JP2019069082A - カテーテル接続用の補助具および医療用キット - Google Patents

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Abstract

【課題】抜け止め筒体をその正しい姿勢で静脈ポートの接続管の軸心方向に向けて押すことができ、ひいては静脈ポートの接続管に被着されているカテーテルの端部を破ることなく確実に被って抜け止め保持することのできるカテーテル接続用の補助具および医療用キットを提供する。【解決手段】カテーテル接続用の補助具1は、静脈ポートの接続管に被着されたカテーテルの一端部の外周面に向けて抜け止め筒体を押すためのものであって、長尺の把手部2と、把手部2の先端部2Aに形成されていて抜け止め筒体の筒端面を押すための押圧板部3と、カテーテルの外径よりも大きく且つ抜け止め筒体の外径よりも小さな溝幅Mで押圧板部3に形成された切欠き溝部6と、を備えて構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、皮下埋込式の静脈ポートの接続管に被着されたカテーテルの外周面に抜け止め筒体を装着する際に用いられるカテーテル接続用の補助具およびこの補助具を含んで成る医療用キットに関するものである。
一般に、治療用の薬液や栄養剤は注射や点滴などで静脈に注入されるが、例えば抗ガン剤治療のような多数回にわたる薬注や穿刺のやり直しなどが重なる場合は、皮下の腫れ、血管痛、静脈の硬化などを引き起こすことがあり、患者にかなりの苦痛を与えている。
このような患者の苦痛を解消するために、図9に示すような皮下埋込式の静脈ポート20とカテーテル39が利用されている。静脈ポート20などの埋込手術は、皮膚Nが3〜4cm切開されて皮下NAに埋込用のポケットが形成され、切開口から近傍の静脈に穿刺針などを用いてカテーテル39が差し込まれ、更にカテーテル39の先端が心臓近くの中心静脈まで案内される。そして、カテーテル39の末端は切開口近くで静脈ポート20の接続管27に被着され、接続管27に被着されたカテーテル39の外周面は更に抜け止め筒体34で被われて抜け止め保持される。カテーテル39を接続された静脈ポート20がポケット内に収められた後に切開口が縫合される。この静脈ポート20では、カテーテル39と連通する液受室25がポート本体内に形成されており、液受室25の上方に軟質合成ゴム製のセプタム24が取り付けられている。そうして、セプタム24を被う薄い皮膚Nから注射針50を刺し、針先をセプタム24から液受室25内に至らせて薬液などの注入が行なわれるようになっており、患者の苦痛軽減化に役立っている。
斯かる埋込手術の数例を図10に示す。同図(a)は、先端のプラグ41を人Hの心臓Zに近い中心静脈59まで配置したカテーテル39が鎖骨下静脈60から刺し入れられ、カテーテル39の末端とつなげられた静脈ポート20が鎖骨下方の胸部Pに埋め込まれた例を示している。同図(b)は、カテーテル39が頸部Qの頸静脈61から刺し入れられ、カテーテル39とつながった静脈ポート20が鎖骨下方の胸部Pに埋め込まれた例である。同図(c)は、カテーテル39が腋下静脈62から刺し入れられ、カテーテル39とつながった静脈ポート20が上腕Rに埋め込まれた例である。
他方で、静脈ポートの接続管にカテーテルの末端部を抜け止め保持するための抜け止め筒体の技術が下記の特許文献1に記載されている。斯かる文献1記載の抜け止め筒体は、接続管外周の外向き突部との間でカテーテルの管壁を挟持する内向き突部を有していて、この内向き突部に設けたフランジに周方向複数のスリットを形成させたものである。この抜け止め筒体によれば、静脈ポートの接続管に被着されたカテーテルに向けて押し込まれてカテーテルの外周面を被って抜け止め保持するのであるが、カテーテルの外周面を被ったときに生じたカテーテルのしわ寄せを複数のスリット内に収容させてカテーテルの破損を防ぐようにしている。
特開2000−042120号公報
ところで、手術用手袋はポリイソプレンやNRラテックスなどのゴム材製であり抜け止め筒体は合成樹脂製であって、いずれも高分子材料であるために、抜け止め筒体を手術用手袋で持つと滑りやすい。そのために、手術用手袋で掴んだ抜け止め筒体を正しい姿勢に保ち続けておくことは困難である。また、静脈ポート埋込み手術の際に生じた血のりは抜け止め筒体をいっそう滑りやすくする。そして、静脈ポートの接続管は掛り止めのための外周突起を有しており、抜け止め筒体も内周突起を有しているので、接続管に被着されたカテーテルの外周面に抜け止め筒体を更に押し進めていくのは比較的大きな力を要する。これらの理由により、手術用手袋で掴んだ抜け止め筒体を正しい向きに保った状態で、接続管に被着されたカテーテルの外周面に被せようと力強く押しても、抜け止め筒体が手袋から滑り、接続管の軸心方向から傾いてしまうことがあった。
このように接続管の軸心方向から傾いた姿勢のまま、抜け止め筒体が静脈ポートに向けて押されると、抜け止め筒体はそれ以上進みにくくなる。それでも無理に押されると、接続管の外周突起と抜け止め筒体の入口部との間でカテーテルが狭圧されて破損することがある。この場合、カテーテルが破れた状態で静脈ポートを皮下に埋め込まれると、静脈ポートの液受室に外部から注入された薬剤がカテーテル破損個所から埋込部位近傍の皮下組織に流出して炎症などを引き起こすおそれがある。そのために、カテーテルの破損が疑われる場合は、あらためてカテーテルの再接続が行なわれるから、手術の手間と時間が必要以上にかかるという不具合がある。因みに、静脈ポートへの抜け止め筒体の押込みに関する取扱説明書の内容によると、例えばピンセット状の鑷子は用いず手で押し込むことが推奨されている。しかしながら、埋込みのための皮膚の切開口は3〜4cmと比較的小さくポケット内も狭いので、2本の指を挿入することは困難であり、抜け止め筒体を指では扱い難かった。そこで、止むなく鑷子を切開口から刺し込んで抜け止め筒体を扱うようにしていたのである。しかしながら、抜け止め筒体を扱う際に鑷子はよく滑るので、鑷子の先端で軟弱なカテーテルを破ることがあり、何とか改善が求められていた。
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、滑りやすくて扱いにくい抜け止め筒体をその正しい姿勢で静脈ポートの接続管の軸心方向に向けて押すことができ、ひいては静脈ポートの接続管に被着されているカテーテルの端部を破ることなく確実に被って抜け止め保持することのできるカテーテル接続用の補助具および医療用キットの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るカテーテル接続用の補助具は、静脈ポートの接続管に被着されたカテーテルの一端部の外周面に向けて抜け止め筒体を押すための補助具であって、長尺の把手部と、把手部の先端部に形成されていて抜け止め筒体の筒端面を押すための押圧板部と、カテーテルの外径よりも大きく且つ抜け止め筒体の外径よりも小さな溝幅で押圧板部に形成された切欠き溝部と、を備えて成ることを特徴とするものである。
また、前記構成において、押圧板部が、把手部の長手方向に対し傾斜して形成されていることを特徴とするものである。
そして、前記構成において、把手部の長手方向に対する押圧板部の傾斜角度が、10度以上30度以下に設定されていることを特徴とするものである。
更に、前記した各構成において、把手部に、広幅部と狭幅部が長手方向に隣合って形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明に係る医療用キットは、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のカテーテル接続用の補助具と、カテーテルと、静脈ポートと、抜け止め筒体と、少なくとも補助具、カテーテル、静脈ポートおよび抜け止め筒体を収容する収容容器と、収容容器の開口部を蓋止して密封する蓋シート体と、を含んで成ることを特徴とするものである。
本発明に係るカテーテル接続用の補助具によれば、長尺の把手部と、把手部先端の押圧板部と、押圧板部に形成された切欠き溝部とを備えており、切欠き溝部はカテーテルの外周面に対しては移動自在である一方、抜け止め筒体には当接するので、押圧板部をカテーテルの外周面に摺接させながら抜け止め筒体を正しい姿勢のまま押すことができる。その結果、静脈ポートの接続管に被着されているカテーテルの端部を、抜け止め筒体で更に被わせて抜け止め保持させることができる。
また、押圧板部が把手部の長手方向に対し傾斜して形成されているものでは、
施術者が得意な両手の角度に応じた傾斜角度の押圧板部の押圧面を用いて抜け止め筒体を押せるから、静脈ポートへのカテーテルの抜け止めを確実に行なうことができる。
そして、把手部の長手方向に対する押圧板部の傾斜角度が10度以上30度以下に設定されているものでは、一方の手で持った抜け止め筒体を他方の手で持った静脈ポートに向けて適切に押すことができる。この場合、傾斜角度が10度未満であると、把手部と押圧板部との関係が直線状に近くなり過ぎるので、把手部の長手方向と直角の方向に大きな力を加えなければならないから、抜け止め筒体への力が伝わりにくくなる。一方で、傾斜角度が30度を超える場合は、抜け止め筒体を押す際に把手部をその長手方向に引く力または押す力を大きくせざるを得ないので、これもまた抜け止め筒体への力が伝わりにくくなるという不具合がある。
更に、把手部に広幅部と狭幅部が長手方向に隣合って形成されているものでは、
狭幅部を指又にあてがうことにより、しっかりと安定して把手部を掴めるので、抜け止め筒体を安定した強い力で正確に押しやすくなるから、カテーテルの抜け止めを確実に行なうことができ、施術中の補助具の不用意な落下も抑止できる。
また、本発明に係る医療用キットによれば、静脈ポート、カテーテル、抜け止め筒体を有する手術用セットに本発明の補助具も含まれているので、ポート埋込手術に際して当該補助具を別途用意して滅菌もしておくといった手間を必要としない。そして、手術の際には、カテーテルを破損させたりすることなく当該補助具を用いて確実に静脈ポートにつなぐことができる。
本発明の一実施形態に係るカテーテル接続用の補助具を示す図であって、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は(b)における補助具の先端部を矢印A方向に視た部分矢視図である。 前記補助具を示す図であって、(a)は斜め上から見降ろした斜視図、(b)は斜め下から見上げた斜視図である。 前記補助具が適用される部材を示す図であって、(a)は静脈ポートの平面図、(b)は前記静脈ポートの側断面図、(c)は抜け止め筒体の側断面図、(d)はカテーテルの一部省略した側断面図、(e)は前記補助具の先端を示す部分拡大底面図である。 前記静脈ポートの接続管にカテーテルを固定する一連の態様を順に示す図であって、(a)は抜け止め筒体を挿通したカテーテルの一端部を静脈ポートの接続管に対面させた状態を示す側面図、(b)はカテーテルの一端部を静脈ポートの接続管に被着させた状態を部分拡大側断面図とともに示す側面図、(c)は接続管に被着されたカテーテルの外周面に向けて補助具で抜け止め筒体を押し込む状態を示す側断面図、(d)はカテーテルの外周面に抜け止め筒体を押し込み終えた状態を部分拡大側断面図とともに示す側面図である。 静脈ポートの接続管にカテーテルを固定する態様写真を模写した図であって、(a)は接続管に被着されたカテーテルの外周面に向けて補助具で抜け止め筒体を押し込む状態を示す図4(c)に対応した外観図、(b)はカテーテルの外周面に抜け止め筒体を押し込み終えた状態を示す図4(d)に対応した外観図である。 皮膚の切開部位から覗いたカテーテルの一端部を補助具で静脈ポートの接続管に固定する態様写真を模写した図4(c)および図5(a)に対応する外観図である。 補助具における前述した実施形態とは反対側の押圧面を用いて抜け止め筒体を押し込む態様写真を模写した外観図である。 必要な手術用セットが収容容器に滅菌封入される医療用キットを示す外観図である。 中心静脈に差し込まれたカテーテルの端部をつないだ一般的な静脈ポートを皮下に埋め込んだ態様を示す部分側断面図である。 カテーテルの端部をつないだ静脈ポートの埋込態様を示す図であって、(a)は静脈ポートの埋込部位が鎖骨下でカテーテルが鎖骨下静脈に差し込まれている状態説明図、(b)は静脈ポートの埋込部位が鎖骨下でカテーテルが頸静脈に差し込まれている状態説明図、(c)は静脈ポートの埋込部位が上腕でカテーテルが腋下静脈に差し込まれている状態説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。ここに、図1は本発明の一実施形態に係るカテーテル接続用の補助具を示す図であって、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は(b)における補助具の先端部を矢印A方向に視た部分矢視図、図2は前記補助具を示す図であって、(a)は斜め上から見降ろした斜視図、(b)は斜め下から見上げた斜視図である。但し、図9および図10に示した一般的な説明図中の同一の構成要素には、同一の符号を付すとともにその詳細な説明を省略することがある。
各図において、この実施形態に係るカテーテル接続用の補助具1は、例えばステンレス鋼板を型抜きで打ち抜いて或いは削り出して形成されている。そして、この補助具1は、矢印S方向に長い板状の把手部2と、把手部2の先端部2Aに形成された押圧板部3と、押圧板部3に形成された切欠き溝部6と、を備えて構成されている。補助具1全体の長さLは例えば160mmにされている。
前記の把手部2は長尺板状に形成されていて、広幅部10、狭幅部9、広幅部8および指持ち部7が、その後端部2B側から順に長手方向(矢印S方向)に隣合って形成されている。この場合、指持ち部7および押圧板部3の幅W1は例えば10mm、広幅部10の幅W2は例えば14mm、全体の板厚tは例えば2mmにされている。
前記の押圧板部3には、一面側の押圧面3Bと、他面側の押圧面3Aとが設けられている。そして、押圧板部3は、山折り部5Aおよび谷折り部5Bを境にして把手部2の長手方向に対し角度θぶん傾斜して形成されている。この例では押圧板部3の傾斜角度θは例えば12度に設定されているこれらの押圧面3A,3Bは、後述する抜け止め筒体34の筒端面34Aを押すためのものである。
押圧板部3の先端は二股の爪体4Aおよび爪体4Bに分かれている。これら爪体4A,4Bの間に、平面視で略V字状の切欠き溝部6が形成されている。切欠き溝部6の溝幅は広いところで例えば5.5mm、狭いところでも1mm弱であって、これらの略中間の有効溝幅Mは例えば3.5mmとなっている。爪体4Aまたは4Bの先端から切欠き溝部6の最奥部までの奥行Gは例えば7mmである。
ここで、前記の静脈ポート20、抜け止め筒体34、カテーテル39、および補助具1の先端部分を図3に示す。
まず、静脈ポート20は、図3(a),(b)に示すように、例えばポリアセタールなど合成樹脂製のポート本体21と、ポート本体21内に形成された液受室25と、液受室25上方のポート本体21の上面開口を被って取り付けられた例えば軟質シリコーンゴム製のセプタム24と、ポート本体21の下部に水平向きに突設されて液受室25に連通した例えばチタン合金製の接続管27と、から構成されている。ポート本体21は、セプタム24装着用の上面開口を有する上部本体22と、前記の液受室25を有していて上部本体22の下面に装着されるとともに接続管27差込み用の取付孔26を有する下部本体23と、から構成されている。セプタム24は平面視円形でありその上部直径Eは例えば13mmである。接続管27は、外径D1(例えば2.2mm)の太掛管部30、太掛管部30よりも細径の細管部29、下部本体23に差し込まれる基管部28が、軸心T方向に当該順で一体に形成されたものである。
前記の抜け止め筒体34は例えばポリカーボネート製の円筒体でありカテーテル39を挿通されるものである。この抜け止め筒体34は外径D4が例えば4.5mmである。抜け止め筒体34の筒内35には、図3(c)に示すように、一方の筒端面34A側から順に、内径D2の細径部36、内周面から内向きに全周にわたり突出して細径部36よりも細径の内周鍔部37、および細径部36と内周鍔部37よりも大きな内径D3の太径部38が形成されている。この抜け止め筒体34は、カテーテル39の一端部39Bが静脈ポート20の接続管27から抜脱することを防ぐために用いられる。
前記のカテーテル39は例えば全長500mm程度のシリコーンゴム製の軟弱チューブであり外径D5は例えば2.5mmである。このカテーテル39は、図3(d)に示すように、一端部39Bが静脈ポート20につながれ、他端部39Aは人Hの静脈に差し込まれて中心静脈59に配置されるようになっている。他端部39Aの筒端開口はシリコーンゴム製のプラグ41で塞がれており、筒端開口近傍にスリット弁40が形成されている。
すなわち、補助具1における切欠き溝部6は、図3(e)に示すように、カテーテル39の外径D5(2.5mm)よりも大きく且つ抜け止め筒体34の外径D4(4.5mm)よりも小さな有効溝幅M(例えば3.5mm)に形成されている。
上記のように構成された補助具1の作用につき図4を主に用いて説明する。この場合、鎖骨下方の皮膚が切開されて、鎖骨下静脈60への穿刺、ガイドワイヤ挿入、拡管器挿入、ガイドワイヤ抜取り、拡管器内へのカテーテル39の挿入、拡管器の取出し除去などの周知処理が施されていて、カテーテル39の他端部39Aが鎖骨下静脈60から心臓Z手前の中心静脈59に配置され、カテーテル39の一端部39Bが穿刺位置の鎖骨下静脈60を経て切開口から皮膚上に引き出されている状態から説明する。
まず、図4(a)に示すように、施術者は、抜け止め筒体34の筒内35にカテーテル39の一端部39Bを通す。続いて、施術者は、一方の手でカテーテル39の一端部39Bを持ち、他方の手で静脈ポート20を持って太掛管部30から接続管27全体にカテーテル39を被せて行く(矢印F1方向)。
次に、図4(b)の円B内に示すように、カテーテル39を接続管27の基管部28の根本近くまで被せ終えたのち、一方の手で抜け止め筒体34を静脈ポート20に向けて移動させる(矢印F2方向)。そうすると、抜け止め筒体34の太径部38が、接続管27の太掛管部30で膨らんだカテーテル39の部位に嵌まり込む。
そこで、施術者は、図4(c)および図5(a)に示すように、一方の手J2で補助具1の把手部2を持ち、カテーテル39に切欠き溝部6を装着して抜け止め筒体34の筒端面34Aに補助具1の押圧面3Bを押し当てる。この場合、図6にも示すように、例えば鎖骨Yの下方位置の胸部Pが切開されていて、切開口Xの長さは3〜4cm程度であり、開いた切開部U内はかなり狭く指2本を差し込めないほどである。しかも、せっかく静脈内の規定位置に挿入されているカテーテル39を切開口Xから引き出すことは極力避けたいので、従来は切開口X内の近くに鑷子を差し入れて抜け止め筒体34を扱っていた。しかしながら、鑷子の先端でカテーテル39に傷を付けることがあった。それに対し、補助具1の押圧板部3および把手部2は約2mm厚の板体であるから、切開部U内に余裕をもって刺し入れることができ、補助具1の差し入れ部分を矢印F5のように持ち上げて切開口Xを少し開くこともできる。このように差し入れにくい指2本やカテーテル39を破りやすい鑷子で抜け止め筒体34を扱わなくても、補助具1で簡便かつ正しく抜け止め筒体34の押圧ができる。そうして、施術者が他方の手J1で持った静脈ポート20に向けて抜け止め筒体34を押すと(図3(a)の軸心Tに沿う矢印F3方向)、抜け止め筒体34はカテーテル39の外周面を滑り静脈ポート20に向けて容易に移動するのである。
このとき、図4(c)中の2点鎖線で示すように、抜け止め筒体34が接続管27の軸心Tから傾いた姿勢で配置されていて、その姿勢で抜け止め筒体34の筒端面34Aが補助具1の押圧面3Bで押されると(矢印F4方向)、接続管27に対し傾いて押されることになるから、抜け止め筒体34はそれ以上進みにくくなり、それでも無理に押されると、接続管27の太掛管部30と抜け止め筒体34の太径部38との間でカテーテル39が狭圧されて破損することがある。そのように破損した場合は、その破損部分を切り取り、あらためてカテーテル39を接続し直さなければならない。その場合は、折角、中心静脈59まで配置させていたカテーテル39が短くなる。このとき、カテーテル39を長く切り過ぎると、正しい設置位置にあったカテーテル39の他端部39Aが、その設置位置から幾ぶん引き戻されて不具合を生じることがある。
一方で、抜け止め筒体34がカテーテル39の外周面を滑って静脈ポート20に向けて移動すると、図4(d)の円C内および図5(b)に示すように、太掛管部30によるカテーテル39の膨らみ部位を内周鍔部37が乗り越えて、抜け止め筒体34の先端が静脈ポート20のポート本体21近傍に到達する。このようにして、接続管27に被着されていたカテーテル39の外周面が、抜け止め筒体34で更に被われて抜け止め保持される。
その後、カテーテル39を接続された静脈ポート20が皮下NAのポケット内に収められた後に切開口Xが縫合される。このように埋め込まれた静脈ポート20は、セプタム24を被う薄い皮膚Nから注射針50がセプタム24を通して液受室25内に穿刺され、外部からの薬液などが液受室25を経て静脈へ注入されるのである。
上記したように、この実施形態の補助具1によれば、切欠き溝部6がカテーテル39の外周面に対しては移動自在である一方、抜け止め筒体34には当接するので、押圧板部3をカテーテル39の外周面に摺接させながら抜け止め筒体34を正しい姿勢のままで押すことができる。その結果、静脈ポート20の接続管27に被着されているカテーテル39の一端部39Bを破損させることなく、抜け止め筒体34で更に被わせて抜け止め保持させることができる。
また、押圧板部3が把手部2の長手方向に対し傾斜角度12度に傾いて形成されているので、施術者が得意な両手の角度に応じた傾斜角度θの押圧板部3の押圧面3A,3Bを用いて抜け止め筒体34の筒端面34Aを押せるから、静脈ポート20へのカテーテル39の抜け止めを確実に行なうことができる。
更に、把手部2に広幅部8、狭幅部9、広幅部10が長手方向に隣合って形成されているので、狭幅部9を人の指又(図6参照)にあてがうことにより、しっかりと安定して把手部2を掴めるので、抜け止め筒体34を安定した強い力で正確に押しやすくなる。これにより、カテーテル39の抜け止めを確実に行なうことができ、施術中の補助具1の不用意な落下も抑止できる。
ところで、手術の際の執刀医の両脇の締め方には個人差があり、両脇を大きく開いて手術用具を操作する人から、両脇を締めて行なう人まで様々である。上記した実施形態のように補助具1の押圧面3Bを使って抜け止め筒体34の筒端面34Aを押す態様は、両脇を締めて施術する施術者向けである。これに対し、例えば図7に示すように、補助具1の押圧面3Aで抜け止め筒部34の筒端面34Aに押す人は、両脇を開いて施術する施術者である。押圧面3Aを用いるか押圧面3Bを用いるかは、執刀医の好みや得手不得手に応じて選択すればよい。いずれの押圧面3A,3Bを用いても、上記した補助具1による作用、効果は十分に享受され得る。
他方で、上記の補助具1は、図8に示すように、他の医療用機器とともに、手術用セットVの一部として用いることができる。この手術用セットVは、補助具1、カテーテル39、静脈ポート20、抜け止め筒体34、ガイドワイヤ45、穿刺針46、シリンジ47、シース48、トンネラ49、注射針50、ウイング付き針51、および取扱説明書52、から構成されている。前記した手術用セットVの各機器は、収容容器55への収容・密封前に予め、加熱、消毒ガス、紫外線などの滅菌手段で滅菌消毒を受けたものがディスポーザブル品として用いられ、収容容器55の収容室58に収められたのち収容容器55の開口部57が蓋シート体56で蓋止され、収容容器55の開口部57および蓋シート体56の周縁が高周波溶接法などにより接着部55A,接着部56Aとして溶着密封される。すなわち、滅菌処理済みの手術用セットVと、収容容器55と、密着された蓋シート体56と、から医療用キットKが構成される。
前記した医療用キットKによれば、静脈ポート埋込手術のための手術用セットVに補助具1も含まれているので、埋込手術に際して補助具1を別途用意し滅菌も施しておくといった手間を必要としない。そして、埋込手術の際には、カテーテル39を破損させたりすることなく、補助具1を用いてカテーテル39を確実に静脈ポート20につなぐことができる。
尚、上記した各実施形態では、補助具1における後端部2Bの末端形状を平面視で角状に形成した例を示したが、後端部の末端に丸みを持たせた補助具も本発明に含まれることは言うまでもない。また、補助具の材質としては、上記のステンレス鋼板以外に、抜け止め筒体に対して滑りにくく、且つ、一定以上の剛性および機械的強度を有し、且つ、医療器具用材料として承認されているものであれば適用可能である。
そして、上記した各実施形態では、補助具、カテーテル、静脈ポート、抜け止め筒体について、形状、寸法、素材などを詳しく記載したが、それらはあくまでも例示であり、本発明は、例示した数値、内容に拘らない。すなわち、本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る、各種変形、修正を含む、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、それらが本発明に含まれることは言うまでもない。
1 補助具
2 把手部
2A 先端部
3 押圧板部
3A,3B 押圧面
6 切欠き溝部
7 指持ち部
8 広幅部
9 狭幅部
10 広幅部
20 静脈ポート
21 ポート本体
24 セプタム
25 液受室
27 接続管
34 抜け止め筒体
34A 筒端面
39 カテーテル
39B 一端部
55 収容容器
55A 接着部
56 蓋シート体
56A 接着部
57 開口部
59 中心静脈
D4 外径
D5 外径
K 医療用キット
M 溝幅
NA 皮下
V 手術用セット
θ 傾斜角度

Claims (5)

  1. 静脈ポートの接続管に被着されたカテーテルの一端部の外周面に向けて抜け止め筒体を押すための補助具であって、
    長尺の把手部と、
    前記把手部の先端部に形成されていて前記抜け止め筒体の筒端面を押すための押圧板部と、
    前記カテーテルの外径よりも大きく且つ前記抜け止め筒体の外径よりも小さな溝幅で前記押圧板部に形成された切欠き溝部と、を備えて成ることを特徴とするカテーテル接続用の補助具。
  2. 前記押圧板部が、前記把手部の長手方向に対し傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカテーテル接続用の補助具。
  3. 前記把手部の長手方向に対する前記押圧板部の傾斜角度が、10度以上30度以下に設定されていることを特徴とする請求項2に記載のカテーテル接続用の補助具。
  4. 前記把手部に、広幅部と狭幅部が長手方向に隣合って形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のカテーテル接続用の補助具。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のカテーテル接続用の補助具と、前記カテーテルと、前記静脈ポートと、前記抜け止め筒体と、少なくとも前記補助具、前記カテーテル、前記静脈ポートおよび前記抜け止め筒体を収容する収容容器と、前記収容容器の開口部を蓋止して密封する蓋シート体と、を含んで成ることを特徴とする医療用キット。
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