JP2019068398A - スピーカシステム、及び、信号処理方法 - Google Patents

スピーカシステム、及び、信号処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】広い周波数帯域の信号に対して指向性の制御が可能なスピーカシステムを提供する。【解決手段】スピーカシステムは、複数の第一スピーカによって構成されるスピーカアレー10、及び、第一フィルタアレーを備える。スピーカアレー10から出力される再生音の指向性の複数の第一スピーカ10aの並び方向におけるピークは、第一フィルタアレーによって行われる第一フィルタ処理によって壁面側に寄っている。【選択図】図6

Description

本開示は、特定の領域に位置するユーザにのみ再生音を聞こえさせるスポット再生が可能なスピーカシステムに関する。
再生対象の信号を信号処理し、スピーカアレーによって再生することで、特定方向にのみ大きく聞こえる音を出力するスピーカシステムが知られている(例えば、特許文献1、2、非特許文献1参照)。このようなスピーカシステムは、音を必要な人だけに提供することができる。例えば、自動車内の空間において、特定の座席に着座しているユーザにだけ音を提供することができる。住居内においては、特定の場所にのみ、音を提供することができる。あるいは、同一空間内の2箇所に別々の音を提供することができる。
特開2008−252189号公報 特開2015−231087号公報
松本康志、西川清 "一定サイドローブ量の指向性アレイスピーカの設計方法" 電子情報通信学会 信学技報 2004−74 p13〜18
ところで、上記のようなスピーカシステムにおいては、広い周波数帯域の信号に対して指向性を制御できることが望ましい。
本開示は、広い周波数帯域の信号に対して指向性の制御が可能なスピーカシステム及び信号処理方法を提供する。
本開示のスピーカシステムは、各々に第一フィルタ処理及び増幅処理が行われた第一信号が入力される直線状に配置された複数の第一スピーカによって構成されるスピーカアレーと、前記第一フィルタ処理を行う第一フィルタアレーと、前記増幅処理を行うマルチチャンネルアンプとを備え、前記スピーカアレーは前記複数の第一スピーカの並び方向と交差する壁面を有する再生空間に配置され、前記スピーカアレーから出力される、前記第一信号に対応する再生音の指向性の前記並び方向におけるピークは、前記第一フィルタ処理によって前記壁面側に寄っている。
本開示によれば、広い周波数帯域の信号に対して指向性の制御が可能なスピーカシステム及び信号処理方法が実現される。
図1は、実施の形態1に係るスピーカシステムが配置された自動車の車内を示す上面図である。 図2は、図1の領域IIの拡大図である。 図3は、実施の形態1に係るスピーカシステムが配置された自動車の車内を示す側面図である。 図4は、実施の形態1に係るスピーカアレーがダッシュボードに配置された自動車の車内を示す側面図である。 図5は、実施の形態1に係るスピーカシステムの機能構成を示すブロック図である。 図6は、実施の形態1に係るスピーカアレーから出力される再生音の指向性を示す図である。 図7は、比較例に係るスピーカアレーの指向性を示す図である。 図8は、比較例に係るスピーカアレーの長さLと有効距離との関係を示す図である。 図9は、実施の形態1に係るスピーカアレーの指向性を説明するための図である。 図10は、実施の形態2に係るスピーカシステムの機能構成を示すブロック図である。 図11は、実施の形態2において、スピーカアレーから出力される再生音の指向性を示す図である。 図12は、実施の形態2の変形例に係るスピーカシステムの機能構成を示すブロック図である。 図13は、実施の形態3に係るスピーカシステムの機能構成を示すブロック図である。 図14は、実施の形態3において、スピーカアレーから出力される再生音の指向性を示す図である。 図15は、実施の形態3に係るスピーカシステムの適用例を示す図である。
本開示の一態様に係るスピーカシステムは、各々に第一フィルタ処理及び増幅処理が行われた第一信号が入力される直線状に配置された複数の第一スピーカによって構成されるスピーカアレーと、前記第一フィルタ処理を行う第一フィルタアレーと、前記増幅処理を行うマルチチャンネルアンプとを備え、前記スピーカアレーは前記複数の第一スピーカの並び方向と交差する壁面を有する再生空間に配置され、前記スピーカアレーから出力される、前記第一信号に対応する再生音の指向性の前記並び方向におけるピークは、前記第一フィルタ処理によって前記壁面側に寄っている。
これにより、スピーカシステムは、指向性の制御が可能な周波数帯域の下限周波数を下げることができる。つまり、比較的広い周波数帯域の信号に対して指向性の制御が可能なスピーカシステムが実現される。
また、例えば、前記ピークは、前記壁面上に位置する。
これにより、スピーカシステムは、指向性の制御が可能な周波数帯域の下限周波数を後述の図7に示される同じ長さのスピーカアレーを有する比較例に係るスピーカシステムの2分の1に下げることができる。つまり、比較的広い周波数帯域の信号に対して指向性の制御が可能なスピーカシステムが実現される。
また、例えば、前記複数の第一スピーカは、間隔Dで等間隔に配置され、前記複数の第一スピーカのうち前記壁面側の端に位置する第一スピーカと前記壁面との間隔は、D/2である。
これにより、第一信号に対応する再生音の指向性のピークを壁面上に位置させることが容易となる。
また、例えば、前記第一信号は、再生対象の信号の低音成分であり、前記スピーカシステムは、さらに、前記再生対象の信号を、前記第一信号、及び、前記再生対象の信号の高音成分である第二信号に分割する周波数フィルタ部と、前記第二信号に第二フィルタ処理を行う第二フィルタアレーと、前記第一フィルタ処理後の前記第一信号である第三信号に、前記第二フィルタ処理後の前記第二信号である第四信号の加算処理を行う加算部とを備え、前記マルチチャンネルアンプは、前記加算処理が行われた前記第三信号に前記増幅処理を行い、前記複数の第一スピーカの少なくとも一部の各々には、前記加算処理及び前記増幅処理が行われた前記第三信号が入力され、前記複数の第一スピーカの少なくとも一部から出力される、前記第二信号に対応する再生音の指向性の前記並び方向におけるピークは、前記第二フィルタ処理によって前記スピーカアレーの中央部に位置する。
これにより、ユーザは、聴感上、再生音が正面から到来しているように感じる。つまり、ユーザが再生音の聞こえ方に違和感を感じてしまうことが抑制される。
また、例えば、前記複数の第一スピーカの一部の各々には、前記加算処理及び前記増幅処理が行われた前記第三信号が入力され、前記複数の第一スピーカの他の一部の各々には、前記加算処理及び前記増幅処理のうち前記増幅処理のみが行われた前記第三信号が入力される。
これにより、スピーカシステムは、複数の第一スピーカの一部から、第一信号に対応する低音、及び、第二信号に対応する高音を出力し、複数の第一スピーカの他の一部から第一信号に対応する低音を出力することができる。
また、例えば、前記複数の第一スピーカの他の一部は、前記スピーカアレーの前記並び方向における両端部に位置する。
これにより、両端部に位置する第一スピーカからは、第一信号に対応する低音のみが出力され、第二信号に対応する高音は出力されない。したがって、スピーカアレーが出力する再生音の高音成分を他のユーザに聞こえにくくすることができる。
また、例えば、前記複数の第一スピーカの各々には、前記加算処理及び前記増幅処理が行われた前記第三信号が入力される。
これにより、スピーカシステムは、複数の第一スピーカのそれぞれから、第一信号に対応する低音、及び、第二信号に対応する高音を出力することができる。
また、例えば、前記スピーカアレーは、さらに、直線状に配置された複数の第二スピーカを含み、前記複数の第二スピーカの各々には、前記マルチチャンネルアンプによって増幅処理が行われた、前記第四信号が入力され、前記複数の第一スピーカの少なくとも一部と、前記複数の第二スピーカとは交互に配置され、前記複数の第一スピーカの少なくとも一部、及び、前記複数の第二スピーカから出力される、前記第二信号に対応する再生音の指向性の前記並び方向におけるピークは、前記第二フィルタ処理によって前記スピーカアレーの中央部に位置する。
これにより、スピーカシステムは、指向性の制御が可能な周波数帯域の上限周波数を上げることができる。つまり、比較的広い周波数帯域の信号に対して指向性の制御が可能なスピーカシステムが実現される。
また、例えば、前記複数の第一スピーカは、間隔Dで等間隔に配置され、前記複数の第二スピーカは、前記間隔Dで等間隔に配置される。
これにより、第二信号(高音成分)に対してスピーカが間隔D/2で配置されれば、スピーカシステムは、スピーカが間隔Dで配置されているときよりも、指向性の制御が可能な周波数帯域の上限周波数を上げることができる。つまり、比較的広い周波数帯域の信号に対して指向性の制御が可能なスピーカシステムが実現される。
また、例えば、前記スピーカアレーは、自動車の天井部に配置される。
これにより、特定の座席に着座したユーザからスピーカアレーまでの距離が、特定の座席以外の他の座席に着座したユーザからスピーカアレーまでの距離に比べて非常に近くなる。このため、距離減衰によって生じる音圧差を広げることができ、スピーカアレーが出力する再生音を他の座席に着座したユーザに聞こえにくくすることができる。
また、例えば、前記スピーカアレーは、自動車のダッシュボードに配置される。
これにより、スピーカアレーを運転席または助手席に着座したユーザの真正面に配置できるため、当該ユーザは、再生音が正面から聞こえることにより、自然な聴感を得ることができる。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
例えば、本開示の一態様に係る信号処理方法は、スピーカシステムによって実行される信号処理方法であって、前記スピーカシステムは、各々に第一フィルタ処理及び増幅処理が行われた第一信号が入力される直線状に配置された複数の第一スピーカによって構成されるスピーカアレーと、前記第一フィルタ処理を行う第一フィルタアレーと、前記増幅処理を行うマルチチャンネルアンプとを備え、前記スピーカアレーは前記複数の第一スピーカの並び方向と交差する壁面を有する再生空間に配置され、前記信号処理方法は、前記スピーカアレーから出力される、前記第一信号に対応する再生音の指向性の前記並び方向におけるピークを、前記第一フィルタ処理によって前記壁面側に寄せる。
これにより、信号処理方法は、指向性の制御が可能な周波数帯域の下限周波数を下げることができる。つまり、比較的広い周波数帯域の信号に対して指向性の制御が可能な信号処理方法が実現される。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
(実施の形態1)
[スピーカシステムの構成]
以下、実施の形態1に係るスピーカシステムについて図面を参照しながら説明する。実施の形態1では、スピーカシステムが自動車の車内に配置される例について説明する。図1は、スピーカシステムが配置された自動車の車内を示す上面図である。図2は、図1の領域IIの拡大図である。図3は、スピーカシステムが配置された自動車の車内を示す側面図である。
図1〜図3に示されるスピーカシステム100は、指向性を有する再生音を出力することにより、特定の領域に位置するユーザにのみ再生音を聞こえさせるスポット再生に用いられる。実施の形態1では、スピーカシステム100は、自動車200の車内に配置され、運転席230に着座したユーザにのみ再生音が聞こえるように当該再生音に指向性を与える。スピーカシステム100は、直線状に配置された複数の第一スピーカ10aによって構成されるスピーカアレー10を備える。複数の第一スピーカ10aの数は、特に限定されない。
図2に示されるように、複数の第一スピーカ10aは、例えば、間隔Dで等間隔に配置される。複数の第一スピーカ10aのうち壁面220a側の端に位置する第一スピーカ10aと壁面220aとの間隔は、D/2である。なお、第一スピーカ10aの間隔とは、第一スピーカ10aの出音軸(中心軸)間の距離を意味する。第一スピーカ10aと壁面220aとの間隔とは、第一スピーカ10aの出音軸と壁面220aとの距離を意味する。
スピーカアレー10は、自動車200の車内空間に配置される。自動車200の車内空間は、天井部210、及び、窓ガラス等を含む側壁220などによって囲まれた閉空間である。側壁220は、運転席230に着座したユーザと対向する壁面220aを有する。
スピーカアレー10は、具体的には、自動車200の車内の天井部210に配置される。スピーカアレー10は、自動車200の運転席230に着座したユーザの前方に、当該ユーザと対向するように配置され、当該ユーザに向けて再生音を出力する。スピーカアレー10は、当該スピーカアレー10の長手方向、つまり、複数の第一スピーカ10aの並び方向がユーザの左右方向に沿うように配置される。
このように、スピーカアレー10が天井部210に配置されれば、運転席230に着座したユーザからスピーカアレー10までの距離が、助手席または後部座席に着座したユーザからスピーカアレー10までの距離に比べて非常に近くなる。このため、距離減衰によって生じる音圧差を広げることができ、スピーカアレー10が出力する再生音を運転席230以外の座席に着座したユーザに聞こえにくくすることができる。
なお、図4に示されるように、スピーカアレー10は、自動車200のダッシュボード240に配置されてもよい。図4は、スピーカアレー10がダッシュボード240に配置された自動車200の車内を示す側面図である。この場合も、スピーカアレー10は、自動車200の運転席230に着座したユーザの前方に、当該ユーザと対向するように配置され、当該ユーザに向けて再生音を出力する。スピーカアレー10は、当該スピーカアレー10の長手方向がユーザの左右方向に沿うように配置される。
スピーカアレー10がダッシュボード240に配置されれば、スピーカアレー10を運転席に着座したユーザの真正面に配置できるため、当該ユーザは、再生音が正面から聞こえることにより、自然な聴感を得ることができる。
[スピーカシステムの機能構成]
次に、スピーカシステム100の機能構成について説明する。図5は、スピーカシステム100の機能構成を示すブロック図である。
図5に示されるように、スピーカシステム100は、スピーカアレー10と、第一フィルタアレー21と、マルチチャンネルアンプ30とを備える。
第一フィルタアレー21は、第一フィルタ処理を行う。第一フィルタアレー21は、具体的には、複数の第一フィルタ21aによって構成される。複数の第一フィルタ21aは、複数の第一スピーカ10aに1対1で対応する。第一フィルタアレー21は、例えば、2次元デジタルフィルタであり、複数の第一フィルタ21aのそれぞれは、例えば、1次元デジタルフィルタ(デジタル信号処理を行うフィルタ回路)によって実現される。
複数の第一フィルタ21aのそれぞれは、再生対象の信号を取得し、取得された再生対象の信号に第一フィルタ処理を行う。実施の形態1では、再生対象の信号は、第一信号の一例である。第一フィルタ処理の具体的な処理内容は、例えば、第一フィルタ21aごとに異なる。このような第一フィルタ処理が行われた再生対象の信号に基づいて複数の第一スピーカ10aのそれぞれが音を出力することにより、スピーカアレー10から出力される再生音に図6に示されるような指向性が与えられる。図6は、スピーカアレー10から出力される再生音の指向性を示す図である。なお、スピーカアレー10から出力される再生音は、言い換えれば、複数の第一スピーカ10a全体を1つのスピーカとして捉えた場合に、当該スピーカから出力される再生音である。
図6に示されるように、スピーカアレー10から出力される再生音の指向性は、壁面220aから遠いほど低くなる。再生音の指向性の複数の第一スピーカ10aの並び方向におけるピークは、上記第一フィルタ処理によって中央部よりも壁面220a側に寄っている。指向性の低い部分は、例えば、上記第一フィルタ処理によって複数の第一スピーカ10aのそれぞれから出力される音が打ち消されることによって形成されている。このような再生音の指向性によって得られる効果については後述される。
マルチチャンネルアンプ30は、増幅処理を行う。マルチチャンネルアンプ30は、具体的には、複数の増幅器30aによって構成される。複数の増幅器30aは、複数の第一スピーカ10a及び複数の第一フィルタ21aのそれぞれに1対1で対応する。複数の増幅器30aのそれぞれは、対応する第一フィルタ21aの出力信号を増幅して対応する第一スピーカ10aに出力する。複数の増幅器30aのそれぞれは、例えば、オペアンプなどによって実現される。
このように、複数の第一スピーカ10aの各々には、第一フィルタ処理及び増幅処理が行われた再生対象の信号が入力される。スピーカアレー10は、このような複数の第一スピーカ10aが直線状に配置されることによって構成される。スピーカアレー10からは、再生対象の信号に対応する再生音が出力される。
[スピーカアレーの指向性によって得られる効果]
次に、図6に示されるような、第一フィルタ処理によって実現される指向性(以下、スピーカアレー10の指向性とも記載する)によって得られる効果について、比較例を参照しながら説明する。図7は、比較例に係るスピーカアレーの指向性を示す図である。
比較例に係るスピーカアレー90の指向性のピークは、当該スピーカアレー90を構成する複数のスピーカの並び方向の中央部分に位置する。比較例に係るスピーカアレー90の指向性は、当該スピーカアレー90を構成する複数のスピーカの並び方向の端部に近づくほど低くなる。これにより、車室内で、特定の座席(例えば、運転席)に着座したユーザにのみスピーカアレー90からの音が大きく聞こえるようになる。このような指向性を形成するための具体的手法については、例えば、非特許文献1に開示されている。非特許文献1には、周波数領域で時間周波数別に空間窓を空間領域(または空間周波数領域)で設計し、時間周波数が高くなるほど空間窓の窓幅を狭くする(空間周波数領域では通過域を広くする)という手法が開示されている。
しかしながら、比較例に係るスピーカアレー90の指向性は、当該スピーカアレー90が配置される空間において音の反射がないことが前提とされている。比較例に係るスピーカアレー90が壁面220aを有する空間に配置された場合、壁面220aにおいて生じる反射音で音場が乱され、所望の指向性を得ることができないという課題がある。
また、もう一つの課題として、スピーカアレー90の長さに制約がある場合、指向性の制御が可能な周波数帯域(以下、制御帯域とも記載される)の下限周波数が制限されるという課題がある。なぜなら、制御帯域の下限周波数は、スピーカアレー90の長手方向の長さLに反比例するからである。図8は、スピーカアレー90の長さLと有効距離との関係を示す図である。
図8において、有効距離は、当該有効距離が長いほど指向性の制御が容易であることを示すパラメータである。図8に示されるように、同一の周波数であれば、スピーカアレー90の長さLが長いほど、指向性の制御が容易であり、制御帯域の下限周波数を下げることができる。車室内の空間などの狭い空間においては、スピーカアレー90の長さに制約があるため、制御帯域の下限周波数が制限される。
ここで、スピーカアレー10の指向性を実現するための第一フィルタ処理は、図9に示されるように、壁面220aを対称面とした長さLの仮想スピーカアレー10vを含めて合計2Lの長さのスピーカアレーに、図7のような中央部分(壁面220a上)にピークが位置する指向性が与えられるように設計されている。図9は、スピーカアレー10の指向性を説明するための図である。
具体的には、スピーカアレー10の指向性においては、壁面220aにおける再生音の反射を考慮して、仮想スピーカアレー10vから出力される音をスピーカアレー10が出力する音の壁面220aにおける反射音によって実現している。スピーカアレー10の指向性は、図9において実線によって示され、当該指向性の並び方向におけるピークは、第一フィルタ処理によって壁面220a上に位置している。
これにより、スピーカアレー10の長さはLであるが、スピーカアレー10の制御帯域の下限周波数は、2Lの長さのスピーカアレーと同様となる。上述のように、制御帯域の下限周波数は、スピーカアレーの長さに反比例するため、スピーカアレー10の制御帯域の下限周波数は、比較例に係るスピーカアレー90の2分の1となる。したがって、スピーカアレー10は、狭い空間に配置されても比較的広い周波数帯域の音に所望の指向性を与えることができる。
また、スピーカアレー10の指向性においては、壁面220aにおける再生音の反射が考慮されているため、壁面220aにおける再生音の反射による音場の乱れが発生しにくく、所望の指向性を実現しやすい利点がある。
なお、スピーカシステム100においては、仮想スピーカアレー10vを含めてスピーカアレー10の長さよりも長いスピーカアレーを想定した第一フィルタ処理が行われればよい。つまり、仮想スピーカアレー10vの長さは、スピーカアレー10の長さと同一でなくてもよく、スピーカアレー10の長さよりも短くてもよい。つまり、スピーカアレー10の指向性は、当該指向性の並び方向におけるピークが第一フィルタ処理によって壁面220a側に寄っていればよい。
[変形例]
なお、スピーカアレー10の長さLは、例えば、600mmであるが、スピーカアレー10が配置される空間の大きさにより、適宜設定されればよい。また、スピーカアレー10を構成する複数の第一スピーカ10aの数(ch数)、及び、間隔Dの広さは、特に限定されない。間隔Dを狭くするほど、制御帯域の上限周波数を上げることができる。
また、図1では、運転席230にのみスピーカシステム100が適用されているが、運転席に代えて助手席または後部座席に同様のスピーカシステム100が適用されてもよい。運転席230に加えて、助手席及び後部座席に同様のスピーカシステム100が適用されてもよい。なお、後部座席にスピーカシステムが適用される場合、スピーカアレー10は、後部座席の天井部に配置されてもよいし、運転席または助手席の背もたれに配置されてもよい。
(実施の形態2)
人間は、聴感上、指向性が比較的鋭い高音の到来方向を低音の到来方向よりも敏感に感じる。したがって、実施の形態1に係るスピーカシステム100では、再生音の全周波数帯域において指向性のピークが壁面220a側に寄っているため、高域の音が壁面220a側から聞こえてしまう可能性がある。つまり、ユーザが高音の聞こえ方に違和感を感じてしまう可能性がある。
そこで、スピーカシステム100において、再生音の低音成分には図6のような指向性が与えられ、再生音の高音成分には図7のような指向性が与えられてもよい。図10は、このような実施の形態2に係るスピーカシステムの機能構成を示すブロック図である。
なお、以下の実施の形態2の説明では、実施の形態1との相違点を中心に説明が行われ、既出事項については適宜説明が省略される。なお、実施の形態2では、第一信号は、再生対象の信号の低音成分であり、第二信号は、再生対象の信号の高音成分であるとして説明が行われる。
図10に示されるように、実施の形態2に係るスピーカシステム100aは、スピーカシステム100と同様に、スピーカアレー10と、第一フィルタアレー21と、マルチチャンネルアンプ30とを備える。また、スピーカシステム100aは、さらに、周波数フィルタ部40と、加算部50と、第二フィルタアレー22とを備える。
周波数フィルタ部40は、再生対象の信号を、再生対象の信号の低音成分である第一信号、及び、再生対象の信号の高音成分である第二信号に分割する。周波数フィルタ部40は、具体的には、再生対象の信号から第一信号を抽出し、第一フィルタアレー21に出力するLPF41と、再生対象の信号から第二信号を抽出し、第二フィルタアレー22に出力するHPF42とを有する。
第一フィルタアレー21を構成する複数の第一フィルタ21aのそれぞれは、LPF41から第一信号を取得し、取得された第一信号に第一フィルタ処理を行う。第一フィルタ処理の具体的な処理内容は、例えば、第一フィルタ21aごとに異なる。このような第一フィルタ処理が行われた再生対象の信号に基づいて複数の第一スピーカ10aのそれぞれが音を出力することにより、スピーカアレー10から出力される第一信号に対応する再生音(再生音の低音成分)に図11の(a)に示されるような指向性が与えられる。図11は、実施の形態2において、スピーカアレー10から出力される再生音の指向性を示す図である。
第二フィルタアレー22は、第一フィルタ処理と異なる第二フィルタ処理を行う。第二フィルタアレー22は、具体的には、複数の第二フィルタ22aによって構成される。複数の第二フィルタ22aは、複数の第一スピーカ10aに1対1で対応する。第二フィルタアレー22は、例えば、2次元デジタルフィルタであり、複数の第二フィルタ22aのそれぞれは、例えば、1次元デジタルフィルタ(デジタル信号処理を行うフィルタ回路)によって実現される。
複数の第二フィルタ22aのそれぞれは、HPF42から第二信号を取得し、取得された第二信号に第二フィルタ処理を行う。第一フィルタ処理の具体的な処理内容は、例えば、第二フィルタ22aごとに異なる。このような第二フィルタ処理が行われた再生対象の信号に基づいて複数の第一スピーカ10aのそれぞれが音を出力することにより、スピーカアレー10から出力される第二信号に対応する再生音に図11の(b)に示されるような指向性が与えられる。
加算部50は、第一フィルタ処理後の第一信号である第三信号に、第二フィルタ処理後の第二信号である第四信号の加算処理を行う。加算部50は、具体的には、複数の加算器50aによって構成される加算器アレーである。複数の加算器50aは、複数の第一スピーカ10aに1対1で対応する。複数の加算器50aのそれぞれは、一つの第一フィルタ21aから出力される第三信号に、一つの第二フィルタ22aから出力される第四信号を加算する。加算器50aは、具体的には、デジタル演算回路などによって実現される。
マルチチャンネルアンプ30は、加算部50によって加算処理が行われた第三信号に増幅処理を行う。増幅処理後の第三信号は、スピーカアレー10に入力される。
複数の第一スピーカ10aの各々には、加算部50による加算処理及びマルチチャンネルアンプ30による増幅処理が行われた第三信号が入力される。つまり、複数の第一スピーカ10aは、高音成分の音の出力、及び、低音成分の音の出力に共用される。この結果、上記図11の(a)に示されるように、スピーカアレー10から出力される第一信号に対応する再生音の指向性の、複数の第一スピーカ10aの並び方向におけるピークは、第一フィルタ処理によって壁面220a側に寄っている。
一方、図11の(b)に示されるように、スピーカアレー10から出力される第二信号に対応する再生音(再生音の高音成分)の指向性の、複数の第一スピーカ10aの並び方向におけるピークは、第二フィルタ処理によってスピーカアレー10の中央部に位置する。
このように、スピーカシステム100aでは、再生対象の信号が周波数フィルタ部40(LPF41及びHPF42)によって、当該信号の低音成分である第一信号、及び、当該信号の高音成分である第二信号に分割される。実施の形態1で説明したように、第一信号(低音成分)は、制御帯域を広げるためにスピーカアレー長が長い必要がある。そこで、第一信号は、実施の形態1で説明された第一フィルタ処理が行われる。これにより、制御帯域の下限周波数が下げられる。
一方、第二信号(高音成分)は、第一信号と異なり、スピーカアレー長を必要としない。したがって、第二信号には、複数の第一スピーカ10aの並び方向における中央部に指向性のピークが位置するように、第一フィルタ処理と異なる第二フィルタ処理が行われる。
上述のように、人間は、聴感上、指向性が比較的鋭い高域の音の到来方向を低域の音の到来方向よりも敏感に感じる。スピーカシステム100aでは、高音成分である第二信号に対応する再生音の指向性のピークが中央にあるため、ユーザは、再生音が正面から到来しているように感じる。つまり、ユーザが再生音の聞こえ方に違和感を感じてしまうことが抑制される。また、スピーカシステム100aにおいては、低音成分である第一信号については、実施の形態1と同様の処理が行われるため、制御帯域の下限周波数を下げることもできる。
[変形例]
上述のように、第二信号(高音成分)は、スピーカアレー長を必要としないため、スピーカアレー10のうち、両端部に位置する第一スピーカ10aからは、第一信号に対応する低音のみが出力されてもよい。図12は、実施の形態2の変形例に係るスピーカシステムの機能構成を示すブロック図である。
図12に示される、実施の形態2の変形例に係るスピーカシステム100bにおいては、複数の第一スピーカ10aの一部11の各々には、加算部50による加算処理及びマルチチャンネルアンプ30による増幅処理が行われた第三信号が入力される。つまり、複数の第一スピーカ10aの一部11の各々からは、高音成分の音及び低音成分の音の両方が出力される。複数の第一スピーカ10aの一部11は、複数の第一スピーカ10aの並び方向における中央部に位置する。なお、複数の第一スピーカ10aの一部11に含まれる第一スピーカ10aの数は特に限定されない。
一方、複数の第一スピーカの他の一部12の各々には、加算処理及び増幅処理のうち増幅処理のみが行われた第三信号が入力される。つまり、複数の第一スピーカ10aの他の一部12の各々からは、高音成分の音及び低音成分の音のうち低音成分の音のみが出力される。複数の第一スピーカの他の一部12は、複数の第一スピーカ10aの並び方向における両端部に位置する。なお、複数の第一スピーカ10aの他の一部12に含まれる第一スピーカ10aの数は特に限定されない。対称性の観点からは、一方の端部に位置する第一スピーカ10aの数と、他方の端部に位置する第一スピーカの数とは等しいほうがよい。
このように、スピーカシステム100bでは、両端部に位置する第一スピーカ10aからは、第一信号に対応する低音のみが出力され、第二信号に対応する高音は出力されない。これにより、スピーカアレー10が出力する再生音の高音成分を運転席230以外の座席に着座したユーザに聞こえにくくすることができる。
以上説明したスピーカシステム100bのように、スピーカシステム100aにおいては、スピーカアレー10に含まれる複数の第一スピーカ10aの少なくとも一部の各々に、加算処理及び増幅処理が行われた第三信号が入力されればよい。これにより、複数の第一スピーカの少なくとも一部から出力される第二信号に対応する再生音の指向性の、複数の第一スピーカ10aの並び方向におけるピークは、第二フィルタ処理によってスピーカアレー10の中央部に位置する。
(実施の形態3)
上述のように、スピーカアレー10を構成する複数の第一スピーカ10aの間隔Dを狭くするほど、制御帯域の上限周波数を上げることができる。そこで、スピーカシステム100bが備えるスピーカアレー10には、第二信号に対応する高音を出力する複数の第二スピーカがさらに含まれてもよい。複数の第一スピーカ10a及び複数の第二スピーカが交互に配置されることで第二信号に対する実質的なスピーカの間隔が狭められてもよい。図13は、このような実施の形態3に係るスピーカシステムの機能構成を示すブロック図である。
なお、以下の実施の形態3の説明では、実施の形態2の変形例に係るスピーカシステム100bとの相違点を中心に説明が行われ、既出事項については適宜説明が省略される。
図13に示されるように、実施の形態3に係るスピーカシステム100cが備えるスピーカアレー10cは、スピーカアレー10と異なり、直線状に配置された複数の第二スピーカ10bを含む。複数の第二スピーカ10bの数は、特に限定されない。
複数の第一スピーカ10aの一部と、複数の第二スピーカ10bとは交互に配置される。なお、複数の第一スピーカ10aの少なくとも一部と、複数の第二スピーカ10bとが交互に配置されればよく、例えば、複数の第一スピーカ10aの全部と、複数の第二スピーカ10bとが交互に配置されてもよい。
スピーカアレー10cには、当該スピーカアレー10cのうち、複数の第一スピーカ10aの並び方向における中央部に位置する第一スピーカ群11a、及び、複数の第一スピーカ10aの並び方向における両端部に位置する第二スピーカ群11bが含まれる。第一スピーカ群11aには、複数の第一スピーカ10a及び複数の第二スピーカ10bが含まれる。第二スピーカ群11bには、複数の第一スピーカ10aが含まれる。
第一スピーカ群11aに含まれる第一スピーカ10aの各々には、加算部50による加算処理及びマルチチャンネルアンプ30による増幅処理が行われた第三信号が入力される。つまり、第一スピーカ群11aに含まれる第一スピーカ10aの各々からは、高音成分の音及び低音成分の音の両方が出力される。
一方、第一スピーカ群11aに含まれる第二スピーカ10bの各々には、マルチチャンネルアンプ30による増幅処理が行われた第四信号が入力される。つまり、第一スピーカ群11aに含まれる第二スピーカ10bの各々からは、高音成分の音及び低音成分の音のうち高音成分の音のみが出力される。
そして、第二スピーカ群11bに含まれる第一スピーカ10aの各々には、加算部50による加算処理が行われておらず、かつ、マルチチャンネルアンプ30による増幅処理が行われた第三信号が入力される。つまり、第一スピーカ群11aに含まれる第一スピーカ10aの各々からは、高音成分の音及び低音成分の音のうち低音成分の音のみが出力される。
ここで、複数の第二スピーカ10bは、複数の第一スピーカ10aと同じく、間隔Dで等間隔に配置される。そうすると、第一スピーカ群11aに含まれる複数のスピーカ(複数の第一スピーカ10a及び複数の第二スピーカ10b)は、第二信号(高音成分)に対しては、スピーカが間隔D/2で配置されていることになる。これにより、制御帯域の上限周波数が上げられる。
図14の(b)に示されるように、第二スピーカ群11bから出力される第二信号に対応する再生音の指向性の、複数の第一スピーカ10aの並び方向におけるピークは、第二フィルタ処理によってスピーカアレー10cの中央部に位置する。図14は、実施の形態3において、スピーカアレー10cから出力される再生音の指向性を示す図である。
一方、スピーカアレー10cに含まれる複数の第一スピーカ10aは、第一信号(低音成分)に対しては、スピーカが間隔Dで配置されていることになる。したがって、図14の(a)に示されるように、スピーカアレー10cから出力される第一信号に対応する再生音の指向性の、複数の第一スピーカ10aの並び方向におけるピークは、実施の形態1及び2と同様に、第一フィルタ処理によって壁面220a側に寄っている。
このように、スピーカシステム100cでは、第二信号に対応する高音を出力する第二スピーカ10bが追加されることにより、制御帯域の上限周波数を上げることができる。
(実施の形態4)
実施の形態4では、実施の形態3に係るスピーカシステム100cの適用例について図15を用いて説明する。図15は、スピーカシステム100cの適用例を示す図である。
図15に示されるように、スピーカシステム100cはリビングルーム250に設置されている。スピーカシステム100cの右端部はリビングルーム250の壁面260aに、左端部は壁面260bに接するように配置してあり、壁面260aおよび壁面260bが実施の形態3における窓ガラス等を含む側壁220と同様の役割を果たす。動作等については実施の形態3と同様の構成のため、説明を省略する。
実施の形態4では、壁面270には、画面280が設置または投影されている。画面280において、1画面表示時は全スピーカから同じ信号を再生し、2画面表示時には、エリア290aとエリア290bにそれぞれ違う音を提供することができる。このとき、エリア290aおよび290bは壁面260a、260bに隣接しているため、実施の形態3に記載の内容と同様に、より低周波数域まで制御することが可能となる。
なお、リビングルームの部屋の形状によっては、側壁は片方だけで構成してもよい。その際は、片方のエリアのみ、低音の再生帯域を低周波数まで制御することが可能になる。また、本実施の形態4はリビングルームを例として説明しているが、その他の部屋でもかまわない。また、画面280がなくてもかまわない。
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本開示は、このような実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態に係るスピーカシステムは、自動車または住宅内の空間に適用されているが、壁面を有するその他の空間に適用されてもよい。上記実施の形態に係るスピーカシステムは、自動車以外の移動体内の空間に適用されてもよいし、美術館、デパート等の商業施設、展示スペース、または、公共空間のサイネージ等において用いられてもよい。
また、上記実施の形態に係るスピーカシステムの構成は、一例である。スピーカシステムは、例えば、D/A変換器、ローパスフィルタ(LPF)、ハイパスフィルタ(HPF)、アンプ(電力増幅器)、または、A/D変換器などの構成要素をさらに含んでもよい。また、スピーカシステムにおいて実行される信号処理は、主としてデジタル信号処理であるが、一部がアナログ信号処理であってもよい。
その他、上記実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、及び、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態で説明された構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
例えば、本開示は、スピーカシステムによって実行される信号処理方法として実現されてもよい。また、本開示は、スピーカアレーに信号処理済みの信号を出力する信号処理装置(集積回路)として実現されてもよい。
本開示のスピーカシステムは、指向性を有する再生音を出力することにより、特定の領域に位置するユーザにのみ再生音を聞こえさせるスポット再生が可能なスピーカシステムとして有用である。
10、10c、90 スピーカアレー
10a 第一スピーカ
10b 第二スピーカ
10v 仮想スピーカアレー
11 一部
11a 第一スピーカ群
11b 第二スピーカ群
12 他の一部
21 第一フィルタアレー
21a 第一フィルタ
22 第二フィルタアレー
22a 第二フィルタ
30 マルチチャンネルアンプ
30a 増幅器
40 周波数フィルタ部
41 LPF
42 HPF
50 加算部
50a 加算器
100、100a、100b、100c スピーカシステム
200 自動車
210 天井部
220 側壁
220a 壁面
230 運転席
240 ダッシュボード
250 リビングルーム
260a、260b リビングルームの側壁
270 リビングルームの壁面
280 画面
290a、290b リビングルーム内の再生エリア

Claims (12)

  1. 各々に第一フィルタ処理及び増幅処理が行われた第一信号が入力される直線状に配置された複数の第一スピーカによって構成されるスピーカアレーと、
    前記第一フィルタ処理を行う第一フィルタアレーと、
    前記増幅処理を行うマルチチャンネルアンプとを備え、
    前記スピーカアレーは前記複数の第一スピーカの並び方向と交差する壁面を有する再生空間に配置され、
    前記スピーカアレーから出力される、前記第一信号に対応する再生音の指向性の前記並び方向におけるピークは、前記第一フィルタ処理によって前記壁面側に寄っている
    スピーカシステム。
  2. 前記ピークは、前記壁面上に位置する
    請求項1に記載のスピーカシステム。
  3. 前記複数の第一スピーカは、間隔Dで等間隔に配置され、
    前記複数の第一スピーカのうち前記壁面側の端に位置する第一スピーカと前記壁面との間隔は、D/2である
    請求項1または2に記載のスピーカシステム。
  4. 前記第一信号は、再生対象の信号の低音成分であり、
    前記スピーカシステムは、さらに、
    前記再生対象の信号を、前記第一信号、及び、前記再生対象の信号の高音成分である第二信号に分割する周波数フィルタ部と、
    前記第二信号に第二フィルタ処理を行う第二フィルタアレーと、
    前記第一フィルタ処理後の前記第一信号である第三信号に、前記第二フィルタ処理後の前記第二信号である第四信号の加算処理を行う加算部とを備え、
    前記マルチチャンネルアンプは、前記加算処理が行われた前記第三信号に前記増幅処理を行い、
    前記複数の第一スピーカの少なくとも一部の各々には、前記加算処理及び前記増幅処理が行われた前記第三信号が入力され、
    前記複数の第一スピーカの少なくとも一部から出力される、前記第二信号に対応する再生音の指向性の前記並び方向におけるピークは、前記第二フィルタ処理によって前記スピーカアレーの中央部に位置する
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のスピーカシステム。
  5. 前記複数の第一スピーカの一部の各々には、前記加算処理及び前記増幅処理が行われた前記第三信号が入力され、
    前記複数の第一スピーカの他の一部の各々には、前記加算処理及び前記増幅処理のうち前記増幅処理のみが行われた前記第三信号が入力される
    請求項4に記載のスピーカシステム。
  6. 前記複数の第一スピーカの他の一部は、前記スピーカアレーの前記並び方向における両端部に位置する
    請求項5に記載のスピーカシステム。
  7. 前記複数の第一スピーカの各々には、前記加算処理及び前記増幅処理が行われた前記第三信号が入力される
    請求項4に記載のスピーカシステム。
  8. 前記スピーカアレーは、さらに、直線状に配置された複数の第二スピーカを含み、
    前記複数の第二スピーカの各々には、前記マルチチャンネルアンプによって増幅処理が行われた、前記第四信号が入力され、
    前記複数の第一スピーカの少なくとも一部と、前記複数の第二スピーカとは交互に配置され、
    前記複数の第一スピーカの少なくとも一部、及び、前記複数の第二スピーカから出力される、前記第二信号に対応する再生音の指向性の前記並び方向におけるピークは、前記第二フィルタ処理によって前記スピーカアレーの中央部に位置する
    請求項4に記載のスピーカシステム。
  9. 前記複数の第一スピーカは、間隔Dで等間隔に配置され、
    前記複数の第二スピーカは、前記間隔Dで等間隔に配置される
    請求項8に記載のスピーカシステム。
  10. 前記スピーカアレーは、自動車の天井部に配置される
    請求項1〜9のいずれか1項に記載のスピーカシステム。
  11. 前記スピーカアレーは、自動車のダッシュボードに配置される
    請求項1〜9のいずれか1項に記載のスピーカシステム。
  12. スピーカシステムによって実行される信号処理方法であって、
    前記スピーカシステムは、
    各々に第一フィルタ処理及び増幅処理が行われた第一信号が入力される直線状に配置された複数の第一スピーカによって構成されるスピーカアレーと、
    前記第一フィルタ処理を行う第一フィルタアレーと、
    前記増幅処理を行うマルチチャンネルアンプとを備え、
    前記スピーカアレーは前記複数の第一スピーカの並び方向と交差する壁面を有する再生空間に配置され、
    前記信号処理方法は、前記スピーカアレーから出力される、前記第一信号に対応する再生音の指向性の前記並び方向におけるピークを、前記第一フィルタ処理によって前記壁面側に寄せる
    信号処理方法。
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