JP2019076015A - 移植機 - Google Patents
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Abstract
【課題】圃場面側に敷設されたシートを切断する切断装置を備えた移植機において、前記切断装置のカッタ部を、後進走行時には非作用姿勢に切換えることのできる移植機を提供することを課題としている。【解決手段】圃場面にシート7aを敷設するシート敷設装置8と、植付作業機6と、既に圃場に敷設されたシート7aであって且つ平面視で走行機体3の側方に位置する既設シート7aの左右幅方向の端部側を、前記走行機体3の前進走行に伴って切断する切断装置20とを備え、前記切断装置20は、昇降可能に設けられて圃場面側に作用する作用姿勢と、上昇作動された非作用姿勢とに切換えられるカッタ部18を有し、該カッタ部18の姿勢切換が切換操作具41によって切換可能に構成され、走行機体3の前後進切換を行う操作具24による後進切換操作に連動して前記カッタ部18を非作用姿勢とする連動手段50を設けた。【選択図】図10
Description
本発明は、圃場面にシートを敷設することができる移植機に関する。
圃場にシートを敷設する移植機であって、走行機体と、前進走行時にシートロールからシートを繰出して前記走行機体の後方にシートを敷設するシート敷設装置と、前記走行機体の後部に連結され且つ敷設されたシートの上から植付作業を行う植付作業機と、既に圃場に敷設されたシートであって且つ平面視で走行機体の側方に位置する既設シートの左右幅方向の端部側を、前記走行機体の前進走行に伴って切断する切断装置とを備え、前記切断装置は、昇降可能に設けられて圃場面側に作用する作用姿勢と、上方に収容された非作用姿勢とに切換えられるカッタ部が設けられた特許文献1に記載の移植機が従来公知である。
上記文献では、前記切断装置は、カッタ部を圃場面側まで下降させて走行機体を前進走行することによって既設シートを切断することができる作用姿勢と、カッタ部を所定高さまで上方揺動させた非作用姿勢とに切換えることができるものであるが、該切断装置は、作業者がカッタ部を作用姿勢から非作用姿勢への切換操作をし忘れた状態で走行機体を後進走行した場合、圃場面を荒らしたり、前記カッタ部が意図しない箇所の既設シートを切断したりする場合が有り得るという課題があった。
本発明は、圃場面側に敷設されたシートを切断する切断装置を備えた移植機において、前記切断装置のカッタ部を、後進走行時には非作用姿勢に切換えることのできる移植機を提供することを課題としている。
上記課題を解決するため、本発明は、第1に、圃場にシート7aを敷設する移植機であって、走行機体3と、前進走行時にシートロールからシート7aを繰出して前記走行機体3の後方にシート7aを敷設するシート敷設装置8と、前記走行機体3の後部に連結され且つ敷設されたシート7aの上から植付作業を行う植付作業機6と、既に圃場に敷設されたシート7aであって且つ平面視で走行機体3の側方に位置する既設シート7aの左右幅方向の端部側を、前記走行機体3の前進走行に伴って切断する切断装置20とを備え、前記切断装置20は、昇降可能に設けられて圃場面側に作用する作用姿勢と、上昇作動された非作用姿勢とに切換えられるカッタ部18を有し、該カッタ部18の姿勢切換が切換操作具41によって切換可能に構成され、走行機体3の前後進切換を行う操作具24による後進切換操作に連動して前記カッタ部18を非作用姿勢とする連動手段50を設けたことを特徴としている。
第2に、前記切断装置20は、上記走行機体3側から後方斜め下方を向いた状態で上下揺動可能に該走行機体3側に支持された支持アーム68と、該支持アーム68の下端部に設けられた前記カッタ部18とを有し、該カッタ部が安定的に圃場面に接地するように構成され、前記支持アーム68を介して前記カッタ部18を昇降作動させるアクチュエータ62と、制御部50とを設け、前記制御部50は、前記操作具24による後進切換操作が検出された場合には、前記カッタ部18を非作用姿勢に切換える後進上昇制御が実行可能に構成されたことを特徴としている。
走行機体の前進走行に伴って圃場面の既設シートを切断する前記切断装置は、前記操作具による後進切換操作に連動して、カッタ部が上昇作動されて非作用姿勢に切換えられるように構成したことにより、作業者が走行機体の後進走行時に前記切断装置のカッタ部を作用姿勢から非作用姿勢に切換え忘れた場合であっても、カッタ部が作用姿勢のまま走行機体が後進走行する事態を防止することができる。
また、前記切断装置は、上記走行機体側から後方斜め下方を向いた状態で上下揺動可能に該走行機体側に支持された支持アームと、該支持アームの下端部に設けられたカッタ部とを有し、該カッタ部が安定的に圃場面に接地するように構成され、前記支持アームを介して前記カッタ部を昇降作動させるアクチュエータと、制御部とを設け、前記制御部は、前記操作具による後進切換操作が検出された場合には、前記カッタ部を非作用姿勢に切換える後進上昇制御が実行可能に構成されたものによれば、作業者がカッタ部の姿勢切換操作をし忘れた状態で後進走行操作がされた場合であっても、前記カッタ部が自動的に非作用姿勢に切換えらえるため、前記カッタ部が作用姿勢のまま走行機体が後進走行されて前記支持アームに意図しない方向からの荷重が掛かるのを防止することができる。
図1は、本発明のマルチ移植機の全体側面図であり、図2は、切断装置を示した要部斜視図であり、図3は、切断装置の切換状態を示した要部斜視図であり、図4(A)は、操作パネルを示した正面図であり、図4(B)は、表示部を示した正面図であり、図4(C)は、切換操作部を示した正面図であり、図4(D)は、主変速レバーの把持を示した図であり、図5は、主変速レバーの構成を示した要部斜視図である。本発明のマルチ移植機は、前輪1,1及び後輪2,2によって支持された走行機体3と、該走行機体3の後方に昇降リンク4を介して昇降自在に連結されている植付作業機6と、走行機体3の側方側に配置された予備苗台9と、圃場に敷設されるマルチシート(以下、単にシート7a)をロール状にしたロール体(シートロール)7からシート7aを繰出して、該シート7aを圃場面側に敷設するシート敷設機構8とを備えている。
該走行機体3を支持する機体フレーム11には、前方側にボンネット12で囲繞されたエンジン(図示しない)が搭載されており、該エンジンの後方側には、作業者が乗込んで操向操作を行う操縦部13が設けられている。また、該操縦部13への乗降口となる昇降ステップ14の後方には、予備のロール体(図示しない)を走行機体3に沿って前後方向に沿わせた状態で支持する予備ロール支持装置16が設けられている。
さらに、該機体フレーム11は、ボンネット12の左右側方で前記予備苗台9が支持される門型の支持フレーム17が設けられており、該支持フレーム17側には、圃場面に敷設されたシート7aを走行機体3の前方左右外側で切断するカッタ部18を備えた切断装置20が左右一対設けられている。
該切断装置20は、カッタ部18を圃場面側のシートを切断可能な位置に下降作動した作用姿勢と、前記カッタ部部を上方揺動させた所定位置で収容した格納姿勢(非作用姿勢)との姿勢切換可能に構成され、左右のカッタ部18L,18Rの姿勢切換を個別に操作することができる(図3等参照)。該切断装置20の具体的な構成については後述する。
前記操縦部13は、作業者が着座する座席21と、前記前輪1を操向操作するステアリングハンドル22と、該ステアリングハンドル22の前方側に配置される操作パネル29,31と、ステアリングハンドル22の左右一方側(図示する例では左側)に設けた主変速レバー24と、ステアリングハンドル22の左右他方側(図示する例では右側)に設けた作業機レバー26とが設けられている。また、該作業機レバー26の左右外側には、走行状態に応じた変速域に変速操作する副変速レバー27と、エンジンの回転数を操作するコントロールレバー28とが左右に並べて設けられている(図4(A)参照)。
上記操作パネルは、ステアリングハンドル22の前方正面側に配置された表示部29と、ステアリングハンドル22の前方左側に配置された切換操作部31とを有している(図4(B)及び(C)参照)。
該表示部29は、燃料ゲージ32と、方向指示表示部33と、各種作業状態を報知する複数の報知ランプ34と、前記作業機レバーによって操作される植付作業機の上昇状態、固定状態、下降状態、植付作業を行う植付状態の何れの状態であるかをオペレータに報知する作業状態表示部36等が設けられている(図4(B)参照)。
上記切換操作部31は、作業準備スイッチ37や、走行機体の前照灯のON・OFFを操作する照明スイッチ38の他、前記切断装置20の左カッタ部18Lの昇降作動を操作する左カッター昇降スイッチ39Lと、前記切断装置20の右カッタ部18Rの昇降作動を操作する右カッター昇降スイッチ39Rとが設けられている。また、各カッター昇降スイッチ操作具近傍(具体的にはスイッチ操作具の左上)には、スイッチの操作状況を報知する報知ランプ41L,41Rが設けられている(図4(C)参照)。
具体的には、左カッター昇降スイッチ39Lの近傍に配置された左報知ランプ41Lは、左カッタ部18Lが作用姿勢に切換えられた場合には点灯し、該左カッタ部18Lが格納姿勢に切換えられた場合には消灯するように構成され、右カッター昇降スイッチ39Rの近傍に配置された右報知ランプ41Rは、右カッタ部18Rが作用姿勢に切換えられた場合には点灯し、該右カッタ部18Rが作用姿勢に切換えられた場合には消灯するように構成されている。
なお、該左右のカッター昇降スイッチ39L,39Rによって操作される前記カッタ部18の昇降作動は、後述する制御部50によるマルチカッターの昇降制御によって制御される。具体的には後述する。
上記主変速レバー24は、その上部に形成された把持部24aの内側に、前記作業機レバー26と同様の操作を実行できるスイッチ操作具40が設けられている。具体的には、前記主変速レバー24の把持部24a側に、植付作業機6の上昇作動を操作する作業機上昇スイッチ40Aと、植付作業機6の下降作動を操作する作業機下降スイッチ40Bとが上下に配置されており、作業者が主変速レバー24を把持しながら親指で押操作することができるように構成されている(図4(D)参照)。
また、上記主変速レバー24は、レバーの中途部を操作方向にガイドするガイド孔42aが穿設された板状のガイド部材42と、レバーの基端側が取付けられて左右内側が開放されたコ字状の支持ブラケット43と、該支持ブラケット43を前後揺動可能に支持する上下方向の揺動プレート44と、前記支持ブラケット43を左右揺動可能に支持する前後方向の揺動軸46と、該支持ブラケット43を介して主変速レバー24を左右内側方向に付勢する引張スプリング47と、前記支持ブラケット43の左右内側の上方側に支持された後進準備検出スイッチ48とを備え、該主変速レバー24が前後揺動操作されることにより、走行HST(図示しない)が操作されるように構成されている(図5参照)。
該構成の主変速レバー24は、前後方向中立位置から左右一方側(図示する例では右側)に傾けた状態(前進準備操作)から前方揺動操作されることにより、走行HSTを介して前進走行側への無段階の増速操作を行うことができるとともに、中立位置から左右他方側(図示する例では左側)に傾けた状態(後進準備操作)から後方揺動操作されることにより、走行HSTを介して後進走行側への無段階の増速操作を行うことができる(図4(A)及び図5参照)。
また、該主変速レバー24は、左右揺動可能な中立位置において前記引張スプリング47により前進準備操作された位置で付勢されており、該引張スプリング47の付勢力に抗して左右揺動されることによって後進準備操作されると、前記支持ブラケット43の上面に設けた板状の押部材49を介して前記後進準備検出スイッチ48が押操作されるように構成されている(図5参照)。
ちなみに、後述する制御部50は、前記後進準備検出スイッチ48によって、前記主変速レバー24による後進準備操作が検出された場合には、圃場面側に下降作動された前記切断装置20の左右のカッタ部18L,18Rを収容位置まで自動的に上昇作動させる後進時上昇制御が実行されるように構成されている。該制御部50の具体的な構成については後述する。
前記植付作業機6は、後方下側に向かって延設されてマット苗が載置される苗載台51と、該苗載台51の下端側から苗を掻き取って圃場側へ植付けるように回転駆動する植付部52とを備え、油圧シリンダの伸縮作動を介して走行機体3側に昇降可能に連結されている。
前記シート敷設機構8は、前記植付部52の前方側で前記ロール体7を横架収納するロール収納部53と、該ロール収納部53に収容されたロール体7から後方に向かって繰出されるシート7aをガイドするシートガイド54と、該シートガイド54の上方で上下揺動自在に吊下げられた2つの円筒体からなるローラフロート56と、該ローラフロート56の後方に吊下げられたシート鎮圧ローラ57と、ロール体7から繰出されたシート7aを切断するカッター装置58とを備えている。
上記ロール収納部53は、側方側に開閉可能な収納口が設けられるとともに、該収納口から前記ロール体7を出し入れ自在に収納して保持する円筒状に形成されており、前記植付部52の前方側に設けられている。
該ロール収納部53に収納されたロール体7から後方側に繰出されたシート7aは、前記シートガイド54上にガイドされるとともに、前記ローラフロート56及びシート鎮圧ローラ57によって上側から押さえられた状態で、随時圃場面側へと繰出される。また、該ローラ収納部53内のロール体7側から圃場面側に繰出されて敷設されたシート7aは、前記シート鎮圧ローラ57の後方に配置された前記カッター装置58によって切断される。
上記構成の移植機によれば、植付作業機6を圃場面側に降ろした状態で走行機体3を走行させると、前記ロール収納部53内のロール体7からシート7aを順次後方に繰出し、圃場面をシート7aで被覆することができる。これにより、前記植付作業機6は、植付部52によって苗載台51上のマット苗から苗を掻取り、圃場面を覆うように敷設されたシート7aの上から植付作業を行うことができる。
ちなみに、隣接する前工程で圃場面に敷設され、現工程の作業面上に張出しているシート7aは、前記切断装置20によって現工程の前輪1の前方左右外側で切断することができる。これにより、前工程で敷設されたシート7aの左右幅を調整することができるとともに、該シート7aを走行機体3が踏み荒らして敷設されたシートを破損させてしまう事態も効率的に防止することができる。該切断装置の具体的な構成について以下説明する。
次に、図1乃至7に基づいて、前記切断装置の具体的な構成について説明する。図6は、切断装置の内側を示した要部斜視図であり、図7は、切断装置全体を示した要部側面図である。
前記切断装置20は、圃場面に敷設されたシートを切断する左右一対のカッタ部18L,18Rと、各カッタ部18L,18Rを圃場面に作用させる作用姿勢と上方に収容された格納姿勢(非作用姿勢)とに切換える連係機構61と、該連係機構61を介して各カッタ部18L,18Rの姿勢切換を操作する一対の駆動モータ62L,62Rと、格納姿勢のカッタ部18L,18Rをカバーするカバー体63と、支持ブラケット64とを備え、該切断装置20は、支持ブラケット64を介して前記支持フレーム17側に支持されることにより、走行機体3の前部左右外側に左右一対設けられている。
前記支持ブラケット64は、門型の前記支持フレーム17に対して前後方向に架け渡されるように取付けられた複数(図示する例では3つ)のブラケットから構成されており、具体的には、支持フレーム17の後端側に取付けられた第1支持ブラケット64Aと、該第1支持ブラケット64Aに連結されて支持フレーム17の前後中央側に配置された第2支持ブラケット64Bと、該第2支持ブラケット64Bの前部側と支持フレーム17の前端側との間に配置される第3支持ブラケット64Cとから構成されている。
該第1支持ブラケット64Aと第2支持ブラケット64Bは、前記支持フレーム17の走行機体3内面側に配置され、前記第3支持ブラケット64Cは、前記支持フレーム17の走行機体3外面側に配置されている。特に、前記第1支持ブラケット64Aと第2支持ブラケット64Bとは、門型の支持フレーム17の上部に寄せて配置されることで、支持フレーム17の下部側に格納姿勢のカッタ部18L,18Rを視認するための視認部Sが形成されている(図7参照)。
前記連係機構61は、前記駆動モータ62によって押引き操作される連係ワイヤ66と、該連係ワイヤ66を前記支持ブラケット64側に取付け支持する固定部材67と、該連係ワイヤ66によって上下揺動可能に支持された支持アーム68とを備え、該連係ワイヤ66は、駆動モータ62側と支持アーム68側とを連結するインナワイヤ66Aと、該インナワイヤ66Aが挿通されるとともに固定部材67側に支持されるアウタワイヤ66Bとから構成されている。
具体的に説明すると、上記アウタワイヤ66Bの後端(駆動モータ62)側は、前記第2支持ブラケット64Bの走行機体3内側に固定されたアングル状のモータ側固定部材67Aによって取付固定され、該アウタワイヤ66Bの前端(支持アーム)側は、前記第3支持ブラケット64Cの走行機体3外面側に固定されたアングル状のアーム側固定部材67Bによって取付固定されている。また、該アウタワイヤ66Bは、その中途部で前記第3支持ブラケット64Cを左右方向に貫通するようにして配索されている(図6及び図7参照)。
上記インナワイヤ66Aは、その一端側が前記駆動モータ62に押引き操作可能となるように連結される一方で、その他端側が前記支持アーム68の基端側(揺動軸近傍)に連結されている。これにより、前記制御部50によって制御される前記駆動モータ62によってインナワイヤ66Aが押引き操作されることにより、前記カッタ部18L,18Rの姿勢切換が制御されるように構成されている。
上記支持アーム68は、走行機体の前端側から後方斜め下方に向かって傾斜するように設けられた棒状部材であって、該支持アーム68の上端側は、前記第3支持ブラケット64Cの下端側に支持されて前後方向に延設された支持体71の前部側に設けた揺動軸70に前後揺動可能に取付けられており、該支持アーム68の下端側には、前記カッタ部18が取付けられている。
このとき、該支持アーム68の上部側には、前後方向に延設された揺動連結部72の前端側が揺動可能に連結されており、該揺動連結部72の後部側は、前後方向の融通孔72aが穿設され、固定ピンを介して前記支持体71から下方向けて延設された固定板74側に連結されている。該揺動連結部72は、その前後方向中途部に前記インナワイヤ66Aの一端側に設けたワイヤ連結部73と融通孔73aを介して連結されている(図7参照)。
該構成により、前記支持アーム68は、前記駆動モータ62を介してインナワイヤ66Aが緩められると、前記カッタ部18の自重等によって下方揺動され、該支持アーム68が後方斜め下方に傾斜した状態で保持される。これにより前記カッタ部18が作用姿勢となる。
これに対し、前記支持アーム68は、前記駆動モータ62の駆動によってインナワイヤ66Aが巻き取られることによって、前記揺動連結部72が融通孔72aに沿って後方に引っ張られるため、支持アーム68を斜め上方側に向けて揺動作動させることができる。このとき、該支持アーム68は、前記揺動連結部72を後方斜め下方に傾斜させることによって前記支持体71と略平行となる位置まで上方揺動させることができる(図3参照)。これにより前記カッタ部が格納姿勢となる。
ちなみに、前記支持体71の後端側は、左右外側に屈曲形成されて前記カバー体76が取付けられており、該カバー体76によって、格納姿勢となったカッタ部18の左右外面側と上面側とを覆うことによって、格納姿勢のカッタ部18が走行機体の周囲で作業している作業者や障害物等に接触する事態を確実に防止することができる(図2及び図3参照)。
また、図2に示されるように、前記支持体71の前後方向中途部には、水平回動する板状のストッパー77が設けられており、前記カッタ部18が格納姿勢に切換えられた際に、該ストッパー77を左右外側に向けて水平回動させることにより、前記支持アーム68を下支えすることができるように構成されている。
該構成によれば、前記切断装置20を使用しない場合には、前記ストッパー77によって格納姿勢時の支持アーム68の下降作動を規制することができるため、前記カッター昇降スイッチ等を作業者が誤操作した場合であってもカッタ部18が作用位置に下降作動することを防止できる。
前記カッタ部18は、前記支持アーム68の下端側に軸支された円盤状のカッター78と、該カッター78の前方側に配置されて圃場面のシートを押える押圧ローラ部79と、前記カッター78の側方側に配置されて圃場面側に敷設されたシートを押える板状のガイド部81とを有している(図7参照)。
上記ガイド部81は、前記押圧ローラ部79のローラを支持する部材に取付け固定されており、前記カッター78の回転軸の前方から該カッター78の後方まで延設された板状部材であって、その後端側が上方に向かって湾曲するように屈曲形成されている。また、該ガイド部81は、圃場面側と接地する接地面は、前記押圧ローラ部の接地部よりも高い位置に設定されているため、走行機体3の前進走行時はシート7a上に接地しないように構成されている(図7参照)。
該構成によれば、前工程において圃場面に敷設されたシートを、前進走行時にシート状を軸回転する前記カッターを用いて切断するにあたり、切断作業中のカッター周りのシートが、前記カッター前方の前記押圧ローラ部によって押えられるため、前記切断装置20による圃場面に敷設されたシートの切断作業をよりスムーズにすることができる。
また、該ガイド部81によれば、仮にカッタ部18が作用姿勢のまま走行機体3の後進走行がされた場合であっても、ガイド部61後端の湾曲部分がシート上を滑ることでカッター78が圃場側に埋まって破損するという事態を効率的に防止できる。
ちなみに、前記支持アーム68の揺動軸70に設けた上支持片と、前記カッター78を軸支する回転軸に設けた下支持片との間を連結する連結杆75を設けたことによって、支持アーム68の下端側に取付けられる前記カッタ部(カッタ78、押圧ローラ部79、ガイド部81)18をより安定的に支持することができる(図3等参照)。
次に、図8乃至10に基づいて、前記制御部の構成について説明する。図8は、制御部のブロック図である。前記制御部50の入力側には、前記作業準備スイッチ37と、前記左カッター昇降スイッチ39Lと、右カッター昇降スイッチ39Rと、前記後進準備検出スイッチ48と、ポテンショメータやスイッチ等によって前記カッタ部18の昇降状態を検出する昇降状態検出手段55とが接続され、該制御部50の出力側には、作業者に警告音等で報知する報知ブザー82と、前記左報知ランプ41Lと、前記右報知ランプ41Rと、前記左駆動モータ62Lと、前記右駆動モータ62Rとが接続されている。
図9は、マルチカッターの昇降制御を示したフロー図である。マルチカッターの昇降制御が実行されると、ステップS1に進む。ステップS1では、前記左カッター昇降スイッチ39Lの操作があったか否かが確認され、前記左カッター昇降スイッチ39Lの押操作が検出された場合には、ステップS2に進む。
ステップS2では、前記昇降状態検出手段55により、左カッタ部18Lが作用姿勢(作業ポジション)であるか否かが確認され、左カッタ部18Lが作用姿勢であることが検出された場合には、ステップS3に進む。ステップS3では、前記左駆動モータ62Lによって前記左カッタ部18Lを作用姿勢から格納姿勢へと切換作動させ、前記左報知ランプ41Lを消灯させ、前記報知ブザー82による報知を行い、その後、ステップS4に進む。
また、ステップS2において、左カッタ部18Lが格納姿勢であることが検出された場合には、ステップS5に進む。ステップS5では、前記左駆動モータ62Lによって前記左カッタ部18Lを格納姿勢から作用姿勢へと切換作動させ、前記左報知ランプ41Lを点灯させ、前記報知ブザー82による報知を行い、その後、ステップS4に進む。
なお、ステップS1において、左カッター昇降スイッチ39Lの押操作が検出されなかった場合には、その後、ステップS4に進む。
ステップS4では、前記右カッター昇降スイッチ39Rの操作があったか否かが確認され、前記右カッター昇降スイッチ39Rの押操作が検出された場合には、ステップS6に進む。
ステップS6では、前記昇降状態検出手段55により、右カッタ部18Rが作用姿勢(作業ポジション)であるか否かが確認され、右カッタ部18Rが作用姿勢であることが検出された場合には、ステップS7に進む。ステップS7では、前記右駆動モータ62Rによって前記右カッタ部18Rを作用姿勢から格納姿勢へと切換作動させ、前記右報知ランプ41Rを消灯させ、前記報知ブザー82による報知を行い、その後、リターンする。
また、ステップS6において、右カッタ部18Rが格納姿勢であることが検出された場合には、ステップS8に進む。ステップS8では、前記右駆動モータ62Rによって前記右カッタ部18Rを格納姿勢から作用姿勢へと切換作動させ、前記右報知ランプ41Rを点灯させ、前記報知ブザー82による報知を行い、その後、リターンする。
なお、ステップS4において、右カッター昇降スイッチ39Rの押操作が検出されなかった場合には、その後、リターンする。
すなわち、前記制御部50は、左カッター昇降スイッチ39Lによって左側のカッタ部18Lのみを昇降作動させて姿勢切換することができ、右カッター昇降スイッチ39Rによって右側のカッタ部18Rのみを昇降作動させて姿勢切換することができるため、前記切断装置によって既設シートの端部を切断する条合わせをスムーズ且つ容易に行うことができる。
また、左右のカッタ部18L,18Rの姿勢は、前記カッター昇降スイッチ39近傍の各報知ランプ41の明滅状況や、報知ブザー82による報知音の他、前記視認部Sからの目視等で確認できるため、カッタ部18の姿勢をスムーズに確認することができる。
図10は、マルチカッターの後進上昇制御を示したフロー図である。マルチカッターの後進上昇制御が実行されると、ステップS11に進む。ステップS11では、前記後進準備検出スイッチ48によって主変速レバー24の後進準備操作があったか否かが確認され、前記後進準備検出スイッチ48の押操作が検出された場合には、ステップS12に進む。
ステップS12では、前記昇降状態検出手段55によって左カッタ部18Lが作用姿勢(作業ポジション)であるか否かが確認され、左カッタ部18Lが作用姿勢であることが検出された場合には、ステップS13に進む。
ステップS13では、前記左駆動モータ62Lによって前記左カッタ部18Lを作用姿勢から格納姿勢へと切換作動させ、前記左報知ランプ41Lを消灯させ、前記報知ブザー82による報知を行い、その後、ステップS14に進む。また、ステップS12において、左カッタ部18Lが格納姿勢であることが検出された場合には、その後、ステップS14に進む。
ステップS14では、前記昇降状態検出手段55によって右カッタ部18Rが作用姿勢(作業ポジション)であるか否かが確認され、右カッタ部18Rが作用姿勢であることが検出された場合には、ステップS15に進む。
ステップS15では、前記右駆動モータ62Rによって前記右カッタ部18Rを作用姿勢から格納姿勢へと切換作動させ、前記右報知ランプ41Rを消灯させ、前記報知ブザー82による報知を行い、その後、リターンする。
また、ステップS14において、右カッタ部18Rが格納姿勢に操作されていることが検出された場合には、その後、リターンする。
また、ステップS11において、主変速レバー24の後進準備操作が検出されなかった場合には、その後、リターンする。
該構成により、前記制御部50は、前記主変速レバー24の後進準備操作が検出されることによって、左右の前記カッタ部18L,18Rを確実に格納姿勢へと切換えることができるため、主変速レバー24が実際に後進操作される前に、前記カッタ部18を格納姿勢へと切換えることができる。
これにより、前進走行による既設シートの切断作業を実行し終わった後に、作業者が前記カッタ部18を格納姿勢へ切換操作をし忘れることによって、カッタ部18が作用姿勢の状態のまま後進走行され、圃場面を荒らしたり、前記カッタ部18が意図しない箇所の既存シートを切断したりする事態を防止することができ、更には前記支持アーム68側に、前記切断装置20の破損につながるような意図しない方向からの荷重が掛かることを防止することができる。
3 走行機体
6 植付作業機
7a シート
8 シート敷設装置
18 カッタ部
20 切断装置
24 主変速レバー(操作具)
39 カッター昇降スイッチ(切換操作具)
50 制御部(連動手段)
68 支持アーム
62 駆動モータ(アクチュエータ)
6 植付作業機
7a シート
8 シート敷設装置
18 カッタ部
20 切断装置
24 主変速レバー(操作具)
39 カッター昇降スイッチ(切換操作具)
50 制御部(連動手段)
68 支持アーム
62 駆動モータ(アクチュエータ)
Claims (2)
- 圃場にシート(7a)を敷設する移植機であって、
走行機体(3)と、
前進走行時にシートロールからシート(7a)を繰出して前記走行機体(3)の後方にシート(7a)を敷設するシート敷設装置(8)と、
前記走行機体(3)の後部に連結され且つ敷設されたシート(7a)の上から植付作業を行う植付作業機(6)と、
既に圃場に敷設されたシート(7a)であって且つ平面視で走行機体(3)の側方に位置する既設シート(7a)の左右幅方向の端部側を、前記走行機体(3)の前進走行に伴って切断する切断装置(20)とを備え、
前記切断装置(20)は、昇降可能に設けられて圃場面側に作用する作用姿勢と、上昇作動された非作用姿勢とに切換えられるカッタ部(18)を有し、該カッタ部(18)の姿勢切換が切換操作具(39)によって切換可能に構成され、
走行機体(3)の前後進切換を行う操作具(24)による後進切換操作に連動して前記カッタ部(18)を非作用姿勢とする連動手段(50)を設けた
ことを特徴とする移植機。 - 前記切断装置(20)は、上記走行機体(3)側から後方斜め下方を向いた状態で上下揺動可能に該走行機体(3)側に支持された支持アーム(68)と、該支持アーム(68)の下端部に設けられた前記カッタ部(18)とを有し、該カッタ部(18)が安定的に圃場面に接地するように構成され、
前記支持アーム(68)を介して前記カッタ部(18)を昇降作動させるアクチュエータ(62)と、
制御部(50)とを設け、
前記制御部(50)は、前記操作具(24)による後進切換操作が検出された場合には、前記カッタ部(18)を非作用姿勢に切換える後進上昇制御が実行可能に構成された
請求項1に記載の移植機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017205281A JP2019076015A (ja) | 2017-10-24 | 2017-10-24 | 移植機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017205281A JP2019076015A (ja) | 2017-10-24 | 2017-10-24 | 移植機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019076015A true JP2019076015A (ja) | 2019-05-23 |
Family
ID=66626058
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017205281A Pending JP2019076015A (ja) | 2017-10-24 | 2017-10-24 | 移植機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019076015A (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63174617U (ja) * | 1987-03-26 | 1988-11-14 | ||
JPH07147846A (ja) * | 1993-11-30 | 1995-06-13 | Mitsubishi Agricult Mach Co Ltd | マルチ田植機のマルチシート切断装置 |
JPH11313516A (ja) * | 1999-03-24 | 1999-11-16 | Kubota Corp | 乗用作業機 |
US6094858A (en) * | 1996-03-01 | 2000-08-01 | Shine; Samuel James | Apparatus for dispensing and laying a sheet of film material |
JP2005021009A (ja) * | 2003-06-30 | 2005-01-27 | Mitsubishi Agricult Mach Co Ltd | マルチ移植機におけるシートの切断装置 |
-
2017
- 2017-10-24 JP JP2017205281A patent/JP2019076015A/ja active Pending
Patent Citations (5)
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Legal Events
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A977 | Report on retrieval |
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