JP2019077142A - 印刷装置、印刷方法および印刷制御装置 - Google Patents

印刷装置、印刷方法および印刷制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】印刷時間の増大を抑制する。【解決手段】搬送方向に沿った印刷媒体の搬送と、インクを吐出可能な複数のノズルを有する印刷ヘッドの前記搬送方向に交差する主走査方向に沿った走査とを実行して印刷する印刷装置であって、画像データに基づいて画像の所定領域内のインク記録率を算出する算出部と、前記算出されたインク記録率が所定の吐出制限値を超える場合に、前記複数のノズルのうち前記吐出制限値に対応するノズル数以下のノズルの範囲を使用ノズル範囲に決定し、当該決定した使用ノズル範囲に応じた前記搬送の搬送量を決定する決定部と、前記決定された搬送量による前記搬送、および、前記決定された使用ノズル範囲のノズルによる前記所定領域内の画像データに基づくインク吐出を実行させる駆動制御部と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、印刷装置、印刷方法および印刷制御装置に関する。
液滴(ドット)を吐出して媒体上に着弾させることで印刷を行う方法が知られている。このような印刷において、インクタンク内のインク残量を予測し、インク残量がしきい値よりも少ない場合には、媒体の同一領域に対して行うヘッドの走査(パス)の数を増やすことによりインクタンクにおけるインクの流量を低減させる記録方法が知られている(特許文献1参照)。
特開2006‐326939号公報
プリンターにおけるインク残量が少なくなった場合でも、印刷の状況によっては必ずしもパス数を増やさなくとも適切に印刷可能な場合がある。しかし、上述の文献1によれば、インク残量が少なくなった場合には常にパス数を増やすため、印刷に要する時間が増大し易かった。
なお、ヘッドが有する各ノズルからインクを吐出するために十分なインクの流量をヘッド内で確保できない場合、一部のノズルにおいてインクを吐出すべきであるにもかかわらずインクを吐出できない状況が起こり得る。このようなインクの流量をヘッド内で確保できなくなる原因は、インク残量の低下に限られず、様々である。従って、ヘッドが有する各ノズルからインクを吐出するために十分なインクの流量をヘッド内で確保できない状況下であっても、印刷結果の品質劣化を防ぎ、かつ印刷時間の増大を抑制することが求められていると言える。
本発明は上述の課題に対して有用な印刷装置、印刷方法および印刷制御装置を提供する。
本発明の態様の1つは、搬送方向に沿った印刷媒体の搬送と、インクを吐出可能な複数のノズルを有する印刷ヘッドの前記搬送方向に交差する主走査方向に沿った走査とを実行して印刷する印刷装置であって、画像データに基づいて画像の所定領域内のインク記録率を算出する算出部と、前記算出されたインク記録率が所定の吐出制限値を超える場合に、前記複数のノズルのうち前記吐出制限値に対応するノズル数以下のノズルの範囲を使用ノズル範囲に決定し、当該決定した使用ノズル範囲に応じた前記搬送の搬送量を決定する決定部と、前記決定された搬送量による前記搬送、および、前記決定された使用ノズル範囲のノズルによる前記所定領域内の画像データに基づくインク吐出を実行させる駆動制御部と、を備える。
当該構成によれば、印刷装置は、画像の所定領域内のインク記録率が所定の吐出制限値を超える場合に、吐出制限値に対応するノズル数以下の使用ノズル範囲を決定し、この使用ノズル範囲のノズルを印刷に使用する。つまり、印刷ヘッドが有する各ノズルからインクを吐出するために十分なインクの流量を印刷ヘッド内で確保できない状況下(吐出制限値が設定されている状況下)で、吐出制限値に対応するノズル数以下のノズルを用いて適切な印刷(印刷ヘッドの能力を超えない印刷)を実行できる。また、前記決定した使用ノズル範囲に応じて印刷媒体の搬送量を決定するため、使用ノズルが制限された状況でも印刷媒体を正確に搬送することができる。また本発明によれば、前記インク記録率が吐出制限値を超えない場合には、上述のように使用ノズル範囲を決定せず、印刷ヘッドが有する複数のノズルをそのまま印刷に使用できるため、吐出制限値が設定されている状況下でも走査(パス)回数の増加(印刷時間の増大)を抑制することができる。
本発明の態様の1つは、前記決定部は、前記印刷装置におけるインク残量に応じた前記吐出制限値を取得し、当該取得した吐出制限値と前記インク記録率とを比較するとしてもよい。
当該構成によれば、印刷装置におけるインク残量に応じた最適な吐出制限値を用いて、インク記録率が吐出制限値を超えるか否か、つまり使用ノズル範囲を決定(使用ノズルを制限)すべきか否かを判断することができる。
本発明の態様の1つは、前記決定部は、前記複数のノズルのうちノズルが並ぶ方向の両端部のノズル以外であり且つ前記吐出制限値に対応するノズル数以下のノズルの範囲を使用ノズル範囲に決定するとしてもよい。
当該構成によれば、前記両端部のノズルを避けて使用ノズル範囲を決定することにより、印刷結果の品質をより高めることができる。
本発明の態様の1つは、前記所定領域は、前記画像データにおける1回の前記走査で印刷可能な領域であるとしてもよい。
当該構成によれば、印刷ヘッドの1回の走査(パス)で印刷可能な領域内のインク記録率と吐出制限値との比較に応じて、当該領域を、制限された使用ノズルで印刷するか否かを分岐することができる。
本発明の態様の1つは、前記走査と走査との間に前記搬送方向における前記ノズル同士の間隔であるノズルピッチよりも短い距離による前記印刷媒体の微小送りを実行することにより複数回の前記走査で疑似バンド領域を印刷し、前記疑似バンド領域の印刷前後に前記微小送りよりも長い搬送量による前記搬送を行う疑似バンド印刷を実行するに際し、前記算出部は、前記画像データにおける1つの疑似バンド領域内の前記走査毎に対応するインク記録率を算出し、前記決定部は、前記走査毎に対応するインク記録率のうち最も高いインク記録率が前記吐出制限値を超える場合に、前記複数のノズルのうち前記吐出制限値に対応するノズル数以下のノズルの範囲を使用ノズル範囲に決定し、当該決定した使用ノズル範囲に応じた前記搬送量を決定し、前記駆動制御部は、前記決定された搬送量による前記搬送、および、前記決定された使用ノズル範囲のノズルによる前記1つの疑似バンド領域内の画像データに基づくインク吐出を実行させる、としてもよい。
当該構成によれば、疑似バンド印刷を行う場合に、疑似バンド領域内のパス毎のインク記録率と吐出制限値とに基づいて、疑似バンド印刷するための適切なノズル数と搬送量とを決定することができる。
本発明の態様の1つは、前記決定部は、前記決定した使用ノズル範囲に応じて決定した前記搬送量を、前記決定した使用ノズル範囲のノズル数に応じて補正し、前記駆動制御部は、前記補正された搬送量による前記搬送を実行させるとしてもよい。
当該構成によれば、使用ノズル範囲に応じて決定した前記搬送量を、当該使用ノズル範囲のノズル数に応じて補正することで、使用ノズル範囲のノズル数に応じたドットの広がりまで考慮した最適な搬送を行うことができる。
本発明の態様の1つは、印刷装置は、インクの吐出に異常を有する異常ノズルを検出する異常ノズル検出部を備え、前記決定部は、前記異常ノズルが検出された場合に、前記吐出制限値に対応するノズル数以下のノズルの範囲を使用ノズル範囲に決定する際、含まれる前記異常ノズルの数が最少となるノズルの範囲を使用ノズル範囲に決定するとしてもよい。
当該構成によれば、できるだけ異常ノズルを含まない使用ノズル範囲を決定することにより、印刷結果の品質劣化を防ぐことができる。
本発明の技術的思想は、印刷装置という物以外によっても実現される。例えば、前記印刷装置(印刷部)を制御する印刷制御装置であって、前記算出部と、前記決定部と、前記駆動制御部(印刷部に搬送およびインク吐出の実行を指示する駆動制御部)とを備える構成を把握することができる。また、印刷装置や印刷制御装置が実行する処理工程を備えた方法(印刷方法、印刷制御方法)や、これら方法をコンピューターに実行させるプログラムや、プログラムを記憶したコンピューター読み取り可能な記憶媒体も、夫々に発明として成り立つ。
装置構成を簡易的に示す図。 印刷ヘッドと印刷媒体とを簡易的に示す図。 搬送される印刷媒体の側方から印刷部の一部分を簡易的に示す図。 制御部がプログラムAに従って実行する処理を示すフローチャート。 ステップS130(印刷制御処理)を示すフローチャート。 ノズルとHTDの画素との割り当ての関係を示す図。 ステップS130において処理されるHTDを例示する図。 図7を反映させたノズルとHTDの画素との割り当ての関係を説明する図。 疑似バンド印刷においてノズルとHTDの画素との割り当ての関係を示す図。
以下、各図を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお各図は、本実施形態を説明するための例示に過ぎない。
1.装置構成の概略説明:
図1は、本実施形態にかかる装置構成を簡易的に示している。印刷制御装置10は、例えば、制御部11、表示部16、操作受付部17、通信インターフェイス(IF)18等を備える。印刷制御装置10は、例えば、パーソナルコンピューター(PC)や、PCと同程度の処理能力を有する情報処理装置によって実現される。また、本実施形態にかかる制御部11を実現可能なハードウェアを印刷制御装置と呼んでもよい。
制御部11は、CPU11a、ROM11b、RAM11c等を有する1つ又は複数のICや、その他のメモリーやハードディスクドライブといった記憶媒体等を適宜含んで構成される。制御部11では、CPU11aが、ROM11b等に保存されたプログラムに従った演算処理を、RAM11c等をワークエリアとして用いて実行することにより、印刷制御装置10の挙動を制御する。制御部11はプログラムAを搭載しており、プログラムAに従って、画像データ取得部12、色変換部13、ハーフトーン(HT)処理部14、印刷制御部15等といった各機能を実現する。プログラムAを、印刷制御プログラム、画像処理プログラム、プリンタードライバー等と呼ぶことができる。
通信IF18は、所定の通信規格に準拠して制御部11が印刷制御装置10の外との通信を実行するIFの総称である。表示部16は、視覚的情報を表示するための手段であり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)や、有機ELディスプレイ等により構成される。表示部16は、ディスプレイと、当該ディスプレイを駆動するための駆動回路とを含む構成であってもよい。操作受付部17は、ユーザーによる操作を受け付けるための手段であり、例えば、物理的なボタンや、タッチパネルや、マウスや、キーボード等によって実現される。むろん、タッチパネルは、表示部16の一機能として実現されるとしてもよい。また、表示部16および操作受付部17を含めて操作パネル等と呼ぶことができる。
印刷制御装置10は、通信IF18を介して印刷部20と通信可能に接続している。印刷部20は、印刷制御装置10(制御部11)による制御下で、印刷データに基づいて印刷を実行可能な機構である。印刷部20は、印刷ヘッド21、キャリッジ26、搬送部27、ヘッド駆動部28等を備える。
印刷制御装置10と印刷部20は、それぞれ独立した装置であってもよい。印刷制御装置10と印刷部20がそれぞれ独立した装置である場合、印刷部20を印刷装置と呼び、印刷制御装置10と印刷部20を含む構成を印刷システム1と呼ぶことができる。印刷制御装置10を、画像処理装置等と呼んでもよい。
あるいは、印刷制御装置10と印刷部20は、実態としてそれら全体が1つの装置に含まれていてもよい。印刷制御装置10と印刷部20が1つの装置に含まれている場合、印刷制御装置10と印刷部20を含む構成(1つの装置)を、印刷装置1と呼ぶことができる。印刷装置1は、少なくとも印刷機能を有する。従って、印刷装置1は、印刷機能に加え、スキャナーやファクシミリ等の複数の機能を併せ持った複合機であってもよい。
図2は、印刷ヘッド21と印刷媒体Pとを簡易的に示している。印刷ヘッド21は、インク等の液体を吐出可能な複数のノズル23を有する。印刷ヘッド21を、記録ヘッド、印字ヘッド、液体吐出(噴射)ヘッド等と呼んでもよい。印刷媒体Pは、代表的には紙であるが、液体の吐出による記録が可能な素材であれば、印刷媒体Pは紙以外の素材であってもよい。
キャリッジ26は、印刷ヘッド21を搭載しており、所定の主走査方向D1に沿って移動することで印刷ヘッド21を主走査方向D1に沿って移動させる。
搬送部27は、知られているように、印刷媒体Pを搬送するためのローラーや、ローラーを回転させるためのモーターやギア輪列等を適宜有し、印刷媒体Pを主走査方向D1と交差する搬送方向D2に沿って搬送する。ここでいう交差とは、基本的には直交であるが、方向D1,D2は、例えば製品としての印刷部20における種々の誤差により、厳密には直交していないこともある。搬送方向D2を副走査方向とも呼ぶ。また、詳しい説明は省略するが、印刷部20は、搬送部27が有するローラー等の回転量や回転方向を検出するエンコーダーや、印刷媒体Pの端部の通過を検出するセンサーを適宜備え、これらエンコーダーの出力やセンサーの出力に基づいて、搬送中の印刷媒体Pの現在位置を把握可能である。
符号22(図2)は、ノズル23が開口するノズル面22を示しており、図2では、ノズル面22におけるノズル23の配列の一例を示している。印刷ヘッド21は、印刷部20が装着したインクカートリッジ(またはインクタンク)25等と呼ばれるインク保持手段から複数色のインク(例えば、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)等の複数色のインク)の供給を受けてノズル23から吐出する構成において、インク色毎のノズル列24を備える。ノズル列24は、搬送方向D2に沿った間隔(ノズルピッチ)が一定とされた複数(N個)のノズル23により構成される。図2の例では、印刷ヘッド21は4つのノズル列24を有しており、4色のインクを吐出可能な構成とされている。言うまでもなく、1色のインクに対応するノズル列24全体を構成するN個のノズル23の配列の態様は、図2のように1つの直線状である必要は無く、例えば、複数列に分かれていてもよい。
ヘッド駆動部28は、印刷制御装置10(制御部11)が生成した印刷データに基づいて、印刷ヘッド21の各ノズル23に対応して設けられた駆動素子(例えば圧電素子)を駆動するための駆動信号を生成し、この駆動信号を印刷ヘッド21へ出力する。印刷ヘッド21では、駆動素子に駆動信号が印加されることにより、駆動素子が対応するノズル23から液体(液滴)を吐出させる。このような印刷部20は、印刷制御装置10(制御部11)による制御下で、搬送部27による印刷媒体Pの搬送と、キャリッジ26による印刷ヘッド21の移動に伴う印刷ヘッド21による液体吐出(走査)とを繰り返すことにより、印刷媒体Pへの印刷を実現する。
印刷ヘッド21の走査をパスとも呼ぶ。印刷部20(あるいは印刷部20を含む構成(符号1))を、インクジェットプリンターと呼ぶことができる。印刷ヘッド21がノズル23から吐出する液滴をドットと呼ぶ。ただし本実施形態では、ドットが吐出される前段階における画像処理や印刷制御処理を説明する際にも、便宜上、ドットという表現を用いる。
また、ヘッド駆動部28は、インクの吐出に異常を有するノズル23(異常ノズル)を検出するための異常検出部28aを有している。
図3は、搬送される印刷媒体Pの側方からの視点で印刷部20の一部分を簡易的に示している。符号27aは、搬送部27が有するローラーの1つを示している。ローラー27a等の回転により印刷媒体Pは、印刷ヘッド21のノズル面22下方を搬送方向D2の上流側から下流側へ搬送される。搬送方向D2の上流側、下流側を、以下では単に上流側、下流側と呼ぶ。図3においては、便宜上、ノズル列24を構成するノズル23のノズル番号の一部をノズル面22近傍に記載している。本実施形態では、1つのインク色に対応するノズル列24を構成するN個のノズル23に、搬送方向D2に沿って♯1〜♯Nのノズル番号を付して説明する。例えば、ノズル列24を構成するN個のノズル23のうち最も下流側のノズル23にノズル番号♯1を付し、当該N個のノズル23のうち最も上流側のノズル23にノズル番号♯Nを付すものとする。
搬送部27が実行する印刷媒体Pに関する搬送は、給紙、頭出し、紙送り、排紙に区分することができる。これらの区別は必ずしも一義的ではないが、給紙とは、例えば、印刷媒体Pの先端(下流側端部)が、搬送方向D2においてノズル番号♯Nのノズル位置と合う位置まで印刷媒体Pを搬送する処理である(図3に実線で示した印刷媒体Pの位置参照)。また、頭出しとは、例えば、給紙後の印刷媒体Pについて、印刷媒体P上の印刷の先頭位置が搬送方向D2においてノズル番号♯1のノズル位置と合う位置まで印刷媒体Pを搬送する処理である(図3に2点鎖線で示した印刷媒体Pの位置参照)。図3に示した符号HFは、このような頭出しの搬送量を例示している。頭出しの搬送量HFは、搬送方向D2における、印刷媒体Pの先端から印刷媒体P上の印刷の先頭位置までの距離と、ノズル番号♯1のノズル23からノズル番号♯Nのノズル23までの距離との和で表すことができる。
紙送りは、頭出し後の印刷媒体Pに対して実行される印刷ヘッド21のパスとパスとの合間に実行される搬送である。なお、頭出しを、印刷媒体Pの最初の紙送りと解釈してもよい。排紙は、最後のパスが実行された後の印刷媒体Pを印刷部20の外部へ排出するための搬送である。
2.印刷制御処理:
図4は、制御部11がプログラムAに従って実行する処理をフローチャートにより示している。
制御部11(画像データ取得部12)は、印刷対象を表現する画像データを取得する(ステップS100)。印刷対象とは、例えば、文字、写真、CG、あるいはそれらの組み合わせ等である。例えば、ユーザーが操作受付部17を操作することにより画像データが選択される。画像データ取得部12は、当該選択された画像データを記憶元から取得する。画像データの記憶元は、例えば、印刷制御装置10に内蔵された記憶媒体あるいは印刷制御装置10に対して外部から接続された記憶媒体等、様々である。画像データ取得部12は、取得した画像データを次のステップS110へ受け渡す。
画像データ取得部12がステップS110へ受け渡す画像データは、例えば、画素毎にRGB(レッド、グリーン、ブルー)毎の階調値(例えば、0〜255の256階調で表現される階調値)を有するビットマップ形式のRGBデータであるとする。画像データ取得部12は、ステップS110へ画像データを受け渡す前に、必要に応じて、取得した画像データのフォーマット変換や解像度変換を実行する。
ステップS110では、制御部11(色変換部13)は、画像データに対して色変換処理を実行する。色変換処理は、画像データ(RGBデータ)を、印刷部20が印刷に使用するインクの色空間のデータ(CMYKデータ)に変換する処理である。知られているように、色変換部13は、RGBの階調値とCMYKの階調値とを対応付けたテーブル(色変換ルックアップテーブル)を参照して色変換処理を実行可能である。色変換処理後の画像データ(CMYKデータ)は、画素毎にCMYK毎の階調値(例えば、0〜255の256階調で表現される階調値)を有するビットマップ形式のデータである。
ステップS120では、制御部11(HT処理部14)は、色変換処理後の画像データに対して、インク色(CMYK)毎にHT処理を実行する。HT処理は、ディザ法、γ補正、誤差拡散法などを用いて実行可能である。HT処理後の画像データをHTデータとも呼ぶ。HTデータは、インク色毎のデータであり、且つ画素毎のドットの有無を規定している。なお、印刷ヘッド21は、一滴あたりの液量が異なる複数サイズのドットを吐出可能であるとしてもよい。例えば、印刷ヘッド21は各ノズル23から、サイズが異なる3種類のドット(大ドット、中ドット、小ドット)を吐出可能である。印刷ヘッド21がこのような複数サイズのドットを吐出可能である構成においては、HT処理部14は、インク色毎のデータであり、且つ画素毎のドットの有無およびサイズを規定するHTデータを生成する。
ステップS130では、制御部11(印刷制御部15)は、HTデータおよび、当該フローチャート(図4)を開始した時点で既に設定されている(例えば、ユーザーによって指定されている)記録方法等に従って、印刷部20に印刷を実行させる(印刷制御処理を実行する)。
図5は、ステップS130の印刷制御処理の詳細をフローチャートにより示している。ステップS130は、本発明の印刷方法を表現しているとも言える。当該印刷制御処理はインク色毎の処理が同様に並行して実行されるが、以下では、1つのインク色(対象色、例えばK)に関して印刷制御処理の説明を行う。
ステップS131では、印刷制御部15は、対象色の1ページ分のHTデータの所定領域内のインク記録率を算出する。この場合、印刷制御部15は、記録方法に応じた領域を、HTデータのページ先頭側に設定する。ここでは、記録方法として、いわゆるバンド印刷が設定されていると想定して説明を行う。
印刷制御部15は、1回のパスで印刷可能な領域をHTデータのページ先頭側に所定領域として設定する。バンド印刷は、バンド領域と呼ばれる帯状の画像領域を1回のパスで印刷する記録方法である。バンド領域は、複数のラスターデータが搬送方向D2に並んだ画像領域(ラスターデータの束)である。ラスターデータとは、画像データを構成する画素列であって、主走査方向D1に沿って画素が並んでなる画素列である。バンド印刷では、バンド領域を構成する各ラスターデータを1回のパスで1つのノズル23によって印刷する。従って、印刷制御部15は、印刷ヘッド21の1回のパスで印刷可能な数のラスターデータ、つまりノズル列24を構成するノズル23の数(N)に対応するラスターデータの束(バンド領域)を、HTデータのページ先頭側に所定領域として設定する。
印刷制御部15は、上述のように設定した所定領域を構成する画素数のうちのドット有り(ドットオン)の画素数の比率を、インク記録率として算出する。インク記録率は、0%以上100%以下の値であり、これをDuty(デューティー)と表記してもよい。なお、HTデータが、大ドット、中ドット、小ドットのように複数サイズのドットについてのオン・オフを規定している場合には、ドット数を大ドットのドット数に換算したときの前記所定領域の画素数に対するドット数の比率をインク記録率として算出すればよい。あくまで一例であるが、中ドット1個を大ドット0.5個に換算したり、小ドット1個を大ドット0.2個に換算したりする。このようなステップS131をプログラムAに従って実行する点で、制御部11は、所定領域内のインク記録率を算出する算出部(印刷制御部15)に該当すると言える。
ステップS132では、印刷制御部15は、対象色の吐出制限値を取得する。吐出制限値とは、所定の単位時間(例えば、一画素の記録時間に相当する時間)にノズル列24を構成する全てのノズル23からドットを吐出するために必要なインク量を100%として、この100%のインク量のうちどれだけの量を当該単位時間の間に吐出できるかを規定した値である。吐出制限値は、0%以上100%以下の値であり、これをDuty制限値と呼んでもよい。吐出制限値が100%であれば、吐出制限が無い状態、つまりノズル列24の能力を最大限生かすことができる状態である。
インクカートリッジ25内のインク残量がある程度少なくなった状況では、前記単位時間の間に全てのノズル23からインクを吐出するために十分なインクの流量を印刷ヘッド21内で確保できなくなる。そのため本実施形態では、インクカートリッジ25内のインク残量に応じた吐出制限値を取得する。例えば、制御部11は、インク残量と吐出制限値との対応関係を規定したテーブルを予め記憶している。当該対応関係は、インク残量の減少に従って、段階的に低下する吐出制限値を規定している。当該対応関係の具体例としては、例えば、特開2015‐174229号公報の図4に開示された対応関係を用いることができる。
印刷制御部15は、対象色のインクカートリッジ25におけるインク残量を印刷部20から取得する。例えば、印刷部20は、インクカートリッジ25の交換時からのショット数(ドットを吐出した回数および必要であればサイズ)をカウントしており、ショット数から使用量を積算してインク残量を管理、記憶している。そのため、印刷制御部15は、印刷部20が現在記憶している対象色のインクカートリッジ25におけるインク残量を読み込めばよい。そして、印刷制御部15は、取得したインク残量に対応する吐出制限値を、前記対応関係を参照して取得する。
なお、インク残量に応じて吐出制限値を取得することは一例に過ぎない。例えば、印刷ヘッド21の吐出能力に影響を及ぼす所定の要素に応じた吐出制限値が、印刷部20または制御部11に設定されており、印刷制御部15は、当該設定されている吐出制限値をステップS132で取得するとしてもよい。印刷ヘッド21の吐出能力に影響を及ぼす所定の要素とは、上述のインク残量の他に、例えば、印刷ヘッド21内の流路に発生する排圧(ノズル23からドットを吐出するための圧力)の程度、印刷ヘッド21を駆動するために外部から供給される電力の程度、印刷ヘッド21を駆動した際に発生する熱量(印刷ヘッド21の発熱)の程度、印刷ヘッド21近傍の気温や湿度といった外部環境、等様々である。このような要素のいずれか1つあるいはそれら要素の組み合わせに応じて算出された最適な固定値としての吐出制限値が、予め印刷部20または制御部11に設定されている。あるいは、このような要素のいずれか1つあるいはそれら要素の組み合わせに応じて最適な吐出制限値を算出するアルゴリズムによって算出された現在の吐出制限値が、印刷部20または制御部11に設定されている。
ステップS133では、印刷制御部15は、ステップS131で算出したインク記録率と、ステップS132で取得した吐出制限値とを比較し、インク記録率が吐出制限値を超えているか否かを判定する。インク記録率≦吐出制限値である場合、ステップS133で“No”と判定してステップS134へ進む。一方、インク記録率>吐出制限値である場合、ステップS133で“Yes”と判定してステップS135へ進む。なお、吐出制限値が仮に100%である場合は、インク記録率>吐出制限値は成立せず、インク記録率に関係なく必ずステップS133からステップS134へ進むことになる。本実施形態では、ステップS132で取得する吐出制限値は、100%未満の何らかの値であることを前提として説明を行う。
ステップS134では、印刷制御部15は、使用ノズル範囲および搬送量を、記録方法に従った(記録方法に従って予め決められている)使用ノズル範囲および搬送量に決定し、その上でステップS137に進む。記録方法に従った使用ノズル範囲とは、基本的には、ノズル列24を構成する全て(N個)のノズル23である。記録方法に従った使用ノズル範囲を、標準のノズル範囲とも呼ぶ。標準のノズル範囲は、使用ノズルに制限が無いノズル範囲である。また、記録方法に従った搬送量は、標準のノズル範囲のノズル23を用いた1回のパスで印刷を行った後、次のパスを実行するために必要な印刷媒体Pの搬送量(紙送り量)である。記録方法に従った搬送量を、標準の搬送量とも呼ぶ。
一方、ステップS135では、印刷制御部15は、ステップS132で取得した吐出制限値に応じた使用ノズル範囲、つまり、使用ノズルに制限が有るノズル範囲を決定する。そして、ステップS136では、ステップS135で決定した使用ノズル範囲に応じた搬送量を決定し、その上でステップS137に進む。
印刷制御部15がステップS135,S136で実行する使用ノズル範囲および搬送量の決定方法の具体例を説明する。
先ず、吐出制限値に対応するノズル数N´を以下のように求める。
N´=N×THd
THdは、ステップS132で取得した吐出制限値(Duty制限値)である。ただし、N×THdの小数点以下は切り捨てる。例えば、N=11、THd=80/100、つまり吐出制限値が80%であるとき、N×THd=8.8であるため、N´=8とする。言うまでもなく、実際のインクジェットプリンターにおけるNは、11よりも遥かに多い数である。
次に、下流側の不使用ノズル数NL1および上流側の不使用ノズル数NL2を以下のように求める。
NL1={N×(1−THd)}/2
NL2=NL1
つまり、下流側の不使用ノズル数NL1と上流側の不使用ノズル数NL2は均等な数とする。ただし、{N×(1−THd)}/2の小数点以下は切り捨てる。{N×(1−THd)}/2の小数点以下を切り捨てたときは、NL1,NL2のいずれか一方に1を加える。例えば、N=11、THd=80/100、つまり吐出制限値が80%であるとき、{N×(1−THd)}/2=1.1であるため、NL1=2、NL2=1とする。
以上で、ステップS135で、吐出制限値に応じた使用ノズル範囲が決定されたことになる。つまり、上述の例のように、N=11、N´=8、NL1=2、NL2=1であれば、ノズル列24を構成する11個のノズル23のうち、下流側から2つのノズル23(ノズル番号♯1,♯2のノズル)および上流側から1つのノズル23(ノズル番号♯11のノズル)を除いた、ノズル番号♯3〜♯10の連続する8個のノズル23が、使用ノズル範囲となる。
記録方法に従った搬送量(標準の搬送量)をFとしたとき、ステップS136では、使用ノズル範囲に応じた搬送量F´を以下のように求める。
F´=F×THd
ただし、F×THdの小数点以下は切り捨てる。例えば、F=11、THd=80/100、つまり吐出制限値が80%であるとき、F×THd=8.8であるため、F´=8とする。THd(吐出制限値)は、ステップS135で使用ノズル範囲を決定した際に用いたパラメーターであるため、前記のように算出される搬送量F´は、使用ノズル範囲に応じた搬送量と言うことができる。
搬送量F,F´は、1ラスターの搬送方向D2における幅(1ドット分の搬送方向D2における長さ)に相当する所定距離を単位とした数値である。従って、単純に、搬送量Fは、標準のノズル範囲のノズル数Nに対応する搬送方向D2の距離と解し、搬送量F´は、ステップS135で決定した使用ノズル範囲のノズル数N´に対応する搬送方向D2の距離と解してもよい(図6参照)。
このようなステップS132〜S136をプログラムAに従って実行する点で、制御部11は、インク記録率が所定の吐出制限値を超える場合に、複数のノズルのうち吐出制限値に対応するノズル数以下のノズルの範囲を使用ノズル範囲に決定し、当該決定した使用ノズル範囲に応じた搬送量を決定する決定部(印刷制御部15)に該当すると言える。
ステップS137では、印刷制御部15は、決定した搬送量による印刷媒体Pの搬送を印刷部20へ指示するとともに、対象色のHTデータを、決定した使用ノズル範囲の各ノズルに割り当てて転送すべき順に並べ替えた上で印刷部20へ出力する。当該並べ替えの処理により、ステップS131で設定したHTデータの所定領域内のデータ(画素毎のデータ)が、そのラスターデータの位置に応じて、対象色のノズル列24の使用ノズル範囲のいずれかのノズル23に割り当てられる。並べ替え処理後のHTデータを印刷データと呼ぶ。
当然、ステップS134の後に実行するステップS137では、印刷制御部15は、標準の搬送量による印刷媒体Pの搬送を指示し、かつ、対象色のHTデータを標準のノズル範囲の各ノズルに割り当てて転送すべき順に並べ替えた印刷データを出力する。一方、ステップS135,S136の後に実行するステップS137では、印刷制御部15は、ステップS136で決定した搬送量による印刷媒体Pの搬送を指示し、かつ、対象色のHTデータをステップS135で決定した使用ノズル範囲の各ノズルに割り当てて転送すべき順に並べ替えた印刷データを出力する。
印刷部20では、ステップS137で指示された搬送量に応じて搬送部27が印刷媒体Pの搬送を実行し、かつステップS137で出力された印刷データに基づいて印刷ヘッド21が1回のパスによるインク吐出を実行する。
このようなステップS137をプログラムAに従って実行する点で、制御部11は、決定された搬送量による印刷媒体Pの搬送、および、決定された使用ノズル範囲のノズル23による所定領域内の画像データに基づくインク吐出を印刷部20に指示する(印刷部20に実行させる)駆動制御部(印刷制御部15)に該当すると言える。
ステップS134の後に実行するステップS137によれば、ステップS131で設定したHTデータの所定領域内のデータの全てが使用ノズル範囲(標準のノズル範囲)のいずれかのノズル23に割り当てられ出力される。一方、ステップS135,S136の後に実行するステップS137によれば、決定された使用ノズル範囲のノズル数が標準のノズル範囲のノズル数よりも少ないため、ステップS131で設定したHTデータの所定領域内の一部のラスターデータは、ノズル23に割り当てられず出力の対象とならない。
ステップS138では、印刷制御部15は、対象色の1ページ分のHTデータの全領域のデータを印刷部20へ出力し終えたか否か判定し、出力し終えたと判定した場合(ステップS138において“Yes”)、ステップS130を終了する。一方、対象色の1ページ分のHTデータに、印刷部20へ出力していないデータが残っている場合(ステップS138において“No”)、ステップS131へ戻り、ステップS131以降の処理を繰り返す。ステップS138から進んだ先のステップS131では、印刷制御部15は、対象色の1ページ分のHTデータのうち印刷部20へ出力済みのデータを除いて、HTデータのページ先頭側に次の前記所定領域を設定する。
なお、図5のフローチャート(ステップS130)において、ステップS131とステップS132の処理順序は、逆でもよい。また、1ページの印刷期間中に吐出制限値が変化することは稀であると言える。そこで、印刷制御部15は、ステップS130の開始後、ステップS132を1回実行したら、以降は、ステップS138で“Yes”と判定するまで当該1回のステップS132で取得した吐出制限値を繰り返しステップS133の判定に用いるとしてもよい。これにより、制御部11の処理負担を軽減することができる。
本実施形態の印刷制御処理を、図6〜8を用いて、より具体的に説明する。
図6は、対象色のノズル列24を構成するノズル23と、対象色のHTデータ(HTD)の一部を構成する画素との割り当ての関係性を説明するための図である。図6では「使用ノズル制限無し」の場合(ステップS133において“No”→S134→S137の処理が繰り返される場合)の前記割り当ての関係性と、「使用ノズル制限有り」の場合(ステップS133において“Yes”→S135→S136→S137の処理が繰り返される場合)の前記割り当ての関係性とを、並べて示している。
図6では、ノズル列24を構成するノズル23は11個であるとし、搬送方向D2に沿って一定のノズルピッチで並ぶ各ノズル23を丸で示している。また図6では、印刷ヘッド21のパス(1番目のパス、2番目のパス、3番目のパス…)毎にノズル列24とHTDとの相対的な位置変化が起きることを示している。むろん、印刷ヘッド21が実際に搬送方向D2において移動するのではなく、パスの前後に搬送部27が印刷媒体Pを搬送(頭出し又は紙送り)することで、このような相対的な位置変化が印刷媒体P上に印刷結果として現れる。図6において、HTDを構成する個々の矩形が、HTDを構成する個々の画素である。また、画素毎の数字(1〜11のいずれか)は、画素が割り当てられるノズル23のノズル番号を意味している。図6において、横方向に並ぶ画素からなる画素列が1つのラスターデータ(1つのラスターデータの一部)に該当する。同じラスターデータに含まれる画素は、同じノズル23に割り当てられる。
このような図6の「使用ノズル制限無し」の場合を説明する。
「使用ノズル制限無し」の場合、ノズル列24の全てのノズル23にラスターデータが割り当てられ、ステップS131で設定された所定領域(バンド領域)の全てが1回のパスで印刷されることが判る。また、1番目のパスの実行前の搬送(頭出し)のために印刷制御部15が搬送部27へ指示する搬送量は、HF(図3参照)であり、1番目のパスの実行後、2番目、3番目…の各パスの実行前の搬送(紙送り)のために搬送部27へ指示する搬送量は、F(標準の搬送量)である。図6の例においても、搬送量Fは、上述の具体例と同じく11となる。
次に、図6の「使用ノズル制限有り」の場合を説明する。
「使用ノズル制限有り」の場合、ノズル列24のノズル23のうち、ステップS135で決定された使用ノズル範囲のノズル23に限ってラスターデータが割り当てられる。図6では、使用ノズル範囲に含まれないノズル23をグレー色で判り易く示している。図6の例においても、ステップS135で決定された使用ノズル範囲は、ノズル番号♯1,♯2,♯11のノズル23を除いたノズル番号♯3〜♯10の連続する8個のノズル23としている。このように使用ノズルが制限されるため、ステップS131で設定された所定領域(バンド領域)の全てを1回のパスで印刷することはできず、当該所定領域のうち当該パスで印刷されなかった残りのラスターデータは、次のパスで印刷される。また、1番目のパスの実行前の搬送(頭出し)のために印刷制御部15が搬送部27へ指示する搬送量は、HF´であり、1番目のパスの実行後、2番目、3番目…の各パスの実行前の搬送(紙送り)のために搬送部27へ指示する搬送量は、F´である。図6の例においても、搬送量F´は、上述の具体例と同じく8となる。なお、搬送量HF´は、使用ノズル制限が無い場合の頭出しの搬送量HFから、下流側の不使用ノズル数NL1に対応する搬送方向D2の距離を引いた距離である。
ここで、対象色のHTデータは、領域毎にインク記録率が高かったり低かったりする。従って、印刷制御部15は、図5のフローチャート(ステップS130)を開始してからステップS138で“Yes”と判定するまでの間、複数回実行するステップS133の判定で、“Yes”と判定したり、“No”と判定したりする。つまり、図6に示した「使用ノズル制限無し」の場合と「使用ノズル制限有り」の場合とが組み合わさった状況が、実際には起こり得る。
このような「使用ノズル制限無し」の場合と「使用ノズル制限有り」の場合とが組み合わさった状況を、図7および図8を用いて説明する。
図7は、対象色のHTデータ(HTD)が図5のフローチャートによってどのように処理されていくのかを例示する図である。
図8は、図7の内容を反映させたノズル23とHTDの画素との割り当ての関係性を説明する図である。図8の基本的な見方は、図6と同様である。
図7の上段に示すように、先ず、HTDのページ先頭側に最初の所定領域(バンド領域BD1)が設定される(ステップS131)。バンド領域BD1のインク記録率(Duty)が吐出制限値(THd)以下であるとき(ステップS133において“No”)、ステップS134を経て、ステップS137では、バンド領域BD1の全てのデータが使用ノズル範囲(標準のノズル範囲)のノズル23に割り当てられて出力され、印刷部20によりバンド領域BD1の全体が1番目のパスで印刷される。このとき、1番目のパスの実行前の搬送(頭出し)のために印刷制御部15が搬送部27へ指示する搬送量はHFである。つまり、「使用ノズル制限無し」の搬送およびパスが実行される。なお、図7では、パス毎の印刷ヘッド21の移動の向きが、主走査方向D1の一方側S1への移動であるか他方側S2への移動であるかを併せて記載している。
次に、図7の中段に示すように、印刷部20へ出力済みのデータ(バンド領域BD1)を除いて、HTDのページ先頭側に所定領域(バンド領域BD2)が設定される(ステップS131)。バンド領域BD2のインク記録率(Duty)が吐出制限値(THd)を超えるとき(ステップS133において“Yes”)、ステップS135,S136を経て、ステップS137では、バンド領域BD2の一部領域BD2pが、ステップS135で決定された使用ノズル範囲のノズル23に割り当てられて出力され、一部領域BD2pが2番目のパスで印刷される。このとき、2番目のパスの実行前の搬送(紙送り)のために印刷制御部15が搬送部27へ指示する搬送量は、F´に、上流側の不使用ノズル数NL2に対応する搬送方向D2の距離を足した距離である。つまり、「使用ノズル制限有り」の搬送およびパスが実行される。一部領域BD2pは、バンド領域BD2を構成するN個のラスターデータのうち、ページ先頭側のN´個のラスターデータの束である。この一部領域BD2pを構成するN´個のラスターデータが、ステップS135で決定された使用ノズル範囲のN´個のノズル23(ノズル番号♯3〜♯10の連続する8個のノズル23)に割り当てられる(図8参照)。
次に、図7の下段に示すように、印刷部20へ出力済みのデータ(バンド領域BD1+一部領域BD2p)を除いて、HTDのページ先頭側に所定領域(バンド領域BD3)が設定される(ステップS131)。当然、バンド領域BD3は、バンド領域BD2のうちの一部領域BD2pを除いた領域を含んだ領域である。バンド領域BD3のインク記録率(Duty)が吐出制限値(THd)以下であるとき(ステップS133において“No”)、ステップS134を経て、ステップS137では、バンド領域BD3の全てのデータが使用ノズル範囲(標準のノズル範囲)のノズル23に割り当てられて出力され、バンド領域BD3の全体が3番目のパスで印刷される。このとき、3番目のパスの実行前の搬送(紙送り)のために印刷制御部15が搬送部27へ指示する搬送量は、Fから、上流側の不使用ノズル数NL2に対応する搬送方向D2の距離を引いた距離である。つまり、「使用ノズル制限無し」の搬送およびパスが実行される。
以降も、ステップS138で“Yes”と判定されるまで、ステップS133の分岐に従って、「使用ノズル制限無し」の搬送およびパスと、「使用ノズル制限有り」の搬送およびパスと、のいずれかが実行される。
なお、上述したように、ステップS130の印刷制御処理はインク色毎の処理が同様に並行して実行される。そのため実際には、印刷媒体Pの搬送および印刷ヘッド21のパスは、毎回、使用ノズルの制限が最も厳しいインク色に合わせて実行することになる。例えば、図7に示したHTDがKインクのHTDであり、図7の中段に示したように、バンド領域BD2のKインクのインク記録率(Duty)が吐出制限値(THd)を超えているとする。また、Kインク以外のCMYインクそれぞれのHTDにおけるバンド領域BD2と一致するバンド領域では、いずれもインク記録率が吐出制限値以下であったとする。このような場合、Kインクのインク記録率が吐出制限値を超えていることに合わせて、K以外のCMYそれぞれのノズル列24もKのノズル列24と同様に使用ノズルを制限することになる。
3.まとめ:
このように本実施形態によれば、印刷装置1または印刷制御装置10は、搬送方向D2に沿った印刷媒体Pの搬送と、複数のノズル23を有する印刷ヘッド21の主走査方向D1に沿った走査(パス)とを実行して印刷を実現する。そして、制御部11(印刷制御部15)は、画像データに基づいて画像の所定領域内のインク記録率を算出する算出部と、インク記録率が所定の吐出制限値を超える場合に、複数のノズルのうち吐出制限値に対応するノズル数以下のノズルの範囲を使用ノズル範囲に決定し、決定した使用ノズル範囲に応じた搬送の搬送量を決定する決定部と、決定した搬送量による印刷媒体Pの搬送、および、決定した使用ノズル範囲のノズルによる前記所定領域内の画像データに基づくインク吐出を実行させる駆動制御部として機能する。
つまり、何らかの理由によりノズル列24を構成する全ての(N個の)ノズル23からインクを吐出するために十分なインクの流量を印刷ヘッド21内で確保できない状況下(吐出制限値が設定されている状況下)で、吐出制限値に対応するノズル数N´のノズルを用いて、適切な印刷(ノズル列24の能力を超えない印刷)を実行できる。また、吐出制限値に応じて決定した使用ノズル範囲に応じて、印刷媒体Pの搬送量を決定するため、使用ノズルが制限された状況でも印刷媒体Pを正確に搬送(紙送り)することができる。
また本実施形態によれば、吐出制限値が設定されている状況下で、インク記録率が吐出制限値を超えない場合には(ステップS133において“No”)、ノズル列24を構成する全てのノズル23を印刷に使用する(使用ノズルを制限しない)。従って、インク残量がしきい値よりも少ない場合(吐出制限値が設定される状況)に常にパス数を増やしていた従来技術(特許文献1)と比較して、パス数の増加を抑え、結果、印刷時間の増大を極力抑制することができる。なお、画像データにおけるインク記録率が吐出制限値以下であるときは、使用ノズルを制限しなくても、実際に全てのノズル23が1回のパスの中で、高頻度で駆動する事態にならないため、結局、ノズル列24の能力を超えない適切な印刷が実行される。従って、印刷結果の品質劣化を防ぎ、かつ印刷時間の増大を抑制することができる。
上述したように、制御部11(印刷制御部15)は、インク記録率が吐出制限値を超える場合には、吐出制限値に対応するノズル数“以下”のノズルの範囲を使用ノズル範囲に決定する(ステップS135)。これを上述の具体例に当て嵌めて説明する。上述の具体例では、N=11、THd=80/100であるとき、N×THd=8.8、つまり、吐出制限値に対応するノズル数N´=8とし、このN´が示す数字が、ステップS135で決定する使用ノズル範囲のノズル数であるとした。しかし、印刷制御部15は、吐出制限値に対応するノズル数N´=8よりも更に少ないノズル数(例えば7個)を、ステップS135で決定する使用ノズル範囲のノズル数としてもよい。この場合、ノズル列24を構成するN個(11個)のノズル23のうち、4個のノズル23が不使用ノズル数NL1,NL2に振り分けられることになる。
また本実施形態によれば、吐出制限値に応じた使用ノズル範囲は、ノズル列24におけるノズル23が並ぶ方向の両端部のノズル23(上流側および下流側のノズル23)以外のノズルから決定される。ノズル列24の端部のノズル23は、例えば、印刷ヘッド21内における流路設計の都合等により、十分なインク流量を相対的に確保しづらいことがある。従って、両端部のノズル23を避けて吐出制限値に応じた使用ノズル範囲を決定することは、印刷結果の品質向上に繋がり易い。
また本実施形態によれば、前記所定領域は、画像データにおける1回のパスで印刷可能な領域であるとしている。このような構成とすることで、印刷ヘッド21の1回のパスで印刷可能な領域毎に、ドット記録率と吐出制限値との比較に応じて、使用ノズルを制限するか否かを分岐することができる。従って、ページ全体の印刷に要するパス数の増加をできるだけ抑制することができる。
4.変形例:
本発明は上述の実施形態に限られず、例えば以下に説明するような種々の変形例を含み得る。上述の実施形態や各変形例の組み合わせも、本明細書の開示範囲に含まれる。
変形例1:
制御部11(印刷制御部15)は、ステップS131において、所定領域内のインク記録率を算出する際、所定領域内の局所領域Tのインク記録率を算出してもよい。図7の上段には、バンド領域BD1内の局所領域Tを、2点鎖線で例示している。局所領域Tは、搬送方向D2に対応する幅はバンド領域BD1の幅と等しく、主走査方向D1に対応する幅は、数画素、例えば、1、2画素程度の幅の領域である。印刷制御部15は、バンド領域BD1内に、ラスターデータの長手方向に沿って順に局所領域Tを設定していき、局所領域T毎のインク記録率(局所領域T内の画素数に対する、局所領域T内のドットオンの画素数の比率)を求める。そして、局所領域T毎のインク記録率のうち最も高いインク記録率を、現在のステップS131で設定した所定領域のインク記録率とし、ステップS133で吐出制限値と比較する。このような変形例によれば、ノズル列24のN個のノズル23全てを使用可能とし(使用ノズルを制限しないで)、所定領域(バンド領域)を1回のパスで印刷しようとしたとき、当該所定領域内に局所的に濃度が高い領域が存在したために、ノズル列24のインク吐出能力(吐出制限値)を瞬間的に超えるような各ノズル23の駆動が行われることを、回避できる。
変形例2:
搬送方向D2に沿って並ぶ複数のノズル23から同時にドットを吐出したとき、飛翔中の各ドットが生じさせる気流の影響等を受けて、当該複数のノズル23から吐出された各ドットの着弾位置は、搬送方向D2に沿って両側に広がる傾向が見られる。このような着弾位置の広がり(搬送方向D2におけるずれ)は、ノズル列24の端のノズル23ほど顕著化する。そのため、搬送部27は、このような印刷媒体P上でのドットの着弾位置の搬送方向D2に沿った広がりを考慮して補正された搬送量で印刷媒体Pを搬送している。例えば、上述したように搬送量(紙送り量)を前記Fとした場合、印刷制御部15は、搬送部27に印刷媒体Pを搬送量Fの分だけ厳密に搬送させるのではなく、搬送量Fを所定の係数で補正し、搬送量Fよりもやや多い補正後の搬送量で印刷媒体Pを搬送させる。これにより、ドットの着弾位置の搬送方向D2に沿った広がりが存在する状況で、印刷品質が安定する。
このような前提において、印刷制御部15は、ステップS135で決定した使用ノズル範囲に応じて決定した搬送量を、当該使用ノズル範囲のノズル数に応じて補正する(ステップS136)としてもよい。ステップS135で決定した使用ノズル範囲は、使用ノズルの制限が無い前記標準のノズル範囲よりもノズル数が少ない。ノズル範囲のノズル数が少ないということは、上述したドットの着弾位置の搬送方向D2に沿った広がりも少ないということである。そこで、使用ノズルに制限が無い場合の前記標準の搬送量Fの補正に用いる補正係数を第1補正係数とした場合、印刷制御部15は、第1補正係数よりも小さい第2補正係数を、ステップS135で決定した使用ノズル範囲のノズル数に応じて生成する。第1補正係数が、仮に1.05程度の値であれば、この1.05より小さい(ただし1より大きい)補正係数を第2補正係数とする。第2補正係数は、ステップS135で決定した使用ノズル範囲のノズル数が少ない程、小さい値(ただし1より大きい値)とする。そして、印刷制御部15は、上述のように使用ノズル範囲に応じて決定した搬送量F´に、第2補正係数を乗算して補正する。そして、当該補正後の搬送量F´で、搬送部27に印刷媒体Pを搬送(紙送り)させる。このような変形例によれば、使用ノズル範囲のノズル数に応じたドットの広がりまで考慮した最適な搬送を行うことができる。
変形例3:
異常検出部28a(図1)は、インクの吐出に異常を有する異常ノズルを検出する。異常検出部28aは、例えば、印刷部20が有する、図示しない半導体メモリーにノズル情報を記憶する。ノズル情報は、ノズル23毎の吐出異常の有無が記述された情報である。ノズル情報は、ノズル23毎の吐出異常の有無が直接あるいは間接的に判る情報であれば良い。本実施形態ではノズル情報を生成するための工程は特に問わず、ノズル23の吐出異常を判定、検出するためのあらゆる公知技術を採用可能である。例えば、異常検出部28aは、特開2013‐126776号公報に開示されている手法を利用してノズル23毎に吐出異常の有無を判定し、その結果をノズル情報とする。具体的には、前記駆動信号の印加による圧電素子の変形に伴って撓むいわゆる振動板等の残留振動の波形(周期等)を計測することにより、ノズル23からインクの吐出が正常に行われたか吐出異常が在ったかを判定する。あるいは、印刷ヘッド21の各ノズル23からインクを吐出させて印刷したテストパターンにおけるドット抜けの有無を人為的あるいは自動的に評価することにより、ノズル23毎の吐出異常の有無を判定し、当該判定結果をノズル情報として書き込むとしてもよい。
制御部11(印刷制御部15)は、異常検出部28aによって異常ノズルが検出された場合、つまり前記ノズル情報を参照して、ノズル列24を構成するノズル23に異常ノズルが含まれることを認識した場合、ステップS135で使用ノズル範囲に決定する際、含まれる異常ノズルの数が最少となるノズルの範囲を使用ノズル範囲に決定する。例えば、図6に例示したように、ノズル23の数が11個のノズル列24において、吐出制限値に応じて、8個の連続するノズル23を使用ノズル範囲に決定する場合を想定する。この場合、使用ノズル範囲の選択肢としては、ノズル番号♯1〜♯8、ノズル番号♯2〜♯9、ノズル番号♯3〜♯10、ノズル番号♯4〜♯11、の4通りである。印刷制御部15は、この4通りのノズル範囲のうち、含まれる異常ノズルの数が最少となるノズル範囲を、使用ノズル範囲に決定する。なお、含まれる異常ノズルの数が最少となるノズル範囲が複数有る場合には、その中で、上流側や下流側の端部のノズル23をできるだけ含まないノズル範囲を、使用ノズル範囲に決定する。当該変形例によれば、できるだけ異常ノズルを含まない使用ノズル範囲を決定することにより、印刷結果の品質劣化を防ぐことができる。
変形例4:
これまでは、記録方法として主にバンド印刷が採用されることを想定して説明を行ったが、印刷部20が実行可能な記録方法は、バンド印刷に限定されず多岐に渡る。記録方法の一例として、疑似バンド印刷が採用されてもよい。疑似バンド印刷(あるいは、マイクロフィード印刷)自体は公知であるため、詳しい説明は省くが、概略、パスとパスとの間にノズル列24のノズルピッチよりも短い距離による印刷媒体Pの微小送りを実行することにより複数回のパスで疑似バンド領域を印刷し、疑似バンド領域の印刷前後に微小送りよりも長い搬送量による搬送(頭出し又は紙送り)を行うモードである。
図9は、疑似バンド印刷において、対象色のノズル列24を構成するノズル23と、対象色のHTデータ(HTD)の一部を構成する画素との割り当ての関係性を説明するための図である。図9は、図6と同様に、「使用ノズル制限無し」の場合(ステップS133において“No”→S134→S137の処理が繰り返される場合)の前記割り当ての関係性と、「使用ノズル制限有り」の場合(ステップS133において“Yes”→S135→S136→S137の処理が繰り返される場合)の前記割り当ての関係性とを、並べて示している。
疑似バンド印刷における微小送りは、例えば、ノズルピッチNpの半分(Np/2)であるとする。そのため、図9では、HTDの搬送方向D2に対応する解像度は、ノズル列24における搬送方向D2のノズル23の解像度の倍となっている。つまり、印刷部20は、通常、印刷媒体Pの頭出しの後、1回の微小送りを間に挟む印刷ヘッド21の2回のパスでHTDにおける所定領域(疑似バンド領域BD´)を印刷し、その後は、搬送(紙送り)と、疑似バンド領域BD´の印刷(パス+微小送り+パス)と、を繰り返す。
当該変形例では、印刷制御部15は、画像データ(HTD)における1つの疑似バンド領域BD´内のパス毎に対応するインク記録率を算出する(ステップS131)。図9の「使用ノズル制限無し」の場合に示したHTDの各ラスターデータには、奇数番目のラスターを示す記号「o」と偶数番目のラスターを示す記号「e」とを参考までに付している。これら奇数番目のラスターデータと偶数番目のラスターデータは、疑似バンドBD´の印刷に際して別のパスで印刷される。そこで、印刷制御部15は、ステップS131で設定した所定領域(疑似バンド領域BD´)のうち、奇数番目のラスターデータだけを対象としてインク記録率(画素数に対するドットオンの画素数の比率)を求め、同様に、偶数番目のラスターデータだけを対象としてインク記録率(画素数に対するドットオンの画素数の比率)を求める。そして、奇数番目のラスターデータだけを対象としたインク記録率と、偶数番目のラスターデータだけを対象としたインク記録率とのうち、高い方のインク記録率を、現在の所定領域(疑似バンド領域BD´)のインク記録率とする。
従って、ステップS133では、印刷制御部15は、所定領域(疑似バンド領域BD´)のパス毎に対応するインク記録率のうち最も高いインク記録率が吐出制限値を超える場合に、ステップS135へ進むことになる。逆に、所定領域(疑似バンド領域BD´)のパス毎に対応するインク記録率の全てが吐出制限値以下である場合に、ステップS134へ進むことになる。
図9では、1つのインク色に対応するノズル列24を構成するN個のノズル23は、ノズル番号♯1〜♯8の計8個であるとし、搬送方向D2に沿って一定のノズルピッチ(Np)で並ぶ各ノズル23を丸で示している。図9においても、HTDを構成する個々の矩形が画素であり、画素毎の数字(1〜8のいずれか)は、画素が割り当てられるノズル23のノズル番号を意味している。
このような図9の「使用ノズル制限無し」の場合を説明する。
「使用ノズル制限無し」の場合、ノズル列24の全てのノズル23に疑似バンド領域BD´における先行のパスに対応する(奇数番目の)ラスターデータが割り当てられ、かつノズル列24の全てのノズル23に疑似バンド領域BD´における後行のパスに対応する(偶数番目の)のラスターデータが割り当てられる。その結果、ステップS131で設定された所定領域(疑似バンド領域)の全てが、微小送りを間に挟む先行および後行の2回のパスで印刷されることが判る。また、1番目のパスの実行前の搬送(頭出し)のために印刷制御部15が搬送部27へ指示する搬送量は、HF(図3参照)であり、1番目のパスの実行後、2番目のパスの実行前の微小送りのために搬送部27へ指示する搬送量は、Np/2である。また、2番目のパスの実行後、3番目のパスの実行前の搬送(紙送り)のために搬送部27へ指示する搬送量は、F(標準の搬送量)である。ただし、当該変形例における標準の搬送量Fは、ノズル数(N−1)に対応する搬送方向D2の距離にNp/2を加えた距離である。
次に、図9の「使用ノズル制限有り」の場合を説明する。
「使用ノズル制限有り」の場合、ノズル列24のノズル23のうち、ステップS135で決定された使用ノズル範囲のノズル23に限ってラスターデータが割り当てられる。図9では、使用ノズル範囲に含まれないノズル23をグレー色で判り易く示している。図9の例においは、ステップS135で決定された使用ノズル範囲は、ノズル番号♯1,♯2,♯8のノズル23を除いたノズル番号♯3〜♯7の連続する5個のノズル23としている。このように使用ノズルが制限されるため、ステップS131で設定された所定領域(疑似バンド領域BD´)の全てを、微小送りを間に挟む先行および後行の2回のパスで印刷することはできず、当該所定領域のうち当該2回のパスで印刷されなかった残りのラスターデータは、次の疑似バンド領域BD´の一部とされ、次回以降のパスで印刷される。また、1番目のパスの実行前の搬送(頭出し)のために印刷制御部15が搬送部27へ指示する搬送量は、HF´であり、1番目のパスの実行後、2番目のパスの実行前の微小送りのために搬送部27へ指示する搬送量は、Np/2である。搬送量HF´は、これまでの実施形態と同様である。また、2番目のパスの実行後、3番目のパスの実行前の搬送(紙送り)のために搬送部27へ指示する搬送量は、F´(ステップS136で決定された搬送量)である。ただし、当該変形例における搬送量F´は、ステップS135で決定された使用ノズル範囲のノズル数(図9の例では、5)から1を引いたノズル数に対応する搬送方向D2の距離にNp/2を加えた距離である。
このような変形例によれば、印刷制御部15は、画像データにおける1つの疑似バンド領域BD´内のパス毎に対応するインク記録率を算出し、これらパス毎に対応するインク記録率のうち最も高いインク記録率が吐出制限値を超える場合に、ノズル列24の全てのノズル23のうち吐出制限値に対応するノズル数以下のノズルの範囲を使用ノズル範囲に決定し(ステップS135)、当該決定した使用ノズル範囲に応じた搬送量F´を決定し(ステップS136)、決定した搬送量による搬送(紙送り)、および、決定した使用ノズル範囲のノズルによる前記1つの疑似バンド領域BD´内の(少なくとも一部の)画像データに基づくインク吐出を実行させる、と言える。当該変形例によれば、疑似バンド印刷モードを採用して印刷を行う場合に、疑似バンド領域内のパス毎のインク記録率と吐出制限値とに基づいて、疑似バンド印刷する際の適切なノズル数と搬送量とを決定することができる。
変形例5:
画像データにおける所定領域内のインク記録率は、これまで説明したような、HTデータにおけるドットオンの画素の比率によって算出するとは限らない。例えば、制御部11は、色変換処理後の画像データ(CMYKデータ)に基づいて、所定領域内において単位面積あたりに吐出されるインク量(階調値)の平均値を求め、この平均値をインク記録率として扱ってもよい。
変形例6:
これまでにノズル24列を構成する全てのノズル23と言った場合であっても、厳密に全てのノズルを指すとは限らない。例えば、ノズル列は、上流側や下流側に、通常はインク吐出に使用されない予備ノズル等と呼ばれるノズルを有していることがある。このような場合に本実施形態を適用すると、予備ノズルを除いたノズルを、ノズル列24を構成する全てのノズル23と呼び、予備ノズルを除いたノズル23の中で、必要に応じて使用ノズルを制限することになる。
1…印刷装置(または印刷システム)、10…印刷制御装置、11…制御部、12…画像データ取得部、13…色変換部、14…HT処理部、15…印刷制御部、16…表示部、17…操作受付部、18…通信IF、20…印刷部、21…印刷ヘッド、23…ノズル、24…ノズル列、25…インクカートリッジ、26…キャリッジ、27…搬送部、28…ヘッド駆動部、28a…異常検出部、A…プログラム、P…印刷媒体

Claims (9)

  1. 搬送方向に沿った印刷媒体の搬送と、インクを吐出可能な複数のノズルを有する印刷ヘッドの前記搬送方向に交差する主走査方向に沿った走査とを実行して印刷する印刷装置であって、
    画像データに基づいて画像の所定領域内のインク記録率を算出する算出部と、
    前記算出されたインク記録率が所定の吐出制限値を超える場合に、前記複数のノズルのうち前記吐出制限値に対応するノズル数以下のノズルの範囲を使用ノズル範囲に決定し、当該決定した使用ノズル範囲に応じた前記搬送の搬送量を決定する決定部と、
    前記決定された搬送量による前記搬送、および、前記決定された使用ノズル範囲のノズルによる前記所定領域内の画像データに基づくインク吐出を実行させる駆動制御部と、を備えることを特徴とする印刷装置。
  2. 前記決定部は、前記印刷装置におけるインク残量に応じた前記吐出制限値を取得し、当該取得した吐出制限値と前記インク記録率とを比較することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記決定部は、前記複数のノズルのうちノズルが並ぶ方向の両端部のノズル以外であり且つ前記吐出制限値に対応するノズル数以下のノズルの範囲を使用ノズル範囲に決定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷装置。
  4. 前記所定領域は、前記画像データにおける1回の前記走査で印刷可能な領域であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の印刷装置。
  5. 前記走査と走査との間に前記搬送方向における前記ノズル同士の間隔であるノズルピッチよりも短い距離による前記印刷媒体の微小送りを実行することにより複数回の前記走査で疑似バンド領域を印刷し、前記疑似バンド領域の印刷前後に前記微小送りよりも長い搬送量による前記搬送を行う疑似バンド印刷を実行するに際し、
    前記算出部は、前記画像データにおける1つの疑似バンド領域内の前記走査毎に対応するインク記録率を算出し、
    前記決定部は、前記走査毎に対応するインク記録率のうち最も高いインク記録率が前記吐出制限値を超える場合に、前記複数のノズルのうち前記吐出制限値に対応するノズル数以下のノズルの範囲を使用ノズル範囲に決定し、当該決定した使用ノズル範囲に応じた前記搬送量を決定し、
    前記駆動制御部は、前記決定された搬送量による前記搬送、および、前記決定された使用ノズル範囲のノズルによる前記1つの疑似バンド領域内の画像データに基づくインク吐出を実行させる、ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の印刷装置。
  6. 前記決定部は、前記決定した使用ノズル範囲に応じて決定した前記搬送量を、前記決定した使用ノズル範囲のノズル数に応じて補正し、
    前記駆動制御部は、前記補正された搬送量による前記搬送を実行させることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の印刷装置。
  7. インクの吐出に異常を有する異常ノズルを検出する異常検出部を備え、
    前記決定部は、前記異常ノズルが検出された場合に、前記吐出制限値に対応するノズル数以下のノズルの範囲を使用ノズル範囲に決定する際、含まれる前記異常ノズルの数が最少となるノズルの範囲を使用ノズル範囲に決定することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の印刷装置。
  8. 搬送方向に沿った印刷媒体の搬送と、インクを吐出可能な複数のノズルを有する印刷ヘッドの前記搬送方向に交差する主走査方向に沿った走査とを実行して印刷する印刷部を制御する印刷制御装置であって、
    画像データに基づいて画像の所定領域内のインク記録率を算出する算出部と、
    前記算出されたインク記録率が所定の吐出制限値を超える場合に、前記複数のノズルのうち前記吐出制限値に対応するノズル数以下のノズルの範囲を使用ノズル範囲に決定し、当該決定した使用ノズル範囲に応じた前記搬送の搬送量を決定する決定部と、
    前記決定された搬送量による前記搬送、および、前記決定された使用ノズル範囲のノズルによる前記所定領域内の画像データに基づくインク吐出の実行を前記印刷部に指示する駆動制御部と、を備えることを特徴とする印刷制御装置。
  9. 搬送方向に沿った印刷媒体の搬送と、インクを吐出可能な複数のノズルを有する印刷ヘッドの前記搬送方向に交差する主走査方向に沿った走査とを実行する印刷方法であって、
    画像データに基づいて画像の所定領域内のインク記録率を算出する算出工程と、
    前記算出されたインク記録率が所定の吐出制限値を超える場合に、前記複数のノズルのうち前記吐出制限値に対応するノズル数以下のノズルの範囲を使用ノズル範囲に決定し、当該決定した使用ノズル範囲に応じた前記搬送の搬送量を決定する決定工程と、
    前記決定された搬送量による前記搬送、および、前記決定された使用ノズル範囲のノズルによる前記所定領域内の画像データに基づくインク吐出を実行させる駆動制御工程と、を備えることを特徴とする印刷方法。
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