JP2019077788A - シアノアクリレート組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】光学部材等の仮固定に用いる材料として、経済性に優れ、位置合わせを行うにあたり十分なセットタイムを有し、基材に対する適度な接着強度であり、また仮固定を終えた後の剥がしやすさをそれぞれ兼ね備えた組成物が求められてきた。【解決手段】以下組成からなるシアノアクリレート組成物を用いることにより、上記課題を解決することができる。(A1)または(A2)特定のシアノアクリレート化合物(B)アルキレングリコール骨格の末端にエーテル結合およびエステル結合でそれぞれアルキル基が1ずつ連結した構造の化合物(C)アニオン重合禁止剤を含んでなり、前記(A1)または(A2)に対して前記(B)を特定の質量割合で含むことを特徴とする、シアノアクリレート組成物。【選択図】なし
Description
本発明はプリズム(石英ガラス)等に代表される光学用材料を研磨、研削加工する際に当該材料を基材と一時的に固定するのに好適な組成物に関するものであり、使用の際には速やかに硬化、接着するとともに、加工後には溶剤に浸漬することで直ちに剥離することができる、仮固定用途に適したシアノアクリレート組成物に関する。
従来より、観測、分光、分析、撮像等を目的とした光学機器には、石英ガラス等からなるプリズムが用いられてきた。前記石英ガラスをプリズムへと加工するに際しては、その表面に対し通常、研削、溝切り等の各種機械加工を行うものであり、当該加工の際には石英ガラスを基材に対して一時的に固定(仮固定)する必要が有る。ここで当該仮固定に用いる仮固定材としては、剥離の際の石英ガラスの破損を防ぐことを目的に、適度な温度に加熱することで溶融、融解する材料、例えばワックス、ロジン、熱可塑性エラストマ、ホットメルト接着剤等が使用されてきた。しかしながらこれらの熱溶融、熱融解性の仮固定材は、前述の研削や溝切り等の機械加工時に発生する摩擦熱の影響で部分的に溶融、融解が進んで仮固定部位の接着性が低下することに伴い、加工精度も悪化するという問題を有するものであった。
このような問題を解決するため、より強固に基材と接着するとともに、機械加工材料を用いる必要が有り、そのための技術として、引用文献1及び引用文献2の請求項1に係る発明では、紫外線等の活性エネルギー線を照射することにより硬化する性質の光硬化性組成物を用いた仮固定材に関して開示されている。他方、引用文献2の請求項4に係る発明及び引用文献3では、瞬間接着剤として知られる材料であるシアノアクリレートを用いた仮固定剤に関して開示されている。
しかしながら前者の技術では、仮固定の際に活性エネルギー線を照射する必要があり、さらに仮固定を行った部材と基材間の接着強度が高くなり過ぎる傾向があるため、剥離の際には熱による刺激を加える必要もあって、非常に経済性が悪いものである。他方で後者の技術は、仮固定の際には活性エネルギー線照射等のエネルギーを加える必要が無く、常温で速やかに硬化するものであるが、剥離の際には沸騰水への浸漬やホットプレートでの加熱等の熱による刺激を加える必要が有り、経済性に劣るものである。加えてセットタイムが短すぎるものであり、仮固定の位置決めを行う上での障害となる。斯様に、石英ガラス等の光学用材料を機械加工するに際して用いる仮固定材は、経済性、セットタイム、接着強度、剥離性といった、必要な特性を同時に満たさなければならず、全てを兼ね備えた仮固定材の実現は困難であった。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、シアノアクリレート化合物及び希釈成分として特定の化学構造の有機化合物、アニオン重合禁止剤を混合してなるシアノアクリレート組成物を用いることにより、これを実現できることを見出し、本発明に至った。すなわち本発明の第1の実施態様は、以下の構成である。
(A1)メチル−2−シアノアクリレート、エチル−2−シアノアクリレート、プロピル−2−シアノアクリレート、ブチル−2−シアノアクリレート、t−ブチル−2−シアノアクリレート、シクロヘキシル−2−シアノアクリレートから選ばれる、(シクロ)アルキル−2−シアノアクリレートの1種以上
(B)アルキレングリコール骨格の末端にエーテル結合及びエステル結合でそれぞれアルキル基が1ずつ連結した構造の化合物
(C)アニオン重合禁止剤
を含んでなり、前記(A1)100質量部に対して前記(B)が250〜1500質量部の範囲で含まれることを特徴とする、シアノアクリレート組成物。
(A1)メチル−2−シアノアクリレート、エチル−2−シアノアクリレート、プロピル−2−シアノアクリレート、ブチル−2−シアノアクリレート、t−ブチル−2−シアノアクリレート、シクロヘキシル−2−シアノアクリレートから選ばれる、(シクロ)アルキル−2−シアノアクリレートの1種以上
(B)アルキレングリコール骨格の末端にエーテル結合及びエステル結合でそれぞれアルキル基が1ずつ連結した構造の化合物
(C)アニオン重合禁止剤
を含んでなり、前記(A1)100質量部に対して前記(B)が250〜1500質量部の範囲で含まれることを特徴とする、シアノアクリレート組成物。
さらに本発明は、以下の態様を含むものである。
本発明の第2の実施態様は、前記(A1)(シクロ)アルキル−2−シアノアクリレートが、エチル−2−シアノアクリレートである、前記第1の実施態様に記載のシアノアクリレート組成物である。
本発明の第2の実施態様は、前記(A1)(シクロ)アルキル−2−シアノアクリレートが、エチル−2−シアノアクリレートである、前記第1の実施態様に記載のシアノアクリレート組成物である。
本発明の第3の実施態様は、
(A2)メトキシメチル−2−シアノアクリレート、エトキシメチル−2−シアノアクリレート、プロポキシメチル−2−シアノアクリレート、メトキシエチル−2−シアノアクリレート、エトキシエチル−2−シアノアクリレート、プロポキシエチル−2−シアノアクリレートから選ばれる、アルコキシアルキル−2−シアノアクリレートの1種以上
(B)アルキレングリコール骨格の末端にエーテル結合およびエステル結合でそれぞれアルキル基が1ずつ連結した構造の化合物
(C)アニオン重合禁止剤
を含んでなり、前記(A2)100質量部に対して前記(B)が50〜800質量部の範囲で含まれることを特徴とする、シアノアクリレート組成物である。
(A2)メトキシメチル−2−シアノアクリレート、エトキシメチル−2−シアノアクリレート、プロポキシメチル−2−シアノアクリレート、メトキシエチル−2−シアノアクリレート、エトキシエチル−2−シアノアクリレート、プロポキシエチル−2−シアノアクリレートから選ばれる、アルコキシアルキル−2−シアノアクリレートの1種以上
(B)アルキレングリコール骨格の末端にエーテル結合およびエステル結合でそれぞれアルキル基が1ずつ連結した構造の化合物
(C)アニオン重合禁止剤
を含んでなり、前記(A2)100質量部に対して前記(B)が50〜800質量部の範囲で含まれることを特徴とする、シアノアクリレート組成物である。
本発明の第4の実施態様は、前記(A2)アルコキシアルキル−2−シアノアクリレートが、エトキシエチル−2−シアノアクリレートである、前記第3の実施態様に記載のシアノアクリレート組成物である。
本発明の第5の実施態様は、前記(B)のアルキル基が、それぞれ独立してメチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基から選ばれるものである、前記第1〜第4の実施態様のいずれかに記載のシアノアクリレート組成物である。
本発明の第6の実施態様は、前記(B)のアルキレングリコール骨格が、プロピレングリコール骨格である、前記第1〜第5の実施態様のいずれかに記載のシアノアクリレート組成物である。
本発明の第7の実施態様は、前記(B)がプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである、前記第6の実施態様に記載のシアノアクリレート組成物である。
本発明の第8の実施態様は、前記(C)がフッ化ホウ素化合物である、前記第1〜第7の実施態様のいずれかに記載のシアノアクリレート組成物である。
本発明の第9の実施態様は、前記(C)が前記(A1)または(A2)1モルに対して0.000025〜0.00011モルの範囲で含まれるものである、前記第1〜第8の実施態様のいずれかに記載のシアノアクリレート組成物である。
本発明の第10の実施態様は、前記第1〜第9の実施態様のいずれかに記載のシアノアクリレート組成物が、部材を機械加工する際における当該部材と基材との仮固定に用いるものである、シアノアクリレート組成物である。
本発明の第11の実施態様は、前記部材の材質がガラス、セラミック、金属から選ばれる1以上である、前記第10の実施態様に記載のシアノアクリレート組成物である。
本発明の第12の実施態様は、前記ガラスが石英ガラスである、前記第11の実施態様に記載のシアノアクリレート組成物である。
本発明のシアノアクリレート組成物は、特にガラス等の光学部材の仮固定に用いるに際して、経済性に優れ、位置合わせを行うにあたり適度なセットタイムを有し、基材に対する適度な接着強度であり、また仮固定を終えた後の剥がしやすさ(本発明では剥離性ともいう)をそれぞれ兼ね備えたものである。
以下、本発明の構成について詳細に説明する。本発明で用いる(A1)及び(A2)は、瞬間接着剤の主要な硬化成分として知られているシアノアクリレート化合物であり、従来より公知の物質を使用できる。具体的には、(A1)メチル−2−シアノアクリレート、エチル−2−シアノアクリレート、プロピル−2−シアノアクリレート、ブチル−2−シアノアクリレート、t−ブチル−2−シアノアクリレート、シクロヘキシル−2−シアノアクリレートから選ばれる、アルキル及びシクロアルキル−2−シアノアクリレート(纏めて(シクロ)アルキル−2−シアノアクリレートともいう)群の1種以上、または(A2)メトキシメチル−2−シアノアクリレート、エトキシメチル−2−シアノアクリレート、プロポキシメチル−2−シアノアクリレート、メトキシエチル−2−シアノアクリレート、エトキシエチル−2−シアノアクリレート、プロポキエメチル−2−シアノアクリレートから選ばれる、アルコキシアルキル−2−シアノアクリレート群の1種以上である。これらの中でも本発明においては、硬化物に残存するタック(粘着性)が少ない点、セットタイムが適切な範囲となる点及び経済性の観点等から、(A1)としてはメチル−2−シアノアクリレート、エチル−2−シアノアクリレートが好ましく、(A2)としてはメトキシメチル−2−シアノアクリレート、エトキシメチル−2−シアノアクリレート、メトキシエチル−2−シアノアクリレート、エトキシエチル−2−シアノアクリレートがより好適であり、特には(A1)としてはエチル−2−シアノアクリレート、(A2)としてはエトキシエチル−2−シアノアクリレートが最も好適である。
本発明で用いる(B)アルキレングリコール骨格の末端にエーテル結合及びエステル結合でそれぞれアルキル基が1ずつ連結した構造の化合物は、本発明のシアノアクリレート組成物において、主に硬化物に対する剥離性を付与するための成分である。ここでいうアルキレングリコール骨格とは、CH2を主鎖構造とし、その他アルキル鎖の分岐を有しても良いアルキレン基(−R−)の両末端がOHとなったアルキレングリコールから、両端の水素(H)を除いた仮想的な構造:−O−R−O−を意味する。当該アルキレングリコール骨格としては例えば、メチレングリコール骨格:−O−CH2−O−、エチレングリコール骨格:−O−CH2CH2−O−、プロピレングリコール骨格あるいはメチルエチレングリコール骨格:−O−CH2CH(CH3)−O−等であるが、これら骨格構造は3つまでの繰り返し構造を有することを許容する。具体的には、ジメチレングリコール骨格:−(OCH2)2−O−、ジエチレングリコール骨格:−(OCH2CH2)2−O−、ジプロピレングリコール骨格:ー(OCH2CH(CH3))2−O−、トリメチレングリコール骨格:−(OCH2)3−O−、トリエチレングリコール骨格:−(OCH2CH2)3−O−、トリプロピレングリコール骨格:−(OCH2CH(CH3))3−O−等を包含するものであり、一般式ではー(OR)n−O−、ここでn=1〜3と表すことができる。これにエーテル結合でアルキル基(R1)が連結した構造とは、1つの末端が−(OR)nーOR1という構造となったもので、エステル結合で他のアルキル基(R2)が連結した構造とは、1つの末端が−(RO)n−C(=O)R2となったものを意味する。従ってエーテル結合及びエステル結合でそれぞれアルキル基が1ずつ連結した構造とは、R2C(=O)−(OR)n−OR1という一般式で示される構造を意味する。なお上記のnの値は1または2がより好適であり、特には1が最も好適である。
ここで前記(B)におけるアルキレングリコール骨格として望ましくは、硬化物に残存するタックが少ない点およびシアノアクリレート組成物に適度な引張せん断接着強さを保持できる点からプロピレングリコール骨格が好適である。またアルキル基として望ましくは、R1、R2がそれぞれ独立してメチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基から選ばれるいずれかであることが好適であり、さらにはメチル基、エチル基から選ばれるいずれかであることがより好適であり、特にはメチル基であることが最も好適である。本発明において、アルキレングリコール骨格がプロピレングリコール骨格であり、かつR1、R2がともにメチル基として前記プロピレングリコール骨格の末端にそれぞれエーテル結合、エステル結合で連結した構造の化合物は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(略号はPMA、別名は酢酸−1−メチル−2−メトキシエチルまたは酢酸−2−メトキシ−1−メチルエチル等、CH3C(=O)O−CH(CH3)CH2−OCH3)となる。
本発明における前記(B)の組成量は、前記(A1)100質量部に対しては、250〜1500質量部であり、さらには260〜1200質量部の範囲であることがより好適であり、特には270〜1100質量部の範囲であることが最も好適である。また本発明における前記(B)の組成量は、(A2)100質量部に対しては、50〜800質量部であり、さらには60〜750質量部の範囲であることがより好適であり、特には75〜700質量部の範囲であることが最も好適である。当該範囲にあることにより本発明のシアノアクリレート組成物は、硬化時のセットタイムと硬化物の接着強度、残存タック及び剥離性が適切なバランスでそれぞれの特性を発揮することができるようになる。なおここで、前記(A1)群の化合物に対して前記(A2)群の化合物は引張せん断接着強さが低く、また反応速度が遅いものである。そのため本発明のシアノアクリレート組成物においては、適切な引張せん断接着強さとセットタイムを発現させるため、前記(A1)または(A2)と組み合わせる(B)の組成量範囲が、上記の通りに相違する。
本発明で用いる(C)アニオン重合禁止剤は、本発明のシアノアクリレート組成物において、主に硬化物表面のタックを低減し、硬化時のセットタイムを確保する上で必要な成分である。ここでいうアニオン重合禁止剤とは、シアノアクリレート化合物のアニオン重合反応を抑制する作用のある物質であり、従来公知の物質を用いることができる。従来公知の物質として典型的にはルイス酸化合物であり、当該ルイス酸化合物の例としては二酸化硫黄、三酸化硫黄、メタンスルホン酸、フッ化水素、p−トルエンスルホン酸、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化スズ、トリメトキシボラン、トリフェニルボラン、フッ化ホウ素化合物等が挙げられる。本発明において特に好ましいルイス酸化合物は、フッ化ホウ素化合物であり、具体的にはエーテル錯体を含む三フッ化ホウ素、ホウフッ化亜鉛、ホウフッ化カリウム、ホウフッ化スズ等が挙げられ、これらの中でもエーテル錯体を含む三フッ化ホウ素が特に好適である。これらの物質は本発明の作用を妨げない限り複数種を混合して用いても良い。
本発明における前記(C)の組成量は、前記(A1)または(A2)1モルに対して0.000025〜0.00011モルであり、さらには0.000028〜0.00010モルの範囲であることがより好適であり、特には0.000030〜0.000090モルの範囲であることが最も好適である。当該範囲にあることにより本発明のシアノアクリレート組成物は、硬化時のセットタイムと硬化物の残存タック及び剥離性が適切なバランスでそれぞれの特性を発揮することができるようになる。
本発明の硬化性組成物は必要に応じ、本発明の作用を妨げない範囲においてさらに、粘度調整剤、揺変性付与剤、密着性付与剤、保存性向上剤、重合促進剤、強靱化剤、メタロセン化合物等の光活性化剤、充填剤、可塑剤、熱安定剤、香料、染料、顔料等の各種添加剤を適宜添加することができる。但し本発明の目的である剥離性を発現させるためには、組成物全体に占める(A1)または(A2)の組成割合を低くしすぎることは好ましくないため、可塑剤や充填剤類の添加量は過大としないことが肝要である。
また本発明のシアノアクリレート組成物は、各種の部材を機械加工する際において、当該部材と定盤や旋盤、その他治具等の基材とを接着することにより、仮固定として用いる使途に好適なものである。ここで前記部材として望ましい材質は、ガラス、金属、セラミック、石、プラスチック、ゴム、熱可塑性樹脂等からなる、表面が平滑な素材が好適であり、紙、木材、繊維、皮革、石膏等の、表面が多孔質であったり、凹凸の多い材質の素材には適さない。さらに望ましい材質は、ガラス、金属、セラミックから選ばれる1以上がより好適であり、特にはガラスが最も好適である。当該ガラスとしては、石英ガラスであることが望ましく、当該石英ガラスはプリズムなどの用途の光学用材料として用いられる。
前記仮固定とは、必要なときに部材と基材を接着するが、必要がなくなると接着を解除(剥離)でき、前記部材や基材(併せて被着体ともいう)に痕跡を残さず剥離できるような利用方法である。そのため当該用途に求められる特性としては、ガラス等の被着体に対する適度な接着強度があること、接着時の位置合わせにある程度余裕を持てる一方で、接着強度が出るまでの時間が掛かりすぎないという、適度なセットタイムを有すること、経済上効率の良い外部刺激、具体的にはアセトンのような安価な有機溶剤への浸漬により比較的簡単に剥離できること、剥離後の被着体表面に硬化物の残渣を残さないこと、仮固定時における機械加工の際の周辺への汚染を防ぐため低タック性であること、等である。本発明のシアノアクリレート組成物は上記の各特性を好適なバランスで兼ね備えた、仮固定に用いる上で非常に優れたものである。
以下、実施例において本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
実施例及び比較例において使用した各シアノアクリレート組成物(以下、単に組成物ともいう)の原料は以下材料を用い、表1及び2に示した組成量に基づき常温、窒素置換環境下にて混合攪拌を行うことで調製を行った。ここで、表1及び2に示した各組成物の組成量は、特記が無いものは質量部で記載している。
(A1)特定の(シクロ)アルキル−2−シアノアクリレートまたは(A2)特定のアルコキシアルキル−2−シアノアクリレート
(A1)ECA;エチル−2−シアノアクリレート、分子量125.13、和光純薬工業株式会社製品
(A2)EECA;エトキシエチル−2−シアノアクリレート、分子量169.18、株式会社アルテコ製品
(B)アルキレングリコール骨格の末端にエーテル結合及びエステル結合でそれぞれアルキル基が1ずつ連結した構造の化合物及びその比較
(B1)PMA;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、三協化学株式会社製品、化学式 CH3C(=O)O−CH(CH3)CH2−OCH3
(B2)DMA;ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、米山薬品工業株式会社製品、化学式 CH3C(=O)(O−CH2CH2)2−OCH3
(B3)EMA;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、米山薬品工業株式会社製品、化学式 CH3C(=O)O−CH2CH2−OCH3
(B’1)IPA;イソプロピルアルコール、三協化学株式会社製品
(B’2)UP−1000;官能基を有さない液状鎖式アクリル系重合体、東亜合成株式会社製品、商品名ARUFON UP−1000
(B’3)TOP;リン酸トリオクチル、東京化成工業株式会社製品
(B’4)ATBC;アセチルクエン酸トリブチル、三菱ケミカル株式会社製品
(B’5)DINCH;ジイソノニルシクロヘキサンジカルボキシレート、BASF社製品、商品名Hexamoll DINCH
(B’6)DME;ジエチレングリコールモノブチルエーテル、東京化成工業株式会社製品、化学式 H(O−CH2CH2)2−OCH2CH2CH2CH3
(C)アニオン重合禁止剤
(C1)BF3EEC;BF3エチルエーテル錯体(BF3・(C2H5)2O);東京化成工業株式会社製品、分子量141.93
なお表2中では、(C1)は質量組成と併せ、(A1)または(A2)1モルに対するモル数×10−5の数値も記載した。
(A1)ECA;エチル−2−シアノアクリレート、分子量125.13、和光純薬工業株式会社製品
(A2)EECA;エトキシエチル−2−シアノアクリレート、分子量169.18、株式会社アルテコ製品
(B)アルキレングリコール骨格の末端にエーテル結合及びエステル結合でそれぞれアルキル基が1ずつ連結した構造の化合物及びその比較
(B1)PMA;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、三協化学株式会社製品、化学式 CH3C(=O)O−CH(CH3)CH2−OCH3
(B2)DMA;ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、米山薬品工業株式会社製品、化学式 CH3C(=O)(O−CH2CH2)2−OCH3
(B3)EMA;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、米山薬品工業株式会社製品、化学式 CH3C(=O)O−CH2CH2−OCH3
(B’1)IPA;イソプロピルアルコール、三協化学株式会社製品
(B’2)UP−1000;官能基を有さない液状鎖式アクリル系重合体、東亜合成株式会社製品、商品名ARUFON UP−1000
(B’3)TOP;リン酸トリオクチル、東京化成工業株式会社製品
(B’4)ATBC;アセチルクエン酸トリブチル、三菱ケミカル株式会社製品
(B’5)DINCH;ジイソノニルシクロヘキサンジカルボキシレート、BASF社製品、商品名Hexamoll DINCH
(B’6)DME;ジエチレングリコールモノブチルエーテル、東京化成工業株式会社製品、化学式 H(O−CH2CH2)2−OCH2CH2CH2CH3
(C)アニオン重合禁止剤
(C1)BF3EEC;BF3エチルエーテル錯体(BF3・(C2H5)2O);東京化成工業株式会社製品、分子量141.93
なお表2中では、(C1)は質量組成と併せ、(A1)または(A2)1モルに対するモル数×10−5の数値も記載した。
各組成物は以下試験方法により、その特性を評価した。なお評価結果はそれぞれ各表中に記載した。
[外観]
混合攪拌により製造した各組成物は無色透明なガラス瓶に充填し、24時間静置後にその外観、具体的には色相と透明度の二点を確認した。色相の確認方法としては、各ガラス瓶を白い板の上に置き、目視により有色であるか無色であるかを観察し、有色の場合は色見本と対比して最も近いと思われるものを選んだ。透明度の確認方法としては、各ガラス瓶を黒い板の上に置き、目視により液の濁り具合、沈殿物の有無を確認して、いずれも無ければ「透明」と判断し、濁りや沈殿物が認められるものは「不透明」と判断し、不透明のもののみ表中に「不透明」と記載した。なお不透明であるものは、色相の確認を行っていない。その他の状態となっているものは別記している。貯蔵時の安定性の観点から、本発明においては透明であることが好適であり、特に好ましくは無色透明であることである。
[外観]
混合攪拌により製造した各組成物は無色透明なガラス瓶に充填し、24時間静置後にその外観、具体的には色相と透明度の二点を確認した。色相の確認方法としては、各ガラス瓶を白い板の上に置き、目視により有色であるか無色であるかを観察し、有色の場合は色見本と対比して最も近いと思われるものを選んだ。透明度の確認方法としては、各ガラス瓶を黒い板の上に置き、目視により液の濁り具合、沈殿物の有無を確認して、いずれも無ければ「透明」と判断し、濁りや沈殿物が認められるものは「不透明」と判断し、不透明のもののみ表中に「不透明」と記載した。なお不透明であるものは、色相の確認を行っていない。その他の状態となっているものは別記している。貯蔵時の安定性の観点から、本発明においては透明であることが好適であり、特に好ましくは無色透明であることである。
[粘度]
25℃環境下で各組成物をプラスチック製のカップに入れ、BL型粘度計(東機産業株式会社製品)を用い、60回転/分の回転速度にてローターを回し、30秒後に示された数値(mPa・s)を読むことで測定値とした。塗布時の作業性の観点から、本発明においては5.0mPa・s以下であることが好適であり、より好ましくは2.5mPa・s以下である。
25℃環境下で各組成物をプラスチック製のカップに入れ、BL型粘度計(東機産業株式会社製品)を用い、60回転/分の回転速度にてローターを回し、30秒後に示された数値(mPa・s)を読むことで測定値とした。塗布時の作業性の観点から、本発明においては5.0mPa・s以下であることが好適であり、より好ましくは2.5mPa・s以下である。
[セットタイム]
JIS−R−3202に準拠したガラス製試験片、寸法2.0mm×25mm×100mm(株式会社テストピース製品)をトルエン浴中で超音波洗浄にかけたもの2個を1セットとして準備し、これを被着体とする。25±2℃、50±10%RH環境下で前記被着体セットのうち1個の長辺端部から25mmの範囲に各組成物を1滴スポイトで滴下し、当該被着体の組成物滴下箇所に対し、被着体セットの他方の1個をL字となる向きに重ね合わせてから軽くならし、重ね合わせた箇所全体に組成物を行き渡らせてから5秒間指で押さえて固定して貼り合わせを行い、被検体を作製する。貼り合わせ後直ちに、該被検体のL字が広がる方向に力を加え、これを10s間隔で繰り返す。L字を広げるための力が49N(5kgf)以上必要となった時点を以てセットタイム(s)として、その時間を記録した。仮固定時の位置決めを行う上では、ある程度のセットタイムを有することが好ましく、本発明においては90〜480sの範囲にあることが好適であり、更には110〜450sの範囲にあることがより好適であり、特には130〜420sの範囲にあることが最も好適である。
JIS−R−3202に準拠したガラス製試験片、寸法2.0mm×25mm×100mm(株式会社テストピース製品)をトルエン浴中で超音波洗浄にかけたもの2個を1セットとして準備し、これを被着体とする。25±2℃、50±10%RH環境下で前記被着体セットのうち1個の長辺端部から25mmの範囲に各組成物を1滴スポイトで滴下し、当該被着体の組成物滴下箇所に対し、被着体セットの他方の1個をL字となる向きに重ね合わせてから軽くならし、重ね合わせた箇所全体に組成物を行き渡らせてから5秒間指で押さえて固定して貼り合わせを行い、被検体を作製する。貼り合わせ後直ちに、該被検体のL字が広がる方向に力を加え、これを10s間隔で繰り返す。L字を広げるための力が49N(5kgf)以上必要となった時点を以てセットタイム(s)として、その時間を記録した。仮固定時の位置決めを行う上では、ある程度のセットタイムを有することが好ましく、本発明においては90〜480sの範囲にあることが好適であり、更には110〜450sの範囲にあることがより好適であり、特には130〜420sの範囲にあることが最も好適である。
[引張りせん断接着強さ]
JIS−R−3202に準拠したガラス製試験片、寸法2.0mm×25mm×100mm(株式会社テストピース製品)をトルエン浴中で超音波洗浄にかけたもの2個を1セットとして準備し、これを被着体とする。25±2℃、50±10%RH環境下で前記被着体セットのうち1個の長辺端部から10mmの範囲に各組成物を1滴スポイトで滴下し、被着体セットの他方の1個の長辺端部から10mmの範囲を前記の滴下箇所に対し、接着箇所のみが重畳される向きで重ね合わせ(被検体間の接着箇所の面積は25mm×10mmの範囲となる)、軽くならして重ね合わせた箇所全体に組成物を行き渡らせてから5秒間指で押さえて固定して貼り合わせを行い、被検体を作製する。然る後、同環境下で24時間静置養生し、万能引張り試験機(テンシロンRTF、オリエンテック製品)にて10mm/minの引張り速度で引張りせん断接着強さ(MPa)を測定する。測定条件はJIS−K−6861(シアノアクリレート系接着剤の試験方法)に準拠する。接着強さは基材への密着性の指標であるが、剥離工程での剥離しやすさを考慮すると高過ぎない方が好ましく、本発明においては0.1〜2.0MPaの範囲であることが好適であり、更には0.2〜1.8MPaの範囲であることがより好適であり、特には0.3〜1.5MPaの範囲であることが最も好適である。
JIS−R−3202に準拠したガラス製試験片、寸法2.0mm×25mm×100mm(株式会社テストピース製品)をトルエン浴中で超音波洗浄にかけたもの2個を1セットとして準備し、これを被着体とする。25±2℃、50±10%RH環境下で前記被着体セットのうち1個の長辺端部から10mmの範囲に各組成物を1滴スポイトで滴下し、被着体セットの他方の1個の長辺端部から10mmの範囲を前記の滴下箇所に対し、接着箇所のみが重畳される向きで重ね合わせ(被検体間の接着箇所の面積は25mm×10mmの範囲となる)、軽くならして重ね合わせた箇所全体に組成物を行き渡らせてから5秒間指で押さえて固定して貼り合わせを行い、被検体を作製する。然る後、同環境下で24時間静置養生し、万能引張り試験機(テンシロンRTF、オリエンテック製品)にて10mm/minの引張り速度で引張りせん断接着強さ(MPa)を測定する。測定条件はJIS−K−6861(シアノアクリレート系接着剤の試験方法)に準拠する。接着強さは基材への密着性の指標であるが、剥離工程での剥離しやすさを考慮すると高過ぎない方が好ましく、本発明においては0.1〜2.0MPaの範囲であることが好適であり、更には0.2〜1.8MPaの範囲であることがより好適であり、特には0.3〜1.5MPaの範囲であることが最も好適である。
[タック性]
ガラス製試験片(JIS−R−3202に準拠)上に各組成物を2滴スポイトで滴下し、25℃環境下で10分間静置した後、アルコール洗浄した指先での指触によりタックの有無(タック性)を確認した。指先に全く粘着感を感じなかったものは、タック無しと判断して○と記載し、ごく僅かに粘着感を感じたものは僅かにタック有りと判断して△と記載、明らかな粘着感を感じたものは、タック有りと判断して×と記載した。仮固定時における機械加工の際の周辺への汚染性を考慮すると、本発明においてはできる限りタックが無いことが好ましいため、△または○であることがで好適で、特には○であることが最も好適である。
ガラス製試験片(JIS−R−3202に準拠)上に各組成物を2滴スポイトで滴下し、25℃環境下で10分間静置した後、アルコール洗浄した指先での指触によりタックの有無(タック性)を確認した。指先に全く粘着感を感じなかったものは、タック無しと判断して○と記載し、ごく僅かに粘着感を感じたものは僅かにタック有りと判断して△と記載、明らかな粘着感を感じたものは、タック有りと判断して×と記載した。仮固定時における機械加工の際の周辺への汚染性を考慮すると、本発明においてはできる限りタックが無いことが好ましいため、△または○であることがで好適で、特には○であることが最も好適である。
[剥離性]
前記引張りせん断接着接着強さの試験と同じ条件で作製した被検体を、アセトンで満たした容器中に接着箇所が完全に浸漬される状態で沈め、25±2℃、50±10%RH環境下で4時間静置した。然る後各被検体をアセトン中で軽く揺すったところ、いずれも接着が解除されており、当該被検体の接着箇所の状態を目視により観察することで剥離性を評価した。被検体の接着部から組成物の硬化物が完全に消失しており、被着体上にも残渣が全く残っていない状態のものが剥離性良好と判断して○と記載し、被検体上に硬化物の残渣が残った状態のものが剥離性不良と判断して×と記載した。
前記引張りせん断接着接着強さの試験と同じ条件で作製した被検体を、アセトンで満たした容器中に接着箇所が完全に浸漬される状態で沈め、25±2℃、50±10%RH環境下で4時間静置した。然る後各被検体をアセトン中で軽く揺すったところ、いずれも接着が解除されており、当該被検体の接着箇所の状態を目視により観察することで剥離性を評価した。被検体の接着部から組成物の硬化物が完全に消失しており、被着体上にも残渣が全く残っていない状態のものが剥離性良好と判断して○と記載し、被検体上に硬化物の残渣が残った状態のものが剥離性不良と判断して×と記載した。
表1では、(A1)または(A2)と組み合わせて適切な外観、適度な粘度、引張せん断接着強さとなる(B)の化合物についてスクリーニングを行った結果である。通常、シアノアクリレート組成物にアニオン重合禁止剤を加えると、引張せん断接着強さが大きく低下し、またセットタイムも遅延することが知られている。そのため本発明では、アニオン重合禁止剤を加える前の初期状態において、引張せん断接着強さが最も大きくなり、セットタイムの短い参考例1の組成で用いたPMAを(B)として選定することとした。また参考例1では、外観、粘度、タック性についても他の原料と較べ適切な範囲にあることが認められた。なお参考例7では、もともと引張せん断接着強さがECAより小さいEECAとPMAを組み合わせた場合において、特異的に特性の変化が生じないことを確認したものである。
表2では、(A1)ECA100質量部に対する(B)PMAの組成量、(C)BF3EECの組成量を振った評価(比較例1〜4、実施例1〜5)、(A2)EECA100質量部に対する(B)PMAの組成量、(C)BF3EECの組成量を振った評価(実施例6,7、比較例5)、及び(A1)ECA100質量部に対し(B)をPMA以外の物質へと変更した評価(実施例8,9,比較例6)の結果である。比較例1〜4では、(A1)に対する(B)の組成量が本発明で特定した範囲未満であり、いずれも剥離性に問題を有することが認められた。実施例1〜9の、(A1)及び(A2)に対する(B)の組成量比が適切な範囲にあるものは、いずれも各特性が適切な範囲にあることが認められた。但し、実施例5、7が示す通り、(B)の組成量が(A1)または(A2)1モルに対して0.00011モル(11×10−5モル)を超えると、タック性がやや悪化しており、特に実施例5においては引張りせん断接着強さについても大きく低減していることが認められた。また実施例6、7、比較例5が示す通り、(A1)に替え(A2)を用いた評価では、組み合わせる(B)の組成量は(A1)の場合よりも少ない範囲であることが各特性が好適であることが認められ、特に(A1)の場合と比較すると、(B)の増量に伴うセットタイムの遅延とタック性の悪化が顕著なものとなっていることが確認された。実施例8,9が示す通り、(B)としてPMA以外のアルキレングリコール骨格の末端にエーテル結合およびエステル結合でそれぞれアルキル基が1ずつ連結した構造の化合物であるDMA,EMAを用いたときにもタック性が僅かに低化していることが確認され、他方エーテル骨格のみを有しエステル骨格を有さないDMEを用いた比較例6では、貯蔵時にゲルが生じ貯蔵安定性に問題を有するものであるため、実用的なものでは無いことが確認された。
以上の結果より、本発明のシアノアクリレート組成物は、部材等の仮固定に用いるに際して求められる、適切な基本特性を備えており、ガラスに対しても適切な接着強さを有するため、プリズム等の光学部材の加工における仮固定用途において特に有用なものである。
Claims (12)
- (A1)メチル−2−シアノアクリレート、エチル−2−シアノアクリレート、プロピル−2−シアノアクリレート、ブチル−2−シアノアクリレート、t−ブチル−2−シアノアクリレート、シクロヘキシル−2−シアノアクリレートから選ばれる、(シクロ)アルキル−2−シアノアクリレートの1種以上
(B)アルキレングリコール骨格の末端にエーテル結合およびエステル結合でそれぞれアルキル基が1ずつ連結した構造の化合物
(C)アニオン重合禁止剤
を含んでなり、前記(A1)100質量部に対して前記(B)が250〜1500質量部の範囲で含まれることを特徴とする、シアノアクリレート組成物。 - 前記(A1)(シクロ)アルキル−2−シアノアクリレートが、エチル−2−シアノアクリレートである、前記請求項1に記載のシアノアクリレート組成物。
- (A2)メトキシメチル−2−シアノアクリレート、エトキシメチル−2−シアノアクリレート、プロポキシメチル−2−シアノアクリレート、メトキシエチル−2−シアノアクリレート、エトキシエチル−2−シアノアクリレート、プロポキシエチル−2−シアノアクリレートから選ばれる、アルコキシアルキル−2−シアノアクリレートの1種以上
(B)アルキレングリコール骨格の末端にエーテル結合およびエステル結合でそれぞれアルキル基が1ずつ連結した構造の化合物
(C)アニオン重合禁止剤
を含んでなり、前記(A2)100質量部に対して前記(B)が50〜800質量部の範囲で含まれることを特徴とする、シアノアクリレート組成物。 - 前記(A2)アルコキシアルキル−2−シアノアクリレートが、エトキシエチル−2−シアノアクリレートである、前記請求項3に記載のシアノアクリレート組成物。
- 前記(B)のアルキル基が、それぞれ独立してメチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基から選ばれるものである、前記請求項1〜4のいずれか1項に記載のシアノアクリレート組成物。
- 前記(B)のアルキレングリコール骨格が、プロピレングリコール骨格である、前記請求項1〜5のいずれか1項に記載のシアノアクリレート組成物。
- 前記(B)がプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである、前記請求項6に記載のシアノアクリレート組成物。
- 前記(C)がフッ化ホウ素化合物である、前記請求項1〜7のいずれか1項に記載のシアノアクリレート組成物。
- 前記(C)が前記(A1)または(A2)1モルに対して0.000025〜0.00011モルの範囲で含まれるものである、前記請求項1〜8のいずれか1項に記載のシアノアクリレート組成物。
- 前記請求項1〜9のいずれかに記載のシアノアクリレート組成物が、部材を機械加工する際における当該部材と基材との仮固定に用いるものである、シアノアクリレート組成物。
- 前記部材の材質がガラス、セラミック、金属から選ばれる1以上である、前記請求項10に記載のシアノアクリレート組成物。
- 前記ガラスが石英ガラスである、前記請求項11に記載のシアノアクリレート組成物。
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JP2021025014A (ja) * | 2019-08-08 | 2021-02-22 | 東亞合成株式会社 | 仮固定用接着剤組成物 |
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