JP7025953B2 - 組成物 - Google Patents

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本発明は、組成物に関する。
ポリエチレンやポリプロピレンに代表されるポリオレフィンは、自動車部品や電機部品、建築用資材、食品包装用フィルム等の材料として幅広い分野で使用されている。ポリオレフィンは非極性材料であるため、接着が困難な難接着体である。
一方、二液主剤型のアクリル系接着剤は、室温において短時間で硬化する、接着と剥離のバランスに優れる、という特徴を有しており、構造用接着剤として幅広い分野で使用されている。
しかし、上記の二液主剤型のアクリル系接着剤は、他の接着剤と同様に、ポリオレフィンに対する接着性が低いため、ポリオレフィンの接着に適用することは困難であった。
これらの難接着体に接着する場合、火炎処理、イトロ処理、コロナ放電、プラズマ処理、オゾン又は酸化性の酸による酸化、スパッタエッチング等の表面処理を必要とすることが多かった。プライマーを用いて難被着性基材の表面を被覆させてもよいが、プライマーの付着のために上記の表面処理が必要とすることが多く、その処理を施しても十分な接着性が得られない場合がある。
特許文献1には、有機ホウ素化合物と、エチレン結合を含む化合物と、アニオン重合に対する禁止剤又は安定化剤とを含む合成物質が提案されている。しかし、特許文献1に記載の組成物は、空気に触れるとすぐに硬化反応が始まるため、酸素不存在下で合成及び貯蔵する必要があった。又、接着対象として、金属、木材、ガラス、セラミックス及び合成樹脂が挙げられているが、実施例に記載されているのは金属のみであり、ポリオレフィンに接着できることは示されていない。
特許文献2では有機ホウ素化合物からなる接着剤が示されている。特許文献3、特許文献4には歯科用接着剤として、トリアルキルホウ素又はその酸化物を含有する組成物が示されている。しかし、十分な貯蔵安定性は確保されていない。
特許文献5には、窒化ホウ素と酸化鉄を含有する樹脂組成物が示されている。しかし、窒化ホウ素は充填剤として用いられている無機化合物であり、ボラン錯体と異なる。
特開昭57-108102号公報 特開昭58-84802号公報 特開昭63-221181号公報 特開平8-119822号公報 特開2009-275116号公報
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、優れた貯蔵安定性を示す組成物を提供する。
即ち、本発明は、以下の通りである。
<1>(1)ラジカル重合性成分、(2)ボラン錯体、(3)金属酸化物を含有する組成物。
<2>(3)金属酸化物の金属元素が、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、バナジウム、鉄からなる群のうちの1種以上である<1>記載の組成物。
<3>(3)金属酸化物の金属元素が鉄である<1>又は<2>記載の組成物。
<4>(2)ボラン錯体がオルガノボランアミン錯体である<1>~<3>の何れか1項記載の組成物。
<5>更に、(4)アミン反応性化合物を含有する<1>~<4>の何れか1項記載の組成物。
<6>(4)アミン反応性化合物は、リン酸エステル、酸無水物からなる群のうちの1種以上である<5>に記載の組成物。
<7>(4)アミン反応性化合物がリン酸エステルである<5>又は<6>に記載の組成物。
<8>更に、(5)エラストマーを含有する<1>~<7>の何れか1項に記載の組成物。
<9><5>~<7>の何れか1項に記載の組成物を第一剤と第二剤に分け、第一剤が少なくとも(2)ボラン錯体、(3)金属酸化物を含有し、第二剤が少なくとも(4)アミン反応性化合物を含有する二剤型の組成物。
<10>(1)ラジカル重合性成分が(メタ)アクリロイル基を有する化合物である<1>~<9>の何れか1項に記載の組成物。
<11>(1)ラジカル重合性成分が、アルキル(メタ)アクリレート、環状エーテル骨格を有する(メタ)アクリレート、脂環式(メタ)アクリレートからなる群のうちの1種以上を含有する<1>~<10>の何れか1項に記載の組成物。
<12>(1)ラジカル重合性成分が環状エーテル骨格を有する(メタ)アクリレートを含有する<1>~<10>の何れか1項に記載の組成物。
<13><1>~<12>の何れか1項記載の組成物からなる硬化性樹脂組成物。
<14><1>~<12>の何れか1項記載の組成物からなる接着剤組成物。
<15>ポリオレフィン、シクロオレフィン、ポリスチレン、繊維強化プラスチックからなる群のうちの1種からなる被着体の接着に使用する<14>記載の接着剤組成物。
<16><14>又は<15>記載の接着剤組成物を用いて接合された接合体。
本発明は、貯蔵安定性に優れる。
以下、本実施形態を説明する。本実施形態の組成物を第一剤と第二剤とに分けて使用する場合、各成分の「使用量」とは、第一剤と第二剤における当該成分の量の合計をいうことが好ましい。
本実施形態で使用する(1)ラジカル重合性成分とは、例えば、分子中にラジカル重合可能な骨格を少なくとも1個以上有する化合物をいう。ラジカル重合性成分は、例えば、何れも常温、常圧で液体乃至固体のモノマー、オリゴマー乃至ポリマーの化学形態を有する。ラジカル重合性成分の中では、(メタ)アクリレートが好ましい。
(メタ)アクリレートとは、(メタ)アクリロイル基を有する化合物をいう。(メタ)アクリロイル基とは、「アクリロイル基」又は「メタアクリロイル基」を意味する。(メタ)アクリレートとは、「アクリレート」又は「メタアクリレート」を意味する。ここで、(メタ)アクリレートとは、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリルアミドを含む。
(メタ)アクリレートの中では、(メタ)アクリロイル基を1個有する単官能(メタ)アクリレートが好ましい。
(メタ)アクリレートの中では、環状エーテル骨格を有する(メタ)アクリレートが好ましい。(メタ)アクリレートの中では、アルキル(メタ)アクリレート、環状エーテル骨格を有する(メタ)アクリレート、脂環式(メタ)アクリレートからなる群のうちの1種以上が好ましく、環状エーテル骨格を有する(メタ)アクリレートと脂環式(メタ)アクリレートからなる群のうちの1種以上がより好ましく、環状エーテル骨格を有する(メタ)アクリレートと脂環式(メタ)アクリレートを含有することが最も好ましい。環状エーテル骨格を有する(メタ)アクリレートと脂環式(メタ)アクリレートを含有する場合、含有比(質量比)は、環状エーテル骨格を有する(メタ)アクリレート:脂環式(メタ)アクリレート=10~90:90~10が好ましく、25~75:75~25がより好ましく、40~60:60~40が最も好ましい。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、一般式(A)で示される(メタ)アクリレートが好ましい。
一般式(A) Z-O-R
(式中、Zは(メタ)アクリロイル基を示し、Rは炭素数1~20のアルキル基を示す。)
アルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、2-エチルへキシル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの1種以上が使用できる。これらの中では、炭素数4以上のアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。炭素数4以上のアルキル(メタ)アクリレートの中では、イソオクチル(メタ)アクリレート、分岐型ノニル(メタ)アクリレート、2-エチルへキシル(メタ)アクリレートからなる群のうちの1種以上が好ましく、イソオクチル(メタ)アクリレートがより好ましい。アルキル(メタ)アクリレートの中では、長鎖アルキル(メタ)アクリレート又は分岐アルキル(メタ)アクリレートが好ましい。
環状エーテル骨格を有する(メタ)アクリレートとしては、グリシジル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、3-エチル-3-オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、(2-メチル-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート、γ-ブチロラクトン(メタ)アクリレート、ジオキソラン(メタ)アクリレート、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート、オキセタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの1種以上が使用できる。環状エーテル骨格の中では、5~6員環が好ましい。環状エーテル骨格は、酸素数1を有することが好ましい。環状エーテル骨格は、炭素数2~5を有することが好ましい。環状エーテル骨格を有する(メタ)アクリレートの中では、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートが好ましい。
脂環式(メタ)アクリレートとしては、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートとしては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロデカトリエン(メタ)アクリレートが挙げられる。脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートの中では、炭素数9~12の飽和脂環式炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレートが好ましい。炭素数9~12の飽和脂環式炭化水素基としては、ジシクロペンタニル基、イソボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。これらの中では、ジシクロペンタニル基、イソボルニル基からなる群のうちの1種以上が好ましく、イソボルニル基がより好ましい。
本実施形態で使用する(2)ボラン錯体は、ホウ素原子を有する錯体である。ボラン錯体の中では、有機ホウ素化合物が好ましい。有機ホウ素化合物は、例えば、(メタ)アクリレートの重合開始剤として作用する。有機ホウ素化合物の中では、オルガノボラン錯体が好ましい。オルガノボラン錯体の中では、アルキルボラン錯体が好ましい。オルガノボラン錯体の中では、オルガノボランアミン錯体が好ましい。アルキルボラン錯体やオルガノボランアミン錯体の中では、アルキルボラン-アミン錯体が好ましい。アルキルボラン-アミン錯体は、アルキルボランにアミンを配位させて錯体化したものである。アルキルボラン-アミン錯体としては、トリエチルボラン-1,3-ジアミノプロパン錯体等のトリエチルボラン-ジアミノプロパン錯体、トリエチルボラン-ジエチレントリアミン錯体、トリブチルボラン-3-メトキシ-1-プロピルアミン錯体、トリブチルボラン-1,3-ジアミノプロパン錯体、トリイソブチルボラン-1,3-ジアミノプロパン錯体等が挙げられる。これらの1種以上が使用できる。これらの中では、トリエチルボラン-ジアミノプロパン錯体、トリエチルボラン-ジエチレントリアミン錯体からなる群のうちの1種以上が好ましく、トリエチルボラン-ジエチレントリアミン錯体がより好ましい。
ボラン錯体は、例えば、後述のアミン反応性化合物又熱により脱錯化し、ラジカル重合性成分の重合を開始する。オルガノボランアミン錯体を使用した場合、アミン反応性化合物により、効果が大きくなる。重合の開始のために組成物を加熱する温度は、錯体の結合エネルギーにより決定される。熱ラジカル重合を開始する温度は、120℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましい。熱ラジカル重合を開始する温度は、0℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましい。組成物を所望の温度まで加熱する任意の熱源を使用できる。但し、熱源は組成物の成分又はその機能に悪影響を与えないことが好ましい。
本実施形態で使用するボラン錯体の使用量は、(1)ラジカル重合性成分100質量部に対して、0.01~10質量部が好ましく、0.1~5質量部がより好ましく、0.2~4質量部が最も好ましい。0.1質量部以上だと接着性が向上し、5質量部以下であれば硬化反応が早くなりすぎず、作業性が低下しない。
(3)金属酸化物とは、例えば、金属元素が酸素と結合している化合物をいう。金属酸化物の金属元素としては、カリウム、セシウム等のアルカリ金属を除く周期表第四周期以降の金属元素が好ましい。カリウム、セシウム等のアルカリ金属を除く周期表第四周期以降の金属元素としては、クロム、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、アンチモン、白金、セリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、錫、ゲルマニウム、チタン、鉄、ジルコニウム、亜鉛、ビスマス、ストロンチウム、バナジウム、銅、ニッケル、コバルト、ニッケル、マンガン等が挙げられる。これらの中では、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、バナジウム、鉄からなる群のうちの1種以上が好ましく、鉄がより好ましい.
金属酸化物としては、酸化銅、酸化バナジウム、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化スズ、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化チタン等が挙げられる。これらの中では、貯蔵安定性の点で、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅、酸化バナジウム、酸化鉄からなる群のうちの1種以上が好ましく、酸化鉄がより好ましい。酸化鉄の中では、Feが好ましい。これらの1種以上が使用できる。
本実施形態で使用する金属酸化物の使用量は、(1)ラジカル重合性成分100質量部に対して、0.00001~5質量部が好ましく、0.001~1質量部がより好ましく、0.01~0.1質量部が最も好ましい。0.01質量部以上だと安定性が向上し、5質量部以下であれば接着性が低下しない。
本実施形態の組成物は、(4)アミン反応性化合物を含有できる。
本実施形態で使用するアミン反応性化合物とは、例えば、アミン系化合物に対して反応性を有する官能基(アミン反応性基)を有する化合物をいう。アミン系化合物とは、例えば、アンモニアの水素元素が炭化水素により置換された化合物をいう。アミン反応性化合物の中では、リン酸エステル、酸無水物からなる群のうちの1種以上が好ましく、リン酸エステルがより好ましい。酸無水物の中では、無水コハク酸が好ましい。
リン酸エステルとしては、一般式(B)で示される化合物が好ましい。
Figure 0007025953000001
は、成分(2)との反応性が高い点で、炭素数が1~20の飽和若しくは不飽和炭化水素からなる基、CH=CRC(O)O-(R-基からなる群のうちの1種以上が好ましく、CH=CRC(O)O-(R-基がより好ましい。
が、炭素数が1~20の飽和若しくは不飽和炭化水素からなる基である場合、リン酸エステルとしては、2-エチルヘキシルアシッドホスフェートが好ましい。Rが、CH=CRC(O)O-(R-基である場合、リン酸エステルとしては、アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
リン酸エステルとしては、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ジブチルピロホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、2-エチルヘキシルアシッドホスフェート、アルキル(C12,C14,C16,C18)アシッドホスフェート、イソトリデシルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、テトラコシルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、ビス(2-エチルヘキシル)ホスフェート、アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート及びビス(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)ホスフェート、ブチルグリコールエーテルアシッドフォスフェート等が挙げられる。これらの1種以上が使用できる。これらの中では、成分(2)との反応性が高い点で、2-エチルヘキシルアシッドホスフェート、アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレートからなる群のうちの1種以上が好ましく、アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレートがより好ましい。
本実施形態で使用するアミン反応性化合物の使用量は、(1)ラジカル重合性成分100質量部に対して、0.01~20質量部が好ましく、0.5~10質量部がより好ましく、1~8質量部が最も好ましい。1.0質量部以上だと接着性が向上し、10質量部以下だと硬化反応が早くなりすぎず、作業性が低下しない。
本実施形態の組成物は、(5)エラストマー成分を含有できる。
本実施形態で使用するエラストマーとしては、常温でゴム状弾性を有する高分子物質が好ましく、ラジカル重合性成分に溶解又は分散できるものが好ましい。
このようなエラストマーとしては、ポリブタジエン等のブタジエンゴム、(メタ)アクリロニトリル-ブタジエン-(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリロニトリル-ブタジエン-メチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート-ブタジエン-スチレン共重合体(MBS)、並びに、(メタ)アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、線状ポリウレタン、スチレン-ブタジエン等の各種合成ゴム、天然ゴム、各種熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらのエラストマーは相溶性に問題がなければ、1種以上を使用してもよい。
これらの中では、ラジカル重合性成分に対する溶解性や接着性が良好な点で、ブタジエンゴムと(メタ)アクリロニトリル-ブタジエンゴムからなる群の1種以上が好ましく、(メタ)アクリロニトリル-ブタジエンゴムがより好ましい。
本実施形態で使用するエラストマーの使用量は、(1)ラジカル重合性成分100質量部に対して、0.01~40質量部が好ましく、1~10質量部がより好ましい。
本実施形態としては、二剤型の組成物として使用することが好ましい。二剤型については、本実施形態の組成物の必須成分全てを貯蔵中は混合せず、組成物を第一剤及び第二剤に分け、第一剤に少なくとも成分(2)を貯蔵することが好ましい。成分(2)と成分(4)を使用する場合、第一剤に少なくとも成分(2)を、第二剤に少なくとも成分(4)を別々に貯蔵することが好ましい。成分(1)は、第二剤に貯蔵しても良い。成分(1)は、第一剤と第二剤の両剤に貯蔵しても良い。成分(3)は、第一剤に貯蔵することが好ましい。この場合、両剤を同時に又は別々に被着体に塗布して接触、硬化することにより、二剤型の組成物として使用できる。第一剤には、第二剤中の(1)ラジカル重合性成分と同じ又は異なる成分の(1)ラジカル重合性成分を含有できる。
第一剤と第二剤を混合する場合、混合比(質量比)は、第一剤:第二剤=1:1~20が好ましく、1:5~15がより好ましく、1:10が最も好ましい。
本実施形態の組成物は、二剤の正確な計量を必要とせず、不完全な計量や混合、時には二剤の接触だけでも、常温で硬化する。本実施形態の組成物の硬化には、紫外線を必要としない。本実施形態の組成物は、作業性に優れる。
本実施形態の組成物は、樹脂組成物として使用できる。本実施形態の組成物は、硬化性樹脂組成物として使用できる。本実施形態の組成物は、接着剤組成物として使用できる。
本実施形態の接着剤組成物は、被着体に使用することが好ましい。被着体としては、ポリオレフィン、シクロオレフィン、ポリスチレン、繊維強化プラスチックからなる群のうちの1種以上が好ましい。繊維強化プラスチックは、例えば、繊維を含有するプラスチックである。繊維としては、炭素繊維が好ましい。プラスチックとしては、ポリオレフィンが好ましい。ポリオレフィンとしては、ポリプロピレンやポリエチレン等が挙げられる。本実施形態は、ポリオレフィン等といった難接着体、繊維を含有するポリオレフィン等といった難接着体に対して、優れた接着性を有する。
以下、本実施形態を実施例により説明する。本実施形態はこれら実施例に限定されるものではない。各使用材料の使用量の単位は質量部で示す。各使用材料については、次のような略号を使用した。特記しない限り、室温(温度23℃)、湿度50%RH環境下において、実施した。
<実施例1~7>
表1の組成で各使用材料を混合して、第一剤と第二剤からなる接着剤組成物を調製した。第一剤と第二剤を表1に混合比で混合した。結果を表1に示す。
(使用材料)
テトラヒドロフルフリルメタアクリレート:市販品
イソオクチルアクリレート:市販品
イソボニルメタアクリレート:市販品
アルキルボラン-アミン錯体:商品名「TEB-DETA」(BASF社製、トリエチルボラン-ジエチレントリアミン錯体)
リン酸エステル:市販品、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、一般式(B)において、t=1、RはCH=C(CH)COO-C
酸化鉄:Fe、市販品
無水コハク酸:市販品
PP:ポリプロピレン試験片、市販品
CFR-PP:炭素繊維を含有するポリプロピレン試験片、市販品
NBR:アクリロニトリルーブタジエンゴム、市販品
ポリブタジエン:市販品
物性については、次のようにして測定した。
[粘度(安定性粘度)]
第一剤を試料とした。レオーメーターを用い、パラレルプレートPP25(プレート径25mm)を用いて、ギャップ0.5mm、25℃環境下において、回転速度20rpmの2分値(回転してから2分後の値)の粘度を粘度値とした。
貯蔵安定性の評価として、調整直後(保管0日)の粘度値(保管0日粘度)と、23℃の条件下で1か月貯蔵した後の粘度値(23℃1か月保管後粘度)を求めた。比として(23℃1か月保管後粘度/保管0日粘度)を求めた。貯蔵安定性の点で、(23℃1か月保管後粘度/保管0日粘度)は5以下が好ましい。
[引張せん断強度(引張せん断接着強さ(被着体:PP))]
JIS K-6856に従い、試験片(25mm×25mm×0.7mmt、PP)の片側に第一剤と第二剤を等量混合したものを塗布し、その後、直ちにもう1枚の試験片(25mm×25mm×2mmt、PP)を重ね合わせて貼り合わせた。その後、室温で24時間養生したものを試料とした。試料の引張せん断強度(単位:MPa)は、温度23℃、湿度50%RH環境下において、引張速度10mm/分で測定した。接着された複合材料の破壊状態として、基材と接着剤の界面での破壊を「界面破壊」とし、接着層内部の破壊を「凝集破壊」とし、基材の破壊又は破断又は降伏点を示す値を「材料破壊」とした。PPについては、4MPaで降伏点を示し、基材が伸びる状態を「材料破壊」とした。試験片と接着剤の界面の接着性が大きい点で、「材料破壊」が好ましい。
[引張せん断強度(引張せん断接着強さ(被着体:CFR-PP))]
JIS K-6856に従い、試験片(25mm×25mm×0.7mmt、PP)の片側に第一剤と第二剤を等量混合したものを塗布し、その後、直ちにもう1枚の試験片(25mm×25mm×2mmt、CFR-PP)を重ね合わせて貼り合わせた。その後、室温で24時間養生したものを試料とした。試料の引張せん断強度(単位:MPa)は、温度23℃、湿度50%RH環境下において、引張速度10mm/分で測定した。接着された複合材料の破壊状態として、基材と接着剤の界面での破壊を「界面破壊」とし、接着層内部の破壊を「凝集破壊」とし、基材の破壊又は破断又は降伏点を示す値を「材料破壊」とした。試験片と接着剤の界面の接着性が大きい点で、「材料破壊」が好ましい。
Figure 0007025953000002
<比較例1~7>
表2の組成にした以外は実施例1と同様にして接着剤組成物を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0007025953000003
実施例1~7の接着剤組成物では、安定性は良好であった。比較例1~7は安定性が悪かった。本実施形態の接着剤組成物は、ポリプロピレンに対して優れた接着性を示した。
本実施形態は、ポリオレフィン等の難接着体に対して優れた接着性を有する。本実施形態は、優れた貯蔵安定性を有する。本実施形態は、硬化前の液状態において、優れた貯蔵安定性を示す接着剤組成物を提供する。
本実施形態は、ポリエチレンやポリオレフィン等の難接着体に対して優れた接着性を有するため、自動車部品や電機部品等を簡単に接着できる。

Claims (12)

  1. (1)ラジカル重合性成分、(2)ボラン錯体、(3)金属酸化物を含有する組成物であって、
    (1)ラジカル重合性成分が(メタ)アクリロイル基を有する化合物であり、
    (3)金属酸化物の金属元素が鉄であり、
    (3)金属酸化物の使用量は、(1)ラジカル重合性成分100質量部に対して、0.00001~5質量部である、組成物
  2. (2)ボラン錯体がオルガノボランアミン錯体である請求項1記載の組成物。
  3. 更に、(4)アミン反応性化合物を含有する請求項1又は2の何れか1項記載の組成物であって、前記組成物は、第一剤と第二剤に分かれ、第一剤が少なくとも(2)ボラン錯体、(3)金属酸化物を含有し、第二剤が少なくとも(4)アミン反応性化合物を含有する二剤型の組成物
  4. (4)アミン反応性化合物は、リン酸エステル、酸無水物からなる群のうちの1種以上である請求項に記載の組成物。
  5. (4)アミン反応性化合物がリン酸エステルである請求項又はに記載の組成物。
  6. 更に、(5)エラストマーを含有する請求項1~の何れか1項に記載の組成物。
  7. (1)ラジカル重合性成分が、アルキル(メタ)アクリレート、環状エーテル骨格を有する(メタ)アクリレート、脂環式(メタ)アクリレートからなる群のうちの1種以上を含有する請求項1~の何れか1項に記載の組成物。
  8. (1)ラジカル重合性成分が環状エーテル骨格を有する(メタ)アクリレートを含有する請求項1~の何れか1項に記載の組成物。
  9. 請求項1~の何れか1項記載の組成物からなる硬化性樹脂組成物。
  10. 請求項1~の何れか1項記載の組成物からなる接着剤組成物。
  11. ポリオレフィン、シクロオレフィン、ポリスチレン、繊維強化プラスチックからなる群のうちの1種からなる被着体の接着に使用する請求項10記載の接着剤組成物。
  12. 請求項10又は11記載の接着剤組成物を用いて接合された接合体。
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