JP2019075448A - 壁掛け型電子装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この種の壁掛け型電子装置は、筐体内の電子部品を冷却する冷却構造を備えている。この冷却構造としては、放熱式の冷却構造と、特許文献1に開示されているような換気式の冷却構造とがある。
ところで、壁掛け型の電子装置においては、支持壁からの突出量が可及的少なくなるように、前後方向の厚みを薄くすることが望まれている。
さらに、この換気式の冷却構造を採用した壁掛け型電子装置においては、筐体の前後方向の厚みを薄くすると、通気口を小さく形成したり、通気口の数を減らさなければならない。このような場合には、筐体内の電子部品を冷却できなくなるおそれがある。この冷却の問題を解消するためには、筐体内に換気用ファンを設けることが考えられる。
筐体の外観が損なわれることなく冷却性を高くするためには、筐体内の中央部に換気用の空気通路を設けることも考えられる。しかし、この構成を採ると、筐体に空気通路の壁を取付けなければならないために著しくコストアップになるし、筐体内の電子部品の収容スペースが狭くなってしまう。
この側壁に筐体内の電子部品の熱が伝達され、側壁の温度が上昇すると、側壁の外面に接触した空気(大気)が温度上昇に伴って上方へ流れる。そして、側壁の溝を流路として高さ方向に自然対流が発生する。この自然対流により、筐体の下端部の近傍の相対的に温度が低い空気が溝内に誘引され、この溝に沿って筐体の上部に導かれる。すなわち、相対的に温度が低い空気が側壁の下端部から上端に向けて流れるようになり、側壁から大気中への放熱が促進される。
したがって、本発明においては、筐体の前後方向の厚みが薄い場合であっても、側壁からの放熱量が増えることと、溝を流路とする自然対流で側壁からの放熱が促進されることとによって側壁が冷却され、筐体内の電子部品を効率よく冷却することができる。この冷却は、側壁に通気口を設けることなく行うことができる。
この結果、本発明によれば、外観と放熱性とが良好な薄型の壁掛け型電子装置を提供することができる。
図1に示す壁掛け型電子装置1は、上下方向に延びる支持壁2に取付けられている。この実施の形態による壁掛け型電子装置1は、例えばビル設備の監視、管理などを行う監視盤として使用することができる。この実施の形態においては、便宜上、壁掛け型電子装置1から支持壁2に向かう方向を後方とし、この方向とは反対の方向を前方として説明する。また、図1において左に向かう方向を左方とし、図1において右に向かう方向を右方として説明する。
筐体3は、図1に示すように、支持壁2に沿う後壁11と、この後壁11と対向する前壁12と、これらの後壁11と前壁12との間で前後方向に延びる上壁13、下壁14および左右一対の側壁15,15などを有している。上壁13は、後壁11および前壁12の上端どうしを接続している。下壁14は、後壁11および前壁12の下端どうしを接続している。側壁15は、後壁11および前壁12の左右方向の両端どうしを接続している。
ケース16の上壁後部13aと下壁後部14aには、図示してはいないが、外部配線を通すための貫通穴が形成される。
ヒンジ24は、ケース16の右側に位置する側壁後部15aの先端部22と、扉17の右側に位置する側壁前部15bとの間に介装されており、上下方向に延びる支軸24a(図2,3参照)を中心にして扉17をケース16に対して水平方向へ揺動自在に支持している。支軸24aは、扉17の内方に配置されている。
ヒンジ24のケース16側の端部は、上述した先端部22に突設された取付座25(図6参照)に取付られている。ヒンジ24の扉17側の端部は、扉17の右側の端部に溶接されている。この実施の形態によるヒンジ24は、筐体3の上下方向の2箇所に配置されている。これらのヒンジ24を介してケース16に取付けられた扉17は、図2に示すように、ケース16の前端部に重なる閉位置と、図3に示すように、ケース16から前方に離間した開位置との間で揺動する。扉17が閉位置に位置付けられる(扉17が閉じる)ことによりケース16の開口部分が扉17によって閉塞される。扉17が開位置に位置付けられる(扉17が開く)ことによって、ケース16が前方に向けて広く開放される。
この溝31は、図4に示すように、先端部22からなる第1の溝壁31aと、補強壁側部23cからなる第2の溝壁31bとによって形成されている。この溝31は、図8に示すように、筐体3の側壁15の下端から上端まで上下方向に延びている。
ケース16側の電源装置32、コントローラ33およびブレーカ34は、ケース16の後壁11に沿う1枚の支持板36にそれぞれ取付けられており、この支持板36を介してケース16に搭載されている。電源装置32は、ケース16内の下端部であって、左側の端部に配置されている。コントローラ33は、ケース16内の上下方向の中央部であって、左右方向において右側に偏った位置に配置されている。ブレーカ34は、コントローラ33の左側にコントローラ33と並べて配置されている。
これらのケース16に取付けられた電源装置32、コントローラ33およびブレーカ34と、扉17に取付けられた表示・操作器4および信号線用接続装置35とは、図11に示すように、筐体3内で装置前側と装置後側とに振り分けられる位置に配置されている。
扉17に設けられている表示・操作器4と信号線用接続装置35とは、扉17の前壁12から後方へ向けて突出しており、装置前側に振り分けられるように配置されている。これらの表示・操作器4および信号線用接続装置35と支持板36との間には、それぞれ隙間S4,S5が形成されている。
電源装置32は、コントローラ33およびブレーカ34と同様に装置後側に振り分けられるように配置されているが、コントローラ33およびブレーカ34より下方に離間する位置に配置されている。
これらの電子部品の熱で温度が上昇した筐体3内の空気は、筐体3内に形成されている流路を通って筐体3内で上に向けて流れる。このように空気が流れるときに筐体3と接触することにより、空気の熱が筐体3に伝達される。
この側壁15に筐体3内の電子部品5の熱が伝達され、側壁15の温度が上昇すると、側壁15の外面に接触した筐体外の空気の温度が上昇し、この空気が温度上昇に伴って上昇する。そして、いわゆる煙突効果により、側壁15の溝31を流路として高さ方向に自然対流が発生する。
したがって、この実施の形態においては、筐体3の前後方向の厚みが薄い場合であっても、側壁15からの放熱量が溝31によって増えることと、溝31を流路とする自然対流により側壁15からの放熱が促進されることとによって、側壁15が冷却されて筐体3内の電子部品を効率よく冷却することができる。この冷却は、側壁15に通気口を設けることなく行うことができる。
この結果、この実施の形態によれば、外観と放熱性とが良好な薄型の壁掛け型電子装置1を提供することができる。
この実施の形態によれば、側壁15の溝31がケース16と扉17との境界部分に形成されるから、筐体3の外観に溝31が表れ難くなる。このため、外観がより一層良好な壁掛け型電子装置を提供することができる。
この実施の形態による溝31は、ケース16と扉17との境界部分に断面V字状に形成されている。このため、扉17を開くことにより、溝31の第2の溝壁31bが第1の溝壁31aから分かれて離間するから、筐体3内の隠れスペースSで作業をする場合に、傾斜している第1の溝壁31aに沿って作業者(図示せず)が手を入れ易い。
したがって、電子部品5をより一層効率よく冷却することが可能な壁掛け型電子装置を提供することができる。
Claims (4)
- 上下方向に延びる支持壁に取付けられる箱状の筐体と、
前記筐体の内部に収容された冷却を要する複数の電子部品とを備え、
前記筐体は、前記支持壁に沿う後壁と、この後壁と対向する前壁と、これらの後壁および前壁の上端どうしを接続する上壁と、前記後壁および前記前壁の下端どうしを接続する下壁と、前記後壁および前記前壁の左右方向の両端どうしを接続する一対の側壁とを備え、
前記側壁は、側方に向けて開放される形状でこの側壁の下端から上端まで上下方向に延びる溝を有していることを特徴とする壁掛け型電子装置。 - 請求項1記載の壁掛け型電子装置において、
前記筐体は、前記後壁を含むケースと、前記前壁を含む蓋体とによって前後方向に2分割されて形成され、
前記溝は、
前記ケースによって形成された第1の溝壁と、
前記蓋体によって形成された第2の溝壁とによって形成されていることを特徴とする壁掛け型電子装置。 - 請求項2記載の壁掛け型電子装置において、
前記複数の電子部品は、
前記ケースと前記蓋体とにそれぞれ少なくとも1つずつ取付けられ、
前記ケースに取付けられた電子部品と、前記蓋体に取付けられた電子部品とは、前記筐体内で装置前側と装置後側とに振り分けられる位置であって、上下方向において互いに離間する位置に配置されていることを特徴とする壁掛け型電子装置。 - 請求項1ないし請求項3のうちいずれか一つに記載の壁掛け型電子装置において、
前記溝は、断面V字状に形成されていることを特徴とする壁掛け型電子装置。
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