JP2019076939A - ろう材、接合構造および半導体パッケージ - Google Patents

ろう材、接合構造および半導体パッケージ Download PDF

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慎也 冨田
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Abstract

【課題】 基体および金属部材を含み、金属部間が接合材で接合された接合構造について信頼性等向上に有効なろう材等を提供すること。【解決手段】 銀および銅を主成分として含有しており、表面および該表面で囲まれた本体部分を有する第1部材22と、スズを主成分として含有しており、第1部材22の表面に沿って位置する層状の第2部材23とを備えるろう材21等である。【選択図】 図4

Description

本発明は、スズ、銀および銅を含むろう材、接合構造および半導体パッケージに関する。
高周波信号で作動する光通信用等の半導体素子を収容する半導体パッケージが知られている。半導体パッケージと外部電気回路とは、半導体パッケージの線路導体と外部電気回路とがリード等の端子を介して電気的に接続される。線路導体と端子とが導電性の接合材を介して接合されて、半導体素子と外部電気回路とが互いに電気的に接続される。導電性の接続材としては、例えば銀−銅系等のろう材(JIS規格のBAg−8等)が用いられている。
特開2009−248156号公報
上記従来技術においては、信頼性の向上等のために、線路導体が配置されているセラミック基体等の基体と端子等の金属製の部材との間に生じる熱応力のより一層の低減が求められている。これに対して、スズ−銀−銅系等の低融点ろう材(鉛フリーはんだ等)を接合材として用いることが考えられる。しかしながら、上記低融点ろう材は、その融点が400℃程度以下であり、比較的低い。そのため、基体と金属製の部材との接合部分の耐熱性確保が難しい。
本発明の1つの態様のろう材は、銀および銅を主成分として含有しており、表面および該表面で囲まれたバルク部分を有する第1部材と、スズを主成分として含有しており、前記第1部材の前記表面に沿って位置する層状の第2部材とを備える。
本発明の1つの態様の接合構造は、第1金属部および該第1金属部に対向する第2金属部を含む被接合材と、銀および銅を主成分として含有する本体と、スズを主成分として含有しており、前記本体中に分散している分散相とを含んでおり、前記第1金属部と前記第2金属部との間に位置して前記第1金属部および前記第2金属部に接合している接合材とを備える。
本発明の1つの態様の半導体パッケージは、上記構成の接合構造と、前記第1金属部を含む基体と、前記第2金属部を含む金属部材とを備える。
本発明の1つの態様のろう材によれば、上記構成であることから、金属部間の接合構造において低融点化および耐熱性の確保が容易なろう材を提供することができる。
本発明の1つの態様の接合構造によれば、上記構成であることから、金属部間の接合構造において低融点化および耐熱性の確保が容易な接合構造を提供することができる。
本発明の1つの態様の半導体パッケージによれば、上記構成の接合構造を備えることか
ら、信頼性および耐熱性の向上が容易な半導体パッケージを提供することができる。
本発明の実施形態の半導体パッケージを示す斜視図である。 本発明の実施形態の半導体パッケージを示す平面図である。 本発明の実施形態接合構造の一部を模式的に示す断面図である。 (a)は本発明の実施形態のろう材を示す断面図であり、(b)は(a)に示すろう材を加熱した状態を示す断面図である。 図3に示す接合構造の要部を拡大して示す断面図である。 (a)および(b)はそれぞれ図5に示す接合構造の一部をさらに拡大して、構成元素毎に示す断面図である。
以下、本発明の実施形態のろう材、接合構造および半導体パケージについて、図面を参照して説明する。なお、以下の説明における融点およびろう付け温度等の数値は大気圧における数値を示す。
図1は、本発明の実施形態の半導体パッケージを示す斜視図であり、図2は、本発明の実施形態の半導体パッケージを示す平面図である。図1および図2に示す半導体パッケージは、本発明の実施形態のろう材および接合構造を含んでいる。図3は、本発明の接合構造の一部を模式的に示す断面図である。図4(a)は本発明の実施形態のろう材を示す断面図であり、図4(b)は、そのろう材を加熱した状態を示す断面図である。図5は、図3に示す接合構造の変形例における要部を拡大して示す断面図であり、本発明の実施形態のろう材を含んでいる。図6(a)および(b)はそれぞれ図3に示す接合構造の一部をさらに拡大して、構成元素毎に示す断面図である。
例えば、本発明の実施形態のろう材を含んで、本発明の実施形態の接合構造が構成される。また、本発明の実施形態の接合構造を含んで、本発明の実施形態の半導体パッケージが構成される。言い換えれば、上記実施形態のろう材を用いた接合構造の一例が、上記実施形態の接合構造であり、その接合構造を含む半導体パッケージの一例が、上記実施形態の半導体パッケージである。
本発明の実施形態の半導体パッケージ1は、金属基板2と枠体3とリード端子4とを備えている。なお、金属基板2およびリード端子4のそれぞれと枠体3との間に、本発明の実施形態の接合構造が位置し、その接合構造に、本発明の実施形態のろう材が位置している。また、上記実施形態の接合構造およびろう材は、金属基板2およびリード端子4のいずれか一方と枠体3との間にのみ位置しているものでも構わない。接合構造およびろう材の詳細については後述する。
この実施形態における金属基板2は、平面視で矩形状の平板である。金属基板2の上面中央部に、半導体素子等の電子部品(図示せず)が実装される実装領域2aが位置している。この例における実装領域2aとは、金属基板2の上面のうち電子部品が直接に接合される部分およびそれを囲む部分をあわせた領域を意味している。金属基板2の平面視における大きさは、例えば10×10mm〜50×50mmである。また、金属基板2の厚みは、例えば、0.5〜5mmに設定することができる。
実装領域に実装される電子部品としては、例えば上記のように半導体素子を挙げることができる。半導体素子は、例えば半導体集積回路素子であり、プロセッサまたはメモリ等である。電子部品は、半導体素子に限らず、加速度等の各種の物理量を検知するセンサ素子でもよく、MEMS((Micro Electro Mechanical Systems)素子等でもよい。また、
電子部品は、複数個でもよく、アンテナ素子、容量素子または抵抗器等の他の電子部品(いわゆる受動部品を含む)をさらに含んでいてもよい。
金属基板2は、例えば、上記の電子部品から発生する熱を外部に放散する放熱部材の一部として機能することができる。また、金属基板2は、電子部品と外部の電磁的な遮蔽を行なう遮蔽部材の一部として機能することもできる。この場合、金属基板2に接地電位が付与されてもよい。
金属基板2は、例えば平板状に成形された金属材料からなる。金属材料としては、例えば、銅を挙げることができる。このとき、銅からなる金属基板2の熱膨張係数は約16×10−6/Kである。また、金属基板2は、銅、鉄、ニッケル、クロム、コバルト、モリブデンおよびタングステン等の金属材料からなるものでもよい。また、金属基板2は、これらの金属を主成分として含む合金の金属材料からなるものでもよい。このような金属材料のインゴット(塊状の原材料)に圧延加工法、打ち抜き加工法、プレス加工、切削加工およびエッチング加工等から適宜選択した金属加工法による加工を施すことによって金属基板2を構成する金属部材を作製することができる。
金属基板2の上面の外周部(実装領域を囲む枠状の部分)には、枠体3が位置している。また、枠体3の上面には、リード端子4が位置している。リード端子4は、実装領域に実装される電子部品と外部電気回路とを電気的に接続する導電性接続材として機能する。また、枠体3は、リード端子4と金属基板2との電気的な短絡を防止する機能を有する。すなわち、枠体3は、金属基板2およびリード端子4を、互いに電気的に絶縁しながら、所定の位置関係で保持するための基材として機能する。
リード端子4は、例えば金属基板2と同様の金属材料を用い、同様の金属加工法を用いることで製作することができる。リード端子4のうち枠体3に接合される部分は、他の部分よりも平面視における幅を広くしてもよい。これにより、リード端子4の枠体3に対する接合の強度および作業性を向上させることができる。
また、枠体3は、実装領域を封止するための蓋体等の封止材を固定するための封止部として機能することもできる。電子部品が実装領域に実装されるとともにリード端子4と電気的に接続された状態で、例えば枠体3の上面に蓋体(図示せず)が接合される。これにより、実装領域(金属基板2の上面の一部)と枠体3と蓋体とで構成される気密容器内に電子部品が気密封止される。電子部品の気密封止により、半導体装置等の電子装置が構成される。
枠体3としては、例えば、セラミック材料を用いることができる。このセラミック材料としては、例えば、酸化アルミニウム質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、窒化ケイ素質焼結体、ムライト質焼結体およびガラスセラミック焼結体等を挙げることができる。
枠体3は、例えば酸化アルミニウム焼結体から成る場合には、次のようにして製作することができる。まず、酸化アルミニウムを主成分とし、酸化マグネシウム、酸化カルシウムおよび酸化ケイ素等を添加した原料粉末を、有機溶剤およびバインダとともに混練してスラリーを作製する。このスラリーをドクターブレード法等で成型してセラミックグリーンシートを作製する。その後、このセラミックグリーンシートを所定の形状および寸法に切断して作製したシートを必要に応じて複数枚上下に積層し、約1300〜1600℃の温度で焼成する。以上の工程により、枠体3を製作することができる。
枠体3は、例えば、外縁の寸法が10×10mm〜50×50mmであり、内縁(枠内周)の寸法が5×5mm〜49×49mmである。また、外縁と内縁との間の幅で示される枠体3の厚
みは、例えば1〜5mmである。また、第1枠体3の高さは、1〜10mmである。
金属基板2およびリード端子4と枠体3との接合は、ろう材を介して(つまり、ろう付けにより)行なわれている。このろう付けのため、枠体3のうち金属基板2およびリード端子4が接合される部分には、下地金属層が配置されている。
すなわち、例えば図3に示す例のように、枠体3のうち金属基板2が接合される部分およびリード端子4が接合される部分には、それぞれ下地金属層である第1金属部11が位置している。この第1金属部11に対向して、金属基板2またはリード端子4である第2金属部12が位置している。第1金属部11と第2金属部12とは、本発明の実施形態のろう材21を介して互いに接合されている。これらを接合するために、加熱後のろう材21を介した金属基板2およびリード端子4(第2金属部12)と枠体3(下地金属層である第1金属と部11)との接合部分が、本発明の実施形態の接合構造Sを含んでいる。なお、以下の説明において、第1金属部11と第2金属部12とを特に区別せず単に金属部という場合がある。
なお、図3ではリード端子4側(枠体3の上面側)を例として示している。以下、実施形態の接合構造Sについては、簡単のため、主に、リード端子4と枠体との接合構造を例にして説明する。この接合構造Sおよびろう材21については、金属基板2と枠体3との接合についても同様に適用することができる。
枠体3のうち金属基板2が接合される部分とリード端子4が接合される部分とに配置される下地金属層(第1金属部11)は、例えば、タングステン、モリブデン、マンガン、銅、銀、パラジウム、金、ニッケル、コバルト、クロムまたはチタン等の金属材料によって形成されている。これらの金属材料は、メタライズ層、めっき層、薄膜層または金属箔等の形態で、枠体3の表面(上面および下面等)に配置されている。また、第1金属部11は、これらの金属材料を主成分として含有する合金材料からなるものでもよい。また第1金属部11は、上記の金属材料および合金材料からなる複数の層が積層されたものでもよい。
第1金属部11は、例えばタングステンのメタライズ層を含むものである場合には、次のようにして形成することができる。まず、タングステンの粉末を有機溶剤およびバインダ等を混練して金属ペーストを作製する。次に、この金属ペーストを枠体3となるシートに所定のパターンに印刷する。その後、この金属ペーストをシートまたはその積層体とともに同時焼成する。以上の工程によって、第1金属部11を有する枠体3を製作することができる。また、このタングステンのメタライズ層の露出表面に、ニッケル、コバルト、パラジウムおよび金等のめっき層を被着させても構わない。
第1金属部11と第2金属部12とを接合する接合材21Aは、図4(a)に示すろう材21によって形成されている。ろう材21は、銀および銅を主成分として含有しており、表面およびその表面で囲まれた本体(いわゆるバルク)部分を有する第1部材22と、スズを主成分として含有しており、第1部材22の表面に沿って位置する層状の第2部材23とを備えている。
上記接合構造Sにおいて、接合材21Aは、ろう材21が加熱溶融した後に固化してなるものであり、例えば図4(b)に示すように、銀および銅を主成分として含有する本体24と、スズを主成分として含有しており、本体24中に分散している分散相25とを含んでいる。
本発明の実施形態の接合構造Sは、第1金属部11および第1金属部11に対向する第2金属部12と、第1金属部11と第2金属部12との間に位置して第1金属部11および第2金属部12に接合している上記構成の接合材21Aとを有している。
上記ろう材21によれば、スズを主成分とする第2部材23が溶融して第1部材22中に分散することにより、銀および銅のみでろう材が構成されている場合に比べて融点(つまり接合温度)を低くすることができる。また、スズに比べて融点が高い銀および銅を主成分とする本体部分を有しているため、例えばスズ−銀はんだ等のスズを主材にするものに比べて耐熱性が高い。したがって、金属部間の接合構造において低融点化および耐熱性の確保が容易なろう材21を提供することができる。
また、上記接合構造Sによれば、上記構成であることから、金属部間の接合構造において低融点化および耐熱性の確保が容易な接合構造Sを提供することができる。
また、上記構成の接合構造Sは、前述した実施形態の半導体パッケージ1における金属基板2およびリード端子4の少なくとも一方と枠体3との接合に適用されている。この場合、第1金属部11は、枠体3に設けられたろう付け用の下地金属層であり、タングステンのメタライズ層等を含むものである。また、第1金属部11が位置する枠体3は、その第1金属部11を設けるための基体(基体としては符号なし)である。金属基板2およびリード端子4の少なくとも一方は、第2金属部12を含む金属部材(金属部材としては符号なし)である。金属基板2およびリード端子4の露出表面のうち接合材21Aが接合されている部分が第2金属部12に該当する。
ろう材21において、接合用の組成物としてのバルク部分を構成している第1部材22は、上記のように銅および銀を主成分としている。第1部材22は、ろう材21を用いた接合材21Aの接合力を確保するとともに、その耐熱性を高める機能を有している。第1部材22における銅および銀の含有率は、例えば銀72質量%、銅28質量%(共晶組成)である。すなわち、第1部材22は、微量の不純物を除いて、銅および銀のみからなるものでもよい。また、第1部材22は、銅および銀以外に、ニッケル、亜鉛およびリン等から適宜選択された添加材を含んでいても構わない。第1部材22における上記添加材の含有率は、例えば約5〜15質量%に設定することができる。
また、第1部材22における銅と銀との比率は、第1金属部11と第2金属部12との接合時に許容される加熱温度(つまりろう付け温度)、接合構造Sおよびそれを含む半導体パッケージ1の用途、使用される環境および接合時の作業性等の条件に応じて、適宜設定することができる。例えば、電気抵抗の低減および接合時の作業性等を考慮して、銀−銅の共晶組成のものを第1部材22として用いるようにしてもよい。
この、ろう材21の本体部分(第1部材22)は、例えばシート状、ブロック状または粒状等の形状であり、これを囲む六面体等の多面体または球面状等の表面を有している。言い換えれば、ろう材21の第1部材22は、このような表面と、表面に囲まれたバルク部分とを有している。この第1部材22の表面に沿って、層状の第2部材23が位置している。第2部材23は、スズを主成分として含有している。そのため、ろう材21の融点が比較的低い(ろう材21の融点を低くして、ろう付け温度を適度に低くする機能を有している)。
すなわち、実施形態のろう材21において、第1部材22の融点(銀−銅共晶であれば約720℃)が約720〜900℃と比較的高いのに対して、ろう材21の融点は約500〜600℃と比較的低い。また、このろう材21の融点は、スズ−銀はんだ、スズ−銀−銅はんだ等の融点(約200〜230℃)に比べて高い。そのため、金属部間(例えば第1金属部11と第2金属部12との間)の接合構造(例えば上記接合構造S)において低融点化および耐熱性の確保が容易なろう材21を提供することができる。
第2部材23におけるスズの含有率は、例えば約95質量%以上である。第2部材23に含有される成分としては、スズ以外に、ニッケル、ビスマス、インジウム、鉛、銀および銅等
が挙げられる。
第2部材23は、第1部材22の表面に沿って層状に位置しているため、金属部間の接合のための加熱時に、第1部材22のバルク部分の全体に偏りが抑制されて拡散できる。そのため、溶融時および冷却固化後のろう材21において、第2部材23内にスズ成分が偏在する可能性が効果的に低減されている。そのため、例えばスズ成分の偏在に起因したろう材21の濡れ性低下等の可能性も効果的に低減することができる。すなわち、ろう付けの強度および作業性等が良好な接合構造の形成が容易なろう材21の提供が可能になっている。
なお、ろう材21における銀、銅、スズの体積比率は、例えば、銀:25〜45%、銅:15〜25%、スズ:25%以上であり、その他添加剤を0〜5%含んでいてもよい。
このようなろう材21は、例えばシート状等の所定の形状で第1部材22を成形した後、その露出表面に第2部材23をめっき法、蒸着法または金属箔の貼付等の方法で被着させることで製作することができる。第1部材22の上記形成は、例えば、銀−銅組成物の原材料に対して、圧延加工、打ち抜き加工、切断加工、研磨加工、研削加工およびエッチング加工等の加工を適宜施すことによって行なうことができる。この場合、例えばめっき法で被着される第2部材23の密着性を高めること等のために、第1部材22の露出表面に対して、化学的な粗化またはブラスト処理等の粗化処理を施してもよい。
また、ろう材21は使用される用途によって、打ち抜きやパンチングなどにより実際に使用する形態に加工される。そのため、ろう材21が実際に使用される際は、断面視にて第1部材22の上下面に第2部材が形成されているが、側面には形成されていない、等の形態であってもよい。
図4(b)に、上記ろう材21を加熱し、冷却固化した状態(接合時の状態)を示している。前述したように、この接合時のろう材が実施形態の接合構造Sにおける接合材21Aである。接合材21Aにおける本体24は、銀および銅を主成分として含有している。本体24は、接合材21Aにおける金属部間を接合するための機械的な強度および接合力を確保するとともに、接合材21Aとしての耐熱性を高める機能を有している。接合材21Aの本体24における銅および銀の合計の含有率、銅と銀との比率ならびに銅および銀以外の成分の含有については、前述したろう材21の第1部材22と同様に設定することができる。
分散相25は、前述したようにろう材21の第2部材23がバルク部分である第1部材22中に拡散して生成したものである。分散相25は、スズを主成分として含有しており、例えば、ろう材21の第2部材23と同様のスズ含有率である。分散相25は、ろう材21の溶融温度を下げる成分の組成物であり、ろう材21による接合温度を下げることにより、接合部の熱応力を緩和することが可能となる。
分散相25は、例えば図4(b)に示すような円形状の断面を有し、球状等である。分散相25は、楕円球状でもよく、不定形状等でもよい。分散相25の分散状態は、走査型電子顕微鏡による観察および元素分析等の方法で確認することができる。
このような接合材21Aを含む接合構造Sは、例えば次のようにして形成することができる。まず、リード端子4と、リード端子4が接合される部分にメタライズ層等の下地金属層を有する枠体3とを準備する。次に、下地金属層3とリード端子4の所定部位とを互いに対向させて位置合わせするとともに、両者の間にシート状等に成形したろう材21を配置する。その後、これらの枠体3、ろう材21およびリード端子4をジグ等で仮固定しながら、電気炉中で加熱する。以上の工程により、ろう材21が接合材21Aになり、接合材21Aを介して枠体3とリード端子4とを接合することができる。
すなわち、以上の方法により、第1金属部11(メタライズ層等)と第2金属部12(リード端子4)とが接合材21Aを介して接合された、実施形態の接合構造Sを形成することができる。金属基板2についても、リード端子4の場合と同様にして枠体3に接合することができ、同様の接合構造Sを形成することができる。
図5に要部を示す変形例の接合構造Sにおいて、接合材21Aと金属部との間に、接合材21A側から順に、ニッケル層26とニッケル合金層27とが位置している。この金属部は、第1金属部11および第2金属部12のいずれでもよく、図示は省略している。ニッケル合金層27は、ニッケル、スズ、銀および銅を含有している。
この場合には、銅、銀、スズ、タングステン、モリブデン等の、第1金属部11および第2金属部12ならびにろう材21を形成している金属との密着性が高いニッケルを含む層が、接合材21Aと金属部との間に介在する。そのため、接合材21Aと金属部との接合強度を向上させることもできる。
また、この場合には、銅を含む金属部(リード端子4等)とスズを含むろう材21(接合材21A)との直接の接触および接合が抑制される。これにより、銅−スズ層の生成に起因した接合材21Aの収縮が抑制され、抑制による空隙の発生等が抑制される。すなわち、空隙の発生が抑制された、接合の強度および信頼性の向上に適した接合構造Sとすることができる。
なお、この形態は、上記構成の接合材21Aとニッケル合金層27およびニッケル層26とが変形例の接合材21Bを構成している例とみなすこともできる。言い換えれば、接合強度の向上に適した接合材21Bを介して金属部間が接合された接合構造の例とみなすこともできる。
ニッケル層26は、例えば、金属部(第1金属部11および第2金属部12の少なくとも一方)の露出表面にニッケルめっき層を形成した後に、ろう材21を介して金属部間の接合を行なうことで形成することができる。つまり、ニッケルめっき層がニッケル層26によって基本的に形成される。ニッケルめっき層は、ニッケル以外にコバルト、リン、ホウ素、金またはパラジウム等の成分を含んでいても構わない。ニッケル層26についてもニッケルめっき層と同様である。
ニッケル合金層27は、上記のニッケル層26となるニッケルめっき層中に接合材21Aの成分である銅、銀およびスズを拡散させて形成することができる。ろう材21を介した金属部間の接合時の加熱により、接合材21Aとニッケルめっき層との界面部分で成分の拡散を生じさせることで、ニッケルと、銅、銀およびスズとの合金であるニッケル合金層27を形成することができる。
ニッケル合金層27におけるニッケルの含有率は、例えば約90〜99質量%程度に設定することができる。ニッケル合金層27における銅、銀およびスズの含有の割合は、上記のニッケル含有率を満たす範囲であれば、適宜設定することができる。例えば、ニッケル合金層27における銅、銀およびスズの含有割合は、例えばろう材21における銅、銀およびスズの含有の割合と同様に設定して構わない。
ニッケル層26と接合材21Aとの間に両者の成分を含有しているニッケル合金層27が介在していることにより、ニッケル層26と接合材21Aとの接合強度を高める効果を得ることもできる。ニッケル層26およびニッケル合金層27それぞれの厚みは、例えば1〜20μm程度である。これらの厚みは、接合に使用するろう材21の組成、接合温度および作業性(生産
性)等の条件に応じて適宜設定することができる。
実施形態の接合構造Sにおいて、例えば図6(a)に示すように、接合材21Aの本体24に含有されている銀および銅は、互いに異なる銀相24aおよび銅相24bとして分離し合っていてもよい。分離状態は、例えば元素分析で確認することができる。
なお、図6(a)において、一例として、断面において面状の銀相24a中に針状または柱状の結晶または多結晶体である銅相24bが分散した例を示しているが、これとは逆に、断面において面状の銅相24b中に針状または柱状の結晶または多結晶体である銀相24aが分散していてもよい。以下では、銀相24aが面状(バルク体)であり、柱状の銅相24bが分散した例を挙げて説明する。すなわち、銅相24bが、銀相24a中に分散している柱状結晶を含んでいる例について説明する。
この場合には、バルク体の銀相24aにおいて接合材21Aの熱応力に対して強度を確保することができるとともに、柱状の銅相24bによって、その強度を向上させることができる。つまり、銅および銀が互いに多結晶構造で組み合わさったような場合に比べて、接合部の熱応力に対する強度を均一にできる。そのため、接合材21A応力による破壊抑制に対する信頼性を高めることができる。
また、本体24内において、銀相24aと銅相24bが互いに異なる一方向に集約して存在していてもよい。その場合は、高い融点を保持することができ、接合部の耐熱性を向上させることができる。
このように、銀相24aと銅相24bの分布条件は、接合部を構成する条件などにより、適宜設定すればよい。
また、実施形態の接合構造Sにおいて、例えば図6(b)に示すように、接合材21Aの本体24に含有されているスズ25aは、元素分析したときに本体24の全域で観察できるような分布でもよい。この場合には、スズ成分の偏在による接合材21Aの機械的な強度の偏りが低減され、接合構造Sの信頼性を向上させることもできる。
銀相24a、銅相24bおよびスズ25aの存在および分散の状態についても、例えば分散相25と同様に、走査型電子顕微鏡による観察および元素分析等の方法で確認することができる。
また、上記の各構成において、分散相25が本体24の全体に均一に分散していてもよい。この場合にも、分散相、つまりスズ成分の偏在が抑制され、スズ成分の偏在による接合材21Aの機械的な強度の偏りの可能性が低減され、接合構造Sの信頼性を向上させることもできる。
前述したように、上記構成の接合構造Sと、第1金属部11を含む基体(例えば枠体3)と、第2金属部12を含む金属部材(金属基板2またはリード端子4)とによって、実施形態の半導体パッケージ1が構成されている。このような半導体パッケージ1によれば、上記構成の接合構造Sを備えることから、信頼性および耐熱性の向上が容易な半導体パッケージ1を提供することができる。
また、この半導体パッケージ1の実装領域2aに半導体素子を接合し、半導体素子とリード端子4とを電気的に接続するとともに蓋体等の封止材で気密封止することで、信頼性および耐熱性の向上が容易な半導体装置を製作することもできる。
1 半導体パッケージ
2 金属基板
2a 実装領域
3 枠体
4 リード端子
11 第1金属部
12 第2金属部
21 ろう材
21A 接合材
22 第1部材
23 第2部材
24 本体
24a 銀相
24b 銅相
25 分散相
25a スズ(成分)
26 ニッケル層
27 ニッケル合金層
S 接合構造

Claims (7)

  1. 銀および銅を主成分として含有しており、表面および該表面で囲まれた本体部分を有する第1部材と、
    スズを主成分として含有しており、前記第1部材の前記表面に沿って位置する層状の第2部材とを備えるろう材。
  2. 第1金属部および該第1金属部に対向する第2金属部を含む被接合材と、
    銀および銅を主成分として含有する本体と、スズを主成分として含有しており、前記本体中に分散している分散相とを含んでおり、前記第1金属部と前記第2金属部との間に位置して前記第1金属部および前記第2金属部に接合している接合材とを備える接合構造。
  3. 前記本体に含有されている銀および銅は、互いに異なる銀相および銅相として分離し合っている請求項2記載の接合構造。
  4. 前記本体において、前記銅相および銀相の一方が前記銅相および銀相の他方中に分散している柱状結晶を含んでいる請求項3記載の接合構造。
  5. 前記分散相が前記本体の全体に均一に分散している請求項2〜請求項4のいずれか1項記載の接合構造。
  6. 前記被接合材と前記接合材との界面に沿って、スズおよびニッケルの合金層が存在している請求項2〜請求項5のいずれか1項記載の接合構造。
  7. 請求項2〜請求項6のいずれか1項記載の接合構造と、
    前記第1金属部を含む基体と、
    前記第2金属部を含む金属部材とを備える半導体パッケージ。
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