JP2009171926A - 苗移植機 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡潔な構成で2人での移植作業と1人での移植作業の両方が行なえ、然も、作業者が苗収容体に苗を補給する作業が容易に行なえるようにした苗移植機を提供することを課題とする。
【解決手段】前進方向に向かって左右に走行推進体6を配置し、車体の左右に左右苗供給装置4を備え、該苗供給装置4から各々供給される苗を圃場に植え付ける左右苗植付装置3を備えた苗移植機において、該左右苗供給装置4に対向して車体左右方向に2人の作業者が着座できる作業者用座席70を設け、左右苗供給装置4を各々平面視で車体左右方向に直線状に移動する直線移動部Aを設けたループ軌跡を移動する複数の苗収容体29で構成すると共に、該左右苗供給装置4の各直線移動部Aを作業者用座席70に対向して車体左右方向に一直線又は略一直線状に配置した苗移植機。
【選択図】図2
【解決手段】前進方向に向かって左右に走行推進体6を配置し、車体の左右に左右苗供給装置4を備え、該苗供給装置4から各々供給される苗を圃場に植え付ける左右苗植付装置3を備えた苗移植機において、該左右苗供給装置4に対向して車体左右方向に2人の作業者が着座できる作業者用座席70を設け、左右苗供給装置4を各々平面視で車体左右方向に直線状に移動する直線移動部Aを設けたループ軌跡を移動する複数の苗収容体29で構成すると共に、該左右苗供給装置4の各直線移動部Aを作業者用座席70に対向して車体左右方向に一直線又は略一直線状に配置した苗移植機。
【選択図】図2
Description
本発明は、圃場に苗を植付ける苗移植機に関するものである。
従来、下記特許文献1に示されるように、回転自在の左右一対の前輪と該前輪の後側で上下動可能な左右一対の駆動車輪とを備えた走行車体と、該走行車体の後部に設けた歩行操縦用の操縦ハンドルと、圃場に苗を植付ける左右苗植付け体と、該左右苗植付け体の各々に苗を供給する左右苗供給装置と、該左右苗供給装置の各々に苗を補給する作業を行う作業者が座る左右作業者用座席とを備えた苗移植機がある。
特開2007−80号公報
上記特許文献1に記載された苗移植機の左右苗供給装置は、複数の苗収容体を車体前後方向に長い平面視で楕円状のループ軌跡を移動させて苗植付け体に苗を供給する構成で、車体に搭乗する2人の作業者が左右苗供給装置の各々に対向して設けた左右作業者用座席に各々着座して左右苗供給装置に各々苗を補給する構成である。従って、作業者が2人いないと移植作業が行えず、然も、車体前後方向に長い平面視で楕円状のループ軌跡を移動する苗収容体からなる苗供給装置に斜め方向から苗を補給する構成であるから、苗供給装置の苗収容体は作業者用座席に着座した作業者の前を円弧状の軌跡で移動する為に、作業者が苗収容体に苗を補給し難いという課題もあった。
そこで、本発明は、簡潔な構成で2人での移植作業と1人での移植作業の両方が行なえ、然も、作業者が苗収容体に苗を補給する作業が容易に行なえるようにした苗移植機を提供することを課題とする。
請求項1記載の発明は、前進方向に向かって左右に走行推進体6,6を配置し、車体の左右に左右苗供給装置4,4を備え、該苗供給装置4,4から各々供給される苗を圃場に植付ける左右苗植付装置3,3を備えた苗移植機において、該左右苗供給装置4,4に対向して車体左右方向に2人の作業者が着座できる作業者用座席70を設け、左右苗供給装置4,4を各々平面視で車体左右方向に直線状に移動する直線移動部A,Aを設けたループ軌跡を移動する複数の苗収容体29…で構成すると共に、該左右苗供給装置4,4の各直線移動部A,Aを作業者用座席70に対向して車体左右方向に一直線又は略一直線状に配置した苗移植機としたものである。
従って、2人での移植作業を行なう時には、作業者用座席70に左右に作業者が2人並んで座り、左側に座った作業者は左苗供給装置4に苗を補給し、右側に座った作業者は右苗供給装置4に苗を補給することができるので、苗補給作業が効率良く行なえて、作業性が良い。また、1人での移植作業を行なう時には、作業者用座席70に1人の作業者が座り、左右苗供給装置4,4に苗を補給して苗移植作業を行なうことができる。
そして、2人での移植作業又は1人での移植作業の何れの作業形態でも、左右苗供給装置4,4が各々平面視で車体左右方向に直線状に移動する直線移動部A,Aを設けたループ軌跡を移動する複数の苗収容体29…で構成されている共に、該左右苗供給装置4,4の各直線移動部A,Aが作業者用座席70に対向して車体左右方向に一直線又は略一直線状に配置されているので、作業者用座席70に座って左右苗供給装置4に向かって苗補給作業を行なう作業者は、この作業者用座席70に対向して車体左右方向に一直線又は略一直線状に配置された左右苗供給装置4,4の各直線移動部A,Aにおいて容易に且つ作業効率良く左右苗供給装置4の苗収容体29…に苗補給することができ、苗移植作業が容易に且つ効率良く行なえる。
請求項2記載の発明は、左右苗植付装置3,3の各苗植付け体25,25が畝Uに苗を植付ける位置をアクチュエータ38,38にて車体左右方向に変更自在に設けた請求項1記載の苗移植機としたものである。
従って、請求項1記載の発明の作用に加えて、苗移植作業時に左右苗植付装置3,3の各苗植付け体25,25が各々畝Uの左右方向中央位置に苗を植付けるようにアクチュエータ38,38を作動させて調整することができ、畝Uの左右方向中央位置に苗を植付けることができるので、植付けられた苗は適正に生育する。
請求項3記載の発明は、苗を植付ける畝Uの左右中央位置を検出する畝中央位置検出機構Bを設けて、該畝中央位置検出機構Bによって検出した畝Uの中央位置に苗を植付けるようにアクチュエータ38により苗植付け体25の畝Uに苗を植付ける位置を変更させる制御装置CPUを設けた請求項2記載の苗移植機としたものである。
従って、請求項1記載の発明の作用に加えて、畝中央位置検出機構Bによって検出した畝Uの中央位置に苗を植付けるようにアクチュエータ38により苗植付け体25の畝Uに苗を植付ける位置を変更させる制御装置CPUを設けたので、自動的に左右苗植付装置3,3の各苗植付け体25により畝Uの中央位置に苗が植付けられ、植付けられた苗は適正に生育する。
本発明によれば、2人での移植作業と1人での移植作業の両方が作業性良く行なえ、然も、作業者が左右苗供給装置4,4の各々の苗収容体29…に苗を補給する作業が容易に行なえて、適正な移植作業が行なえ作業効率も良い。
この発明の一実施例としての苗移植機を図面に基づいて説明する。
図1は苗移植機の側面図であり、図2は車体上方部を示す平面図であり、図3は車体下方部を示す平面図である。なお、以下の説明では、苗移植機が前進する方向に向かって左右方向をそれぞれ左、右といい、操縦ハンドル2を配置した側を後とし、その反対側、即ちエンジン5を配置した側を前とする。図4にはエンジン動力の後輪への動力伝達線図を示す。
図1は苗移植機の側面図であり、図2は車体上方部を示す平面図であり、図3は車体下方部を示す平面図である。なお、以下の説明では、苗移植機が前進する方向に向かって左右方向をそれぞれ左、右といい、操縦ハンドル2を配置した側を後とし、その反対側、即ちエンジン5を配置した側を前とする。図4にはエンジン動力の後輪への動力伝達線図を示す。
苗移植機は、前進走行可能とする走行車体1と、該走行車体1の後部に設けた歩行操縦用の操縦ハンドル2と、圃場に苗を植付ける苗植付装置3と、該苗植付装置3に苗を供給する苗供給装置4を備えた構成としている。
走行車体1は、図示例では、エンジン5と、該エンジン5の動力が主クラッチ85及び左右のサイドクラッチ86L,86Rを経由して駆動回転する左右一対の駆動車輪である走行推進体としての後輪6,6と、該後輪6,6の前側の車体側面視でエンジン5下方位置に転動自在に支持した4個の前輪7a,7a,7b,7bとを備えている。左右一対の後輪6,6は、その左右間隔が圃場の2つの畝Uを跨ぐ幅に配置されている。そして、前輪7a,7a,7b,7bは、後輪6,6が跨ぐ2つの畝Uの各畝Uを跨ぐように右側の一対の前輪7a,7aと左側の一対の前輪7b,7bとから構成されている。即ち、右側の一対の前輪7a,7aは、後輪6,6が跨ぐ2つの畝Uの右側の畝Uを跨ぐように配置され、左側の一対の前輪7b,7bは、後輪6,6が跨ぐ2つの畝Uの左側の畝Uを跨ぐように配置されている。
そして、右側の一対の前輪7a,7aの具体的構成は、各前輪7a,7aを遊転自在に支持した車軸17,17を連結する支持アーム16aを車体に設けた支持筒16bにて左右移動自在に設けており、右側の一対の前輪7a,7aは跨いでいる畝Uに沿って左右に移動自在に支持されている。そして、支持筒16bに支持アーム16aの左右移動位置を検出する位置検出センサ16cを設けて、右側の一対の前輪7a,7aが車体左右方向でどの位置にあるかを検出できる構成としている。また、左側の一対の前輪7b,7bの具体的構成も同様で、各前輪7b,7bを遊転自在に支持した車軸17,17を連結する支持アーム16aを車体に設けた支持筒16bにて左右移動自在に設けており、左側の一対の前輪7b,7bが跨いでいる畝Uに沿って左右に移動自在に支持されている。そして、支持筒16bに支持アーム16aの左右移動位置を検出する位置検出センサ16cを設けて、左側の一対の前輪7b,7bが車体左右方向でどの位置にあるかを検出できる構成としている。即ち、左右の各畝Uが車体に対して左右方向で何処にあるかを検出できる構成、即ち、畝Uの左右方向中央位置を検出できる畝中央位置検出機構Bを構成している。
エンジン5の後部にはミッションケース8を配置し、そのミッションケース8は、その左側部からエンジン5の左側方に延びるケース部分を有し、これがエンジン5の左側部と連結している。このケース部分にエンジン5の出力軸が入り込んでミッションケース8内の伝動機構に動力が伝達する構成となっている。ミッションケース8の左右両側部には、前後に長い走行用の伝動ケース9,9の前部を回動自在に取り付けている。具体的には、走行用の伝動ケース9,9の前部の車体内側部に、該伝動ケース9,9と一体回転可能に設けたアクスルケース9a,9aを設け、このアクスルケース9a,9aをミッションケース8の左右両側部に回動自在に取付けて、走行用の伝動ケース9,9をミッションケース8の左右両側部に対して回動自在に取付けている。
そして、この走行用の伝動ケース9,9の後部側方に突出させた車軸10、10に後輪6,6を装着している。伝動ケース9,9の前部の回動軸心X位置には、ミッションケース8から左右両外側方に延出させた車輪駆動軸8a,8aの先端が入り込んで、ミッションケース8内の走行系変速伝動部を経た走行用の動力が伝動ケース9,9内の伝動機構に伝達される。そして、走行用の動力は伝動ケース9,9内の伝動機構を介して、伝動ケース9,9の後端側の車軸10,10に伝動し、後輪6,6が駆動回転するようになっている。
なお、アクスルケース9a,9aは、畝幅に対応して左右に伸縮調節可能に設けている。また、アクスルケース9a,9aを支持するために、アクスルケース9a,9aと略平行する状態で支持フレーム9b、9bをミッションケース8に固着していて、その支持フレーム9b、9bの外端部に固着した支持プレート9c、9cでアクスルケース9a,9aの外側部を回動自在に支持している。
また、走行用の伝動ケース9,9には、該伝動ケース9,9の前部側を回動支点として後輪6,6を上下させるよう上下回動する駆動手段が連結している。具体的には、伝動ケース9,9のミッションケース8への取付部には、上方に延びるアーム11,11を一体的に取り付けていて、これがミッションケース8に固定された昇降用油圧シリンダ12のピストンロッド先端に取り付けた連結体13の左右両側部と連結している。左右一方側(右側)は、ロッド14で連結し、他方側(左側)は、車体の傾斜に応じて伸縮作動可能な左右水平制御用油圧シリンダ15で連結している。
昇降用油圧シリンダ12が作動して、そのピストンロッドが車体後方に突出すると、左右の前記アーム11,11は後方に回動し、これに伴い伝動ケース9,9が下方に回動して車体が上昇する。反対に、昇降用油圧シリンダ12のピストンロッドが車体前方に移動してシリンダ内に引っ込むと、左右の前記アーム11,11は前方に回動し、これに伴い伝動ケース9,9が上方に回動して、車体が下降する。この昇降用油圧シリンダ12は畝面に接地して車体と畝面との上下間隔の変動にともなって動作するセンサーSによって作動する。センサーSの動作は車体に対する畝上面高さを検出する動作となり、そのセンサーSの検出動作に基いて車体を畝Uの上面高さに対して設定高さになるよう昇降用油圧シリンダ12が作動するよう構成している。また、操縦ハンドル2近傍に配置した植付昇降レバー21の人為操作によって、車体を上昇或は下降させるよう昇降用油圧シリンダ12が作動する構成としている。
また、前記左右水平制御用油圧シリンダ15が伸縮作動すると、その左右水平制御用油圧シリンダ15と連結する左側のアーム11が回動して、左側の後輪6と右側の後輪6を互いに異なる高さにし、車体を左右に傾斜させる。この左右水平制御用油圧シリンダ15は、左右水平に対する車体の左右傾斜を検出するセンサの検出結果に基づいて車体を左右水平になるように作動するよう構成している。
前記操縦ハンドル2は、車体後部に設けていて、後輪6,6の車軸10,10より車体後方に位置している。具体的には、ミッションケース8に前端部を固定した車体フレーム2bの後端部に取り付けている。車体フレーム2bは、車体の左右中央から後方に延び、また、前後中間部から斜め後上方に延びている。操縦ハンドル2は、車体フレーム2bの後端部から左右に後方に延びてその各後端部を操縦ハンドル2のグリップ部2a,2aとしている。操縦ハンドル2の左右のグリップ部2a,2aは、作業者がそのグリップ部2a,2aを楽に手で握れるように適宜高さに設定する。なお、図例ではグリップ部2a,2aを左右に分かれた構成としているが、操縦ハンドル2の左右の後端部を互いに左右に連結してその連結部分をグリップ部としても良い。
なお、上記走行車体1は接地して駆動回転する走行駆動部を前後車輪7,6を備えた走行駆動部の構成としたものであるが、クローラー式の走行駆動部の構成とすることもできる。
尚、植付昇降レバー21の人為操作によって、昇降用油圧シリンダ12にて左右後輪6,6を下降させて(車体を上昇させて)、車体後端部に設けたハンドル2を作業者が降車状態で把持して車体前方を浮かせて車体を旋回させることができる。
図5には苗植付装置3と苗供給装置4部分の側面図を示す。図6は伝動ケースを一部展開し断面開示した苗植付装置3の背面図、図7は苗収容体29の連結構成を示す斜視図である。
苗植付装置3は先端が下方に向かうくちばし状の苗植付け体25と、該苗植付け体25の下端部が圃場面より上方となる位置と圃場面より下方となる位置とに苗植付け体25を上下動させる上下動機構26と、くちばし状の苗植付け体25の下端部が閉じて上方から苗を受け入れて内側に苗を収容可能にする閉状態と苗植付け体25の下端部が前後に開いて内側に収容した苗を下方に放出可能にする開状態とに苗植付け体25を開閉する開閉機構27とを備え、苗供給装置4は苗を上方から受け入れて内側に苗を収容する複数の苗収容体29と、該苗収容体29を苗植付け体25の上方を通過するように周回移動させる移動機構30と、苗植付け体25の上方位置で苗収容体29の底部を開放して内側に収容した苗を落下させて苗植付け体25に苗を供給する開放機構31を備えている。
苗植付装置3は、苗植付け体25を左右に設定間隔で複数体並べて配備した複数条植の構成としている。本例では、苗植付け体25を左右に2体並べて配備した2条植えの構成としている。
2体の苗植付け体25,25は、車体フレーム2bに下部を固定した取付部材32の上部に装着した伝動ケース28の左右両側部に設けた上下動機構26,26に1体づつ装着している。先端が下方に向いたくちばし状の苗植付け体25,25の前側苗植付け体25F,25Fの上部で後側にのびる左右のアーム部25Fa,25Faの後端部を後側の苗植付け体支持軸34に回動自在に取付け、後側苗植付け体25R,25Rの上部で前側にのびる左右のアーム部25Ra,25Raの前端部を前側の苗植付け体支持軸33に回動自在に取付け、前側苗植付け体25F,25Fのアーム部25Fa,25Faと後側苗植付け体25R,25Rのアーム部25Ra,25Raのそれぞれ前後中間部では、一方側のアーム部に設けた横方向のピン25a、25aを他方側のアーム部に設けた左右方向の長孔25b,25bに係合させている。前後の苗植付け体支持軸33,34の左右両端部は、連結部材35,35で連結している。そして、前後の苗植付け体支持軸33,34の左右中間部はそれぞれ苗ガイド連結部材36,36を介して、苗を苗植付け体25内に案内する筒状の苗ガイド37に連結している。更に、苗ガイド37は、上下動機構26の上下の昇降リンク40a,40bの各先端部を上下に連結している連結部材39に基部を固定した車体左右方向に伸縮作動する電動シリンダ38の先端部に固定されている。後側苗植付け体25R,25Rのアーム部25Ra,25Raが前側の苗植付け体支持軸33回りに上方に回動すると、前記ピン25a、25aによる連結によって前側苗植付け体25F,25Fのアーム部25Fa,25Faも連動して上方に回動し、そのため、前側苗植付け体25F,25Fは、後側の苗植付け体支持軸34回りの回動により、前方に移動し、後側苗植付け体25R,25Rは、前側の苗植付け体支持軸33回りの回動によって後方に移動し、その結果、苗植付け体25,25の下部側が前後に開いて下方に開放状態となる。また、逆の動作によって、前後に開いた苗植付け体25,25の下部側は閉じる。
前記苗ガイド37は、苗供給装置4から供給された苗を苗植付け体25内に案内する筒状体であり、上部には、苗供給装置4の苗落下部下方に向ってのびる上部ガイド37aを設けている。これにより、苗植付け体25が苗供給装置4の苗落下部下方からずれて位置していても、苗供給装置4から落下供給される苗を適確に苗植付け体25内に供給することができる。
苗植付け体25,25の上下動機構26は、伝動ケース28の左右両側部に設けている。具体的には、車体フレーム2bには取付部材32が立設され、該取付部材32の上部に固着した伝動ケース28の左右側方に突出させた軸に前部を上下回動自在に装着し後部を苗植付け体25,25に連結した上側と下側の昇降リンク40a,40bと、伝動ケース28の側部から突出させた駆動回転する駆動軸41と、該駆動軸41の先端部に一端側を一体回転するように取付けた駆動アーム42と、該駆動アーム42の回転外周側端部と前記上側の昇降リンク40aとに回動自在に連結する連動アーム42aとで構成している。そして、上側と下側の昇降リンク40a,40bの各後端部を前記苗植付け体支持軸33,34の左右中間部付近に取付けた連結部材39に回動自在に取付け、上側と下側の昇降リンク40a,40bと伝動ケース28と連結部材39とでリンク機構を形成するように設けている。従って、駆動軸41の回転により駆動アーム42が駆動回転すると、前記昇降リンク40a,40bが伝動ケース28の左右側部に設けた二つの軸40aS,40bSを回動中心に上下動して、左右の苗植付け体25,25が上下動する。この上下動の上昇位置では苗植付け体25の下端部が圃場面より上方に位置し、下降位置では苗植付け体25の下端部が圃場面より下方に位置する。
また、この苗移植機では、苗植付け体25,25を昇降する上下動機構26を、第一軸40aS回りに昇降駆動される第一昇降リンク40aと、該第一昇降リンク40aの下側で第二軸40bS回りに昇降自在に設けた第二昇降リンク40bと、該第一昇降リンク40a及び第二昇降リンク40bの各先端部を連結する連結部材39とで構成し、該連結部材39と苗植付け体25,25を連結して苗植付け体25,25を昇降する構成とし、前記第一軸40aSを、伝動ケース28内の伝動機構を介して伝達された動力により回転駆動される回転軸40aRの先端部に偏芯状態で形成し、該回転軸cの回転によって回転軸40aRの軸芯を中心として偏芯量を半径として回転駆動される構成とし、前記第一昇降リンク40aの昇降駆動中に前記回転軸40aRが回転駆動することにより苗植付け体25をその昇降動中に前後に傾けるように構成している。そして、苗植付け体25,25の昇降軌跡上部側での上昇時の姿勢を、直立姿勢に対して下部が上部より後側になる前倒姿勢となるように設定している。また、苗植付け体25,25の下降時の姿勢を直立姿勢に対して下部が上部より前側になった後倒姿勢となるように設定し、下降下端位置で後倒姿勢から前倒姿勢に姿勢変更するように設け、前記苗植付け体25…の上昇時の姿勢を直立姿勢に対して下部が上部より後側になった前倒姿勢となるように設定している。
苗植付け体25,25の開閉機構27は、後側苗植付け体25R,25Rの上部で後側にのびる開閉用アーム部25Rb,25Rbの先端部を各苗植付け体25,25において設け、一方、上側の昇降リンク40aの基部を枢着している軸40aRに回動自在に取付けた作動アーム44を設け、この作動アーム44の先端部を長さ調節可能な連結ロッド45で連結し、そして、作動アーム44が、駆動軸41の駆動回転中に、該駆動軸41に一体回転するよう取付けたカム46の作用を受けて、設定したタイミングで苗植付け体25,25に対して上昇動作するようにして構成している。これにより、駆動軸41が駆動回転して苗植付け体25,25が上下動すると、作動アーム44も苗植付け体25,25と共に上下回動し、そして、苗植付け体25,25の下降下端位置に達すると、カム46の作用位置の変化により作動アーム44が苗植付け体25,25に対して上昇動作し、これにより、後側苗植付け体25R,25Rが前側の苗植付け体支持軸33回りに回動して後方に移動し、また、これに連動して前側苗植付け体25F,25Fが後側の苗植付け体支持軸34回りに回動して前方に移動して、苗植付け体25,25の下部側が前後に開いて下方に開放状態となる。そして、苗植付け体25,25が上昇してカム46の作用位置の変化により作動アーム44が苗植付け体25,25に対して元の位置に下降動作して、前後に開いた苗植付け体25,25の下部側が閉じる。
そして、前記の右側の一対の前輪7a,7aの位置を検出する位置検出センサ16cにて右側の一対の前輪7a,7aが跨いでいる右畝Uの車体に対する位置が検出できるので、制御装置CPUにて制御してその検出した右畝Uの左右中央位置に上記の右側苗植付け体25が苗を植付けるように電動シリンダ38を車体左右方向に伸縮作動させて、右側苗植付け体25が下動して右畝Uに苗を植付ける時に右畝Uの左右中央位置に右側苗植付け体25が移動して苗を右畝Uの左右方向中央位置に苗を植付ける。そして、右側苗植付け体25は、上動する時に電動シリンダ38が車体左右方向に伸縮作動して、元の右苗供給装置4の苗収容体29の苗落下供給位置まで戻る。
同様に、左側の一対の前輪7b,7bの位置を検出する位置検出センサ16cにて左側の一対の前輪7b,7bが跨いでいる左畝Uの車体に対する位置が検出できるので、制御装置CPUにて制御してその検出した左畝Uの左右中央位置に上記の左側苗植付け体25が苗を植付けるように電動シリンダ38を車体左右方向に伸縮作動させて、左側苗植付け体25が下動して左畝Uに苗を植付ける時に左畝Uの左右中央位置に左側苗植付け体25が移動して苗を左畝Uの左右方向中央位置に苗を植付ける。そして、左側苗植付け体25は、上動する時に電動シリンダ38が車体左右方向に伸縮作動して、元の左苗供給装置4の苗収容体29の苗落下供給位置まで戻る。
従って、苗を畝Uの左右方向中央位置に植付けることができ、苗の生育が良い。
本実施例では苗を畝に植付ける際に、苗植付け体25の開くタイミングで、苗植付け体25の最下端において、その両端部の幅が30〜40mmになるまで一気に開き、苗植付け体25がそこから50〜60mm上方に移動する間、その開き状態30〜40mmを確保する。このような構成にすることで上昇する苗植付体25の下端部が閉じることにより植付けられた苗の葉を挟むようなことを防止する効果がある。
本実施例では苗を畝に植付ける際に、苗植付け体25の開くタイミングで、苗植付け体25の最下端において、その両端部の幅が30〜40mmになるまで一気に開き、苗植付け体25がそこから50〜60mm上方に移動する間、その開き状態30〜40mmを確保する。このような構成にすることで上昇する苗植付体25の下端部が閉じることにより植付けられた苗の葉を挟むようなことを防止する効果がある。
上記の実施例では、畝U位置を検出する機構を設けて、苗植付け体25,25が苗を畝Uに植付ける時に自動的に電動シリンダ38により畝Uの中央位置に苗植付け体25,25が移動するように構成したが、作業者が畝Uの位置を確認して手動により電動シリンダ38を作動させて畝Uの中央位置に苗植付け体25,25が移動するように構成しても良い(更に、自動及び手動切替え装置を設けても良い)。
また、畝中央位置検出機構Bの他の例として、マルチフィルムを敷設した圃場での移植作業においては、マルチフィルムの中央部に白線が付けられているので、そのマルチフィルムの白線を検出するセンサを苗植付け体25に設けて、苗植付け体25が下動して畝Uに苗を植付ける時にマルチフィルム中央部の白線部に苗を植付けるように制御装置CPUにて制御して電動シリンダ38を伸縮作動させて苗を畝Uの左右方向中央位置に植付ける構成としても良い。
更に、畝中央位置検出機構Bの他の例として、苗植付け体25に畝Uの形状若しくは高さを検出するセンサを設けて、畝Uの形状若しくは高さ(畝Uの左右中央部が最も高い)を認識して、制御装置CPUにて制御して電動シリンダ38を伸縮作動させて苗を畝Uの左右方向中央位置に植付ける構成としても良い。
更に、電動シリンダ38を伸縮作動による苗植付け体25の左右移動に伴って覆土鎮圧輪80…も同方向に同距離だけ移動させる構成にすると、更に、植付け性能が良くなる。
また、電動シリンダ38の伸縮作動により苗植付け体25を左右方向に移動させる距離が大きい場合には、自動的に車体の前進速度を遅くして(アクセルダウン若しくは自動減速変速)、適正に苗が畝Uの左右方向中央位置に植付けられる構成としても良い(尚、苗植付け体25を左右方向に移動させる距離が小さくなれば、前進速度を自動的に元の速度に戻すようにすると良い)。
また、電動シリンダ38の伸縮作動により苗植付け体25を左右方向に移動させる距離が大きい場合には、自動的に車体の前進速度を遅くして(アクセルダウン若しくは自動減速変速)、適正に苗が畝Uの左右方向中央位置に植付けられる構成としても良い(尚、苗植付け体25を左右方向に移動させる距離が小さくなれば、前進速度を自動的に元の速度に戻すようにすると良い)。
尚、苗植付け体25を左右方向に移動させる機構は、電動シリンダ以外に電動モータや油圧シリンダ等の如何なるアクチュエータでも良い。
伝動ケース28を車体フレーム2bに取付ける取付部材32と、ミッションケース8と走行用の伝動ケース9,9の間に設けたアクスルケース9a,9aを支持する支持フレーム9b、9bとの間とを、支持フレーム32a,32aで連結し、伝動ケース28と苗植付装置3と苗供給装置4との支持強度を向上させている。
伝動ケース28を車体フレーム2bに取付ける取付部材32と、ミッションケース8と走行用の伝動ケース9,9の間に設けたアクスルケース9a,9aを支持する支持フレーム9b、9bとの間とを、支持フレーム32a,32aで連結し、伝動ケース28と苗植付装置3と苗供給装置4との支持強度を向上させている。
前後方向視で門型状になった伝動ケース28の内側に、苗植付け体25,25の内側に灌水用の水を供給するプランジャポンプ91,91を装着し、伝動ケース28の左右内側に突出させた前記回転軸40aR,40aRにプランジャポンプ91,91のピストンロッド91a,91aを装着し、プランジャポンプ91,91のケーシング部分91b,91bは、前記伝動ケース28を上部に装着した取付部材32に設けたプランジャポンプ取付け部に取付けている。
図7の斜視図に示すように、左右苗供給装置4は、上下に開口する筒状体47…と該筒状体47…の下側の開口部47a…を開閉する底蓋48…とを有し互いにループ状に連結する複数の苗収容体29…と、該苗収容体29…を前記苗植付け体25…の上方近傍を通過する状態で車体平面視三角形状のループ状の軌跡で周回動させる移動機構30と、前記苗収容体29…の底蓋48…を苗植付け体25…の上方位置で開放する開放機構31を設けた構成である。
左右苗供給装置4の各苗収容体29…は、前記の通り車体平面視で三角形状のループ状の軌跡で周回動する構成となっており、各々の三角形状のループ状の軌跡の前側移動軌跡(後述の作業者用座席70に対向する部分)は後述の車体左右方向に並べて設けた前側スプロケット50,50により案内されて車体左右方向に直線状に移動する直線移動部A,Aとなっている。そして、この左右苗供給装置4の各直線移動部A,Aは、実施例では車体左右方向に一直線に配置されている。尚、左右苗供給装置4の各直線移動部A,Aが前後に多少づれて配置されていたり、左右苗供給装置4の各直線移動部A,Aが多少傾斜又は湾曲していても、概ね直線状であれば、上記の実施例と同じ作用効果を奏する。
苗供給装置4は、前記苗収容体29…の外周に円筒外周部を形成し、該円筒外周部に外側から回動自在に係合する係合部(丸孔)を有して二つの苗収容体29,29を連結する連結体49を複数設け、該連結体49…の係合部を苗収容体29…の円筒外周部に回動自在に係合し該円筒外周部を回動軸として隣の苗収容体29…が回動自在に連結する状態として複数の苗収容体29…を互いに連結した構成としている。即ち、苗収容体29…と連結体49…とで無端チェーンのように連結した構成である。これにより、この苗移植機では、苗収容体29…は、直線的に移動する部分でも円弧状に移動する部分でも隣接する苗収容体29…との間隔が変わらないので、苗収容体29から苗植付け体25に苗を供給する個所で苗収容体29が苗植付け体25に対して位置ズレが生じにくくなり苗供給が適正に行われて適確な苗の移植ができる。苗収容体29…の個数と周回動する範囲を設定したうえで、苗収容体29の上側開口部43b…を可能な限り広く形成できて、車体のコンパクト化を図りつつ苗収容体29…への苗供給作業をできるだけ容易に行えるものとなる。
苗供給装置4の移動機構30は、右側及び左側の苗供給装置4R,4Lともに、それぞれ無端チェンのように互いに連結する苗収容体29…;29…を3個のスプロケット50,50,50;50,50,50の外周の円弧状切欠部に係合させて巻き掛け、この左右のスプロケット50,50,50;50,50,50を伝動ケース28内から取り出した動力で駆動回転することにより、右側及び左側の苗供給装置4R,4Lの各苗収容体29…;29…を周回動させる構成としている。スプロケット50,50,50;50,50,50を駆動回転可能に取付ける回動軸51,51,51;51,51,51は、伝動ケース28の上部で支持した支持フレーム52に回動可能に取付け、伝動ケース28の上部から上方に突出させた左右の回転軸53a,53bからスプロケットとチェンを介して各回動軸51,51,51;51,51,51に伝動する構成としている。
苗収容体29…が周回する前後の軸51,51,51;51,51,51は、左右の後輪6,6より車体内側で、且つ、苗収容体29…が周回する前側の軸51,51を後輪6,6の車軸10,10位置より前側で、苗収容体29…が周回する後側の軸51を後輪6,6の車軸10,10位置より後側に配置している。また、苗植付け体25は、後輪6,6の車軸10,10位置より後側に配置している。
図6に示すように、伝動ケース28内の伝動機構は、ミッションケース8から動力が取出されて伝動回転する伝動軸28aの後端と連結する入力軸18に取付けた第一ベベルギヤ54から左右方向にのびる伝動軸55に回転自在に取付けた第二ベベルギヤ56に伝動し、そして、第二ベベルギヤ56の一端に設けたクラッチ爪と係脱可能なクラッチ爪を有する定位置停止クラッチである植付クラッチCを介して伝動軸55に伝動する。
この植付クラッチCは、苗供給装置4の下方に設けたレバーを作業者用座席70L,70Rに座る作業者が操作することで操作され、このクラッチCの入り切りで苗植付装置3の駆動が入り切りされる。伝動軸55の左右両端部には、第一スプロケット57,57が一体回転するように取り付けられ、この第一スプロケット57,57から、伝動ケース28の左右両端部から下方にのびるケース内下方に設けた第二スプロケット58,58にチェン59,59を介して伝動する。また、伝動軸55の左右両端部は、第一スプロケット57,57から更にのびて伝動ケース28の左右両外側に突出する。その突出部が駆動軸41,41となっている。
第二スプロケット58,58と一体回転する回転軸40aRも伝動ケース28の左右両外側に突出し、更にその先端に偏芯状態で第一昇降リンク40aの枢支軸となる第一軸40aSが形成されて回転軸40aRと一体的に回転する。また、伝動軸55の中途部に第三ベベルギヤ60を一体回転するように取付け、それに噛み合う第四ベベルギヤ61を介して、伝動ケース28の上部から上方に突出させた一方側の回転軸53aを駆動回転する。他方側の回転軸53bは、この回転軸53bに設けたギヤ62が一方側の回転軸53aに設けたギヤ63と噛合って逆回転伝動される。
この左右の回転軸53a,53bから、伝動ケース28に取り付けた支持部材54aによって支持した横方向にのびる支持フレーム54bの左右両側部に支持した左右の後側回動軸51,51に、それぞれスプロケット65a,65a;65b,65bとチェン65c,65cを介して動力が伝動され、更に、左右の回転軸53a,53bから左右の前側回動軸51,51に、それぞれスプロケット66a,66a;66b,66bとチェン66c,66cを介して動力が伝動される構成としている。
苗供給装置4の開放機構31は、苗収容体29…の周回軌跡下方で底蓋48…が下方に回動しないように底蓋48…を下方から支持する支持体67(図5)を設け、この支持体67を苗植付け体25…の上方位置には設けないようにすることで、苗植付け体25…の上方位置を苗収容体29が通過するとき、底蓋48が支持体67による支持状態が解かれて下方回動し苗収容体29が苗を下方に落下可能に開放する構成としている。苗収容体29の底蓋48が開くタイミングは、苗植付け体25…が苗収容体29の直下まで上昇したときとなるように調整しておく。また、上記構成に代えて、苗植付け体25が苗収容体29の直下まで上昇したときに、苗植付け体25に設けた開放作動部材が、苗植付け体25の上方に位置する苗収容体29の底蓋48が開くのを規制する規制手段を規制解除動作させる構成も採用できる。
本例の苗供給装置4では、車体右側の苗植付け体25に対して苗を供給する右側苗供給装置4Rと、車体左側の苗植付け体25に対して苗を供給する左側苗供給装置4Lは、共に、苗植付け体25に対して苗収容体29…が一回りで周回移動して苗を供給する構成としている。
この苗移植機は、苗植付け体25,25が植付けた苗に対して覆土鎮圧するための覆土鎮圧輪80…を各苗植付け体25,25の苗植付け個所の各後方左右両側近傍位置に設けている。
また、本例の苗移植機は、左右苗供給装置4,4に苗を補給する作業者が乗車して苗補給作業が行えるよう、作業者が座る作業者用座席70を設けている。具体的には、左右苗供給装置4の前側に作業者用座席70Lを配置している。この作業者用座席70の背凭れは、車体の前側に位置するよう設けていて、その作業者用座席70に座る作業者は、左右苗供給装置4,4の前側部に向って車体後側向き姿勢で着座して、苗供給装置4,4の前側部に対して苗補給作業を行う。尚、作業者用座席70には左右に作業者が2人並んで座ることができる左右長さに構成されていて、作業者用座席70に左右に作業者が2人並んで座って作業する場合には、左側に座った作業者は左苗供給装置4に苗を補給し、右側に座った作業者は右苗供給装置4に苗を補給することができるので、苗補給作業が効率良く行なえて、作業性が良い。また、作業者用座席70に1人の作業者が座って苗補給作業を行なう場合は、左右苗供給装置4,4に苗を補給して苗移植作業を行なう。
何れの作業形態(2人補給作業、1人補給作業)でも、左右苗供給装置4の各苗収容体29…は各々の三角形状のループ状の軌跡の前側移動軌跡(後述の作業者用座席70に対向する部分)が車体左右方向に並べて設けた前側スプロケット50,50により案内されて車体左右方向に直線状に移動する直線移動部A,Aとなっているので、作業者用座席70に座って左右苗供給装置4に向かって苗補給作業を行なう作業者は、容易に且つ作業効率良く左右苗供給装置4の苗収容体29…に苗補給することができ、苗移植作業が容易に且つ効率良く行なえる。
また、本例の苗移植機は、畝溝を走行する後輪6,6の後側で車体後部に設けた操縦ハンドル2の左右方向外側に、作業者が立って前に歩きながら苗供給装置4の後側部に苗を補給する作業を可能とする作業空間Wを形成しており、この作業空間Wに立つ作業者から苗供給装置4,4の後側部に対して苗補給作業を行うこともできる。
作業者用座席70の支持構成は、後輪6,6の車軸10,10を支持する支持部材である伝動ケース9,9の内側に突出させた後輪6,6の車軸10,10に取付けた座席支持部材72,72;73,73で支持し、該座席支持部材72,72;73,73に、後輪6,6の車軸10,10が上下しても作業者用座席70が前後に傾かないようにする姿勢維持機構を設けている。
また、作業者用座席70の左側に左後輪6への動力を断つ左サイドクラッチレバー19Lを設け、作業者用座席70の右側に右後輪6への動力を断つ右サイドクラッチレバー19Rを設けている。左右のサイドクラッチレバー19L,19Rをそれぞれ作業者用座席70に座ったまま車体旋回操作ができる。また、サイドクラッチレバー19の支点はステップ71の立上り部に設け、ステップ71に対して作業者用座席70とは左右反対側にサイドクラッチレバー19を設けているので、作業者がステップ71上を通る際の邪魔にならない。
また、前輪7,7の連結フレーム73,73の前端部側を装着している支持筒74,74を前輪7,7の車軸17,17に取付けることもできる。また、連結フレーム73,73の後端部を、後輪6,6の車軸10,10を支持する支持部材である走行用の伝動ケース9,9の内側に突出させた軸に回動自在に取り付けた筒部75,75に取付けることもできる。更に、連結フレーム73,73の前輪7,7側の連結部は、連結フレーム73,73を、前輪の車軸17,17又は縦フレーム16a,16aに対して摺動不能且つ回動自在に連結し、連結フレーム73,73の後輪6,6側の連結部は、連結フレーム73,73を、後輪の車軸10,10又は伝動ケース9,9に対して摺動自在且つ回動自在に連結する構成することもできる。このように構成すると、走行用の伝動ケース9,9が下方回動して後輪6,6の車軸10,10が下降すると、後輪6,6が車体に対して相対的に前方移動するが、作業者用座席70は車体に対して相対的に前後方向には移動しない。従って、車体を旋回させるために、後輪6,6をまず下降して車体を上昇させ、そして、操縦ハンドル2を押し下げて二輪接地状態にして車体を旋回させるとき、前後方向において作業者用座席70が後輪6,6の車軸10,10に向って接近することになるので、作業者用座席70の重量による操縦ハンドル2の押し下げ負荷が軽減される。また、連結フレーム73,73の前輪7,7側の連結部と、連結フレーム73,73の後輪6,6側の連結部の両方ともに、連結フレーム73,73を摺動自在且つ回動自在に連結する構成とすることもできる。
更に、作業者用座席70の車体前側下方にステップ71L,71Rを設けている。後輪6,6は大径車輪で、前輪7,7は小径車輪であり、車体側面視で、この小径車輪の前輪7,7の上方にステップ71L,71Rの前側部分が位置するように設けている。ステップ71L,71Rは、後側をアクスルケース9a,9aの上部に取付け、前側を、ステップ支持フレーム92,92と、該ステップ支持フレーム92,92の外端部と固着し前記支持プレート9c,9cと一体のステップ支持プレート93,93との上に固定して取付けている。
作業者用座席70の前側で車体側面視で後輪6,6の車軸10,10の上方位置に、苗供給装置4に補給する苗を収容可能なコンテナD、Dを設置可能に設けている。本例では、プラスチック等で成形された箱状のコンテナDの両側部に形成された取手孔(図示せず)の一方側に係合してコンテナDを支持するコンテナ係合部材94,94を設けて、これにより、コンテナD,Dを設置可能に設けていて、コンテナ支持部の構造が簡単なものとなり、且つ、コンテナを設置していないときにコンテナ支持部が大きな空間を占めず、車体のコンパクト化と軽量化、低コスト化が図れる。図示例の具体構成は、コンテナ係合部材94,94の上端部がクランク状に屈曲していて、その上端部をコンテナDの取手孔に外側から挿入してクランク状の屈曲部で取手孔が引っかかるようにすることで、コンテナDをコンテナ係合部材94に支持させることができる。
本例の苗移植機は、苗植付け体25に灌水用の水を供給可能に構成して、苗の植付と同時に灌水が行なえるようになっている。そして、灌水用の水を蓄えるタンクT、Tは、後輪6,6の車体左右方向内側で車体側面視において後輪6,6の車軸10,10付近に設けたタンク支持台76,76上に載置可能に設けている。このタンク支持台76,76は、前記連結フレーム73,73に固着した支持部材上に固定されている。
タンクTからの潅水は、苗植付け体25が開く直前より前から水を出し、それから50〜60mmまで苗植付け体25が上昇する間の50〜60mmでは苗植付け体25が土中から抜けても水を出し続けることで植付けた苗の潅水が十分に行える。なお、苗植付け体25には水タンクTから潅水用の潅水ホース(図示せず)が設けられている。
なお、左右一対の後輪6,6の内側に一対の水タンクT,Tをステップ71L,71Rの後方にステップ71L,71Rと高さを合わせて横積みに配置して、その水タンクTを作業者の前後移動用のステップとすることができる。
83は植終りセンサであって、走行車体1前部に搭載したエンジン5の下方に設けられており、畝の上を転動するローラ83aと、該ローラ83aを軸架した支持アーム83bと、該支持アーム83bの回転角度を検出するポテンショメーター83cとから構成している。そして、植終りセンサ83は、走行車体1の支持部に回動自由に支持した構成としている。そして、植終りセンサ83は、車体の左右中間位置(中心位置)で、前記苗植付装置3の前方位置に配置し、その苗植付装置3が苗を植える畝を検出することを目的とするものであって、畝の有無を検出情報として図外のコントローラに出力する構成としている。実施例の場合、コントローラは、植終りセンサ83から畝の検出ができない情報(畝が無い情報)が入力されると、植終りの警報を発する構成としているが、その他の構成例として、苗植付装置3のクラッチを自動切断する制御、或いは、苗移植機の走行を停止する構成にしても良い。
以上のように構成した植終りセンサ83は、支持アーム83bの基部を前後方向の軸心回りに回動自在に構成して、畝終わり位置で車体を旋回させる時に、車体旋回方向(畝溝側)に回動させて車体横側で上方位置に収納できる構成にしている。このように、旋回時に車体旋回方向(畝溝側)に回動させて車体横側で上方位置に収納できる構成にすると、旋回時に植終りセンサ83が畝に接当して破損することが効果的に防止できる。
図8は他の苗植付装置3の例を示し、傾斜地での苗移植作業時に左右の苗植付け体25,25が適正な苗植付け深さで苗を植付けることができるようにしたものである。
即ち、苗植付け体25の苗ガイド37,37と上下動機構26の上下の昇降リンク40a,40bの各先端部を上下に連結している連結部材39との間に苗植付け体25の位置を上作動させる上下作動機構90を設けている。
即ち、苗植付け体25の苗ガイド37,37と上下動機構26の上下の昇降リンク40a,40bの各先端部を上下に連結している連結部材39との間に苗植付け体25の位置を上作動させる上下作動機構90を設けている。
上下作動機構90は、連結部材39に設けた電動モータ91により回転する螺子部92と該螺子部92に螺合し苗ガイド37に固定された連結部材93により構成されている。電動モータ91の正逆駆動により螺子部92が正逆回転し、螺子部92の正逆回転により螺子部92に螺合している連結部材93に固定の苗ガイド37が上下移動し、苗植付け体25を上下移動調節できる構成となっている。
従って、傾斜地での苗移植作業時に手動により左右水平制御用油圧シリンダ15を伸縮作動させて車体を水平にして、移植作業を行なうと、傾斜方向の低い側と高い側の苗植付け体25の畝Uにはまり込む深さが異なるようになり、苗の植付け深さが左右で異なってしまうと謂う課題があったが、この実施例によると、左右の苗植付け体25,25を上下移動調節できる構成となっているので、傾斜方向の低い側の苗植付け体25を下動させ、高い側の苗植付け体25を上動させると、傾斜した畝Uに左右の苗植付け体25,25が同じ植付け深さで苗を植付けることができ、良好な傾斜地での苗移植作業が行なえる。
1 走行車体
2 操縦ハンドル
3 左右苗植付装置
4 左右苗供給装置
6 走行推進体(後輪)
25 苗植付け体
29 苗収容体
38 アクチュエータ
70 作業者用座席
A 直線移動部
B 畝中央位置検出機構
U 畝
CPU 制御装置
2 操縦ハンドル
3 左右苗植付装置
4 左右苗供給装置
6 走行推進体(後輪)
25 苗植付け体
29 苗収容体
38 アクチュエータ
70 作業者用座席
A 直線移動部
B 畝中央位置検出機構
U 畝
CPU 制御装置
Claims (3)
- 前進方向に向かって左右に走行推進体(6,6)を配置し、車体の左右に左右苗供給装置(4,4)を備え、該苗供給装置(4,4)から各々供給される苗を圃場に植付ける左右苗植付装置(3,3)を備えた苗移植機において、該左右苗供給装置(4,4)に対向して車体左右方向に2人の作業者が着座できる作業者用座席(70)を設け、左右苗供給装置(4,4)を各々平面視で車体左右方向に直線状に移動する直線移動部(A,A)を設けたループ軌跡を移動する複数の苗収容体(29…)で構成すると共に、該左右苗供給装置(4,4)の各直線移動部(A,A)を作業者用座席(70)に対向して車体左右方向に一直線又は略一直線状に配置したことを特徴とする苗移植機。
- 左右苗植付装置(3,3)の各苗植付け体(25,25)が畝(U)に苗を植付ける位置をアクチュエータ(38,38)にて車体左右方向に変更自在に設けたことを特徴とする請求項1記載の苗移植機。
- 苗を植付ける畝(U)の左右中央位置を検出する畝中央位置検出機構(B)を設けて、該畝中央位置検出機構(B)によって検出した畝(U)の中央位置に苗を植付けるようにアクチュエータ(38)により苗植付け体(25)の畝(U)に苗を植付ける位置を変更させる制御装置(CPU)を設けたことを特徴とする請求項2記載の苗移植機。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2022010774A (ja) * | 2020-06-29 | 2022-01-17 | 井関農機株式会社 | 移植機 |
-
2008
- 2008-01-28 JP JP2008016451A patent/JP2009171926A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2022010774A (ja) * | 2020-06-29 | 2022-01-17 | 井関農機株式会社 | 移植機 |
JP7227567B2 (ja) | 2020-06-29 | 2023-02-22 | 井関農機株式会社 | 移植機 |
CN112753331A (zh) * | 2021-01-30 | 2021-05-07 | 山东潍坊烟草有限公司 | 一种井窖式烟草移栽机 |
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