JP2019077834A - 接着剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】ホットメルト接着剤として用いられたときに、充分長いオープンタイムを確保可能な接着剤組成物を提供すること。【解決手段】(A)エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる2種以上のオレフィンをモノマー単位として含む非晶性オレフィン系重合体、及び、(B)エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる1種以上のオレフィンをモノマー単位として含む結晶性オレフィン系重合体、を含有する、接着剤組成物が開示される。非晶性オレフィン系重合体が、10〜10000g/10分のメルトフローレイトを有し、結晶性オレフィンオレフィン系重合体が、10〜10000g/10分のメルトフローレイト、及び1.0〜3.0の分子量分布を有する。結晶性オレフィン系重合体の含有量が、非晶性オレフィン系重合体100質量部に対して100〜900質量部である。【選択図】なし
Description
本発明は、接着剤組成物に関する。
ホットメルト接着剤が、揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds:VOC)を発生させない無溶剤タイプの接着剤として注目されている。ホットメルト接着剤は、製本、包装、合板、電子部品、建材、サニタリー製品等の分野において広く使用されている。
ホットメルト接着剤には、ベースポリマーと呼ばれる高分子が使用されている。ベースポリマーとしては、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体(Ethylene Vinyl Acetate Copolymer:EVA共重合体)、エチレン・α−オレフィン共重合体等エチレンを主成分とする共重合体、非晶性ポリオレフィン(Amorphous Poly-α-Olefin:APAO)、スチレン系エラストマー(例えば、SBS、SIS、SEBS、SEPS等)などが知られている。
ベースポリマーとして結晶性のポリプロピレンを含む、接着剤組成物がホットメルト接着剤として種々提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
特許文献1には、13C−NMRにより算出したアイソタクティックトライアッド分率(mm)が85〜99.9%であることを含む条件を満たすプロピレンコポリマー40〜98重量%、特定の条件を満たす結晶性アイソタクティックポリプロピレン2〜60重量%からなる軟質ポリプロピレン樹脂組成物10〜70重量部と、粘着付与剤30〜90重量部からなる接着剤組成物が提案されている。
特許文献2には、プロピレンおよび少なくとも1種のコモノマーを含む、第1のプロピレンベースコポリマー成分であって、50mol%を超えるプロピレン含有量、及び100,000以下の重量平均分子量を有する前記第1のプロピレンベースコポリマー成分;並びにプロピレン及び少なくとも1種のコモノマーを含む、第2のプロピレンベースコポリマー成分であって、50mol%を超えるプロピレン含有量、第1のプロピレンベースコポリマー成分のコモノマー含有量を少なくとも2mol%上回るコモノマー含有量、及び100,000以下の重量平均分子量を有する前記第2のプロピレンベースコポリマー成分、を含む接着剤組成物が提案されている。
特許文献3には、特定の条件を満たす重合用触媒の存在下、プロピレンを重合させることを特徴とし、特定の条件を満たすポリプロピレン系重合体の製造方法が提案されている。
ホットメルト接着剤は、加熱により液状化している間に被着体表面を濡らし、冷却固化する過程で接着力を発揮する。そのため、ホットメルト接着剤は、加熱によって液状化した後、加熱を終了してから被着体と接触するまでの間、被着体を十分に濡らすことが可能な状態を維持することが必要とされる。加熱によって液状化したホットメルト接着剤が、被着体を濡らして接着可能な状態を維持する時間は、オープンタイムと称されることがある。本発明者らの検討によれば、従来のホットメルト接着剤は、オープンタイムが充分に長いものではなく、接着プロセスの管理等の観点から、ホットメルト接着剤がより長いオープンタイムを有することが望ましいという事情があった。
そこで、本発明は、ホットメルト接着剤として用いられたときに、充分長いオープンタイムを確保可能な接着剤組成物を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、
(A)エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる2種以上のオレフィンをモノマー単位として含む非晶性オレフィン系重合体、及び、
(B)エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる1種以上のオレフィンをモノマー単位として含む結晶性オレフィン系重合体、
を含有する接着剤組成物を提供する。
前記非晶性オレフィン系重合体が、10〜10000g/10分のメルトフローレイトを有する。前記結晶性オレフィン系重合体が、10〜10000g/10分のメルトフローレイト、及び1.0〜3.0の分子量分布を有する。前記メルトフローレイトは、190℃、2.16kgfの荷重下で測定される値である。前記結晶性オレフィン系重合体の含有量が、前記非晶性オレフィン系重合体100質量部に対して100〜900質量部である。当該接着剤組成物の示差走査熱量測定により得られるDSCサーモグラムの−50℃から200℃までの範囲において、熱量1〜40J/gの融解エンタルピーが観測される。
(A)エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる2種以上のオレフィンをモノマー単位として含む非晶性オレフィン系重合体、及び、
(B)エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる1種以上のオレフィンをモノマー単位として含む結晶性オレフィン系重合体、
を含有する接着剤組成物を提供する。
前記非晶性オレフィン系重合体が、10〜10000g/10分のメルトフローレイトを有する。前記結晶性オレフィン系重合体が、10〜10000g/10分のメルトフローレイト、及び1.0〜3.0の分子量分布を有する。前記メルトフローレイトは、190℃、2.16kgfの荷重下で測定される値である。前記結晶性オレフィン系重合体の含有量が、前記非晶性オレフィン系重合体100質量部に対して100〜900質量部である。当該接着剤組成物の示差走査熱量測定により得られるDSCサーモグラムの−50℃から200℃までの範囲において、熱量1〜40J/gの融解エンタルピーが観測される。
上記接着剤組成物は、ホットメルト接着剤として用いられたときに、充分に長いオープンタイムを確保することができる。
上記非晶性オレフィン系重合体が、1.0〜3.0の分子量分布を有してもよい。
上記非晶性オレフィン系重合体が、上記非晶性オレフィン系重合体に含まれるモノマー単位の全量を基準として、プロピレンに由来するモノマー単位を60〜99モル%、エチレンに由来するモノマー単位を0〜20モル%、及び炭素数4〜20のα−オレフィンに由来するモノマー単位を0.1〜40モル%含んでもよい。
本発明の接着剤組成物は、ワックスを更に含有してもよい。
本発明の接着剤組成物は、その用途は特に制限されないが、ホットメルト接着剤として特に有用である。
本発明によれば、ホットメルト接着剤として用いられたときに充分に長いオープンタイムを確保可能な接着剤組成物が提供される。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る接着剤組成物は、(A)非晶性オレフィン系重合体と、(B)結晶性オレフィン系重合体とを含む。接着剤組成物における、非晶性オレフィン系重合体及び結晶性オレフィン系重合体の合計の割合は、接着剤組成物の質量を基準として、例えば100質量%であってもよい。
非晶性オレフィン系重合体と結晶性オレフィン系重合体とは、示差走査熱量測定により得られるDSCサーモグラムにおいて、結晶の融解に基づくピークの有無を確認することで区別することができる。本明細書において、後述の条件で示差走査熱量測定を行ったときに得られるDSCサーモグラムにおいて、結晶の融解に基づく熱量1J/g以上のピークが観測されないオレフィン系重合体は、「非晶性オレフィン系重合体」であるとみなされる。同様の示差走査熱量測定を行ったときに得られるDSCサーモグラムにおいて、結晶の融解に基づく熱量1J/g以上の吸熱ピークが観測されるオレフィン系重合体は、「結晶性オレフィン系重合体」であるとみなされる。
ここで、オレフィン系重合体の結晶の融解による吸熱ピークは、室温(通常20〜30℃)から200℃まで10℃/分の速度で昇温した後、直ちに−50℃へ速度10℃/分で降温する1stヒーティングと、その後−50℃から200℃まで10℃/分の速度で昇温する2ndヒーティングと、を含む示差走査熱量測定により得られるDSCサーモグラムにおける、2ndヒーティングの−50℃から200℃までの昇温過程において確認される。オレフィン系重合体の結晶の融解による吸熱ピークのピークトップの温度、すなわち結晶性オレフィン系重合体の融点は、通常、40〜100℃の範囲にある。
(A)非晶性オレフィン系重合体
一実施形態に係る非晶性オレフィン系重合体は、エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィンからなる群から選択される2種以上のオレフィンをモノマー単位として含む。この非晶性オレフィン系重合体は、190℃、2.16kgfの荷重下で測定される、10〜10000g/10分のメルトフローレイト(以下「MFR」ということがある。)を有する。
一実施形態に係る非晶性オレフィン系重合体は、エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィンからなる群から選択される2種以上のオレフィンをモノマー単位として含む。この非晶性オレフィン系重合体は、190℃、2.16kgfの荷重下で測定される、10〜10000g/10分のメルトフローレイト(以下「MFR」ということがある。)を有する。
非晶性オレフィン系重合体を構成するα−オレフィンは、炭素数3〜20のα−オレフィンであり、入手の容易さ、コスト、共重合性等の観点から、好ましくは、炭素数3〜10のα−オレフィンである。炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン及び1−イコセンが挙げられる。これらの中でも、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン及び1−デセンが好ましい。炭素数3〜20のα−オレフィンは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
非晶性オレフィン系重合体は、好ましくは、プロピレンに由来するモノマー単位を含む共重合体(以下、「非晶性プロピレン系共重合体」ともいう。)である。ここで、「モノマー単位」は、各モノマーが重合体中に形成する構成単位を意味する。
非晶性プロピレン系共重合体は、好ましくは、プロピレンに由来するモノマー単位及び炭素数4〜20のα−オレフィンに由来するモノマー単位を含む。非晶性プロピレン系共重合体は、エチレンに由来するモノマー単位を更に含んでもよい。
非晶性プロピレン系共重合体におけるプロピレンに由来するモノマー単位の割合は、非晶性プロピレン系共重合体に含まれるモノマー単位の全量を基準として、(B)結晶性オレフィン系重合体との親和性を高める観点から、好ましくは60モル%以上、より好ましくは62モル%以上、更に好ましくは64モル%以上、更にまた好ましくは65モル%以上、特に好ましくは68モル%以上である。非晶性プロピレン系共重合体におけるプロピレンに由来するモノマー単位の割合は、非晶性プロピレン系共重合体に含まれるモノマー単位の全量を基準として、好ましくは99モル%以下、より好ましくは97モル%以下、更に好ましくは95モル%以下である。プロピレンに由来するモノマー単位の割合が、これら数値範囲内であることにより、接着剤の柔軟性をより向上させることができる。
非晶性プロピレン系共重合体における炭素数4〜20のα−オレフィンに由来するモノマー単位の割合は、非晶性プロピレン系共重合体に含まれるモノマー単位の全量を基準として、好ましくは0.1モル%以上、0.5モル%以上、1モル%以上、2モル%以上、又は4モル%以上である。非晶性プロピレン系共重合体における炭素数4〜20のα−オレフィンに由来するモノマー単位の割合は、非晶性プロピレン系共重合体に含まれるモノマー単位の全量を基準として、好ましくは40モル%以下、35モル%以下、30モル%以下、25モル%以下、又は10モル%以下である。炭素数4〜20のα−オレフィンに由来するモノマー単位の割合が、これら数値範囲内であることにより、接着剤の透明性を向上させることができる。
非晶性プロピレン系共重合体におけるエチレンに由来するモノマー単位の割合は、非晶性プロピレン系共重合体に含まれるモノマー単位の全量を基準として、好ましくは0モル%超、より好ましくは0.5モル%以上、更に好ましくは1モル%以上、特に好ましくは5モル%以上である。エチレンに由来する構成単位の割合が、これら数値範囲内であることにより、接着剤組成物の柔軟性をより向上させることができる。非晶性プロピレン系共重合体におけるエチレンに由来するモノマー単位の割合は、非晶性プロピレン系共重合体に含まれるモノマー単位の全量を基準として、好ましくは20モル%以下、より好ましくは18モル%以下、更に好ましくは16モル%以下である。
非晶性プロピレン系共重合体を構成する各モノマー単位の割合は、上述の範囲で任意に調整することができる。例えば、非晶性プロピレン系共重合体は、非晶性プロピレン系共重合体を構成する全モノマー単位を基準として、プロピレンに由来するモノマー単位を60〜99モル%、エチレンに由来するモノマー単位を0〜20モル%、及び炭素数4〜20のα−オレフィンに由来するモノマー単位を0.1〜40モル%含んでもよい。
非晶性オレフィン系共重合体は、非共役ポリエンに由来するモノマー単位を更に含んでいてもよい。ポリエンは、2個以上の重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物であり、その炭素数は5〜20であってもよい。非共役ポリエンは、鎖状、又は環状であってもよい。非共役環状ポリエンは、多環を有していてもよい。非共役ポリエンとしては、例えば、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、及び2,5−ノルボルナジエンが挙げられる。非共役ポリエンは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
環状ポリエンにおいて、2個の二重結合は、両方が炭素環内にあってもよいし、1個が炭素環内に、1個が炭素環外にあってもよい。2個の二重結合が共に炭素環内にある環状ジエンとして、例えば、ジシクロペンタジエン及び2,5−ノルボルナジエンが挙げられる。1個の二重結合が炭素環内に、1個の二重結合が炭素環外にある環状ジエンとしてとして、例えば、5−エチリデン−2−ノルボルネンが挙げられる。中でも、非共役ポリエンとして、5−エチリデン−2−ノルボルネン及びジシクロペンタジエンが好ましく、5−エチリデン−2−ノルボルネンがより好ましい。
重合体における各モノマー単位の割合は、例えば、13C−NMR法により求めることができる。
非晶性オレフィン系重合体の分子量分布Mw/Mnは、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.8以下、更に好ましくは2.6以下である。非晶性オレフィン系重合体の分子量分布Mw/Mnは、1.0以上であり、1.2以上、又は1.5以上であってよい。非晶性オレフィン系重合体の分子量分布Mw/Mnが上記範囲内であると、接着剤組成物のオープンタイムをより長くすることができる。
本明細書において、重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnは、ゲルパーミエイションクロマトグラフ法(GPC法)により測定される、標準ポリスチレンを用いて作成した検量線により換算された値である。Mw及びMnは、例えば、実施例に記載の方法により測定することができる。
非晶性オレフィン系重合体は、190℃、2.16kgfの荷重下で測定される、10〜10000g/10分のメルトフローレイト(MFR)を有する。非晶性オレフィン系重合体のMFRは、好ましくは50g/10分以上、より好ましくは100g/10分以上である。非晶性オレフィン系重合体のMFRは、好ましくは5000g/10分以下、より好ましくは2000g/10分以下である。
本明細書において、190℃、2.16kgfの荷重下で測定されるMFRは、ASTM D−1238に沿って測定される値である。
非晶性オレフィン系重合体は、例えば、上述のモノマーをチーグラー・ナッタ触媒又はメタロセン触媒のような重合触媒の存在下で重合させること、及び得られた重合体を過酸化物の存在下において一部分解させること、を含む方法により得られる。重合触媒は、大きな分子量を有し、且つ分子量分布が狭い重合体を得やすく、また、重合体の組成制御がより容易であることから、好ましくはメタロセン触媒である。
重合は、溶液重合、懸濁重合等であってよい。重合方式は、連続式、又は回分式であってよい。重合条件は、モノマーの組成等に応じて適宜調整することができ、例えば、特開平7−48485号公報に記載される重合条件の範囲から適宜選択してもよい。
重合反応によって生成した重合体を、過酸化物の存在下において一部分解させることにより、非晶性オレフィン系重合体のメルトフローレイトを調整することができる。例えば、過酸化物の存在下で、非晶性オレフィン系重合体を加熱処理することで、その一部を分解させることができる。加熱処理の時間が長いと、非晶性オレフィン系重合体のメルトフローレイトが大きくなる傾向にある。加熱温度及び加熱処理の時間は、過酸化物の種類、及び所望の物性に応じて設定すればよいが、例えば、加熱温度が100〜300℃、加熱時間が1〜30分であってもよい。
過酸化物は、公知の有機過酸化物であってよい。過酸化物は、例えば、ケトンパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、アルキルパーエステル類、パーカーボネート類、パーオキシジカーボネート類、及びパーオキシエステル類からなる群より選択される1以上である。
過酸化物として、例えば、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,4−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,2,4−トリメチルペンチル−2−ハイドロパ−オキサイド、ジイソプロピルベンゾハイドロパーオキサイド、クメンパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、イソブチルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、ビス(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド及びp−クロロベンゾイルパーオキサイドが挙げられる。これらの過酸化物は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。これらの中でも、過酸化物は、好ましくは、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン又は1,4−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンである。これらの中でも、過酸化物は、特に、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンであることが好ましい。
(B)結晶性オレフィン系重合体
結晶性オレフィン系重合体は、エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィンからなる群から選択される1種以上のオレフィンをモノマー単位として含む。この結晶性オレフィン系重合体は、190℃、2.16kgfの荷重下で測定される、10〜10000g/10分のメルトフローレイト(MFR)を有する。
結晶性オレフィン系重合体は、エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィンからなる群から選択される1種以上のオレフィンをモノマー単位として含む。この結晶性オレフィン系重合体は、190℃、2.16kgfの荷重下で測定される、10〜10000g/10分のメルトフローレイト(MFR)を有する。
結晶性オレフィン系重合体は、エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィンからなる群から選択されるオレフィンの単独重合体であってよいし、同じ群から選択される2種以上のオレフィンの共重合体であってもよい。
結晶性オレフィン系重合体を構成する炭素数3〜20のα−オレフィンは、例えば、非晶性オレフィン系重合体を構成する炭素数3〜20のα−オレフィンとして例示したものから選択することができる。非晶性オレフィン系重合体を構成するα−オレフィンと、結晶性オレフィン系重合体を構成するα−オレフィンは同一であっても、異なっていてもよい。結晶性オレフィン系重合体は、好ましくは、プロピレンの単独重合体、及び、プロピレンをモノマー単位として含む共重合体から選ばれる、結晶性プロピレン系重合体である。
結晶性オレフィン系共重合体は、1.0〜3.0の分子量分布Mw/Mnを有する。結晶性オレフィン系重合体の分子量分布Mw/Mnは、好ましくは2.8以下、より好ましくは2.6以下、更に好ましくは2.4以下である。結晶性オレフィン系重合体の分子量分布Mw/Mnは、1.2以上、又は1.5以上であってよい。結晶性オレフィン系重合体の分子量分布Mw/Mnが上記範囲内であると、接着剤組成物のオープンタイムをより長くすることができる。
結晶性オレフィン系重合体の融点は、好ましくは40℃以上であり、より好ましくは50℃以上であり、更に好ましくは60℃以上であり、特に好ましくは70℃以上である。結晶性オレフィン系重合体の融点は、好ましくは100℃以下であり、より好ましくは90℃以下であり、更に好ましくは85℃以下である。
結晶性オレフィン系重合体は、190℃、2.16kgfの荷重下で測定される、10〜10000g/10分のメルトフローレイト(MFR)を有する。結晶性オレフィン系重合体のMFRは、好ましくは50g/10分以上、より好ましくは100g/10分以上である。結晶性オレフィン系重合体のMFRは、好ましくは5000g/10分以下、より好ましくは2000g/10分以下である。
本実施形態に係る接着剤組成物における結晶性オレフィン系重合体の含有量は、非晶性オレフィン系重合体100質量部に対して、100〜900質量部である。同様の観点から、結晶性オレフィン系重合体の含有量は、好ましくは150質量部以上、より好ましくは200質量部以上である。同様の観点から、結晶性オレフィン系重合体の含有量は、非晶性オレフィン系重合体100質量部に対して、好ましくは700質量部以下、より好ましくは500質量部以下である。
その他の成分
本実施形態に係る接着剤組成物は、ワックスを更に含有してもよい。ワックスを用いることにより、接着剤組成物の接着力を調整することができる。ワックスとしては、例えば、動物由来ワックス、植物由来ワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、木蝋、蜜蝋、鉱物ワックス、石油ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス、高級脂肪酸ワックス、高級脂肪酸エステルワックス、フィッシャー・トロプシュワックス等が挙げられる。
本実施形態に係る接着剤組成物は、ワックスを更に含有してもよい。ワックスを用いることにより、接着剤組成物の接着力を調整することができる。ワックスとしては、例えば、動物由来ワックス、植物由来ワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、木蝋、蜜蝋、鉱物ワックス、石油ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス、高級脂肪酸ワックス、高級脂肪酸エステルワックス、フィッシャー・トロプシュワックス等が挙げられる。
ワックスの含有量は、特に制限されないが、例えば、非晶性オレフィン系重合体100質量部に対して、10〜900質量部である。同様の観点から、ワックスの含有量は、好ましくは15質量部以上、より好ましくは20質量部以上である。同様の観点から、ワックスの含有量は、非晶性オレフィン系重合体100質量部に対して、好ましくは500重量部以下、より好ましくは300重量部以下、更に好ましくは200重量部以下である。
本実施形態に係る接着剤組成物は、非晶性オレフィン系重合体及び結晶性オレフィン系重合体に加え、その他成分を含有してもよい。その他成分としては、例えば、粘着性付与材、可塑剤、ゴム成分(上述の非晶性オレフィン系重合体及び結晶性オレフィン系重合体に該当するものを除く)、機能性樹脂(上述の非晶性オレフィン系重合体及び結晶性オレフィン系重合体に該当するものを除く)、架橋剤、架橋助剤、充填剤、酸化防止剤、熱安定化剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料等が挙げられる。その他成分の含有量は、例えば、非晶性オレフィン系重合体100質量部に対して、0〜20質量部であってもよい。
接着剤組成物の示差走査熱量測定
本実施形態に係る接着剤組成物の示差熱走査熱量測定により得られるDSCサーモグラムの−50℃から200℃の範囲において、40〜100℃の範囲にピークトップを有する熱量1〜40J/gの融解エンタルピーが観測される。言い換えると、接着剤組成物は、40〜100℃の範囲において融点Tmを有する。接着剤組成物の融点は、好ましくは50℃以上であり、より好ましくは60℃以上であり、更に好ましくは75℃以上である。接着剤組成物の融点は、好ましくは90℃以下であり、より好ましくは85℃以下である。接着剤組成物の融点が上記範囲内であることにより、低温でより容易に接着することが可能である。接着剤組成物の融点は、主として、結晶性オレフィン系重合体の組成、含有量などを調整することで制御することができる。本実施形態に係る接着剤組成物の融解エンタルピーの熱量ΔHmは、5〜30J/gであってよく、10〜20J/gであってもよい。
本実施形態に係る接着剤組成物の示差熱走査熱量測定により得られるDSCサーモグラムの−50℃から200℃の範囲において、40〜100℃の範囲にピークトップを有する熱量1〜40J/gの融解エンタルピーが観測される。言い換えると、接着剤組成物は、40〜100℃の範囲において融点Tmを有する。接着剤組成物の融点は、好ましくは50℃以上であり、より好ましくは60℃以上であり、更に好ましくは75℃以上である。接着剤組成物の融点は、好ましくは90℃以下であり、より好ましくは85℃以下である。接着剤組成物の融点が上記範囲内であることにより、低温でより容易に接着することが可能である。接着剤組成物の融点は、主として、結晶性オレフィン系重合体の組成、含有量などを調整することで制御することができる。本実施形態に係る接着剤組成物の融解エンタルピーの熱量ΔHmは、5〜30J/gであってよく、10〜20J/gであってもよい。
本実施形態に係る接着剤組成物のガラス転移点は、好ましくは−20〜30℃である。ガラス転移点がこの範囲内であると、低温下においてもホットメルト接着剤が充分な柔軟性を有することができる。これにより、被着体を接着後、低温下で応力が加わったときに、接着剤の割れ、及び界面剥離等の発生を特に効果的に抑制することができる。
接着剤組成物の融点及びガラス転移点を測定するための示差走査熱量測定は、オレフィン系重合体の結晶の融解による吸熱ピークの測定と同様の1ndヒーティング及び2ndヒーティングを含む条件で行われる。2ndヒーティングの−50℃から200℃までの昇温過程のDSCサーモグラムにおいて、接着剤組成物及び融点の融点及びガラス転移点が確認される。
本実施形態に係る接着剤組成物の引張弾性率は、好ましくは60MPa以下であり、より好ましくは50MPa以下である。接着剤組成物の引張弾性率は、好ましくは10MPa以上であり、より好ましくは15MPa以上である。接着剤組成物の引張弾性率が上記範囲内であるホットメルト接着剤は、特に優れた柔軟性を有する。本実施形態において引張弾性率は、引張速度5mm/分、温度23℃の条件の引張試験で測定される初期弾性率を意味する。
本実施形態に係る接着剤組成物は、例えば、非晶性オレフィン系重合体と、上記結晶性オレフィン系重合体と、必要によりその他の成分とを含む混合物を溶融混練することを含む方法によって、製造することができる。
ホットメルト接着剤
本実施形態に係る接着剤組成物は、ホットメルト接着剤として好適である。ホットメルト接着剤の形状は、特に限定されず、例えばシート状、テープ状、又は棒状であってもよい。
本実施形態に係る接着剤組成物は、ホットメルト接着剤として好適である。ホットメルト接着剤の形状は、特に限定されず、例えばシート状、テープ状、又は棒状であってもよい。
ホットメルト接着剤は、例えば、加熱溶融したホットメルト接着剤を第一の被着体に付着させることと、ホットメルト接着剤を間に挟みながら第一の被着体と第二の被着体とを貼り合わせることと、第一の被着体と第二の被着体の間のホットメルト接着剤を冷却固化させることとを含む方法により、第一の被着体と第二の被着体とを接着させるために、用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明について具体的に説明する。なお、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
オレフィン系共重合体、接着剤組成物等の物性は、以下の方法により測定した。
(融点Tm、融解エンタルピーの熱量ΔHm、及びガラス転移点Tg)
示差走査熱量計(セイコー電子工業株式会社製、商品名「DSC220C」)を用いた示差走査熱量測定を、10℃/分の昇温速度及び降温速度で行った。示差走査熱量測定は、室温から200℃へ昇温した後、直ちに−50℃へ降温する1stヒーティングと、その後−50℃から200℃へ昇温する2ndヒーティングとを含む条件によって行った。2ndヒーティングの後、試料を−50℃へ降温させた。2ndヒーティングのDSCサーモグラムにおいて観測された、結晶の融解に基づく吸熱ピークのピークトップの温度を、融点Tmとした。この際に観測される吸熱ピークの熱量を融解エンタルピーの熱量ΔHmとした。また、ガラス転移挙動にともなう比熱変化を示すベースラインシフトの変曲点における温度をガラス転移点Tgとした。
示差走査熱量計(セイコー電子工業株式会社製、商品名「DSC220C」)を用いた示差走査熱量測定を、10℃/分の昇温速度及び降温速度で行った。示差走査熱量測定は、室温から200℃へ昇温した後、直ちに−50℃へ降温する1stヒーティングと、その後−50℃から200℃へ昇温する2ndヒーティングとを含む条件によって行った。2ndヒーティングの後、試料を−50℃へ降温させた。2ndヒーティングのDSCサーモグラムにおいて観測された、結晶の融解に基づく吸熱ピークのピークトップの温度を、融点Tmとした。この際に観測される吸熱ピークの熱量を融解エンタルピーの熱量ΔHmとした。また、ガラス転移挙動にともなう比熱変化を示すベースラインシフトの変曲点における温度をガラス転移点Tgとした。
(分子量、分子量分布)
プロピレン系重合体を、GPC装置(Waters社製、商品名「150C/GPC装置」)を用いたゲルパーミエイションクロマトグラフ法(GPC法)により分析した。カラムは、昭和電工株式会社製の「Shodex Packed Column A−80M」を用いた。分子量標準物質は、東ソー株式会社製の標準ポリスチレンを用いた。約5mgの測定対象サンプルを、5mLのo−ジクロロベンゼンに溶解して約1g/L濃度の溶液を調製した。調整したサンプル溶液400μLをカラムにインジェクションし、溶出温度140℃、溶出溶媒流速1.0mL/minの条件で測定を行い、屈折率検出器にて検出した。得られた重量平均分子量Mw(ポリスチレン換算)及び数平均分子量Mn(ポリスチレン換算)から、両者の比Mw/Mnを求め、これを分子量分布とした。
プロピレン系重合体を、GPC装置(Waters社製、商品名「150C/GPC装置」)を用いたゲルパーミエイションクロマトグラフ法(GPC法)により分析した。カラムは、昭和電工株式会社製の「Shodex Packed Column A−80M」を用いた。分子量標準物質は、東ソー株式会社製の標準ポリスチレンを用いた。約5mgの測定対象サンプルを、5mLのo−ジクロロベンゼンに溶解して約1g/L濃度の溶液を調製した。調整したサンプル溶液400μLをカラムにインジェクションし、溶出温度140℃、溶出溶媒流速1.0mL/minの条件で測定を行い、屈折率検出器にて検出した。得られた重量平均分子量Mw(ポリスチレン換算)及び数平均分子量Mn(ポリスチレン換算)から、両者の比Mw/Mnを求め、これを分子量分布とした。
(流動性:メルトフローレイト)
ASTM D−1238に従い、温度190℃、荷重2.16kgfの条件で、メルトフローレイトを測定した。
ASTM D−1238に従い、温度190℃、荷重2.16kgfの条件で、メルトフローレイトを測定した。
(柔軟性:引張弾性率)
実施例及び比較例にて作製した接着剤を、それぞれプレス機にてシート状に加工した。得られたシートを150mm×20mm×1mmにカットし、引張試験用の試験片を作製した。この試験片について、引張試験機(株式会社エーアンドデー製)を用いて、引張速度5mm/min、チャック間隔60mm、温度23℃にて引張試験を行った。得られた応力−ひずみ曲線(S−S曲線)から、初期の引張弾性率を求めた。ヤング率が低いほど、柔軟性に優れる。
実施例及び比較例にて作製した接着剤を、それぞれプレス機にてシート状に加工した。得られたシートを150mm×20mm×1mmにカットし、引張試験用の試験片を作製した。この試験片について、引張試験機(株式会社エーアンドデー製)を用いて、引張速度5mm/min、チャック間隔60mm、温度23℃にて引張試験を行った。得られた応力−ひずみ曲線(S−S曲線)から、初期の引張弾性率を求めた。ヤング率が低いほど、柔軟性に優れる。
(オープンタイム)
実施例及び比較例にて作製した接着剤を、それぞれプレス機にてシート状に加工した。得られたシートを0.15g程度の短冊状にカットした。短冊状の接着剤を、段ボール片の上へ載せた。段ボール上の接着剤を、約1mm離れた230℃の熱源によって10分間加熱した。接着剤を熱源から離し、室温で所定時間放置した時点で、接着剤に別の段ボール片を載せ、その上に1kgの重りを載せた。その状態で1時間静置し、段ボール辺同士が接着している接着体を得た。接着体の段ボール片を手で剥離し、剥離後の露出面の状態を観察した。段ボール片自体の破壊(基材破壊)が観察された場合、接着剤が有効に機能していると判断される。熱源から離してから別の段ボールを載せるまで、室温にて接着剤を放置する時間を、5秒、10秒、15秒と、5秒間隔で増やし、それぞれに対応する接着体を作製した。基材破壊が認められない接着体が得られた放置時間のうち、最も長い時間を確認し、これより5秒短い時間をオープンタイムとみなした。
実施例及び比較例にて作製した接着剤を、それぞれプレス機にてシート状に加工した。得られたシートを0.15g程度の短冊状にカットした。短冊状の接着剤を、段ボール片の上へ載せた。段ボール上の接着剤を、約1mm離れた230℃の熱源によって10分間加熱した。接着剤を熱源から離し、室温で所定時間放置した時点で、接着剤に別の段ボール片を載せ、その上に1kgの重りを載せた。その状態で1時間静置し、段ボール辺同士が接着している接着体を得た。接着体の段ボール片を手で剥離し、剥離後の露出面の状態を観察した。段ボール片自体の破壊(基材破壊)が観察された場合、接着剤が有効に機能していると判断される。熱源から離してから別の段ボールを載せるまで、室温にて接着剤を放置する時間を、5秒、10秒、15秒と、5秒間隔で増やし、それぞれに対応する接着体を作製した。基材破壊が認められない接着体が得られた放置時間のうち、最も長い時間を確認し、これより5秒短い時間をオープンタイムとみなした。
非晶性オレフィン系重合体の合成
[合成例1]
住友化学株式会社製のプロピレン・1−ブテン共重合体(製品名「タフセレン」、グレード「X1102」、プロピレン:1−ブテン=96:4(モノマー単位のモル比))100質量部を、ラボプラストミルにて、温度100℃で2分間、予備混練した。予備混練後の共重合体に、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂株式会社製、製品名「パーブチルP」)0.8質量部を添加して、更に5分間、混練することで、過酸化物を含む樹脂混練物を得た。得られた樹脂混練物を温度200℃、10分間プレスすることで加熱処理して、過酸化物によって分子量が調節されたプロピレン・1−ブテン共重合体(共重合体a1)のシートを得た。得られたシートを、−50℃から200℃の範囲において示差走査熱量測定で分析したところ、得られたDSCサーモグラムにおいて、40〜100℃の範囲に、結晶の融解に基づく1J/g以上のピークは観測されなかった。共重合体a1のメルトフローレイト(MFR)は、190℃、2.16kgfの荷重下において171g/10分であった。共重合体a1の分子量分布は、2.3であった。
[合成例1]
住友化学株式会社製のプロピレン・1−ブテン共重合体(製品名「タフセレン」、グレード「X1102」、プロピレン:1−ブテン=96:4(モノマー単位のモル比))100質量部を、ラボプラストミルにて、温度100℃で2分間、予備混練した。予備混練後の共重合体に、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂株式会社製、製品名「パーブチルP」)0.8質量部を添加して、更に5分間、混練することで、過酸化物を含む樹脂混練物を得た。得られた樹脂混練物を温度200℃、10分間プレスすることで加熱処理して、過酸化物によって分子量が調節されたプロピレン・1−ブテン共重合体(共重合体a1)のシートを得た。得られたシートを、−50℃から200℃の範囲において示差走査熱量測定で分析したところ、得られたDSCサーモグラムにおいて、40〜100℃の範囲に、結晶の融解に基づく1J/g以上のピークは観測されなかった。共重合体a1のメルトフローレイト(MFR)は、190℃、2.16kgfの荷重下において171g/10分であった。共重合体a1の分子量分布は、2.3であった。
[合成例2]
住友化学株式会社製のエチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体(製品名「タフセレン」、グレード「X1104」、エチレン:プロピレン:1−ブテン=10:85:5(モノマー単位のモル比))100質量部を、ラボプラストミルにて、温度100℃で2分間、予備混練した。予備混練後の共重合体に、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂株式会社製、製品名「パーブチルP」)1質量部を添加して、更に5分間、混練することで、過酸化物を含む樹脂混練物を得た。得られた樹脂混練物を温度220℃、10分間プレスすることで加熱処理して、過酸化物によって分子量が調節されたエチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体(共重合体a2)のシートを得た。得られたシートを、−50℃から200℃の範囲において示差走査熱量測定で分析したところ、得られたDSCサーモグラムにおいて、40〜100℃の範囲に、結晶の融解に基づく1J/g以上のピークは観測されなかった。共重合体a2のメルトフローレイト(MFR)は、190℃、2.16kgfの荷重下において181g/10分であった。共重合体a2の分子量分布は、2.3であった。
住友化学株式会社製のエチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体(製品名「タフセレン」、グレード「X1104」、エチレン:プロピレン:1−ブテン=10:85:5(モノマー単位のモル比))100質量部を、ラボプラストミルにて、温度100℃で2分間、予備混練した。予備混練後の共重合体に、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂株式会社製、製品名「パーブチルP」)1質量部を添加して、更に5分間、混練することで、過酸化物を含む樹脂混練物を得た。得られた樹脂混練物を温度220℃、10分間プレスすることで加熱処理して、過酸化物によって分子量が調節されたエチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体(共重合体a2)のシートを得た。得られたシートを、−50℃から200℃の範囲において示差走査熱量測定で分析したところ、得られたDSCサーモグラムにおいて、40〜100℃の範囲に、結晶の融解に基づく1J/g以上のピークは観測されなかった。共重合体a2のメルトフローレイト(MFR)は、190℃、2.16kgfの荷重下において181g/10分であった。共重合体a2の分子量分布は、2.3であった。
接着剤組成物の調製とその評価
[実施例1]
出光興産株式会社製の結晶性プロピレン系重合体(製品名「L−MODU」、グレード「S400」、分子量分布:2、MFR(190℃、2.16kgf):920g/10分)を80質量部、合成例1で得られた共重合体a1を20質量部、500mLセパラブルフラスコへ投入し、220℃へ昇温してこれらを溶融させ、スリーワンモーターにて2時間撹拌することで、接着剤組成物を得た。得られた接着剤組成物のMFRは、190℃、2.16kgfの荷重下において650g/10分であった。接着剤組成物について、融点Tm、融解エンタルピーの熱量ΔHm、柔軟性、オープンタイムの評価を行った。結果が表1に示される。
[実施例1]
出光興産株式会社製の結晶性プロピレン系重合体(製品名「L−MODU」、グレード「S400」、分子量分布:2、MFR(190℃、2.16kgf):920g/10分)を80質量部、合成例1で得られた共重合体a1を20質量部、500mLセパラブルフラスコへ投入し、220℃へ昇温してこれらを溶融させ、スリーワンモーターにて2時間撹拌することで、接着剤組成物を得た。得られた接着剤組成物のMFRは、190℃、2.16kgfの荷重下において650g/10分であった。接着剤組成物について、融点Tm、融解エンタルピーの熱量ΔHm、柔軟性、オープンタイムの評価を行った。結果が表1に示される。
[実施例2]
合成例1で得た共重合体a1の替わりに、合成例2で得た共重合体a2を用いた以外は、実施例1と同様にして、接着剤組成物を得た。得られた接着剤組成物のMFRは、190℃、2.16kgfの荷重下において580g/10分であった。得られた接着剤組成物について、融点Tm、融解エンタルピーの熱量ΔHm、柔軟性、オープンタイムの評価を行った。結果が表1に示される。
合成例1で得た共重合体a1の替わりに、合成例2で得た共重合体a2を用いた以外は、実施例1と同様にして、接着剤組成物を得た。得られた接着剤組成物のMFRは、190℃、2.16kgfの荷重下において580g/10分であった。得られた接着剤組成物について、融点Tm、融解エンタルピーの熱量ΔHm、柔軟性、オープンタイムの評価を行った。結果が表1に示される。
[比較例1]
出光興産株式会社製の結晶性プロピレン系重合体(製品名「L−MODU」、グレード「S400」、分子量分布:2、MFR(190℃、2.16kgf):920g/10分)をそのまま比較例1の接着剤として評価した。この結晶性プロピレン系重合体について、融点Tm、融解エンタルピーの熱量ΔHm、柔軟性、オープンタイムの評価を行った。結果が表1に示される。
出光興産株式会社製の結晶性プロピレン系重合体(製品名「L−MODU」、グレード「S400」、分子量分布:2、MFR(190℃、2.16kgf):920g/10分)をそのまま比較例1の接着剤として評価した。この結晶性プロピレン系重合体について、融点Tm、融解エンタルピーの熱量ΔHm、柔軟性、オープンタイムの評価を行った。結果が表1に示される。
[比較例2]
合成例1で得た共重合体a1の替わりに、過酸化物によって処理されていないエチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体(エチレン:プロピレン:1−ブテン=10:85:5(モノマー単位のモル比)である共重合体a3(MFR(190℃、2.16kgf):1.0g/10分)を、実施例1と同様にして、結晶性プロピレン系重合体と混合して撹拌した。しかし、結晶性プロピレン系重合体と、共重合体a3との溶融粘度の差が大きすぎるため、混練不良となり、評価不可であった。
合成例1で得た共重合体a1の替わりに、過酸化物によって処理されていないエチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体(エチレン:プロピレン:1−ブテン=10:85:5(モノマー単位のモル比)である共重合体a3(MFR(190℃、2.16kgf):1.0g/10分)を、実施例1と同様にして、結晶性プロピレン系重合体と混合して撹拌した。しかし、結晶性プロピレン系重合体と、共重合体a3との溶融粘度の差が大きすぎるため、混練不良となり、評価不可であった。
Claims (5)
- (A)エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる2種以上のオレフィンをモノマー単位として含む非晶性オレフィン系重合体、及び、
(B)エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる1種以上のオレフィンをモノマー単位として含む結晶性オレフィン系重合体、
を含有する、接着剤組成物であって、
前記非晶性オレフィン系重合体が、10〜10000g/10分のメルトフローレイトを有し、
前記結晶性オレフィン系重合体が、10〜10000g/10分のメルトフローレイト、及び1.0〜3.0の分子量分布を有し、
前記メルトフローレイトが、190℃、2.16kgfの荷重下で測定される値であり、
前記結晶性オレフィン系重合体の含有量が、前記非晶性オレフィン系重合体100質量部に対して100〜900質量部であり、
当該接着剤組成物の示差熱走査熱量測定により得られるDSCサーモグラムの−50℃から200℃の範囲において、40〜100℃の範囲にピークトップを有する熱量1〜40J/gの融解エンタルピーが観測される、
接着剤組成物。 - 前記非晶性オレフィン系重合体が、1.0〜3.0の分子量分布を有する、請求項1に記載の接着剤組成物。
- 前記非晶性オレフィン系重合体が、前記非晶性オレフィン系重合体に含まれるモノマー単位の全量を基準として、プロピレンに由来するモノマー単位を60〜99モル%、エチレンに由来するモノマー単位を0〜20モル%、及び炭素数4〜20のα−オレフィンに由来するモノマー単位を0.1〜40モル%含む、請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
- ワックスを更に含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
- ホットメルト接着剤である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
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