JP2019070131A - アルカリ分散型ホットメルト粘着剤 - Google Patents

アルカリ分散型ホットメルト粘着剤 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、容器にラベルを接着することができ、ラベルの保持力、接着強度維持率およびアルカリ分散性に優れ、かつ、アルカリ溶液を用いずにラベルを再剥離することもできるホットメルト粘着剤を提供する。【解決手段】本発明は、(A)ビニル系芳香族炭化水素と共役ジエン化合物との共重合体である熱可塑性ブロック共重合体、(B)粘着付与樹脂、ならびに、(C)脂肪酸およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも一種を含み、(A)熱可塑性ブロック共重合体が(A1)スチレン含有率が40重量%以上のスチレン系ブロック共重合体を含む、アルカリ分散型ホットメルト粘着剤に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、アルカリ分散型ホットメルト粘着剤に関し、特に清涼飲料水、調味料、洗剤、シャンプー、食用油、化粧品、医薬品などに使用されているガラスビン、PET(ポリエチレンテレフタレート)ボトルなどのラベル用粘着剤として好適なアルカリ分散型ホットメルト粘着剤に関するものである。
薬や飲料の容器としては、一般的に、アルミ缶、ガラス瓶、ポリエチレンテレフタレート(PET)ボトルが広く流通している。これらの容器表面には、粘着剤によってラベルが手剥がしできない強度で貼られている。飲料容器のラベルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムや二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)、ポリ乳酸(PLA)フィルムの胴巻ラベル(ロールラベル)が多く利用されている。
ラベルが貼られた容器を再利用する際、使用後の容器を工場で回収し、加温されたアルカリ水溶液中に容器を浸漬し、ラベルと容器とを分別する必要がある。従って、容器用ラベルに塗布される粘着剤には、アルカリ水溶液で膨潤、軟化、分散、若しくは可溶することで、ラベルを容器から短時間で剥離させる性質(アルカリ分散性)が要求される。
特許文献1〜2には、PETボトルからラベルを簡単に剥離させるためのホットメルト粘着剤が開示されている。これら文献に記載のホットメルト粘着剤は、スチレンブロックコポリマーおよび粘着付与樹脂を含むアルカリ分散型ホットメルト粘着剤である。
しかしながら、特許文献1〜2のアルカリ分散型ホットメルト粘着剤は、石油系の粘着付与樹脂および合成オイル等を多量に含んでいるので、環境調和という面を考慮すると、好ましいとは言えない。
また、PETボトルとラベルとの接着性に関しても、需要者の要求は、年々、厳しくなっている。ラベル用ホットメルト粘着剤には、ラベルを一定以上の強度でPETボトルに保持する「保持力」、および、接着力を長期にわたって維持する「接着強度維持率」が要求されている。しかしながら、特許文献1〜2のアルカリ分散型ホットメルト粘着剤は、需要者のこれら厳しい要求を十分に満たしているとは言えない。
さらに、近年、環境問題に対する意識の高まりからリサイクルに対する意識が高まり、アルカリ洗浄せずに、ラベルとボトルを分別することも求められている。よって、ホットメルト粘着剤には、アルカリ分散性や接着性(保持力、経時接着強度維持率)だけではなく、アルカリ溶液を用いないラベルの再剥離性(例えば手剥離性)も要求されている。なお、本明細書において、単に「再剥離性」と記載したときは、アルカリ溶液を用いず、例えば手等による剥離性を意味するものとする。
特開2005−220244号公報 特許第4278704号公報
本発明は、上記問題を解決し、アルカリ分散性が高く、ラベルの保持力に優れ、接着力を長期間維持でき、かつ、アルカリ溶液を用いずにラベルを再剥離することも可能なアルカリ分散型ホットメルト粘着剤を提供することを目的とする。
本発明および本発明の好ましい態様は以下のとおりである。
1.(A)ビニル系芳香族炭化水素と共役ジエン化合物との共重合体である熱可塑性ブロック共重合体、
(B)粘着付与樹脂、ならびに、
(C)脂肪酸およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも一種
を含み、
(A)熱可塑性ブロック共重合体が(A1)スチレン含有率が40重量%以上のスチレン系ブロック共重合体を含むアルカリ分散型ホットメルト粘着剤。
2.(B)粘着付与樹脂が、酸価100mgKOH/g〜300mgKOH/gのロジン系粘着付与樹脂を含んでいる、上記1に記載のアルカリ分散型ホットメルト粘着剤。
3.(B)粘着付与樹脂が、さらにα−メチルスチレン系樹脂を含んでいる、上記2に記載のアルカリ分散型ホットメルト粘着剤。
4.(C)脂肪酸およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも一種が、ひまわり油および米油からなる群から選ばれる少なくとも1種の植物油を含んでいる、上記1〜3のいずれかに記載のアルカリ分散型ホットメルト粘着剤。
5.成分(A)、成分(B)および成分(C)の総重量100重量部に対し、成分(C)が10〜30重量部含まれている、上記1〜4のいずれかに記載のアルカリ分散型ホットメルト粘着剤。
6.上記1〜5のいずれかに記載のアルカリ分散型ホットメルト粘着剤が塗布されたラベル。
7.上記6に記載のラベルが貼り付けられた容器。
本発明のアルカリ分散型ホットメルト粘着剤は、PETボトル、ガラス瓶等の容器にラベルを接着するのに用いることができ、ラベルの保持力に優れ、接着力を長時間維持することもできる。また、ラベルが貼付された状態で容器をアルカリ水溶液に浸したときのアルカリ分散性が高く、かつ、アルカリ水溶液を用いずにラベルを再剥離することもできる。
また、本発明のホットメルト粘着剤によりPETボトル等の容器に貼り付けられたラベルは、長期間保持されるだけでなく、容器から剥がされるときは、手の力等で糊残りなく剥がされる。
さらに、本発明のラベルが貼り付けられた容器は、アルカリ洗浄または手の力等によって、ラベルが綺麗に剥がれるので、リサイクル処理に適する。
本発明に係るアルカリ分散型ホットメルト粘着剤は、(A)ビニル系芳香族炭化水素と共役ジエン化合物との共重合体である熱可塑性ブロック共重合体、(B)粘着付与樹脂、(C)脂肪酸およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも一種を含んでいる。なお、本明細書においては、それぞれ、「成分(A)」、「成分(B)」および「成分(C)」と記載することもあり、本発明のアルカリ分散型ホットメルト粘着剤のことを、単に「ホットメルト粘着剤」と記載することもある。
ラベルの再剥離性およびラベルの保持力と、アルカリ分散性とは相反する性質である。本発明のホットメルト粘着剤は、下記で説明する成分(A1)および成分(B)を含むことにより、上記相反する特性の双方を向上させることができ、かつ接着力も経時的に安定したものとなる。
<(A)熱可塑性ブロック共重合体>
本発明において「(A)熱可塑性ブロック共重合体」とは、ビニル系芳香族炭化水素と共役ジエン化合物とがブロック共重合した共重合体であって、通常、ビニル系芳香族炭化水素ブロックと共役ジエン化合物ブロックを有する樹脂組成物である。
本発明において、(A)熱可塑性ブロック共重合体{成分(A)}は、(A1)スチレン含有率40重量%以上のスチレン系ブロック共重合体(「成分(A1)」と記載することもある。)を含んでいる。「スチレン含有率」とは、熱可塑性ブロック共重合体に含まれるスチレンの割合をいう。成分(A1)のスチレン含有率は、40重量%以上であり、好ましくは50重量%以上であり、より好ましくは50〜70重量%である。本発明のホットメルト粘着剤は、成分(A1)のスチレン含有率が上記範囲にあることによって、ラベルの保持力およびラベルの再剥離性の双方に優れたものとなる。
本発明のホットメルト粘着剤において、成分(A)の総量100重量部に対し、成分(A1)が、30重量部以上であることが好ましく、50重量部以上であることがより好ましく、80重量部以上であることがさらに好ましく、100重量部であってもよい。
ここで、「ビニル系芳香族炭化水素」とは、ビニル基を有する芳香族炭化水素化合物を意味し、具体的には、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、及びビニルアントラセン等を例示できる。特にスチレンが好ましい。これらのビニル系芳香族炭化水素は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
「共役ジエン化合物」とは、少なくとも一対の共役二重結合を有するジオレフィン化合物を意味する。「共役ジエン化合物」として、具体的には、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(又はイソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンを例示することができる。1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエンが特に好ましい。これらの共役ジエン化合物は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
本発明に用いる(A)熱可塑性ブロック共重合体は、未水素添加物であっても、水素添加物であってもよい。
「(A)熱可塑性ブロック共重合体の未水素添加物」とは、具体的には、共役ジエン化合物に基づくブロックが水素添加されていないものを例示できる。また、「(A)熱可塑性ブロック共重合体の水素添加物」とは、具体的には、共役ジエン化合物に基づくブロックの全部、または一部が水素添加されたブロック共重合体を例示できる。
「(A)熱可塑性ブロック共重合体の水素添加物」の水素添加された割合を、「水素添加率」で示すことができる。「(A)熱可塑性ブロック共重合体の水素添加物」の「水素添加率」とは、共役ジエン化合物に基づくブロックに含まれる全脂肪族二重結合を基準とし、その中で、水素添加されて飽和炭化水素結合に転換された二重結合の割合をいう。この「水素添加率」は、赤外分光光度計及び核磁器共鳴装置等によって測定することができる。
「(A)熱可塑性ブロック共重合体の未水素添加物」として、具体的には、例えばスチレン−イソプレンブロック共重合体(「SIS」ともいう)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(「SBS」ともいう)を例示できる。「(A)熱可塑性ブロック共重合体の水素添加物」として、具体的には、例えば水素添加されたスチレン−イソプレンブロック共重合体(「SEPS」ともいう)、水素添加されたスチレン−ブタジエンブロック共重合体(「SEBS」ともいう)、および、スチレン−ブチレン・ブタジエン−スチレンブロック共重合体(「SBBS」ともいう)を例示できる。
(A)熱可塑性ブロック共重合体は、単独で又は複数種類を組み合わせて用いることができ、一実施態様として、(A1)スチレン含有率40重量%以上のスチレン系ブロック共重合体と、(A1)に該当しないスチレン系ブロック共重合体とが配合されていても差し支えない。(A1)に該当しないスチレン系ブロック共重合体とは、スチレン含有率が40重量%未満のものを意味する(以下、「(A2)スチレン含有率が40重量%未満のスチレン系ブロック共重合体」、または、「成分(A2)」と記載することもある。)。
本発明において、成分(A)として含まれる化合物の重量平均分子量(Mw)は、1.0×10〜3.0×10であることが好ましく、5.0×10〜2.0×10であることがより好ましい。
本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を使用して、標準物質としての単分散分子量のポリスチレンを使用した検量線を用いて分子量を換算して求められる。
本発明では、(A1)スチレン含有率40重量%以上のスチレン系ブロック共重合体として、市販品を用いることができる。例えば、
旭化成ケミカルズ社製のアサプレンT439(商品名)、タフプレン125(商品名)、タフプレンA(商品名)、タフテックP2000(商品名);
JSR社製のTR2000(商品名)、TR2250(商品名);
Enichem社製のSOlT6414(商品名);
クレイトン社製のKratonA1535(商品名)が挙げられる。
(A2)スチレン含有率が40重量%未満のスチレン系ブロック共重合体の市販品としては、
旭化成ケミカルズ社(株)製のタフプレンT125(商品名)、タフテックL518X(商品名)、タフテックH1053(商品名);
日本ゼオン社製のQuintac3460(商品名)、Quintac3433N(商品名)、Quintac3520(商品名)、Quintac3270(商品名);
クレイトン社製のD1160(商品名)、Kraton G1650(商品名)、Kraton G1652(商品名)、Kraton G1657(商品名)を例示できる。これらの市販品は、各々単独で又は組み合わせて使用することができる。
<(B)粘着付与樹脂>
本発明のホットメルト粘着剤は、(B)粘着付与樹脂(成分(B))を含むことにより、容器に対するラベルの保持力を向上することができる。「粘着付与樹脂」は、ホットメルト粘着剤に通常使用されるものであって、本発明が目的とするホットメルト粘着剤を得ることができるものであれば、特に限定されることはない。なお、本明細書において、成分(B)は、上記成分(A)として説明した化合物は含まないものとする。
粘着付与樹脂として、例えば、天然ロジン、変性ロジン、水添ロジン、天然ロジンのグリセロールエステル、変性ロジンのグリセロールエステル、天然ロジンのペンタエリスリトールエステル、変性ロジンのペンタエリスリトールエステル、水添ロジンのペンタエリスリトールエステル、天然テルペンのコポリマー、天然テルペンの3次元ポリマー、水添テルペンのコポリマーの水素化誘導体、ポリテルペン樹脂、フェノール系変性テルペン樹脂の水素化誘導体、脂肪族石油炭化水素樹脂、脂肪族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体、芳香族石油炭化水素樹脂、芳香族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体、環状脂肪族石油炭化水素樹脂、環状脂肪族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体を例示することができる。
これらのうち、成分(B)として、酸価が0〜300mgKOH/gの粘着付与樹脂を含むことが好ましく、酸価が0〜300mgKOH/gのロジン系粘着付与樹脂を含むことがより好ましく、酸価が100〜300mgKOH/gのロジン系粘着付与樹脂を含むことがさらに好ましく、酸価が150〜250mgKOH/gのロジン系粘着付与樹脂を含むことが最も好ましい。酸価が該範囲内であると、本発明のホットメルト粘着剤のアルカリ分散性がより向上する。
本発明の一態様として、(B)粘着付与樹脂が、上記ロジン系粘着付与樹脂に加えてα−メチルスチレン系樹脂を含んでいるのが好ましい。α−メチルスチレン系樹脂は、ホットメルト粘着剤の凝集性を高め、再剥離性および保持力を向上させる作用がある。α−メチルスチレン系樹脂としては、例えば、α−メチルスチレン単独重合体又はスチレン/α−メチルスチレン共重合体が用いられる。
本発明の一実施態様として、成分(B)としてのα−メチルスチレン系樹脂は、スチレン/α−メチルスチレン共重合体が好ましく、特に軟化点85〜160℃(JIS K2207に規定する環球法で測定)のものがより好ましい。具体的には、イーストマンケミカル社製のクリスタレックス3085(商品名)、クリスタレックス3100(商品名)、クリスタレックス1120(商品名)、クリスタレックス5140(商品名)、Endix155、Plastrin290、三井化学社製のFTR-2120(商品名)等の市販品を例示できる。
これらの粘着付与樹脂は、一種を単独で、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。粘着付与樹脂は、色調が無色〜淡黄色であって、臭気が実質的に無く熱安定性が良好なものであれば、液状タイプの粘着付与樹脂も使用できる。
<(C)脂肪酸およびその誘導体>
本発明のホットメルト粘着剤は、(C)脂肪酸およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも一種(成分(C))を含む。ホットメルト粘着剤が、成分(C)を含むことにより、本発明のホットメルト粘着剤は、アルカリ分散性に優れたものとなる。
本明細書において、脂肪酸とは、カルボキシ基を少なくとも1つ有する脂肪族カルボン酸のことをいい、ヒドロキシ基を有していてもよい。脂肪酸は、飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸に大別される。飽和脂肪酸とは、炭素鎖に二重結合あるいは三重結合を有さない酸である。不飽和脂肪酸とは、炭素鎖に二重結合あるいは三重結合を有する酸である。
飽和脂肪酸としては、本発明のホットメルト粘着剤に悪影響を与えないものであれば差し支えなく、炭素数1〜30のものが好ましく、炭素数3〜26のものがより好ましく、炭素数8〜24のものがより好ましく、炭素数12〜22のものがさらに好ましい。また、飽和脂肪酸は、鎖状であっても環状であってもよく、鎖状であることが好ましい。鎖状の飽和脂肪酸は、直鎖であっても分岐鎖を有していてもよく、直鎖飽和脂肪酸が好ましい。飽和脂肪酸としては、具体的には、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、トリコシル酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が例示される。
不飽和脂肪酸としては、本発明のホットメルト粘着剤に悪影響を与えないものであれば差し支えなく、炭素数3〜26のものが好ましく、炭素数4〜22のものがより好ましく、炭素数14〜22のものがさらに好ましい。
不飽和脂肪酸の炭素/炭素間の不飽和結合数は、1〜6が好ましく、1〜3がさらに好ましく、1〜2が最も好ましい。
不飽和脂肪酸としては、クロトン酸、オレイン酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸、リノール酸、リシノール酸等が挙げられる。
本明細書において、脂肪酸誘導体とは、上記脂肪酸の置換、あるいはその他化学反応によって得られる化合物とする。脂肪酸誘導体としては、油脂、硬化油、脂肪酸アミド、脂肪酸アルキルエステル、モノグリセリド、ジグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられ、油脂および硬化油が好ましい。「油脂」は、脂肪酸とグリセリンとのエステルであるトリグリセリド(トリアシルグリセロール)を主成分とする。
本発明のホットメルト粘着剤は、一般に食用または工業用油脂として用いられる油脂を含むことができる。油脂は、常温(約20〜26℃)で液体であっても固体であってもよく、常温で液体のものが好ましく、植物油が好ましい。油脂としては、例えば、コーン油、大豆油、エポキシ化大豆油、ごま油、アマニ油、オリーブオイル、レタス油、魚油、バター、ラード、ヒマシ油、菜種油、ひまわり油、米油、綿実油が挙げられ、一種を単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうち、ひまわり油および米油から選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。ひまわり油および/または米油を含むことによって、本発明のアルカリ分散型ホットメルト粘着剤は、アルカリ分散性が特に優れたものとなる。
「硬化油」は、常温で液体である油脂に水素添加を行い、より融点の高い飽和脂肪酸の割合を増加させることで、常温で油脂が固形化されたものである。「硬化油」は、本発明のホットメルト粘着剤に悪影響を与えないものであれば差し支えなく、具体的には、水素添加されたヒマシ油(すなわち、水添ヒマシ油)、水添大豆油、水添サラダ油等が例示される。
(C)脂肪酸またはその誘導体としては、市販品を用いることができる。そのような市販品として、例えば、
昭和産業社製のFSオイル(商品名)、プライムテイスト(商品名);
ボーソー油脂社製の米油(商品名)、こめサラダ油(商品名);
岡村油脂社製の綿実油(商品名);
理研ビタミン社製のリケマール(商品名);
日油社製のノニオン(商品名);
等が挙げられる。これら市販の脂肪酸誘導体は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
本発明のホットメルト粘着剤は、成分(A)〜成分(C)以外に、ワックスを含んでいても良い。
「ワックス」は、ホットメルト粘着剤に一般的に用いられるワックスであって、本発明が目的とするホットメルト粘着剤を得ることができるものであれば、特に限定されるものではない。具体的には、フィッシャートロプシュワックス、ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス)等の合成ワックス系;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油ワックス;カスターワックスなどの天然ワックス;等を例示できる。
本発明のホットメルト粘着剤がワックスを含んでいることで、ラベルを容器から剥がす際、ホットメルト粘着剤の容器に対する糊残りが少なくなる。
本発明のホットメルト粘着剤は、可塑剤を含んでいても差し支えない。
可塑剤は、ホットメルト粘着剤の溶融粘度低下、柔軟性の付与、被着体への濡れ向上を目的として配合され、他の成分と相溶し、本発明が目的とするホットメルト粘着剤を得ることができるものであれば、特に限定されるものではない。可塑剤として、例えばパラフィン系オイル、ナフテン系オイル及び芳香族系オイルを例示することができる。特にパラフィン系オイル及び/又はナフテン系オイルが好ましく、無色、無臭であるパラフィン系オイルが最も好ましい。
可塑剤の市販品の一例として、例えば、Kukdong Oil&Chem社製のWhite Oil Broom350(商品名)、出光興産社製のダイアナフレシアS−32(商品名)、ダイアナプロセスオイルPW−90(商品名)、ダフニ−オイルKP−68(商品名)、BPケミカルズ社製のEnerperM1930(商品名)、Crompton社製のKaydol(商品名)、エクソン社製のPrimol352(商品名)、出光興産社製のプロセスオイルNS−100(商品名)を例示することができる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
可塑剤を配合することで、本発明のホットメルト粘着剤に含まれる成分(A)〜(C)の相溶性が向上し、さらには、その他成分との相溶性も向上し、結果的に、ホットメルト粘着剤の粘着性、接着性や塗工適正が向上する。
本発明に係るホットメルト粘着剤は、必要に応じて、更に各種添加剤を含んでもよい。そのような各種添加剤として、例えば、安定化剤、及び微粒子充填剤を例示することができる。
「安定化剤」とは、ホットメルト粘着剤の熱による分子量低下、ゲル化、着色、臭気の発生等を防止して、ホットメルト粘着剤の安定性を向上するために配合されるものであり、本発明が目的とするホットメルト粘着剤を得ることができるものであれば、特に制限されるものではない。「安定化剤」として、例えば酸化防止剤及び紫外線吸収剤を例示することができる。
「酸化防止剤」として、例えばフェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤を例示できる。「紫外線吸収剤」として、例えばベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤を例示できる。更に、ラクトン系安定剤を添加することもできる。これらは単独又は組み合わせて使用することができる。酸化防止剤の市販品として、以下の製品を使用することができる。
具体的には、住友化学工業(株)製のスミライザーGM(商品名)、スミライザーTPD(商品名)及びスミライザーTPS(商品名)、チバスペシャルティーケミカルズ社製のイルガノックス1010(商品名)、イルガノックスHP2225FF(商品名)、イルガフォス168(商品名)及びイルガノックス1520(商品名)、チヌビンP、城北化学社製のJF77(商品名)、エーピーアイコーポレーション製のトミノックスTT(商品名)、アデカ社製のAO−412S(商品名)を例示することができる。これら安定化剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
「紫外線吸収剤」は、ホットメルト粘着剤の耐光性を改善するために使用される。「酸化防止剤」は、ホットメルト粘着剤の酸化劣化を防止するために使用される。
本発明のホットメルト粘着剤は、更に、微粒子充填剤を含むことができる。微粒子充填剤は、一般に使用されているものであれば良く、本発明が目的とするホットメルト粘着剤を得ることができる限り特に限定されることはない。「微粒子充填剤」として、例えば雲母、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化チタン、ケイソウ土、尿素系樹脂、スチレンビーズ、焼成クレー、澱粉等を例示できる。これらの形状は、好ましくは球状であり、その寸法(球状の場合は直径)については特に限定されるものではない。
本発明に係るホットメルト粘着剤は、一般的に知られているホットメルト粘着剤の製造方法を用いて、成分(A)、成分(B)および成分(C)と、好ましくはワックス、可塑剤や安定化剤、更に必要に応じて各種添加剤とを配合して製造することができる。ホットメルト粘着剤は、上述の成分を所定量配合し、加熱溶融して製造することができる。目的とするホットメルト粘着剤を得ることができる限り、各成分を加える順序、加熱方法等は、特に制限されるものではない。
本発明のホットメルト粘着剤において、成分(A)の配合量は、成分(A)、成分(B)および成分(C)の総重量100重量部に対し、10〜40量部であるのが好ましく、特に15〜30重量部であるのがより好ましい。A成分の配合量が上記範囲にあることによって、本発明のアルカリ分散型ホットメルト粘着剤は、再剥離性と保持力とのバランスに優れたものとなる。
本発明のホットメルト粘着剤において、成分(B)の配合量は、成分(A)、成分(B)および成分(C)の総重量100重量部に対し、30〜80重量部であるのが好ましく、40〜70重量部であるのがより好ましい。成分(B)の配合量が上記範囲にあることによって、本発明のアルカリ分散型ホットメルト粘着剤は、ホットメルト粘着剤として安定したものとなり、接着強度を長期間にわたって維持することが可能になる。
本発明ホットメルト粘着剤において、成分(C)の配合量は、成分(A)、成分(B)および成分(C)の総重量100重量部に対し、10〜30重量部であるのが好ましく、特に15〜25重量部であるのがより好ましい。成分(C)の配合量が上記範囲にあることによって、本発明のアルカリ分散型ホットメルト粘着剤は、アルカリ分散型性がさらに向上する。
本発明のさらなる好ましい態様として、ホットメルト粘着剤は、160℃での粘度(又は溶融粘度)が4000mPa・s以下であることが好ましく、3000mPa・s以下であることがさらに好ましく、2000mPa・s以下であることが特に好ましい。ホットメルト粘着剤は、160℃での粘度が上記範囲にあることによって、よりいっそう塗工に適したものとなる。本明細書の160℃での粘度(又は溶融粘度)とは、27番ローターを用い、ブルックフィールド粘度計で測定された値を意味する。
本発明に係るラベルは、上記ホットメルト粘着剤が塗布されたものである。ホットメルト粘着剤が塗布されるラベルとして、具体的には、紙、加工紙(アルミ蒸着加工、アルミラミネート加工、ニス加工、樹脂加工等を施された紙)、合成紙等の紙類、有機化合物フィルム、無機化合物フィルム、金属製フィルム等によって作られるラベルが挙げられる。
本発明に用いられるラベルとしては、特に、アルカリ洗浄に用いられることの多いポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)等の有機化合物のフィルムが好ましい。ポリプロピレンフィルムとしては、特に二軸延伸されたポリプロピレン(OPP)フィルムが好ましい。
本発明のホットメルト粘着剤は、ラベル裏面全体に塗工されても、ラベル裏面の一部に塗工されても差支えない。塗布方式としては、オープンホイール方式、クローズガン方式、ダイレクトコート方式などがある。ラベルを剥がした際、PETボトルに糊が残らない方式として、オープンホイール方式、ダイレクトコート方式が好ましい。
本発明に係る容器は、上記ラベルが貼り付けられたものである。具体的には、清涼飲料水、調味料、洗剤、シャンプー、食用油、化粧品、医薬品などに使用されているガラス瓶などのガラス容器;PET(ポリエチレンテレフタレート)ボトルなどのプラスチック容器;アルミニウム等の金属缶;が例示される。上述の容器のうち、特にPETボトルが本発明では好ましい。PETボトルに本発明のラベルが貼り付けられている例としては、PETボトルの胴周りの一部にラベルが貼着されたもの、ボトルの胴周りを周状に覆うように巻きまわされた「胴巻きラベル」が貼られたものが本発明の一実施形態として挙げられる。
本発明のホットメルト粘着剤は、胴巻きラベルの接着にも好ましく用いられる。胴巻きラベルとしては、二軸延伸されたポリプロピレン(OPP)フィルムが多用されている。
本発明のホットメルト粘着剤が塗布されるラベルは、印刷が施されていてもよいし、施されていなくてもよい。印刷が施されているラベルを用いる場合、本発明のホットメルト粘着剤は、印刷が施されていない面に限らず、印刷が施されている面に塗布されても良い。
本発明のホットメルト粘着剤を用い、PETボトルにラベルを貼付する装置の一種として、オープンホイール方式の装置が挙げられる。オープンホイール方式の装置によって、ホットメルト粘着剤を120〜150℃で溶融し、ラベル裏面に塗工する。このラベルをPETボトルに貼付け、本発明の容器が製造される。
本発明のホットメルト粘着剤によりラベルが貼り付けられた容器は、熱アルカリ溶液につけると簡単にラベルが容器から剥離するので、容器の再利用等に適している。熱アルカリ溶液によりラベルを剥離する方法としては、特に限定されないが、例えば、ラベルが貼り付けられた容器を裁断し小片化してペレットにし、熱アルカリ水溶液(例えば、温度80℃〜90℃、濃度0.5〜5wt%の水酸化ナトリウム水溶液)にこのペレットを入れて約1分〜2時間撹拌する方法を挙げることができる。
また、本発明のホットメルト粘着剤によりラベルが貼り付けられた容器は、通常の容器の使用時にはラベルが容器から剥がれることなく十分な接着性を有する一方、容器の使用後等にラベルを剥がすときは、糊残りなく手で剥がすこともでき、再剥離性に優れる。
以下、本発明を、更に詳細に、かつ、具体的に説明することを目的として、実施例を用いて説明するが、これら実施例は、本発明を何ら制限するものではない。
実施例および比較例において、ホットメルト粘着剤に配合する成分を以下に示す。
(A)熱可塑性ブロック共重合体
(A1)スチレン含有率が40重量%以上のスチレン系ブロック共重合体
(A1−1)SBS(JSR社製の「TR2250」)
(A1−2)SBS(JSR社製の「TR2000」)
(A1−3)SBBS(クレイトン社製の「クレイトンA-1535」)
(A1−4)SBBS(旭化成ケミカルズ社製の「タフテックP2000」)
(A2)スチレン含有率が40重量%未満のスチレン系ブロック共重合体
(A2−1)SEBS(クレイトン社製の「クレイトンG-1650」)
(A2−2)SEBS(クレイトン社製の「クレイトンG-1652」)
(A2−3)SEBS(クレイトン社製の「クレイトンG-1657」)
(B)粘着付与樹脂
(B1)ロジン系樹脂(ハリマ化成社製のハリタックF(商品名)、酸価165〜175mgKOH/g)
(B2)ロジン系樹脂(イーストマンケミカル社製のForalAX-E(商品名)、酸価166mgKOH/g)
(B3)ロジン系樹脂(荒川化学社製のKE−604(商品名)、酸価230〜245mgKOH/g)
(B4)C9系石油樹脂(荒川化学社製のアルコンM100(商品名)、酸価0mgKOH/g)
(B5)C9系石油樹脂(荒川化学社製のアルコンM115(商品名)、酸価0mgKOH/g)
(B6)α−メチルスチレン系樹脂(イーストマンケミカル社製のクリスタレックス3100(商品名)、酸価0mgKOH/g)
(B7)テルペン系樹脂(ヤスハラケミカル社製のクリアロンM105(商品名)、酸価0mgKOH/g)
(B8)α−メチルスチレン系樹脂(イーストマンケミカル社製のEndix 155(商品名)、酸価0mgKOH/g)
(B9)α−メチルスチレン系樹脂(イーストマンケミカル社製のプラストリン290(商品名)、酸価0mgKOH/g)
(C)脂肪酸およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも一種
(C1)菜種油(昭和産業社製 FSオイル(商品名))
(C2)ひまわり油(昭和産業社製 プライムテイスト(商品名))
(C3)米油(ボーソー油脂製のこめサラダ油(商品名))
(C4)綿実油(岡村製油製の綿実油(商品名))
(C5)オレイン酸(ミヨシ油脂製のPM500(商品名))
(C6)ソルビタン脂肪酸エステル(花王製のレオドールTW−0320V(商品名))
(C7)ソルビタン脂肪酸エステル(日油製のノニオン80R(商品名))
(C8)ジグリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン製のリケマール L−71−D(商品名))
(C’9)鉱物油(出光興産製のダイアナフレシアS−32(商品名))
(D)ワックス
(D1)無水マレイン酸変性ポリプロピレンワックス(クラリアント社製のリコセンPPMA6202(商品名))
(D2)酸変性ワックス(三井化学社製のHiwax1105A(商品名))
(E)酸化防止剤
(E1)硫黄系酸化防止剤(アデカ社製のAO−412S(商品名))
(E2)フェノール系酸化防止剤(住友化学社製のスミライザーGM(商品名))
成分(A)〜(E)を表1〜表3に示す配合割合で配合し、約145℃で約3時間かけて万能攪拌機を用いて溶融混合し、実施例1〜11、比較例1〜6のホットメルト粘着剤を製造した。表1〜3に示されるホットメルト粘着剤の組成(配合)に関する数値は、全て重量部である。
実施例および比較例の各々のホットメルト粘着剤について、アルカリ分散性、再剥離性、保持力、接着強度維持率について評価した。以下、各測定方法および評価方法について説明する。
<アルカリ分散性>
各実施例および各比較例のホットメルト粘着剤でOPPフィルムのラベル(25mm×50mm)を作成し、PETボトルに貼りあわせて試験サンプルを作製した。この試験サンプルの重量(試験サンプルの洗浄前の重量)を測定後、この試験サンプルを85℃の1.5重量%水酸化ナトリウム水溶液に入れ、15分間攪拌(洗浄)した。15分後、試験サンプルを取り出して充分に風乾した。風乾後の試験サンプルの重量(試験サンプルの洗浄後の重量)を測定し、洗浄前後の重量からアルカリ分散率を算出した。アルカリ分散率を下記式より算出することで、アルカリ分散性を評価した。
アルカリ分散率(%)={(試験サンプルの洗浄前の重量−試験サンプルの洗浄後の重量)/(使用したホットメルト粘着剤の重量)}×100
結果を表1〜表3に示す。評価基準は下記のとおりである。
◎ : アルカリ分散率が80%より高い
○ : アルカリ分散率が60%以上、80%以下
× : アルカリ分散率が60%未満
測定不可 : フィルムが接着せず試験サンプルが作成できない為、測定不可
<再剥離性:OPPフィルム/OPPフィルム>
各実施例および各比較例のホットメルト粘着剤を厚さ30μmのOPPフィルムに塗布し、フィルム上に厚さ25μm粘着剤層を形成した。次いで、これを10mm×50mm幅に成形し、試験体とした。
20℃の雰囲気下で、試験体を被着体である別のOPPフィルムに貼り合わせた。貼り合わせの条件は、100℃で1秒間熱接着した。両フィルムを貼り合せた後、常温で2時間養生した。その後、20℃雰囲気下で、万能引張試験機(オリエンテック社製 RTM250)を用い、剥離速度300mm/分の条件で剥離させた。各ホットメルト粘着剤について3個の試料を測定し、それらの破壊状態を目視で観察する事により評価した。評価基準は下記のとおりである。なお、本明細書において、「界面破壊」とは、被着体から試験体を剥離する際、試験体と被着体との界面で剥離し、被着体に粘着剤層が残らないことを意味する。「凝集破壊」とは、被着体から試験体を剥離する際、粘着剤層が破壊した状態を意味する。結果を表1から表3に示す。
○ : 界面破壊
× : 凝集破壊
測定不可 : フィルムが接着せず試験サンプルが作成できない為、測定不可
<再剥離性:OPPフィルム/PETフィルム>
被着体となるフィルムをPETフィルムにした以外はOPPフィルム/OPPフィルムの再剥離性試験と同様の測定を行い、OPPフィルム/PETフィルムの破壊状態を評価した。その結果を表1〜表3に示す。評価基準は下記のとおりである。
○ : 界面破壊
× : 凝集破壊
測定不可 : フィルムが接着せず試験サンプルが作成できない為、測定不可
<再剥離性:OPPフィルム/ガラス>
被着体となるOPPフィルムをガラスにした以外はOPPフィルム/OPPフィルムの再剥離性試験と同様の測定を行い、OPPフィルム/ガラスの破壊状態を評価した。その結果を表1〜表3に示す。評価基準は下記のとおりである。
○ : 界面破壊
× : 凝集破壊
測定不可 : フィルムが接着せず試験サンプルが作成できない為、測定不可
<保持力>
厚さ30μmのOPPフィルムに、各実施例および各比較例のホットメルト粘着剤を塗布して厚さ25μmの粘着剤層をフィルム上に形成した。次いで、これを25mm×50mmに成形して試験体とした。この試験体に、接着面積が25mm×25mmとなるようにOPPフィルムを100℃で5秒間、熱接着で貼り合せて試験サンプルとした後、接着面と下に垂直方向に500gのおもりをかけ、40℃の条件下に放置した。評価基準は下記のとおりである。結果を表1〜表3に示す。
○ : おもりを保持できる時間(保持力)が100分以上
× : おもりを保持できる時間(保持力)が100分未満
測定不可 : フィルムが接着せず試験サンプルが作成できない為、測定不可
<経時接着安定性(接着強度維持率)>
各実施例および各比較例のホットメルト粘着剤を厚さ30μmのOPPフィルムに塗布し、フィルム上に厚さ25μmの粘着剤層を形成した。次いで、これを10mm×50mm幅に成形し、試験体とした。
20℃の雰囲気下で、試験体を別のOPPフィルムに貼り合わせた。貼り合わせ条件は、100℃で1秒間の熱接着であった。両フィルムを貼り合せて試験サンプルとした後、50℃で8時間保管し、その後、5℃で16時間保管した。その保管サイクルを4回繰り返した後、20℃雰囲気下で、万能引張試験機(オリエンテック社製 RTM250)を用い、剥離速度300mm/分で両フィルムを剥離させ、接着強度を測定した。
貼り合わせ直後の接着強度と、保管後の接着強度を測定し、接着強度維持率を算出した。各ホットメルト粘着剤について3個の試料を測定し、それらの接着強度維持率を下記式により算出する事により評価した。
接着強度維持率(%)=(保管後の接着強度/貼り合わせ直後の接着強度)×100
その結果を表1〜表3に示す。評価基準は下記のとおりである。
○ : 80%より高い
△ : 50%以上、80%以下
× : 50%未満
測定不可 : フィルムが接着せず試験サンプルが作成できない為、測定不可
Figure 2019070131
Figure 2019070131
Figure 2019070131
表1および表2に示されるように、実施例1〜11のホットメルト粘着剤は、成分(A1)、(B)および(C)の全てを含んでいるので、アルカリ分散性、ラベルの再剥離性、保持力、接着強度維持率の全てが良好である。一方、表3に示されるように比較例のホットメルト粘着剤は、成分(A1)、(B)および(C)のうちいずれかを含まないので、上記性能のいずれかが×となるか、あるいは、フィルムを接着することができず、アルカリ分散型ホットメルト粘着剤として好適であるとは言えない。
本発明は、アルカリ分散型ホットメルト粘着剤、及びそのホットメルト粘着剤が塗工されたラベル、そのラベルが貼られた容器を提供できる。

Claims (4)

  1. (A)ビニル系芳香族炭化水素と共役ジエン化合物との共重合体である熱可塑性ブロック共重合体、
    (B)粘着付与樹脂、ならびに、
    (C)脂肪酸およびその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも一種
    を含み、
    (A)熱可塑性ブロック共重合体が(A1)スチレン含有率が40重量%以上のスチレン系ブロック共重合体を含む、アルカリ分散型ホットメルト粘着剤。
  2. (C)脂肪酸およびその誘導体が、ひまわり油および米油から選ばれる少なくとも1種を含んでいる、請求項1に記載のアルカリ分散型ホットメルト粘着剤。
  3. 請求項1または2に記載のアルカリ分散型ホットメルト粘着剤が塗布されたラベル。
  4. 請求項3に記載のラベルが貼り付けられた容器。
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