JP2019075332A - 加熱装置及び加熱装置の電力上限決定方法 - Google Patents

加熱装置及び加熱装置の電力上限決定方法 Download PDF

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隆 大塚
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Abstract

【課題】流体の加熱を効率よく行なうこと。【解決手段】壁部に載置され、ヒータへの電力の供給をオン/オフするスイッチング素子(34,35)と、流体の温度を検出する流体温度検出部(33)と、流体温度検出部(33)が検出した流体の温度に基づいて、スイッチング素子(34,35)の素子の温度を推定する温度推定部(40)と、温度推定部が推定したスイッチング素子(34,35)の温度に基づいて、ヒータに供給する電力の上限を決定する上限決定部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、流体を加熱する加熱装置及び電力上限決定方法に関する。
特許文献1には、供給通路からタンク内に供給された流体をヒータによって加熱して排出通路から排出する加熱装置が開示されている。加熱装置では、ヒータへの通電のオン、オフをスイッチング素子により制御する。スイッチング素子はその動作により発熱するため、タンクを流れる流体により冷却されるように構成されている。
特開2017−016817号公報
特許文献1の加熱装置は、タンク内の流体により半導体スイッチを冷却し、スイッチング素子に許容される上限温度を超えないように制御を行う。このために、スイッチング素子の上限温度に基づいて、ヒータが発生する熱の上限が設定される。この上限のため、流体が低温の場合に加熱に時間を要していた。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、流体の加熱を効率よく行えることを目的とする。
本発明のある態様によれば、電力が供給されることで流体を加熱するヒータを備える加熱装置であって、ヒータへの電力の供給を制御する制御装置が配設される制御装置配設部と、ヒータの周りを覆うように形成され、流体が流通する流体流通部と、制御装置配設部と流体流通部とを区画する壁部と、を備え、制御装置は、壁部に載置され、ヒータへの電力の供給をオン/オフするスイッチング素子と、流体の温度を検出する流体温度検出部と、流体温度検出部が検出した流体温度に基づいて、スイッチング素子の温度を推定する温度推定部と、温度推定部が推定したスイッチング素子の温度に基づいて、ヒータに供給する電力の上限を決定する上限決定部と、を備えることを特徴とする。
この態様では、スイッチング素子の温度を検出することができ、新たにセンサやサーミスタ等を設けることがないのでコストが増加することがない。さらに、スイッチング素子の温度を推定して、推定された温度に基づいて、ヒータの発熱を制御することができるので、例えば流体の温度が低い場合にも、効率よく加熱を行うことができる。
図1は、本発明の実施形態に係る加熱装置の分解斜視図である。 図2は、本発明の実施形態に係る加熱装置のヒータユニット及びタンクの側面図であり、タンクを断面で示した図である。 図3は、本発明の実施形態に係る加熱装置のヒータユニット及びタンクの正面図であり、タンクを断面で示した図である。 図4Aは、本発明の実施形態のIGBTと温水との関係を示す説明図である。 図4Bは、本発明の実施形態のIGBTの温度と温水の温度との関係を示す説明図である。 図5は、本発明の実施形態に係る加熱装置によって加熱される流体の温度変化を説明する図である。 図6は、本発明の実施形態のコールドスタート時の流量の変化による温水の温度の変化を示すグラフである。 図7は、本発明の実施形態の制御装置が行う制御のフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る加熱装置100について説明する。
加熱装置100は、EV(Electric Vehicle:電動車両)やHEV(Hybrid Electric Vehicle:ハイブリッド車両)などの車両に搭載される車両用空調装置(図示省略)に適用される。加熱装置100は、車両用空調装置が暖房運転を実行するために、流体としての温水を加熱するものである。
まず、図1から図3を参照して、加熱装置100の全体構成について説明する。
図1に示すように、加熱装置100は、流体(温水)が流通する流体流通部としてのタンク10と、タンク10内に収容されるヒータユニット20と、各種電装部品を接続するためのバスバーモジュール30と、ヒータユニット20の動作を制御するための制御部としての制御基板40と、バスバーモジュール30及び制御基板40を覆うカバー50と、を備える。
タンク10は、略直方体形状に形成される。タンク10は、矩形の底面13と、底面13から立設される壁面14と、壁面14の端部に底面13と対向するように開口する開口部15と、を有する。タンク10は、温水が供給される供給口11と、温水が排出される排出口12と、を有する。供給口11と排出口12とは、タンク10の同じ壁面14に上下に並んで開口する。加熱装置100は、使用時に排出口12が供給口11と比較して上方に位置するように車両内に配設される。
図2及び図3に示すように、ヒータユニット20は、ヒータ21と、ヒータ21の周りを覆うように形成される加熱部22と、天面16と加熱部22とを連結する連結部29と、連結部29から突出して形成される一対の放熱部としての放熱フィン29aと、を有する。ヒータユニット20では、ヒータ21の周りに金属がダイキャスト成形されて加熱部22が形成される。ヒータユニット20は、ヒータユニット20を挿入するための開口部15を閉塞する天板部23の天面16に連結部29を介して連結され、天板部23と一体に成形される。
ヒータ21は、車両に搭載されるバッテリーや発電機等の電源装置(図示省略)からバスバーモジュール30を介して電力が供給される一対の端子21a,21bを有する。ヒータ21は、一対の端子21a,21b間に、タンク10内に突出する螺旋状の発熱部21cを有する。ヒータ21は、螺旋状ではなく例えば加熱部22内を往復するように形成される発熱部を有してもよい。
ヒータ21は、通電することによって発熱部21cが発熱するシーズヒータ又はPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータである。ヒータ21は、コスト的には、シーズヒータであることが望ましい。ヒータ21は、制御基板40からの指令を受けて発熱し、タンク10内を流通する温水を加熱する。温水は、水やLLC等の流体が用いられる。
加熱部22は、発熱部21cの内周と比較して小径に形成され発熱部21cの中心軸に沿って内側を貫通する貫通孔25と、発熱部21cの外側に発熱部21cの外周と比較して大径に形成されタンク10の内壁17と対峙する外壁部26と、を有する。貫通孔25の内面には、流体と熱交換する内側熱交換面25cが形成され、外壁部26には、流体と熱交換する外側熱交換面26cが形成される。加熱部22は、ヒータ21と比較して融点の低い金属によって成形される。ここでは、ヒータ21はステンレスで形成され、加熱部22はアルミニウム合金で形成される。
貫通孔25は、螺旋状に巻かれる発熱部21cの内側に形成される。タンク10の供給口11は、貫通孔25の延長線上に開口する。貫通孔25は、供給口11から供給される温水が流通する内周流路27(図3参照)を形成する。これに限らず、タンク10の排出口12が貫通孔25の延長線上に開口するようにしてもよい。
図3に示すように、貫通孔25は、温水の流れ方向に沿って内周に突出する複数の内周フィン25aを有する。内周フィン25aは、内周流路27における伝熱面積を、内周フィン25aが設けられない場合と比較して大きくする。複数の内周フィン25aは、貫通孔25の全周にわたって等角度間隔で、内周に向けて放射状に形成される。
外壁部26は、タンク10の内壁17との間に、内周流路27と連続して温水が流通する外周流路28を形成する。外周流路28は、内周流路27から流れてきた温水を排出口12に導く。外壁部26は、貫通孔25と比較して伝熱面積が大きい。また、外周流路28は、内周流路27と比較して流路面積が大きい。
外壁部26は、ヒータ21の外周形状に沿って形成される外壁本体26aと、温水の流れ方向に沿って外壁本体26aから外周に突出する複数の外周フィン26bと、を有する。
外壁本体26aは、螺旋状に巻かれる発熱部21cの外側を覆うように形成される。外壁本体26aが設けられるので、ヒータ21と温水とが直接接触することはない。
外周フィン26bは、外周流路28における伝熱面積を、外周フィン26bが設けられない場合と比較して大きくする。外周フィン26bは、タンク10の底面13及び天面16と略平行に延設される。外周フィン26bは、タンク10の高さ方向の中央部と比較して天面16に近いほど基端部26dからの距離が長く形成される。また、外周フィン26bは、タンク10の高さ方向の中央部と比較して天面16から遠ざかるほど基端部26dからの距離が長く形成される。外周フィン26bは、タンク10の対向する一対の壁面14にそれぞれ所定の間隔をあけて臨むように形成される。
隣接する一対の外周フィン26bの間である基端部26dにおける外壁部26は、他の部分における外壁部26と比較してヒータ21の発熱部21cの近傍に形成される。これにより、外周流路28を流れる温水をヒータ21の発熱部21cに近付けることができるため、加熱部22と温水との熱交換効率を向上させることができる。また、加熱部22におけるすべての基端部26dは、ヒータ21からの距離が略一定となるように形成される。
外周フィン26bの数は、内周フィン25aと比較して多い。これにより、外側熱交換面26cは、内側熱交換面25cと比較して伝熱面積が大きくなっている。また、外周フィン26bの長さは、内周フィン25aと比較して長い。これにより、加熱部22をダイキャスト成形する際の成形性を損なわずに温水を加熱する性能を確保することができる。
以上のように、ヒータユニット20は、ヒータ21の周りを覆うように形成される加熱部22を有する。加熱部22は、発熱部21cの内側を貫通する貫通孔25の内面に形成される内側熱交換面25cと、発熱部21cの外周の外壁部26に形成される外側熱交換面26cと、を有する。ヒータユニット20では、加熱部22の表面積が温水との間で熱交換を行うための伝熱面積になるので、内側熱交換面25cと外側熱交換面26cとの表面積の合計が伝熱面積になる。したがって、ヒータ21と温水とを直接接触させる場合と比較して、温水と熱交換を行うための伝熱面積を大きくすることができる。
なお、外周フィン26bは、外周に向けて放射状に形成してもよく、内周フィン25aを、タンク10の天面16と略平行に延設してもよい。この場合にも同様に、温水と熱交換を行うための伝熱面積を大きくすることができる。なお、複数の内周フィン25aは、それぞれが略平行となるように形成されればよく、タンク10の天面16と略平行でなくてもよい。また、内周フィン25aと外周フィン26bとを共に放射状に形成してもよく、内周フィン25aと外周フィン26bとを共にタンク10の天面16と略平行に延設してもよい。
図3に示すように、連結部29は、加熱部22と連結される第1連結部29bが天面16と連結される第2連結部29cと比較して断面積が小さくなるように形成される。これにより、ヒータ21の熱が天面16を介して後述するIGBT34,35などの電子部品に伝達されることが抑制される。
放熱フィン29aは、外周フィン26bと同様に、タンク10の底面13及び天面16と略平行に延設される。放熱フィン29aが設けられることによって、加熱部22から第1連結部29bを介して伝達された熱が外周流路28内の温水に放熱されるので、ヒータ21の熱が天面16を介して後述するIGBT34,35などの電子部品に伝達されることがさらに抑制される。
図2に示すように、天板部23は、タンク10の開口部15と比較してヒータユニット20の軸方向に長く形成される。天板部23におけるタンク10からはみ出た部分には、車両に搭載される電源装置や上位のコントローラ(図示省略)と加熱装置100とを接続するためのコネクタ(図示省略)が設けられる。
天板部23は、ヒータユニット20がタンク10内に挿入された状態で、開口部15の外周縁と溶接される。天板部23は、タンク10の天面16を形成する。天面16は、タンク10の底面13と略平行に対向する。
図1に示すように、天板部23には、温度スイッチとしてのバイメタルスイッチ31を取り付けるための凹部24aと、ヒータ温度センサ32を取り付けるための凹部24bと、水温センサ33を取り付けるための凹部24cと、が形成される。
バイメタルスイッチ31は、ヒータユニット20の温度を検出し、検出した温度に応じて切り換わる。具体的には、バイメタルスイッチ31は、ヒータユニット20の温度が第1の設定温度よりも上昇した場合にヒータユニット20への電力の供給を遮断する。ヒータユニット20の温度が第1の設定温度と比較して低い第2の設定温度よりも下降した場合に、バイメタルスイッチ31が再び切り換わってヒータユニット20への電力の供給を再開するようにしてもよい。
ヒータ温度センサ32は、ヒータユニット20におけるヒータ21の温度を検出する。ヒータ温度センサ32は、検出したヒータ21の温度に応じた電気信号を制御基板40に送る。制御基板40は、ヒータ温度センサ32が検出したヒータ21の温度が設定温度よりも高い場合に、ヒータ21への電力の供給を停止させる。
水温センサ33は、タンク10の排出口12近傍における温水の温度を検出する。即ち、水温センサ33は、タンク10から排出される加熱後の温水の温度を検出する。水温センサ33は、天板部23からタンク10内部に突出する突出部23a(図2及び図3参照)の内部に設けられる。水温センサ33は、検出した温水の温度に応じた電気信号を制御基板40に送る。制御基板40は、水温センサ33が検出した温水の温度が所望の温度になるように、ヒータ21への電力の供給を制御する。
図2に示すように、天板部23の上面には、スイッチング素子としての一対のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)34,35が載置される。
IGBT34,35は、バスバーモジュール30を介して車両の電源装置に接続される。IGBT34,35は、制御基板40に接続され、制御基板40からの指令信号に応じてスイッチング動作する。IGBT34,35は、スイッチング動作によってヒータユニット20への電力の供給を制御する。これにより、ヒータユニット20は所望の温度に調整され、排出口12から排出される温水は所望の温度に調整される。
IGBT34,35は、スイッチング動作を繰り返すことによって発熱する。IGBT34,35が動作可能な温度の最大値は、タンク10内を流れる温水の温度と比較して高い。よって、IGBT34,35は、タンク10内を流れる温水により、天面16を介して冷却される。IGBT34,35と天板部23との間には、IGBT34,35と天板部23との間を密着させて熱伝導率を向上させる目的で、伝熱シート130が備えられる。IGBT34,35は、伝熱シート130及び天板部23を介して、タンク10内を流れる温水との間で熱交換が行われることで冷却される。
図1に示すように、バスバーモジュール30は、天板部23の上部に積層される。バスバーモジュール30は、天板部23と比較して小さな矩形に形成される。バスバーモジュール30は、電力や電気信号を送給可能な金属板によって形成される導電性の接続部材である。
制御基板40は、バスバーモジュール30の上部に積層される。制御基板40は、天板部23と比較して小さな矩形に形成される。制御基板40は、バスバーモジュール30及びIGBT34,35と電気的に接続される。制御基板40は、上位のコントローラの指令に基づいてIGBT34,35のオン/オフを制御することでヒータ21に流通する電力を制御して、ヒータ21を加熱する「制御装置」として機能する。なお、以降は、「制御装置」が、IGBT34,35を制御することでヒータ21に流通する電力を制御してヒータ21の加熱を行うものとして記載する。
カバー50は、制御基板40の上部に設けられる。カバー50は、天板部23と略同一の外周形状に形成される。カバー50は、天板部23の外周縁と溶接される。カバー50は天板部23との間の内部空間を密閉する。したがって、カバー50の内面と天板部23により画成された区画である制御装置配設部50aに、制御基板40(制御装置)が配設される。また、天板部23は、タンク10と天板部上に載置されるIGBT34,35及び制御基板40等の電気部品を区画する壁部として構成される。
次に、このように構成された加熱装置100の作用について説明する。
IGBT34,35は、オン/オフ制御されることで電流が流れることにより発熱する。IGBT34,35が流す電流(電力)が大きいほど、発熱は大きくなる。IGBT34,35の発熱は、タンク10内を流通する温水によって冷却される。
図4A及び図4Bは、IGBT34,35と温水との関係を示す説明図である。
図4Aに示すように、IGBT34,35は、伝熱シート130を介して天面16の上面(タンク10の外側)に載置される。天面16の裏面(タンク10の内側)には温水が矢印方向に流れる。
図4Bに示すように、IGBT34,35の素子で発生する熱は、IGBT34,35のセラミック又は樹脂からなるケース35a、伝熱シート130及び天面16を介して温水に伝達される。したがって、IGBT34,35の素子において発生する熱は、これら各構成部品の熱抵抗による影響を差し引いた分が温水に伝達される。
したがって、IGBT34,35の下流側に備えた水温センサ33により計測された温度(温度Ta)は、これら各構成部品による熱抵抗による影響が含まれている。
さらに、天面16において、IGBT34,35の裏面を流れるタンク10内の温水の温度(温度Tb)は、温水の流量や、ヒータ21から発生する熱による影響を受け、その下流にある水温センサ33が検出する温度Taとの間に差が生じる。
そこで、これらの影響を差し引くことで、IGBT34,35の双方の素子において発生する熱を推定することができる。なお、これら各構成部品の熱抵抗は、各構成部品の材質や厚さ等に基づいて予め算出して記憶しておく。また、温水の流量及びヒータ21の加熱は、制御装置において現在の水温及びヒータ21に流通させる電力に基づき、求めることができる。
このように、水温センサ33が検出した温水の温度から、IGBT34,35の双方で発生する熱を推定することができる。
次に、IGBT34,35のそれぞれの発熱の推定について説明する。
制御装置は、IGBT34,35によりヒータ21に流通させる電流を検出して、IGBT34,35の発熱を推定する。
制御装置は、制御基板40に搭載されるCPU,ROM、RAM等から構成される。制御装置は、上位のコントローラ等から温水の目標温度の通知を受けて、温水が目標温度となるようにヒータ21の発熱を制御するため、IGBT34,35をそれぞれオン、オフするPWM制御を行う。この制御において、制御装置は、IGBT34,35それぞれが流通させる電力(電流)の大きさに基づいて、IGBT34,35それぞれのスイッチング素子温度を推定する。
そして、制御装置は、水温センサ33が検出した温水の温度から推定したIGBT34,35の双方での発熱と、ヒータ21の流通させる電力の大きさに基づいて推定したIGBT34,35のそれぞれの発熱とに基づき、IGBT34,35それぞれの素子の発熱を推定する。したがって、制御装置(制御基板40)がIGBT34,35の素子の温度を推定することにより、温度推定部が構成される。
このようにして推定されたIGBT34,35の発熱に基づいて、制御装置は、次のような制御により、ヒータ21の発熱を制御する。
図5は、IGBT34,35がヒータ21に通電可能な電力と、温水の水温との関係を示す。
図5に示すように、温水の温度が低いほど、IGBT34,35の発熱の許容量が大きくなり、ヒータ21により多くの電力を供給して、ヒータ21の温度を上昇させることができる。
例えば冬期のコールドスタート時など、温水の温度が低い場合であって、より速く温水の温度を上昇させたい場合には、IGBT34,35の発熱の許容量が大きい。このことを利用して、IGBT34,35により多くの電流を流通させるように制御することにより、温水の温度が低い場合に、温度の上昇を促進させることができる。
なお、コールドスタート時には、加熱装置100に温水を流入させるポンプを起動してから、温水が安定的に流通するようになるまで、加熱装置100のタンク10内に流通する温水の温度が変動する。
図6は、コールドスタート時の流量の変化による温水の温度の変化を示すグラフである。
コールドスタート時、温水を流通させるポンプを駆動させ、加熱装置100による加熱を開始する。このとき、加熱装置100に流通する温水は、一旦はタンク10内の温水が加熱されて温度が上昇する(タイミングt11から12)が、途中の経路等に存在する低温の温水が流入することで一旦温度が下がる(タイミングt12からt13)。
その後、経路全体の温水が加熱装置100に流入することで温度が徐々に上昇傾向となり、再び温水の温度が上昇する。この時点で、加熱装置100を含む経路全体の温水がヒータ21による加熱が行われるようになる。
そこで、ヒータ21により温水が安定的に加熱された後に水温センサ33による温水の温度の計測を行うことで、IGBT34,35による温度上昇をより正確に検出することができる。
次に、制御装置によるヒータ21の発熱の制御を説明する。
図7は、本発明の実施形態の制御装置が行うヒータ21の加熱の制御のフローチャートである。
制御装置は、上位のコントローラから加熱装置100の動作開始の指示を受けた場合、加熱装置100の動作を開始する(ステップS10)。具体的には、制御装置は、ポンプの駆動を開始して加熱装置100内の温水を流通させる。そして、上位のコントローラから指示された目標温度に基づいて、ヒータ21に流通させる電力の目標値を決定し、ヒータ21がこの電力の目標値となるように、IGBT34,35のオンオフを制御する。
次に、制御装置は、タンク10の温水の流量及び水温センサ33の温度を取得する(ステップS20)。このとき、コールドスタートである場合は、前述の図6に示す温度変化に基づいて、タイミングt13以降に温度の検出を開始する。
そして、制御装置は、水温センサ33が取得した水温に基づいてIGBT34,35の温度を推定する。また、制御装置は、IGBT34,35のオン、オフ制御における各素子への電力の流通量を検出して、IGBT34,35の素子の発熱量を推定する(ステップS30)。
そして、制御装置は、推定したIGBT34,35の素子の発熱量と、図5に示す温水の温度との関係に基づいて、IGBT34,35の発熱量が制限値を超えないように、IGBT34,35のオン、オフを制御する(ステップS40)。
以降、制御装置は、加熱装置100の動作停止の指示があるか否かを判定して、動作停止の指示があるまで、上記のステップを繰り返す(ステップS50)。動作停止の指示があった場合は、本フローチャートによる制御を終了する。
図5に示すように、IGBT34,35の発熱量の上限値は、温水の温度に依存する。すなわち、温水の温度が高ければIGBT34,35が冷却され難くなり、発熱量の許容量が小さくなるので、IGBT34,35によりヒータ21に通電させる電力の量が制限される。
一方で、温水の温度が低ければ、IGBT34,35は冷却され易くなるため、IGBT34,35の発熱量の許容量、すなわち、素子の温度の上限が大きくなるので、IGBT34,35によりヒータ21により多くの電流を流すことができる。
したがって、冬期など特に温水の温度が低い場合には、IGBT34,35によりヒータ21に流通させる電力の許容値が大きくなるので、ヒータ21により多くの電力を供給することができるようになる。これにより、温水の温度が低い場合にも、より迅速に温水の温度を上昇させることができる。
なお、このように、制御装置(制御基板40)がIGBT34,35によりヒータ21に流通させる電力の上限を決定することにより、上限決定部が構成される。
以上の実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
本発明の実施形態では、電力が供給されることで流体を加熱するヒータ21を備える加熱装置100として構成される。加熱装置100は、ヒータ21への電力の供給を制御する制御装置(制御基板40)が配設される制御装置配設部50aと、ヒータ21の周りを覆うように形成され、流体が流通する流体流通部と、制御装置配設部50aと前記流体流通部とを区画する壁部としての天面16と、を備える。制御装置は、天面16に載置され、ヒータ21への電力の供給をオン/オフするスイッチング素子としてのIGBT34,35と、流体の温度を検出する流体温度検出部としての水温センサ33と、水温センサ33が検出した流体の温度に基づいて、IGBT34,35の素子の温度を推定する温度推定部と、温度推定部が推定したIGBT34,35の素子の温度に基づいて、ヒータ21に供給する電力の上限を決定する上限決定部と、を備える。
本発明の実施形態は、このように構成することによって、水温を検出する既存の水温センサ33を用いて、IGBT34,35の素子の温度を推定することができるので、新たにセンサやサーミスタ等を設けることがないのでコストを増加することがない。さらに、IGBT34,35の素子の温度を推定して、推定された温度に基づいて、ヒータ21の発熱を制御することができるので、例えば温水の温度が低い冬期やコールドスタート時にも、水温を適切に素早く上昇させることができる。
また、本発明の実施形態では、IGBT34,35が流通させる電力と、IGBT34,35と流体流通部との間の熱抵抗と、天面16においてIGBT34,35の裏面を流れる流体流通部内の温水の温度と、に基づいてIGBT34,35の素子の温度を推定するので、新たにセンサやサーミスタ等を設けることがないのでコストを増加することがなく、IGBT34,35素子の温度を推定できる。
また、本発明の実施形態では、水温センサ33は、流体流通部においてIGBT34,35が載置される箇所よりも流体の流れ方向の下流に備えられ、水温センサ33が検出した温水の温度と、流体流通部における流体の流量と、ヒータ21に供給される電力と、に基づいて、IGBT34,35が載置される箇所を流れる流体流通部内の温水の温度を推定するので、新たにセンサやサーミスタ等を設けることがないのでコストを増加することなく、IGBT34,35素子の温度を推定できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、上記実施形態では、供給口11から供給された温水が内周流路27を流れた後に、外周流路28を流れて排出口12から排出される。これに限らず、供給口11から供給された温水が外周流路28を流れた後に、内周流路27を流れて排出口12から排出されるようにしてもよい。この場合は、IGBT34,35の下流側に水温センサ33が設けられるように構成することができる。
10 タンク(流体流通部)
16 天面(壁部)
20 ヒータユニット
21 ヒータ
22 加熱部
23 天板部
30 バスバーモジュール
31 バイメタルスイッチ
32 ヒータ温度センサ
33 水温センサ(流体温度検出部)
34,35 IGBT(スイッチング素子)
40 制御基板(制御装置)
50 カバー
50a 制御装置配設部
100 加熱装置
130 伝熱シート

Claims (4)

  1. 電力が供給されることで流体を加熱するヒータを備える加熱装置であって、
    前記ヒータへの電力の供給を制御する制御装置が配設される制御装置配設部と、
    前記ヒータの周りを覆うように形成され、前記流体が流通する流体流通部と、
    前記制御装置配設部と前記流体流通部とを区画する壁部と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記壁部に載置され、前記ヒータへの電力の供給をオン/オフするスイッチング素子と、
    前記流体の温度を検出する流体温度検出部と、
    前記流体温度検出部が検出した流体温度に基づいて、前記スイッチング素子の温度を推定する温度推定部と、
    前記温度推定部が推定した前記スイッチング素子の温度に基づいて、前記ヒータに供給する電力の上限を決定する上限決定部と、を備える
    ことを特徴とする加熱装置。
  2. 請求項1に記載の加熱装置であって、
    前記温度推定部は、前記スイッチング素子が前記ヒータに流通させる電力と、前記スイッチング素子と前記流体流通部との間の熱抵抗と、前記壁部において前記スイッチング素子の裏面を流れる前記流体流通部内の前記流体の温度と、に基づいて前記スイッチング素子の温度を推定する
    ことを特徴とする加熱装置。
  3. 請求項1又は2に記載の加熱装置であって、
    前記流体温度検出部は、前記流体流通部において、前記スイッチング素子が載置される箇所よりも前記流体の流れ方向の下流に備えられ、
    前記温度推定部は、前記流体温度検出部が検出した前記流体温度と、前記流体流通部における前記流体の流量と、前記ヒータに供給される電力と、に基づいて、前記スイッチング素子が載置される箇所を流れる前記流体流通部内の前記流体の温度を推定する
    ことを特徴とする加熱装置。
  4. 電力が供給されることで流体を加熱するヒータを備える加熱装置において前記ヒータに供給する電力の上限を決定する加熱装置の電力上限決定方法であって、
    前記加熱装置は、
    前記ヒータへの電力の供給を制御する制御装置が配設される制御装置配設部と、
    前記ヒータの周りを覆うように形成され、前記流体が流通する流体流通部と、
    前記制御装置配設部と前記流体流通部とを区画する壁部と、
    前記壁部に載置され、前記ヒータへの電力の供給をオン/オフするスイッチング素子と、
    前記流体の温度を検出する流体温度検出部と、
    を備え、
    前記流体温度検出部が検出した流体温度に基づいて、前記スイッチング素子の温度を推定し、
    推定された前記スイッチング素子の温度に基づいて、前記ヒータに供給する電力の上限を決定する
    ことを特徴とする加熱装置の電力上限決定方法。
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