JP2019072742A - 線はんだ、はんだ継手の製造方法およびはんだ付け方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動はんだ付け装置により線はんだ等を搬送する場合において、自動はんだ付け装置内での線はんだ等の座屈を防止する。【解決手段】線はんだは、Ag:0〜4.0質量%、Cu:0〜1.2質量%、Ni:0.0030〜0.1500質量%、Co:0.0010〜0.0180質量%、残部:Sn、からなり、直径が300μm以下である。NiおよびCoの含有量の合計は、0.0040〜0.0168質量%であり、より好ましくは0.0040〜0.0130質量%である。これにより、自動はんだ付け装置内でも屈折しない線はんだを提供することができる。なお、線はんだは、やに入りはんだにも適用することができる。【選択図】無し

Description

本発明は、線はんだ、やに入りはんだ、はんだ継手およびはんだ付け方法に関する。
従来、電子部品のプリント基板へのはんだ付けには、Sn−Pb系のはんだ合金が使用されていた。Sn−Pb系のはんだ合金は、濡れ性に対する特性が良く、熱サイクル特性も優れているという特徴がある。ところが、Pbは水に溶けやすいため、Pbが地下水に溶けることで地下水を汚染し、この汚染された地下水が人や動物に対して中毒などの影響を引き起こす等の問題があった。そこで、近年では、Pbを含まない、いわゆる鉛フリーはんだが広く使用されている。
鉛フリーはんだとしては、例えば、Sn−3Ag−0.5Cuや、Sn−3.5Ag、Sn−0.7Cu、Sn−9Zn、Sn−58Bi等のはんだ合金の他、これらのはんだ合金にAg、Cu、Zn、Bi、In、Sb、Ni、Cr、Co、Fe、Mn、P、Ge、Ga等の元素を適宜添加したものが広く使用されている。これらのはんだ合金は、マニュアルソルダリングや、フローソルダリング、リフローソルダリング等の様々な工法に対応することができる。
例えば、特許文献1には、Ag:0.3質量%以上4.0質量%以下、Cu:0.1質量%以上1.0質量%以下、Co:0.001質量%以上0.5質量%以下、必要によりNi:0.01質量%以上0.1質量%以下、残部実質上Snからなる合金組成のはんだ合金が記載されている。また、特許文献2には、はんだの組成が、Agが0.1〜5.0質量%、Cuが0.1〜5.0質量%、残部がSnである線状はんだが記載されている。
一方で、近年、スマートフォンやパーソナルコンピュータ等の情報機器においては、高機能化、小型化、軽量化が進んでいる。これに伴い、情報機器に搭載される電子部品も小型化が進むと共に、電子部品の配線や接続端子(電極)も狭ピッチ化、高密度化している。これらに起因して、電子部品を基板等に接続する際に使用される線はんだややに入りはんだ(以下、線はんだおよびやに入りはんだをまとめて線はんだ等という場合がある)についても、直径の細径化が要求されている。要求されている線はんだ等の具体的な直径は、例えば300μm、200μm、100μm、さらにそれ以下である。
電子部品のプリント基板へのはんだ付けには、例えば自動はんだ付け装置が広く利用されている。自動はんだ付け装置は、線はんだ等が巻き付けられるスプールと、スプールから送り出される線はんだ等をガイドするガイド部材と、線はんだ等をはんだ付け箇所(電極)まで搬送する複数のローラーと、複数のローラーを駆動する駆動モータ等を備えている。自動はんだ付け装置を用いることで、目的とするはんだ付け箇所に線はんだ等を自動的に供給できるようになっている。
ここで、直径が300μm以下の線はんだ等を使用してはんだ付け装置によりはんだ付けを行う場合、線はんだ等の直径が小さくなるほどその剛性も低くなるため、線はんだ等の搬送途中にはんだ付け装置内で線はんだ等が座屈して詰まってしまう不具合が発生する場合があった。
例えば、特許文献3には、P:0.05〜1.5wt%、Ni:0.5〜5.0wt%、Cu:30wt%、以下、又は/及びAg:10wt%以下で、NiとCuとAgの合計が35wt%以下、残部Sn及び不可避不純物よりなる直径:100μm以下であるスズ基鉛フリーハンダワイヤーが記載されている。引用文献3によれば、一定の強度や硬度を有するワイヤーを提供することができる。
特開2005−246480号公報 特開2006−255762号公報 特開平10−144718号公報
しかしながら、上記特許文献3に記載される線はんだでは、以下のような問題があった。すなわち、ワイヤーにPを添加することで一定の強度や硬度を確保することができるので、製造時にワイヤーが断線してしまう不良が抑制され、ワイヤー自体を製造することはできるが、ワイヤーの直径が細いため、ワイヤーの剛性が不足し、従来と同様に、自動はんだ付け装置内での搬送途中で線はんだ等が座屈してしまうという問題があった。つまり、線はんだ等が一定の硬度を有していて加工性に問題がなくても、線はんだ等の剛性が低い場合には、はんだ付けの使用性に影響を与えてしまう場合があった。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来からの課題であるはんだ合金の延伸時における断線の防止と線はんだの濡れ性を確保することに加え、自動はんだ付け装置により線はんだ等を搬送する場合において自動はんだ付け装置内での線はんだ等の座屈を防止することが可能な線はんだ、やに入りはんだ、はんだ継手およびはんだ付け方法を提供することにある。
本発明者らは、Sn組成のはんだ合金にNiおよびCoの両方を添加することにより、剛性の高い線はんだややに入りはんだが得られることを知見した。なお、本発明において剛性とは、線はんだおよびやに入りはんだにおける曲げやねじりの力に対する変形のしづらさの度合いを言う。より具体的には、自動はんだ付け装置内を線はんだ等を搬送させた場合における、自動はんだ付け装置内での線はんだ等のたわみにくさ、または折れ曲がりにくさを言う。本発明は、次の通りである。
(1)Ag:0〜4.0質量%、Cu:0〜1.2質量%、Ni:0.0030〜0.1500質量%、Co:0.0010〜0.0180質量%、残部:Sn、からなり、直径が300μm以下であることを特徴とする線はんだ。
(2)Ni:0.0060〜0.0100質量%であることを特徴とする上記(1)に記載の線はんだ。
(3)Co:0.0010〜0.0030質量%であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の線はんだ。
(4)NiとCoとの含有量の合計が0.0040〜0.0130質量%であることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一項に記載の線はんだ。
(5)上記(1)から(4)の何れか一項に記載の線はんだと、前記線はんだ内に充填されるフラックスと、からなることを特徴とするやに入りはんだ。
(6)上記(1)から(4)の何れか一項に記載の線はんだ、または上記(5)に記載のやに入りはんだを含むことを特徴とするはんだ継手。
(7)上記(1)から(4)の何れか一項に記載の線はんだ、または上記(5)に記載のやに入りはんだを自動はんだ付け装置により搬送する工程と、前記線はんだまたは前記やに入りはんだを溶融させることにより電子部品を基板上にはんだ付けする工程と、を有することを特徴とするはんだ付け方法。
本発明によれば、自動はんだ送り装置内での線はんだ等の座屈を防止できると共に、線はんだ等の濡れ性を確保することができる。
以下に、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
[線はんだの構成例]
本発明に係る線はんだは、Ag:0〜4.0質量%、Cu:0〜1.2質量%、Ni:0.0030〜0.1500質量%、Co:0.0010〜0.0180質量%、残部:Snからなり、直径が300μm以下である。
(1)Ag:0〜4.0質量%
線はんだにおけるAgの添加量は、0〜4.0質量%である。Agを添加するとSn系はんだ合金の濡れ広がり性を向上させることができる。Agの添加量が4.0質量%を超える場合には、はんだ合金の溶融温度が高くなり、はんだごての設定温度も上げなければならず、Fe食われが大きくなってしまう。
(2)Cu:0〜1.2質量%
線はんだにおけるCuの添加量は、0〜1.2質量%の範囲である。Cuを添加するとSn系はんだ合金の機械的強度を向上させることができると共に、Cu電極中のCuがSn系はんだ合金中に拡散することを抑制させることができる。Cuの添加量が1.2質量%を超える場合には、はんだ合金の溶融温度が高くなり、はんだごての設定温度も上げなければならず、Fe食われが大きくなってしまう。なお、線はんだをCuの含有量を0質量%としたSn−Ag組成により構成した場合でも、本発明は、NiとCoを含有しているので、線はんだの機械的強度を確保することができる。
(3)Ni:0.0030〜0.1500質量%
線はんだにおけるNiの添加量は、0.0030〜0.1500質量%であり、より好ましくは、0.0060〜0.0100質量%である。Niの添加量を0.0030質量%以上、特に0.0060質量%以上とした場合には、線はんだの剛性を高くできるので、はんだ自動送り装置により線はんだを搬送する際における線はんだの座屈を防止できると共に、はんだ合金の延伸時における断線を防止できる。一方、Niの添加量を0.1500質量%、特に0.0100質量%以下とした場合には、はんだ付け時における線はんだの濡れ速度の低下を抑制することができる。
(4)Co:0.0010〜0.0180質量%
線はんだにおけるCoの添加量は、0.0010〜0.0180質量%であり、より好ましくは、0.0010〜0.0030質量%である。Coの添加量を0.0010質量%以上とした場合には、線はんだの剛性を高くできるので、はんだ自動送り装置により線はんだを搬送する際における線はんだの座屈を防止できると共に、はんだ合金の延伸時における断線を防止できる。一方、Coの添加量を0.0180質量%、特に0.0030質量%以下とした場合には、はんだ付け時における線はんだの濡れ速度の低下を抑制することができる。
(5)NiおよびCoの含有量の合計:0.0040〜0.1680質量%
本発明では、Sn系の鉛フリーはんだ合金に低濃度のNiおよびCoの両方を添加することで、直径が300μm以下であっても、はんだ自動送り装置内での線はんだの座屈を防止できると共に、はんだ合金の延伸時における断線を防止することができ、かつ、線はんだの濡れ性を確保することが可能な線はんだを提供している。NiおよびCoの含有量の合計は、0.0040〜0.1680質量%であり、より好ましくは0.0040〜0.0130質量%である。
(6)残部:Sn
線はんだにおける残部はSnである。なお、Snには、上述したAg,Cu,Ni,Coの元素の他に、例えばPやGe等の不可避不純物が含有していても良い。また、PやGe等の不可避的不純物を含有する場合であっても、上述した効果に影響することはない。
(7)線はんだおよびやに入りはんだの直径:300μm以下
線はんだの直径は、電子部品を構成する電極や配線等の狭ピッチ化に対応するため、300μm以下である。
[やに入りはんだの構成例]
本発明に係る線はんだは、やに入りはんだにも適用することができる。やに入りはんだは、線はんだと、線はんだ内に充填されるフラックスとを備えている。
線はんだは、Agが0〜4.0質量%、Cuが0〜1.2質量%、Niが0.0030〜0.1500質量%、Coが0.0010〜0.0180質量%、残部がSnであり、直径が300μm以下である。なお、やに入りはんだを構成する線はんだは、上述した線はんだの構成と同様であるため、詳しい説明は省略する。
フラックスは、はんだ付けされる金属(電極)の表面に形成される酸化膜を化学的に除去し、金属表面をはんだ付け可能な状態にする機能を有する。フラックスとしては、例えば、ロジンや合成樹脂などの樹脂に活性剤を添加した樹脂系フラックスや、ポリエチレングリコールなどの樹脂に有機酸系の活性剤を添加した水溶性フラックス、塩酸や塩化亜鉛などの無機系の材料を用いた無機フラックスを用いることができる。なお、本発明に適用できるフラックスは前記フラックスに限定されず、公知のフラックスならば、本発明に適用できる。
[はんだ付け方法]
次に、上述した、Agが0〜4.0質量%、Cuが0〜1.2質量%、Niが0.0030〜0.1500質量%、Coが0.0010〜0.0180質量%、残部がSnである線はんだを含み、直径が300μm以下であるやに入りはんだを用いて、電子部品をプリント基板にはんだ付けするはんだ付け方法の一例について説明する。
まず、自動はんだ付け装置にやに入りはんだをセットすると共に、電子部品が取り付けられたプリント基板をステージ上に載置する。続けて、自動はんだ付け装置の搬送ローラーを駆動してやに入りはんだをはんだ付け箇所まで搬送する。このとき、やに入りはんだは、剛性が高くなるように構成されているので、自動はんだ付け装置内での搬送中に座屈することはない。
続けて、やに入りはんだがプリント基板上のはんだ付け箇所まで搬送されると、所定温度に加熱された自動はんだ付け装置のこてをやに入りはんだの先端部に押し当てることでやに入りはんだを加熱する。なお、こてに代えて、レーザーや超音波を照射することによりやに入りはんだを加熱するようにしても良い。これにより、フラックスによってはんだ付け箇所の金属表面の酸化膜が除去され、その後、はんだが金属表面に濡れ広がって冷却されることで、電子部品がプリント基板上のはんだ付け箇所に接続される。
以上のように、本実施の形態によれば、線はんだおよびやに入りはんだの直径を300μm以下で形成した場合でも、線はんだおよびやに入りはんだの組成をAg:0〜4.0質量%、Cu:0〜1.2質量%、Ni:0.0030〜0.1500質量%、Co:0.0010〜0.0180質量%、残部:Snで構成するので、硬度に加えて剛性も高くすることができる。これにより、はんだ合金の延伸時における断線を防止しつつ、自動はんだ送り装置内での線はんだ等の座屈も防止することができる。
また、本実施の形態によれば、NiおよびCoの含有量の合計を0.0040〜0.1680質量%として線はんだ等を構成しているので、線はんだ等の濡れ速度の低下を防止することができる。これにより、ゼロクロスタイムの向上も図ることができる。
さらに、本発明に係る線はんだややに入りはんだを使用して電子部品を電極にはんだ付けすることで、はんだ継手を形成することができる。本発明の線はんだ等で構成されるはんだ継手によれば、接合強度の向上を図ることができる。
表1に示す実施例や比較例に示す合金組成や直径からなるやに入りはんだを作製し、作製したやに入りはんだの加工性、使用性およびゼロクロスタイムの評価を行った。加工性、使用性およびゼロクロスタイムの評価方法は以下の通りである。
(1)加工性
加工性は、はんだ合金をやに入りはんだに加工する際に、はんだ合金における1000mの延伸途中で断線が発生するか否かにより評価を行った。本実施例では、はんだ合金の延伸途中で断線が確認されない場合に加工性の評価を「〇」とし、はんだ合金の延伸途中で断線が確認された場合に加工性の評価を「×」とした。
(2)使用性
使用性は、作製したやに入りはんだを自動はんだ送り装置により搬送し、やに入りはんだが自動はんだ送り装置のパイプ内において座屈するか否かにより評価を行った。自動はんだ送り装置の設定は、やに入りはんだを送る速度が5mm/sで10mm送り1秒間休止することを1サイクルとして、合計1000サイクル実施するようにした。本実施例では、やに入りはんだの座屈が確認されない場合に使用性の評価を「〇」とし、やに入りはんだの座屈が確認された場合に使用性の評価を「×」とした。なお、自動はんだ送り装置としては、株式会社ジャパンユニックスのはんだ付けロボットや、アポロ精工株式会社の自動はんだ付け装置等を使用することができる。
(3)ゼロクロスタイム
ゼロクロスタイムの測定は、ウェッティングバランス法により行った。ウェッティングバランス法は、供試材を溶融はんだ中に浸漬し、供試材へのはんだの濡れ広がり時間を測定することではんだ付け性を評価する方法である。また、ゼロクロスタイムとは、供試材の浸漬直後から計測を開始し、浸漬された供試材に作用する浮力とぬれ応力が等しくなるまでにかかる時間を言う。本実施例では、ゼロクロスタイムが2秒以下の場合の評価を「〇」とし、ゼロクロスタイムが2秒を超える場合の評価を「×」とした。
ゼロクロスタイムの試験条件は、以下の通りである。
はんだ槽温度:300℃
フラックス:ES−1090(千住金属工業製)
浸漬深さ:2mm
浸漬速度:10mm/sec
浸漬時間:5sec
供試材:Cu板
供試材の外形寸法:30mm×3mm
以下に、作製したやに入りはんだの加工性、使用性およびゼロクロスタイムの評価結果を表1に示す。なお、表1においては、各元素の単位である質量%を便宜上省略して表記している。
Figure 2019072742
表1の実施例1〜12、17〜20に示すように、直径が300μmでありかつSn−Ag−Cu組成であるやに入りはんだにおいて、Niを0.0030〜0.1500質量%、Coを0.0010〜0.0180質量%の範囲で添加した場合には、加工性および使用性の双方が良好となり、ゼロクロスタイムも良好となった。
表1の実施例13、14に示すように、直径が300μmでありかつSn−Ag組成であるやに入りはんだにおいて、Niを0.0080質量%または0.0100質量%、Coを0.0020質量%または0.0030質量%添加した場合にも、加工性および使用性の双方が良好となり、ゼロクロスタイムも良好となった。
表1の実施例15、16に示すように、直径が300μmでありかつSn−Cu組成であるやに入りはんだにおいて、Niを0.0080質量%または0.0100質量%、Coを0.0020質量%または0.0030質量%添加した場合にも、加工性および使用性の双方が良好となり、ゼロクロスタイムも良好となった。
表1の実施例17〜20に示すように、Sn−Ag−Cu組成であるやに入りはんだにおいて、Niを0.0080質量%、Coを0.0020質量%添加し、やに入りはんだの直径をそれぞれ直径200μm、100μm、75μm、50μmとした場合でも、加工性および使用性の双方が良好となり、ゼロクロスタイムも良好となった。
これに対し、表1の比較例1に示すように、直径が300μmでありかつSn−Ag−Cu組成であるやに入りはんだにおいて、NiおよびCoの両方を添加しない場合には、やに入りはんだの剛性が不足してしまうため、加工性およびゼロクロスタイムは良好となったが、使用性に問題が発生した。
表1の比較例2に示すように、直径が300μmでありかつSn−Ag−Cu組成であるやに入りはんだにおいて、NiおよびCoの代わりにPを0.0500質量%添加した場合には、やに入りはんだが自動はんだ送り装置のパイプ内において座屈し、使用性に問題が発生した。ゼロクロスタイムは良好となった。なお、表1には示していないが、Pを0.0150質量%以上添加した場合には、はんだ表面にPの濃化が生じ、やに入りはんだの濡れ広がり性が低下してしまうことも確認された。さらに、やに入りはんだにおいて、Pに代えてGeを0.0500質量%添加した場合にも同様に、はんだ表面にPの濃化が生じ、やに入りはんだの濡れ広がり性が低下してしまうことが確認された。
表1の比較例3に示すように、直径が300μmでありかつSn−Ag−Cu組成であるやに入りはんだにおいて、NiおよびCoのうちNiのみを0.0030質量%添加した場合には、やに入りはんだの剛性が不足してしまい、ゼロクロスタイムおよび加工性は良好となったが、使用性に問題が発生した。
表1の比較例4に示すように、直径が300μmであり、かつSn−Ag−Cu組成であるやに入りはんだにおいて、Coのみを0.0010質量%添加した場合には、やに入りはんだの剛性が不足してしまい、ゼロクロスタイムおよび加工性は良好となったが、使用性に問題が発生した。
表1の比較例5に示すように、直径が300μmであり、かつSn−Ag−Cu組成であるやに入りはんだにおいて、Niを0.0010質量%、Coを0.0005質量%添加し、NiとCoの含有量の合計が0.0040質量%未満となる場合には、やに入りはんだの剛性が不足してしまい、ゼロクロスタイムおよび加工性は良好となったが、使用性に問題が発生した。
表1の比較例6に示すように、直径が300μmであり、かつSn−Ag−Cu組成であるやに入りはんだにおいて、Niを0.3000質量%、Coを0.0360質量%添加し、NiとCoの含有量の合計が0.1680質量%を超える場合には、加工性、使用性は良好となったが、濡れ速度が低下し、ゼロクロスタイムが2秒を超えた。
表1の比較例7に示すように、直径が50μmであり、かつSn−Ag−Cu組成であるやに入りはんだにおいて、Ni、Co、P、Geを添加しない場合には、ゼロクロスタイムは良好となったが、やに入りはんだの加工性が不足してしまうため、断線してしまい、線はんだを作製できなかった。線はんだを作製できなかったため、使用性も評価できなかった。
また、表1の参考例1に示すように、Sn−Ag−Cu組成であるやに入りはんだにおいて、やに入りはんだの直径を800μmとした場合には、NiおよびCoを添加しなくても、やに入りはんだの剛性が高くなるので、加工性および使用性の双方が良好となり、ゼロクロスタイムも良好となった。
表1の参考例2、3に示すように、Sn−Ag−Cu組成であるやに入りはんだにおいて、やに入りはんだの直径を800μmとした場合には、NiおよびCoを添加しなくても、やに入りはんだの剛性が高くなるので、加工性および使用性の双方が良好となり、ゼロクロスタイムも良好となった。
なお、表1では、やに入りはんだ組成において、Ag:0〜4.0質量%、Cu:0〜1.2質量%、Ni:0.0030〜0.1500質量%、Co:0.0010〜0.0180質量%の範囲の一部についてのみ評価を行っているが、表1に示していない他のやに入りはんだの組成の範囲についても表1の実施例1〜20と同様に、加工性、使用性およびゼロクロスタイムが良好となることが分かった。
また、表1の実施例1〜20のやに入りはんだにおいて、不可避不純物としてPおよびGeが0.0001量%未満含有されている場合にも、表1の実施例1〜20と同様に、加工性、使用性およびゼロクロスタイムに影響を与えることなく、それぞれ良好となることが分かった。
さらに、表1では、やり入りはんだについて説明したが、表1に示す組成のはんだ合金を用いた線はんだを使用した場合にも、表1と同様に、加工性、使用性およびゼロクロスタイムが良好となることが分かった。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能である。
本発明は、線はんだ、はんだ継手の製造方法およびはんだ付け方法に関する。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来からの課題であるはんだ合金の延伸時における断線の防止と線はんだの濡れ性を確保することに加え、自動はんだ付け装置により線はんだ等を搬送する場合において自動はんだ付け装置内での線はんだ等の座屈を防止することが可能な線はんだ、はんだ継手の製造方法およびはんだ付け方法を提供することにある。
(5)上記(1)から(4)の何れか一項に記載の線はんだ、前記線はんだ内に充填されるフラックスを備えるやに入りはんだであることを特徴とするはんだ。
(6)上記(1)から()の何れか一項に記載の線はんだを使用して形成されることを特徴とするはんだ継手の製造方法
(7)上記(1)から()の何れか一項に記載の線はんだ自動はんだ付け装置により搬送する工程と、前記線はんだはんだを溶融させることにより電子部品を基板上にはんだ付けする工程と、を有することを特徴とするはんだ付け方法。

Claims (7)

  1. Ag:0〜4.0質量%、Cu:0〜1.2質量%、Ni:0.0030〜0.1500質量%、Co:0.0010〜0.0180質量%、残部:Sn、からなり、
    直径が300μm以下である
    ことを特徴とする線はんだ。
  2. Ni:0.0060〜0.0100質量%である
    ことを特徴とする請求項1に記載の線はんだ。
  3. Co: 0.0010〜0.0030質量%である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の線はんだ。
  4. NiとCoとの含有量の合計が0.0040〜0.0130質量%である
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の線はんだ。
  5. 請求項1から4の何れか一項に記載の線はんだと、
    前記線はんだ内に充填されるフラックスと、
    からなることを特徴とするやに入りはんだ。
  6. 請求項1から4の何れか一項に記載の線はんだ、または請求項5に記載のやに入りはんだを含むことを特徴とするはんだ継手。
  7. 請求項1から4の何れか一項に記載の線はんだまたは請求項5に記載のやに入りはんだを自動はんだ付け装置により搬送する工程と、
    前記線はんだまたは前記やに入りはんだを溶融させることにより電子部品を基板上にはんだ付けする工程と、
    を有することを特徴とするはんだ付け方法。
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