JP2019068946A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】着用者が痒みを覚えにくい、TRPチャネルを活性化する温感剤を、吸収体と厚さ方向に重複する重複領域と、吸収体と厚さ方向に重複しない非重複領域とに含む吸収性物品を提供すること。【解決手段】吸収性物品1が、一対の側縁領域15,16であって、そのそれぞれが、吸収体7の一対の側縁9,10のそれぞれを含むものを備え、一対の側縁領域15,16のそれぞれにおいて、(i)吸収体7と厚さ方向Tに重複する重複領域11に配置された内側温感領域19,20と、吸収体7と厚さ方向Tに重複しない非重複領域13に配置された外側温感領域21,22とが存在し、(ii)内側温感領域19,20及び外側温感領域21,22の両方が、TRPチャネルを活性化する温感剤と、溶媒とを含む温感溶液を含み、(iii)外側温感領域21,22における温感溶液の坪量が、内側温感領域19,20における温感溶液の坪量よりも少ないことを特徴とする吸収性物品1。【選択図】図3

Description

本開示は、吸収性物品に関する。
着用者に温感を付与することができる吸収性物品が知られている。
例えば、特許文献1には、快適性を向上させることを目的とした、着用者によって知覚される外部条件を作り出す必要なしに着用者に知覚を伝えることのできる剤を含む、吸収性物品、好ましくは衛生使い捨て吸収性物品が記載されている。
また、特許文献1の段落[0040]には、好ましい剤として、加温剤が挙げられ、そして当該加温剤は、物品の着用者の身体面上における温度変化を作り出す必要なしに、温度受容器(すなわち、温熱)を刺激することができることが記載されている。
特表2004−528090号公報
本願発明者は、特許文献1に記載されるような、加温剤を含む吸収性物品において、加温剤を、吸収体と、吸収性物品の厚さ方向に重複する重複領域と、吸収体と、吸収性物品の厚さ方向に重複しない非重複領域との両方に渡って配置すると、鉄粉等の発熱剤を用いた場合と比較して、特に着用初期に、着用者が痒みを覚えやすいことを見出した。
従って、本開示は、着用者が痒みを覚えにくい、TRPチャネルを活性化する温感剤を、吸収体と厚さ方向に重複する重複領域と、吸収体と厚さ方向に重複しない非重複領域とに含む吸収性物品を提供することを目的とする。
本願発明者らは、長手方向、幅方向及び厚さ方向を有し、液透過性シートと、液不透過性シートと、それらの間に配置された、上記長手方向に延びる一対の側縁を有する吸収体とを備える吸収性物品であって、上記吸収性物品が、上記吸収体と上記厚さ方向に重複する重複領域と、上記吸収体と上記厚さ方向に重複しない非重複領域とに区画され、上記吸収性物品が、一対の側縁領域であって、そのそれぞれが上記一対の側縁のそれぞれを含むものを備え、上記一対の側縁領域のそれぞれにおいて、(i)上記重複領域に配置された内側温感領域と、上記非重複領域に配置された外側温感領域とが存在し、(ii)上記内側温感領域及び上記外側温感領域の両方が、TRPチャネルを活性化する温感剤と、溶媒とを含む温感溶液を含み、(iii)上記外側温感領域における上記温感溶液の坪量が、上記内側温感領域における上記温感溶液の坪量よりも少ないことを特徴とする吸収性物品を見出した。
本開示の、TRPチャネルを活性化する温感剤を、吸収体と厚さ方向に重複する重複領域と、吸収体と厚さ方向に重複しない非重複領域とに含む吸収性物品は、着用者が痒みを覚えにくい。
図1は、第1実施形態に従う生理用ナプキン1の平面図である。 図2は、生理用ナプキン1の分解斜視図である。 図3は、生理用ナプキン1の内側温感領域19,20と、外側温感領域21,22と、中央温感領域23とを説明するための図である。 図4は、生理用ナプキン1の着用状態を示す図である。 図5は、第2実施形態に従うショーツ型生理用ナプキン101を説明するための図である。 図6は、第3実施形態に従う使い捨ておむつ201を説明するための図である。
具体的には、本開示は以下の態様に関する。
[態様1]
長手方向、幅方向及び厚さ方向を有し、液透過性シートと、液不透過性シートと、それらの間に配置された、上記長手方向に延びる一対の側縁を有する吸収体とを備える吸収性物品であって、
上記吸収性物品が、上記吸収体と上記厚さ方向に重複する重複領域と、上記吸収体と上記厚さ方向に重複しない非重複領域とに区画され、
上記吸収性物品が、一対の側縁領域であって、そのそれぞれが上記一対の側縁のそれぞれを含むものを備え、
上記一対の側縁領域のそれぞれにおいて、
(i)上記重複領域に配置された内側温感領域と、上記非重複領域に配置された外側温感領域とが存在し、
(ii)上記内側温感領域及び上記外側温感領域の両方が、TRPチャネルを活性化する温感剤と、溶媒とを含む温感溶液を含み、
(iii)上記外側温感領域における上記温感溶液の坪量が、上記内側温感領域における上記温感溶液の坪量よりも少ない、
ことを特徴とする、上記吸収性物品。
着用者に温感を付与する薬剤を含む吸収性物品を、例えば、生理痛を緩和するために着用者(女性)の子宮を温めるため、そして前立腺肥大、前立腺炎、前立腺がん等の予防のために前立腺(男性)を温めるために用いる場合には、薬剤を、吸収体と(吸収性物品の)厚さ方向に重複する重複領域と、吸収体と(吸収性物品の)厚さ方向に重複しない非重複領域との両方に渡って配置することが好ましい。そして上記薬剤は、低温やけど等を防止する観点から、発熱剤ではなく、着用者のTRPチャネルを活性化する温感剤であることが好ましい。
本願発明者は、温感剤を用いて着用者に温感を付与する場合において、着用者の肌の近接する2つの部位において温感剤の温感作用に差異が生じると、着用者が痒みを覚えやすいことを見出した。また、本願発明者は、温感剤の温感作用は、温感剤側の要因のみならず、着用者側の要因、例えば、着用者の肌の水分率によっても異なることを見出した。特に、吸収性物品の吸収体と重複する重複領域では、吸収体が水分を吸収しやすいため、当該重複領域に接する着用者の肌の水分率は高くなりにくく、相対的に着用者が温感を覚えにくい傾向がある。一方、吸収性物品の吸収体と重複しない非重複領域では、吸収体による水分の吸収が少ないため、当該非重複領域と接する着用者の肌の水分率は高くなりやすく、相対的に着用者が温感を覚えやすい傾向がある。
上記吸収性物品では、一対の側縁領域のそれぞれにおいて、着用者に温感を覚えさせにくい重複領域に配置された外側温感領域における温感溶液の坪量が、着用者に温感を覚えさせやすい非重複領域に配置された内側温感領域における温感溶液の坪量よりも少ないので、内側温感領域と、外側温感領域とにおける温感作用に差異を着用者に覚えさせにくく、着用者に痒みを覚えさせにくい。
なお、上記温感剤の温感作用により、温感剤に接していた、着用者の肌の接触部位のTRPチャネルが活性化される結果、交感神経系を介して、接触部位から熱が生じ、着用者の肌の接触部位の温度を上昇させることが期待される。
[態様2]
上記一対の側縁領域のそれぞれにおいて、上記内側温感領域と、上記外側温感領域とが、上記一対の側縁のそれぞれを間に挟んで隣接している、態様1に記載の吸収性物品。
上記吸収性物品では、一対の側縁領域のそれぞれにおいて、内側温感領域と、外側温感領域とが側縁を間に挟んで接しているため、内側温感領域と、外側温感領域とにおける温感作用の差異を着用者に覚えさせにくく、着用者に痒みを覚えさせにくい。
[態様3]
上記一対の側縁領域のそれぞれにおいて、上記内側温感領域と、上記外側温感領域とが、上記液透過性シートに配置されている、態様1又は2に記載の吸収性物品。
上記吸収性物品では、一対の側縁領域のそれぞれにおいて、内側温感領域と、外側温感領域とが、液透過性シートに配置されているので、着用者に、着用初期に温感を覚えさせやすい。また、上記吸収性物品では、内側温感領域が吸収体に配置されていないため、吸収体の吸収性が、温感溶液により阻害されにくい。
[態様4]
上記吸収性物品が、上記一対の側縁領域の間に中央温感領域を備え、上記中央温感領域が、上記温感溶液を含み、上記中央温感領域における上記温感溶液の坪量が、上記一対の側縁領域の上記内側温感領域のそれぞれにおける上記温感溶液の坪量よりも多い、態様1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
吸収性物品の着用時に、吸収体の幅方向の中央部分に、吸収体の幅方向の側縁部分よりも低い圧力(着圧等)が加わる傾向がある。
上記吸収性物品では、着用時に圧力の加わりにくい中央温感領域における温感溶液の坪量が、着用時に圧力の加わりやすい一対の側縁領域の内側温感領域のそれぞれにおける温感溶液の坪量よりも多い。従って、着用者は、吸収体からその側縁領域にかけて温感を覚えることができるとともに、中央温感領域と、内側温感領域と、外側温感領域とにおける温感作用の差を覚えさせにくく、着用者に痒みを覚えさせにくい。
[態様5]
上記中央温感領域が、上記一対の側縁領域のそれぞれの上記内側温感領域と隣接している、態様4に記載の吸収性物品。
上記吸収性物品では、中央温感領域が、一対の側縁領域のそれぞれの内側温感領域と隣接しているため、着用者が、中央温感領域と、内側温感領域とにおける温感作用の差異を覚えにくく、着用者が痒みを覚えにくい。
[態様6]
上記中央温感領域が、上記液透過性シートに配置されている、態様4又は5に記載の吸収性物品。
上記吸収性物品では、中央温感領域が、液透過性シートに配置されているので、着用初期に、着用者に温感を覚えさせることができる。また、上記吸収性物品では、中央温感領域が吸収体に配置されていないため、吸収体の吸収性が、温感溶液により阻害されにくい。
[態様7]
上記温感剤がTRPV1レセプターに対するアゴニストである、態様1〜6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
上記吸収性物品では、温感剤がTRPV1レセプターに対するアゴニストであるため、使用の際に、着用者に、TRPV1レセプターの活性化温度閾値である43℃超の温度を感じさせることができる。その結果、上記吸収性物品では、着用者に、十分な温感を覚えさせることができる。
[態様8]
上記溶媒が、親油性溶媒である、態様1〜7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
本願発明者が確認したところ、温感溶液を構成する溶媒が親油性溶媒である場合には、温感溶液を構成する溶媒が親水性溶媒、例えば、水である場合と比較して、所望の温度を感じるまでの時間(温熱感知時間)が長くなる傾向があり、当該長い温熱感知時間により痒みを覚えやすいことが分かった。
上記吸収性物品は、所定の内側温感領域及び外側温感領域を備えるため、上記温熱感知時間に着用者が痒みを覚えにくい。また、上記溶媒が親油性溶媒であるため、内側温感領域及び外側温感領域の温感溶液が吸収体に移動しにくく、そして着用者に温感を付与すべき温感溶液の温感効率が低下しにくい。
[態様9]
上記吸収性物品が、生理用ナプキン、ショーツ型生理用ナプキン、羽つきパンティーライナー及び使い捨ておむつからなる群から選択される、態様1〜8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
上記吸収性物品は、生理用ナプキン、ショーツ型生理用ナプキン、羽つきパンティーライナー及び使い捨ておむつからなる群から選択されるため、吸収性能を発揮するとともに、痒みを抑えつつ、着用者に温感を付与することができる。
[態様10]
上記吸収性物品が発熱剤を含まない、態様1〜9のいずれか一項に記載の吸収性物品。
上記吸収性物品は、発熱剤を含まないため、吸収性物品を長時間使用する場合であっても、着用者に低温やけどを生じさせにくい。
[定義]
・「内側」及び「外側」
本明細書では、吸収性物品の幅方向における「内側」及び「外側」は、対比される2つの部分が、それぞれ、吸収性物品の長手軸線に近いこと及び遠いことを意味する。
例えば、「内側温感領域」及び「外側温感領域」に関して、「内側温感領域」は、対比すべき「外側温感領域」よりも吸収性物品の長手軸線に近い位置に配置されており、そして「外側温感領域」は、対比すべき「内側温感領域」よりも吸収性物品の長手軸線から遠い位置に配置されている。
・「長さ」及び「幅」
本明細書において、「吸収性物品の長手方向の長さ」を、単に『長さ』と称する場合があり、そして「吸収性物品の幅方向の長さ」を、単に『幅』と称する場合がある。
本開示の吸収性物品について、以下、詳細に説明する。
図1〜図4は、本開示の実施形態の1つ(以下、「第1実施形態」と称する)に従う吸収性物品としての生理用ナプキン1を説明するための図である。なお、以下、「第1実施形態に従う吸収性物品としての生理用ナプキン」を、単に『第1実施形態に従う生理用ナプキン』と称する場合がある。具体的には、図1は、第1実施形態に従う生理用ナプキン1の平面図である。図2は、第1実施形態に従う生理用ナプキン1の分解斜視図である。図3は、生理用ナプキン1の内側温感領域19及び内側温感領域20と、外側温感領域21及び外側温感領域22と、中央温感領域23とを説明するための図である。図4は、生理用ナプキン1の着用状態を示す図である。
第1実施形態に従う生理用ナプキン1は、お互いに直交する長手方向L、幅方向W及び厚さ方向Tを有する。生理用ナプキン1は、着用時に着用者の肌に当接する液透過性シート3と、着用時に着衣17に当接する液不透過性シート5と、液透過性シート3及び液不透過性シート5の間に配置された吸収体7とを備える。吸収体7は、長手方向Lに延びる一対の側縁9及び側縁10を備える。換言すると、一対の側縁9及び側縁10は、吸収体7の、幅方向Wの両端に配置されている。
生理用ナプキン1は、吸収体7と厚さ方向Tに重複する重複領域11と、吸収体7と厚さ方向Tに重複しない非重複領域13とに区画される。また、生理用ナプキン1は、一対の側縁領域15及び側縁領域16であって、そのそれぞれが、一対の側縁9及び側縁10のそれぞれを含み、幅方向Wに延びているものを備える。具体的には、側縁領域15は、側縁9を間に挟んで重複領域11と、非重複領域13に渡って存在しており、そして側縁領域16は、側縁10を間に挟んで重複領域11と、非重複領域13に渡って存在している。
また、液透過性シート3は、重複領域11及び非重複領域13の両方に配置されている。
生理用ナプキン1は、生理用ナプキン1を着用者の着衣17に固定するための粘着部25を備える。粘着部25の一方の面は、液不透過性シート5に固定され、そして他方の面は、剥離性が付与された、包装シート33の内面に仮固定されている。
生理用ナプキン1は、未使用状態では、包装シート33とともに、長手方向Lに延びる、長手方向第1折軸F1及び長手方向第2折軸F2と、幅方向Wに延びる、幅方向第1折軸F3及び幅方向第2折軸F4を基軸として折畳まれ、生理用ナプキン1の個包装体(図示せず)を形成している。なお、長手方向第1折軸F1及び長手方向第2折軸F2は、それぞれ、吸収体7の一対の側縁9,10と、厚さ方向Tに重複する位置に配置されている。また、幅方向第1折軸F3及び幅方向第2折軸F4は、それぞれ、生理用ナプキン1の前方及び後方に配置されている。
生理用ナプキン1の個包装体は、生理用ナプキン1及び包装シート33を、長手方向第1折軸F1及び長手方向第2折軸F2を基軸として、生理用ナプキン1を内側にして幅方向Wに折畳み、次いで、幅方向第1折軸F3及び幅方向第2折軸F4を基軸として、生理用ナプキン1を内側にして長手方向Lに折り畳むことにより形成されている。
また、生理用ナプキン1は、生理用ナプキン1を着衣17に固定するための一対のフラップ部27、シール部29、エンボス部31等を備えるが、当技術分野で公知のものであるため、説明を省略する。
側縁領域15は、側縁9よりも幅方向Wの内側且つ重複領域11に配置された内側温感領域19と、側縁9よりも幅方向Wの外側且つ非重複領域13に配置された外側温感領域21とを有する。内側温感領域19と、外側温感領域21は、長手方向Lにおいて、排泄口当接域(図示せず)に配置されている。
内側温感領域19及び外側温感領域21の両方は、TRPチャネルを活性化する温感剤と、溶媒とを含む温感溶液を含み、外側温感領域21における温感溶液の坪量が、内側温感領域19における温感溶液の坪量よりも少ない。そうすることにより、着用者が、内側温感領域19と、外側温感領域21とにおける温感作用の差異を覚えにくく、着用者が痒みを覚えにくい。
また、側縁領域16は、側縁10よりも幅方向Wの内側且つ重複領域11に配置された内側温感領域20と、側縁10よりも幅方向Wの外側且つ非重複領域13に配置された外側温感領域22とを有する。内側温感領域20と、外側温感領域22は、長手方向Lにおいて、排泄口当接域(図示せず)に配置されている。
内側温感領域20及び外側温感領域22の両方は、TRPチャネルを活性化する温感剤と、溶媒とを含む温感溶液を含み、外側温感領域22における温感溶液の坪量が、内側温感領域20における温感溶液の坪量よりも少ない。そうすることにより、着用者が、内側温感領域20と、外側温感領域22とにおける温感作用の差異を覚えにくく、着用者が痒みを覚えにくい。
また、側縁領域15では、内側温感領域19と、外側温感領域21とが、側縁9を間に挟んで隣接している。そうすることにより、着用者が、内側温感領域19と、外側温感領域21とにおける温感作用の差異を覚えにくく、着用者が痒みを覚えにくい。また、側縁領域16において、内側温感領域20と、外側温感領域22とが、側縁10を間に挟んで隣接している。そうすることにより、着用者が、内側温感領域20と、外側温感領域22とにおける温感作用の差異を覚えにくく、着用者が痒みを覚えにくい。
なお、一対の側縁領域15及び側縁領域16において、内側温感領域19及び内側温感領域20と、外側温感領域21及び外側温感領域22とは、不織布から構成される液透過性シート3に配置されている。そうすることにより、着用者が、着用初期に温感を覚えることができる。
第1実施形態に従う生理用ナプキン1は、側縁領域15及び側縁領域16の間に中央温感領域23を備える。中央温感領域23はまた、TRPチャネルを活性化する温感剤と、溶媒とを含む温感溶液を含み、中央温感領域23における温感溶液の坪量が、側縁領域15の内側温感領域19と、側縁領域16の内側温感領域20とのそれぞれにおける温感溶液の坪量よりも多い。着用時に圧力の加わりにくい中央温感領域23における温感剤の坪量が、着用時に圧力の加わりやすい、側縁領域15の内側温感領域19と、側縁領域16の内側温感領域20とのそれぞれにおける温感溶液の坪量よりも多いと、着用者は、生理用ナプキン1の排泄口当接域(図示せず)及びその周辺部全体において温感を覚えることができる一方で、内側温感領域19及び内側温感領域20のそれぞれと、中央温感領域23とにおける温感作用の差異を覚えにくく、着用者が痒みを覚えにくい。
なお、中央温感領域23は、側縁領域15の内側温感領域19と、側縁領域16の内側温感領域20との両方と隣接している。そうすることにより、着用者が、中央温感領域23と、内側温感領域19及び内側温感領域20との間に温感作用の差異を覚えにくく、着用者が痒みを覚えにくい。
また、中央温感領域23は、不織布から構成される液透過性シート3に配置されている。そうすることにより、着用者が、生理用ナプキン1の着用初期に温感を覚えることができる。
着用者が、生理用ナプキン1を着用すると、中央温感領域23、内側温感領域19及び内側温感領域20、並びに外側温感領域21及び外側温感領域22が、着用者の排泄口に当接し、着用者に痒みを覚えさせにくくしながら、着用者の排泄口に温感を付与することができる。
図5は、本開示の別の実施形態(以下、「第2実施形態」と称する)に従う吸収性物品としてのショーツ型生理用ナプキン101を説明するための図であり、着用状態を示す図である。なお、以下、「第2実施形態に従う吸収性物品としてのショーツ型生理用ナプキン」を、単に『第2実施形態に従うショーツ型生理用ナプキン』と称する場合がある。
第2実施形態に従うショーツ型生理用ナプキン101は、長手方向(図示せず)、幅方向W及び厚さ方向(図示せず)を有し、ショーツ部103と、ショーツ部103の内面に配置された吸収性物品部105とから構成されている。吸収性物品部105は、着用時に着用者の肌に当接する液透過性シート(図示せず)と、ショーツ部103に当接する液不透過性シート(図示せず)と、それらの間に配置された吸収体107とを備える。吸収体107は、ショーツ型生理用ナプキン101の長手方向(図示せず)に延びる一対の側縁109及び側縁110を備える。換言すると、一対の側縁109及び側縁110は、吸収体107の、幅方向Wの両端に配置されている。ショーツ型生理用ナプキン101はまた、吸収体107と、ショーツ型生理用ナプキン101の厚さ方向(図示せず)に重複する重複領域111と、ショーツ型生理用ナプキン101の厚さ方向(図示せず)に重複しない非重複領域113とに区画される。
ショーツ型生理用ナプキン101は、一対の側縁領域115及び側縁領域116であって、そのそれぞれが、一つの側縁109及び側縁110を含むものを備える。ショーツ型生理用ナプキン101では、一対の側縁領域115及び側縁領域116は、それぞれ、吸収体107の一対の側縁109及び側縁110よりも幅方向Wの内側且つ重複領域111に配置された内側温感領域117及び内側温感領域118と、一対の側縁109及び側縁110よりも幅方向Wの外側且つ非重複領域113に配置された外側温感領域119及び外側温感領域120とを備える。
内側温感領域117及び内側温感領域118と、外側温感領域119及び外側温感領域120とは、不織布から構成される液透過性シート(図示せず)に配置されている。また、内側温感領域117及び内側温感領域118と、外側温感領域119及び外側温感領域120とは、TRPチャネルを活性化する温感剤と、溶媒とを含む温感溶液を含み、外側温感領域119における温感溶液の坪量が、内側温感領域117における温感溶液の坪量よりも少なく、そして外側温感領域120における温感溶液の坪量が、内側温感領域118における温感溶液の坪量よりも少ない。なお、内側温感領域117及び内側温感領域118、並びに外側温感領域119及び外側温感領域120は、第1実施形態に従う生理用ナプキン1のものと同様に配置されている。
なお、第2実施形態に従うショーツ型生理用ナプキン101は、中央温感領域を有しない。
従って、着用者は、ショーツ型生理用ナプキン101を着用後、内側温感領域117及び内側温感領域118と、外側温感領域119及び外側温感領域120との間に温感作用の差を覚えにくく、痒みを覚えにくい。
図6は、本開示のさらに別の実施形態(以下、「第3実施形態」と称する)に従う吸収性物品としての、大人用の使い捨ておむつ201を説明するための図であり、着用状態を示す図である。なお、以下、「第3実施形態に従う吸収性物品としての使い捨ておむつ」を、単に『第3実施形態に従う使い捨ておむつ』と称する場合がある。
第3実施形態に従う使い捨ておむつ201は、長手方向(図示せず)、幅方向W及び厚さ方向(図示せず)を有し、着用者の肌に当接する液透過性シート203と、液不透過性シート205と、液透過性シート203及び液不透過性シート205の間に配置された吸収体207とを備える。吸収体207は、使い捨ておむつ201の長手方向(図示せず)に延びる一対の側縁209及び側縁210を備える。換言すると、一対の側縁209及び側縁210は、吸収体207の、幅方向Wの両端に配置されている。使い捨ておむつ201はまた、吸収体207と、使い捨ておむつ201の厚さ方向(図示せず)に重複する重複領域211と、使い捨ておむつ201の厚さ方向(図示せず)に重複しない非重複領域213とに区画される。
使い捨ておむつ201は、一対の側縁領域215及び側縁領域216であって、そのそれぞれが、一つの側縁209及び側縁210を含むものを備える。使い捨ておむつ201では、一対の側縁領域215及び側縁領域216は、それぞれ、吸収体207の一対の側縁209及び側縁210よりも幅方向Wの内側且つ重複領域211に配置された内側温感領域217及び内側温感領域218と、一対の側縁209及び側縁210よりも幅方向Wの外側且つ非重複領域213に配置された外側温感領域219及び外側温感領域220とを備える。
また、内側温感領域217及び内側温感領域218と、外側温感領域219及び外側温感領域220とは、不織布から構成される液透過性シート203に配置されている。また、内側温感領域217及び内側温感領域218と、外側温感領域219及び外側温感領域220とは、TRPチャネルを活性化する温感剤と、溶媒とを含む温感溶液を含み、外側温感領域219における温感溶液の坪量が、内側温感領域217における温感溶液の坪量よりも少なく、そして外側温感領域220における温感溶液の坪量が、内側温感領域218における温感溶液の坪量よりも少ない。そうすることにより、着用者に痒みを覚えさせにくくしながら、着用者の下腹部に温感を付与することができる。
使い捨ておむつ201の長手方向(図示せず)において、内側温感領域217及び内側温感領域218、外側温感領域219及び外側温感領域220、並びに中央温感領域231は、使い捨ておむつ201の長手方向中央部(図示せず)より前方、前身頃に配置されている。
従って、着用者は、使い捨ておむつ201を着用することにより、下腹部に温感を覚えることができ、男性であれば、例えば、前立腺、女性であれば、例えば、子宮を温めることができる。
なお、使い捨ておむつ201の着用者が女性の場合には、(i)生理痛の要因とされるプロスタグランジンを排出させ、子宮筋等の筋肉を弛緩させ、生理痛を緩和すること、(ii)血行を促進し、リンパ液の流れを促進し、老廃物を排出させ、冷え性を改善し、脂肪を燃焼させること、(iii)免疫力を向上させること等が期待される。
使い捨ておむつ201の着用者が男性の場合には、(i)プロスタグランジンを排出させ、筋肉を弛緩させ、痛みを緩和すること、(ii)血行を促進し、リンパ液の流れを促進し、老廃物を排出させ、冷え性を改善し、脂肪を燃焼させること、(iii)免疫力を向上させること等が期待される。
本開示の吸収性物品では、一対の側縁領域のそれぞれは、吸収体の、吸収性物品の長手方向に延びる一対の側縁のそれぞれを含むものであれば、その幅は、特に制限されない。一対の側縁領域のそれぞれは、吸収性物品の幅方向において、一対の側縁のそれぞれを中心として、吸収体の幅の、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上、そしてさらに好ましくは20%以上の幅を有する。そうすることにより、着用者が、吸収体の一対の側縁領域において痒みを覚えにくくなる。
一対の側縁領域のそれぞれは、吸収性物品の幅方向において、一対の側縁のそれぞれを中心として、吸収体の幅の、好ましくは60%以下、より好ましくは50%以下、そしてさらに好ましくは40%以下の幅を有する。吸収体の吸収性を阻害しない観点、並びに吸収性物品の設計上の制約上の観点、具体的には、吸収性物品の幅方向において、吸収体の一対の側縁のそれぞれを、吸収性物品の、長手方向に延びる一対の側縁のそれぞれから過度に離間させるような設計としない観点からである。
本開示の吸収性物品では、内側温感領域と、外側温感領域とは、それぞれ、一対の側縁領域のそれぞれに配置されており、そして内側温感領域が、一対の側縁のそれぞれの内側(重複領域)に配置されており、そして外側温感領域が、一対の側縁のそれぞれの外側(非重複領域)に配置されているものであれば、特に制限されず、任意の位置に配置されうる。
一対の側縁領域のそれぞれにおいて、そして吸収性物品の幅方向において、内側温感領域及び外側温感領域は、離間していてもよいが、一対の側縁のそれぞれを間に挟んで隣接していることが好ましい。着用者が、内側温感領域と、外側温感領域とにおける温感作用の差異を覚えにくく、着用者が痒みを覚えにくくなるからである。
本開示の吸収性物品では、一対の側縁領域のそれぞれにおける内側温感領域及び外側温感領域は、着用者の温感を付与すべき部位に合わせて、吸収性物品の長手方向の任意の位置に配置されうる。例えば、本開示の吸収性物品では、一対の側縁領域のそれぞれにおける内側温感領域及び外側温感領域は、吸収体の長手方向に延びる一対の側縁のそれぞれの全域に渡って配置されていてもよく、そして一部において配置されていてもよい。
また、着用者の子宮に温感を付与すべき場合には、一対の側縁領域のそれぞれにおける内側温感領域及び外側温感領域は、例えば、排泄口当接域(例えば、吸収性物品が、生理用ナプキン、ショーツ型生理用ナプキン、羽つきパンティーライナー、使い捨ておむつ等の場合)、前身頃(例えば、吸収性物品が、使い捨ておむつ等の場合)に配置されうる。
また、着用者の前立腺に温感を付与する場合には、一対の側縁領域のそれぞれにおける内側温感領域及び外側温感領域は、例えば、前身頃(例えば、吸収性物品が、使い捨ておむつの場合)に配置されうる。
本開示の吸収性物品では、一対の側縁領域のそれぞれにおける内側温感領域及び外側温感領域は、両方とも、TRPチャネルを活性化する温感剤と、溶媒とを含む温感溶液を含む。内側温感領域は、主に、着用者に温感を付与する領域であり、そして外側温感領域は、主に、着用者の痒みを防止するための領域である。
一対の側縁領域のそれぞれでは、外側温感領域における温感溶液の坪量が、内側温感領域における温感溶液の坪量よりも少なく、そして外側温感領域における温感溶液の坪量は、内側温感領域における温感溶液の坪量に対して、好ましくは5〜90質量%、より好ましくは10〜70質量%、そしてさらに好ましくは20〜50質量%の範囲にある。そうすることにより、着用者が、内側温感領域と、外側温感領域とにおける温感作用の差異を覚えにくくなり、そして着用者が痒みを覚えにくくなる。
本開示の吸収性物品では、一対の側縁領域のそれぞれにおける内側温感領域は、温感溶液を、温感剤の坪量が、好ましくは0.001〜10g/m2、より好ましくは0.003〜5g/m2、さらに好ましくは0.01〜2.5g/m2、そしてさらにいっそう好ましくは0.05〜1.5g/m2となるような坪量で含む。着用者に温感を付与する観点からである。
本明細書では、内側温感領域、外側温感領域、所望による中央温感領域における温感溶液の坪量は、以下の通り測定される。
(1)複数枚の吸収性物品を準備し、液体窒素にて、各吸収性物品中の温感溶液を固化させる。
(2)温感溶液を固化させた吸収性物品から、カッター等を用いて、内側温感領域、外側温感領域、所望による中央温感領域等の各領域のサンプルを、平面方向の所定面積:S1(m2)を有するようにカッター等を用いて切り出す。
なお、各サンプルは、吸収体、液不透過性シートを含むように切り出してもよい。
(3)各サンプルの質量:m1(g)を測定する。
(4)各サンプルを、温感溶液の極性に合わせた洗浄溶媒(例えば、温感溶液の溶媒が親油性溶媒である場合にはトルエン、温感溶液の溶媒が親水性溶媒である場合にはエタノール等)で洗浄する。
(5)洗浄後の各サンプルを、70℃で1時間乾燥し、乾燥後の質量:m2(g)を測定する。
(6)各サンプルの温感溶液の坪量:bs(g/m2)を、次の式:
bs(g/m2)=(m2−m1)/S1
から算出する。
(7)異なる吸収性物品を用いて、各サンプルの温感溶液の坪量を、計10回測定し、それらの平均値を、各領域の温感溶液の坪量として採用する。
なお、内側温感領域、外側温感領域、所望による中央温感領域における温感溶液の坪量の高低であれば、光学顕微鏡等を用いて、目視で評価することができる。
本開示の吸収性物品では、一対の側縁領域のそれぞれにおける内側温感領域及び外側温感領域は、吸収性物品の厚さ方向において、任意の層に配置されうる。例えば、内側温感領域は、液透過性シート、吸収体、後述の中間シート等に配置されることができ、そして外側温感領域は、液透過性シート、サイドシート、後述の中間シート等に配置されうる。
着用者に迅速に温感を付与する観点からは、一対の側縁領域のそれぞれにおける内側温感領域及び外側温感領域は、着用者に当接する層、具体的には、液透過性シート、サイドシート等に配置されることが好ましい。なお、温感溶液は、吸収性物品に加わる圧力、振動等により若干移動する場合があり、内側温感領域及び/又は外側温感領域は、単一の層に配置(例えば、塗工)した場合であっても、複数の層に渡って存在しうる。
本開示の吸収性物品は、一対の側縁領域の間に、中央温感領域を備えていてもよい。着用者の、吸収体と接する部位に温感を付与する観点からである。上記中央温感領域は、温感剤と、溶媒とを含む温感溶液を含む。なお、温感溶液、温感剤及び溶媒については、内側温感領域及び外側温感領域において説明したとおりである。
本開示の吸収性物品が中央温感領域を備える場合には、上記中央温感領域は、吸収性物品の長手方向において、一対の側縁領域のそれぞれの内側温感領域の間に配置されていれば、温感作用を考慮して、内側温感領域と比較して、吸収性物品の長手方向に長く配置されていてもよく、そして吸収性を考慮して、内側温感領域と比較して、吸収性物品の長手方向に短く配置されていてもよい。
また、本開示の吸収性物品が中央温感領域を備える場合には、上記中央温感領域は、吸収性物品の幅方向において、一対の側縁領域のそれぞれの内側温感領域と離間していてもよく、そして隣接していてもよいが、隣接していることが好ましい。そうすることにより、内側温感領域と、中央温感領域とにおける温感作用の差異を着用者に覚えさせにくくなり、着用者に痒みを覚えさせにくくなる。
上記中央温感領域は、吸収性物品の厚さ方向において、任意の層に配置されうる。例えば、中央温感領域は、液透過性シート、吸収体、後述の中間シート等に配置されることができる。
着用者に迅速に温感を付与する観点からは、中央温感領域は、着用者に当接する層、具体的には、液透過性シートに配置されることが好ましい。なお、温感溶液は、吸収性物品に加わる圧力、振動等により若干移動する場合があり、中央温感領域は、単一の層に配置(例えば、塗工)した場合であっても、複数の層に渡って存在しうる。
上記中央温感領域における温感溶液の坪量は、原則として、任意であり、一対の側縁領域の内側温感領域のそれぞれにおける温感溶液の坪量より少なくとも、等しくとも、そして多くともよい。
上記中央温感領域における温感溶液の坪量は、一対の側縁領域の内側温感領域のそれぞれにおける温感溶液の坪量よりも多いことが好ましく、そして中央温感領域の温感溶液の坪量は、一対の側縁領域の内側温感領域のそれぞれにおける温感溶液の坪量に対して、好ましくは105〜500質量%、より好ましくは110〜200質量%、そしてさらに好ましくは120〜150質量%の範囲にある。そうすることにより、中央温感領域と接する着用者の肌の部位に温感を覚えさせることができるとともに、着用者に、中央温感領域と、内側温感領域とにおける温感作用の差異を覚えさせにくく、着用者に痒みを覚えさせにくくなる。
本開示の吸収性物品では、温感溶液は、TRPチャネルを活性化する温感剤と、溶媒とを含む。
上記温感剤としては、TRPチャネルを活性化するものであれば、特に制限されず、例えば、TRPV1レセプターに対するアゴニスト、TRPV3レセプターに対するアゴニスト等が挙げられ、TRPV1に対するアゴニストであることが好ましい。TRPV1レセプターは、活性化温度閾値が43℃超と高く、着用者に高い温感を付与することができるからである。
上記温感剤は、着用者の安心感の観点から、植物由来の化合物であることが好ましい。上記温感剤としては、例えば、カプシコシド、カプサイシン、カプサイシノイド類(ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ノニバミド等)、カプサンチン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸β−ブトキシエチル、N−アシルワニルアミド、ノナン酸バニリルアミド、多価アルコール、唐辛子末、唐辛子チンキ、唐辛子エキス、ノナン酸バニリルエーテル、バニリルアルコールアルキルエーテル誘導体(例えば、バニリルエチルエーテル、バニリルブチルエーテル、バニリルペンチルエーテル、バニリルヘキシルエーテル)、イソバニリルアルコールアルキルエーテル、エチルバニリルアルコールアルキルエーテル、ベラトリアルアルコール誘導体、置換ベンジルアルコール誘導体、置換ベンジルアルコールアルキルエーテル、バニリンプロピレングリコールアセタール、エチルバニリンプロピレングリコールアセタール、ショウガエキス、ジンジャーオイル、ジンゲロール、ジンゲロン、ヘスペリジン、及びピロリドンカルボン酸、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
上記温感剤は、着用者が痛さ、痒さ等を感じにくい観点から、カプサイシンではないことが好ましく、そしてバニリルアルコールアルキルエーテル誘導体(例えば、バニリルエチルエーテル、バニリルブチルエーテル、バニリルペンチルエーテル、バニリルヘキシルエーテルショウガエキス、ジンジャーオイル、ジンゲロール、及びジンゲロン、並びにそれらの任意の組み合わせがより好ましい。
上記溶媒は、上記温感剤を含むことができるものであれば、特に限定されず、例えば、親油性溶媒及び親水性溶媒が挙げられる。上記溶媒は、上記温感剤を、例えば、溶解、分散等することができる。
上記親油性溶媒としては、油脂、例えば、天然油(例えば、トリグリセリド等の脂肪酸エステル、ヤシ油、アマニ油等)、炭化水素(例えば、パラフィン、例えば、流動パラフィン)等が挙げられる。
上記親水性溶媒は、水及びアルコールが挙げられる。上記アルコールとしては、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等の低級アルコール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール等の高級アルコール等が挙げられる。
上記溶媒は、揮発性を制御しやすい、特に揮発性を下げやすい観点からは、油脂(親油性溶媒)又はアルコール(親水性溶媒)であることが好ましい。また、吸収性物品の吸収性を阻害しにくい観点から、上記溶媒は親油性溶媒であることが好ましい。
上記温感溶液は、上記温感剤を、好ましくは0.0001〜5.0質量%、より好ましくは0.0005〜3.0質量%、さらに好ましくは0.1〜1.0質量%、そしてさらにいっそう好ましくは0.3〜0.7質量%含む。温感作用の観点からである。
本開示の吸収性物品では、上記温感溶液は、上述の温感剤及び溶媒以外に、着用者に温感を付与する効果を阻害しない範囲で、下記に示されるような、少なくとも1種の他の成分とを含むことができる。
上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、冷感剤が挙げられる。上記冷感剤としては、例えば、TRPチャネルを活性化するものが挙げられ、上記冷感剤としては、例えば、TRPM8レセプターに対するアゴニスト、TRPA1レセプターに対するアゴニスト等が挙げられ、TRPM8レセプターに対するアゴニストであることが好ましい。
上記冷感剤としては、例えば、メントール(例えば、l−メントール)及びその誘導体(例えば、乳酸メンチル、メンチルグリセリルエーテル、例えば、l−メンチルグリセリルエーテル)、サリチル酸メチル、カンファー、植物(例えば、ミント、ユーカリ)由来の精油等が挙げられる。
本願発明者は、温感溶液が、TRPチャネルを活性化する温感剤に加え、TRPチャネルを活性化する冷感剤をさらに含む場合には、着用者が、上述の温熱感知時間に、温感溶液と接触している部位及びその周辺部に痒みを覚えにくいことを見出した。
本開示の吸収性物品において、温感溶液が冷感剤をさらに含む場合には、温感溶液は、冷感剤を、好ましくは0.0001〜5.0質量%、より好ましくは0.0005〜3.0質量%、さらに好ましくは0.1〜1.0質量%、そしてさらにいっそう好ましくは0.3〜0.7質量%含む。着用者が温熱感知時間に痒みを覚えにくく且つ過度の冷感を覚えにくい観点からである。
本開示の吸収性物品において、温感溶液が冷感剤をさらに含む場合には、上記温感溶液は、上記温感剤及び冷感剤を、好ましくは20:1〜1:10、より好ましくは10:1〜1:5、そしてさらに好ましくは2:1〜1:1の質量比で含む。着用者が、温熱感知時間に痒みを感じにくいとともに、冷感を覚えにくく且つ温感を覚えやすい観点からである。
上記少なくとも1種の他の成分としては、冷却剤、例えば、気化熱により周囲の温度を下げる冷却剤が挙げられ、当該冷却剤として、例えば、アルコール、例えば、メタノール及びエタノールが挙げられる。
上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、シリコーンオイル、シリコーン、シリコーン系レジン等が挙げられる。
上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、酸化防止剤、例えば、BHT(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール)、BHA(ブチル化ヒドロキシアニソール)、没食子酸プロピル等が挙げられる。
上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、ビタミン、例えば、天然ビタミン又は合成ビタミンが挙げられる。上記ビタミンとしては、例えば、水溶性ビタミン、例えば、ビタミンB群、例えば、ビタミンB1,ビタミンB2,ビタミンB3,ビタミンB5,ビタミンB6,ビタミンB7,ビタミンB9,ビタミンB12等、ビタミンCが挙げられる。
上記ビタミンとしては、例えば、脂溶性ビタミン、例えば、ビタミンA群、ビタミンD群、ビタミンE群、およびビタミンK群等が挙げられる。
上記ビタミンにはまた、それらの誘導体も含まれる。
上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、アミノ酸、例えば、アラニン、アルギニン、リジン、ヒスチジン、プロリン、ヒドロキシプロリン等、並びにペプチドが挙げられる。
上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、ゼオライト、例えば、天然ゼオライト、例えば、方沸石、菱沸石、輝沸石、ナトロライト、束沸石、及びソモソナイト、並びに、合成ゼオライトが挙げられる。
上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、コレステロール、ヒアルロン酸、レシチン、セラミド、プラセンタ、コラーゲン、エラスチン、スクワラン、ワセリン、トレハロース等が挙げられる。
また、上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、薬剤、例えば、皮膚収斂剤、抗ニキビ剤、抗シワ剤、抗セルライト剤、美白剤、抗菌剤、抗カビ剤等が挙げられる。
上記皮膚収斂剤としては、例えば、酸化亜鉛、硫酸アルミニウム、タンニン酸等、油溶性皮膚収斂剤、例えば(内側温感領域、外側温感領域、所望による中央温感領域)、油溶性ポリフェノールが挙げられる。上記油溶性ポリフェノールとしては、天然の油溶性ポリフェノール、例えば、オオバクエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、カモミラエキス、ゴボウエキス、サルビアエキス、シナノキエキス、セイヨウボダイジュエキス、シラカバエキス、スギナエキス、セージエキス、サルビアエキス、テウチグルミエキス、ハイビスカスエキス、ビワ葉エキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マロニエエキス、ヨクイニンエキス等が挙げられる。
上記抗ニキビ剤としては、例えば、サリチル酸、過酸化ベンゾイル、レゾルシノール、イオウ、エリスロマイシン、亜鉛等が挙げられる。
上記抗シワ剤としては、例えば、乳酸、サリチル酸、サリチル酸誘導体、グリコール酸、フィチン酸、リポ酸、リソフォスファチド酸が挙げられる。
上記抗セルライト剤としては、例えば、キサンチン化合物、例えば、アミノフィリン、カフェイン、テオフィリン、テオブロミン等が挙げられる。
上記美白剤としては、例えば、ナイアシンアミド、コウジ酸、アルブチン、グルコサミン及び誘導体、フィトステロール誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、並びにクワ抽出物及び胎盤抽出物が挙げられる。
また、上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤、香料、色素、染料、顔料、植物抽出エキス等が挙げられる。上記抗炎症成分としては、例えば、天然由来の抗炎症剤、例えば、ボタン、オオゴン、オトギリソウ、カモミール、甘草、モモノハ、ヨモギ、シソエキス等、合成抗炎症剤、例えば、アラントイン、グリチルリチン酸ジカリウム等が挙げられる。
上記pH調整剤としては、肌を弱酸性に保つためのもの、例えば、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、乳酸等が挙げられる。
上記顔料としては、例えば、酸化チタンが挙げられる。
本開示の吸収性物品、特に、上記温感溶液は、発熱剤を含まないことが好ましい。そうすることにより、着用者が、低温やけどを起こしにくくなる。また、吸収性物品自体が発熱しないため、吸収性物品を着衣、肌当に固定するための粘着部が軟化しにくく、吸収性物品の使用を終え、吸収性物品を着衣、着用者の肌等から取り外す際に、吸収性物品の粘着部が、着衣、肌等に残りにくい。
上記発熱剤としては、発熱剤自体が発熱するものであれば、特に制限されず、例えば、金属粉(例えば、鉄粉)の酸化熱、酸及びアルカリの中和熱、無機塩の水和熱等の化学エネルギーを利用するものが挙げられる。
本開示の吸収性物品において、液透過性シートは、液透過性を有するものであれば特に制限されず、例えば、布帛(例えば、不織布、織布、編物)、開孔フィルム等から構成される。上記布帛は、吸収性物品の製法のしやすさの観点から不織布であることが好ましい。
上記不織布としては、例えば、エアレイドパルプ、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布、メルトブローン不織布、及びこれらの組み合わせ(例えば、SMS等)等が挙げられる。
上記布帛を構成する繊維としては、例えば、天然繊維、合成繊維、及び半合成繊維が挙げられる。上記天然繊維としては、パルプ繊維及び再生セルロース繊維が挙げられる。
上記再生セルロース繊維としては、レーヨン繊維、例えば、ビスコースから得られるビスコースレーヨン、ポリノジック及びモダール、セルロースの銅アンモニア塩溶液から得られる銅アンモニアレーヨン繊維(「キュプラ」とも称される);有機化合物及び水の混合溶液である有機溶剤を用いた有機溶剤紡糸法によって得られ、セルロース誘導体を経ないリヨセル及びテンセル等が挙げられる。
上記半合成繊維としては、半合成セルロース繊維、例えば、アセテート繊維、例えば、トリアセテート繊維及びジアセテート繊維が挙げられる。
上記合成繊維としては、例えば、熱融着性繊維、例えば、ポリオレフィン系ポリマー、例えば、ポリエチレン若しくはポリプロピレン;ポリエステル系ポリマー、例えば、テレフタレート系ポリマー、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリブチレンテレフタレート,ポリペンチレンテレフタレート;ポリアミド系ポリマー、例えば、ナイロン6若しくはナイロン6,6;アクリル系ポリマー;ポリアクリロニトリル系ポリマー;又はそれらの変性物、あるいはそれらの組み合わせ等から形成された繊維が挙げられる。
上記開孔フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンのシートに、複数の開孔部を設けたものが挙げられる。
本開示の吸収性物品にオンデマンド性を付与する場合には、液透過性シートは、親水性又は親油性を有することができる。親水性を有する液透過性シートは、液透過性シートを構成する素材を、当技術分野で公知の親水化剤で処理する(例えば、親水化剤を塗工する、親水化剤を練り込む)ことにより形成されうる。上記親水化剤としては、例えば、アルキルホスフェートエステル塩、アルキルホスフェート金属塩等が挙げられる。また、上記親水化剤としては、例えば、炭素数が10〜30のアルキルホスフェートエステル塩と、炭素数が10〜30のベタイン化合物、硫酸エステル塩又はスルホネート塩との混合物、アルキルホスフェートエステル塩とポリエーテル変性シリコーンとの混合物等が挙げられる。液透過性シート及び中間シート間の極性(親油性度及び親水性度)を調整することにより、吸収性物品がオンデマンド性を有することができる。
本願発明者は、温感剤を含む吸収性物品では、温熱感知時間が、発熱剤(例えば、鉄粉)を含む発熱物品と比較して長くなる傾向にあり、当該温熱感知時間の間に、着用者が痒みを覚えやすいことに加え、温感剤を含む吸収性物品では、発熱剤(例えば、鉄粉)を含む発熱物品と比較して、着用者の肌の状態(例えば、着用者の肌の乾燥度等)によって、温感の覚え方に差があることを見出した。例えば、着用者の肌が水分で湿潤している場合には、着用者の肌が乾燥している場合と比較して、着用者の肌の主に角質層が膨潤した状態を保持しやすく、温感溶液が、主に角化細胞(ケラチノサイト)に存在するTRPチャネルに到達しやすくなるため、温感を覚えやすい(温熱感知時間が短い)。
従って、本開示の吸収性物品にオンデマンド性を付与することにより、着用者が吸収性物品の温感領域(内側温感領域、外側温感領域、所望による中央温感領域)と重複する部分を、吸収性物品の厚さ方向に押し込むことにより、上記温感領域から温感溶液が放出され、液透過性シートを通過した温感溶液が、着用者の肌に到達し、押し込む前よりも、着用者により温感を付与することができ、着用者が温感を調整することができるようになる。また、着用者が吸収性物品の外側温感領域と重複する部分を、吸収性物品の厚さ方向に押し込むことにより、痒みを調整することも可能となる。
親油性を有する液透過性シートとしては、液透過性シートを構成する素材を、当技術分野で公知の親油化剤で処理する(例えば、親油化剤を塗工する、親油化剤を練り込む)ことにより形成されうる。上記親油化剤としては、脂肪酸エステル(例えば、トリグリセリド)、炭化水素(例えば、直鎖状炭化水素)が挙げられる。
本開示の吸収性物品の液透過性シートが布帛である場合に、本開示の吸収性物品にオンデマンド性を付与するときには、上記液透過性シートは、好ましくは0.005〜0.060g/cm3、より好ましくは0.010〜0.050g/cm3、そしてさらに好ましくは0.020〜0.040g/cm3の繊維密度を有する。液透過性シート及び中間シート間の繊維密度を調整することにより、吸収性物品がオンデマンド性を有することができる。
上記繊維密度の測定方法は、後述する。
本開示の吸収性物品の液透過性シートが布帛である場合に、本開示の吸収性物品にオンデマンド性を付与するときには、液透過性シートは、30g/cm2の荷重時の厚さが、3g/cm2荷重時の厚さの、好ましくは70%以下、より好ましくは60%以下、そしてさらに好ましくは50%以下である。そうすることにより、着用者が吸収性物品をその厚さ方向に押し込んだ際に、液透過性シートが潰れやすくなり、液透過性シートが保持する温感溶液を、着用者の肌に接触させやすくなり、ひいては吸収性物品のオンデマンド性が向上する。
本開示の吸収性物品の液透過性シートが布帛である場合に、本開示の吸収性物品にオンデマンド性を付与するときには、液透過性シートは、10g/cm2の荷重時の厚さが、3g/cm2荷重時の厚さの、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、そしてさらに好ましくは90%以上である。そうすることにより、着衣等の着圧では液透過性シートが潰れにくくなり、着圧により、液透過性シートが保持する温感溶液を着用者の肌に接触させにくくなり、ひいては吸収性物品のオンデマンド性が向上しやすくなる。
本明細書では、30g/cm2、10g/cm2及び3g/cm2荷重時の厚さは、以下の通り測定される。
(1)温度:20±5℃及び湿度:65±5%RHの恒温恒湿室に、株式会社大栄科学精器製作所製 FS−60DSを準備し、同恒温恒湿室に、液透過性シート (以下、「サンプル」と称する)を24時間静置する。
(2)サンプルの厚さを、場所を変えて10点測定し、それらの平均値を、サンプルの厚さとして採用する。
荷重は、測定子を変更することにより調整する。荷重:3g/cm2の条件では、直径:44mmの測定子を用い、荷重:10g/cm2の条件では、直径:25mmの測定子を用い、そして荷重:30g/cm2の条件では、直径:14mmの測定子を用いる。
上記液透過性シートは、好ましくは10〜100g/m2、そしてより好ましくは20〜50g/m2の坪量を有する。
本開示の吸収性物品において、液透過性シートは、発熱性素材、断熱性素材及び吸湿性素材、並びにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される素材(以下、単に「機能性素材」と称する場合がある)を含むことができる。
液透過性シートが、上述の所定の機能性素材を含むと、着用者の蒸散、汗等による水分により、着用者の肌の主に角質層が水分で膨潤しやすくなり、温感溶液が、角化細胞(ケラチノサイト)に主に存在するTRPチャネルに到達しやすくなる。その結果、温熱感知時間が短くなり、着用者が、温熱感知時間に痒みを覚えにくくなる。
上記発熱性素材としては、(i)吸湿発熱性素材(吸湿発熱性繊維、吸湿発熱性シート等)、(ii)蓄熱素材(蓄熱繊維、蓄熱シート等)、(iii)遠赤外線放射素材(遠赤外線放射繊維、遠赤外線放射シート等)が挙げられる。
上記吸湿発熱性素材としては、例えばアクリレート系素材、羊毛等が挙げられる。上記蓄熱素材としては、例えば、太陽光を吸収し、熱エネルギーに変換する物質(炭化ジルコニウム等)を含む素材、カーボン素材等が挙げられる。上記遠赤外線放射素材としては、例えば、加熱されると、遠赤外線を放射するセラミックスを含む素材が挙げられる。
上記断熱性素材としては、中空繊維、羽毛等が挙げられる。
上記吸湿性素材としては、上述の天然繊維、半合成繊維等が挙げられる。
具体的には、本開示の吸収性物品において、液透過性シートが吸湿発熱性素材、例えば、吸湿発熱性繊維を含む場合には、着用者の肌からの蒸散、汗等の水分が提供されると、吸湿発熱性繊維が発熱し、着用者が汗をかきやすくなる。次いで、着用者の汗の水分により、着用者の肌の主に角質層が水分で膨潤し、温感溶液が、角化細胞(ケラチノサイト)に主に存在するTRPチャネルに到達しやすくなる。その結果、温熱感知時間が短くなり、着用者が、温熱感知時間に痒みを覚えにくくなる。
また、液透過性シートが、蓄熱素材又は遠赤外線放射素材を含む場合にも、着用者が汗をかきやすくなり、着用者の汗の水分により、着用者の肌の主に角質層が水分で膨潤し、温感溶液が、角化細胞(ケラチノサイト)に主に存在するTRPチャネルに到達しやすくなる。その結果、温熱感知時間が短くなり、着用者が、温熱感知時間に痒みを覚えにくくなる。
本開示の吸収性物品において、液透過性シートが断熱性素材を含む場合には、着用者が汗をかきやすくなり、着用者の汗の水分により、着用者の肌の主に角質層が水分で膨潤し、温感溶液が、角化細胞(ケラチノサイト)に主に存在するTRPチャネルに到達しやすくなる。その結果、温熱感知時間が短くなり、着用者が、温熱感知時間に痒みを覚えにくくなる。
本開示の吸収性物品において、液透過性シートが吸湿性素材を含む場合には、吸湿性素材が、着用者の蒸散、汗等の水分を保持し、着用者の肌の主に角質層を水分で膨潤させやすくなり、温感溶液が、主に角化細胞(ケラチノサイト)に主に存在するTRPチャネルに到達しやすくなる。その結果、温熱感知時間が短くなり、着用者が、温熱感知時間に痒みを覚えにくくなる。
本開示の吸収性物品において、液不透過性シートの素材としては、液不透過性を有するものであれば特に制限されず、例えば、フィルム、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等から構成される透湿性フィルム、非透湿性フィルム、スパンボンド又はスパンレース等の不織布に透湿性フィルムを接合したもの、SMS等の複層不織布等が挙げられる。
上記液不透過性シートは、好ましくは10〜50g/m2、そしてより好ましくは15〜30g/m2の坪量を有する。
本開示の吸収性物品では、液不透過性シートが非透湿性フィルムから構成されることが好ましい。そうすることにより、温感領域(内側温感領域、外側温感領域、所望による中央温感領域)及び温感領域に接する着用者の肌に存在する水分、水蒸気等が、液不透過性シートを透過して吸収性物品の外に排出されにくくなり、着用者の肌の主に角質層が水分で膨潤した状態を保持しやすく、温感溶液が、角化細胞(ケラチノサイト)に主に存在するTRPチャネルに到達しやすくなる。その結果、温熱感知時間が短くなり、着用者が、温熱感知時間に痒みを覚えにくくなる。
本開示の吸収性物品は、液透過性シートと液不透過性シートとの間に、追加の部材、例えば、中間シートを含むことができる。
上記中間シートの素材としては、液透過性シートの素材として列挙されるものが挙げられる。
上記中間シートは、温感溶液を含むことができ、そして温感溶液を含まなくともよい。上記中間シートが温感溶液を含む場合であって、温感溶液の溶媒が親油性溶媒であるときには、上記中間シートは、合成繊維から形成された布帛、例えば、不織布、織布、編物等であることができ、例えば、合成繊維から形成された不織布であることができる。また、上記中間シートが温感溶液を含む場合であって、温感溶液の溶媒が親水性溶媒であるときには、上記中間シートは、セルロース系繊維から構成される布帛、例えば、不織布、織布、編物等であることができ、例えば、パルプ繊維から構成されるティッシュ、エアレイドパルプ等であることができる。
本開示の吸収性物品が、以下の構成[(i)中間シートをさらに備える、そして(ii)中間シートが温感溶液を含む]を備える場合に、吸収性物品にオンデマンド性を付与するときには、中間シートは、親水性又は親油性を有することができる。親水性を有する中間シートは、中間シートを構成する素材を、当技術分野で公知の親水化剤で処理する(例えば、親水化剤を塗工する、親水化剤を練り込む)ことにより形成されうる。上記親水化剤としては、液透過性シートの説明の箇所で列挙した親水化剤が挙げられる。液透過性シート及び中間シート間の極性(親油性度及び親水性度)を調整することにより、吸収性物品がオンデマンド性を有することができる。
親油性を有する中間シートとしては、中間シートを構成する素材を、当技術分野で公知の親油化剤で処理する(例えば、親水化剤を塗工する、親水化剤を練り込む)ことにより形成されうる。上記親油化剤としては、液透過性シートの説明の箇所で列挙した親油化剤が挙げられる。
本開示の吸収性物品が、以下の構成[(i)中間シートをさらに備える、そして(ii)中間シートが温感溶液を含む]を備える場合に、吸収性物品にオンデマンド性を付与するときには、中間シートは、好ましくは0.010〜0.500g/cm3、より好ましくは0.020〜0.300g/cm3、そしてさらに好ましくは0.030〜0.100g/cm3の繊維密度を有する。
上記中間シートは、好ましくは10〜200g/m2、そしてより好ましくは15〜150g/m2の坪量を有する。
本開示の吸収性物品が、以下の構成[(i)中間シートをさらに備える、(ii)中間シートが温感溶液を含む、そして(iii)液透過性シートが布帛である]を備える場合に、吸収性物品にオンデマンド性を付与するときには、液透過性シートは、中間シートよりも、好ましくは0.005g/cm3以上、より好ましくは0.010g/cm3以上、さらに好ましくは0.015g/cm3以上、さらにいっそう好ましくは0.020g/cm3以上、さらにいっそう好ましくは0.025g/cm3以上、そしてさらにいっそう好ましくは0.030g/cm3以上の差で小さい繊維密度を有する。そうすることにより、力等の加わっていない状態では、温感溶液は、繊維密度が高い中間シートに保持されやすくなり、着用者が、吸収性物品を押し込むと、温感溶液が液透過性シートに移動し、次いで、着用者の肌に移動しやすくなる。
本開示の吸収性物品が、以下の構成[(i)中間シートをさらに備える、(ii)中間シートが温感溶液を含む、そして(iii)液透過性シートが布帛である]を備える場合に、吸収性物品にオンデマンド性を付与するときには、液透過性シートは、中間シートよりも、好ましくは0.440g/cm3以下、より好ましくは0.300g/cm3以下、さらに好ましくは0.250g/cm3以下、さらにいっそう好ましくは0.200g/cm3以下、さらにいっそう好ましくは0.150g/cm3以下、さらにいっそう好ましくは0.100g/cm3以下、さらにいっそう好ましくは0.060g/cm3以下、さらにいっそう好ましくは0.045g/cm3以下、さらにいっそう好ましくは0.040g/cm3以下、そしてさらにいっそう好ましくは0.035g/cm3以下の差で小さい繊維密度を有する。そうすることにより、着用者が、吸収性物品を押し込むと、温感溶液が液透過性シートに移動し、次いで、着用者の肌に移動しやすくなる。
液透過性シート及び中間シートの繊維密度は、以下の通り測定される。
(1)温度:20±5℃及び湿度:65±5%RHの恒温恒湿室に、株式会社大栄科学精器製作所製 FS−60DS[測定面44mm(直径),測定圧3g/cm2]を準備し、同恒温恒湿室に、液透過性シート及び/又は中間シート(以下、「サンプル」と称する)を24時間静置する。
(2)上記サンプルから、0.1m×0.1mのサイズのサンプル片[面積:s(m2)]を10枚採取する。なお、各サンプルから10cm×10cmのサイズのサンプル片が採取できない場合には、複数枚のサンプルから、10cm×10cmのサイズのサンプル片を形成するか、又は各サンプルのサイズを調整してもよい。
(3)FS−60DSを用いて、各サンプル片の異なる5つの部分を加圧し、各部分における加圧10秒後の厚さを測定し、5つの測定値の平均値を、各サンプル片の厚さ:t(m)とする。
(4)各サンプル片の質量:m(g)を測定する。
なお、各サンプルが温感溶液を含む場合には、各サンプル片を、温感付与溶液の極性に合わせた洗浄溶媒(例えば、温感付与溶液の溶媒が親油性溶媒である場合にはトルエン、温感付与溶液の溶媒が親水性溶媒である場合にはエタノール等)で洗浄し、洗浄後の各サンプル片を、70℃で1時間乾燥した後に、各サンプル片の質量:m(g)を測定する。
(5)各サンプル片の質量:m(g)を、各サンプル片の面積:s(m2)で除することにより、各サンプル片の坪量:bw(g/m2)を算出する。
(6)各サンプル片において、サンプル片の坪量:bw(g/m2)を、サンプル片の厚さ:t(m)で除し、単位を調整することにより、各サンプル片の繊維密度:fd(g/cm3)を算出する。
(7)計10枚のサンプル片の繊維密度:fd(g/cm3)の平均値を算出し、当該平均値を繊維密度:FD(g/cm3)として採用する。
本開示の吸収性物品が、以下の構成[(i)中間シートをさらに備える、(ii)中間シートが温感溶液を含む、そして(iii)温感溶液の溶媒が親油性溶媒である]を備える場合に、吸収性物品にオンデマンド性を付与するときには、中間シートの親油性度が、液透過性シートの親油性度よりも高いことが好ましい。
そうすることにより、親油性溶媒を含む温感溶液が、液透過性シートよりも中間シートに存在しやすくなり、そして着用者が吸収性物品を押し込むと、中間シートから温感溶液が放出され、液透過性シートに移動し、液透過性シートを通過した温感溶液が、着用者の肌に到達し、着用者に温感を付与することができる。また、着用者が吸収性物品を押し込むことをやめると、中間シートの親油性度と、液透過性シートの親油性度との差により、着用者の肌に到達した温感溶液が、徐々に中間シートに戻る。従って、着用者が温感をより制御しやすくなり、上記吸収性物品が、オンデマンド性に優れやすくなる。
また、本開示の吸収性物品が、以下の構成[(i)中間シートをさらに備える、(ii)中間シートが温感溶液を含む、そして(iii)温感溶液の溶媒が親水性溶媒である]を備える場合に、吸収性物品にオンデマンド性を付与するときには、中間シートの親水性度が、液透過性シートの親水性度よりも高いことが好ましい。吸収性物品のオンデマンド性を向上させる観点からである。
そうすることにより、親水性溶媒を含む温感溶液が、液透過性シートよりも中間シートに存在しやすくなり、そして着用者が吸収性物品を押し込むと、中間シートから温感溶液が放出され、液透過性シートに移動し、液透過性シートを通過した温感溶液が、着用者の肌に到達し、着用者に温感を付与することができる。また、着用者が吸収性物品を押し込むことをやめると、中間シートの親水性度と、液透過性シートの親水性度との差により、着用者の肌に到達した温感溶液が、徐々に中間シートに戻る。従って、着用者が温感をより制御しやすくなり、上記吸収性物品が、オンデマンド性に優れやすくなる。
上記親油性度の高低及び親水性度の高低は、以下の通り評価される。
(1)温度:20±5℃及び湿度:65±5%RHの恒温恒湿室に、協和界面化学株式会社の自動極小接触角計MCA−Jを準備し、同恒温恒湿室に、液透過性シート及び中間シート(以下、「サンプル」と称する)を24時間静置する。
(2)MCA−Jのインクジェットから、脱イオン水の微小液滴(20pL)を、測定すべきサンプルの表面(サンプルが布帛の場合には繊維の表面、サンプルがシートの場合にはシートの表面)に滴下し、微小液滴の様子を経時で録画する。
(3)サンプルの表面に微小液滴が付着した直後の画像を画像解析し、微小液滴の、サンプルの表面に対する接触角を算出する。
(4)接触角は、サンプルの異なる部分の計20カ所の測定値の平均値を採用する。
(5)接触角が大きいサンプルを、親油性が高いサンプル(親水性が低いサンプル)とし、接触角の小さいサンプルを、親油性の低いサンプル(親水性の高いサンプル)とする。
上記吸収体としては、コアラップが、パルプ繊維及び高分子吸収剤を含む吸収コアを覆っているもの、コアラップが、高分子吸収剤を含む吸収コア又は高分子吸収剤から成る吸収コアを覆っているもの等が挙げられる。上記コアラップとしては、上述の中間シートが挙げられる。
本開示の吸収性物品は、当該吸収性物品を着衣、着用者の肌等に固定する粘着部を備えることができ、当該粘着部としては、ホットメルト接着剤、例えば、例えば、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン(SEBS)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)等のゴム系を主体とした、又は直鎖状低密度ポリエチレン等のオレフィン系を主体とした感圧型接着剤又は感熱型接着剤;水溶性高分子(例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシルメチルセルロース、ゼラチン等)又は水膨潤性高分子(例えば、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸ナトリウム等)からなる感水性接着剤等が挙げられる。
本開示の吸収性物品は、使用される前に包装シートで包装されていることが好ましい。吸収性物品が保持する温感溶液を保護する観点、吸収性物品が保持する温感溶液を外部に漏らさない観点等からである。例えば、本開示の吸収性物品は、一又は複数の吸収性物品が包装シートで包装された包装体であることが好ましく、そして1つの吸収性物品が包装シートで包装された個包装体であることがより好ましい。
上記包装シートの素材としては、例えば、ポリオレフィン系ポリマー、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレンが挙げられる。上記包装シートは、上記個包装体の気密性を高める観点から、気密層を含んでもよく、そして当該気密層の素材としては、例えば、エチレンビニルアルコールコポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、例えば、塩化ビニリデンメチルアクリレートコポリマー、ポリビニルアルコール、ナイロン、例えば、ナイロン6、アルミ箔、基材フィルム(ポリエチレンテレフタレート等)上にアルミナ、シリカ等が蒸着されたものが挙げられる。
上記吸収性物品としては、特に制限されず、吸収体を備えるもの、例えば、生理用ナプキン、ショーツ型生理用ナプキン、パンティーライナー、例えば、羽つきパンティーライナー、使い捨ておむつ、失禁パッド、陰唇間パッド、産褥パッド、母乳パッド、痔用パッド、汗取りパッド、褥瘡シート(ドレッシングシート)、ペット用オムツ、ペット用シート等が挙げられる。
なお、温感溶液は吸収性物品を構成する資材上又は資材内部を移動する場合があり、温感溶液が配置された資材に隣接する資材の一部が、温感領域(内側温感領域、外側温感領域、所望による中央温感領域)を形成する場合がある。例えば、温感溶液が中間シートに配置された場合に、液透過性シートが布帛から構成されるときには、温感溶液の一部が、例えば、隣接する液透過性シートの、中間シート側の領域に、主に吸収性物品の厚さ方向に移動し、液透過性シートの、中間シート側の領域が、温感領域(内側温感領域、外側温感領域、所望による中央温感領域)を形成する場合がある。また、温感溶液が液透過性シートに配置された場合には、温感溶液の一部が、例えば、隣接する中間シートの、液透過性シート側の領域、又は隣接する吸収体の、液透過性シート側の領域に、主に吸収性物品の厚さ方向に移動し、中間シートの、液透過性シート側の領域、又は吸収体の、液透過性シート側の領域が、温感領域(内側温感領域、外側温感領域、所望による中央温感領域)を形成する場合がある。
本開示の吸収性物品では、着用者に温感を付与する温感剤が、吸収体と(吸収性物品の)厚さ方向に重複する重複領域と、吸収体と(吸収性物品の)厚さ方向に重複しない非重複領域との両方に渡って配置されているものの、着用者に痒みを覚えさせにくい。
従って、本開示の吸収性物品は、着用者の以下の部位に温感を付与するために用いられることができ、そして本開示の吸収性物品では、内側温感領域及び外側温感領域、並びに所望による中央温感領域を、以下の部位に対応する位置に配置することができる。
・前立腺(主に男性)
前立腺近傍の肌に温感を付与することにより、前立腺近傍での血行不良を予防し、前立腺肥大、前立腺炎及び前立腺がんを予防し、それらの症状を緩和することができる。
・鼠径部
鼠径部近傍の肌に温感を付与することにより、鼠径ヘルニアを予防し、それらの症状を緩和することができる。
・大腿動脈
大腿動脈近傍の肌に温感を付与することにより、前立腺肥大、前立腺炎及び前立腺がんを予防し、それらの症状を緩和することができ、そして脚部の冷えを予防することができる。
・膀胱,骨盤底筋(主に女性)
膀胱,骨盤底筋等の近傍の肌に温感を付与することにより、体の冷えを予防し、ひいては尿漏れをしにくくすることができる。
以下、例を挙げて本開示を説明するが、本開示はこれらの例に限定されるものではない。
[製造例1]
第1実施形態に従う生理用ナプキンNo.1を製造した。液透過性シートは、エアスルー不織布(坪量:30g/m2)であり、吸収体は、パルプ(坪量:200g/m2)と、高分子吸収剤(坪量:20g/m2)とから構成される吸収コアを、ティッシュから構成されるコアラップで覆ったものであり、そして液不透過性シートは、ポリエチレンフィルム(坪量:24g/m2)であった。
なお、内側温感領域、外側温感領域及び中央温感領域は、液透過性シートに配置されており、内側温感領域では、温感溶液が、液透過性シートに、温感剤の坪量が1.0g/m2となるような量で配置されていた。なお、温感溶液は、温感剤としてのバニリルブチルエーテル(10.0質量%)と、溶媒としてのイソノナン酸イソノニルとから構成されていた。また、外側温感領域には、上記温感溶液が、温感溶液の坪量が内側温感領域の温感溶液の坪量の30質量%となるように塗工されていた。中央温感領域には、上記温感溶液が、温感溶液の坪量が内側温感領域の温感溶液の坪量の120質量%となるように塗工されていた。
[製造例2]
中央温感領域を形成しなかった以外は、製造例1と同様にして、生理用ナプキンNo.2を製造した。
[製造例3]
外側温感領域の温感溶液を、温感溶液の坪量が内側温感領域の坪量と同一となるように配置した以外は、製造例1と同様にして生理用ナプキンNo.3を製造した。
[製造例4]
外側温感領域の温感溶液を、温感溶液の坪量が内側温感領域と同一となるように配置した以外は、製造例2と同様にして生理用ナプキンNo.4を製造した。
[実施例1及び2,並びに比較例1及び2]
複数の被験者のそれぞれに、生理用ナプキンNo.1〜No.4を着用してもらい、着用後2時間以内の温感作用を5段階の評価値(1:温感作用を覚えなかった,2:極弱い温感作用を覚えた,3:弱い温感作用を覚えた,4:中程度の温感作用を覚えた,5:強い温感作用を覚えた)で評価してもらい、着用後2時間以内の痒みの覚えにくさを、以下の1〜5の5段階の評価値で評価してもらった。結果(平均値を四捨五入し、整数としたもの)を表1に示す。
5:各領域に温感作用の差異を覚えず、そして痒みを覚えなかった。
4:各領域に温感作用の差異をほぼ覚えず、そしてほぼ痒みを覚えなかった。
3:各領域に温感作用の差異をやや覚え、そしてやや痒みを覚えた。
2:各領域に温感作用の差異を覚え、我慢できる程度の痒みを覚えた。
1:各領域に温感作用の差異を覚え、我慢できない程度の痒みを覚えた。
Figure 2019068946
1 生理用ナプキン
3 液透過性シート
5 液不透過性シート
7 吸収体
9,10 側縁
11 重複領域
13 非重複領域
15,16 側縁領域
17 着衣
19,20 内側温感領域
21,22 外側温感領域
23 中央温感領域
25 粘着部
27 フラップ部
29 シール部
31 エンボス部
33 包装シート
L 長手方向
W 幅方向
T 厚さ方向
1 長手方向第1折軸
2 長手方向第2折軸
3 幅方向第1折軸
4 幅方向第2折軸

Claims (10)

  1. 長手方向、幅方向及び厚さ方向を有し、液透過性シートと、液不透過性シートと、それらの間に配置された、前記長手方向に延びる一対の側縁を有する吸収体とを備える吸収性物品であって、
    前記吸収性物品が、前記吸収体と前記厚さ方向に重複する重複領域と、前記吸収体と前記厚さ方向に重複しない非重複領域とに区画され、
    前記吸収性物品が、一対の側縁領域であって、そのそれぞれが前記一対の側縁のそれぞれを含むものを備え、
    前記一対の側縁領域のそれぞれにおいて、
    (i)前記重複領域に配置された内側温感領域と、前記非重複領域に配置された外側温感領域とが存在し、
    (ii)前記内側温感領域及び前記外側温感領域の両方が、TRPチャネルを活性化する温感剤と、溶媒とを含む温感溶液を含み、
    (iii)前記外側温感領域における前記温感溶液の坪量が、前記内側温感領域における前記温感溶液の坪量よりも少ない、
    ことを特徴とする、前記吸収性物品。
  2. 前記一対の側縁領域のそれぞれにおいて、前記内側温感領域と、前記外側温感領域とが、前記一対の側縁のそれぞれを間に挟んで隣接している、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記一対の側縁領域のそれぞれにおいて、前記内側温感領域と、前記外側温感領域とが、前記液透過性シートに配置されている、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記吸収性物品が、前記一対の側縁領域の間に中央温感領域を備え、前記中央温感領域が、前記温感溶液を含み、前記中央温感領域における前記温感溶液の坪量が、前記一対の側縁領域の前記内側温感領域のそれぞれにおける前記温感溶液の坪量よりも多い、請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  5. 前記中央温感領域が、前記一対の側縁領域のそれぞれの前記内側温感領域と隣接している、請求項4に記載の吸収性物品。
  6. 前記中央温感領域が、前記液透過性シートに配置されている、請求項4又は5に記載の吸収性物品。
  7. 前記温感剤がTRPV1レセプターに対するアゴニストである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  8. 前記溶媒が、親油性溶媒である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  9. 前記吸収性物品が、生理用ナプキン、ショーツ型生理用ナプキン、羽つきパンティーライナー及び使い捨ておむつからなる群から選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  10. 前記吸収性物品が発熱剤を含まない、請求項1〜9のいずれか一項に記載の吸収性物品。
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