JP2019067895A - 光電気化学エッチングによるSiCウェハの加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光電気化学エッチングによって、SiCウェハの表面に対して均一な加工を実現し得る技術を提供する。【解決手段】光電気化学エッチングによるSiCウェハの加工方法であって、エッチング溶液中にSiCウェハを配置する工程と、SiCウェハへの加工形状に対応する開口が形成された電極板を、エッチング溶液中でSiCウェハの表面に対向するように配置する工程と、SiCウェハと電極板との間に電圧を印加しながら、SiCウェハの表面に向けて電極板の反対側から光を照射し、電極板の開口を通じてSiCウェハの表面を選択的に露光する工程とを備える。【選択図】図1
Description
本明細書が開示する技術は、光電気化学エッチングによるSiCウェハの加工方法に関する。
特許文献1には、発光ダイオードの製造に、光電気化学エッチングを採用した技術が開示されている。
本発明者らは、光電気化学エッチングによってSiCウェハを加工することを検討している。SiCウェハは高硬度を有しており、熱的、化学的にも非常に安定しているため、加工が難しい材料である。従来、SiCウェハの加工では、化学機械研磨(CMP)や機械研磨(MP)といった機械加工やドライエッチングを用いた方法が行われてきた。しかしながら、それらの加工方法によると、結晶欠陥の発生といったSiCウェハへのダメージが問題となり得る。このようなダメージは、SiCウェハの電気的特性を低下させることから、その後の半導体素子の製造工程において、半導体素子の生産性(例えば良品率)を低下させる要因となり得る。この点に関して、光電気化学エッチングでは、エッチング溶液中で加工がなされるので、上記のような問題が解決される。
光電気化学エッチングによるSiCウェハの加工では、エッチング溶液中にSiCウェハを配置し、同じくエッチング溶液中に配置された電極とSiCウェハとの間に電圧を印加しながら、SiCウェハに向けて紫外光等の光を照射する。これにより、光を照射されたSiCウェハの表面が酸化されるとともに、その酸化物がエッチング溶液中に溶解することによって、SiCウェハの当該表面がエッチングされる。一方で、光電気化学エッチングでは、エッチング溶液中に配置された電極に近い位置ほど、SiCウェハの酸化が進行しやすいので、電極の位置に応じてSiCウェハが偏ってエッチングされてしまう。この問題を回避するためには、エッチング溶液中に配置する電極を板状の電極板とし、その電極板を加工対象であるSiCウェハの表面に対して対向させることが考えられる。しかしながら、そのような電極体をSiCウェハの表面に対向配置すると、当該電極板が障害物となってしまい、加工対象であるSiCウェハの表面に光を照射できなくなるという背反が生じる。本明細書は、光電気化学エッチングによって、SiCウェハの表面に対して均一な加工を実現し得る技術を提供する。
本明細書が開示する加工方法は、光電気化学エッチングによるSiCウェハの加工方法であって、エッチング溶液中にSiCウェハを配置する工程と、SiCウェハへの加工形状に対応する開口が形成された電極板を、エッチング溶液中でSiCウェハの表面に対向するように配置する工程と、SiCウェハと電極板との間に電圧を印加しながら、SiCウェハの表面に向けて電極板の反対側から光を照射し、電極板の開口を通じてSiCウェハの表面を選択的に露光する工程とを備える。
上記した方法では、開口が形成された電極板を、エッチング溶液中でSiCウェハの表面に対向するように配置する。これにより、SiCウェハの反対側から光を照射したときに、その光の一部は電極板により遮断されることなく、電極板の開口を通じてSiCウェハの表面に到達することができる。これにより、SiCウェハの表面では、電極板の開口に対応する範囲のみが露光され、選択的にエッチングされる。電極板とSiCウェハの表面との間の距離は、SiCウェハの表面全体に亘って一定であるので、各々のエッチング箇所では同じ速度でエッチングが進行する。即ち、SiCウェハの表面全体に亘って、偏りのないエッチングを行うことができる。このように、SiCウェハの表面に電極板を対向させるとともに、その電極板をマスクとしても機能させることにより、SiCウェハの表面に対して均一な加工を実施することができる。
図面を参照して、一実施例であるSiCウェハ12の加工方法について説明する。本実施例の加工方法は、光電気化学エッチングによる加工方法であり、図1に示すエッチング装置10を利用する。エッチング装置10は、ステージ18、電極板20、電源22、光源24、及びエッチング溶液14を貯めるエッチング槽26を備える。エッチング溶液14は、一例ではあるが、フッ酸と硝酸の混合水溶液であってよい。
ステージ18は、SiCウェハ12が配置される台であり、エッチング槽26内に配置されている。なお、SiCウェハ12は、概して円板形状をしており、上面12aとその反対に位置する下面12bを有する。一例ではあるが、本実施例では、SiCウェハ12の一表面である上面12aに、光電気化学エッチングによる加工を実施する。ステージ18には、ステージ電極16が設けられている。ステージ電極16は、ステージ18上のSiCウェハ12の下面12bと接触することで、SiCウェハ12と電気的に接続される。なお、ステージ電極16を含むステージ18の具体的な構成は特に限定されない。ステージ18は、エッチング溶液14内でSiCウェハ12を支持するとともに、そのSiCウェハ12と電気的に接続される構成であればよい。
電極板20は、エッチング槽26内に配置されており、エッチング溶液14内でステージ18上のSiCウェハ12の上面12aと対向する。電極板20は、SiCウェハ12と同様に、概して円板形状を有している。電極板20は、優れた導電性を有し、且つ、エッチング溶液14に溶けにくい材料で構成されている。一例ではあるが、電極板20は、例えば金のような金属材料で構成される。電極板20は、上面20aとその上面20aの反対側に位置する下面20bを有する。図2に示すように、電極板20には、複数の開口20cが形成されている。開口20cの数、位置及び形状は、SiCウェハ12に加工する形状と対応している。なお、電極板20に形成される開口20cの数、位置及び形状については特に限定されず、電極板20には少なくとも一つの開口20cが形成されていればよい。
電源22は、ステージ18のステージ電極16と電極板20とに接続されており、両者の間に直流電圧を印加する。なお、図1に示すように、電源22の正極はステージ電極16(即ち、SiCウェハ12)に接続されており、電源22の負極は電極板20に接続されている。前述したように、ステージ電極16は、ステージ18上のSiCウェハ12と電気的に接続されている。従って、電源22がステージ電極16と電極板20との間に直流電圧を印加すると、ステージ18上のSiCウェハ12と電極板20との間に直流電圧が印加される。
光源24は、ステージ18上のSiCウェハ12に向けて光を照射する。但し、ステージ18が電極板20の下面20b側に位置するのに対して、光源24は電極板20の上面20a側に位置している。従って、光源24は、SiCウェハ12の上面12aに向けて、電極板20の反対側から光を照射するように配置されている。前述したように、電極板20には複数の開口20cが形成されているので、光源24が発した光の一部は当該開口20cを通じてSiCウェハ12の上面12aに照射される。光源24には、特に限定されないが、例えば紫外光を発するものなどが用いられる。
上述したエッチング装置10を用いたSiCウェハ12の加工方法について説明する。第1工程として、エッチング溶液14中にSiCウェハ12を配置する。本実施例では、まずSiCウェハ12をエッチング槽26内にあるステージ18上に配置する。このとき、加工対象であるSiCウェハ12の上面12aが、電極板20及び光源24の方を向くように、SiCウェハ12は配置される。次いで、エッチング溶液14をエッチング槽26内に供給する。なお、SiCウェハ12の配置とエッチング溶液14の供給との間の順序は特に問わない。例えば、エッチング槽26の外部へ移動させたステージ18上にSiCウェハ12を配置し、そのステージ18をエッチング槽26のエッチング溶液14内へ浸漬させることによって、エッチング溶液14中にSiCウェハ12を配置してもよい。第2工程として、SiCウェハ12への加工形状に対応する開口20cが形成されている電極板20を、エッチング溶液14中でSiCウェハ12の上面12aに対向するように配置する。
第3工程として、光電気化学エッチングを行う。具体的には、電源22をオンにして、SiCウェハ12と電極板20との間に電圧を印加するとともに、光源24を作動させて、SiCウェハ12の上面12aに光を照射する。前述したように、SiCウェハ12には電極板20の反対側(上面20a側)から光が照射される、その光の一部が電極板20の開口20cを通過する。これにより、電極板20の開口20cを通じて、SiCウェハ12の上面12aは選択的に露光される。
このように、SiCウェハ12の反対側(上面20a側)から光を照射すると、その光の一部は電極板20により遮断されることなく、電極板20の開口20cを通じてSiCウェハ12の上面12aに到達することができる。その結果、SiCウェハ12の上面12aでは、電極板20の開口20cに対応する範囲のみが露光され、選択的にエッチングされる。電極板20とSiCウェハ12の上との間の距離は、SiCウェハ12の上面12a全体に亘って一定であるので、各々のエッチング箇所では同じ速度でエッチングが進行する。即ち、SiCウェハ12の上面12a全体に亘って、偏りのないエッチングを行うことができる。このように、SiCウェハ12の上面12aに電極板20を対向させるとともに、その電極板20をマスクとしても機能させることにより、SiCウェハ12の上面12aに対して均一な加工を実施することができる。以上の工程により、SiCウェハ12の上面12aへの加工が完了する。
この加工方法を採用することで、例えば、SiCウェハ12の表面にアライメントマークを直接加工することも可能となる。従来、ドライエッチングによるアライメントマークの加工では、15分程度の時間を要していたのに対して、本実施例の加工方法によると、その所要時間を数秒程度まで短縮させることも可能となる。
本実施例における光電気化学エッチングの条件としては、一例ではあるが、エッチング加工速度を数μm/分とし、紫外線強度を150W/cm2程度とすることができる。また、エッチング溶液14については、一例ではあるが、8パーセント濃度のフッ酸と60パーセント濃度の硝酸とを1:4の割合で混合した酸性溶液を用いることができる。但し、所望する加工形状や加工速度などに応じて、エッチング溶液14の構成は適宜変更することができる。また、エッチング溶液14はアルカリ性溶液で構成されていてもよい。このような条件で実施すると、SiCウェハ12上への光電気化学エッチングによる加工が十分に進行する。
以上、いくつかの具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものである。
10:エッチング装置
12:SiCウェハ
12a:SiCウェハの上面
12b:SiCウェハの下面
14:エッチング溶液
16:ステージ電極
18:ステージ
20:電極板
20a:電極板の上面
20b:電極板の下面
20c:開口
22:電源
24:光源
26:エッチング槽
12:SiCウェハ
12a:SiCウェハの上面
12b:SiCウェハの下面
14:エッチング溶液
16:ステージ電極
18:ステージ
20:電極板
20a:電極板の上面
20b:電極板の下面
20c:開口
22:電源
24:光源
26:エッチング槽
Claims (1)
- 光電気化学エッチングによるSiCウェハの加工方法であって、
エッチング溶液中に前記SiCウェハを配置する工程と、
前記SiCウェハへの加工形状に対応する開口が形成された電極板を、前記エッチング溶液中で前記SiCウェハの表面に対向するように配置する工程と、
前記SiCウェハと前記電極板との間に電圧を印加しながら、前記SiCウェハの前記表面に向けて前記電極板の反対側から光を照射し、前記電極板の前記開口を通じて前記SiCウェハの前記表面を選択的に露光する工程と、
を備える加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017191157A JP2019067895A (ja) | 2017-09-29 | 2017-09-29 | 光電気化学エッチングによるSiCウェハの加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017191157A JP2019067895A (ja) | 2017-09-29 | 2017-09-29 | 光電気化学エッチングによるSiCウェハの加工方法 |
Publications (1)
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JP2019067895A true JP2019067895A (ja) | 2019-04-25 |
Family
ID=66339919
Family Applications (1)
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JP2017191157A Pending JP2019067895A (ja) | 2017-09-29 | 2017-09-29 | 光電気化学エッチングによるSiCウェハの加工方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2019067895A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111952220A (zh) * | 2019-05-15 | 2020-11-17 | 株式会社电装 | 蚀刻装置 |
-
2017
- 2017-09-29 JP JP2017191157A patent/JP2019067895A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN111952220A (zh) * | 2019-05-15 | 2020-11-17 | 株式会社电装 | 蚀刻装置 |
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