JP2019073802A - 高い強度及び美的訴求力を有するアルミニウム合金 - Google Patents

高い強度及び美的訴求力を有するアルミニウム合金 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、異なる範囲の合金化元素を含むアルミニウム合金を提供することを目的とする。【解決手段】さまざまな態様において、合金は、ZnとMgとの重量%の比が4:1〜7:1である。本開示は更に、アルミニウム合金を製造するための方法、及びアルミニウム合金を含む物品を含む。【選択図】図5

Description

〔優先権〕
本出願は、2013年9月30日出願の発明の名称が「Aluminum Alloys with High Strength and Cosmetic Appeal」である米国特許仮出願第61/884,860号、及び2014年9月8日出願の発明の名称が「Aluminum Alloys with High Strength and Cosmetic Appeal」である米国特許仮出願第62/047,600号の米国特許法第119条(e)の下での利益を主張するものであり、これらの出願をいずれも本出願に参照によって援用するものである。
本明細書に述べられる各実施形態は、概して、アルミニウム合金に関する。より詳細には、各実施形態は、電子機器のエンクロジャをはじめとする用途に用いられる、高い強度及び美的訴求力を有するアルミニウム合金に関する。
アルミニウム(Al)合金6063番などの市販のアルミニウム合金が、電子機器のエンクロジャを製造するために使用されてきた。しかしながら、アルミニウム合金6063番は、降伏強度が例えば約214MPaと比較的低く、電子機器のエンクロジャとして使用される場合に容易に凹んでしまうことがある。合金が容易に凹まないように高い降伏強度を有する合金を製造することが望ましいと考えられる。電子機器としては、携帯電話、タブレット型コンピュータ、ノートブック型コンピュータ、機器のウインドウ、装置のスクリーンなどが挙げられる。
多くの市販の7000番台のアルミニウム合金が航空宇宙用途に開発されている。一般的に、7000番台のアルミニウム合金は高い降伏強度を有している。しかしながら、市販の7000番台のアルミニウム合金は、電子機器のエンクロジャを製造するために使用される場合には美的訴求力がない。例えば、市販の7000番台のアルミニウム合金は、通常、合金を強化する目的でジルコニウム(Zr)及び銅(Cu)を含有している。Cuは合金を強化するものの、Cuを含有するアルミニウム合金は陽極酸化処理された後で、通常、黄色味がかった色を呈する。黄色味がかった色は美的な訴求力がない。図1は、Cuを含有する市販のアルミニウム合金で作製された合金の画像である。合金の色は黄色味がかっている。
美的訴求力は電子装置のエンクロジャにおいて極めて重要である。凹みにくくするためには高い降伏強度も重要である。市販の合金(例えば、2000、6000、又は7000番台の合金)は、陽極酸化処理及びブラスト処理を行った後で、高い降伏強度及び中間色のような美的訴求力の両方は得られない。
したがって、高い強度及び向上した美観を有するアルミニウム合金の開発が依然として求められている。
本明細書に述べられる各態様及び各実施形態は、高い強度及び向上した美観を有するアルミニウム合金を提供しうるものである。
いくつかの態様では、本開示は、4.0〜10.0重量%のZnと、0.5〜2.0重量%のMgと、0〜0.50重量%のCuと、0〜0.10重量%のZrとを含み、残部がアルミニウム及び付随的な不純物であるアルミニウム合金に関する。
さまざまな態様において、合金は、ZnとMgとの重量%の比が、4:1〜7:1であってよい。
さまざまな態様において、アルミニウム合金は、4.25〜6.25重量%のZnと、0.75〜1.50重量%のMgとを含む。
さまざまな態様において、アルミニウム合金は、4.75〜6.25重量%のZnと、0.75〜1.50重量%のMgとを含む。
さまざまな態様において、アルミニウム合金は、5.00〜5.65重量%のZnと、1.00〜1.10重量%のMgとを含む。
さまざまな態様において、アルミニウム合金は、5.40〜5.60重量%のZnと、0.90〜1.10重量%のMgとを含む。
さまざまな態様において、アルミニウム合金は、5.40〜5.65重量%のZnと、1.30〜1.50重量%のMgとを含む。
さまざまな態様において、アルミニウム合金は、6.40〜6.60重量%のZnと、1.30〜1.50重量%のMgとを含む。
さまざまな態様において、アルミニウム合金は、4.25〜6.25重量%のZnと、0.75〜1.50重量%のMgとを含む。
いくつかの態様において、アルミニウム合金は、4.0〜10.0重量%のZnと、0.5〜2.0重量%のMgと、0〜0.20重量%のCuと、0〜0.10重量%のZrとを含み、ZnとMgとの重量%の比が、4:1〜7:1である。
いくつかの態様において、アルミニウム合金は、4.0〜10.0重量%のZnと、0.5〜2.0重量%のMgと、0〜0.20重量%のCuと、0〜0.10重量%のZrとを含み、ZnとMgとの重量%の比が4:1〜7:1である。
いくつかの態様において、アルミニウム合金は、4.0〜8.0重量%のZnと、0.5〜2.0重量%のMgと、0〜0.01重量%のCuと、0〜0.01重量%のZrとを含み、ZnとMgとの重量%の比が4:1〜7:1である。
いくつかの態様において、アルミニウム合金は、4.0〜8.0重量%のZnと、0.5〜2.0重量%のMgと、0〜0.50重量%のCuと、0〜0.10重量%のZrとを含む。特定の更なる態様において、合金は、ZnとMgとの重量%の比が、4:1〜7:1であってよい。
いくつかの態様において、アルミニウム合金は、4.0〜8.0重量%のZnと、0.5〜2.0重量%のMgと、0〜0.20重量%のCuと、0〜0.10重量%のZrとを含む。特定の更なる態様において、合金は、ZnとMgとの重量%の比が、4:1〜7:1であってよい。
いくつかの態様において、アルミニウム合金は、4.0〜8.0重量%のZnと、0.5〜2.0重量%のMgと、0〜0.01重量%のCuと、0〜0.01重量%のZrとを含み、ZnとMgとの重量%の比が4:1〜7:1である。
いくつかの態様において、アルミニウム合金は、5.25〜5.75重量%のZnと、1.0〜1.4重量%のMgと、0〜0.01重量%のCuと、0〜0.010重量%のZrとを含む。
いくつかの態様では、アルミニウム合金を製造するための方法が提供される。本方法は、4.0〜8.0重量%のZnと、0.5〜2.0重量%のMgと、0〜0.01重量%のCuと、0〜0.01重量%のZrとを含む溶融物を形成する工程を含む。合金は、ZnとMgとの重量%の比が4:1〜7:1である。本方法は、溶融物を室温に冷却する工程を更に含む。本方法は、冷却した合金を、高温に加熱し、高温にある時間にわたって保持することによって均質化する工程と、を更に含む。
更なる実施形態及び特徴は、一部が以下に続く説明文に記載され、一部は明細書を検討することで当業者にとって明らかとなるか、又は本明細書に記載される実施形態の実施により知ることができるであろう。明細書の残りの部分及び本開示の一部をなす図面を参照することによって特定の実施形態の性質及び利点の更なる理解を得ることが可能である。
本開示の更なる非限定的な態様について、図面及び説明文を参照しながら説明する。
Cuを0.2%以上の量で含有するアルミニウム合金で作製されたMacBook(登録商標)の画像を示す。 本開示の実施形態に係るAl−Zn−Mg合金について、亜鉛(Zn)に対するマグネシウム(Mg)の組成空間を示す。 本開示の実施形態に係るZrを含むアルミニウム合金の長い粒子構造を示した画像である。 本開示の実施形態に係るZrを含まないアルミニウム合金の微細粒子構造を示した画像である。 本開示の実施形態に係る、異なるクエンチング方法を用いた6063番のアルミニウム合金と比較した本明細書に開示される試料合金の硬さを示す。
本開示は、以下の詳細な説明を、下記に述べる図面と併せて参照することで理解することができる。説明を分かりやすくするため、異なる図面中の特定の要素は一定の縮尺で描かれていない場合があり、概略的に又は概念的に表されているか、あるいは、各実施形態の特定の物理的な構成と正確に一致していない場合がある。
本特許出願は、さまざまな実施形態において、高い硬さ、向上した美的訴求力、及び/又はより効率的な処理パラメータを有する7xxx番台のアルミニウム合金に関するものである。Al合金は、元素のさまざまな重量%及び特定の性質によって述べることができる。本明細書に述べられる各合金のすべての説明において、各合金の重量%での残部は、Al及び付随的不純物であることは理解されよう。
いくつかの態様において、アモルファス合金を有する組成物は少量の付随的不純物を含みうる。不純物元素は、処理及び製造の副生成物として存在しうるものである。不純物は、約2重量%以下、又は約1重量%以下、又は約0.5重量%以下、又は約0.1重量%でありうる。
いくつかの態様では、本開示は、少なくとも280MPaの高い降伏強度を有するアルミニウム合金を提供する。更なる態様では、本開示は、少なくとも350MPaの降伏強度を有するアルミニウム合金を提供する。合金は、合金を強化するために亜鉛(Zn)及びマグネシウム(Mg)を含む。
亜鉛及びマグネシウム
合金はZn及びMgを添加することによって強化することができる。Zn及びMgは、MgZn2として析出して合金中で第2のMgZn2相を形成する。この第2のMgZn2相は、析出強化によって合金の強度を高めることができる。さまざまな態様において、MgZn2析出物は、本明細書に述べられるような急速冷却及びそれに続く熱処理を含むプロセスから生成することができる。
合金の降伏強度は、Zn含量を大きくすることによって高めることができる。しかしながら、応力腐食割れに対する耐性は、Zn含量が大きくなるのにしたがって低下しうる。Zn含量は、設計上の耐応力腐食性及び設計上の降伏強度に応じて異なりうる。高い降伏強度を得ようとすると、合金の耐腐食性は低くなりうる。例えば、用途に応じて、耐腐食性の高い合金では、耐腐食性の低い合金におけるよりもZn含量が低くされる場合がある。強度の高い合金が比較的低い耐応力腐食性を有するような変例では、耐腐食性の高い合金よりもZn含量は高くされる場合がある。
合金中のZn及びMgの量は、利用可能なすべてのMg及びZnが合金中でMgZn2を生成するために使用されるように化学量論的な量で選択することができる。いくつかの実施形態では、ZnとMgとは、MgZn2の外側に過剰なMg又はZnが存在しないようなモル比である。さまざまな実施形態では、いくらかの過剰なZn又はMgが存在してよい。
いくつかの実施形態では、合金は10.0重量%未満のZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は9.5重量%未満のZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は9.0重量%未満のZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は8.5重量%未満のZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は8.0重量%未満のZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は7.5重量%未満のZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は7.0重量%未満のZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は6.5重量%未満のZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は6.0重量%未満のZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は5.5重量%未満のZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は5.0重量%未満のZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は4.5重量%未満のZnを含む。
いくつかの実施形態では、合金は4.0重量%よりも多いZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は4.5重量%よりも多いZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は5.0重量%よりも多いZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は5.5重量%よりも多いZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は6.0重量%よりも多いZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は6.5重量%よりも多いZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は7.0重量%よりも多いZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は7.5重量%よりも多いZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は8.0重量%よりも多いZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は8.5重量%よりも多いZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は9.0重量%よりも多いZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は9.5重量%よりも多いZnを含む。
いくつかの実施形態では、合金は4.0〜8.0重量%のZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は4.25〜6.25重量%のZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は6.25重量%未満のZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は5.25〜5.75重量%のZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は6.25重量%未満のZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は6.00重量%未満のZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は5.75重量%未満のZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は5.65重量%未満のZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は5.55重量%未満のZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は5.45重量%未満のZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は5.35重量%未満のZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は5.25重量%未満のZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は5.00重量%未満のZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は5.75重量%未満のZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は4.75重量%未満のZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は4.50重量%未満のZnを含む。
いくつかの実施形態では、合金は4.25重量%よりも多いZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は4.50重量%よりも多いZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は4.75重量%よりも多いZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は5.00重量%よりも多いZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は5.25重量%よりも多いZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は5.35重量%よりも多いZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は5.45重量%よりも多いZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は5.55重量%よりも多いZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は5.65重量%よりも多いZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は5.75重量%よりも多いZnを含む。いくつかの実施形態では、合金は6.00重量%よりも多いZnを含む。
いくつかの実施形態では、MgZn2粒子又は析出物が形成されてAl中に分配されて合金を強化することができるように、ZnとMgとの重量比(Zn/Mg)が約11:2となるように設計することができる。いくつかの実施形態では、Zn/Mg重量比は、4:1〜7:1の範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、このZn/Mgの比を維持することにより、過剰なZnを低減して、合金の耐応力腐食性を向上させることができる。
いくつかの実施形態では、合金は0.5〜2.0重量%のMgを含む。いくつかの実施形態では、合金は2.0重量%未満のMgを含む。いくつかの実施形態では、合金は0.75〜1.50重量%のMgを含む。いくつかの実施形態では、合金は1.00〜1.10重量%のMgを含む。いくつかの実施形態では、合金は2.0重量%未満のMgを含む。いくつかの実施形態では、合金は1.75重量%未満のMgを含む。いくつかの実施形態では、合金は1.5重量%未満のMgを含む。いくつかの実施形態では、合金は1.0重量%未満のMgを含む。いくつかの実施形態では、合金は0.5重量%よりも多いMgを含む。いくつかの実施形態では、合金は0.75重量%よりも多いMgを含む。いくつかの実施形態では、合金は1.0重量%よりも多いMgを含む。いくつかの実施形態では、合金は1.5重量%よりも多いMgを含む。
合金は、黄色味がかった色を呈さないように銅(Cu)を含まないものとすることができる。これにより、合金は、陽極酸化処理後に中間色を有することによってより美的訴求力を有するものとなる。当業者であれば、「Cuを除いた」、「Cuを含まない」、又はCuが0重量%である合金とは、合金中のCuの量が天然に存在するCuの存在量より多くを含まないことを意味する点は理解されるであろう。
さまざまな実施形態において、本明細書に開示される合金は、Cuを低減するか又はCuを含まないような設計とすることで陽極酸化処理後の望ましくない黄色味がかった色を低減及び/又は防止することができる。合金は、合金中のCu及び又はZr元素が除去又は低減されることによる合金の降伏強度の喪失を補償するためにZn又はMgの含量を大きくすることもできる。
7xxx番台のAl合金中のCuの存在は、合金の降伏強度を高めることができるが、美的訴求力に悪影響を及ぼしうる。特定の機構又は作用機序に限定されることを望むものではないが、Cuは、Mg2Zn粒子に安定性を与えるものと考えられる。合金中のCuの量は、本明細書に述べられる量とすることができる点は理解されよう。本開示のさまざまな合金において、最大で0.01重量%、あるいは0.05重量%、あるいは最大で0.15重量%のCuが存在することで、本明細書に述べられるように、L***スケール上で中間色の喪失をともなうことなく高い降伏強度が与えられる。
さまざまな態様において、Cuを添加することで合金中のZnの必要性が低減される。Cuの重量%が大きくなるほど、Znの量を減らすことができる。更に、いずれの理論又は作用機序に限定されることも望むものではないが、本開示の合金中のCuの存在により、安定性の向上したMg2Znが与えられる。最大で0.01重量%、最大で0.10重量%、あるいは最大で0.15重量%のかかる合金中のCuの量であるために、Al合金は本明細書で述べるように中間色を有する(L***値に対して)。
いくつかの実施形態では、合金は0〜0.01重量%のCuを含む。いくつかの実施形態では、合金は0.01重量%未満のCuを含む。いくつかの実施形態では、合金は0重量%よりも多いCuを含む。
いくつかの態様では、合金は0.30重量%未満のCuを有しうる。いくつかの態様では、合金は0.20重量%未満のCuを有しうる。さまざまな態様において、合金は0.10重量%よりも多いCuを有しうる。さまざまな態様において、合金は0.05重量%よりも多いCuを有しうる。さまざまな態様において、合金は0.04重量%よりも多いCuを有しうる。さまざまな態様において、合金は0.03重量%よりも多いCuを有しうる。さまざまな態様において、合金は0.02重量%よりも多いCuを有しうる。さまざまな態様において、合金は0.01重量%よりも多いCuを有しうる。
さまざまな実施形態において、合金の降伏強度は少なくとも275mPAである。特定の実施形態において、合金の降伏強度は少なくとも280mPAである。特定の実施形態において、合金の降伏強度は少なくとも300mPAである。特定の実施形態において、合金の降伏強度は少なくとも320mPAである。特定の実施形態において、合金の降伏強度は少なくとも330mPAである。特定の実施形態において、合金の降伏強度は少なくとも340mPAである。特定の実施形態において、合金の降伏強度は少なくとも350mPAである。いくつかの実施形態では、合金は少なくとも350MPaの降伏強度を有する。いくつかの実施形態では、合金は少なくとも360MPaの降伏強度を有する。いくつかの実施形態では、合金は少なくとも370MPaの降伏強度を有する。いくつかの実施形態では、合金は少なくとも380MPaの降伏強度を有する。いくつかの実施形態では、合金は少なくとも390MPaの降伏強度を有する。いくつかの実施形態では、合金は少なくとも400MPaの降伏強度を有する。いくつかの実施形態では、合金は少なくとも410MPaの降伏強度を有する。いくつかの実施形態では、合金は少なくとも420MPaの降伏強度を有する。いくつかの実施形態では、合金は少なくとも430MPaの降伏強度を有する。いくつかの実施形態では、合金は少なくとも440MPaの降伏強度を有する。いくつかの実施形態では、合金は少なくとも450MPaの降伏強度を有する。
さまざまな態様において、本明細書に述べられる合金中のFeの重量%は、従来の7xxx番台のアルミニウム合金におけるよりも低くすることができる。開示される量となるようにFeの濃度を制御することにより、合金は陽極酸化処理後に暗さが低く見え(すなわちより明るい色を有する)、粗い粒子欠陥の数をより少なくすることができる。Fe(及びSi)を低減させることで、粗い粒子の体積比率が低くなり、これにより、本明細書に述べられるように、陽極酸化処理後に例えば画像明瞭性(distinctness of image)(DOI)及びヘイズといった美的品質が向上する。
Feの重量%は、合金が微細粒子構造を維持する助けとなりうる。微量のFeを含む合金もやはり、陽極酸化処理後に中間色を有する。
いくつかの変例では、合金は0.30重量%以下のFeを有する。いくつかの変例では、合金は0.25重量%以下のFeを有する。いくつかの変例では、合金は0.20重量%以下のFeを有する。更なる変例では、Feは0.12重量%以下を有する。いくつかの実施形態では、合金は0.10重量%以下のFeを含む。いくつかの実施形態では、合金は0.08重量%以下のFeを含む。いくつかの変例では、合金は0.06重量%以下のFeを含む。
いくつかの実施形態では、合金は0.04重量%よりも多いFeを含む。いくつかの実施形態では、合金は0.06重量%よりも多いFeを含む。いくつかの実施形態では、合金は0.08重量%よりも多いFeを含む。いくつかの実施形態では、合金は0.10重量%よりも多いFeを含む。いくつかの実施形態では、合金は0.04〜0.01重量%のFeを含む。いくつかの実施形態では、合金は0.04〜0.01重量%のFeを含む。かかるFeの重量%は微細粒子構造の維持を可能とするものである。
ジルコニウム
従来の7xxx番台のアルミニウム合金は、合金の硬さを高めるためにZrを含んでいる。従来の7xxx番台の合金中のZrの存在は、合金中に繊維状粒子構造を生じ、合金の粒子構造を膨張させることなく合金を再加熱することを可能とする。本明細書に開示される合金では、Zrを低減させるか又はZrが存在しないことにより、試料毎で低い平均の粒子のアスペクト比で驚くほどの粒子構造の制御が可能である。更に、合金中のZrを低減させるか又は除去することにより、完成した製品の細長い粒子構造及び/又はすじ状の線を低減することができる。
さまざまな実施形態において、Al合金はZrを含まないものとすることもできる。当業者であれば、「Zrを除いた」、又は「Zrを含まない」合金とは、合金中のZrの量が天然に存在するZrの存在量より多くを含まないことを意味する点は理解されるであろう。
いくつかの実施形態では、合金は0〜0.001重量%のZrを含む。いくつかの実施形態では、合金は0.001重量%未満のZrを含む。いくつかの実施形態では、合金は0重量%よりも多いZrを含む。いくつかの実施形態では、合金は最大で0.01重量%のZrを有しうる。いくつかの実施形態では、合金は最大で0.02重量%のZrを有しうる。
いくつかの実施形態では、合金は最大で0.10重量%のZrを有しうる。いくつかの実施形態では、合金は最大で0.08重量%のZrを有しうる。いくつかの実施形態では、合金は最大で0.06重量%のZrを有しうる。いくつかの実施形態では、合金は0.05重量%未満のZrを有しうる。いくつかの実施形態では、合金は0.04重量%未満のZrを有しうる。いくつかの実施形態では、合金は0.03重量%未満のZrを有しうる。いくつかの実施形態では、合金は0.02重量%未満のZrを有しうる。いくつかの実施形態では、合金は0.01重量%未満のZrを有しうる。いくつかの実施形態では、合金は0.01重量%よりも多いZrを有しうる。いくつかの実施形態では、合金は0.02重量%よりも多いZrを有しうる。いくつかの実施形態では、合金は0.03重量%よりも多いZrを有しうる。いくつかの実施形態では、合金は0.04重量%よりも多いZrを有しうる。いくつかの実施形態では、合金は0.05重量%よりも多いZrを有しうる。いくつかの実施形態では、合金は0.06重量%よりも多いZrを有しうる。いくつかの実施形態では、合金は0.08重量%よりも多いZrを有しうる。
合金は高い耐腐食性も有しうるものであり、これは過酷な条件において訴求力のある美的外観を維持する助けとなるものである。
合金は少なくとも150W/mKの熱伝導性も有しうるものであり、これは電子機器の熱拡散を助けるものである。合金は固溶体によって強化することができる。Zn及びMgは合金中に可溶性でありうる。固溶強化によって、純粋な金属の強度を向上させることができる。この合金化技術では、1つの元素の原子(例えば合金化元素)を別の元素(例えばベース金属)の結晶格子に付加することができる。合金化元素は、マトリクスとともに含有させられて固溶体を形成する。
本明細書に開示される合金中のZr及びFeの重量%濃度によって、粒子構造の制御が与えられる。従来の7xxx番台のAl合金では、押出し成形後の熱処理の際に粒径が増大しうる。Zr濃度がより高い従来の7xxx番台の合金では、粒子の膨張によって、より繊維質で目に見える粒子が生成される可能性があり、美的に許容されない不調和が生じる。かかる粒子は、本明細書に開示されるさまざまな合金の範囲(例えば1.0:0.80〜1.0:1:2)の外側のアスペクト比を有する。更に、得られた合金は降伏強度、硬さ、及び/又は美観に欠点を有しうる。
Zrを含まず、少なくとも0.10重量%のFeを含むさまざまな6063番のAl合金は、製造時の粒径の制御を可能とする。さまざまなかかる6063番の合金では、0.08重量%のFeによって粒径が予測不能に大きくなる。本開示の合金では、Zrを低減するか又は除くことと、低重量%のFeとを組み合わせることで粒径の制御が可能である。
鉄及びケイ素
本開示の合金は、従来の合金と比較して向上した軽量性及び透明性と高い降伏強度及び硬さとの組み合わせを与えるものである。従来の7xxx番台のAl合金では、高重量%のFe及び/又はFiは、陽極酸化処理及び美観の不良につながりうる。本明細書に開示される合金では、低いFe及びSi含量により、陽極酸化処理後の透明性の妨げとなる封入体の数が少なくなる。その結果、本明細書に述べられる合金は高い透明性を有している。
いくつかの実施形態では、合金は最大で0.20重量%のSiを含む。いくつかの実施形態では、合金は0.03〜0.05重量%のSiを含む。いくつかの実施形態では、合金は0.05重量%未満のSiを含む。いくつかの実施形態では、合金は0.04重量%未満のSiを含む。いくつかの実施形態では、合金は0.03重量%よりも多いSiを含む。いくつかの実施形態では、合金は0.04重量%よりも多いSiを含む。
さまざまな他の態様では、本明細書に開示されるAl合金はAgを含んでもよい。いくつかの態様では、合金は0.01重量%よりも多いAgを含みうる。更なる態様では、Al合金は、0.1重量%以下のAgを含みうる。更なる態様では、Al合金は、0.2重量%以下のAgを含みうる。更なる態様では、Al合金は、0.3重量%以下のAgを含みうる。更なる態様では、Al合金は、0.4重量%以下のAgを含みうる。更なる態様では、Al合金は、0.5重量%以下のAgを含みうる。
さまざまな更なる実施形態において、各元素当たり0.050重量%を越えない量の更に元素を合金に添加することができる。かかる元素の例としては、Ca、Sr、Sc、Y、La、Ni、Ta、Mo、W、Coの1つ以上が挙げられる。各元素当たり0.050重量%、又は各元素当たり0.100重量%を越えない量の更なる元素としては、Li、Cr、Ti、Mn、Ni、Ge、Sn、In、V、Ga、及びHfが挙げられる。
標準的な方法を使用して色、光沢、及びヘイズを含む美観を評価することができる。光沢は、光が反射される際に「ぴかぴか」に見える表面の知覚を記述するものである。光沢度(グロスユニット)(GU)は、ISO2813及びASTM D523をはじめとする国際規格に規定されている。これは、既知の屈折率1.567を有するよく研磨された黒色のガラス基準からの反射光の量によって決定される。この基準の鏡面反射光沢値を100とする。ヘイズは、高光沢面の表面に見られる不透明なハロ又は曇りを記述するものである。ヘイズは、ASTM E430に記載される角度公差を用いて計算される。この器具は、自然ヘイズ値(HU)又は対数ヘイズ値(HULOG)を表示することができる。ヘイズ値が0の高光沢面は、高いコントラストの深い反射像を有する。DOI(明瞭性)とは、その名前が示すように、ASTM D5767に基づくコーティング表面の反射像の鮮明さの関数である。高光沢品質が益々重要となっているコーティング用途では、オレンジピール、テクスチャー、フローアウト、及び他のパラメータを評価することができる。光沢度、ヘイズ、及びDOIの測定はRhopoint IQのような試験装置によって行うことができる。
本開示のアルミニウム合金を使用することにより、陽極酸化層を通して見られる欠陥が低減される一方で、降伏強度及び硬さが維持され、これにより、驚くほど低いヘイズで像の高光沢性かつ高識別性が与えられる。
高い降伏強度は、Al合金の熱伝導率も低くなることとのトレードオフでありうる。一般的にAl合金は、純粋なAlよりも熱伝導率が低い。強化度を高くするために合金化成分の含量を高くした合金では、強化度がそれほど高くない合金化成分の含量の低い合金よりも熱伝導率は低くなりうる。例えば、本明細書に述べられる7xxx番台の合金は、130W/mKよりも高い熱伝導率を有しうる。いくつかの実施形態では、改質された7xxx番台の合金は、140W/mK以上の熱伝導率を有しうる。いくつかの実施形態では、改質された7xxx番台の合金は、150W/mK以上の熱伝導率を有しうる。いくつかの実施形態では、改質された7xxx番台の合金は、160W/mK以上の熱伝導率を有しうる。いくつかの実施形態では、改質された7xxx番台の合金は、170W/mK以上の熱伝導率を有しうる。いくつかの実施形態では、改質された7xxx番台の合金は、180W/mK以上の熱伝導率を有しうる。いくつかの実施形態では、改質された7xxx番台の合金は、140W/mK未満の熱伝導率を有しうる。いくつかの実施形態では、合金は、190〜200W/mKの熱伝導率を有しうる。合金は、約130〜200W/mKの熱伝導率を有しうる。さまざまな実施形態において、合金は、約150〜180W/mKの熱伝導率を有しうる。異なる電子機器では、設計上の熱伝導率及び設計上の降伏強度は、手持ち式機器、携帯型機器、又はデスクトップ機器といった機器の種類に応じて異なりうる。
表1に、銅を含まないアルミニウム合金(例えば、0.01重量%未満のCUを有する合金)について、合金の組成及び降伏強度を市販の7000番台のAl合金及び6063番Al合金と比較して示す。試料合金1〜14は、0.01重量%未満のCUを有するAl合金の例である。各合金を引張降伏強度について試験した。Mgに対するZnの重量比及びこれらの合金の色も表1に示す。


表1の各合金の残部はAl及び付随的な不純物である。
表1に示されるように、市販のAl6063合金は、0.01重量%未満のZn、0.47〜0.55重量%のMg、0.37〜0.44重量%のSi、及び0.12重量%のFeを含み、約214MPaの測定された降伏強度を有している。市販の6063Al合金は、350MPaの測定された降伏強度よりも、また、Zn及びMgを高含量で含む他のすべての合金よりも大幅に低い降伏強度を有している。
試料合金1は、5.5重量%のZn、1.0重量%のMgを含み、約350MPaの降伏強度を有している。試料合金2は、5.5重量%のZn、1.2重量%のMgを含み、約360MPaの降伏強度を有している。Mg含量を、試料合金1の1.0重量%から試料合金2の1.2重量%にまで増大させることにより、降伏強度は350MPa〜360MPaにまでわずかに増大する。このことは、Mg含量が高いほど降伏強度が増大しうることを示唆するものである。
別の変例では、合金は、5.40〜5.60重量%のZn及び0.90〜1.10重量%のMgを含みうる。さまざまな実施形態において、合金は、5.4〜5.6重量%のZn、0.9〜1.1重量%のMg、0.01重量%未満のCu、0.02〜0.04重量%のSi、及び0.04〜0.08重量%のFeを、残部のAl及び付随的不純物とともに含みうる。更なる実施形態において、合金は、5.4〜5.6重量%のZn、1.1〜1.3重量%のMg、0.01重量%未満のCu、0.02〜0.04重量%のSi、及び0.04〜0.08重量%のFeを、残部のAl及び付随的不純物とともに含みうる。さまざまな更なる実施形態において、合金は、5.4〜5.6重量%のZn、0.9〜1.3重量%のMg、0.01重量%未満のCu、0.02〜0.04重量%のSi、及び0.04〜0.08重量%のFeを、残部のAl及び付随的不純物とともに含みうる。
いくつかの実施形態では、合金は銀(Ag)を含んでよく、これにより合金を強化することができる。試料合金3〜6は、350MPa〜415MPaの範囲の降伏強度を有している。
試料合金4は、5.5重量%のZn、1.8重量%のMg、0.3重量%のAgを、残部のAL及び付随的不純物とともに含み、4つの試料合金3〜6の中でも最も高い降伏強度を有している。試料合金5は、4.5重量%のZn、1.8重量%のMg、0.3重量%のAgを、残部のAL及び付随的不純物とともに含み、4つの試料合金3〜6の中でも2番目に高い降伏強度を有している。試料合金4と5を比較すると、Mg及びAgの含量は変化していないが、Zn含量は試料合金5の4.5重量%〜試料合金4の5.5重量%に増大しているために、降伏強度は380MPa〜415MPaに増大している。このことは、Zn含量が高いほど合金の降伏強度が増大しうることを示唆するものである。
試料合金3が、5.5重量%のZn、1.0重量%のMg、及び0.3重量%のAgを含み、約360MPaの降伏強度を有するのに対して、試料合金6は、4.5重量%のZn、1.6重量%のMg、及び0.3重量%のAgを含み、約350MPaの降伏強度を有している。このことは、より高いMg含量(例えば1.6重量%のMg)とより低いZn含量(例えば5.5重量%)との組み合わせ、又はより高いZn含量(例えば5.5重量%)とより低いMg含量(例えば1.0重量%)との組み合わせによって、合金の降伏強度が増大しうることを示唆するものである。
試料合金3を試料合金1と比較すると、0.3重量%のAgの添加によって、降伏強度は350MPaから360MPaに若干増大している。このことは、Agが合金の降伏強度を高めうることを示している。
別の変例では、合金は、5.40〜5.60重量%のZn、0.9〜1.1重量%のMg、0.2〜0.4重量%のAg、0.01重量%未満のCu、0.02〜0.04重量%のSi、及び0.04〜0.08重量%のFeを、残部のAl及び付随的不純物とともに含みうる。別の変例では、合金は、4.4〜4.6重量%のZn、1.7〜1.9重量%のMg、0.2〜0.4重量%のAg、0.01重量%未満のCu、0.02〜0.04重量%のSi、及び0.04〜0.08重量%のFeを、残部のAl及び付随的不純物とともに含みうる。別の変例では、合金は、4.4〜4.6重量%のZn、1.7〜1.9重量%のMg、0.2〜0.4重量%のAg、0.01重量%未満のCu、0.02〜0.04重量%のSi、及び0.04〜0.08重量%のFeを、残部のAl及び付随的不純物とともに含みうる。
試料合金7は、5.5重量%のZn、1.4重量%のMgを含み、約350MPaの降伏強度を有している。試料合金8は、6.2重量%のZn、1.7重量%のMgを含み、約380MPaの降伏強度を有している。試料合金8を試料合金7と比較すると、Zn及びMgの両方の含量が高くなっていることにより、降伏強度は380MPaにまで30MPa増大している。
更に、試料合金9は、6.7重量%のZn、1.7重量%のMgを含み、約390MPaの降伏強度を有している。試料合金9を試料合金8と比較すると、Zn含量が0.5重量%だけわずかに増えており、これにより、合金の降伏強度は10MPaだけわずかに増大している。
更なる変例では、合金は、5.40〜5.60重量%のZn及び1.30〜1.50重量%のMgを含みうる。別の変例において、合金は、5.4〜5.6重量%のZn、1.3〜1.5重量%のMg、0.01重量%未満のCu、0.02〜0.04重量%のSi、及び0.01〜0.03重量%のFeを、残部のAl及び付随的不純物とともに含みうる。別の変例において、合金は、6.1〜6.3重量%のZn、1.6〜1.8重量%のMg、0.01重量%未満のCu、0.02〜0.04重量%のSi、及び0.01〜0.03重量%のFeを、残部のAl及び付随的不純物とともに含みうる。別の変例において、合金は、6.6〜6.8重量%のZn、1.6〜1.8重量%のMg、0.01重量%未満のCu、0.02〜0.04重量%のSi、及び0.01〜0.03重量%のFeを、残部のAl及び付随的不純物とともに含みうる。
試料合金10は、6.5重量%のZn、1.4重量%のMgを含み、約360MPaの降伏強度を有している。試料合金11は、7.5〜8.1重量%のZn、1.7〜1.8重量%のMgを含み、約470MPaの降伏強度を有している。試料合金11を試料合金10と比較すると、Zn含量がより高い(例えば7.5〜8.1重量%のZn)ために合金の降伏強度が大幅に増大している。
更なる変例では、合金は、6.40〜6.60重量%のZn及び1.30〜1.50重量%のMgを含みうる。別の変例において、合金は、6.4〜6.6重量%のZn、1.3〜1.5重量%のMg、0.01重量%未満のCu、0.04〜0.06重量%のSi、及び0.05〜0.07重量%のFeを、残部のAl及び付随的不純物とともに含みうる。別の変例において、合金は、7.5〜8.1重量%のZn、1.6〜1.9重量%のMg、0.01重量%未満のCu、0.02〜0.04重量%のSi、及び0.05〜0.07重量%のFeを、残部のAl及び付随的不純物とともに含みうる。
試料合金12は、5.5重量%のZn、1.4重量%のMgを含み、約350MPaの降伏強度を有するが、これは試料合金7と同様であり、Zn及びMg含量は同じである。Siの不純物濃度はわずかに異なる(試料合金7の0.03重量%に対して試料合金12の0.05重量%)が、降伏強度はかかる不純物の差によって影響されていない。
試料合金13は、5.5重量%のZn、1.4重量%のMg、0.12重量%のZrを含み、約400MPaの降伏強度を有している。試料合金13を試料合金12と比較すると、0.12重量%のZrの添加により合金の降伏強度が大幅に増大している。このことは、合金の降伏強度に対するZrの影響が、Zn、Mg、又はAgと比較して大幅に大きいことを示すものである。
試料合金14は、7.5重量%のZn、1.7重量%のMgを含み、試料合金11と同様、約470MPaの降伏強度を有している。この結果は、これらの合金のZn及びMg含量が同様であることから驚くほどのことではない。
更なる変例では、合金は、5.4〜5.6重量%のZn及び1.30〜1.5重量%のMgを含みうる。別の変例において、合金は、5.4〜5.6重量%のZn、1.3〜1.5重量%のMg、0.01重量%未満のCu、0.04〜0.06重量%のSi、及び0.07〜0.12重量%のFeを、残部のAl及び付随的不純物とともに含みうる。別の変例において、合金は、5.4〜5.6重量%のZn、1.3〜1.5重量%のMg、0.11〜0.15重量%のZr、0.01重量%未満のCu、0.04〜0.06重量%のSi、及び0.07〜0.12重量%のFeを、残部のAl及び付随的不純物とともに含みうる。別の変例において、合金は、7.4〜7.6重量%のZn、1.6〜1.8重量%のMg、0.01重量%未満のCu、0.04〜0.06重量%のSi、及び0.07〜0.09重量%のFeを、残部のAl及び付随的不純物とともに含みうる。
試料合金15は、5.45重量%のZn、1.05重量%のMg、0.05重量%のCu、0.03重量%のSi、0.04〜0.08重量%のFeを含み、約350MPaの降伏強度を有している。試料合金16は、5.35重量%のZn、1.05重量%のMg、0.10重量%のCu、0.03重量%のSi、0.04〜0.08重量%のFeを含み、約350MPaの降伏強度を有している。試料合金17は、5.25重量%のZn、1.05重量%のMg、0.15重量%のCu、0.03重量%のSi、0.04〜0.08重量%含み、やはり約350MPaの降伏強度を有している。試料合金18は、5.10重量%のZn、1.05重量%のMg、0.20重量%のCuを含み、約350MPaの降伏強度を有している。試料合金19は、5.50重量%のZn、1.05重量%のMg、0.01重量%未満のCu、0.03重量%のSi、0.04〜0.08重量%のFeを含み、約350MPaの降伏強度を有している。
別の変例では、合金は、5.00〜5.65重量%のZn及び1.00〜1.10重量%のMgを含みうる。別の変例において、合金は、5.35〜5.55重量%のZn、0.95〜1.15重量%のMg、0.025〜0.075重量%未満のCu、0.02〜0.04重量%のSi、及び0.03〜0.10重量%のFeを、残部のAl及び付随的不純物とともに含みうる。別の変例において、合金は、5.22〜5.42重量%のZn、0.95〜1.15重量%のMg、0.075〜0.125重量%未満のCu、0.02〜0.04重量%のSi、及び0.03〜0.10重量%のFeを、残部のAl及び付随的不純物とともに含みうる。別の変例において、合金は、5.12〜5.32重量%のZn、0.95〜1.15重量%のMg、0.125〜0.175重量%未満のCu、0.02〜0.04重量%のSi、及び0.03〜0.10重量%のFeを、残部のAl及び付随的不純物とともに含みうる。別の変例において、合金は、5.00〜5.20重量%のZn、0.95〜1.15重量%のMg、0.15〜0.25重量%未満のCu、0.02〜0.04重量%のSi、及び0.03〜0.10重量%のFeを、残部のAl及び付随的不純物とともに含みうる。
Al−Zn−Mg合金は、本明細書に述べられるさまざまな態様において市販の7000番台のアルミニウム合金と異なっている。市販の7000番台のアルミニウム合金は、合金を強化する目的で通常、Zr及びCuを含んでいる。例えば、市販の7003、7005、及び7108番のAl合金は、いずれも0.05重量%から0.25重量%の範囲のZrを含んでいる。表1に示されるように、7003番の合金は0.05〜0.25重量%のZrを含み、7005番の合金は0.08〜0.20重量%のZrを含み、7108番の合金は0.12〜0.25重量%のZrを含んでいる。これに対して、Zrを含まないか、又は低含量のZrを含む本開示の各種合金では、ブラスト処理された表面にすじ状の線のない合金を得ることができる。
さまざまな実施形態において、各合金は実質上、Cuを含まないものとすることができる。表1に示されるように、試料合金1〜14では、Cuは0.01重量%未満に制限されている。これらの合金中の低量のCuは、市販の7000番台のアルミニウム合金と比較して、陽極酸化処理された表面においてより中間色を得る助けとなりうるものである。これに対して、市販の7003、7005、及び7108番のAl合金は、いずれも0.05重量%〜0.2重量%の範囲の量のZrを含んでいる。例えば、表1に示されるように、7003番の合金は0.20重量%未満のCuを含み、7005番の合金は0.10重量%未満のCuを含み、7108番の合金は0.05重量%未満のZrを含んでいる。
合金は、市販の7000番台のアルミニウム合金と比較してより低いFeの不純物濃度を更に有してもよい。合金中の低いFe含量は、陽極酸化処理の前後の両方において美観を損ねうる粗い二次粒子の数を低減させる助けとなりうる。これに対して、市販の合金は、本開示の合金と比較してより高濃度のFeの不純物を有している。例えば、表1に示されるように、7003番の合金は0.35重量%未満のFeを含み、7005番の合金は0.40重量%未満のFeを含み、7108番の合金は0.10重量%未満のFeを含んでいる。得られるDOI及び対数ヘイズ値は、本開示に述べられる合金では大幅に向上している。
試料合金1、7、8、及び10〜13などの大部分の試料合金は、中間色を示している。中間色は、合金中のCuの存在量を限定した結果生じうるものである。
表1に示されるように、0.12重量%のZrを含む試料合金13を除いた、試料合金1〜12、及び14は、いずれもZrを含んでいない。少量のZrの存在は試料合金13の中間色には影響していないが、粒子構造に影響する結果、すじ状の線につながりうる。
図2は、本開示の実施形態に係る高強度のAl−Zn−Mg合金の組成空間(Znに対するMg)を示したグラフを示している。いくつかの実施形態では、MgとZnの組成空間は0を起点とする。Zrの添加によって再結晶化が阻害され、望ましくない陽極酸化処理後の美観につながりうる長い粒子構造が生じる。図3は、Zr含有アルミニウム合金の長い粒子構造を示した画像である。長い粒子構造は、図1に示されるようなすじ状の線を生じうるものである。
図4は、本開示の実施形態に係るZrを含まないアルミニウム合金の微細粒子構造を示した画像である。図4に示される微細粒子構造は、すじ状の線をいっさい生じることがない。
いくつかの態様では、合金は1:1.5以下の平均の粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様では、合金は1:1.4以下の平均の粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様では、合金は1:1.3以下の平均の粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様では、合金は1:1.2以下の平均の粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様では、合金は1:1.1以下の平均の粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様では、合金は1:1.05以下の平均の粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様では、合金は1:1.04以下の平均の粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様では、合金は1:1.03以下の平均の粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様では、合金は1:1.02以下の平均の粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様では、合金は1:1.01以下の平均の粒子アスペクト比を有する。Iいくつかの態様では、合金は1:1に等しい平均の粒子アスペクト比を有する。
いくつかの態様では、合金は少なくとも0.5:1の平均の粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様では、合金は少なくとも0.6:1の平均の粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様では、合金は少なくとも0.7:1の平均の粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様では、合金は少なくとも0.8:1の平均の粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様では、合金は少なくとも0.9:1の平均の粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様では、合金は少なくとも0.95:1の平均の粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様では、合金は少なくとも0.96:1の平均の粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様では、合金は少なくとも0.97:1の平均の粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様では、合金は少なくとも0.98:1の平均の粒子アスペクト比を有する。いくつかの態様では、合金は少なくとも0.99:1の平均の粒子アスペクト比を有する。
合金は、市販の7000番台のアルミニウム合金と比較してより低いSiの不純物濃度(例えば0.03重量%)を更に有しうる。低いSi濃度は、合金中のSi含量がより高い合金と比較して、より美的訴求力のある陽極酸化処理表面を与える助けとなりうるものである。これに対して、表1に示されるように、市販の7003番の合金は0.30重量%未満のSiを含み、市販の7005番の合金は0.35重量%未満のSiを含み、市販の7108番の合金は0.10重量%未満のSiを含んでいる。
合金の降伏強度は、Zn及びMg含量を高めることによって市販の7000番台の合金と比較して高くすることができる。市販の7000番台のAl合金は、Zn及びMgの含量が異なるが、これらの合金は350MPaに近い似たような降伏強度を有している。詳細には、7003番の合金は5.0〜6.5重量%のZn、0.5〜1.0重量%のMgを含んでいる。市販の7003番の合金では、290MPaの引張降伏強度が報告されている。市販の7005番の合金は、4.0〜5.0重量%のZn、1.0〜1.8重量%のMgを含み、約345MPaの降伏強度を有している。市販の7108番の合金は、4.5〜5.5重量%のZn、0.7〜1.4重量%のMgを含み、約350MPaの降伏強度を有している。
処理方法
いくつかの実施形態では、合金用の溶融物を、表1に示されるような組成物を含む合金を加熱することによって調製することができる。溶融物を室温にまで冷却した後、合金を、均質化、押出し、鍛造、エイジング、及び/又は他の成形若しくは溶体化熱処理法などの各種の熱処理に供することができる。
合金では、MgZn2相は、粒子内部及び粒子境界の両方で生じうる。MgZn2相は、合金の約3体積%〜約6体積%を構成しうる。MgZn2は、個別の粒子として、かつ/又は結合された粒子として形成されうる。各種の熱処理を用いて、結合された粒子ではなく、個別の粒子としてのMgZn2の生成を誘導することができる。さまざまな態様において、個別の粒子は、結合された粒子と比較してより高い強化効果を得ることができる。
いくつかの実施形態では、冷却した合金を、高温、例えば500℃に加熱し、ある時間、例えば約8時間にわたってこの高温に維持することによって均質化することができる。当業者であれば、熱処理の条件(例えば温度及び時間)は異なりうる点は認識されるであろう。均質化とは、高温浸漬を高温である時間にわたって用いる処理のことを指す。均質化により、合金によっては固化の自然な結果として生じうる化学的又は冶金学的分離を低減することができる。いくつかの実施形態では、高温浸漬は、あるドウェル時間、例えば約4時間〜約48時間にわたって行われる。当業者であれば、熱処理の条件(例えば温度及び時間)は異なりうる点は認識されるであろう。
いくつかの実施形態では、均質化された合金を熱間加工(例えば押出し)することができる。押出しは、金属インゴット又はビレットを、ダイのオリフィスから強制的に塑性的に流すことによって均一な断面を有する一定の長さの部分に変換するためのプロセスである。
いくつかの実施形態では、熱間加工した合金を、450℃以上の高温である時間、例えば2時間にわたって溶体化熱処理することができる。溶体化熱処理は、合金の強度を変化させうるものである。
溶体化熱処理の後、合金は、第1の温度及び時間(例えば100℃で約5時間)でエイジングした後、第2の温度及び時間(例えば150℃で約9時間)で加熱してから、水で急冷(クエンチング)することができる。エイジングは高温での熱処理であり、MgZn2を生成する析出反応を引き起こすことができる。いくつかの実施形態では、エイジングは、第1の温度で第1の時間にわたって行った後、第2の温度で第2の時間にわたって行うことができる。単一温度での熱処理(例えば120℃で24時間)を用いることもできる。(例えば温度及び時間)当業者であれば、熱処理の条件(例えば温度及び時間)は異なりうる点は認識されるであろう。
更なる実施形態では、必要に応じて、合金を、溶体化熱処理とエイジング熱処理との間で応力緩和処理に供してもよい。応力緩和処理は、合金を延伸すること、合金を圧縮すること、又はこれらの組み合わせを含みうる。
いくつかの実施形態では、合金を陽極酸化処理することができる。陽極酸化処理は、金属の表面処理プロセスであり、アルミニウム合金を保護する目的で最も一般的に用いられる。陽極酸化処理は、電解パッシベーションを利用して金属部品の表面上の自然の酸化層の厚さを増大させるものである。陽極酸化処理は耐腐食性及び耐摩耗性を向上させ、裸の金属と比較して塗料プライマー及び接着剤に対する高い接着性を与えることもできる。陽極酸化処理されたフィルムは、美観効果を目的として利用することもでき、例えば、反射光に干渉効果を付与することができる。
いくつかの実施形態では、合金で電子機器のエンクロジャを形成することができる。エンクロジャは、ブラスト処理された表面仕上げを有するか、又はすじ状の線がないように設計することができる。ブラスト処理は、例えば、粗い表面を平滑化するか又は平滑面を粗面化する表面仕上げ処理である。ブラスト処理は、高圧下で表面に対して研磨材料の流れを強制的に推進させることによって表面の材料を除去することができる。
本明細書に述べられるAl合金は、従来の7xxx番台のAl合金と比較してより速やかな処理パラメータを与える一方で、本明細書に述べられるような色、硬さ、及び強度などの性質は維持される。上記に述べたように、開示される合金は、中間色を有することに加えて、Zrが含まれないか又は低減されているために既存の市販の7xxx番台のアルミニウムとは異なっている。高い押出し生産性を有し、クエンチングによる影響を受けにくいことで、Zr粒子の精製を低減することが可能となり、その後の加熱処理を必要としない。
本明細書に開示される7xxx番台のAl合金は、6063番の合金の押出し速度よりも低いがこれに近い押出し速度を有する。Al合金の押出し時間は、従来の7xxx番台のAl合金よりも大幅に長い。いくつかの態様では、本開示の合金の押出し速度は、6063番(T5)の合金の処理時間の少なくとも70%である。いくつかの態様では、本開示の合金の押出し速度は、6063番(T5)の合金の処理時間の少なくとも75%である。更なる態様では、本開示の合金の押出し速度は、6063番(T5)の合金の処理時間の少なくとも80%である。
開示されるAl合金は、プレスクエンチ可能であり、押出し後の熱処理を必要としない。より大きなZrの量を有する従来の7xxx番台のAl合金は、普通はプレス機から取り出して再加熱しなければならない。再加熱の更なる処理工程が行われないことにより、本開示の合金は、従来のAl合金と比較して製造時間及び美的品質において大きな利点を有するものである。
更に、開示されるAl合金は6063番の合金よりもクエンチングによる影響を受けにくい。その結果、開示されるAl合金は、合金の性質(例えば強度及び硬さ)が低下する前に従来の7xxx番台の合金よりもゆっくりと冷却することができる。開示されるAl合金、及びそれから形成される部品は、より良好な押出し性及び向上した最終部品の平坦性を有しながらも、よりゆっくりと冷却することができる。
1つの例では、試料合金12から製造された部品は、試料合金1(6063番合金)から製造したものと比較して30%高い平坦度及びより低いクエンチ歪みを示した。図5に示されるように、試料合金12の硬さは、25℃の水浴中で水でクエンチングした場合に140HVに近づき、65℃の水浴中、又は強制空気冷却により、又は空気冷却によりクエンチングした場合にも130HVよりも高く維持された。これと比較して、6063番のAl合金は、同様の方法により冷却した場合に100HVを上回ることはなかった。試料合金12は、6063番のAl合金と比較してファン及び空気冷却により、より低い歪みを示した(データは示されていない)。合金の低い歪みは、より薄く、より複雑な部品を加工するうえで大きな利点を与えるものである。まとめると、本開示の7xxx番台のAl合金は、6063番のAl合金及び市販の7xxx番台のAl合金と比較してより大きな処理ウインドウを有する一方で、向上した強度、硬さ、平坦度、及び美的特性も与えるものである。
各種の従来の7xxx番台のAl合金は、本開示の合金について述べた色の範囲の外側となる黄色、及び/又は、特定の6063(T5)番合金の処理時間の20%未満、あるいは10%未満の押出し速度を有する。より高い押出し速度は、実用上は、高い製造能力につながる。他の7xxx番台のAlは、しばしば、押出し後に更なる熱処理につながる。更なる熱処理工程をともなわずに合金をプレス機の外部にクエンチングすることが可能な長い押出し時間によって、本合金のより速やかな製造が可能となる。
更なるさまざまな態様において、合金は、本明細書に述べられるような押出し速度及び/又は中間色も有する一方で、300MPa以上の引張降伏強度を有する。
標準的な方法を用いて色、光沢、及びヘイズを含む美観を評価することができる。
物体の色は、入射光が白色光であると仮定した場合に、吸収されずに反射又は透過する光の波長によって測定することができる。物体の見え方は光の反射又は透過によって異なりうる。更なる外観の特質は、特に一般的に、つやつやした、ぴかぴかした、ぼんやりした、透明な、かすんだ、と呼ばれる反射光又は透過光の方向明度分布に基づいたものでありうる。定量的評価は、特に、ASTM D523(光沢)、ASTM D2457(プラスチックの光沢)、ASTM E430(高光沢表面の光沢度、ヘイズ)、及びASTM D5767 (DOI)を含む、色及び外観の測定に関するASTM規格、又はASTM E−430(高光沢表面の光沢度を測定するための標準的試験方法)に基づいて行うことができる。光沢度、ヘイズ、及びDOIの測定はRhopoint IQのような試験装置によって行うことができる。
いくつかの実施形態では、色は、L*、a*、及びb*のパラメータにより定量化することができる(ただし、L*は光の明度を表し、a*は赤色と緑色の間の色を表し、b*は青色と黄色の間の色を表す)。例えば、高いb*値は、黄金色ではなく、訴求力のない黄色味がかった色を示す。a*及びb*における0に近い値は、中間色を示す。低いL*値は暗い明度を示し、高いL*値は高い明度を示す。色測定には、X−Rite Color i7 XTH、X−Rite Coloreye 7000などの試験装置を使用することができる。これらの測定値は、光源、観測者、及びL***色スケールのCIE/ISO規格に基づいたものである。例えば、これらの規格には、(a)ISO 11664−1:2007(E)/CIE S 014−1/E:2006:合同ISO/CIE規格:測色法−第1部:CIE 測色の基準観測者;(b)ISO 11664−2:2007(E)/CIE S 014−2/E:2006:合同ISO/CIE規格:測色法−第2部:CIE 測色用の基準光源;(c)ISO 11664−3:2012(E)/CIE S 014−3/E:2011:合同ISO/CIE規格:測色法− 第3部:CIE 三刺激値;及び(d)ISO 11664−4:2008(E)/CIE S 014−4/E:2007:合同ISO/CIE規格:測色法−第4部:CIE 1976 L***色空間が挙げられる。
本明細書に述べられるように、合金からCuを低減するか又は除去することにより合金に中間色が与えられる。本明細書に述べられる合金は、合金に更なる降伏強度を与えるためにMg2Znを含んでいる。合金は、本明細書に述べられるように中間色及び0.8〜1.2の範囲の低いアスペクト比を有する。本明細書に述べられる合金の組成に少なくとも一部起因するL***に対応した中間色についてここで述べる。
さまざまな態様において、本明細書に開示される合金のL*は少なくとも85である。いくつかの場合では、合金のL*は少なくとも90である。
本明細書に開示される合金は、中間色を有する。中間色とは、0に近い特定の値を超えて外れないa*及びb*のことを刺す。さまざまな態様において、a*は、−0.5以上である。さまざまな態様において、a*は、−0.25以上である。さまざまな態様において、a*は、0.25以下である。さまざまな態様において、a*は、0.5以下である。更なる態様では、a*は、−0.5以上、かつ0.5以下である。更なる態様では、a*は、−0.25以上、かつ0.25以下である。
さまざまな態様において、b*は、−2.0以上である。さまざまな態様において、b*は、−1.75以上である。さまざまな態様において、b*は、−1.50以上である。さまざまな態様において、b*は、−1.25以上である。さまざまな態様において、b*は、−1.0以上である。さまざまな態様において、b*は、−0.5以上である。さまざまな態様において、b*は、−0.25以上である。さまざまな態様において、b*は、1.0以下である。さまざまな態様において、b*は、1.25以下である。さまざまな態様において、b*は、1.50以下である。さまざまな態様において、b*は、1.75以下である。さまざまな態様において、b*は、2.0以下である。さまざまな態様において、b*は、0.5以下である。さまざまな態様において、b*は、0.25以下である。更なる態様では、b*は、−1.0以上、かつ1.0以下である。更なる態様では、b*は、−0.5以上、かつ0.5以下である。
合金の降伏強度は、試験装置、試験試料、及び、引張試験の試験方法についてカバーしたASTM E8によって測定することができる。
応力腐食試験を、サンプリングの試験方法、試料の種類、試料の調製、試験環境、及びアセンブリ合金のSCCの受けやすさを測定するための曝露の方法についてカバーしたASTM G47によって、合金に対して行うことができる。
いくつかの実施形態では、本合金で電子機器のエンクロジャを形成することができる。エンクロジャは、ブラスト処理された表面仕上げを有するか、又はすじ状の線がないように設計することができる。ブラスト処理は、例えば、粗い表面を平滑化するか又は平滑面を粗面化する表面仕上げ処理である。ブラスト処理は、高圧下で表面に対して研磨材料の流れを強制的に推進させることによって表面の材料を除去することができる。
さまざまな実施形態において、合金は、電子機器の筐体又はその他の部品(例えば、機器の筐体又はケーシングの一部)を形成するのに使用することができる。機器としては、例えば携帯電話、デスクトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、及び/又は携帯型音楽プレイヤーなどのあらゆる消費者向け電子機器が挙げられる。機器は、デジタルディスプレイ、モニター、電子ブックリーダー、携帯型ウェブブラウザー、及びコンピュータモニターなどのディスプレイの一部でありうる。機器は、携帯型DVDプレイヤー、DVDプレイヤー、Blue−Ray(登録商標)ディスクプレイヤー、ビデオゲームコンソール、又は、携帯型音楽プレイヤーなどの音楽プレイヤーをはじめとする娯楽機器であってもよい。機器は、画像、ビデオ、音声のストリーミング制御のような制御を与える機器の一部であってもよく、又は電子機器のリモートコントローラであってもよい。合金は、コンピュータ、又はハードドライバタワーの筐体若しくはケーシング、ノートブック筺体、ノートブックキーボード、ノートブックトラックパッド、デスクトップキーボード、マウス、及びスピーカーなどの、コンピュータ付属品の一部であってよい。合金は、腕時計又は時計などの機器にも適用することができる。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、当業者には、本開示の趣旨から逸脱することなく、さまざまな改変例、代替的構造及び均等物を使用することができる点は認識されよう。更に、本明細書に開示した実施形態を不要に分かりにくくすることを避けるため、多くの周知のプロセス及び要素について説明をしていない。そのため、上記の説明文は、本文書の範囲を限定するものとして解釈すべきでない。
当業者には、本開示の実施形態は、限定ではなくあくまで例として教示を与えるものである点は了承されよう。したがって、以上の説明に含まれる、又は添付の図面に示される事項は、限定的な意味としてではなく、例示的なものとして解釈されるべきである。以下の特許請求の範囲は、本明細書に述べられるすべての包括的かつ具体的な機能、並びに、文言的にそれらの間に位置するものということができる、方法とシステムの範囲のすべての記述を含むことを意図するものである。

Claims (20)

  1. 4.0〜10.0重量%のZnと、
    0.5〜2.0重量%のMgと、
    0〜0.50重量%のCuと、
    0〜0.10重量%のZrと、
    を含み、残部がアルミニウム及び付随的な不純物である、アルミニウム合金。
  2. 前記合金は、4:1〜7:1であるZnとMgとの重量%の比を有する、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  3. 4.25〜6.25重量%のZnと、
    0.75〜1.50重量%のMgと、
    を含む、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  4. 4.75〜6.25重量%のZnと、
    0.75〜1.50重量%のMgと、
    を含む、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  5. 5.00〜5.65重量%のZnと、
    1.00〜1.10重量%のMgと、
    を含む、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  6. 5.40〜5.60重量%のZnと、
    0.90〜1.10重量%のMgと、
    を含む、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  7. 5.40〜5.65重量%のZnと、
    1.30〜1.50重量%のMgと、
    を含む、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  8. 6.40〜6.60重量%のZnと、
    1.30〜1.50重量%のMgと、
    を含む、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  9. 0〜0.010重量%のZrを含む、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  10. 0〜0.20重量%のCuを含む、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  11. 4.75〜6.25重量%のZnを含む、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  12. 0.75〜1.50重量%のMgを含む、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  13. 前記合金は、5.25〜5.75重量%のZnを含む、請求項1に記載の合金。
  14. 前記合金は、0.04〜0.25重量%のFeを含む、請求項1に記載の合金。
  15. 前記合金は、最大で0.20重量%のSiを含む、請求項1に記載の合金。
  16. 前記合金は、最大で0.3重量%のAgを含む、請求項1に記載の合金。
  17. 前記合金は、少なくとも約280MPaの降伏強度を有する、請求項1に記載の合金。
  18. 前記合金は、少なくとも約350MPaの降伏強度を有する、請求項1に記載の合金。
  19. アルミニウム合金を製造するための方法であって、
    請求項1に記載の合金を含む溶融物を形成する工程と、
    前記溶融物を室温に冷却する工程と、
    前記冷却した合金を、高温に加熱し、前記高温にある時間にわたって保持することによって均質化する工程と、
    を含む、方法。
  20. 請求項1の合金を含む、物品。
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