JP2019078207A - 内燃機関の燃料制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料噴射量が低減されることによって生じる弁体の挙動の不安定性を改善して、噴射量のばらつきを低減することができる新規な燃料噴射弁の制御装置を提供することにある。【解決手段】駆動パルスTiの継続時間Titが、開弁開始時刻が飽和する飽和開弁開始時刻が得られる駆動パルスTiの継続時間Tit0より短いと判断されると、開弁開始時刻が開弁開始時刻より遅くなるものと判断して、継続時間Ti0より長い継続時間Titを有する駆動パルスTiに変更する。これによれば、燃料噴射量が低減されることによって生じる弁体の挙動の不安定性を改善して、噴射量のばらつきを低減することができる。【選択図】図8

Description

本発明は内燃機関に燃料を供給する内燃機関の燃料制御装置にかかわり、特に燃焼室に直接燃料を噴射する直噴式の内燃機関の燃料制御装置に関するものである。
近年の排気ガス規制強化に伴い、燃料噴射弁から噴射される燃料の最小噴射量を低減することが求められている。最小噴射量を低減する場合の課題の一つとして、燃料噴射量が低減される際の燃料噴射の勢いの低下による噴霧性能の悪化がある。この燃料噴射量の低減による噴霧性能の悪化を改善するため、燃料噴射弁に作用する燃圧の下限値を制限する方法が提案されている。
例えば、特開2016−20697号公報(特許文献1)では、開弁作動を開始した弁体がフルリフト位置に達することなく閉弁作動を開始するハーフリフト噴射を行う時には、燃料噴射弁へ供給される燃料の目標燃圧を、予め設定しておいた下限圧力以上の値に設定する目標圧力設定手段を備えており、燃料噴射弁へ供給される燃料の圧力と、噴孔から噴射された燃料の噴霧粒径との関係を表した特性線には、2階微分値の最大になる変化点が存在しているので、下限圧力を2階微分値が最大になる変化点での圧力値に設定するという燃料噴射弁の制御装置が示されている。
特開2016−20697号公報
上述した通り、燃料噴射弁から噴射される燃料の噴射量を低減していくと、噴霧性能が悪くなるので、噴霧性能の悪化を防止することが必要である。このため、特許文献1で提案されているように燃圧を高くすることで噴霧性能の悪化を防止する手法は有効である。
しかし、燃料の噴射量を低減していくと噴霧性能の悪化とは別に、燃料噴射弁の弁体の挙動が不安定になるという別の課題が発生する。弁体の挙動が不安定になると、燃料噴射弁からの噴射量のばらつきが大きくなる。
本発明の目的は、燃料噴射量が低減されることによって生じる弁体の挙動の不安定性を改善して、噴射量のばらつきを低減することができる新規な内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することにある。
本発明の特徴は、内燃機関の回転数と負荷に基づき燃料ポンプの吐出量を制御することで高圧配管の燃圧を制御する燃圧制御手段と、内燃機関の回転数と負荷と燃圧に基づいて燃料噴射弁の駆動パルスの継続時間を制御する駆動パルス制御手段とからなり、燃圧と駆動パルスによって燃料噴射弁からの燃料噴射量を制御する内燃機関の燃料制御装置において、燃料噴射弁の駆動パルスを長くすることで開弁開始時刻が飽和するときの駆動パルスの継続時間の長さ以上に、駆動パルスの継続時間を長くする内燃機関の燃料制御装置、にある。
本発明によれば、燃料噴射量が低減されることによって生じる弁体の挙動の不安定性を改善して、燃料噴射量のばらつきを低減できる。
本発明が適用される内燃機関の構成を示す構成図である。 図1に示す燃料噴射弁の構成を示す断面図である。 燃料噴射弁を駆動する駆動装置の構成を示す回路図である。 図3に示す駆動装置のフルリフト動作を説明する動作チャート図である。 図3に示す駆動装置のハーフリフト動作を説明する動作チャート図である。 駆動電流と駆動パルスの継続時間の関係を説明する特性図である。 駆動パルスの継続時間と開弁開始時刻の関係を説明する特性図である。 本発明の第1の実施形態になる駆動パルスを制御するフローチャートである。 回転数と負荷によって目標燃圧を求める燃圧マップを示す図である。 回転数と負荷によって目標燃料噴射量を求める燃料噴射量マップを示す図である。 目標燃料噴射量と燃圧から駆動パルスの継続時間を求める例を説明する図である。 本発明の第2の実施形態になる駆動パルスを制御するフローチャートである。 目標燃料噴射量と昇圧電圧から駆動パルスの継続時間を求める例を説明する図である。 昇圧電圧と駆動パルス継続時間、及び開弁開始時期の関係を説明する特性図である。 予備ストローク長を変えた場合の駆動電流と駆動パルスの継続時間の関係を説明する特性図である。 予備ストローク長を変えた場合の駆動パルスの継続時間と開弁開始時刻の関係を説明する特性図である。 第3の実施形態に使用される燃料噴射弁の構成を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態になる駆動パルスを制御するフローチャートである。 目標燃料噴射量と予備ストローク長から駆動パルスの継続時間を求める例を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、燃料噴射弁が装着されている内燃機関を示している。内燃機関は、ピストン10が下降することによりシリンダ11内に空気を取り込み、取り込んだ空気に燃料噴射弁12から燃料を噴射し、燃料と空気の混合気に点火プラグ13で着火して爆発させ、爆発による膨張エネルギでピストン10を往復運動させる。この往復運動は、コネクティングロッド14等からなるリンク機構でクランク軸15の回転運動に変換され、自動車の車輪を動かす駆動力となる。
空気は、エアクリーナ16で濾過され、スロットルバルブ17で空気流量を調整され、コレクタ18、吸気ポート19を経て、シリンダ11に流入する。エアクリーナ16とスロットルバルブ17の間には、エアフローセンサ20があり、シリンダ内に取り込まれる空気量が計測される。
一方で、燃料タンク内21の燃料は、低圧ポンプ22で低圧配管23に送られ、低圧配管23の燃料は高圧ポンプ24で昇圧されて高圧配管25に送られ、高圧配管25内で高圧に保たれる。高圧配管には燃料噴射弁12が取り付けられ、燃料噴射弁12に内蔵されたソレノイドに電流を流すことで、弁体(図2を用いて後ほど説明する)が開き、弁体が開いている間に燃料が噴射される。ソレノイドに電流を流す時間は、基本的にはエアフローセンサ20が計測した空気量に基づき制御される。
次に、本発明の制御対象となる燃料噴射弁12の構成について、図2を用いて説明する。図2は燃料噴射弁12の断面構成を示す。燃料噴射弁12の外側はハウジング30により構成され、これにはコア31が固定されており、更にはソレノイド32が燃料噴射弁12の中心軸を一周するように配置されている。
中心軸線上には、上下に動く弁体33が配置されている。また、弁体33の周りを一周するようにアンカー34が配置されている。弁体33の上部には、弁体33を弁座35の方向に付勢するセットスプリング36が配置されている。セットスプリング36の上部には、スプリングアジャスタ37がハウジング30に固定されており、その上下方向のセット位置によってセットスプリング36の付勢力を調整している。
ハウジング30の内部は高圧の燃料で満たされており、ソレノイド32に電流が流れると、アンカー34がソレノイド32の電磁力によって引き寄せられ、弁体33の下端が弁座35から離れ、それまで弁体33によって塞がれていた弁座35に形成された噴孔38から燃料が噴射される。また、弁体33、又はハウジング30には、ストッパ39が固定され、弁体33が閉弁状態のときのアンカー34は、ゼロスプリング40によってストッパ39側に押し付けられている。
このような構成の燃料噴射弁12は、図3に示す制御装置41により駆動、制御される。制御装置41は、バッテリ42からの電力を用いて燃料噴射弁12を駆動する。そして、この制御装置41は、バッテリ42の電圧Vbatを電圧Vbstに昇圧する昇圧回路43と、昇圧電圧を保存するコンデンサ44と、昇圧電圧Vbstとソレノイド32のVH端子45の間をON−OFFするスイッチ46、バッテリ電圧VbatとソレノイドのVH端子45の間をON−OFFをするスイッチ47、ソレノイドのVL端子48と接地(GND)電圧の間をON−OFFするスイッチ49、スイッチ49とGNDの間に配置されて電流に比例した電圧を発生するシャント抵抗50、VL端子48からコンデンサ44と昇圧回路43の間に向かう方向にのみ電流を流すダイオード51、GNDからVH端子45に向かう方向にのみ電流を流すダイオード52、スイッチ46からVH端子45に向かう方向にのみ電流を流すダイオード53、スイッチ47からVH端子45に向かう方向にのみ電流を流すダイオード54、昇圧回路43の昇圧電圧Vbstを印加する昇圧電圧印加時間Tptと、これを打ち切ってから次にバッテリ電圧を与えるまでの休止時間T2と、バッテリ電圧をスイッチングすることで流す電流値Ihを記憶しておく設定値メモリ55、56、57(Tpt、T2、Ihについては、図4を用いて後述する)、内部のタイマ、或いはシャント抵抗50によって計測される電流に基づいて3つのスイッチ46、47、49をON−OFFするスイッチ制御手段58から構成されている。また、スイッチ制御手段58はマイクロコンピュータ等から構成された中央制御ユニット(CPU)59によって制御されている。
このような構成の制御装置41を用いて、燃料噴射弁を制御する時の動作について図4を用いて説明する。
中央制御ユニット59から図4の(A)に示すように、時刻t1で駆動パルスTiが送られると、この立ち上がりに同期し、スイッチ制御手段58は、スイッチ46とスイッチ49をONにする。そうすると、ソレノイド32の端子間には昇圧回路43で昇圧された昇圧電圧Vbstが印加され、図4の(F)に示すように電流が流れ始める。
電流は次第に大きくなり、これに伴ってソレノイド32が発生する磁界も大きくなる。磁界によってアンカー34をコア31に引き付ける磁気吸引力がゼロスプリング40の付勢力より大きくなる時刻t2でアンカー34はコア31の方向に動き出す。
アンカー34の変位を図4(G)に示す.変位が0の位置は,閉弁状態からアンカー34が動き出して弁体に衝突するときの位置である.
ゼロスプリング40の付勢力によってストッパ39に押し付けられていたアンカー34の初期位置から、弁体33に形成された突起33pまでには所定の隙間があり、この隙間をアンカー34が移動した後、時刻t3で弁体33はアンカー34により持ち上げられ始める。このとき、噴孔38からの燃料噴射が始まる。
時刻t1にソレノイド32に電流を流し始めてから、設定値メモリ55に記憶してある昇圧電圧印加時間Tptが経過すると、時刻t4でスイッチ46とスイッチ49はOFFにされる。通常は、アンカー34がコア31に衝突する以前に、スイッチOFFのタイミングに到達する。これはアンカー34がコア31に衝突するときの勢いを必要以上に大きくしないためである。スイッチ46とスイッチ49がOFFにされると、今までスイッチ49を通ってGNDに流れ込んでいた電流が、ダイオード51を通ってコンデンサ44に流れ込み、ソレノイド32のVL端子48の電圧のほうがVH端子45の電圧より高くなる。つまり、図4の(E)に示すように電圧が時刻t4〜t5の間にあるように、ソレノイド32に加わる電圧は負の値をとる。
時刻t4でスイッチ46、スイッチ49をOFFしてから、設定値メモリ56に記憶している休止時間T2が経過すると、時刻t5でスイッチ47とスイッチ49をONにして、ソレノイド32にバッテリ42の電圧Vbatを印加する。
これにより、アンカー34がコア31に接触している状態を保持する。また、このとき、シャント抵抗50に生じる電圧からソレノイド32に流れる電流を計測し、この電流値が、設定値メモリ57に記憶されている電流値Ihを保つように、時刻t6までスイッチ47をON−OFFする。
時刻t6で駆動パルスTiのパルスの立ち下りに同期して、図4(C)、(D)のようにスイッチ47とスイッチ49がOFFになる。すると、電流は急速に減少して磁気吸引力もこれに伴って減衰し、弁体33とアンカー34はセットスプリング36の付勢力によって弁座35の方向へ移動を開始する。また、電流が減少する間、これまでソレノイド32からスイッチ49とシャント抵抗50を通ってGNDに流れていた電流が、コンデンサ44に流れるので、ソレノイド32には逆電圧がかかり、電流が0に収束すると電圧も徐々に0に近づく。
やがて、時刻t7に達すると弁体33は弁座35に達し、噴孔38から流れ出ていた燃料の噴射が停止される。ところが、弁体33と弁座35には弾性があるので、弁体33が弁座35に達した後も弁体33は弁座35の方向に移動を続けるが、ある程度移動したところで弁体33と弁座35の弾性変形がもとに戻りし始める。この時刻t8でアンカー34は弁体33から離れて慣性で弁座35の方向に移動を継続する。
時刻t8までは、アンカー34には弁体33を介してセットスプリング36の付勢力と燃圧の力がかかっていたが、時刻t8から以降は、アンカー34と弁体33が離れることにより、これらの力は作用しなくなる。そのため、アンカー34の加速度は急激に減少する。アンカー34の加速度が変化すると、アンカー34の動きによりソレノイド32に発生する逆起電力が変化し、図4の(E)のようにソレノイド32の電圧に変曲点が発生する。
アンカー34は弁体33から離れた後も、慣性により弁座35の方向に移動を続けるが、アンカー34はやがてストッパ39に衝突する。この衝突によって、アンカー34の加速度は急変するので、ソレノイド32に発生する逆起電力が変化し、時刻t9でソレノイド32の電圧に変曲点が発生する。
ここまで述べてきたのは、駆動パルスTiの継続時間Titと昇圧電圧Vbstを印加する昇圧電圧印加時間Tptとの関係が「Tit≧Tpt」となる、弁体33をフルリフト(弁体33をコア31に衝突させる動作モード)で動作させる場合の制御方法である。
一方、微小燃料を噴射する際は、弁体33がハーフリフトで動作するように、駆動パルス継続時間Titと昇圧電圧Vbstを印加する昇圧電圧印加時間Tptとの関係が「Tit≦Tpt」を満たす範囲で制御する必要がある。このハーフリフトのときの制御方法を図5を用いて説明する。
中央制御ユニット59から駆動パルスTiが送られると、この立ち上がりに同期し、スイッチ制御手段58は、時刻t1でスイッチ46とスイッチ49をONにする。そうすると、ソレノイド32の端子間には昇圧回路43で昇圧された昇圧電圧Vbstが印加され、電流が流れ始める。
電流は次第に大きくなり、これに伴ってソレノイド32が発生する磁界も大きくなる。磁界によってアンカー34をコア31に引き付ける磁気吸引力がゼロスプリング40の付勢力より大きくなると、時刻t2でアンカー34はコア31の方向に移動を開始する。
ゼロスプリング40の付勢力によってストッパ39に押し付けられていたアンカー34の初期位置から、弁体33の突起33Pまでは隙間があり、この隙間をアンカー34が移動した後、時刻t3で弁体33はアンカー34により持ち上げられ始める。このとき、噴孔38から燃料が噴射を開始される。
ここまではフルリフトの場合と同じであるが、ハーフリフトのときは、設定値メモリ55に記憶してある昇圧電圧印加時間Tptが経過する時刻t4の前に、時刻t10で駆動パルスTiは立ち下り、スイッチ46とスイッチ49はOFFにされる。すると、弁体33はフルリフトする前に下降を始め、時刻t11で弁体33は弁座35に達する。その後、弁体33はこの位置で停止し、アンカー34のみ運動を続ける。このときの弁体33の運動は放物線を描く。
次に、ハーフリフト域で駆動パルス継続時間Titを順次短くしていったときの弁体33の動きについて考察する。ハーフリフト域で駆動パルスTiを短くしていくと、ソレノイド32に流れる電流も,例えば図6の(A)のa→b→c→d→eのように変化する。
そして、アンカー34の挙動は、図6の(B)のa→b→c→d→eのように変化する。このとき、「a」、「b」、「c」の場合は、実線で示すように開弁開始時刻Ta’がほぼ一定値Ta’ 0となるが、「d」、「e」の場合は、破線で示すように開弁開始時刻がTa’ 0より遅くなることがわかる。
つまり、「c」の場合の駆動パルスTiの継続時間をTit 0とすると、駆動パルス継続時間TitがTit 0より短いと、開弁開始時刻Ta’が遅くなることが理解できる。
このときの駆動パルス継続時間Titと開弁開始時刻Ta’の関係をプロットしたのが図7である。図6、図7の通り、「c」のときの駆動パルスの継続時間をTit 0、開弁開始時刻をTa’ 0とすると、駆動パルス継続時間Titが「Tit≧Tit 0」の領域では、開弁開始時刻Ta’が「Ta’=Ta’ 0」と一定で飽和しているが、駆動パルス継続時間Titが「Tit<Tit 0」の領域では、開弁開始時刻Ta’が「Ta’>Ta’ 0」となり、上述の開弁開始時刻Ta’ 0より遅れていることが理解できる。
次に、このような弁体33の挙動が生じる理由について説明する。
アンカー34は磁気力により吸引される。この磁気力はソレノイド32に流れる電流から発生し、ソレノイド32に流れる電流は、駆動パルスTiにより制御される。駆動パルス継続時間TitがTit 0と等しいときに、磁気力は開弁開始時刻Ta’ 0で消滅すると考えられる。したがって、駆動パルス継続時間Titが継続時間Tit 0より長いと、Tit 0以降の駆動パルスTiによる磁気力は、開弁後の加速に用いられる。
一方、駆動パルス継続時間Titが継続時間Tit 0より短いと、磁気力は開弁開始時刻Ta’ 0より早く消滅するので、アンカー34の加速は、図6の(B)に示すように予備ストローク区間の途中で終了してしまい、これ以降の開弁開始時刻Ta’ 0までは、アンカー34は惰性で移動することになる。惰性で移動する期間が生じることにより、開弁開始時刻Ta’は遅くなる。
このように、駆動パルスTiが短くなって、アンカー34が惰性で移動する時間が長くなるほど、開弁開始時刻Ta’は遅くなる傾向になる。このアンカー34が惰性で移動する際に、アンカー34に作用する力は流体摩擦力であり、不安定なパラメータである。流体摩擦力は個体差の影響が大きいので、これによって弁体33の挙動の個体差があらわれると考えられる。
また、図7に示す開弁開始時刻Ta’と駆動パルス継続時間Titの関係を示す特性曲線は、燃圧に依存しない。燃圧は弁体33のみに作用するものであり、予備ストローク区間では、弁体33とアンカー34は接触していないので、アンカー34は燃圧の影響を受けずに移動できる。これは、高い燃圧でも弁体33がリフトできるように、アンカー34を燃圧の影響を受けずに運動させ、勢いをつけるために採用された構造である。このような構造のため、開弁開始時刻Ta’と駆動パルス継続時間Titの関係は燃圧の影響を受けない。
このような背景にもとづいて、開弁開始時刻Ta’より磁気力が早く消滅してしまい、弁体の挙動が不安定になる期間が発生することを避けることで、弁体33の運動を安定化することが本発明のコンセプトである。
次に、本発明の第1の実施形態の詳細について図8〜図11を用いて説明する。本実施形態の基本的な考え方は、燃料噴射弁の駆動パルス継続時間Titを長くしていった時に、開弁開始時刻Ta’が一定に飽和する継続時間Tit 0を予め求め、駆動パルス継続時間Titを継続時間Tit 0以上に限定することで、弁体の運動を安定化することである。
駆動パルス継続時間Titを「Tit≧Tit 0」に限定すると、噴射量は目標値を超えてしまうことがあるが、この時は「Tit≧Tit 0」の関係を保ったまま燃圧を上げることで噴射量を小さくする。尚、継続時間Tit 0は、個々の燃料噴射弁で予め求められており、制御装置41の記憶素子に記憶されている。
以下、図8の制御フローについて説明するが、以下に説明する第2の実施形態及び第3の実施形態を含めて、制御フローは中央制御ユニット59に設けられたマイクロコンピュータによって実行される。
≪ステップS10≫
ステップS10においては、回転数N、空気量Qaを検出する。回転数Nはクランク角センサによって検出され、空気量Qaはエアフローセンサ20によって検出される。回転数N、空気量Qaが検出されるとステップS11に移行する。
≪ステップS11≫
ステップS11においては、回転数N、負荷Lから高圧配管の目標燃圧Pfを求める。負荷Lは例えば、空気量Qaを回転数Nで除算して求めることができる。図9に示している通り目標燃圧Pfは、回転数Nと負荷Lを入力とする目標燃圧マップから求められる。尚、本実施形態ではマップ検索によって目標燃圧Pfを求めているが、これ以外に算術式を用いて目標燃圧Pfを求めても良い。目標燃圧Pfが求まるとステップS12に移行する。
≪ステップS12≫
ステップ12においては、回転数N、負荷Lから目標燃料噴射量Qftarを求める。図10に示している通り、目標燃料噴射量Qftarは、回転数Nと負荷Lを入力とする目標燃料噴射量マップから求められる。尚、本実施形態ではマップ検索によって目標燃料噴射量Qftarを求めているが、これ以外に算術式を用いて目標燃料噴射量Qftarを求めても良い。目標燃料噴射量Qftarが求まるとステップS13に移行する。
≪ステップS13≫
ステップS13においては、ステップS11で求めた目標燃圧PfとステップS12で求めた目標燃料噴射量Qftarから、駆動パルス継続時間Titを求める。図11に示している通り、駆動パルス継続時間Titは、目標燃圧Pf毎に準備された駆動パルス継続時間Titと燃料噴射量Qfの関係から、目標燃料噴射量Qftarに対応した駆動パルス継続時間Titを検索することで求められる。
例えば、図11において、目標燃圧Pfが15MPaの場合では、目標燃料噴射量Qftarに対応する駆動パルス継続時間TitはTit(15)であり、目標燃圧Pfが35MPaの場合では、目標燃料噴射量Qftarに対応する駆動パルス継続時間TitはTit(35)である。現時点の目標燃圧Pfは15MPaであるので、駆動パルス継続時間TitはTit(15)となる。駆動パルス継続時間Titが求まるとステップS14に移行する。
≪ステップS14≫
ステップS14においては、ステップS13で求められた現在の目標燃圧Pfに対する駆動パルス継続時間Titが、継続時間Tit 0より長いかどうかが判断される。図11の場合では、目標燃圧Pf=15MPaに対して、駆動パルスTiの継続時間Tit(15)は、継続時間Tit 0より短い。
このように、駆動パルス継続時間Titが、継続時間Tit 0より短いと判断されると、ステップS16に移行する。一方、駆動パルス継続時間Titが、Tit 0より長いと判断されると、ステップS15に移行する。つまり、目標燃圧Pfが35MPaである場合は、駆動パルス継続時間Tit(35)は、継続時間Tit 0より長いのでステップS15に移行し、目標燃圧Pfが15MPaである場合は、駆動パルス継続時間Tit(15)は、継続時間Tit 0より短いのでステップS16に移行する。
≪ステップS15≫
ステップS15においては、ステップS14の判断によって駆動パルス継続時間Titは継続時間Tit 0より長いことから、弁体33の挙動は不安定領域に入らないので、ステップS11で求めた目標燃圧Pf(この場合は、35MPaである)と、ステップS13で求めた駆動パルス継続時間Tit (この場合は、駆動パルス継続時間Tit(35)である)を設定して処理を終了する。
≪ステップS16≫
駆動パルス継続時間Tit(15)が、継続時間Tit 0より短いので、不安定領域に入ってしまう。そこで、本ステップでは安定領域に入るように、目標燃圧Pfを増加する。同じ噴射量であれば燃圧が高いほど弁体運動は安定するので、この場合においては、目標燃圧Pfは現在の設定値15MPaより大きい値、例えば35MPaに増加する。
尚、ここでは、目標燃圧を15MPaよりも大きい値であれば、16MPaや20.5MPaに設定してもよい。ただし、燃圧の増加幅が小さいとステップS13,ステップS14とステップS16を繰り返す恐れがあるので、適正な増加幅を設定することが必要である。
ステップS16で目標燃圧を増加した後に再びステップS13に戻り、ステップS14〜ステップS16を繰り返すことになる。
次に本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、駆動パルス継続時間TitをTit 0以上に限定することで噴射量が目標値より大きくなったら、燃料噴射弁のソレノイドに印加される昇圧電圧を制御することによって、目標噴射量を実現する手法を提案するものである。以下、図12の制御フローについて説明する。
≪ステップS20≫
ステップS20においては、実施例1と同様に、回転数N、負荷Lから高圧配管の目標燃圧Pfを求める。目標燃圧Pfは、回転数Nと負荷Lを入力とする目標燃圧マップから求められる。目標燃料噴射量Pfが求まるとステップS21に移行する。
≪ステップS21≫
ステップ21においては、実施例1と同様に、回転数N、負荷Lから目標燃料噴射量Qftarを求める。目標燃料噴射量Qftarは、回転数Nと負荷Lを入力とする目標燃料噴射量マップから求められる。目標燃料噴射量Qftarが求まるとステップS22に移行する。
≪ステップS22≫
ステップS22においては、図3に示す制御装置41の昇圧回路で生成される目標昇圧電圧Vbstを標準昇圧電圧Vbst0に設定する。標準昇圧電圧Vbst0が設定されるとステップS23に移行する。
≪ステップS23≫
ステップS23においては、図13に示す目標昇圧電圧Vbstに対応した駆動パルス継続時間Titと燃料噴射量Qfの関係に基づき、目標燃料噴射量Qftarを実現できる駆動パルス継続時間Tit(Vbst)を算出する。尚、本ステップが最初の場合は、昇圧電圧は標準昇圧電圧Vbst0なので,駆動パルス継続時間Tit(Vbst0)が算出される。駆動パルス継続時間Tit(Vbst)が求まるとステップS24に移行する。
≪ステップS24≫
ステップS24においては、駆動パルス継続時間Tit(Vbst)が、図7の「Tit≧Tit 0」を満たす安定領域に属するかどうかを判定する。その際に注意すべきことは、安定領域の境界値(=継続時間)Tit 0は、図14に示すように目標昇圧電圧に依存することである。そこで、目標昇圧電圧Vbstに応じて安定領域の境界値Tit 0(Vbst)をメモリ等に事前に記憶しておき、ステップS23で用いた目標昇圧電圧Vbstに対応した境界値Tit 0(Vbst)を読み出して、Tit(Vbst)とTit 0(Vbst)とを比較する。Tit≧Tit 0(Vbst)の場合は、ステップS25に移行し、Tit<Tit 0(Vbst)の場合は、ステップS26に移行する。
≪ステップS25≫
ステップS25においては、駆動パルス継続時間Tit(Vbst)を駆動パルス継続時間Titに設定して処理を終了する。
≪ステップS26≫
ステップS25で、Tit<Tit 0と判断されているので、ステップS26においては、目標昇圧電圧Vbstを減少し、再びステップS23に戻ってステップS23,S24,S26を繰り返すことになる。
図13の例では、標準昇圧電圧Vbst0に対してTit(Vbst0)<Tit 0(Vbst0)となるので、本ステップでは目標昇圧電圧をVbst1に減少する。目標昇圧電圧が減少されるとステップS23に戻るので、再びステップ24の判断が実施される。新たな目標昇圧電圧Vbst1に対して、Tit(Vbst1)<Tit 0(Vbst1)となると、更に目標昇圧電圧をVbst2に減少する。前回と同様に、目標昇圧電圧が減少されるとステップS23に戻るので、再びステップ24の判断が実施される。新たな昇圧電圧Vbst2に対して、Tit(Vbst2)≧Tit 0(Vbst2)となると、ステップS25に移行して、継続時間Tit(Vbst2)を駆動パルス継続時間Titに設定して処理を終了する。
次に本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、燃料噴射弁の予備ストローク長を調整することによって、目標噴射量を実現する手法を提案するものである。
図15の(A)に示す電流を与えたときの予備ストローク長を短くした場合のアンカー34のリフトを図15の(B)のLftSで示し、予備ストロークを短くする前の予備ストローク長(図6と同じ)のときのアンカー34のリフトを図15の(B)のLftLで示している。
また、予備ストローク長を変更したときの駆動パルス継続時間Titと開弁開始時刻Ta’の関係を図16に示している。予備ストローク長を短くすることで、開弁開始時刻Ta’が飽和して一定となる継続時間Tit 0が短くなることがわかる。アンカー34の予備ストローク長が短い場合、開弁開始時刻Ta’ 0(S)が得られる継続時間はTit 0(S)となり、同様にアンカー34の予備ストローク長が長い場合、開弁開始時刻Ta’ 0(L)が得られる継続時間はTit 0(L)となると共に、Tit 0(S)<Tit 0(L)の関係を有している。
ここで、アンカー34の予備ストローク長を調整する機構として、図17に示す構成を採用することができる。図17において、アンカー34の移動を規制するストッパ39の上面(アンカー側)には、圧電素子から形成された予備ストローク長調整部60が設けられている。この予備ストローク長調整部60は圧電素子から構成されているので、中央制御ユニット59が有している電圧制御機能部で制御された電圧を印加することによって、圧電素子の長さを調整することができるので、この特性を利用して予備ストローク長を調整している。以下、図18の制御フローについて説明する。
≪ステップS10≫〜≪ステップS12≫
図8の制御フローと同じであり、説明は省略する。
≪ステップS30≫
ステップS30においては、最初にステップS12で求めた目標燃料噴射量Qftarと基準予備ストローク長Lstk0を用いて図19に示す関係から、駆動パルス継続時間Tit(Lstk0)を求める。ここで、基準予備ストローク長Lstk0は、通常運転で使用される予備ストローク長であり、基本的には圧電素子(予備ストローク長調整部60)に電圧を印加しない状態に制御されている。
図19に示している通り、駆動パルス継続時間Titは、目標燃料噴射量Qftar及び予備ストローク長Lstkの関係から求めることができる。図19において、目標燃料噴射量Qftarに対して、(1)基準予備ストローク長Lstk0の場合では、駆動パルス継続時間TitはTit(Lstk0)であり、(2)基準予備ストローク長Lstk0より所定値だけ短い予備ストローク長Lstk1の場合では、駆動パルス継続時間TitはTit(Lstk1)であり、(3) 予備ストローク長Lstk1より所定値だけ短い予備ストローク長Lstk2の場合では、駆動パルス継続時間TitはTit(Lstk2)となっている。これらの駆動パルス継続時間は、Tit(Lstk0)<Tit(Lstk1)<Tit(Lstk2)の関係を有している。
ステップS30においては、現時点で基準予備ストローク長Lstk0に設定されているので、駆動パルス継続時間Tit(Lstk0)が求められてステップS31に移行する。
≪ステップS31≫
ステップS31においては、駆動パルス継続時間Tit(Lstk0)と開弁開始時刻Ta’が一定に飽和する継続期間Tit 0(Lstk0)とが比較される。駆動パルス継続時間Tit(Lstk0)が、継続時間Tit 0(Lstk0)より長いと、開弁開始時刻Ta’が一定で飽和する開弁開始時刻Ta’ 0が得られるものと判断されてステップS32に移行する。一方、駆動パルス継続時間Tit(Lstk0)が継続時間Tit 0(Lstk0)より短いと、開弁開始時刻Ta’が開弁開始時刻Ta’ 0より遅くなると判断されて、ステップS33に移行する。
ここで、予備ストローク長Lstkが変化すると、開弁開始時刻Ta’が一定に飽和する開弁開始時刻Ta’ 0も変化する。したがって、基準予備ストローク長Lstk0、予備ストローク長Lstk1、予備ストローク長Lstk2に対応して、継続時間Tit 0もTit 0(Lstk0)、Tit 0(Lstk1)、Tit 0(Lstk2)が設定されている。これらの継続時間は、Tit 0(Lstk0)<Tit 0(Lstk1)<Tit 0(Lstk2)の関係を有している。
したがって、ステップS31においては継続時間Tit 0として、Tit 0(Lstk0)が使用され、以下で説明する、ステップS34においては継続時間Tit 0としてTit 0(Lstk1)が使用され、ステップS36においては継続時間Tit 0としてTit 0(Lstk2)が使用される。これらの継続時間Tit 0は制御装置41の記憶素子に記憶しておくことができる。
≪ステップS32≫
ステップS32においては、ステップS31で開弁開始時刻Ta’ 0が得られると判断されているので、ステップS30で求めた駆動パルス継続時間Tit(Lstk0)と基準予備ストローク長Lstk0を設定して処理を終了する。
≪ステップS33≫
ステップS31においては、基準予備ストローク長Lstk0と目標燃料噴射量Qftarの関係から求めた駆動パルス継続時間Tit(Lstk0)は、継続時間Tit 0(Lstk0)より短いと判断されているので、弁体33は動作的に不安定領域に入ってしまうことになる。これを回避するために、ステップS33では予備ストローク長を調整する。つまり、基準予備ストローク長Lstk0より所定値だけ短くした予備ストローク長Lstk1を設定し、図19に示す目標燃料噴射量Qftarと予備ストローク長Lstk1の関係から駆動パルス継続時間Tit(Lstk1)を算出する。駆動パルス継続時間Tit(Lstk1)を算出するとステップS34に移行する。
≪ステップS34≫
ステップS34においては、ステップS33で求めた駆動パルス継続時間Tit(Lstk1)と、予備ストローク長Lstk1での継続時間Tit 0(Lstk1)とが比較される。駆動パルス継続時間Tit(Lstk1)が、継続時間Tit 0(Lstk1)より長いと、開弁開始時刻Ta’が一定で飽和する開弁開始時刻Ta’ 0が得られるものと判断されて、ステップS32に移行する。ステップS32では、ステップS33で求めた駆動パルス継続時間Tit(Lstk1)と予備ストローク長Lstk1を設定して処理を終了する。
一方、駆動パルス継続時間Tit(Lstk1)が、継続時間Tit 0(Lstk1)より短いと、開弁開始時刻Ta’が開弁開始時刻Ta’ 0より遅くなると判断されて、ステップS35に移行する。
≪ステップS35≫
ステップS34においては、予備ストローク長Lstk1と目標燃料噴射量Qftarの関係から求めた駆動パルス継続時間Tit(Lstk1)は、継続時間Tit 0(Lstk1)より短いと判断されているので、弁体33は動作的に不安定領域に入ってしまうことになる。
これを回避するために、ステップS35では再び予備ストローク長を短くする。つまり、予備ストローク長Lstk1より所定値だけ短くした予備ストローク長Lstk2を設定し、図19に示す目標燃料噴射量Qtarと予備ストローク長Lstk2の関係から駆動パルス継続時間Tit(Lstk2)を算出する。駆動パルス継続時間Tit(Lstk2)を算出するとステップS36に移行する。
≪ステップS36≫
ステップS36においては、ステップS35で求めた駆動パルス継続時間Tit(Lstk2)と、予備ストローク長Lstk2での継続期間Tit 0(Lstk2)とが比較される。駆動パルス継続時間Tit(Lstk2)が、継続時間Tit 0(Lstk2)より長いと、開弁開始時刻Ta’が一定で飽和する開弁開始時刻Ta’ 0が得られるものと判断されて、ステップS32に移行する。ステップS32では、ステップS35で求めた駆動パルス継続時間Tit(Lstk2)と予備ストローク長Lstk2を設定して処理を終了する。
以上に述べた通り、本発明によれば、駆動パルスを長くしていき開弁開始時刻が一定に飽和するときの駆動パルスの継続時間の長さ以上に、駆動パルス継続時間を長く設定する構成とした。
これによれば、燃料噴射量が低減されることによって生じる弁体の挙動の不安定性を改善して、噴射量のばらつきを低減することができる。また、弁体の動作ばらつきが小さくなると、燃料噴射量を更に低減することができる。この結果、燃料を分割して噴射することが可能となり,燃料の壁面付着が低減でき排気性能を改善することができる。
尚、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である
10…ピストン、11…シリンダ、12…燃料噴射弁、13…点火プラグ、14…コネクティングロッド、16…エアクリーナ、17…スロットルバルブ、18…コレクタ、19…吸気ポート、20…エアフローセンサ、21…燃料タンク、22…低圧ポンプ、23…低圧配管、24…高圧ポンプ、25…高圧配管、30…ハウジング、31…コア、32…ソレノイド、33…弁体、34…アンカー、35…弁座、36…セットスプリング、37…スプリングアジャスタ、38…噴孔、42…バッテリ、43…昇圧回路、44…コンデンサ、46…スイッチ、47…スイッチ、49…スイッチ、50…シャント抵抗、51…ダイオード、52…ダイオード、53…ダイオード、54…ダイオード、58…スイッチ制御手段。

Claims (9)

  1. 内燃機関の回転数と負荷に基づき高圧配管の燃圧を制御する燃圧制御手段と、回転数と負荷と燃圧に基づいて燃料噴射弁の駆動パルスの継続時間の長さを制御する駆動パルス制御手段とからなり、前記燃圧と前記駆動パルスによって前記燃料噴射弁からの燃料噴射量を制御する内燃機関の燃料制御装置において、
    前記燃料噴射弁の前記駆動パルスの駆動時間を長くして開弁開始時刻が飽和するときの前記駆動パルスの前記継続時間以上に、前記駆動パルスの前記継続時間を長くすることを特徴とする内燃機関の燃料制御装置。
  2. 内燃機関の回転数と負荷に基づき高圧配管の燃圧を制御する燃圧制御手段と、回転数と負荷と燃圧に基づいて燃料噴射弁の駆動パルスの継続時間の長さを制御する駆動パルス制御手段とからなり、前記燃圧と前記駆動パルスによって前記燃料噴射弁からの燃料噴射量を制御する内燃機関の燃料制御装置において、
    前記燃料噴射弁の前記駆動パルスの駆動時間を長くして開弁開始時刻が飽和するときの前記駆動パルスの前記継続時間以上に、前記駆動パルスの前記継続時間を長くし、更に前記燃料噴射量の低減が必要な時は前記燃圧を上げることで前記燃料噴射量を低減することを特徴とする内燃機関の燃料制御装置。
  3. 内燃機関の回転数と負荷に基づき高圧配管の燃圧を制御する燃圧制御手段と、回転数と負荷と燃圧に基づいて燃料噴射弁の駆動パルスの継続時間の長さを制御する駆動パルス制御手段と、前記燃料噴射弁のソレノイドに印加される昇圧電圧を制御する昇圧電圧制御手段からなり、前記燃圧と前記駆動パルスと前記昇圧電圧によって前記燃料噴射弁からの燃料噴射量を制御する内燃機関の燃料制御装置において、
    前記燃料噴射弁の前記駆動パルスの駆動時間を長くして開弁開始時刻が飽和するときの前記駆動パルスの前記継続時間以上に、前記駆動パルスの前記継続時間を長くし、更に前記昇圧電圧を下げることで燃料噴射量を低減することを特徴とする内燃機関の燃料制御装置。
  4. 内燃機関の回転数と負荷に基づき高圧配管の燃圧を制御する燃圧制御手段と、回転数と負荷と燃圧に基づいて燃料噴射弁の駆動パルスの継続時間の長さを制御する駆動パルス制御手段と、前記燃料噴射弁の予備ストローク長を制御する予備ストローク長制御手段からなり、前記燃圧と前記駆動パルスと前記予備ストローク長によって前記燃料噴射弁からの燃料噴射量を制御する内燃機関の燃料制御装置において、
    前記燃料噴射弁の前記駆動パルスの駆動時間を長くして開弁開始時刻が飽和するときの前記駆動パルスの前記継続時間以上に、前記駆動パルスの前記継続時間を長くし、更に前記予備ストローク長を短くすることで噴射量を低減することを特徴とする内燃機関の燃料制御装置。
  5. 内燃機関の回転数と負荷に基づき高圧配管の燃圧を制御する燃圧制御手段と、前記燃圧制御手段による目標燃圧の下で回転数と負荷とに基づいて目標燃料噴射量を求めると共に、前記目標燃料噴射量に対応する駆動パルスの継続時間を求めて前記駆動パルスを燃料噴射弁の駆動手段へ送る駆動パルス制御手段とを備えた内燃機関の燃料制御装置であって、
    前記駆動パルス制御手段によって、前記駆動パルスの前記継続時間が、前記燃料噴射弁の開弁開始時刻が一定に飽和する開弁開始時刻が得られる前記継続時間より短いと判断されると、
    前記燃圧制御手段は、現在の前記目標燃圧に代えて新たな前記目標燃圧を設定し、
    更に、前記駆動パルス制御手段は、新たな前記目標燃圧の下で前記目標燃料噴射量を維持することができる、開弁開始時刻が一定に飽和する前記継続時間より長い前記継続時間を有する前記駆動パルスを新たに求める
    ことを特徴とする内燃機関の燃料制御装置。
  6. 内燃機関の回転数と負荷に基づき高圧配管の燃圧を制御する燃圧制御手段と、前記燃圧制御手段による目標燃圧の下で回転数と負荷とに基づいて目標燃料噴射量を求めると共に、前記目標燃料噴射量に対応する駆動パルスの継続時間を求めて前記駆動パルスを燃料噴射弁を構成するソレノイドの駆動手段へ送る駆動パルス制御手段とを備えた内燃機関の燃料制御装置であって、
    前記駆動手段は、前記ソレノイドへ印加する昇圧電圧を制御する電圧制御手段を備え、
    前記駆動パルス制御手段によって、前記駆動パルスの前記継続時間が、前記燃料噴射弁の開弁開始時刻が一定に飽和する開弁開始時刻が得られる前記継続時間より短いと判断されると、
    前記電圧制御手段は、現在の前記昇圧電圧を低下して新たな前記昇圧電圧を設定し、
    更に、前記駆動パルス制御手段は、新たな前記昇圧電圧の下で前記目標燃料噴射量を維持することができる、開弁開始時刻が一定に飽和する前記継続時間より長い前記継続時間を有する前記駆動パルスを新たに求める
    ことを特徴とする内燃機関の燃料制御装置。
  7. 請求項6に記載の内燃機関の燃料制御装置において、
    前記継続時間は、前記目標燃料噴射量が同じである場合に、前記電圧制御手段で制御される前記昇圧電圧が低くなるにしたがって長く設定される
    ことを特徴とする内燃機関の燃料制御装置。
  8. 内燃機関の回転数と負荷に基づき高圧配管の燃圧を制御する燃圧制御手段と、前記燃圧制御手段による目標燃圧の下で回転数と負荷とに基づいて目標燃料噴射量を求めると共に、前記目標燃料噴射量に対応する駆動パルスの継続時間を求めて前記駆動パルスを燃料噴射弁の駆動手段へ送る駆動パルス制御手段とを備えた内燃機関の燃料制御装置であって、
    前記燃料噴射弁は、予備ストローク長を調整する予備ストローク長調整部を備えたものであり、前記予備ストローク長調整部は予備ストローク長制御手段によって予備ストローク長を制御し、
    前記駆動パルス制御手段によって、前記駆動パルスの前記継続時間が、前記燃料噴射弁の開弁開始時刻が一定に飽和する開弁開始時刻が得られる前記継続時間より短いと判断されると、
    前記予備ストローク長制御手段は、現在の前記予備ストローク長を短くして新たな前記予備ストローク長を設定し、
    更に、前記駆動パルス制御手段は、新たな前記予備ストローク長の下で前記目標燃料噴射量を維持することができる、開弁開始時刻が一定に飽和する前記継続時間より長い前記継続時間を有する前記駆動パルスを新たに求める
    ことを特徴とする内燃機関の燃料制御装置。
  9. 請求項8に記載の内燃機関の燃料制御装置において、
    前記継続時間は、前記目標燃料噴射量が同じである場合に、前記予備ストローク長制御手段で制御される前記予備ストローク長が短くなるにしたがって長く設定される
    ことを特徴とする内燃機関の燃料制御装置。
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