JP2002177399A

JP2002177399A - オブチュレータ及びこれを用いた留置針挿入用ホール形成具および留置針キット

Info

Publication number: JP2002177399A
Application number: JP2000385886A
Authority: JP
Inventors: Ichiro Takai; 一郎高井; Shigeki Taima; 茂樹當間; Toshiaki Masuda; 利明増田; Masashi Ishida; 昌司石田; Kazuyoshi Harada; 和良原田
Original assignee: Nipro Corp
Current assignee: Nipro Corp
Priority date: 2000-12-19
Filing date: 2000-12-19
Publication date: 2002-06-25

Abstract

(57)【要約】【課題】、血管に留置される留置針が血管内壁を押圧
することなく、また、血管表面に形成されたホールの軸
と留置針挿入通路の軸の間にずれの生じることがなく、
医療従事者にとっての作業負担が軽減されるオブチュレ
ータ及びこれを用いた留置針挿入用ホール形成具、およ
び留置キットを提供する。【解決手段】オブチュレータ１は、皮膚表面から血管
に刺入され留置されたホール形成用留置針２と組み合わ
されて、留置針挿入用ホール形成具を構成する。ホール
形成用留置針２は、一般に、外針２１と内針２２を備え
ており、外針２１が血管内に留置される。外針２１のハ
ブ２１３の基端には、好ましくはクランプチューブ２３
が設けられており、その基端にはシール部材２４が着脱
自在に取り付けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、金属製の先端の鋭
利な内針及び可撓性の外針からなるホール形成用留置針
の外針（体内に留置される）の内腔を閉塞するためのオ
ブチュレータに関する。また、このオブチュレータを含
んでなる、人体の皮膚表面から血管に達するホールを形
成するための留置針挿入用ホール形成具および、この形
成具によって形成されたホールに好適な留置針を更に含
む留置針キットに関する。

【０００２】

【従来の技術】血液透析患者は週に２〜３回のペースで
血液透析を行う必要があり、その都度留置針を穿刺する
ことは透析患者にとってかなりの苦痛となっていた。そ
こで、この穿刺痛を最小限に抑えるために、本出願人
は、すでに留置針穿刺用ホール形成具（特開２０００−
１７６００９号公報参照）を提案している。このもの
は、先端と基端を有しており、ガイドワイヤーを挿通可
能な内腔を有する中空体であって、少なくとも人体に挿
入される先端側の部分が容易に屈曲や圧潰し難いチュー
ブ体で形成され、基端には前記内腔の開口部を閉鎖する
閉鎖具が着脱自在に装着されていることを特徴としてい
る。この留置針穿刺用ホール形成具を皮膚表面から血管
にかけて数日間留置すると、留置針挿入通路となるホー
ル（ボタンホールと言う）が形成され、透析時には、こ
のホールに沿って留置針を挿入すればよいから、従来の
ような穿刺痛はほぼ解消される。しかしながら、この留
置針穿刺用ホール形成具を人体に留置する際には、以下
のような複雑な作業を必要としていた。（１）内針と外針から構成された一般の透析用留置針を
シャント部に穿刺した後、内針を抜去し、外針を血管内
に留置する。（２）次に、外針内にガイドワイヤーを挿入した後、外
針を抜去し、ガイドワイヤーのみを血管内に留置する。（３）その後、ガイドワイヤーに沿って、留置針穿刺用
ホール形成具を血管内へ導入し、留置する。このような
複雑な留置作業は、医療従事者にとってかなりの負担と
なっていた。また、留置針穿刺用ホール形成具の留置中
には、内腔に血栓が生じないようにヘパリンロックをす
る必要があるが、この作業も医療従事者にとっては負担
となっていた。

【０００３】さらに、上記特開２０００−１７６００９
号の出願当時は、ボタンホールを直線状に形成するため
にチューブ体は屈曲し難い材質からなるのが好ましいと
考えられたが、屈曲し難い材質としたことにより、チュ
ーブ体先端が血管内壁を押圧して、若干の痛みを生じさ
せるという問題が発生することがあった。また、ボタン
ホールの形成に際しては、血管内に留置された留置針穿
刺用ホール形成具の皮膚より外に出ている部分にガーゼ
等を当て、包帯を巻くことにより固定しているが、この
場合、留置針穿刺用ホール形成具に皮膚の表面を支点と
する偶力が働き、チューブ体の先端が上方向に移動した
状態でホールが形成される。その結果、留置針穿刺用ホ
ール形成具を抜き去った後で皮下組織が移動し、血管表
面に形成されたホールの軸と留置針挿入通路の軸の間に
若干のずれが生じ、透析用留置針の挿入に支障をきたす
ことがあった。

【０００４】一方、特開平１０−２３４８５７号公報に
は、血管内留置カテーテル内流路を閉塞するためのオブ
チュレータが開示されている。このオブチュレータは、
金属あるいはプラスチックからなり、表面が湿潤時に潤
滑性を示すことを特徴とするものである。このものを使
用すれば、ヘパリンロック等の作業負担は軽減される。
しかしながら、このオブチュレータを使用しても、依然
として、血管内壁を押圧してしまうという問題は解消さ
れていない。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、如上の事情
に鑑みてなされたもので、血管に留置される留置針が血
管内壁を押圧することなく、また、血管表面に形成され
たホールの軸と留置針挿入通路の軸の間にずれの生じる
ことがなく、医療従事者にとっての作業負担が軽減され
るオブチュレータ及びこれを用いた留置針挿入用ホール
形成具、および留置キットを提供することを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決するために、鋭意検討の結果、屈曲形状を有する可
撓性挿入部を備えたオブチュレータを採用することによ
り、これを留置針に挿入したときに、留置針の先端に働
く偶力を殆ど無くすることができ、その結果、血管表面
に形成されたホールの軸と留置針挿入通路の軸の間にず
れが生じないようにすることができることに想到し、本
発明に到達した。すなわち本発明は、皮膚表面から血管
に刺入され留置されたホール形成用留置針の内腔を閉塞
するための閉塞具であって、前記留置針の内腔に挿入可
能な屈曲形状を有する可撓性挿入部と、該挿入部の基端
に設けられ前記留置針の基端部への係合手段を備えた係
合部を備えてなるオブチュレータに関する。ここで、挿
入部の屈曲形状は、予め形成されていても、留置針外針
への挿入直前に形成できるようになっていても、挿入後
に形成されるようになっていてもよい。挿入部の形成材
料としては、ステンレス、ポリカーボネート、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどが好適であ
る。屈曲形状を挿入直前に形成するものとしては、挿入
部が変形可能かつ変形後の形状が維持される材料、例え
ば焼鈍されたステンレスで形成されたものなどが挙げら
れる。屈曲形状が挿入後に形成されるものとしては、挿
入部が人体に挿入されたときに屈曲する形状記憶合金か
らなるものなどが挙げられる。屈曲形状としては、緩や
かなＳ字状が好ましい。

【０００７】また、本発明は、請求項１〜７のいずれか
に記載のオブチュレータと、金属製の先端の鋭利な内針
及び可撓性の外針からなるホール形成用留置針、を含ん
でなる留置針挿入用ホール形成具に関する。また、請求
項８記載の留置針挿入用ホール形成具と、この形成具に
より形成されたホールに挿入され留置される、鋭利な先
端を有しないカヌラを備えた留置針、とを含んでなる留
置針キットに関する。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明の一実施例を図面に基づい
て説明する。図１は本発明のオブチュレータを示す縦断
面図であり、図２は本発明の留置針挿入用ホール形成具
を構成するホール形成用留置針を示す縦断面図、図３は
本発明の留置針キットを構成する鋭利な先端を有しない
カヌラを備えた留置針を示す縦断面図である。図１に示
すオブチュレータ１は、皮膚表面から血管に刺入され留
置された図2に示すようなホール形成用留置針２と組み
合わされて、請求項８の留置針挿入用ホール形成具を構
成する。ホール形成用留置針２は、一般に、外針２１と
内針２２を備えており、外針２１が血管内に留置され
る。外針２１のハブ２１３の基端には、好ましくはクラ
ンプチューブ２３が設けられており、その基端にはシー
ル部材２４が着脱自在に取り付けられている。

【０００９】オブチュレータ１は、図1に示すように、
皮膚表面から血管に刺入され留置された、図2に示すホ
ール形成用留置針２の外針２１の内腔２１２を閉塞する
ための閉塞具であって、外針２１の内腔２１２に挿入可
能な屈曲形状を有する可撓性挿入部１１と、この挿入部
１１の基端に設けられ外針２１の基端部（クランプチュ
ーブ２３の基端のコネクタ２３１）への係合手段１２１
を備えた係合部１２からなる。挿入部１１は、可撓性を
有する線状部材からなり、少なくとも使用時には屈曲形
状を有するようになっている。ここでいう屈曲形状と
は、皮膚表面から血管に刺入され留置される外針２１の
内腔２１２に挿入された際に、外針２１が血管内壁を押
圧しないような形状であり、Ｓ字状、Ｊ字状などが挙げ
られる。特に好ましい形状は緩やかなＳ字状である。こ
の形状により、図４で明らかなように、血管内に留置さ
れた外針２１にオブチュレータ１を挿着したときに、挿
入部１１の先端側を血管とほぼ平行に配置するとともに
基端側を皮膚表面とほぼ平行に配置することが可能とな
る。この屈曲形状は、外針２１への挿入直前に手などで
折り曲げて形成してもよく、予め形成されていてもよ
い。挿入部１が挿入直前に折り曲げられるタイプのオブ
チュレータの場合は、変形可能かつ変形後の形状が維持
される材料で形成されるのが好ましく、このような材料
として例えば焼鈍されたステンレスや銅などが挙げられ
る。また、挿入部１１が予め屈曲している場合は、ステ
ンレス、または、ポリカーボネート、ポリプロピレン、
ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂材料で形
成されるのが好ましい。さらに、形成材料としては、形
状記憶合金を採用し、皮膚表面から血管に刺入され留置
された外針２１の内腔２１２に挿入した際に、体温によ
りオブチュレータ１の挿入部１１が屈曲形状に変わるよ
うにしてもよい。

【００１０】留置針挿入用ホール形成具は、図１に示す
オブチュレータ１と図2に示すホール形成用留置針２と
の組み合わせからなる。ホール形成用留置針は、一般
に、外針２１と内針２２を備えており、外針２１のハブ
２１３の基端には好ましくはクランプチューブ２３が設
けられている。また、クランプチューブ２３の基端には
キャップ状のシール部材２４が着脱自在に取り付けられ
ている。外針２１は、ポリエチレンやポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリウレタン、ポリエステル等の可撓性樹
脂で形成された中空のカヌラ２１１とこのカヌラ２１１
の基端に設けられたハブ２１３からなり、カヌラ２１１
はその内腔２１２にオブチュレータ１を挿入した際に、
その挿入部１１の屈曲形状に従って屈曲する柔軟性を有
している。クランプチューブ２３はポリエチレンや、ポ
リウレタン、シリコーン、ポリ塩化ビニル、天然ゴム、
合成ゴム（イソプレンゴム、ブタジエンゴムなど）等で
形成された柔軟なチューブで、ホール形成用留置針２を
血管に留置し内針２２を外針２１から引き抜き、シール
部材２４を取外したときに、これをクランプなどで閉塞
して血液のリークを防止することができるようになって
いる。クランプチューブ２３の基端にはコネクタ２３１
が設けられており、コネクタ２３１にはシール部材２４
が着脱自在に取り付けられている。シール部材２４には
軸上に内針２２のカヌラ２２１より小さな孔の形成され
たパッキン２４１が収容されており、ホール形成用留置
針２を血管に留置し内針２２を外針２１から引き抜いた
ときに、血液のリークが防止されるようになっている。
内針２２は、通常、ステンレス（ＳＵＳ３０４など）等
から形成された先端の鋭利なカヌラ２２１とこのカヌラ
２２１の基端に設けられたハブ２２２からなり、ハブ２
２２の先端には好ましくはシール部材２４と衝合する鍔
２２３が設けられている。

【００１１】留置針キットは、図１に示すオブチュレー
タ１と、図2に示すホール形成用留置針２と、図３に示
す留置針３の組み合わせからなる。留置針３は、留置針
挿入用ホール形成具により形成されたホールに挿入され
留置されるもので、鋭利な先端を有しないカヌラ３１を
備え、カヌラ３１の基端にはハブ３２が設けられてい
る。カヌラ３１は通常ステンレス（ＳＵＳ３０４など）
やポリプロピレン、ポリカーボネ−ト、ＡＢＳ樹脂、ポ
リエチレン等の可撓性樹脂で形成されている。カヌラ３
１は所謂鈍針であり、その先端には鋭利でない刃先が形
成されている。留置針３は、ホール形成用留置針２と同
様の可撓性の外針を備えたものであっても構わないが、
図３に示すような、ハブ３２に翼３３が設けられた所謂
翼状針であってもよい。翼状針の場合、ハブ３２の基端
には接続チューブ３４が設けられており、接続チューブ
３４の基端にはコネクタ３５が設けられている。

【００１２】次に、本発明の留置針キットの使用につい
て図４を用いて説明する。先ず、患者の静脈にホール形
成用留置針２を刺入する（図４の１）。次いでその内針
２２を外針２１から引き抜き（図４の２）、シール部材
２４を取り外してオブチュレータ１を内針２１に挿入す
る（図４の３）。挿入部１１の先端側と血管とがほぼ平
行になるとともに、基端側が皮膚表面とほぼ平行になる
ようにし、クランプチューブ２３のコネクタ２３１とオ
ブチュレータ１の係合部１２を係合する（図４の４）。
数日間経過後、オブチュレータ１を抜去すれば、留置針
挿入用ホールが形成される。ホールは凝固または半凝固
状態の血液で塞がれており、その入口の表面はかさぶた
状になっている。ホールに留置針３を留置する際には、
留置針３の先端でかさぶたを剥して行う。

【００１３】

【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、留
置針挿入用ホール形成具により患者の皮膚に容易に留置
針挿入用ホールを形成することができ、しかも留置針の
先端側と基端側をそれぞれ血管および皮膚表面とほぼ平
行に配置することができるので、留置針のホールへの挿
入が容易であり、また、血管や皮膚への負担も軽減され
る。鈍針を使用しているので、皮膚や血管を傷つける虞
がない、等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のオブチュレータを示す縦断面図であ
る。

【図２】本発明の留置針挿入用ホール形成具を構成する
ホール形成用留置針を示す縦断面図である。

【図３】本発明の留置針キットを構成する鋭利な先端を
有しないカヌラを備えた留置針を示す縦断面図である。

【図４】本発明の留置針挿入用ホール形成具の使用方法
の説明図である。

【符号の説明】

１オブチュレータ１１挿入部１２係合部１２１係合手段２ホール形成用留置針２１外針２１１カヌラ２１２内腔２１３ハブ２２内針２２１カヌラ２２２ハブ２２３鍔２３クランプチューブ２３１コネクタ２４シール部材２４１パッキン３留置針３１カヌラ３２ハブ３３翼３４接続チューブ３５コネクタ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者石田昌司大阪市北区本庄西３丁目９番３号株式会社ニッショー内 (72)発明者原田和良大阪市北区本庄西３丁目９番３号株式会社ニッショー内Ｆターム(参考） 4C077 AA05 BB01 DD20 EE01 KK25 4C167 AA22 AA26 BB02 BB07 BB24 BB33 CC08 DD03 GG02 GG06 GG10 GG22

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】皮膚表面から血管に刺入され留置された
ホール形成用留置針の内腔を閉塞するための閉塞具であ
って、前記留置針の内腔に挿入可能な屈曲形状を有する可撓性
挿入部と、該挿入部の基端に設けられ前記留置針の基端
部への係合手段を備えた係合部を備えてなるオブチュレ
ータ。
【請求項２】挿入部の屈曲形状が予め形成されてなる
請求項１に記載のオブチュレータ。
【請求項３】挿入部の形成材料が、ステンレス、ポリ
カーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩
化ビニルの群から選ばれる一つである請求項１または２
に記載のオブチュレータ。
【請求項４】挿入部が変形可能かつ変形後の形状が維
持される材料で形成されてなり、屈曲形状が留置針外針
への挿入直前に形成される請求項１に記載のオブチュレ
ータ。
【請求項５】挿入部の形成材料が焼鈍されたステンレ
スからなる請求項４に記載のオブチュレータ。
【請求項６】挿入部が人体に挿入されたときに屈曲す
る形状記憶合金からなる請求項１に記載のオブチュレー
タ。
【請求項７】屈曲形状が緩やかなＳ字状である請求項
１〜６のいずれかに記載のオブチュレータ。
【請求項８】請求項１〜７のいずれかに記載のオブチ
ュレータと、金属製の先端の鋭利な内針及び可撓性の外
針を備えてなるホール形成用留置針、を含んでなる留置
針挿入用ホール形成具。
【請求項９】請求項８記載の留置針挿入用ホール形成
具と、該形成具により形成されたホールに挿入され留置
される、鋭利な先端を有しないカヌラを備えた留置針、
とを含んでなる留置針キット。