JP2019075227A - 酸化物超電導線材の接続構造 - Google Patents

酸化物超電導線材の接続構造 Download PDF

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Abstract

【課題】接続構造における電流特性を改善することが可能な酸化物超電導線材の接続構造を提供する。【解決手段】酸化物超電導線材の接続構造40は、基板11,21上に超電導層13,23を有する酸化物超電導線材からなる接続対象線材10,20の間が、接続対象線材10,20より幅が狭い接続用超電導線材30を介して接続され、接続用超電導線材30の電流特性が、接続対象線材10,20の電流特性と同等以上であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、酸化物超電導線材の接続構造に関する。
酸化物超電導線材は、電流損失が低いため、電力供給用ケーブル、磁気コイル等として使用されている。現在、酸化物超電導線材は、多数の工程を経て作製されているため、上記用途に適した無欠陥の長尺線材を作製することが難しい。このため、複数本の線材を接続することで、上記用途に適した長さの線材が構成されている。また、磁気コイルの中でも、MRI、NMR等に用いられるコイルに応用するには、両端を低抵抗でループ状に接続し、永久電流モードの運転を可能にすることが望まれている。特許文献1には、超電導線材の少なくとも一方に、外部に通じる溝を設ける接続構造が記載されている。
特開2016−201328号公報
特許文献1に記載の接続構造の場合、酸素アニール処理時に溝を通して酸素を供給するため、溝が長手方向に連続して形成される必要がある。このため、超電導層の幅が狭くなり、接続構造における電流特性が、接続構造以外の部分における線材の電流特性よりも低くなる。その結果、接続構造における電流特性が、複数本の線材を接続して得られた長尺線材の電流特性の上限となる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、接続構造における電流特性を改善することが可能な酸化物超電導線材の接続構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、基板上に超電導層を有する酸化物超電導線材からなる接続対象線材の間が、前記接続対象線材より幅が狭い接続用超電導線材を介して接続され、前記接続用超電導線材の電流特性が、前記接続対象線材の電流特性と同等以上であることを特徴とする酸化物超電導線材の接続構造を提供する。
前記接続用超電導線材が2本以上であり、前記接続用超電導線材の2本以上を合計した電流特性が、前記接続対象線材の電流特性と同等以上であってもよい。
2本以上の前記接続用超電導線材が幅方向に接触しないように間隙を有してもよい。
前記接続用超電導線材は、基板上に超電導層を有する酸化物超電導線材からなり、その超電導層が、(1)前記接続対象線材の超電導層に比べて、結晶の配向性が良質である、(2)前記接続対象線材の超電導層に比べて、膜厚が厚い、(3)人工的な結晶欠陥を含む、または、(4)前記(1)〜(3)のうち2以上の組み合わせであってもよい。
本発明によれば、酸化物超電導線材の接続構造における電流特性を改善することができる。
本発明の酸化物超電導線材の接続構造の実施形態を例示する斜視図である。 図1のII−II断面図である。
以下、好適な実施形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。なお、図面は模式図であり、各構成要素の寸法比率などは、実際と必ずしも同じではない。
図1に、実施形態の接続構造の斜視図を示す。また、図2に、接続構造の長手方向に垂直な方向の断面図を示す。この接続構造40は、2本の接続対象線材10,20の間が、接続用超電導線材30を介して接続された構造からなる。
接続対象線材10,20は、それぞれ、基板11,21上に超電導層13,23を有する酸化物超電導線材からなる。それぞれの接続対象線材10,20は、基板11,21の一方の主面上に、中間層12,22を介して超電導層13,23が形成された積層構造を有する。また、本実施形態の接続用超電導線材30は、基板31上に超電導層33を有する酸化物超電導線材からなる。この接続用超電導線材30は、基板31の一方の主面上に、中間層32を介して超電導層33が形成された積層構造を有する。接続対象線材10,20の周囲には、金属等からなる保護層14,24が形成されている。
本実施形態の接続構造40では、接続対象線材10,20は、長手方向の端部を、長手方向に対向させるように配置されている。接続対象線材10,20の長手方向の端部同士が接触するように突き合わされてもよく、接続対象線材10,20の長手方向の端部の間に隙間を有してもよい。なお、基板11,21の主面上において、長手方向に交差する方向が、幅方向である。
接続用超電導線材30は、その超電導層33が、接続対象線材10,20の超電導層13,23と対向して重なり合うように、配置されている。これにより、接続対象線材10,20が接続用超電導線材30を介して接続されている。接続対象線材10,20の超電導層13,23と、接続用超電導線材30の超電導層33との間は、超電導接続がなされるように、接触または一体化していることが好ましい。このため、接続対象線材10,20の超電導層13,23と、接続用超電導線材30の超電導層33との間に、半田など、超電導層13,23,33よりも電気抵抗が大きい材料が介在しないことが好ましい。
接続用超電導線材30の幅は、接続対象線材10,20の幅より狭くされている。これにより、接続対象線材10,20の超電導層13,23の一部は、接続用超電導線材30の超電導層33で覆われることなく、露出されている。本実施形態の場合、接続用超電導線材30が2本以上であり、接続用超電導線材30の間が幅方向に接触しないように間隙34を有している。
本実施形態の接続構造40においては、接続用超電導線材30の電流特性が、接続対象線材10,20の電流特性と同等以上である。これにより、接続構造40の電流特性が、接続用超電導線材30の電流特性に制限されることなく、接続対象線材10,20の電流特性と同等以上となる。電流特性としては、具体的には臨界磁場以下での臨界電流(Ic)が挙げられる。
接続用超電導線材30が幅方向に2本以上並列して設けられている場合は、接続用超電導線材30の1本ずつの電流特性が、接続対象線材10,20の電流特性と同等以上でなくてもよく、2本以上の接続用超電導線材30を合計した電流特性が、接続対象線材10,20の電流特性と同等以上であればよい。接続対象線材10,20の電流特性に差がある場合は、接続用超電導線材30の電流特性が、少なくとも、接続対象線材10,20のうち低い方の電流特性と同等以上であることが好ましい。接続用超電導線材30の電流特性が、接続対象線材10,20の平均の電流特性と同等以上でもよく、接続対象線材10,20のうち高い方の電流特性と同等以上でもよい。
接続用超電導線材30の電流特性を高くする手法としては、例えば、次の(1)〜(3)、またはこれらのうち2以上の組み合わせが挙げられる。
(1)接続用超電導線材30の超電導層33が、接続対象線材10,20の超電導層13,23に比べて、結晶の配向性が良質な酸化物超電導体からなる。
(2)接続用超電導線材30の超電導層33の膜厚が、接続対象線材10,20の超電導層13,23の膜厚より厚い。
(3)接続用超電導線材30の超電導層33が、人工的な結晶欠陥を含む。
なお、(3)の場合、接続対象線材10,20の超電導層13,23が人工的な結晶欠陥を含まない場合に限らず、含む場合もあり得る。接続用超電導線材30の超電導層33と、接続対象線材10,20の超電導層13,23との両方が人工的な結晶欠陥を含む場合には、人工的な結晶欠陥の種類や程度の差、あるいは上述の(1)または(2)等により、電流特性に差を設けることができる。
接続用超電導線材30の超電導層33において、結晶の配向性が良質な酸化物超電導体としては、例えば接続用超電導線材30の中間層32の配向性を、接続対象線材10,20の中間層12,22の配向性よりも高くする方法等が挙げられる。接続用超電導線材30の超電導層33を構成する酸化物超電導体として、接続対象線材10,20の超電導層13,23を構成する酸化物超電導体よりも電流特性が高い材料を用いてもよい。接続対象線材10,20の超電導層13,23は長尺で安定的に形成できる材料が好ましく、接続用超電導線材30の超電導層33は短尺でも電流特性が高い材料が好ましい。
人工的な結晶欠陥としては、異種材料による人工ピンなどが挙げられる。超電導層に人工ピンを導入するために用いられる異種材料としては、例えば、BaSnO(BSO)、BaZrO(BZO)、BaHfO(BHO)、BaTiO(BTO)、SnO、TiO、ZrO、LaMnO、ZnO等の1種または2種以上が挙げられる。
次に、接続対象線材10,20および接続用超電導線材30を構成する酸化物超電導線材について、説明する。
基板11,21,31は、テープ状の金属基板である。各基板は、厚さ方向の両側に、それぞれ主面を有する。各基板を構成する金属の具体例として、ハステロイ(登録商標)に代表されるニッケル合金、ステンレス鋼、ニッケル合金に集合組織を導入した配向Ni−W合金などが挙げられる。基板の厚さは、目的に応じて適宜調整すれば良く、例えば10〜1000μmの範囲である。
中間層12,22,32は、基板11,21,31と超電導層13,23,33との間に設けられる。中間層は、多層構成でもよく、例えば基板側から超電導層側に向かう順で、拡散防止層、ベッド層、配向層、キャップ層等を有してもよい。これらの層は必ずしも1層ずつ設けられるとは限らず、一部の層を省略する場合や、同種の層を2以上繰り返し積層する場合もある。
超電導層13,23,33は、酸化物超電導体から構成される。酸化物超電導体としては、例えば一般式REBaCu7−x(RE123)等で表されるRE−Ba−Cu−O系酸化物超電導体が挙げられる。希土類元素REとしては、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luのうちの1種又は2種以上が挙げられる。酸化物超電導層の厚さは、例えば0.5〜5μm程度である。
保護層14,24は、事故時に発生する過電流をバイパスしたり、超電導層13,23,33と保護層14,24の上に設けられる層との間で起こる化学反応を抑制したりする等の機能を有する。保護層14,24の材質としては、例えば銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、金と銀との合金、その他の銀合金、銅合金、金合金などが挙げられる。保護層14,24の厚さは、例えば1〜30μm程度であり、保護層14,24を薄くする場合は、10μm以下でもよい。
保護層14,24を厚さ方向に2層以上積層することも可能である。例えば、酸素アニール前には、保護層14,24として高温条件下で酸素を透過可能な銀または銀合金を積層し、酸素アニール後に、銀または銀合金の上に銅等を積層してもよい。また、酸素アニール後には、接続構造40における接続対象線材10,20または接続用超電導線材30の周囲に、保護層14,24と同様な金属層を設け、超電導層13,23,33等を被覆してもよい。保護層14,24の上には、安定化層(図示せず)等を設けてもよい。安定化層としては、Cu,Ag,Al,Sn,Ti、合金等の金属のめっき層又は金属箔が挙げられる。安定化層は、2種以上を積層して構成されてもよい。
接続構造40の作製方法としては、基板11,21上に中間層12,22及び超電導層13,23を有する接続対象線材10,20を作製し、少なくとも超電導層13,23上を含む接続対象線材10,20の周囲に保護層14,24を積層した後、接続対象線材10,20の超電導層13,23を、接続用超電導線材30の超電導層33を介して接続する方法が挙げられる。
接続前の接続対象線材10,20において、接続用超電導線材30を重ね合わせる部分の超電導層13,23上に保護層14,24が形成されている場合は、その部分の保護層14,24の少なくとも一部を除去することが好ましい。接続対象線材10,20の超電導層13,23を、接続用超電導線材30の超電導層33と重ね合わせた後、界面の電気抵抗を抑制するために、超電導体を拡散接合したり、接続後に酸素アニールをして超電導層13,23,33の劣化を回復させたりしてもよい。拡散接合では、対向する超電導層に含まれる超電導体が同種または類似の材料であることが好ましい。また、酸素アニールにより、酸化物超電導体の金属元素に対する酸化物の比を最適化することができる。
2本以上の接続用超電導線材30の間に間隙34があると、接続後の酸素アニールの際に超電導層13,23,33に酸素を流通させることができる。接続後でも酸素の導入が妨げられず、酸素導入に多大な時間を要しない。接続対象線材10,20および接続用超電導線材30の酸素アニールは、接続対象線材10,20を接続用超電導線材30と接続する前、または接続した後のいずれかに、少なくとも1回行うことが好ましい。超電導層が露出された線材を接続した後は、少なくとも露出されている超電導層の上に、超電導層が露出しないように、銀等の保護層を積層することが好ましい。
接続対象線材10,20の長手方向の端部の間に間隙がある場合、また、2本以上の接続用超電導線材30に間隙がある場合には、これらの間隙に充填物など(図示せず)を介在させることも可能である。充填物としては、金属や樹脂等が挙げられる。接続対象線材10,20の超電導層13,23と接続用超電導線材30の超電導層33との間が超電導接続されている場合、超電導層13,23,33の周囲に導体または電気絶縁体が存在しても、線材の超電導特性に影響しない。
以上、本発明を好適な実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。改変としては、各実施形態における構成要素の追加、置換、省略、その他の変更が挙げられる。また、2以上の実施形態に用いられた構成要素を適宜組み合わせることも可能である。
接続部を介して長手方向に2本以上の酸化物超電導線材が接続された線材を得る場合、長尺の接続対象線材と短尺の接続用超電導線材を交互に繰り返し接続してもよい。
酸化物超電導線材を使用して超電導コイルを作製するには、例えば線材を巻き枠の外周面に沿って必要な層数巻き付けてコイル形状の多層巻きコイルを構成した後、巻き付けた線材を覆うようにエポキシ樹脂等の樹脂を含浸させて、線材を固定することができる。コイルは、軸方向に多数配置される場合がある。この場合、各コイルは線材の幅方向に隣接することから、接続用超電導線材の幅方向両端が、接続対象線材の幅方向両端から突出しないことが好ましい。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。ここでは、4mm幅の超電導線材を接続対象線材とし、その端部間を4本の接続用超電導線材で橋かけ(ブリッジ)状に接続する例を示す。なお、電気的特性は、線材が超電導状態になる液体窒素温度で測定した。
1.実施例に用いる接続対象線材の作製
(1−1)基板として幅12mm、長さ5m、厚さ0.75mm(750μm)のハステロイ(登録商標)C−276からなる基板を用意し、平均粒径3μmのアルミナ(Al)粒子を使用して、基板の主面上を研磨した。
(1−2)エタノールまたはアセトン等の有機溶媒で基板を脱脂、洗浄した。
(1−3)イオンビームスパッタ法により、基板の主面上に拡散防止層として厚さ100nmのAl層を成膜した。
(1−4)イオンビームスパッタ法により、Al層の表面上にベッド層として厚さ30nmのY層を成膜した。
(1−5)イオンビームアシスト蒸着法により、Y層の表面上に配向層として厚さ5〜10nmのMgO層を成膜した。
(1−6)パルスレーザ蒸着法により、MgO層の表面上にキャップ層として厚さ500nmのCeO層を成膜した。CeO層の結晶面内配向度(Δφ)は4.0°であった。
(1−7)パルスレーザ蒸着法により、CeO層の表面上に超電導層として厚さ2μmのGdBaCu7−x層を成膜した。
(1−8)DCスパッタ法により、保護層として厚さ2μmのAg層を成膜した。
(1−9)酸素アニールを500℃で10時間行い、26時間炉冷した後、炉から線材を取り出した。
(1−10)赤外レーザにより長手方向に沿って線材を切断し、幅4mmで3本の接続対象線材を得た。そのうち2本の線材の電流特性を測定したところ、超電導状態を維持して通電可能な通電電流値(臨界電流値)は、2本とも200Aであった。
(1−11)電流特性を測定した2本の線材の片端部から長手方向に7cmの区間のAg層を溶解し、超電導層を露出させた後、端部同士を突き合わせた。
2.実施例に用いる接続用超電導線材の作製
(2−1)〜(2−6)は、上記の(1−1)〜(1−6)と同様に実施した。
(2−7)パルスレーザ蒸着法により、CeO層の表面上に超電導層として厚さ3.5μmのGdBaCu7−x層を成膜した。
(2−8)〜(2−9)は、上記の(1−8)〜(1−9)と同様に実施した。
(2−10)赤外レーザにより長手方向に沿って線材を切断し、幅0.68mmで17本の超電導線材を得た。そのうち1本の線材の電流特性を測定したところ、通電電流値は61Aであった。
(2−11)電流特性を測定した1本の線材から、長さ5cmで4本の接続用超電導線材を得た。全長にわたりAg層を溶解し、超電導層を露出させた。
3.実施例による超電導線材の接続
(3−1)図1に示すように接続対象線材10,20の超電導層13,23と、4本の接続用超電導線材30の超電導層33とを対向させ、厚さ方向に加圧しつつ重ね合わせた。幅方向に隣り合う接続用超電導線材30の間が接触しないように、200μm以上の間隙34を空けて配置した。なお、この間隙34は酸素アニール時に酸素の流れを阻害しなければよく、上記のように限定されるものではない。
(3−2)接続対象線材10,20と接続用超電導線材30との対向する部分を、3×10−2Torrの減圧下に配置して、接続対象線材10,20の基板11,21側から赤外レーザを照射し、超電導層13,23,33を拡散接合した。レーザ照射条件は、波長が1064nm、エネルギー密度が3×10W/cm、照射時間が10秒とした。
(3−3)減圧下から線材を取り出した後、接続部の超電導層が露出した箇所と接続部にAgを1μm成膜した。
(3−4)接続部を含む線材の酸素アニールを500℃で10時間行い、10時間炉冷した後、炉から線材を取り出した。
(3−5)接続部を含む線材の通電電流値と接続抵抗を測定した。接続部を含む線材の通電電流値は200Aであり、接続前の接続対象線材の通電電流値である200Aと同等であった。接続抵抗は1nΩ以下であり、超電導状態を示した。
4.比較例による超電導線材の接続
(4−1)接続対象線材は、実施例の(1−1)〜(1−11)と同様に作製した。
(4−2)比較例の接続用超電導線材を準備するため、実施例の接続対象線材の(1−1)〜(1−10)と同様に線材を作製した後、線材を30cm長に切り割りして、端部から長手方向に12.5〜17.5cmとなる5cmの区間において基板上の超電導層を幅方向に4分割した。この4分割加工は、波長532nm、周波数500kHz、出力12W、パルス幅10ps、加工速度300mm/s、溝1本ごとにレーザ照射3回繰り返しの条件で、スクライブ加工により、基板が切断されないように3本の溝を作製する手順により実施した。それぞれの溝幅は50μmであった。溝加工後の線材の通電電流値は192Aであった。スクライブ加工した5cmの区間を赤外CWレーザにより切断した後、Ag層を溶解し、超電導層を露出させ、5cm長の接続用超電導線材を得た。
(4−3)5cm長でスクライブ加工した接続用超電導線材の両端部を、それぞれ接続対象線材の端部に対向させ、厚さ方向に加圧しつつ重ね合わせた。この対向する部分を、3×10−2Torrの減圧下に配置して、接続対象線材の基板側から赤外レーザを照射し、超電導層を拡散接合した。レーザ照射条件は、波長が1064nm、エネルギー密度が3×10W/cm、照射時間が10秒とした。
(4−4)減圧下から線材を取り出した後、接続部の超電導層が露出した箇所と接続部にAgを1μm成膜した。
(4−5)接続部を含む線材の酸素アニールを500℃で10時間行い、26時間炉冷した後、炉から線材を取り出した。
(4−6)接続部を含む線材の通電電流値と接続抵抗を測定した。接続部を含む線材の通電電流値は192Aであり、接続前の接続対象線材の通電電流値である200Aよりも低下した。接続抵抗は1nΩ以下であり、超電導状態を示した。
以上のように、接続用超電導線材の電流特性が、接続対象線材の電流特性と同等以上であれば、接続部を含む線材の通電電流値が、接続前の接続対象線材の通電電流値と同等となった。また、接続用超電導線材の電流特性が、接続対象線材の電流特性より低ければ、接続部を含む線材の通電電流値が、接続前の接続対象線材の通電電流値より低くなった。
10,20…接続対象線材、11,21,31…基板、12,22,32…中間層、13,23,33…超電導層、14,24…保護層、30…接続用超電導線材、34…間隙、40…接続構造。

Claims (4)

  1. 基板上に超電導層を有する酸化物超電導線材からなる接続対象線材の間が、前記接続対象線材より幅が狭い接続用超電導線材を介して接続され、前記接続用超電導線材の電流特性が、前記接続対象線材の電流特性と同等以上であることを特徴とする酸化物超電導線材の接続構造。
  2. 前記接続用超電導線材が2本以上であり、前記接続用超電導線材の2本以上を合計した電流特性が、前記接続対象線材の電流特性と同等以上であることを特徴とする請求項1に記載の酸化物超電導線材の接続構造。
  3. 2本以上の前記接続用超電導線材が幅方向に接触しないように間隙を有することを特徴とする請求項2に記載の酸化物超電導線材の接続構造。
  4. 前記接続用超電導線材は、基板上に超電導層を有する酸化物超電導線材からなり、その超電導層が、
    (1)前記接続対象線材の超電導層に比べて、結晶の配向性が良質である、
    (2)前記接続対象線材の超電導層に比べて、膜厚が厚い、
    (3)人工的な結晶欠陥を含む、または、
    (4)前記(1)〜(3)のうち2以上の組み合わせであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の酸化物超電導線材の接続構造。
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