JP3229293U - 温感物品の個包装体 - Google Patents
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Abstract
【課題】着用者が温感作用を制御できる温感物品の個包装体を提供する。【解決手段】温感物品1が、剥離性を有する内面を備える包装シート29に包装されている、温感物品の個包装体であって、温感物品は、液透過性シート7と、液不透過性シート9と、それらの間の温感体31と、温感物品を着用者の着衣に固定するための粘着部21とを備え、温感体が、布帛から構成されているとともに、TRPチャネルを活性化する温感剤を含み、粘着部の一方の面が、液不透過性シートに固定され、粘着部の他方の面が、包装シートの内面に仮固定されている。【選択図】図2
Description
本開示は、温感物品の個包装体に関する。
特許文献1には、快適性を向上させることを目的とした、着用者によって知覚される外部条件を作り出す必要なしに着用者に知覚を伝えることのできる剤を含む、吸収性物品、好ましくは衛生使い捨て吸収性物品が記載されている。
また、特許文献1の段落[0040]には、好ましい剤として、加温剤が挙げられ、そして当該加温剤は、物品の着用者の身体面上における温度変化を作り出す必要なしに、温度受容器(すなわち、温熱)を刺激することができることが記載されている。
また、特許文献1の段落[0040]には、好ましい剤として、加温剤が挙げられ、そして当該加温剤は、物品の着用者の身体面上における温度変化を作り出す必要なしに、温度受容器(すなわち、温熱)を刺激することができることが記載されている。
さらに、特許文献1の段落[0109]には、剤を含有するのに好適なデリバリーシステムのキャリアビヒクルとして、ローション、クリーム、油、軟膏、粉末、エマルション、フォーム、又はゲルの形態の組成物、水溶液又はアルコール溶液、炭化水素油、脂肪酸エステル、長鎖アルコール、及びシリコン油のような油及び脂質、デンプン又はタルク等のような超微粒子状固体が記載されている。
本願考案者が確認したところ、特許文献1に記載されるような加温剤と、油等の親油性溶媒とを組み合わせると、鉄粉等の発熱剤、加温剤及び親水性溶媒(水等の組み合わせ)と比較して、一般的に、所望の温度を感じるまでの時間(温熱感知時間)が長くなる傾向にあり、そして上記温熱感知時間は、着用者の汗等の水分の有無によっても、大きく変化することが分かった。上記温感感知時間が長くなると、特に着用初期に、着用者が痒みを覚える傾向がある。
従って、本開示は、着用者が温感作用を制御することができる温感物品を提供することを目的とする。
従って、本開示は、着用者が温感作用を制御することができる温感物品を提供することを目的とする。
本開示者らは、液透過性シートと、液不透過性シートと、上記液透過性シート及び上記液不透過性シートの間の温感体とを備える温感物品であって、上記温感体が布帛から構成され、TRPチャネルを活性化する温感剤と、溶媒とを含む温感溶液を含むことを特徴とする温感物品を見出した。
本開示の温感物品は、着用者が温感作用を制御することができる。
具体的には、本開示は以下の態様に関する。
[態様1]
液透過性シートと、液不透過性シートと、上記液透過性シート及び上記液不透過性シートの間の温感体とを備える温感物品であって、
上記温感体が布帛から構成され、TRPチャネルを活性化する温感剤と、溶媒とを含む温感溶液を含む、
ことを特徴とする、上記温感物品。
[態様1]
液透過性シートと、液不透過性シートと、上記液透過性シート及び上記液不透過性シートの間の温感体とを備える温感物品であって、
上記温感体が布帛から構成され、TRPチャネルを活性化する温感剤と、溶媒とを含む温感溶液を含む、
ことを特徴とする、上記温感物品。
本願考案者は、温感剤を含む温感物品では、所望の温度を感じるまでの時間(温熱感知時間)が、発熱剤(例えば、鉄粉)を含む発熱物品と比較して長くなる傾向にあり、当該温熱感知時間の間に、着用者が痒みを覚えやすいことを見出した。また、本願考案者は、温感剤を含む温感物品では、発熱剤(例えば、鉄粉)を含む発熱物品と比較して、着用者の肌の状態(例えば、着用者の肌の乾燥度等)によって、温感の覚え方に差があることを見出した。例えば、着用者の肌が水分で湿潤している場合には、着用者の肌が乾燥している場合と比較して、着用者の肌の主に角質層が膨潤した状態を保持しやすく、温感溶液が、主に角化細胞(ケラチノサイト)に存在するTRPチャネルに到達しやすくなるため、温感を覚えやすい(温熱感知時間が短い)。
上記温感物品は、着用者が温感物品の温感体と重複する部分を、温感物品の厚さ方向に押し込むことにより、温感体から温感溶液が放出され、液透過性シートを通過した温感溶液が、着用者の肌に到達し、押し込む前と比較して、着用者に温感をさらに付与することができ、温感が不足している場合には、着用者が、温感を増すことができ、上記温感物品は、オンデマンド性に優れる。
なお、上記温感剤により、着用者の肌の、温感剤に接していた温感剤接触部分のTRPチャネルが活性化される結果、交感神経系を介して、温感剤接触部分から熱が生じ、着用者の肌の、温感剤接触部分の温度を上昇させることが期待される。
なお、上記温感剤により、着用者の肌の、温感剤に接していた温感剤接触部分のTRPチャネルが活性化される結果、交感神経系を介して、温感剤接触部分から熱が生じ、着用者の肌の、温感剤接触部分の温度を上昇させることが期待される。
[態様2]
上記溶媒が、親油性溶媒である、態様1に記載の温感物品。
上記溶媒が、親油性溶媒である、態様1に記載の温感物品。
温感溶液を構成する溶媒が親油性溶媒である場合には、上記溶媒が親水性溶媒、例えば、水である場合と比較して、溶媒の揮発性を調整、具体的には、揮発性を低くすることができ、温感物品の包装を簡易にすることができる。
一方、本願考案者が確認したところ、温感溶液を構成する溶媒として親油性溶媒を選択した場合には、温感溶液を構成する溶媒が親水性溶媒、例えば、水である場合と比較して、上記温熱感知時間が長くなる傾向があることが分かった。
一方、本願考案者が確認したところ、温感溶液を構成する溶媒として親油性溶媒を選択した場合には、温感溶液を構成する溶媒が親水性溶媒、例えば、水である場合と比較して、上記温熱感知時間が長くなる傾向があることが分かった。
上記温感物品は、着用者が温感物品を押し込むことにより、温感体から温感溶液が放出され、液透過性シートに移動し、液透過性シートを通過した温感溶液が、着用者の肌に到達し、押し込む前と比較して、着用者に温感をさらに付与することができ、温感が不足している場合には、着用者が、温感を増すことができ、上記温感物品は、オンデマンド性に優れる。
[態様3]
上記温感体の上記布帛の親油性度が、上記液透過性シートの親油性度よりも高い、態様2に記載の温感物品。
上記温感体の上記布帛の親油性度が、上記液透過性シートの親油性度よりも高い、態様2に記載の温感物品。
上記温感物品では、温感溶液の溶媒が親油性溶媒であり且つ温感体を構成する布帛の親油性度が液透過性シートの親油性度よりも高いので、親油性溶媒を含む温感溶液が、液透過性シートよりも温感体に存在しやすく、そして着用者が温感物品を押し込むことにより、温感体から温感溶液が放出され、液透過性シートに移動し、液透過性シートを通過した温感溶液が、着用者の肌に到達し、着用者にさらなる温感を付与することができるとともに、着用者が温感物品を押し込むことをやめると、温感体の布帛の親油性度と、液透過性シートの親油性度との差により、着用者の肌に到達した温感溶液が、徐々に温感体に戻る。従って、着用者が温感をより制御しやすくなり、上記温感物品が、オンデマンド性に優れる。
[態様4]
上記液透過性シートが布帛から構成されており、上記温感体の上記布帛の繊維密度が、上記液透過性シートの上記布帛の繊維密度よりも高い、態様1〜3のいずれか一項に記載の温感物品。
上記液透過性シートが布帛から構成されており、上記温感体の上記布帛の繊維密度が、上記液透過性シートの上記布帛の繊維密度よりも高い、態様1〜3のいずれか一項に記載の温感物品。
上記温感物品では、温感体を構成する布帛の繊維密度が、液透過性シートを構成する布帛の繊維密度よりも高いので、着用者が温感物品を押し込むことにより、温感体から温感溶液が放出され、液透過性シートに移動し、液透過性シートを通過した温感溶液が、着用者の肌に到達し、押し込む前と比較して、着用者にさらなる温感を付与することができるとともに、着用者が温感物品押し込むのをやめると、温感体を構成する布帛の繊維密度と、液透過性シートを構成する布帛の繊維密度との差により、着用者の肌に到達した温感溶液が、徐々に温感体に戻る。従って、着用者が温感をより制御しやすくなり、上記温感物品が、オンデマンド性に優れる。
[態様5]
上記液透過性シートにおいて、30g/cm2の荷重時の厚さが、3g/cm2荷重時の厚さの70%以下である、態様1〜4のいずれか一項に記載の温感物品。
上記液透過性シートにおいて、30g/cm2の荷重時の厚さが、3g/cm2荷重時の厚さの70%以下である、態様1〜4のいずれか一項に記載の温感物品。
上記温感物品では、荷重時の厚さが所定の範囲にあるため、着用者が、温感物品を押し込んだ際に、液透過性シートの厚さが薄くなり、液透過性シートが保持する温感溶液が、着用者の肌に移動しやすくなる。従って、上記温感物品が、オンデマンド性に優れる。
[態様6]
上記液透過性シートが開孔フィルムから構成されている、態様1又は2に記載の温感物品。
上記液透過性シートが開孔フィルムから構成されている、態様1又は2に記載の温感物品。
上記温感物品では、液透過性シートが開孔フィルムから構成されているので、着用者が温感物品を押し込むことにより、温感体から温感溶液が放出され、液透過性シートを通過した温感溶液が、着用者の肌に到達し、押し込む前と比較して、着用者にさらなる温感を付与することができるとともに、着用者が温感物品を押し込むことをやめると、着用者の肌に到達した温感溶液が、徐々に温感体に戻る。従って、着用者が温感をより制御しやすくなり、上記温感物品が、オンデマンド性に優れる。
[態様7]
上記温感物品の厚さ方向において、上記温感物品の上記温感体と重複する領域の厚さが、上記温感物品の上記温感体と重複しない領域の厚さよりも厚い、態様1〜6のいずれか一項に記載の温感物品。
上記温感物品の厚さ方向において、上記温感物品の上記温感体と重複する領域の厚さが、上記温感物品の上記温感体と重複しない領域の厚さよりも厚い、態様1〜6のいずれか一項に記載の温感物品。
上記温感物品では、温感体と重複する領域の厚さが、温感体と重複しない領域の厚さよりも厚いので、着用者が、温感体と重複する領域を押し込みやすくなり、ひいては温感体から温感溶液が放出されやすくなる。従って、着用者が温感をより制御しやすくなり、上記温感物品が、オンデマンド性に優れる。
[態様8]
上記温感物品が、生理用ナプキン、パンティーライナー、使い捨ておむつ及びショーツ型生理用ナプキンからなる群から選択される、態様1〜7のいずれか一項に記載の温感物品。
上記温感物品が、生理用ナプキン、パンティーライナー、使い捨ておむつ及びショーツ型生理用ナプキンからなる群から選択されるため、上記温感物品は、吸収性能を発揮するとともに、温感感知時間に着用者の下腹部の痒みを抑えつつ、着用者の下腹部に温感を付与することができる。
上記温感物品が、生理用ナプキン、パンティーライナー、使い捨ておむつ及びショーツ型生理用ナプキンからなる群から選択される、態様1〜7のいずれか一項に記載の温感物品。
上記温感物品が、生理用ナプキン、パンティーライナー、使い捨ておむつ及びショーツ型生理用ナプキンからなる群から選択されるため、上記温感物品は、吸収性能を発揮するとともに、温感感知時間に着用者の下腹部の痒みを抑えつつ、着用者の下腹部に温感を付与することができる。
本開示の温感物品について、以下、詳細に説明する。
図1〜図4は、本開示の実施形態の1つ(以下、「第1実施形態」と称する)に従う温感物品としての生理用ナプキン1を説明するための図である。なお、以下、「第1実施形態に従う温感物品としての生理用ナプキン」を、単に『第1実施形態に従う生理用ナプキン』と称する場合がある。具体的には、図1は、第1実施形態に従う生理用ナプキン1の平面図である。図2は、第1実施形態に従う生理用ナプキン1の分解斜視図である。図3は、III−III断面における、生理用ナプキン1の断面図である。図4は、生理用ナプキン1の着用状態を示す図である。
図1〜図4は、本開示の実施形態の1つ(以下、「第1実施形態」と称する)に従う温感物品としての生理用ナプキン1を説明するための図である。なお、以下、「第1実施形態に従う温感物品としての生理用ナプキン」を、単に『第1実施形態に従う生理用ナプキン』と称する場合がある。具体的には、図1は、第1実施形態に従う生理用ナプキン1の平面図である。図2は、第1実施形態に従う生理用ナプキン1の分解斜視図である。図3は、III−III断面における、生理用ナプキン1の断面図である。図4は、生理用ナプキン1の着用状態を示す図である。
第1実施形態に従う生理用ナプキン1は、お互いに直交する長手方向L、幅方向W及び厚さ方向Tを有し、吸収本体3と、吸収本体3より長手方向Lの前方に配置された温感本体5とを備える。生理用ナプキン1は、吸収本体3において、着用時に着用者の肌に当接する液透過性シート7と、着用時に着衣19に当接する液不透過性シート9と、液透過性シート7及び液不透過性シート9の間に配置された吸収体11とを備える。また、生理用ナプキン1は、温感本体5において、着用時に着用者の肌に当接する液透過性シート7と、着用時に着衣19に当接する液不透過性シート9と、液透過性シート7及び液不透過性シート9の間に配置された、温感溶液保持シート13及び形状保持部材15を備える。形状保持部材15は、温感溶液保持シート13よりも液不透過性シート9側に配置されている。
なお、吸収本体3における液透過性シート7と、温感本体5における液透過性シート7は、親水化剤で処理された、親水性を有する不織布からなる一体のシートから構成されている。また、吸収本体3における液不透過性シート9と、温感本体5における液不透過性シート9も、一体のシートから構成されている。また、吸収本体3における吸収体11と、温感本体5における形状保持部材15とは、それらの一部が、重複部17において、厚さ方向Tに一部重複しており、重複部17において、吸収体11が、形状保持部材15よりも液透過性シート7に近い位置に配置されている。
生理用ナプキン1は、吸収本体3及び温感本体5の両方において、生理用ナプキン1を着用者の着衣19に固定するための粘着部21を備える。粘着部21の一方の面は、液不透過性シート9に固定され、そして他方の面は、剥離性が付与された、包装シート29の内面に仮固定されている。
生理用ナプキン1は、未使用状態では、包装シート29とともに、長手方向Lに延びる、長手方向第1折軸F1及び長手方向第2折軸F2と、幅方向Wに延びる、幅方向第1折軸F3、幅方向第2折軸F4及び幅方向第3折軸F5を基軸として折畳まれ、生理用ナプキン1の個包装体(図示せず)を形成している。なお、幅方向第1折軸F3、幅方向第2折軸F4、及び幅方向第3折軸F5は、それぞれ、生理用ナプキン1の前方、中央及び後方に配置されている。
また、幅方向第1折軸F3は、生理用ナプキン1及び包装シート29の展開状態において、温感溶液保持シート13(後述の温感体31)と、厚さ方向Tに重複するように配置されている。長手方向第1折軸F1及び長手方向第2折軸F2は、生理用ナプキン1及び包装シート29の展開状態において、吸収体11と厚さ方向Tに重複しないが、温感溶液保持シート13(後述の温感体31)と厚さ方向Tに重複するように配置されている。
生理用ナプキン1の個包装体は、生理用ナプキン1及び包装シート29を、長手方向第1折軸F1及び長手方向第2折軸F2を基軸として、生理用ナプキン1を内側にして幅方向Wに折畳み、次いで、幅方向第1折軸F3及び幅方向第3折軸F5を基軸として、生理用ナプキン1を内側にして長手方向Lに折り畳み、次いで、幅方向第2折軸F4を基軸として、生理用ナプキン1を内側にして長手方向Lに折畳むことにより形成されている。
また、生理用ナプキン1は、生理用ナプキン1を着衣19に固定するための一対のフラップ部23、シール部25、エンボス部27等を備えるが、当技術分野で公知のものであるため、説明を省略する。
生理用ナプキン1は、吸収本体3及び温感本体5を、吸収本体3の吸収体11の排泄口当接域(図示せず)を着用者の排泄口当接域に当接するように着衣19に配置した際に、温感本体5、特に温感溶液保持シート13が、着用者の下腹部に対応する位置に配置されるように有している。換言すると、吸収本体3の吸収体11の排泄口当接域(図示せず)と、温感本体5の温感溶液保持シート13との距離は、着用者の排泄口と、下腹部との距離(肌面上の距離)とに概ね等しくなるように構成されている。
吸収本体3は、通常の生理用ナプキンと同様の形状を有している。温感溶液保持シート13は、液透過性シート7で用いられたのと同一の親水化剤で処理された、親水性を有する不織布から構成されており、その全体に、温感溶液(図示せず)が塗工されており、温感溶液保持シート13の全体が、温感体31を構成している。図3に示されるように、温感体31(温感溶液保持シート13)を構成する不織布の繊維密度は、液透過性シート7を構成する不織布の繊維密度よりも高い。
また、温感溶液保持シート13の、幅方向Wの長さは、吸収体11の、幅方向Wの長さよりも長く、温感体31が、吸収体11よりも、幅方向Wに広い領域に配置されるように構成されている。
また、温感溶液保持シート13の、幅方向Wの長さは、吸収体11の、幅方向Wの長さよりも長く、温感体31が、吸収体11よりも、幅方向Wに広い領域に配置されるように構成されている。
温感溶液は、TRPチャネルを活性化する温感剤と、親油性溶媒とを含む。生理用ナプキン1を着衣19に固定し、使用すると、温感体31(温感溶液保持シート13)に含まれる温感溶液が、液透過性シート7を透過して、着用者の肌に接触し、着用者の肌の、温感剤が接触している温感剤接触部分のTRPチャネルを効率よく活性化し、着用者の下腹部に温感を効率よく付与することができる。
着用者の下腹部に温感を付与することにより、着用者の下腹部の肌の、温感剤に接していた温感剤接触部分のTRPチャネルが活性化される結果、交感神経系を介して、温感剤接触部分から熱が生じ、着用者の肌の、温感剤接触部分の温度を上昇させることが期待され、ひいては着用者の子宮に近い部位を温め、着用者の生理痛を緩和することが期待される。
また、着用者の子宮に近い部位を温めることにより、着用者の月経前症候群(Premenstrual Syndrome)、冷え性、更年期障害等を軽減することが期待される。
また、着用者の子宮に近い部位を温めることにより、着用者の月経前症候群(Premenstrual Syndrome)、冷え性、更年期障害等を軽減することが期待される。
本願考案者は、温感剤を含む温感物品では、所望の温度を感じるまでの時間(温熱感知時間)が、発熱剤(例えば、鉄粉)を含む発熱物品と比較して長くなる傾向にあり、当該温熱感知時間の間に、着用者が痒みを覚えやすいことを見出した。また、本願考案者は、温感剤を含む温感物品では、発熱剤(例えば、鉄粉)を含む発熱物品と比較して、着用者の肌の状態(例えば、着用者の肌の乾燥度等)によって、温感の覚え方に差があることを見出した。例えば、着用者の肌が水分で湿潤している場合には、着用者の肌が乾燥している場合と比較して、着用者の肌の主に角質層が膨潤した状態を保持しやすく、温感溶液が、主に角化細胞(ケラチノサイト)に存在するTRPチャネルに到達しやすくなるため、温感を覚えやすい(温熱感知時間が短い)。
第1実施形態に従う生理用ナプキン1では、図3に示されるように、温感体31(温感溶液保持シート13)を構成する不織布の繊維密度が、液透過性シート7を構成する不織布の繊維密度よりも高いので、力等の加わっていない状態では、温感溶液は、繊維密度の高い温感体31(温感溶液保持シート13)に保持されやすい。着用者が、生理用ナプキン1の温感体31と重複する部分を厚さ方向Tに押し込むと、温感溶液が、液透過性シート7に移動し、次いで、着用者の肌に移動する。その結果、着用者の肌の温感剤(温感体31)に接していた温感剤接触部分が温感を覚えやすくなる。
次いで、着用者が、生理用ナプキン1の温感体31と重複する部分を厚さ方向Tに押し込むのをやめると、温感溶液は、繊維密度の低い液透過性シート7から、繊維密度の高い温感体31(温感溶液保持シート13)に戻りやすくなる。その結果、着用者の肌の温感剤接触部分が、過度の温感を覚えにくくなる。
図3に示されるように、生理用ナプキン1の、温感体31と重複する領域の厚さが、生理用ナプキン1の温感体31と重複しない領域の厚さよりも厚い。そうすることにより、着用者が、温感体31と重複する領域を押し込みやすくなり、ひいては温感体31から温感溶液が放出されやすくなり、着用者が温感をより制御しやすくなる。
図5は、本開示の別の実施形態(以下、「第2実施形態」と称する)に従う温感物品としてのショーツ型生理用ナプキン101を説明するための図であり、着用状態を示す図である。なお、以下、「第2実施形態に従う温感物品としてのショーツ型生理用ナプキン」を、単に『第2実施形態に従うショーツ型生理用ナプキン』と称する場合がある。
第2実施形態に従うショーツ型生理用ナプキン101は、ショーツ部103と、ショーツ部103の内面に配置された吸収性物品部105とから構成されている。吸収性物品部105は、吸収本体107において、着用時に着用者の肌に当接する液透過性シート(図示せず)と、ショーツ部103に当接する液不透過性シート(図示せず)と、それらの間に配置された吸収体111とを備える。また、吸収性物品部105は、温感本体109において、着用時に着用者の肌に当接する液透過性シート(図示せず)と、ショーツ部103に当接する液不透過性シート(図示せず)と、それらの間に配置された、温感溶液保持シート113及び形状保持部材115を備える。
なお、吸収本体107における液透過性シート(図示せず)と、温感本体109における液透過性シート(図示せず)は、親水化剤で処理された、親水性を有する不織布からなる一体のシートから構成されている。また、吸収本体107における液不透過性シート(図示せず)と、温感本体109における液不透過性シート(図示せず)も、一体のシートから構成されている。
温感本体109の温感溶液保持シート113は、親油化剤で処理された親油性を有する不織布から構成されている。温感溶液保持シート113は、その全体に、TRPチャネルを活性化する温感剤と、親油性溶媒とを含む温感溶液(図示せず)が塗工されており、温感溶液保持シート113の全体が、温感体117を構成している。
温感体117(温感溶液保持シート113)を構成する不織布の繊維密度は、第1実施形態に従う生理用ナプキン1と同様に、液透過性シート(図示せず)を構成する不織布の繊維密度よりも高い。また、温感溶液が親油性溶媒を含むとともに、温感体117が親油性を有する不織布から構成され、液透過性シート(図示せず)が、親水性を有する不織布から構成されており、温感体117の親油性度が、液透過性シート(図示せず)の親油性度よりも高い。
従って、力等の加わっていない状態では、親油性溶媒を含む温感溶液は、繊維密度が高く且つ親油性度の高い温感体117(温感溶液保持シート113)に保持されやすい。着用者が、ショーツ型生理用ナプキン101の温感体117と重複する部分を、ショーツ型生理用ナプキン101の厚さ方向(図示せず)に押し込むと、温感溶液が、液透過性シート(図示せず)に移動し、次いで、着用者の肌に移動する。その結果、着用者の肌の温感剤(温感体117)に接していた温感剤接触部分が温感を覚えやすくなる。
次いで、着用者が、ショーツ型生理用ナプキン101の温感体117と重複する部分を、ショーツ型生理用ナプキン101の厚さ方向(図示せず)に押し込むのをやめると、温感溶液は、繊維密度が低く且つ親油性度の低い液透過性シート(図示せず)から、繊維密度が高く且つ親油性度の高い温感体117(温感溶液保持シート113)に戻りやすくなる。その結果、着用者の肌の温感剤接触部分が、過度の温感を覚えにくくなる。
着用者の下腹部に温感を付与することにより、着用者の下腹部の肌の、温感剤に接していた温感剤接触部分のTRPチャネルが活性化される結果、交感神経系を介して、温感剤接触部分から熱が生じ、着用者の肌の、温感剤接触部分の温度を上昇させることが期待され、ひいては着用者の子宮に近い部位を温め、着用者の生理痛を緩和することが期待される。また、着用者の月経前症候群(Premenstrual Syndrome)、冷え性、更年期障害等が軽減されることが期待される。
図6は、本開示のさらに別の実施形態(以下、「第3実施形態」と称する)に従う温感物品としての、大人用の使い捨ておむつ201を説明するための図であり、着用状態を示す図である。なお、以下、「第3実施形態に従う温感物品としての使い捨ておむつ」を、単に『第3実施形態に従う使い捨ておむつ』と称する場合がある。
第3実施形態に従う使い捨ておむつ201は、着用者の肌に当接する液透過性シート203と、液不透過性シート205と、液透過性シート203及び液不透過性シート205の間に配置された吸収体207と、吸収体207よりも前方且つ液透過性シート203及び液不透過性シート205の間に配置された温感溶液保持シート209とを備える。液透過性シート203は、親水化剤で処理された、親水性を有する不織布から構成されている。
温感溶液保持シート209は、使い捨ておむつ201の着用時に、着用者の下腹部に対応する位置に配置されるように配置されている。
温感溶液保持シート209は、親油化剤で処理された、親油性を有する不織布から構成されており、その全体に、温感溶液(図示せず)が塗工されており、温感溶液保持シート209の全体が、温感体211を構成している。温感溶液は、TRPチャネルを活性化する温感剤と、親油性溶媒とを含む。
なお、温感体211(温感溶液保持シート209)を構成する不織布と、液透過性シート203とは、同一の不織布から構成されており、それらの繊維密度は同一である。
温感溶液保持シート209は、親油化剤で処理された、親油性を有する不織布から構成されており、その全体に、温感溶液(図示せず)が塗工されており、温感溶液保持シート209の全体が、温感体211を構成している。温感溶液は、TRPチャネルを活性化する温感剤と、親油性溶媒とを含む。
なお、温感体211(温感溶液保持シート209)を構成する不織布と、液透過性シート203とは、同一の不織布から構成されており、それらの繊維密度は同一である。
力等の加わっていない状態では、親油性溶媒を含む温感溶液は、親油性度の高い温感体211(温感溶液保持シート209)に保持されやすい。着用者が、使い捨ておむつ201の温感体211と重複する部分を、使い捨ておむつ201の厚さ方向(図示せず)に押し込むと、温感溶液が、液透過性シート203に移動し、次いで、着用者の肌に移動する。その結果、着用者の肌の温感剤に接していた温感剤接触部分が温感を覚えやすくなる。
次いで、着用者が、使い捨ておむつ201の温感体211と重複する部分を、使い捨ておむつ201の厚さ方向(図示せず)に押し込むのをやめると、温感溶液は、親油性度の低い液透過性シート(図示せず)から、親油性度の高い温感体211(温感溶液保持シート209)に戻りやすくなる。その結果、着用者の肌の温感剤接触部分が、過度の温感を覚えにくくなる。
着用者の下腹部に温感を付与することにより、着用者の下腹部の肌の、温感剤に接していた温感剤接触部分のTRPチャネルが活性化される結果、交感神経系を介して、温感剤接触部分から熱が生じ、着用者の肌の、温感剤接触部分の温度を上昇させることが期待される。
その結果、使い捨ておむつ201の着用者が女性の場合には、(i)生理痛の要因とされるプロスタグランジンを排出させ、子宮筋等の筋肉を弛緩させ、生理痛を緩和すること、(ii)血行を促進し、リンパ液の流れを促進し、老廃物を排出させ、冷え性を改善し、脂肪を燃焼させること、(iii)免疫力を向上させること等が期待される。
使い捨ておむつ201の着用者が男性の場合には、(i)プロスタグランジンを排出させ、筋肉を弛緩させ、痛みを緩和すること、(ii)血行を促進し、リンパ液の流れを促進し、老廃物を排出させ、冷え性を改善し、脂肪を燃焼させること、(iii)免疫力を向上させること等が期待される。
使い捨ておむつ201の着用者が男性の場合には、(i)プロスタグランジンを排出させ、筋肉を弛緩させ、痛みを緩和すること、(ii)血行を促進し、リンパ液の流れを促進し、老廃物を排出させ、冷え性を改善し、脂肪を燃焼させること、(iii)免疫力を向上させること等が期待される。
図7〜図10は、本開示のさらに別の実施形態(以下、「第4実施形態」と称する)に従う温感物品としての温感シート301を説明するための図である。なお、以下、「第4実施形態に従う温感物品としての温感シート」を、単に『第4実施形態に従う温感シート』と称する場合がある。具体的には、図7は、第4実施形態に従う温感シート301が個包装された温感シートの個包装体303の斜視図である。図8は、第4実施形態に従う温感シート301の斜視図である。図9は、第4実施形態に従う温感シート301の分解斜視図である。図10は、第4実施形態に従う温感シート301の着用状態を示す図である。なお、以下、「温感シートの個包装体」を、単に『個包装体』と称する場合がある。
第4実施形態に従う温感シート301は、着用者の肌に当接する液透過性シート307と、温感溶液保持シート309と、着衣に当接する液不透過性シート311と、液不透過性シート311に固定され且つ液不透過性シート311を着衣321に貼付するための粘着部313と、粘着部313を仮固定するための剥離シート315とをその順で備え、お互いに直交する長手方向L、幅方向W及び厚さ方向Tを有する。また、液透過性シート307は、親水化剤で処理された、親水性を有する不織布から構成され、肌当接面331と、非肌当接面333とを有する。
温感溶液保持シート309は、液透過性シート307を処理したのと親水化剤で処理された、親水性を有する不織布から構成されており、その全体に、TRPチャネルを活性化する温感剤と、親水性溶媒としての水とを含む温感溶液(図示せず)が塗工されており、温感溶液保持シート309の全体が、温感体341を構成している。
温感シート301は、長手方向Lの中心に、幅方向Wと平行に延びる折軸F6を備える。なお、個包装体303では、温感シート301は、折軸F6を基軸として、液透過性シート307の肌当接面331を内側にして折り畳まれ、包装シート305に包装されている。
粘着部313は、複数の粘着部部分314から構成されている。複数の粘着部部分314のそれぞれは、幅方向Wに延びており、温感シート301の幅方向Wの両端部まで達している。複数の粘着部部分314は、長手方向Lに所定の間隔をあけて配置されている。
剥離シート315は、液不透過性シート311と外縁の形状が同一であり、粘着部313(複数の粘着部部分314)の全体を覆うように配置されている。
剥離シート315は、液不透過性シート311と外縁の形状が同一であり、粘着部313(複数の粘着部部分314)の全体を覆うように配置されている。
図7に示されるように、温感シート301は、2つ折りされた状態で、包装シート305に包装され、個包装体303が形成されている。具体的には、個包装体303は、折軸F6を基軸として、液透過性シート7の肌当接面331を内側にして2つ折りされた温感シート301を、2枚の包装シート305で挟み、2枚の包装シート305の周縁にシール部335を設けることにより形成されている。
着用者は、温感シート301を使用するに当たり、個包装体303の切欠部337から、個包装体303を開封し、個包装体303から温感シート301を取り出し、温感シート301から剥離シート315を剥離する。次いで、着用者は、温感シート301の粘着部313を、着衣321、具体的にはショーツの内面に固定し、温感シート301の肌当接面331が着用者の肌に接した状態で、温感シート301を使用する。
温感体341(温感溶液保持シート309)を構成する不織布の繊維密度は、第1実施形態に従う生理用ナプキン1と同様に、液透過性シート307を構成する不織布の繊維密度よりも高い。
力等の加わっていない状態では、親水性溶媒として水を含む温感溶液は、繊維密度が高い温感体341(温感溶液保持シート309)に保持されやすい。着用者が、温感シート301(温感体341)を厚さ方向Tに押し込むと、温感溶液が、液透過性シート307に移動し、次いで、着用者の肌に移動する。その結果、着用者の肌の温感剤(温感体341)に接していた温感剤接触部分が温感を覚えやすくなる。
次いで、着用者が、温感シート301(温感体341)を厚さ方向Tに押し込むのをやめると、温感溶液は、繊維密度が低い液透過性シート307から、繊維密度が高い温感体341(温感溶液保持シート309)に戻りやすくなる。その結果、着用者の肌の温感剤接触部分が、過度の温感を覚えにくくなる。
本開示の温感物品では、温感溶液は、TRPチャネルを活性化する温感剤と、溶媒とを含む。
上記温感剤としては、TRPチャネルを活性化するものであれば、特に制限されず、例えば、TRPV1レセプターに対するアゴニスト、TRPV3レセプターに対するアゴニスト等が挙げられ、TRPV1に対するアゴニストであることが好ましい。TRPV1レセプターは、活性化温度閾値が43℃超と高く、着用者に高い温感を付与することができるからである。
上記温感剤としては、TRPチャネルを活性化するものであれば、特に制限されず、例えば、TRPV1レセプターに対するアゴニスト、TRPV3レセプターに対するアゴニスト等が挙げられ、TRPV1に対するアゴニストであることが好ましい。TRPV1レセプターは、活性化温度閾値が43℃超と高く、着用者に高い温感を付与することができるからである。
上記温感剤は、着用者の安心感の観点から、植物由来の化合物であることが好ましい。上記温感剤としては、例えば、カプシコシド、カプサイシン、カプサイシノイド類(ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ノニバミド等)、カプサンチン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸β−ブトキシエチル、N−アシルワニルアミド、ノナン酸バニリルアミド、多価アルコール、唐辛子末、唐辛子チンキ、唐辛子エキス、ノナン酸バニリルエーテル、バニリルアルコールアルキルエーテル誘導体(例えば、バニリルエチルエーテル、バニリルブチルエーテル、バニリルペンチルエーテル、バニリルヘキシルエーテル)、イソバニリルアルコールアルキルエーテル、エチルバニリルアルコールアルキルエーテル、ベラトリアルアルコール誘導体、置換ベンジルアルコール誘導体、置換ベンジルアルコールアルキルエーテル、バニリンプロピレングリコールアセタール、エチルバニリンプロピレングリコールアセタール、ショウガエキス、ジンジャーオイル、ジンゲロール、ジンゲロン、ヘスペリジン、及びピロリドンカルボン酸、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
上記温感剤は、着用者が痛さ、痒さ等を感じにくい観点から、カプサイシンではないことが好ましく、そしてバニリルアルコールアルキルエーテル誘導体(例えば、バニリルエチルエーテル、バニリルブチルエーテル、バニリルペンチルエーテル、バニリルヘキシルエーテルショウガエキス、ジンジャーオイル、ジンゲロール、及びジンゲロン、並びにそれらの任意の組み合わせがより好ましい。
上記溶媒は、上記温感剤を含むことができるものであれば、特に限定されず、例えば、親油性溶媒及び親水性溶媒が挙げられる。上記溶媒は、上記温感剤を、例えば、溶解、分散等することができる。
上記親油性溶媒としては、油脂、例えば、天然油(例えば、トリグリセリド等の脂肪酸エステル、ヤシ油、アマニ油等)、炭化水素(例えば、パラフィン、例えば、流動パラフィン)等が挙げられる。
上記親水性溶媒としては、水及びアルコールが挙げられる。上記アルコールとしては、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等の低級アルコール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール等の高級アルコール等が挙げられる。
上記親油性溶媒としては、油脂、例えば、天然油(例えば、トリグリセリド等の脂肪酸エステル、ヤシ油、アマニ油等)、炭化水素(例えば、パラフィン、例えば、流動パラフィン)等が挙げられる。
上記親水性溶媒としては、水及びアルコールが挙げられる。上記アルコールとしては、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等の低級アルコール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール等の高級アルコール等が挙げられる。
上記溶媒は、揮発性を制御しやすい、特に揮発性を下げやすい観点からは、油脂(親油性溶媒)又はアルコール(親水性溶媒)であることが好ましい。また、上記温感物品が吸収性物品である場合には、吸収性を阻害しにくい観点から、上記溶媒は親油性溶媒であることが好ましい。
上記温感溶液は、上記温感剤を、好ましくは0.0001〜5.0質量%、より好ましくは0.0005〜3.0質量%、さらに好ましくは0.1〜1.0質量%、そしてさらにいっそう好ましくは0.3〜0.7質量%含む。温感効果の観点からである。
本開示の温感物品では、上記温感溶液は、上述の温感剤及び溶媒以外に、着用者に温感を付与する効果を阻害しない範囲で、下記に示されるような、少なくとも1種の他の成分とを含むことができる。
上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、冷感剤が挙げられる。上記冷感剤としては、例えば、TRPチャネルを活性化するものが挙げられ、上記冷感剤としては、例えば、TRPM8レセプターに対するアゴニスト、TRPA1レセプターに対するアゴニスト等が挙げられ、TRPM8レセプターに対するアゴニストであることが好ましい。
上記冷感剤としては、例えば、メントール(例えば、l−メントール)及びその誘導体(例えば、乳酸メンチル、メンチルグリセリルエーテル、例えば、l−メンチルグリセリルエーテル)、サリチル酸メチル、カンファー、植物(例えば、ミント、ユーカリ)由来の精油等が挙げられる。
本願考案者は、温感溶液が、TRPチャネルを活性化する温感剤に加え、TRPチャネルを活性化する冷感剤をさらに含む場合には、着用者が、上述の温熱感知時間に、温感溶液と接している部分及びその周辺部に痒みを覚えにくいことを見出した。
本願考案者は、温感溶液が、TRPチャネルを活性化する温感剤に加え、TRPチャネルを活性化する冷感剤をさらに含む場合には、着用者が、上述の温熱感知時間に、温感溶液と接している部分及びその周辺部に痒みを覚えにくいことを見出した。
本開示の温感物品において、温感溶液が冷感剤をさらに含む場合には、温感溶液は、冷感剤を、好ましくは0.0001〜5.0質量%、より好ましくは0.0005〜3.0質量%、さらに好ましくは0.1〜1.0質量%、そしてさらにいっそう好ましくは0.3〜0.7質量%含む。着用者が温感感知時間に痒みを覚えにくく且つ過度の冷感を覚えにくい観点からである。
本開示の温感物品において、温感溶液が冷感剤をさらに含む場合には、上記温感溶液は、上記温感剤及び冷感剤を、好ましくは20:1〜1:10、より好ましくは10:1〜1:5、そしてさらに好ましくは2:1〜1:1の質量比で含む。着用者が、温熱感知時間に痒みを感じにくいとともに、冷感を覚えにくく且つ温感を覚えやすい観点からである。
上記少なくとも1種の他の成分としては、冷却剤、例えば、気化熱により周囲の温度を下げる冷却剤が挙げられ、当該冷却剤として、例えば、アルコール、例えば、メタノール及びエタノールが挙げられる。
上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、シリコーンオイル、シリコーン、シリコーン系レジン等が挙げられる。
上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、酸化防止剤、例えば、BHT(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール)、BHA(ブチル化ヒドロキシアニソール)、没食子酸プロピル等が挙げられる。
上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、酸化防止剤、例えば、BHT(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール)、BHA(ブチル化ヒドロキシアニソール)、没食子酸プロピル等が挙げられる。
上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、ビタミン、例えば、天然ビタミン又は合成ビタミンが挙げられる。上記ビタミンとしては、例えば、水溶性ビタミン、例えば、ビタミンB群、例えば、ビタミンB1,ビタミンB2,ビタミンB3,ビタミンB5,ビタミンB6,ビタミンB7,ビタミンB9,ビタミンB12等、ビタミンCが挙げられる。
上記ビタミンとしては、例えば、脂溶性ビタミン、例えば、ビタミンA群、ビタミンD群、ビタミンE群、およびビタミンK群等が挙げられる。
上記ビタミンにはまた、それらの誘導体も含まれる。
上記ビタミンとしては、例えば、脂溶性ビタミン、例えば、ビタミンA群、ビタミンD群、ビタミンE群、およびビタミンK群等が挙げられる。
上記ビタミンにはまた、それらの誘導体も含まれる。
上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、アミノ酸、例えば、アラニン、アルギニン、リジン、ヒスチジン、プロリン、ヒドロキシプロリン等、並びにペプチドが挙げられる。
上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、ゼオライト、例えば、天然ゼオライト、例えば、方沸石、菱沸石、輝沸石、ナトロライト、束沸石、及びソモソナイト、並びに、合成ゼオライトが挙げられる。
上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、コレステロール、ヒアルロン酸、レシチン、セラミド、プラセンタ、コラーゲン、エラスチン、スクワラン、ワセリン、トレハロース等が挙げられる。
上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、コレステロール、ヒアルロン酸、レシチン、セラミド、プラセンタ、コラーゲン、エラスチン、スクワラン、ワセリン、トレハロース等が挙げられる。
また、上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、薬剤、例えば、皮膚収斂剤、抗ニキビ剤、抗シワ剤、抗セルライト剤、美白剤、抗菌剤、抗カビ剤等が挙げられる。
上記皮膚収斂剤としては、例えば、酸化亜鉛、硫酸アルミニウム、タンニン酸等、油溶性皮膚収斂剤、例えば、油溶性ポリフェノールが挙げられる。上記油溶性ポリフェノールとしては、天然の油溶性ポリフェノール、例えば、オオバクエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、カモミラエキス、ゴボウエキス、サルビアエキス、シナノキエキス、セイヨウボダイジュエキス、シラカバエキス、スギナエキス、セージエキス、サルビアエキス、テウチグルミエキス、ハイビスカスエキス、ビワ葉エキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マロニエエキス、ヨクイニンエキス等が挙げられる。
上記皮膚収斂剤としては、例えば、酸化亜鉛、硫酸アルミニウム、タンニン酸等、油溶性皮膚収斂剤、例えば、油溶性ポリフェノールが挙げられる。上記油溶性ポリフェノールとしては、天然の油溶性ポリフェノール、例えば、オオバクエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、カモミラエキス、ゴボウエキス、サルビアエキス、シナノキエキス、セイヨウボダイジュエキス、シラカバエキス、スギナエキス、セージエキス、サルビアエキス、テウチグルミエキス、ハイビスカスエキス、ビワ葉エキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マロニエエキス、ヨクイニンエキス等が挙げられる。
上記抗ニキビ剤としては、例えば、サリチル酸、過酸化ベンゾイル、レゾルシノール、イオウ、エリスロマイシン、亜鉛等が挙げられる。
上記抗シワ剤としては、例えば、乳酸、サリチル酸、サリチル酸誘導体、グリコール酸、フィチン酸、リポ酸、リソフォスファチド酸が挙げられる。
上記抗シワ剤としては、例えば、乳酸、サリチル酸、サリチル酸誘導体、グリコール酸、フィチン酸、リポ酸、リソフォスファチド酸が挙げられる。
上記抗セルライト剤としては、例えば、キサンチン化合物、例えば、アミノフィリン、カフェイン、テオフィリン、テオブロミン等が挙げられる。
上記美白剤としては、例えば、ナイアシンアミド、コウジ酸、アルブチン、グルコサミン及び誘導体、フィトステロール誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、並びにクワ抽出物及び胎盤抽出物が挙げられる。
上記美白剤としては、例えば、ナイアシンアミド、コウジ酸、アルブチン、グルコサミン及び誘導体、フィトステロール誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、並びにクワ抽出物及び胎盤抽出物が挙げられる。
また、上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤、香料、色素、染料、顔料、植物抽出エキス等が挙げられる。上記抗炎症成分としては、例えば、天然由来の抗炎症剤、例えば、ボタン、オオゴン、オトギリソウ、カモミール、甘草、モモノハ、ヨモギ、シソエキス等、合成抗炎症剤、例えば、アラントイン、グリチルリチン酸ジカリウム等が挙げられる。
上記pH調整剤としては、肌を弱酸性に保つためのもの、例えば、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、乳酸等が挙げられる。
上記顔料としては、例えば、酸化チタンが挙げられる。
上記pH調整剤としては、肌を弱酸性に保つためのもの、例えば、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、乳酸等が挙げられる。
上記顔料としては、例えば、酸化チタンが挙げられる。
本開示の温感物品、特に、上記温感溶液は、発熱剤を含まないことが好ましい。そうすることにより、着用者が、低温やけどを起こしにくくなる。また、温感物品自体が発熱しないため、温感物品を着衣、肌当に固定するための粘着部が軟化しにくく、温感物品の使用を終え、温感物品を着衣、着用者の肌等から取り外す際に、温感物品の粘着部が、着衣、肌等に残りにくい。
上記発熱剤としては、発熱剤自体が発熱するものであれば、特に制限されず、例えば、金属粉(例えば、鉄粉)の酸化熱、酸及びアルカリの中和熱、無機塩の水和熱等の化学エネルギーを利用するものが挙げられる。
本開示の温感物品において、液透過性シートは、液透過性を有するものであれば特に制限されず、例えば、布帛(例えば、不織布、織布、編物)、開孔フィルム等から構成される。上記布帛は、温感物品の製法のしやすさの観点から不織布であることが好ましい。
上記不織布としては、例えば、エアレイドパルプ、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布、メルトブローン不織布、及びこれらの組み合わせ(例えば、SMS等)等が挙げられる。
上記不織布としては、例えば、エアレイドパルプ、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布、メルトブローン不織布、及びこれらの組み合わせ(例えば、SMS等)等が挙げられる。
上記布帛を構成する繊維としては、例えば、天然繊維、合成繊維、及び半合成繊維が挙げられる。上記天然繊維としては、パルプ繊維及び再生セルロース繊維が挙げられる。
上記再生セルロース繊維としては、レーヨン繊維、例えば、ビスコースから得られるビスコースレーヨン、ポリノジック及びモダール、セルロースの銅アンモニア塩溶液から得られる銅アンモニアレーヨン繊維(「キュプラ」とも称される);有機化合物及び水の混合溶液である有機溶剤を用いた有機溶剤紡糸法によって得られ、セルロース誘導体を経ないリヨセル及びテンセル等が挙げられる。
上記半合成繊維としては、半合成セルロース繊維、例えば、アセテート繊維、例えば、トリアセテート繊維及びジアセテート繊維が挙げられる。
上記再生セルロース繊維としては、レーヨン繊維、例えば、ビスコースから得られるビスコースレーヨン、ポリノジック及びモダール、セルロースの銅アンモニア塩溶液から得られる銅アンモニアレーヨン繊維(「キュプラ」とも称される);有機化合物及び水の混合溶液である有機溶剤を用いた有機溶剤紡糸法によって得られ、セルロース誘導体を経ないリヨセル及びテンセル等が挙げられる。
上記半合成繊維としては、半合成セルロース繊維、例えば、アセテート繊維、例えば、トリアセテート繊維及びジアセテート繊維が挙げられる。
上記合成繊維としては、例えば、熱融着性繊維、例えば、ポリオレフィン系ポリマー、例えば、ポリエチレン若しくはポリプロピレン;ポリエステル系ポリマー、例えば、テレフタレート系ポリマー、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリブチレンテレフタレート,ポリペンチレンテレフタレート;ポリアミド系ポリマー、例えば、ナイロン6若しくはナイロン6,6;アクリル系ポリマー;ポリアクリロニトリル系ポリマー;又はそれらの変性物、あるいはそれらの組み合わせ等から形成された繊維が挙げられる。
上記開孔フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンのシートに、複数の開孔部を設けたものが挙げられる。
本開示の温感物品では、温感物品のオンデマンド性を向上させる観点から、液透過性シートは、親水性又は親油性を有することができる。親水性を有する液透過性シートは、液透過性シートを構成する素材を、当技術分野で公知の親水化剤で処理する(例えば、親水化剤を塗工する、親水化剤を練り込む)ことにより形成されうる。上記親水化剤としては、例えば、アルキルホスフェートエステル塩、アルキルホスフェート金属塩等が挙げられる。また、上記親水化剤としては、例えば、炭素数が10〜30のアルキルホスフェートエステル塩と、炭素数が10〜30のベタイン化合物、硫酸エステル塩又はスルホネート塩との混合物、アルキルホスフェートエステル塩とポリエーテル変性シリコーンとの混合物等が挙げられる。
親油性を有する液透過性シートとしては、液透過性シートを構成する素材を、当技術分野で公知の親油化剤で処理する(例えば、親油化剤を塗工する、親油化剤を練り込む)ことにより形成されうる。上記親油化剤としては、脂肪酸エステル(例えば、トリグリセリド)、炭化水素(例えば、直鎖状炭化水素)が挙げられる。
本開示の温感物品では、液透過性シートが布帛である場合に、温感物品のオンデマンド性を向上させる観点から、上記液透過性シートは、好ましくは0.005〜0.060g/cm3、より好ましくは0.010〜0.050g/cm3、そしてさらに好ましくは0.020〜0.040g/cm3の繊維密度を有する。
上記繊維密度の測定方法は、後述する。
上記繊維密度の測定方法は、後述する。
本開示の温感物品では、液透過性シートが布帛である場合に、上記液透過性シートは、30g/cm2の荷重時の厚さが、3g/cm2荷重時の厚さの、好ましくは70%以下、より好ましくは60%以下、そしてさらに好ましくは50%以下である。そうすることにより、着用者が温感物品をその厚さ方向に押し込んだ際に、液透過性シートが潰れやすくなり、液透過性シートが保持する温感溶液を、着用者の肌に接触させやすくなり、ひいては温感物品のオンデマンド性が向上しやすくなる。
本開示の温感物品では、液透過性シートが布帛である場合に、上記液透過性シートは、10g/cm2の荷重時の厚さが、3g/cm2荷重時の厚さの、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、そしてさらに好ましくは90%以上である。そうすることにより、着衣等の着圧では液透過性シートが潰れにくくなり、着圧により、液透過性シートが保持する温感溶液を着用者の肌に接触させにくくなり、ひいては温感物品のオンデマンド性が向上しやすくなる。
本明細書では、30g/cm2、10g/cm2及び3g/cm2荷重時の厚さは、以下の通り測定される。
(1)温度:20±5℃及び湿度:65±5%RHの恒温恒湿室に、株式会社大栄科学精器製作所製 FS−60DSを準備し、同恒温恒湿室に、液透過性シート (以下、「サンプル」と称する)を24時間静置する。
(2)サンプルの厚さを、場所を変えて10点測定し、それらの平均値を、サンプルの厚さとして採用する。
荷重は、測定子を変更することにより調整する。荷重:3g/cm2の条件では、直径:44mmの測定子を用い、荷重:10g/cm2の条件では、直径:25mmの測定子を用い、そして荷重:30g/cm2の条件では、直径:14mmの測定子を用いる。
(1)温度:20±5℃及び湿度:65±5%RHの恒温恒湿室に、株式会社大栄科学精器製作所製 FS−60DSを準備し、同恒温恒湿室に、液透過性シート (以下、「サンプル」と称する)を24時間静置する。
(2)サンプルの厚さを、場所を変えて10点測定し、それらの平均値を、サンプルの厚さとして採用する。
荷重は、測定子を変更することにより調整する。荷重:3g/cm2の条件では、直径:44mmの測定子を用い、荷重:10g/cm2の条件では、直径:25mmの測定子を用い、そして荷重:30g/cm2の条件では、直径:14mmの測定子を用いる。
上記液透過性シートは、好ましくは10〜100g/m2、そしてより好ましくは20〜50g/m2の坪量を有する。
本開示の温感物品において、液透過性シートは、発熱性素材、断熱性素材及び吸湿性素材、並びにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される素材(以下、単に「機能性素材」と称する場合がある)を含むことができる。
液透過性シートが、上述の所定の機能性素材を含むと、着用者の蒸散、汗等による水分により、着用者の肌の主に角質層が膨潤しやすくなり、温感溶液が、角化細胞(ケラチノサイト)に主に存在するTRPチャネルに到達しやすくなる。その結果、温熱感知時間が短くなり、着用者が、温熱感知時間に痒みを覚えにくくなる。
液透過性シートが、上述の所定の機能性素材を含むと、着用者の蒸散、汗等による水分により、着用者の肌の主に角質層が膨潤しやすくなり、温感溶液が、角化細胞(ケラチノサイト)に主に存在するTRPチャネルに到達しやすくなる。その結果、温熱感知時間が短くなり、着用者が、温熱感知時間に痒みを覚えにくくなる。
上記発熱性素材としては、(i)吸湿発熱性素材(吸湿発熱性繊維、吸湿発熱性シート等)、(ii)蓄熱素材(蓄熱繊維、蓄熱シート等)、(iii)遠赤外線放射素材(遠赤外線放射繊維、遠赤外線放射シート等)が挙げられる。
上記吸湿発熱性素材としては、例えばアクリレート系素材、羊毛等が挙げられる。上記蓄熱素材としては、例えば、太陽光を吸収し、熱エネルギーに変換する物質(炭化ジルコニウム等)を含む素材、カーボン素材等が挙げられる。上記遠赤外線放射素材としては、例えば、加熱されると、遠赤外線を放射するセラミックスを含む素材が挙げられる。
上記断熱性素材としては、中空繊維、羽毛等が挙げられる。
上記吸湿性素材としては、上述の天然繊維、半合成繊維等が挙げられる。
上記断熱性素材としては、中空繊維、羽毛等が挙げられる。
上記吸湿性素材としては、上述の天然繊維、半合成繊維等が挙げられる。
具体的には、本開示の温感物品において、液透過性シートが吸湿発熱性素材、例えば、吸湿発熱性繊維を含む場合には、着用者の肌からの蒸散、汗等の水分が提供されると、吸湿発熱性繊維が発熱し、着用者が汗をかきやすくなる。次いで、着用者の汗の水分により、着用者の肌の主に角質層が膨潤し、温感溶液が、角化細胞(ケラチノサイト)に主に存在するTRPチャネルに到達しやすくなる。その結果、温熱感知時間が短くなり、着用者が、温熱感知時間に痒みを覚えにくくなる。
また、液透過性シートが、蓄熱素材又は遠赤外線放射素材を含む場合にも、着用者が汗をかきやすくなり、着用者の汗の水分により、着用者の肌の主に角質層が膨潤し、温感溶液が、角化細胞(ケラチノサイト)に主に存在するTRPチャネルに到達しやすくなる。その結果、温熱感知時間が短くなり、着用者が、温熱感知時間に痒みを覚えにくくなる。
また、液透過性シートが、蓄熱素材又は遠赤外線放射素材を含む場合にも、着用者が汗をかきやすくなり、着用者の汗の水分により、着用者の肌の主に角質層が膨潤し、温感溶液が、角化細胞(ケラチノサイト)に主に存在するTRPチャネルに到達しやすくなる。その結果、温熱感知時間が短くなり、着用者が、温熱感知時間に痒みを覚えにくくなる。
本開示の温感物品において、液透過性シートが断熱性素材を含む場合には、着用者が汗をかきやすくなり、着用者の汗の水分により、着用者の肌の主に角質層が膨潤し、温感溶液が、角化細胞(ケラチノサイト)に主に存在するTRPチャネルに到達しやすくなる。その結果、温熱感知時間が短くなり、着用者が、温熱感知時間に痒みを覚えにくくなる。
本開示の温感物品において、液透過性シートが吸湿性素材を含む場合には、吸湿性素材が、着用者の蒸散、汗等の水分を保持し、着用者の肌の主に角質層を膨潤させやすくなり、温感溶液が、角化細胞(ケラチノサイト)に主に存在するTRPチャネルに到達しやすくなる。その結果、温熱感知時間が短くなり、着用者が、温熱感知時間に痒みを覚えにくくなる。
本開示の温感物品において、液透過性シートが吸湿性素材を含む場合には、吸湿性素材が、着用者の蒸散、汗等の水分を保持し、着用者の肌の主に角質層を膨潤させやすくなり、温感溶液が、角化細胞(ケラチノサイト)に主に存在するTRPチャネルに到達しやすくなる。その結果、温熱感知時間が短くなり、着用者が、温熱感知時間に痒みを覚えにくくなる。
本開示の温感物品において、液不透過性シートの素材としては、液不透過性を有するものであれば特に制限されず、例えば、フィルム、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等から構成される透湿性フィルム、非透湿性フィルム、スパンボンド又はスパンレース等の不織布に透湿性フィルムを接合したもの、SMS等の複層不織布等が挙げられる。
本開示の温感物品では、液不透過性シートが非透湿性フィルムから構成されることが好ましい。そうすることにより、温感体及び温感体に接する着用者の肌に存在する水分、水蒸気等が、液不透過性シートを透過して温感物品の外に排出されにくくなり、着用者の肌の主に角質層が膨潤した状態を保持しやすく、温感溶液が、主に角化細胞(ケラチノサイト)に存在するTRPチャネルに到達しやすくなる。その結果、温熱感知時間が短くなり、着用者が、温熱感知時間に痒みを覚えにくくなる。
上記液不透過性シートは、好ましくは10〜50g/m2、そしてより好ましくは15〜30g/m2の坪量を有する。
上記液不透過性シートは、好ましくは10〜50g/m2、そしてより好ましくは15〜30g/m2の坪量を有する。
本開示の温感物品は、液透過性シートと液不透過性シートとの間に、追加の部材、例えば、中間シート(例えば、温感溶液保持シート)、吸収体等を含むことができる。
上記中間シートの素材としては、液透過性シートの素材として列挙されるものが挙げられる。また、上記中間シートの素材が布帛から選択され、温感溶液を含む場合には、上記中間シートは、温感溶液保持シート、並びに温感体を構成しうる。
上記中間シートの素材としては、液透過性シートの素材として列挙されるものが挙げられる。また、上記中間シートの素材が布帛から選択され、温感溶液を含む場合には、上記中間シートは、温感溶液保持シート、並びに温感体を構成しうる。
上記中間シートが温感溶液保持シート、並びに温感体を構成する場合には、上記中間シートは、温感溶液を含むことができる。上記中間シートを温感溶液保持シートとして用いる場合であって、温感溶液の溶媒が親油性溶媒であるときには、上記中間シートは、合成繊維から形成された布帛、例えば、不織布、織布、編物等であることができ、例えば、合成繊維から形成された不織布であることができる。また、上記中間シートを温感溶液保持シートとして用いる場合であって、温感溶液の溶媒が親水性溶媒であるときには、上記中間シートは、セルロース系繊維から構成される布帛、例えば、不織布、織布、編物等であることができ、例えば、パルプ繊維から構成されるティッシュ、エアレイドパルプ等であることができる。
本開示の温感物品が中間シートをさらに備え且つ中間シートが温感溶液保持シート(温感体)を構成する場合には、中間シートは、温感物品のオンデマンド性を向上させる観点から、親水性又は親油性を有することができる。親水性を有する中間シートは、中間シートを構成する素材を、当技術分野で公知の親水化剤で処理する(例えば、親水化剤を塗工する、親水化剤を練り込む)ことにより形成されうる。上記親水化剤としては、液透過性シートの説明の箇所で列挙した親水化剤が挙げられる。
親油性を有する中間シートとしては、中間シートを構成する素材を、当技術分野で公知の親油化剤で処理する(例えば、親水化剤を塗工する、親水化剤を練り込む)ことにより形成されうる。上記親油化剤としては、液透過性シートの説明の箇所で列挙した親油化剤が挙げられる。
本開示の温感物品が中間シートをさらに備え且つ中間シートが温感溶液保持シート(温感体)を構成する場合には、中間シートは、温感物品のオンデマンド性を向上させる観点から、好ましくは0.010〜0.500g/cm3、より好ましくは0.020〜0.300g/cm3、そしてさらに好ましくは0.030〜0.100g/cm3の繊維密度を有する。
上記中間シートは、好ましくは10〜200g/m2、そしてより好ましくは15〜150g/m2の坪量を有する。
上記中間シートは、好ましくは10〜200g/m2、そしてより好ましくは15〜150g/m2の坪量を有する。
本開示の温感物品では、液透過性シートが布帛である場合には、液透過性シートは、中間シートよりも、好ましくは0.005g/cm3以上、より好ましくは0.010g/cm3以上、さらに好ましくは0.015g/cm3以上、さらに好ましくは0.020g/cm3以上、さらに好ましくは0.025g/cm3以上、そしてさらに好ましくは0.030g/cm3以上の差で小さい繊維密度を有する。そうすることにより、力等の加わっていない状態では、温感溶液は、繊維密度が高い温感体に保持されやすくなり、着用者が、温感物品を押し込むと、温感溶液が液透過性シートに移動し、次いで、着用者の肌に移動しやすくなる。
また、本開示の温感物品では、液透過性シートが布帛である場合には、液透過性シートは、中間シートよりも、好ましくは0.440g/cm3以下、より好ましくは0.300g/cm3以下、さらに好ましくは0.250g/cm3以下、さらにいっそう好ましくは0.200g/cm3以下、さらにいっそう好ましくは0.150g/cm3以下、さらにいっそう好ましくは0.100g/cm3以下、さらにいっそう好ましくは0.060g/cm3以下、さらにいっそう好ましくは0.045g/cm3以下、さらにいっそう好ましくは0.040g/cm3以下、そしてさらにいっそう好ましくは0.035g/cm3以下の差で小さい繊維密度を有する。そうすることにより、着用者が、温感物品を押し込むと、温感溶液が液透過性シートに移動し、次いで、着用者の肌に移動しやすくなる。
液透過性シート及び中間シートの繊維密度は、以下の通り測定される。
(1)温度:20±5℃及び湿度:65±5%RHの恒温恒湿室に、株式会社大栄科学精器製作所製 FS−60DS[測定面:44mm(直径),測定圧:3g/cm2]を準備し、同恒温恒湿室に、液透過性シート及び/又は中間シート(以下、「サンプル」と称する)を24時間静置する。
(2)上記サンプルから、0.1m×0.1mのサイズのサンプル片を10枚採取する。
(3)各サンプル片の質量を測定し、次いで、各サンプル片の質量(g)を、各サンプル片の面積(m2)で除することにより、各サンプル片の坪量:bw(g/m2)を算出する。
(1)温度:20±5℃及び湿度:65±5%RHの恒温恒湿室に、株式会社大栄科学精器製作所製 FS−60DS[測定面:44mm(直径),測定圧:3g/cm2]を準備し、同恒温恒湿室に、液透過性シート及び/又は中間シート(以下、「サンプル」と称する)を24時間静置する。
(2)上記サンプルから、0.1m×0.1mのサイズのサンプル片を10枚採取する。
(3)各サンプル片の質量を測定し、次いで、各サンプル片の質量(g)を、各サンプル片の面積(m2)で除することにより、各サンプル片の坪量:bw(g/m2)を算出する。
(4)FS−60DSを用いて、各サンプル片の異なる5つの部位を加圧し、各部位における加圧10秒後の厚さを測定し、5つの測定値の平均値を、各サンプル片の厚さ:t(m)とする。
(5)各サンプル片において、サンプル片の坪量:bw(g/m2)を、サンプル片の厚さ:t(m)で除し、単位を調整することにより、各サンプル片の繊維密度:fd(g/cm3)を算出する。
(6)計10枚のサンプル片の繊維密度:fd(g/cm3)の平均値を算出し、当該平均値を繊維密度:FD(g/cm3)として採用する。
(5)各サンプル片において、サンプル片の坪量:bw(g/m2)を、サンプル片の厚さ:t(m)で除し、単位を調整することにより、各サンプル片の繊維密度:fd(g/cm3)を算出する。
(6)計10枚のサンプル片の繊維密度:fd(g/cm3)の平均値を算出し、当該平均値を繊維密度:FD(g/cm3)として採用する。
本開示の温感物品において、温感溶液の溶媒が親油性溶媒である場合であって、上記中間シートが温感溶液保持シート(温感体)を構成するときには、中間シートの親油性度が、液透過性シートの親油性度よりも高いことが好ましい。温感物品のオンデマンド性を向上させる観点からである。
また、本開示の温感物品において、温感溶液の溶媒が親水性溶媒である場合であって、上記中間シートが温感溶液保持シート(温感体)を構成するときには、中間シートの親水性度が、液透過性シートの親水性度よりも高いことが好ましい。温感物品のオンデマンド性を向上させる観点からである。
また、本開示の温感物品において、温感溶液の溶媒が親水性溶媒である場合であって、上記中間シートが温感溶液保持シート(温感体)を構成するときには、中間シートの親水性度が、液透過性シートの親水性度よりも高いことが好ましい。温感物品のオンデマンド性を向上させる観点からである。
上記親油性度の高低及び親水性度の高低は、以下の通り評価される。
(1)温度:20±5℃及び湿度:65±5%RHの恒温恒湿室に、協和界面化学株式会社の自動極小接触角計MCA−Jを準備し、同恒温恒湿室に、液透過性シート及び中間シート(以下、「サンプル」と称する)を24時間静置する。
(2)MCA−Jのインクジェットから、脱イオン水の微小液滴(20pL)を、測定すべきサンプルの表面(サンプルが布帛の場合には繊維の表面、サンプルがシートの場合にはシートの表面)に滴下し、微小液滴の様子を経時で録画する。
(3)サンプルの表面に微小液滴が付着した直後の画像を画像解析し、微小液滴の、サンプルの表面に対する接触角を算出する。
(4)接触角は、異なる繊維20本の計20カ所の測定値の平均値を採用する。
(5)接触角が大きいサンプルを、親油性が高いサンプル(親水性が低いサンプル)とし、接触角の小さいサンプルを、親油性の低いサンプル(親水性の高いサンプル)とする。
(1)温度:20±5℃及び湿度:65±5%RHの恒温恒湿室に、協和界面化学株式会社の自動極小接触角計MCA−Jを準備し、同恒温恒湿室に、液透過性シート及び中間シート(以下、「サンプル」と称する)を24時間静置する。
(2)MCA−Jのインクジェットから、脱イオン水の微小液滴(20pL)を、測定すべきサンプルの表面(サンプルが布帛の場合には繊維の表面、サンプルがシートの場合にはシートの表面)に滴下し、微小液滴の様子を経時で録画する。
(3)サンプルの表面に微小液滴が付着した直後の画像を画像解析し、微小液滴の、サンプルの表面に対する接触角を算出する。
(4)接触角は、異なる繊維20本の計20カ所の測定値の平均値を採用する。
(5)接触角が大きいサンプルを、親油性が高いサンプル(親水性が低いサンプル)とし、接触角の小さいサンプルを、親油性の低いサンプル(親水性の高いサンプル)とする。
上記吸収体としては、コアラップが、パルプ繊維及び高分子吸収剤を含む吸収コアを覆っているもの、コアラップが、高分子吸収剤を含む吸収コア又は高分子吸収剤から成る吸収コアを覆っているもの等が挙げられる。上記コアラップとしては、上述の中間シートが挙げられる。上記吸収体を備える温感物品としては、吸収性物品が挙げられる。
本開示の温感物品は、当該温感物品を着衣、着用者の肌等に固定する粘着部を備えることができ、当該粘着部としては、ホットメルト接着剤、例えば、例えば、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン(SEBS)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)等のゴム系を主体とした、又は直鎖状低密度ポリエチレン等のオレフィン系を主体とした感圧型接着剤又は感熱型接着剤;水溶性高分子(例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシルメチルセルロース、ゼラチン等)又は水膨潤性高分子(例えば、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸ナトリウム等)からなる感水性接着剤等が挙げられる。
本開示の温感物品は、使用される前に包装シートで包装されていることが好ましい。温感物品が保持する温感溶液を保護する観点、温感物品が保持する温感溶液を外部に漏らさない観点等からである。例えば、本開示の温感物品は、一又は複数の温感物品が包装シートで包装された包装体であることが好ましく、そして1つの温感物品が包装シートで包装された個包装体であることがより好ましい。
上記包装シートの素材としては、例えば、ポリオレフィン系ポリマー、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレンが挙げられる。上記包装シートは、上記個包装体の気密性を高める観点から、気密層を含んでもよく、そして当該気密層の素材としては、例えば、エチレンビニルアルコールコポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、例えば、塩化ビニリデンメチルアクリレートコポリマー、ポリビニルアルコール、ナイロン、例えば、ナイロン6、アルミ箔、基材フィルム(ポリエチレンテレフタレート等)上にアルミナ、シリカ等が蒸着されたものが挙げられる。
本開示の温感物品は、温感溶液を含むものであれば特に制限されず、例えば、吸収性物品、温感シート等が挙げられる。
上記吸収性物品としては、特に制限されず、吸収体を備えるもの、例えば、生理用ナプキン、ショーツ型生理用ナプキン、パンティーライナー、使い捨ておむつ、失禁パッド、陰唇間パッド、タンポン、産褥パッド、母乳パッド、痔用パッド、汗取りパッド、褥瘡シート(ドレッシングシート)、ペット用オムツ、ペット用シート等が挙げられる。
上記吸収性物品としては、特に制限されず、吸収体を備えるもの、例えば、生理用ナプキン、ショーツ型生理用ナプキン、パンティーライナー、使い捨ておむつ、失禁パッド、陰唇間パッド、タンポン、産褥パッド、母乳パッド、痔用パッド、汗取りパッド、褥瘡シート(ドレッシングシート)、ペット用オムツ、ペット用シート等が挙げられる。
上記吸収性物品では、温感溶液を含む温感体は、吸収性物品の平面方向において、吸収体と、吸収性物品の厚さ方向に重複しない位置、吸収体と、吸収性物品の厚さ方向に重複する位置、それらの任意の組み合わせの位置等に配置されうる。上記吸収性物品では、温感溶液を含む温感体は、吸収性物品の厚さ方向において、液透過性シート、上述の中間シート、吸収体、それらの任意の組み合わせ等に配置されうる。
上記吸収性物品は、液透過性シートと、液不透過性シートと、液透過性シート及び液不透過性シートの間の吸収体とを備えるのが一般的である。
上記吸収性物品は、液透過性シートと、液不透過性シートと、液透過性シート及び液不透過性シートの間の吸収体とを備えるのが一般的である。
なお、温感溶液は吸収性物品を構成する資材上又は資材内部を移動する場合があり、温感溶液が配置された資材に隣接する資材の一部が、温感領域を形成する場合がある。例えば、温感溶液が中間シートに配置された場合に、液透過性シートが布帛から構成されるときには、温感溶液の一部が、例えば、隣接する液透過性シートの、中間シート側の領域に、主に吸収性物品の厚さ方向に移動し、液透過性シートの、中間シート側の領域が、温感領域を形成する場合がある。また、温感溶液が液透過性シートに配置された場合には、温感溶液の一部が、例えば、隣接する中間シートの、液透過性シート側の領域、又は隣接する吸収体の、液透過性シート側の領域に、主に吸収性物品の厚さ方向に移動し、中間シートの、液透過性シート側の領域、又は吸収体の、液透過性シート側の領域が、温感領域を形成する場合がある。
上記温感シートとしては、例えば、着衣固定タイプの温感シート(例えば、液不透過性シートの着衣当接面に、着用者の着衣に固定するための粘着部を備え、上記粘着部を着衣の内面に貼付して使用するもの)、肌固定タイプの温感シート(例えば、液透過性シートの肌当接面(例えば、温感シートの周縁)に、着用者の肌に固定するための粘着部を備え、上記粘着部を着用者の肌に貼付して使用するもの)が挙げられる。
着衣固定タイプの温感シートが固定される着衣としては、特に制限されず、例えば、着用者の肌に直接接する部分を有し、好ましくは着用者にフィットして用いられるものが挙げられる。上記着衣としては、例えば、下着(例えば、ショーツ、シャツ、ブラジャー等)、上着(例えば、上衣、下衣)、靴下、手袋、マフラー、フェイスマスク、アイマスク等が挙げられる。
上記温感シートが温感を付与しうる部位としては、特に制限されず、例えば、頭(例えば、顔部、例えば、眼部)、首、上肢(例えば、胸部、腹部、鼠径部、背中部、腰部、上腕部、前腕部、手部)、下肢(例えば、大腿部、下腿部、足部)等が挙げられる。
上記温感シートでは、温感溶液は、液透過性シート、上述の中間シート等に保持されうる。
上記温感シートでは、温感溶液は、液透過性シート、上述の中間シート等に保持されうる。
上記温感シートでは、温感溶液を含む温感体は、温感シートの平面方向において、全面、中央部、周縁部、それらの任意の組み合わせの位置等に配置されうる。上記温感シートでは、温感溶液を含む温感体は、温感シートの厚さ方向において、液透過性シート、上述の中間シート、それらの任意の組み合わせ等に配置されうる。
上記温感シートは、液不透過性シートと、液透過性シートとを少なくとも備えるのが一般的である。
上記温感シートは、液不透過性シートと、液透過性シートとを少なくとも備えるのが一般的である。
なお、温感溶液は温感シートを構成する資材上又は資材内部を移動する場合があり、温感溶液が配置された資材に隣接する資材の一部が、温感領域を形成する場合がある。例えば、温感溶液が中間シートに配置された場合に、液透過性シートが布帛から構成されるときには、温感溶液の一部が、例えば、隣接する液透過性シートの、中間シート側の領域に、主に温感シートの厚さ方向に移動し、液透過性シートの、中間シート側の領域が、温感領域を形成する場合がある。また、温感溶液が液透過性シートに配置された場合には、温感溶液の一部が、例えば、隣接する中間シートの、液透過性シート側の領域に、主に温感シートの厚さ方向に移動し、中間シートの、液透過性シート側の領域が、温感領域を形成する場合がある。
本開示の温感物品では、温感物品の、温感体と重複する領域の厚さが、温感物品の温感体と重複しない領域の厚さよりも厚いことが好ましい。そうすることにより、着用者が、温感体と重複する領域を押し込みやすくなり、ひいては温感体から温感溶液が放出されやすくなり、着用者が温感をより制御しやすくなる。
以下、例を挙げて本開示を説明するが、本開示はこれらの例に限定されるものではない。
[製造例1]
温感物品として、第1実施形態に従う生理用ナプキンNo.1を製造した。吸収本体及び温感本体における液透過性シートは、温感溶液保持シートと、生理用ナプキンの厚さ方向に重複する部分を、親油化剤で処理し、親油性を有するエアスルー不織布(構成繊維:熱融着性繊維,坪量:30g/m2,繊維密度:0.03g/cm3,それ以外の部分は親水化剤で処理した)であり、温感溶液保持シートは、全面が親油化剤で処理された、親油性を有するエアスルー不織布(構成繊維:熱融着性繊維,坪量:60g/m2,繊維密度:0.06g/cm3)から構成され、温感溶液が、温感剤の坪量が1.0g/m2となるような量で塗工されていた。なお、温感溶液は、温感剤としてのバニリルブチルエーテル(10.0質量%)と、親油性溶媒としてのイソノナン酸イソノニルとから構成されていた。液不透過性シートは、ポリエチレンフィルム(坪量:24g/m2)であった。
[製造例1]
温感物品として、第1実施形態に従う生理用ナプキンNo.1を製造した。吸収本体及び温感本体における液透過性シートは、温感溶液保持シートと、生理用ナプキンの厚さ方向に重複する部分を、親油化剤で処理し、親油性を有するエアスルー不織布(構成繊維:熱融着性繊維,坪量:30g/m2,繊維密度:0.03g/cm3,それ以外の部分は親水化剤で処理した)であり、温感溶液保持シートは、全面が親油化剤で処理された、親油性を有するエアスルー不織布(構成繊維:熱融着性繊維,坪量:60g/m2,繊維密度:0.06g/cm3)から構成され、温感溶液が、温感剤の坪量が1.0g/m2となるような量で塗工されていた。なお、温感溶液は、温感剤としてのバニリルブチルエーテル(10.0質量%)と、親油性溶媒としてのイソノナン酸イソノニルとから構成されていた。液不透過性シートは、ポリエチレンフィルム(坪量:24g/m2)であった。
[製造例2]
液透過性シートとしての「親水性を有するエアスルー不織布」を、親水化剤に処理された、『親水性を有するエアスルー不織布』に変更した以外は、製造例1と同様にして、生理用ナプキンNo.2を製造した。
液透過性シートとしての「親水性を有するエアスルー不織布」を、親水化剤に処理された、『親水性を有するエアスルー不織布』に変更した以外は、製造例1と同様にして、生理用ナプキンNo.2を製造した。
[製造例3]
温感物品として、第4実施形態に従う温感シートNo.1を製造した。液透過性シートは、親水化剤で処理されたエアスルー不織布(構成繊維:熱融着性繊維,坪量:30g/m2,繊維密度:0.03g/cm3)であり、温感溶液保持シートは、油剤(親水化剤又は親油化剤)で処理されておらず、親水性を有するエアレイドパルプ(構成繊維:パルプ繊維,坪量:100g/m2,繊維密度:0.06g/cm3)から構成され、温感溶液が、温感剤の坪量が1.0g/m2となるような量で塗工されていた。なお、温感溶液は、温感剤としてのバニリルブチルエーテル(0.3質量%)と、界面活性剤(1.2質量%)と、親水性溶媒としての水とから構成されていた。液不透過性シートは、ポリエチレンフィルム(坪量:24g/m2)であった。
温感物品として、第4実施形態に従う温感シートNo.1を製造した。液透過性シートは、親水化剤で処理されたエアスルー不織布(構成繊維:熱融着性繊維,坪量:30g/m2,繊維密度:0.03g/cm3)であり、温感溶液保持シートは、油剤(親水化剤又は親油化剤)で処理されておらず、親水性を有するエアレイドパルプ(構成繊維:パルプ繊維,坪量:100g/m2,繊維密度:0.06g/cm3)から構成され、温感溶液が、温感剤の坪量が1.0g/m2となるような量で塗工されていた。なお、温感溶液は、温感剤としてのバニリルブチルエーテル(0.3質量%)と、界面活性剤(1.2質量%)と、親水性溶媒としての水とから構成されていた。液不透過性シートは、ポリエチレンフィルム(坪量:24g/m2)であった。
[製造例4]
温感溶液保持シートを、全面が親油化剤で処理された、親油性を有するエアスルー不織布(構成繊維:熱融着性繊維,坪量:30g/m2,繊維密度:0.03g/cm3)に変更した以外は、製造例1と同様にして、生理用ナプキンNo.3を製造した。
[製造例5]
温感溶液保持シートを、全面が親油化剤で処理された、親油性を有するエアスルー不織布(構成繊維:熱融着性繊維,坪量:30g/m2,繊維密度:0.03g/cm3)に変更した以外は、製造例3と同様にして、温感シートNo.2を製造した。
温感溶液保持シートを、全面が親油化剤で処理された、親油性を有するエアスルー不織布(構成繊維:熱融着性繊維,坪量:30g/m2,繊維密度:0.03g/cm3)に変更した以外は、製造例1と同様にして、生理用ナプキンNo.3を製造した。
[製造例5]
温感溶液保持シートを、全面が親油化剤で処理された、親油性を有するエアスルー不織布(構成繊維:熱融着性繊維,坪量:30g/m2,繊維密度:0.03g/cm3)に変更した以外は、製造例3と同様にして、温感シートNo.2を製造した。
[実施例1〜3,並びに比較例1及び2]
複数の被験者のそれぞれに、生理用ナプキンNo.1〜No.3、温感シートNo.1及びNo.2を着用してもらい、それらを押し込むことにより、温感を調整しやすいか否かの温感調整性について、1〜4の4段階(1:調整しにくい、4:調整しやすい)の評価値で評価してもらった。結果(平均値を四捨五入し、整数としたもの)を表1に示す。
複数の被験者のそれぞれに、生理用ナプキンNo.1〜No.3、温感シートNo.1及びNo.2を着用してもらい、それらを押し込むことにより、温感を調整しやすいか否かの温感調整性について、1〜4の4段階(1:調整しにくい、4:調整しやすい)の評価値で評価してもらった。結果(平均値を四捨五入し、整数としたもの)を表1に示す。
1 生理用ナプキン
3 吸収本体
5 温感本体
7 液透過性シート
9 液不透過性シート
11 吸収体
13 温感溶液保持シート
15 形状保持部材
17 重複部
19 着衣
21 粘着部
23 フラップ部
25 シール部
27 エンボス部
29 包装シート
31 温感体
L 長手方向
W 幅方向
T 厚さ方向
F1 長手方向第1折軸
F2 長手方向第2折軸
F3 幅方向第1折軸
F4 幅方向第2折軸
F5 幅方向第3折軸
F6 折軸
3 吸収本体
5 温感本体
7 液透過性シート
9 液不透過性シート
11 吸収体
13 温感溶液保持シート
15 形状保持部材
17 重複部
19 着衣
21 粘着部
23 フラップ部
25 シール部
27 エンボス部
29 包装シート
31 温感体
L 長手方向
W 幅方向
T 厚さ方向
F1 長手方向第1折軸
F2 長手方向第2折軸
F3 幅方向第1折軸
F4 幅方向第2折軸
F5 幅方向第3折軸
F6 折軸
Claims (9)
- 温感物品が、剥離性を有する内面を備える包装シートに包装されている、温感物品の個包装体であって、
前記温感物品が、液透過性シートと、液不透過性シートと、前記液透過性シート及び前記液不透過性シートの間の温感体と、前記温感物品を着用者の着衣に固定するための、一方の面及び他方の面を有する粘着部とを備えており、
前記温感体が、布帛から構成されているとともに、TRPチャネルを活性化する温感剤を含み、
前記粘着部の前記一方の面が、前記液不透過性シートに固定され、前記粘着部の前記他方の面が、前記包装シートの前記内面に仮固定されている、
ことを特徴とする、前記個包装体。 - 前記温感体が、前記温感剤を、前記温感剤及び溶媒を含む温感溶液として含んでいる、請求項1に記載の個包装体。
- 前記溶媒が、親油性溶媒である、請求項2に記載の個包装体。
- 前記温感体の前記布帛の親油性度が、前記液透過性シートの親油性度よりも高い、請求項3に記載の個包装体。
- 前記温感体を構成する前記布帛が、不織布、織布及び編物、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の個包装体。
- 前記液透過性シートが布帛から構成されており、前記温感体の前記布帛の繊維密度が、前記液透過性シートの前記布帛の繊維密度よりも高い、請求項1〜5のいずれか一項に記載の個包装体。
- 前記液透過性シートにおいて、30g/cm2の荷重時の厚さが、3g/cm2荷重時の厚さの70%以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の個包装体。
- 前記温感物品の厚さ方向において、前記温感物品の前記温感体と重複する領域の厚さが、前記温感物品の前記温感体と重複しない領域の厚さよりも厚い、請求項1〜7のいずれか一項に記載の個包装体。
- 前記温感物品が、生理用ナプキン、パンティーライナー、使い捨ておむつ及びショーツ型生理用ナプキンからなる群から選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の個包装体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020003733U JP3229293U (ja) | 2020-09-01 | 2020-09-01 | 温感物品の個包装体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020003733U JP3229293U (ja) | 2020-09-01 | 2020-09-01 | 温感物品の個包装体 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019229402A Continuation JP2020039965A (ja) | 2019-12-19 | 2019-12-19 | 温感物品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3229293U true JP3229293U (ja) | 2020-12-03 |
Family
ID=73544531
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020003733U Active JP3229293U (ja) | 2020-09-01 | 2020-09-01 | 温感物品の個包装体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3229293U (ja) |
-
2020
- 2020-09-01 JP JP2020003733U patent/JP3229293U/ja active Active
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