の構成と同様であるので、重複する説明は繰返さない。
図13は、この実施の形態における生体情報の測定装置500の構成を示すブロック図である。図13を参照して、図13で示すような体組成計などの生体情報の測定装置500は、測定装置500の全体を制御するための制御部510と、所定の情報を記憶するための記憶部520と、操作部530と、出力部540と、無線通信部570と、測定部580とを含む。
制御部510、記憶部520、操作部530、出力部540、および、無線通信部570は、それぞれ、図11で説明した情報通信端末100の制御部110、記憶部120、操作部130、出力部140、および、無線通信部170と同様であるので、重複する説明は繰返さない。なお、無線通信部570は、情報通信端末100と直接的に通信可能であってもよいし、通信ネットワーク900または電気通信事業者の通信設備800などを介して通信可能であってもよい。
測定部580は、制御部110によって制御されて、ユーザの複数の生体情報のうちの所定の生体情報を測定して、測定結果の情報を制御部110に送信する。生体情報は、生体の状態を示す情報および身体の活動や動きを示す情報を含み、具体的には、体重、胸囲、腹囲、身長、体組成値(体脂肪率、内臓脂肪レベル、皮下脂肪率、基礎代謝、骨格筋率、筋肉率、BMI、体年齢などの身体の組成を示す値)、活動量、歩数、血圧値、心拍(脈拍)数、体温、呼吸数、血液に関する指標値(血糖値、中性脂肪量、コレステロール量など)、消費カロリ、食事量、水分摂取量、排泄量、発汗量、肺活量、睡眠量など、あらゆる生体に関する指標を含む。
図14は、この実施の形態における目標管理のためのサーバ200で実行される目標管理処理の流れを示すフローチャートである。図14を参照して、サーバ200の制御部210は、生体情報の改善のための目標値を既に決定済みであるか否かを判断する(ステップS101)。目標値を決定済みでない(ステップS101でNO)と判断した場合、制御部210は、後述の図15で示す目標具現化前半処理を実行する(ステップS102)。
目標値を決定済みである(ステップS101でYES)と判断した場合、および、ステップS102の後、制御部210は、目標到達までのルートを既に決定済みであるか否かを判断する(ステップS103)。ルートを決定済みでない(ステップS103でNO)と判断した場合、制御部210は、後述の図29で示す目標具現化後半処理を実行する(ステップS104)。
ルートを決定済みである(ステップS103でYES)と判断した場合、および、ステップS104の後、制御部210は、決定した目標に到達したか否かを判断する(ステップS105)。目標に到達していない(ステップS105でNO)と判断した場合、制御部210は、後述の図37で示す目標進捗管理処理を実行する(ステップS106)。
目標に到達した(ステップS105でYES)と判断した場合、制御部210は、後述の図47で示す目標維持処理を実行する(ステップS107)。
[目標具現化前半処理]
図15は、この実施の形態における目標管理のためのサーバ200で実行される目標具現化前半処理の流れを示すフローチャートである。図15を参照して、サーバ200の制御部210は、定性的な目標を取得する(ステップS111)。
具体的には、制御部210は、ユーザ10が情報通信端末100Aで入力した、目指す定性的な目標を取得し、取得した情報をユーザごとに記憶部220に記憶させる。情報通信端末100Aでのこれらの情報の入力方法は、どのような方法であってもよく、たとえば、手入力であってもよいし、音声入力であってもよいし、手入力または音声入力を用いた対話方式による入力であってもよい。
また、制御部210は、今の自分を示す情報を取得する(ステップS112)。具体的には、制御部210は、ユーザ10が情報通信端末100Aで入力した、自分の属性(年齢、性別、家族構成など)を取得し、取得した情報をユーザごとに記憶部220に記憶させる。
次に、制御部210は、ステップS111で取得した定性的な目標を言語解析する(ステップS113)。詳しくは、文字として入力されたユーザ10の定性的な目標を形態素解析などにより意味づけを行なう。形態素解析としては従来の技術を用いることができる。
図16は、この実施の形態における形態素解析の一例を示す図である。図16を参照して、形態素解析においては、言語を意味のある単位で分割する。たとえば、ユーザ10が定性的な目標として「かっこいいお父さん」と入力した場合、「かっこいい」と「お父さん」とに分割する。
図15に戻って、制御部210は、目標をカテゴリで分類する(ステップS114)。詳しくは、ステップS113で解析された言語情報の目標が持つ意味の属性から、どういった目標なのかカテゴリ(体組成、血圧、睡眠など)で分類する。
図17は、この実施の形態における目標のカテゴリの分類の一例を示す図である。図17を参照して、ステップS113で分割した形態素のうち「かっこいい」は、「体型」に関する言語であるので、体組成に関するカテゴリに分類する。
図15に戻って、制御部210は、ギャップを評価する特徴表現空間を作成する(ステップS115)。詳しくは、ステップS114で分類されたカテゴリをもとに、目標とのギャップを評価する特徴量を抽出し、この特徴量を用いて、多次元空間の軸を構成する。この多次元空間を特徴表現空間と呼ぶ。
図18は、この実施の形態における特徴表現空間の一例を示す図である。図18を参照して、たとえば、目標管理のためのサーバ200の記憶部220に、体組成に関するカテゴリに関係する指標として、「BMI」、「体脂肪率」および「筋肉率」が記憶されている場合、「BMI」の軸と、「体脂肪率」の軸と、「筋肉率」の軸とを含む特徴表現空間が作成される。
図15に戻って、制御部210は、ギャップを表現する特徴表現マップを作成する(ステップS116)。詳しくは、ステップS112で取得されたユーザ10の属性、および、ステップS113で分割した形態素が持つ意味の情報から、ステップS114で作成した特徴表現空間上での範囲を、特徴表現マップとして作成する。
図19は、この実施の形態における特徴表現マップの作成過程の一例を示す第1の図である。図19を参照して、サーバ200は、「かっこいい」人の統計的な情報を、他のサーバ300や他の情報通信端末100から、通信ネットワーク900を介して予め取得し、「かっこいい」人の指標の値のデータベースとして、記憶部220に記憶している。制御部210は、この記憶部220に記憶されている「かっこいい」人の統計的な情報に基づいて、特徴表現空間における「かっこいい」人の分布を作成する。
図20は、この実施の形態における特徴表現マップの作成過程の一例を示す第2の図である。図20を参照して、サーバ200は、「お父さん」の統計的な情報を、他のサーバ300や他の情報通信端末100から、通信ネットワーク900を介して予め取得し、「お父さん」の指標の値のデータベースとして、記憶部220に記憶している。制御部210は、この記憶部220に記憶されている「お父さん」の統計的な情報に基づいて、特徴表現空間における「お父さん」の分布を作成する。
図21は、この実施の形態における「かっこいい」人の体組成に関する指標の値の初期段階でのデータベースの一例を示す。図21を参照して、データベースの作成の初期段階においては、サーバ200は、データが少ないので、基本的な分類項目(ここでは年代の項目)に応じた指標の値を、データベースとして記憶している。
図22は、この実施の形態における「かっこいい」人の体組成に関する指標の値のデータ蓄積後のデータベースの一例を示す。図22を参照して、データが蓄積されて増えると、サーバ200は、他の分類項目(ここでは、分類(1)、分類(2)の項目)に応じた指標の値を、データベースとして記憶することが可能となる。また、新たな指標(ここでは、胸囲、腹囲)の値を含めることが可能となる。
図23は、この実施の形態における体組成に関するカテゴリの言語データベースの一例を示す図である。図23を参照して、指標のデータベースのデータが十分にない場合には、図22の分類(1)で示したように、抽象化された分類項目(モデル系、体育会系、健康的系、平均的系)を用いるようにする。抽象化には、類語辞典などの言語の持つ意味に着目して整理した図23で示すような言語データベースを用いる。
指標のデータベースのデータが増えると、図22の分類(2)で示したように、より具体的な分類項目(細い、スタイルの良い、スラッとしている、体格の良い、胸板の厚い、筋肉質な、体調管理の行き届いた、風邪をひかない丈夫な、健やかな、普通の、一般的な、無理のない)を用いる。分類項目ごとの指標の値は、その分類項目や類語を目標として目標を達成した人の値を参照して収集される。
図15に戻って、制御部210は、定量化した目標値を特定する(ステップS117)。詳しくは、ステップS116で作成した特徴表現マップの範囲の重なり合う部分の範囲を示す各特徴量の範囲を定量的な目標値として特定し、記憶部220に記憶させる。
図24は、この実施の形態における特徴表現マップからの定量的な目標値の特定過程の一例を示す第1の図である。図24を参照して、図19で示した「かっこいい」人の特徴表現マップと、図20で示した「お父さん」の特徴表現マップとを組合せると、「かっこいいお父さん」の特徴表現マップが得られる。
図25は、この実施の形態における特徴表現マップからの定量的な目標値の特定過程の一例を示す第2の図である。図25を参照して、複数(ここでは2つ)の特徴表現マップの範囲の重なり合う部分の範囲内の点(ここでは、重心点)の値を、定量的な目標値とする。
ここでは、重心点としたが、重なり合う部分の範囲内の点であれば、他の点であってもよく、重なり合う部分の範囲の各軸の範囲の中央値を組合せた点(図25においては、BMIが19.0〜20.0,体脂肪率が10〜15,筋肉率が40〜45であるので、BMI,体脂肪率,筋肉率の目標値をそれぞれの中央値の19.5,12.5,42.5とする)であってもよい。
図26は、この実施の形態における特徴表現マップからの定量的な目標値の特定過程の一例を示す第3の図である。図26を参照して、複数の特徴表現マップの範囲が重ならない場合は、各範囲の間の点(たとえば、各範囲の重心点の中心点)の値を、定量的な目標値とする。
図15に戻って、制御部210は、ステップS117で特定した定量的な目標値を、ユーザ10の情報通信端末100Aで提示するために、その情報通信端末100Aに送信する(ステップS118)。その後、制御部210は、実行する処理を呼出元の処理に戻す。
図27は、この実施の形態における定量的な目標値の提示を説明するための図である。図27を参照して、目標を管理するためのサーバ200からユーザ10の情報通信端末100Aに、定量的な目標値が送信される。
図28は、この実施の形態における目標具現化前半処理において情報通信端末100Aの出力部140に表示される表示画面の一例を示す図である。図28を参照して、上から5つ目までの吹出しは、図15で示した目標具現化前半処理のステップS111で表示される。なお、ステップS112でのやり取りは図28では示していない。上から6つ目から8つ目までの吹出しは、図15のステップS118で表示される。
[目標具現化後半処理]
図29は、この実施の形態における目標管理のためのサーバ200で実行される目標具現化後半処理の流れを示すフローチャートである。図29を参照して、サーバ200の制御部210は、図15の処理で記憶部220に記憶された定量的な目標値および今の自分を示す情報を読出す(ステップS121)。
次に、制御部210は、目標に到達する時期の情報を取得し(ステップS122)、目標到達時を推定する(ステップS123)。
図30は、この実施の形態において目標に到達する時期の情報を取得する過程の一例を示す図である。図30を参照して、たとえば、ユーザ10が目標として「運動会で娘にカッコよさを見せたい」との情報を情報通信端末100Aで入力した場合、サーバ200の制御部210は、通信ネットワーク900に接続された他のサーバ300等の情報などに基づいて、娘の「運動会」が「9月」であることを特定する。これにより、目標に到達する期限が「9月まで」とされる。
また、ユーザ10が目標として「7月にTシャツをきれいに着たい」との情報を入力した場合、制御部210は、7月を目標到達時期とする。
図31は、この実施の形態における時間を指定する単語の意味解析の一例を示す図である。図31を参照して、単語には、場所に関する単語、食物に関する単語、人名に関する単語その他の単語などに加えて時間に関する単語がある。時間に関する単語には、直接的な時間としての日時に関する単語として、たとえば、2月,7月,2日,1時などがあり、間接的な時間としての時期に関する単語として、入学式,卒園式,運動会,結婚式などがある。このように、自然言語処理により、時制の単語を分類し、目標到達時期をクラスタ解析することで、目標到達期限を特定する。
このように、制御部210は、ユーザ10が情報通信端末100Aで入力した情報から、目標に到達する期限に関する情報を特定して取得し、取得した情報をユーザごとに記憶部220に記憶させる。目標に到達する期限に関する情報が、直接的期限であれば、そのまま用い、間接的期限であれば、期限を推定する。
図29に戻って、制御部210は、記憶部220に記憶された定量的な目標値と、今の自分を示す情報とのギャップを算出する(ステップS124)。
図32は、この実施の形態における目標値とのギャップを示す図である。図32を参照して、目標とのギャップは、達成までの期間と、現状と目標との指標の差とで示される。図29のステップS124では、たとえば、2月現在の今の自分の体重が65kgで体脂肪率が30%であり、目標が、9月までに体重を62kgとし、体脂肪率を25%とする場合、ギャップとしては、期間が7ヶ月、体重が−3kg、体脂肪率が−5%と算出される。
図29に戻って、制御部210は、記憶部220に記憶された情報などに基づいて、当該ユーザ10のこの目標管理システムの過去の利用履歴が有るか否かを判断する(ステップS125)。有る(ステップS125でYES)と判断した場合、制御部210は、当該ユーザ10の過去の目標到達に成功した過程や失敗した過程に関する情報を読出す(ステップS126)。
当該ユーザ10の過去の利用履歴が無い(ステップS125でNO)と判断した場合、および、ステップS126の後、制御部210は、記憶部220に記憶されている当該ユーザ10以外の複数の人の情報のうち、当該ユーザ10の今回の状況に近い情報(たとえば、目標値とのギャップが近似している情報、当該ユーザ10と目標が近似している情報、当該ユーザ10と属性が近似している情報)を読出す(ステップS127)。
そして、制御部210は、ステップS126およびステップS127で読出した情報を用いて、目標到達までの候補ルートを複数作成する(ステップS128)。
図33は、この実施の形態における目標到達までのルートの一例を示す図である。図33を参照して、目標到達までの候補ルートとしては、ルート(2)のような直線型や、ルート(1),ルート(3)のような曲線型や、段々型などの複数の形状があり、それぞれの変化率は、ギャップ、期間、個人の属性およびパーソナリティなどに応じて変化する。
図34は、この実施の形態における目標到達までの推奨ルートの決定の過程の一例を示す図である。図34を参照して、サーバ200の記憶部220には、複数のユーザの属性、複数のユーザの体に関する目標、および、複数のユーザの体に関する目標到達の傾向を示す情報が対応付けて蓄積される。
たとえば、ユーザ10が「20代のお父さん」である場合、ユーザ10と同じまたは似た目標でありユーザ10と同じ属性「20代」の他のユーザの目標達成率が、ルート(1)〜(3)のそれぞれで27%,40%,12%であり、ユーザ10と同じまたは似た目標でありユーザ10と同じ属性「お父さん」の他のユーザの目標達成率が、ルート(1)〜(3)のそれぞれで20%,20%,9%であることが蓄積されている。これに基づき、ルートごとのそれぞれの目標達成率の平均値のうち最も高い平均値のルート(2)を推奨ルートとして決定する。
図29に戻って、制御部210は、ステップS128で作成した候補ルートを、ユーザ10の情報通信端末100Aで提示するために、その情報通信端末100Aに送信する(ステップS129)。制御部210は、当該ユーザ10により候補ルートの選択が有ったか否か、つまり、ユーザ10の情報通信端末100Aから選択した候補ルートを示す情報を受信したか否かを判断する(ステップS131)。
候補ルートの選択が有った(ステップS131でYES)と判断した場合、制御部210は、目標の管理に用いるルートを、選択された候補ルートに決定する(ステップS132)。一方、候補ルートの選択が無い(ステップS131でNO)と判断した場合、制御部210は、目標の管理に用いるルートを、図34で示したような推奨ルートに決定する(ステップS133)。
制御部210は、ステップS132またはステップS133で決定された目標ルートを、ユーザ10の情報通信端末100Aで提示するために、その情報通信端末100Aに送信する(ステップS134)。
図35は、この実施の形態における目標具現化後半処理において情報通信端末100Aの出力部140に表示される表示画面の一例を示す図である。図35を参照して、上から5つ目までの吹出しは、図29のステップS129で表示される。上から6つ目および7つ目の吹き出しは、図29のステップS134で表示される。
図29に戻って、制御部210は、目標到達方法を選定する(ステップS135)。詳しくは、過去の履歴およびユーザ10の属性や好みから、目標到達方法を選定する。たとえば、20代の複数のユーザは、食事量を減らすことが、体組成(たとえば、体重)を改善するのに有効である。しかし、このユーザ10は、過去の履歴によると、目標到達方法としてウォーキングをしている履歴が多いといった情報から、第1のお勧めは、毎日20分間走る、第2のお勧めは、食事量を減らすことを選定する。
図36は、この実施の形態における目標到達方法の選定の過程の一例を示す図である。図36を参照して、当該ユーザ10の目標値とのギャップと同じような条件の人にお勧めの目標到達手段は、第1に、ランニング、第2に、家での食事、第3に、帰宅時に一駅歩くことである。
また、当該ユーザ10の過去の歩数データの推移から、このユーザ10は、平均より良く歩くということである。これらのことから、当該ユーザ10への目標値とのギャップを埋めるためのお勧めの目標到達手段として、第1に、当該ユーザ10の家が駅から20分程度のため、一日一駅歩くこと、第2に、ランニングをすることを選定する。
図29に戻って、制御部210は、ステップS135で決定された目標到達方法を、ユーザ10の情報通信端末100Aで提示するために、その情報通信端末100Aに送信する(ステップS136)。その後、制御部210は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
[目標進捗管理処理]
図37は、この実施の形態における目標管理のためのサーバ200で実行される目標進捗管理処理の流れを示すフローチャートである。図37を参照して、サーバ200の制御部210は、図29の処理で記憶部220に記憶された目標ルートを読出す(ステップS141)。
次に、制御部210は、介入実績の個人データの量が、十分(たとえば、統計を算出するのに必要な数以上)、蓄積されているか否かを判断する(ステップS142)。十分、蓄積されている(ステップS142でYES)と判断した場合、制御部210は、記憶部220で蓄積されている当該ユーザ10の介入有効度の実績を読出す(ステップS143)。一方、十分、蓄積されていない(ステップS142でNO)と判断した場合、制御部210は、記憶部220に蓄積されている集団の介入有効度の実績を読出す(ステップS144)。
そして、制御部210は、読出した介入有効度の実績を用いて介入閾値および介入方法を算出する(ステップS145)。
図38は、この実施の形態における介入有効度の集団の実績の一例を示す図である。図38を参照して、この目標管理システムのユーザのすべてについて、設定された目標指標、性別、年齢および家族構成などに対して、有効だった介入方法、および、最終的に目標達成されたか否かなどの、介入有効度を示す情報が対応付けられて、記憶部220に蓄積される。
図39は、この実施の形態における集団の実績を用いて介入方法を算出する過程を説明するための図である。図39を参照して、図38で示した介入有効度の集団の実績から、「設定された目標指標」ごとに「最終的な目標達成」が「○」のものを集計する。この例では、「設定された目標指標」が、当該ユーザ10と同じ筋肉量とした人の「有効だった介入方法」の度数は、妻による言動が最も高く、以下、スマートフォンによる通知、医師の言動の順となる。この一例のように、目標指標が当該ユーザ10と同じユーザの実績から、当該ユーザ10にとって有効な介入方法が算出される。
なお、ここでは、ユーザ10への介入方法として、当該ユーザ10と同じ目標指標の人への介入方法から統計的に有効な介入方法を算出するようにした。しかし、これに限定されず、ユーザ10への介入方法として、当該ユーザ10と近似する目標指標の人への介入方法から統計的に有効な介入方法を決定するようにしてもよい。近似する目標指標は、記憶部220に予め記憶される。たとえば、体脂肪率、内臓脂肪レベルおよび皮下脂肪率は、互いに近似するとして記憶される。
また、本実施の形態においては、ユーザ10への介入方法として、当該ユーザ10と目標指標の種類が近似する目標指標の人への介入方法から統計的に有効な介入方法を決定するようにした。しかし、ユーザ10への介入方法として、当該ユーザ10と目標指標の種類および値が近似する目標指標の人への介入方法から統計的に有効な介入方法を決定するようにしてもよい。近似する目標指標の値の範囲は、記憶部220に予め記憶される。たとえば、目標指標である体重に近似する値の範囲は、当該体重の±10%の範囲であることが記憶される。
図40は、この実施の形態における集団の実績を用いて介入閾値を算出する過程を説明するための第1の図である。図40を参照して、図38で示した介入有効度の集団の実績から、「設定された目標指標(この例では「体重」)」が当該ユーザ10と同じものを抽出する。そして、抽出したユーザのうち目標達成した人の目標指標の推移を、記憶部220に蓄積されているデータベースから読出し、統計的に閾値を算出する。
図41は、この実施の形態における集団の実績を用いて介入閾値を算出する過程を説明するための第2の図である。図41を参照して、統計的に閾値を算出する方法としては、まず、読出した複数のユーザの目標指標の日ごとの前日との体重差のヒストグラムを作成する。次に、このヒストグラムにおける標準偏差σを算出する。そして、当該ユーザ10の目標ルートの指標の値に対して、−3σ,−2σ,−σ,+σ,+2σ,+3σを介入閾値とする。このように、目標指標が当該ユーザ10と同じユーザの実績から当該ユーザ10の介入閾値を算出する。
図42は、この実施の形態における介入有効度の個人の実績の一例を示す図である。図42を参照して、この目標管理システムの各ユーザについて、介入時刻、介入方法、および、介入効果の有無などの、介入有効度を示す情報が対応付けられて、記憶部220に蓄積される。
図43は、この実施の形態における個人の実績を用いて介入方法を算出する過程を説明するための図である。図43を参照して、図42で示した介入有効度の個人の実績から、介入方法ごとに、介入効果が有った度数を集計する。この例では、Bさんが改善行動を実施するために効果的だった介入方法の度数は、スマートフォンによる通知が最も高く、以下、会社の上司の言動、妻の言動の順となる。この一例のように、当該ユーザ10の実績から、当該ユーザ10にとって統計的に有効な介入方法が算出される。
図44は、この実施の形態における個人の実績を用いて介入閾値を算出する過程を説明するための第1の図である。図44を参照して、当該ユーザ10の目標指標が体重である場合、記憶部220に蓄積されているデータベースから、当該ユーザ10の当該目標指標の推移を読出し、統計的に閾値を算出する。
図45は、この実施の形態における個人の実績を用いて介入閾値を算出する過程を説明するための第2の図である。図45を参照して、統計的に閾値を算出する方法としては、まず、読出した当該ユーザ10の目標指標の日ごとの前日との体重差のヒストグラムを作成する。次に、このヒストグラムにおける標準偏差σを算出する。そして、当該ユーザ10の目標ルートの指標の値に対して、−3σ,−2σ,−σ,+σ,+2σ,+3σを介入閾値とする。このように、当該ユーザ10の実績から当該ユーザ10の介入閾値を算出する。
図37に戻って、制御部210は、当該ユーザ10の現状の指標の値を取得する(ステップS146)。具体的には、制御部210は、ユーザ10が情報通信端末100Aで入力した当該ユーザ10の現状の指標の値、および、情報通信端末100Aで測定装置500から取得した当該ユーザ10の現状の指標の値を、情報通信端末100Aから取得する。
次に、制御部210は、取得した当該ユーザ10の現状の指標の値と、現在の当該ユーザ10の目標ルートの指標の値とを比較して、当該ユーザ10の現状の指標の値が、−σ〜σの「理想範囲」であるか、−2σ〜−σまたはσ〜2σの「許容範囲」であるか、−3σ〜−2σまたは2σ〜3σの「限度範囲」であるか、−3σ未満または3σ超の「失敗範囲」であるかの乖離度を判定することによって、当該ユーザ10の目標管理の進捗度を判定する(ステップS147)。具体的には、乖離度が「許容範囲」、「限度範囲」および「失敗範囲」であると判定した場合、それぞれ、進捗度が「優」、「良」および「可」であると判定する。
なお、乖離度は、このような「許容範囲」、「限度範囲」および「失敗範囲」といった段階的なものに限定されず、当該ユーザ10の現状の指標の値と、現在の当該ユーザ10の目標ルートの指標の値との乖離を示す度合いであれば、他の度合いであってもく、たとえば、当該ユーザ10の現状の指標の値と、現在の当該ユーザ10の目標ルートの指標の値との差の値であってもよいし、現在の当該ユーザ10の目標ルートの指標の値に対する当該ユーザ10の現状の指標の値の比率であってもよい。
図46は、この実施の形態における目標管理の進捗度を説明するための図である。図46を参照して、図46(A)から図46(D)は、それぞれ、当該ユーザ10の目標管理の進捗度、すなわち、当該ユーザ10の現状の指標の値が、「理想範囲」である場合、「許容範囲」である場合、「限度範囲」である場合、および、「失敗範囲」である場合を示している。
図37に戻って、制御部210は、進捗度が「優」である、つまり、当該ユーザ10の現状の指標の値が「理想範囲」であるか否かを判断する(ステップS148)。「優」である(ステップS148でYES)の場合、制御部210は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
「優」でない(ステップS148でNO)と判断した場合、制御部210は、進捗度が「良」である、つまり、当該ユーザ10の現状の指標の値が「許容範囲」であるか否かを判断する(ステップS149)。「良」である(ステップS149でYES)の場合、制御部210は、介入方法を、有効度が低い介入方法とする(ステップS151)。
「良」でない(ステップS149でNO)と判断した場合、制御部210は、進捗度が「可」である、つまり、当該ユーザ10の現状の指標の値が「限度範囲」であるか否かを判断する(ステップS150)。「可」である(ステップS150でYES)の場合、制御部210は、介入方法を、有効度が高い介入方法とする(ステップS152)。
ステップS151およびステップS152の後、制御部210は、介入タイミングとなったか否かを判断する(ステップS154)。介入タイミングとなった(ステップS154でYES)と判断した場合、制御部210は、介入のための処理を実行する(ステップS155)。その後、制御部210は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
有効度が低い介入方法が、サーバ200から情報通信端末100Aを介してユーザ10に伝達される定型的なメッセージでの介入であるとした場合、有効度が高い介入方法は、サーバ200からの依頼に応じた当該ユーザ10の関係者または専門家(たとえば、医師、トレーナなど)からの非定型的なメッセージでの介入である。
有効度が低い介入方法が、サーバ200からの依頼に応じた当該ユーザ10と対等または下の立場の者(たとえば、家族構成に応じた家族(配偶者,子供,親,兄弟)、友人など)からのメッセージでの介入であるとした場合、有効度が高い介入方法は、サーバ200からの依頼に応じた当該ユーザ10の上の立場の者(たとえば、勤務先の上司、先輩、先生など)からのメッセージでの介入である。
食事および運動などの目標到達方法の種類ごとに、当該ユーザ10とその目標到達方法への寄与度が高い介入者を決定する。寄与度とは、寄与の大きさについてのグレード分類(たとえば、大,中,小)をいう。その決定には、当該ユーザ10の家族構成および職場環境などの環境情報、ならびに、当該ユーザ10または他の複数のユーザの過去実践データを活用する。
たとえば、目標指標の種類ごとの当該ユーザ10に対する介入者ごとの介入結果を記憶部220に記憶させておく。または、目標指標の種類ごとの複数の人のそれぞれに対する介入者ごとの介入結果を記憶部220に記憶させておく。介入結果としては、介入の後に目標の指標の値が改善した場合は介入が成功したことを記憶させておき、介入の後に目標の指標の値が改善しなかった場合は介入が失敗したことを記憶させておく。そして、記憶部220に記憶された介入結果を用いて、目標指標に応じて介入が成功した回数に応じて寄与度を特定し、寄与度が高い介入者を決定する。
介入する時刻タイミングは、目標到達方法の種類ごとに予め定められた時刻であってもよいし、目標到達方法の実施タイミングの情報を、当該ユーザ10から情報通信端末100Aを介して取得したり推定したりして、介入する内容に応じてその実施タイミングの前後などに決定するようにしてもよい。
目標に対するタイミングごとの介入の結果を記憶部220に蓄積するようにして、蓄積された介入の結果を用いて、寄与度が高いタイミングを決定するようにしてもよい。
たとえば、目標指標の種類ごとの当該ユーザ10に対する介入タイミングごとの介入結果を記憶部220に記憶させておく。または、目標指標の種類ごとの複数の人のそれぞれに対する介入タイミングごとの介入結果を記憶部220に記憶させておく。介入結果としては、介入の後に目標の指標の値が改善した場合は介入が成功したことを記憶させておき、介入の後に目標の指標の値が改善しなかった場合は介入が失敗したことを記憶させておく。そして、記憶部220に記憶された介入結果を用いて、目標指標に応じて介入が成功した回数に応じて寄与度を特定し、寄与度が高い介入タイミングを決定する。
当該ユーザ10のライフスタイルが平日および休日などで変化する場合は、たとえ同じ目標到達方法および介入する内容であるとしても、介入の実施者および介入する時刻タイミングは、ライフスタイルの変化に応じて決定されるようにすることが好ましい。
たとえば、介入する内容が「食事」である場合、当該ユーザ10の勤務日の平日であれば、昼食のタイミングの直前に、当該ユーザ10の上の立場の者である勤務先の上司に、目標管理のためのサーバ200が昼食のメニューの選び方を当該ユーザ10に対して話してもらうよう通知することで、「食事」に対する介入を当該ユーザ10に対して実行してもらうように促す。
介入する内容が「食事」である場合、当該ユーザ10の勤務日でない休日であれば、当該ユーザ10の配偶者である妻が昼食の決定する前に、当該妻に、目標管理のためのサーバ200が昼食の調理方法を通知することで、「食事」に対する介入を当該ユーザ10に対して実行してもらうように促す。
介入する内容が「運動」である場合、当該ユーザ10の勤務日の平日であれば、勤務先への行き帰りの前に、当該ユーザ10に、目標管理のためのサーバ200が当該ユーザ10の情報通信端末100Aに、早歩きをすることや階段を利用することなどの「運動」の工夫を通知することで「運動」に対する介入を実行する。
介入する内容が「運動」である場合、当該ユーザ10の勤務日でない休日であれば、休日の前に、当該ユーザ10の子供に、目標管理のためのサーバ200が休日にできる運動の情報を通知することで、父親である当該ユーザ10に「運動」に対する介入を実行してもらうように促す。
複数の人の目標到達方法のうち当該ユーザ10と同じ目標到達方法に対する介入で成功率が高かった介入方法(妻からの電話、娘からのひとこと、スマートフォンによる通知の順で成功率が高かった場合は、妻からの電話)で介入を実行することが考えられる。たとえば、目標管理のためのサーバ200が当該ユーザ10の妻に対して、目標到達方法である「歩くこと」に対する介入を実行してもらうことを促し、妻が当該ユーザ10に電話をして「目標達成が近いし、今日は駅から歩いたら?」といったメッセージを伝えてもらう。
当該ユーザ10と同じような属性の人に対する介入で効果的であった介入方法で介入をするようにしてもよい。たとえば、40代の男性では、娘からの声掛け、妻への料理方法の指定、スマートフォンによる本人への通知の順で効果的である場合、次のようにすることが考えられる。
進捗度が「可」であると判断された日のうちに、目標管理のためのサーバ200が、当該ユーザ10の娘に対して当該ユーザ10の現状を通知するとともに「最近調子どう?」との声掛けを依頼することで当該ユーザ10への介入を促すことが考えられる。「食事」に対する介入をする場合、娘が父親と話をする時間が18時から19時であれば、その間の18時30分に娘に当該ユーザ10への介入を促すことが考えられる。
進捗度が「可」であると判断された日のうちに、目標管理のためのサーバ200が、当該ユーザ10の妻に対して当該ユーザ10の現状を通知するとともに効果的なレシピを提示することで当該ユーザ10の「食事」への介入を促したりすることが考えられる。妻が献立を考える時間が13時であれば、その直前の12時30分に妻に当該ユーザ10の「食事」への介入を促すことが考えられる。
進捗度が「可」であると判断された翌日以降に、目標管理のためのサーバ200が、本人のスマートフォンに状況を確認するための連絡をすることで介入をすることが考えられる。当該ユーザ10が食事をとる時間が6時、12時15分および19時30分であれば、それぞれの直前の5時45分、12時および19時15分に、当該ユーザ10に介入をすることが考えられる。
図37に戻って、進捗度が「可」でない(ステップS150でNO)と判断した場合、制御部210は、目標を再設定し(ステップS156)、前述の図29で示した目標具現化後半処理を実行する(ステップS157)。目標の再設定としては、図32で示した指標の目標を現状の進捗度に応じて変更したり、目標到達までの期限を延ばしたりする。その後、制御部210は、実行する処理をこの処理の呼出元に戻す。
図47は、この実施の形態における目標管理のためのサーバ200で実行される目標維持処理の流れを示すフローチャートである。図47を参照して、サーバ200の制御部210は、当該ユーザ10の現状の指標の値を取得する(ステップS161)。具体的には、制御部210は、ユーザ10が情報通信端末100Aで入力した当該ユーザ10の現状の指標の値、および、情報通信端末100Aで測定装置500から取得した当該ユーザ10の現状の指標の値を、情報通信端末100Aから取得する。
次に、制御部210は、予測モデルを未作成であるか否かを判断する(ステップS162)。予測モデルを作成済み(ステップS162でNO)と判断した場合、制御部210は、実行する処理をステップS171に進める。一方、予測モデルを未作成である(ステップS162でYES)と判断した場合、制御部210は、当該ユーザ10の個人データ量が、十分、蓄積されているか否かを判断する(ステップS163)。
個人データ量が、十分、蓄積されている(ステップS163でYES)と判断した場合、制御部210は、個人予測モデルおよび集団予測モデルを作成する(ステップS164)。
図48は、この実施の形態における集団の過去データのうち当該ユーザ10と似たデータを抽出したものを示す図である。図48を参照して、当該データは、この目標管理システムのユーザすべての過去データのうちから、当該ユーザ10と同じような目標であるユーザおよび当該ユーザ10と指標(ここでは体重)の推移が似た傾向であるユーザなどの当該ユーザ10と似たユーザのデータを抽出したものである。
図49は、この実施の形態における当該ユーザ10と似たデータの指標の変化の予測推移を示す図である。図49を参照して、このグラフは、図48のデータから予測した指標(ここでは体重)の平均的推移および信頼区間推移を示すグラフである。たとえば、y=a×x2+b×x+cの関係式(1)で近似することができる。
図50は、この実施の形態における個人の過去データを抽出したものを示す図である。図50を参照して、当該データは、この目標管理システムのユーザすべての過去データのうちから、当該ユーザ10のデータを抽出したものである。
図51は、この実施の形態における当該ユーザ10の指標の変化の予測推移を示す図である。図51を参照して、図51(A)のグラフは、図50のデータに基づく当該ユーザ10の歩数と体重との相関を示すグラフである。図51(B)のグラフは、図50のデータに基づく当該ユーザ10の食事量と体重との相関を示すグラフである。これらのグラフにおける近似線からy=a×歩数+b×食事量+・・・+cの関係式(2)で示される体重予測モデルを得ることができる。
このように個人の過去情報から個々の因子の影響度を計算し、予測モデルを構築することができる。たとえば、1週間先を予測する場合、1日ごとの予測モデルを構築する。1ヶ月先を予測する場合、1週間ごとの予測モデルを構築する。3ヶ月以上先を予測する場合、1ケ月ごとの予測モデルを構築する。
図47に戻って、制御部210は、個人予測モデルと集団予測モデルとのうち、個人予測モデルの方が現状値との誤差が少ないか否かを判断する(ステップS165)。
図52は、この実施の形態における集団予測モデルを用いた誤差評価を示す図である。図52を参照して、現在が2日目である場合、0日目から2日目までについては、上述の関係式(1)で得られる予測体重と実測値との予測誤差を算出する。3日目以降については、それぞれ、過去の平均的な3日目以降の値と、上述の関係式(1)で得られる予測体重との予測誤差を算出する。これらの予測誤差を2乗平均した誤差を、集団予測モデルを用いた場合の誤差として算出する。
図53は、この実施の形態における個人予測モデルを用いた誤差評価を示す図である。図53を参照して、現在が2日目である場合、0日目から2日目までについては、上述の関係式(2)で得られる予測体重と実測値との予測誤差を算出する。3日目以降については、それぞれ、2日目の取得情報による3日目以降の予測値を算出し、その算出した予測値と、上述の関係式(2)で得られる予測体重との予測誤差を算出する。これらの予測誤差を2乗平均した誤差を、個人予測モデルを用いた場合の誤差として算出する。
図47に戻って、図52および図53の例の場合、ステップS165において、個人予測モデルの方が誤差が少ないと判断される。個人予測モデルの方が誤差が少ない(ステップS165でYES)と判断した場合、制御部210は、予測に用いるモデルとして、個人予測モデルを適用する(ステップS166)。一方、集団予測モデルの方が誤差が少ない(ステップS165でNO)と判断した場合、制御部210は、予測に用いるモデルとして、集団予測モデルを適用する(ステップS168)。
また、個人データ量が十分でない(ステップS163でNO)と判断した場合、制御部210は、集団予測モデルを作成して(ステップS167)、予測に用いるモデルとして、集団予測モデルを適用する(ステップS168)。
次に、制御部210は、当該ユーザ10の指標のこれからの変化を推定する(ステップS171)。具体的には、上述した予測モデルなどの疫学的な情報から、当該ユーザ10と同じような人が特に行動を変化させず今までと同様にした場合の推移に基づいて、当該ユーザ10の指標がどのように推移していくかシミュレーションする。このシミュレーションにおいては、ステップS166またはステップS168で適用された予告モデルを用いる。
図54は、この実施の形態における指標の変化の予測結果を示す図である。図54を参照して、このグラフの破線で示されるように、シミュレーションによる当該ユーザ10の指標の変化の予測結果が示される。
図47に戻って、制御部210は、当該ユーザ10の現状の指標の値と、指標の変化の予測結果との比較に基づいて、当該ユーザ10に介入する必要性または当該ユーザ10を賞賛する必要性が有るか否かを判断する(ステップS172)。
図55は、この実施の形態における現状の指標の値と指標の変化の予測結果との比較を示す図である。図55を参照して、図54で示した指標の変化の予測結果と、新しく測定した当該ユーザ10の現状の指標の値とを比較する。図55においては、新しい指標の値は、予測結果を上回っている。
図56は、この実施の形態における指標の変化パタンを説明するための図である。目標管理システムのすべてのユーザの指標の変化を蓄積しておく。蓄積している情報のうち、指標が良くない方向に進んだ際の時系列での点を変化点とし、変化点の前後数日間の情報を、変化区間として抽出しておく。
抽出した変化区間に対して、良くなった区間、悪くなった区間などの区間の特徴のラベルを付けておく。このラベルの付いた変化区間を変化パタンと呼ぶ。このような変化パタンの分類の手法については、どのような方法であってもよく、特徴量を構築して分類する方法であってもよいし、分類基準によって分類する方法であってもよいし、ルールを構築して分類する方法であってもよい。
図56(A)は、数日(ここでは5日)連続で指標が悪化(増加)しているが翌日に指標が戻っている「まだ戻れる」変化パタンの例である。図56(B)は、数日(ここでは6日)連続で指標が悪化し翌日以降にも指標が戻らない「ベースアップ」変化パタンの例である。
このような変化パタンに基づいて、当該ユーザ10に介入する必要性または当該ユーザ10を賞賛する必要性が有るか否かを判断するようにしてもよい。具体的には、今回の指標の変化の推移について、構築した変化パタンのうち最も近いものを選定し、変化パタンに付されたラベルから、変化の特徴を取得し、取得した変化の特徴から、ユーザ10への賞賛や介入を行なう必要があるか否かを判定する。
図56(C)のように、指標が変化した後に、白丸で示す指標の値となった場合、翌日も悪化した場合、図56(B)で示した「ベースアップ」変化パタンとなってしまう。このため、当該ユーザ10に介入する必要性があると判断する。この介入に当該ユーザ10が従って、何らかの対策をして、翌日の指標が改善された場合、図56(A)で示した「まだ戻れる」変化パタンとなる。
図57は、この実施の形態における個人の指標の推移と改善行動との関係を示す図である。図57を参照して、図57(A)で示される当該ユーザ10が目標の指標を改善した日の直前の改善行動の有効度は、それぞれ、図57(B)で示されるような順である。
図58は、この実施の形態における当該ユーザ10と似たユーザのうち改善行動を継続した群の指標の推移と改善行動との関係を示す図である。図58を参照して、図58(A)で示されるような指標の推移をたどったユーザの群の改善行動の有効度は、それぞれ、図58(B)で示されるような順である。
図59は、この実施の形態における当該ユーザ10と似たユーザのうち改善行動をやめた群の指標の推移を示す図である。図59を参照して、改善行動をやめた場合は、継続した場合と比較して、目標の指標が悪化していく。
図60は、この実施の形態における指標の今後の推移の複数のパタンを示す図である。図60を参照して、図57から図59で示したような解析に基づいて、当該ユーザ10にとっては、よく眠ることが有効であり、それ以外の行動の有効度は、当該ユーザ10と似た他のユーザとの差異は小さいことが分かる。この解析に基づき、図60で示されるような、指標の今後の推移の予測の複数のパタンが作成される。
図47に戻って、介入または賞賛の必要性が有る(ステップS172でYES)と判断した場合、制御部210は、当該ユーザ10に対する必要なアドバイスを作成する(ステップS173)。たとえば、ユーザ10と同様の状況に対して記憶部220に予め記憶されているアドバイスを読出すようにしてもよい。また、図60で示したような、指標の今後の推移の予測の複数のパタンとそれぞれの説明文とを作成するようにしてもよい。
次に、制御部210は、作成したアドバイスを当該ユーザ10の情報通信端末100Aで提示するために、当該情報通信端末100Aに送信する(ステップS174)。
図61は、この実施の形態における目標維持処理において情報通信端末100Aの出力部140に表示される表示画面の一例を示す図である。図61を参照して、これらのアドバイスは、図47のステップS174で表示される。
このように、これまでの過去の変化から得たそのユーザ10独自の体組成などの指標の変化を管理し、上手く維持し続けているときは、当該ユーザ10を褒めてあげ、指標が良くない方向に進む予兆をとらえ、そうならないようなアドバイスを当該ユーザ10に与えるようにする。
なお、図47から図61で示した指標の変化の推移の予測は、目標達成後だけでなく、目標達成前に適用するようにしてもよい。
[実施の形態の効果]
以上説明した実施の形態によれば以下に示すような効果を得ることができる。
(1−1) 図15のステップS111で示したように、目標管理システムでは、情報通信端末100Aの制御部110は、ユーザ10の体に関する定性的な第1目標の入力を受付ける。ステップS112からステップS117で示したように、目標管理のためのサーバ200の制御部210は、受付けられた第1目標から、ユーザ10の体に関する定量的な第2目標を特定する。ステップS118および図28で示したように、制御部110は、サーバ200によって特定された第2目標を提示する。
これにより、体に関する定量的な数値の目標の入力を受付けなくても体に関する定量的な目標を示すことができる。
(1−2) 図15のステップS112からステップS117で示したように、制御部210は、第1目標を、体に関する複数の特徴量のうちの少なくとも1つについての定量的な目標に変換することで、変換された少なくとも1つの目標を含む第2目標を特定する。これにより、体に関する定量的な数値の目標の入力を受付けなくても体に関する特徴量についての定量的な目標を示すことができる。
(1−3) 図15のステップS112からステップS117で示したように、制御部210は、第1目標を言語解析した意味に対応する少なくとも1つの特徴量についての定量的な目標に変換する。これにより、第1目標の意味に対応する特徴量についての定量的な目標を示すことができる。
(1−4) 図15のステップS112からステップS117で示したように、その定量的な目標は、第1目標を言語解析した意味に対応する特徴量の値の範囲に含まれる範囲または値である。これにより、第1目標の意味に対応する特徴量についての定量的な目標を示すことができる。
(1−5) その定量的な目標は、第1目標を言語解析した意味が複数ある場合、意味ごとの特徴量の値の範囲に含まれる範囲または値である。これにより、第1目標の意味に対応する複数の特徴量についての定量的な目標を示すことができる。
(1−5) 図15のステップS112からステップS117で示したように、その定量的な目標は、第1目標を言語解析した意味に対応する特徴量が複数ある場合において、各特徴量を軸とした多次元空間における意味ごとの特徴量の範囲に重なりがあるときには、重なった範囲に含まれる多次元空間の位置または範囲に対応する各特徴量の値またはその範囲である。これにより、第1目標の意味に対応する複数の特徴量をすべて満たす定量的な目標を示すことができる。
(2−1) 図29のステップS121,ステップS122で示したように、目標管理システムでは、情報通信端末100Aの制御部110は、ユーザ10の体に関する所定の指標の現状値と目標値と目標の達成期限とを取得する。ステップS127および図34で示したように、目標管理のためのサーバ200の記憶部220は、複数の人の体に関する目標を達成するための目標値までの所定の指標の値の推移である経路と経路ごとの目標到達率との組合せで示される目標到達の傾向を示す情報と、複数の人の属性とを対応付けて予め記憶する。ステップS123からステップS128で示したように、サーバ200の制御部210は、取得された現状値と目標値と達成期限とから、記憶部220に記憶された情報で示される傾向を用いて、目標到達率が他の経路よりも高い経路を作成する。ステップS129および図35で示したように、制御部110は、サーバ200によって作成された経路を提示する。これにより、体に関する目標に到達するのに適した経路を提示することができる。
(2−2) 図34で示したように、記憶部220は、傾向と対応付けて複数の人の体に関する過去の目標をさらに記憶する。図29のステップS123からステップS128で示したように、制御部210は、記憶部に記憶された情報のうち当該ユーザ10と近似する目標の人の情報で示される傾向を用いて、経路を作成する。これにより、他のユーザの情報に基づいて体に関する目標に到達するのに適した経路を提示することができる。
(2−3) 図29のステップS123からステップS128で示したように、制御部210は、記憶部220に記憶された情報のうち当該ユーザ10と近似する属性の人の情報で示される傾向を用いて、経路を作成する。これにより、他のユーザの情報に基づいて体に関する目標に到達するのに適した経路を提示することができる。
(2−4) 図34で示したように、記憶部220は、傾向として目標の達成率を記憶する。図29のステップS123からステップS128で示したように、サーバ200は、記憶部220に記憶された情報のうち当該ユーザ10と近似する属性の人の情報で示される達成率を用いて、経路を作成する。これにより、他のユーザの情報に基づいて体に関する目標に到達するのに適した経路を提示することができる。
(3−1) 図37のステップS141からステップS147で示したように、目標管理システムでは、目標管理のためのサーバ200の制御部210は、ユーザ10の体に関する目標を達成するための所定の指標の目標値までの所定の指標の値の推移である経路に対する所定の指標の現状値の乖離度を算出する。ステップS148からステップS152で示したように、制御部210は、算出された乖離度に応じて介入方法を決定する。ステップS155で示したように、制御部210は、決定された介入方法で当該ユーザ10に介入するための処理を実行する。これにより、体に関する目標を達成することに対する改善をユーザ10に対して効果的に促すことができる。
(3−2) 図37のステップS151およびステップS152で示したように、制御部210は、介入方法として、当該ユーザ10に介入する者を決定する。ステップS155で示したように、制御部210は、当該ユーザ10に介入するための処理として、決定された者に介入を促す処理を実行する。これにより、決定された介入者によって、体に関する目標を達成することに対する改善をユーザ10に対して効果的に促すことができる。
(3−3) 図38および図42で示したように、記憶部220は、統計的に有効な介入方法を決定するための決定用情報を予め記憶する。図37のステップS151およびステップS152で示したように、制御部210は、記憶部に記憶された決定用情報を用いて当該ユーザ10にとって統計的に有効な介入方法を決定する。これにより、当該ユーザ10にとって統計的に有効な介入方法で、体に関する目標を達成することに対する改善をユーザ10に対して効果的に促すことができる。
(3−4) 図42で示したように、記憶部220は、決定用情報として、複数の人の体に関する目標と有効な介入方法とを対応付けて予め記憶する。図37のステップS151およびステップS152で示したように、制御部210は、記憶部220に記憶された介入方法のうち当該ユーザ10と近似する目標の人への介入方法に基づいて介入方法を決定する。これにより、当該ユーザ10にとって統計的に有効な介入方法、具体的には当該ユーザ10と近似する目標の人への介入方法で、体に関する目標を達成することに対する改善をユーザ10に対して効果的に促すことができる。
(3−5) 図38で示したように、記憶部220は、決定用情報として、当該ユーザの過去の有効な介入方法を予め記憶する。図37のステップS151およびステップS152で示したように、制御部210は、記憶部220に記憶された介入方法に基づいて介入方法を決定する。これにより、当該ユーザ10にとって統計的に有効な介入方法、具体的には当該ユーザ10の過去の介入方法のうち統計的に有効な介入方法で、体に関する目標を達成することに対する改善をユーザ10に対して効果的に促すことができる。
(4−1) 図37のステップS141からステップS147で示したように、目標管理システムでは、目標管理のためのサーバ200の制御部210は、ユーザ10の体に関する目標を達成するための所定の指標の目標値までの所定の指標の値の推移である経路に対する所定の指標の現状値の乖離が生じたことによって介入が必要か否かを判断する。記憶部220は、当該目標の指標に対する介入をする者ごとの介入の結果を記憶する。ステップS151およびステップS152で示したように、制御部210は、介入が必要と判断された場合に、記憶部220に記憶された介入の結果を用いて当該ユーザ10に介入する者のうち目標の達成に対する寄与度が高い者を決定する。ステップS155で示したように、制御部210は、決定された者に介入を促す処理を実行する。これにより、体に関する目標を達成することに対する改善をユーザ10に対して効果的に促すことができる。また、介入の結果に基づいて目標の達成に対する寄与度が高い介入者によって、体に関する目標を達成することに対する改善をユーザ10に対して効果的に促すことができる。
(4−2) 記憶部220は、当該目標に対するタイミングごとの介入の結果を記憶する。図37のステップS154で示したように、制御部210は、記憶部220に記憶された介入の結果を用いて目標の達成に対する寄与度が高いタイミングを決定する。実行部は、決定部によって決定されたタイミングで介入をするように介入する者に介入を促す処理を実行する。これにより、目標の達成に対する寄与度が高いタイミングで、体に関する目標を達成することに対する改善をユーザ10に対して効果的に促すことができる。
(4−3) 図37のステップS154で示したように、制御部210は、当該ユーザ10の日ごとの習慣に応じて寄与度が高い者を決定する。これにより、当該ユーザ10の日ごとの習慣に応じて寄与度が高い者によって、体に関する目標を達成することに対する改善をユーザ10に対して効果的に促すことができる。
(5−1) 図48および図50で示したように、目標管理システムでは、目標管理のためのサーバ200の記憶部220は、行動の種類または量に対する体に関する値の変化を示す値を予め記憶する。図47のステップS161からステップS171で示したように、サーバ200の制御部210は、記憶部220に記憶された変化を示す値を用いて、ユーザ10の行動ごとの体に関する値の変化を示す値を予測する。ステップS174および図61で示したように、情報通信端末100Aは、サーバ200によって予測された変化を示す値を提示する。これにより、ユーザ10の行動ごとの体に関する値の変化を示す値を予測することができる。
(5−2) 図57から図60で示したように、制御部210は、所定の行動をした場合の変化を示す値と、所定の行動をしなかった場合の変化を示す値とを予測する。これにより、所定の行動をした場合と、所定の行動をしなかった場合との、ユーザ10の行動ごとの体に関する値の変化を示す値を予測することができる。
(5−3) 図50で示したように、記憶部220は、当該ユーザ10の行動の種類または量に対する体に関する値の変化を示す値を予め記憶する。これにより、当該ユーザ10の行動の種類または量に対する体に関する値の変化を示す値に基づいて、ユーザ10の行動ごとの体に関する値の変化を示す値を予測することができる。
(5−4) 図48で示したように、記憶部220は、複数の人の行動の種類または量に対する体に関する値の変化を示す値を予め記憶する。これにより、複数の人の行動の種類または量に対する体に関する値の変化を示す値に基づいて、ユーザ10の行動ごとの体に関する値の変化を示す値を予測することができる。
[変形例]
(1) 前述した実施の形態においては、目標管理システムについての開示を説明した。しかし、これに限定されず、目標管理システムに含まれる目標管理のためのサーバ200および情報通信端末100として開示を捉えることができる。また、サーバ200および情報通信端末100で実行されるプログラムおよび目標管理のための方法として開示を捉えることができる。
また、当該プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体として発明を捉えることができる。この記録媒体は、磁気テープ、フレキシブルディスク,ハードディスクなどの磁気ディスク、CD−ROM,CD−R,CD−RW,DVD−ROM,DVD−R,DVD−RW,DVD−RAM,DVD+R,DVD+RWなどの光ディスク、MOなどの光磁気ディスク、メモリカード、または、USBメモリなどの固定的にプログラムを担持する媒体であってもよいし、ASP(Application Service Provider)などのサーバから通信ネットワークを介してプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
(2) 前述した実施の形態においては、目標管理のためのサーバ200が1台のコンピュータであることとした。しかし、これに限定されず、サーバ200が複数のコンピュータで構成されるサーバ群であってもよい。
(3) 前述した実施の形態においては、目標管理システムで実行される機能が、図14、図15、図29、図37、および、図47で説明したプログラムの処理であるソフトウェアが制御部210のCPUによって実行されることで実現されることとした。しかし、これに限定されず、これらの機能の一部または全部が専用のハードウェアによって実現されるようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態において、サーバ200で実行される機能の一部が情報通信端末100で実行されるようにしてもよい。たとえば、サーバ200の制御部210が記憶部220に記憶された所定データを用いて所定値を特定して、特定した所定値を情報通信端末100に送信している場合、サーバ200の制御部210が記憶部220に記憶された所定データを情報通信端末100に送信し、情報通信端末100の制御部110が受信した所定データを用いて所定値を特定するようにしてもよい。
(5) 実施の形態および変形例において説明された技術は、可能な限り、単独でも、組合わせても、実施することが意図される。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。